【実施例】
【0025】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0026】
流体荷役駆動装置4を作動させてタンク1内に流体を供給する流体荷役管2に、ガスパージ用吸引駆動装置5を作動させて前記タンク内をガスパージするガスパージ管3を前記流体荷役管2に分岐状態若しくは並設状態に設け、このガスパージを行う際に閉じ状態から開き状態にガスパージ切替操作部7の操作により切り替えるガスパージ開閉弁6をガスパージ管3に設けている。
【0027】
即ち、本実施例では、前記ガスパージ切替操作部7を開き操作することで前記ガスパージ開閉弁6を開き状態に切り替えた後、ガスパージ作動スイッチ10を(本実施例では押下げることで所定時間作動するスタートスイッチ)操作して、前記ガスパージ用吸引駆動装置5を作動させガスパージを行った後に、前記ガスパージ切替操作部7を閉じ操作して前記ガスパージ開閉弁6を閉じ状態に切り替えた後、流体荷役作動スイッチ9(本実施例では押下げることで所定時間作動するスタートスイッチ)を操作して前記流体荷役駆動装置4を作動させタンク1内に流体を供給する構成としている。
【0028】
更に説明すると、本実施例では、前記流体荷役駆動装置4を備えた前記流体荷役管2となるローディングアーム13の先端部の前記タンク1内に垂下するドロップパイプ2に、分岐状態に前記ガスパージ用吸引駆動装置5を備えた前記ガスパージ管3を設け、このガスパージ管3に、前記ガスパージする際に開き状態とし、ガスパージを終了した後若しくはガスパージしないときに閉じ状態として、前記タンク1内に垂下した前記ドロップパイプ2により流体を供給する際にこの流体が前記ガスパージ管3へ逆流することを阻止する前記ガスパージ開閉弁6を設けている。
【0029】
このガスパージ開閉弁6を開閉切り替えする前記ガスパージ切替操作部7に、このガスパージ切替操作部7の操作可動によって連動可動する連動可動部8を設け、この連動可動部8に前記流体荷役作動スイッチ9の操作を邪魔する流体荷役作動阻止用カバー部11を設けると共に、前記ガスパージ作動スイッチ10の操作を邪魔するガスパージ作動阻止用カバー部12を設けている。
【0030】
具体的には、前記ガスパージ切替操作部7は、前記ガスパージ開閉弁6を開閉操作するために正逆回動する操作レバーとしてこのガスパージ開閉弁6に設け、このガスパージ切替操作部7の正逆回動により連動可動する前記連動可動部8(第一連動可動部8A)をガスパージ切替操作部7の基部に所定角度を保持して突設し、この第一連動可動部8Aに更にこの第一連動可動部8Aの回動に伴ってこの回動面の所定方向に往復スライドする第二連動可動部8Bを枢着し、この往復スライドする第二連動可動部8Bに前記流体荷役作動阻止用カバー部11と前記ガスパージ作動阻止用カバー部12とを突設した構成としている。
【0031】
この流体荷役作動阻止用カバー部11及びガスパージ作動阻止用カバー部12は、前記流体荷役作動スイッチ9又は前記ガスパージ作動スイッチ10の押下操作を邪魔するように覆うカバープレートで構成している。
【0032】
また、本実施例は、この流体荷役作動阻止用カバー部11とガスパージ作動阻止用カバー部12とを一体化あるいは共用構造としている。即ち一枚のカバープレートを前記連動可動部8(往復スライドする第二連動可動部8B)に突設して、この一枚のカバープレートが流体荷役作動阻止用カバー部11及びガスパージ作動阻止用カバー部12として機能するように構成している。
【0033】
言い換えると、本実施例では、この流体荷役作動スイッチ9とガスパージ作動スイッチ10とを並設状態にして隣接状態に配置し(例えば水平並設状態に近接し)、これらを覆う流体荷役作動阻止用カバー部11及びガスパージ作動阻止用カバー部12を一枚のカバープレートで構成し、この流体荷役作動阻止用カバー部11及びガスパージ作動阻止用カバー部12として設けた一枚のカバープレートを、双方の前記スイッチ9,10の並設方向と平行に(例えば水平方向に)して前記第二連動可動部8Bに突設して、ガスパージ切替操作部7の操作回動により、このカバープレートが左右に連動スライドして、流体荷役作動スイッチ9を覆う位置とガスパージ作動スイッチ10を覆う位置に交互に切り替え往復スライドするように構成している。
【0034】
即ち、前記ガスパージ切替操作部7を操作回動して前記ガスパージ開閉弁6を閉じ状態とした際には、前記連動可動部8の連動可動(第一連動可動部8Aの連動回動及び第二連動可動部8Bの連動スライド)により前記流体荷役作動阻止用カバー部11たるカバープレートは退避スライドして前記流体荷役作動スイッチ9を操作できる位置(このスイッチ9を開放する位置)に連動スライドし、且つ同時に同じカバープレートたる前記ガスパージ作動阻止用カバー部12が、前記ガスパージ作動スイッチ10を操作できない位置(これを覆う位置)に連動スライドする連動機構14を前記ガスパージ切替操作部7に設けて流体荷役作動阻止機構Aを構成している。
【0035】
即ち、このような簡易な構成で構築した流体荷役作動阻止機構Aを、ガスパージ開閉弁6を開閉操作する正逆回動操作レバー7に付設した構成としている。
【0036】
従って、流体を供給(荷役)するに先立って、タンク1内をガスパージする際、ガスパージ切替操作部7を開き方向に回動してガスパージ開閉弁6を開き状態にすると、このガスパージ切替操作部7の操作可動に連動して第一連動可動部8Aが連動回動し、この第一連動可動部8Aの回動により第二連動可動部8Bが所定方向にスライドすることで流体荷役作動阻止用カバー部11であるカバープレートは、流体荷役作動スイッチ9の操作の邪魔となる位置(これを覆う位置)にスライドし、ガスパージ作動阻止用カバー部12でもあるカバープレートは、同時にガスパージ作動スイッチ10の操作を邪魔する位置(これを覆う位置)から退避移動する。
【0037】
従って、ガスパージ切替操作部7を回動してガスパージ開閉弁6を開き状態とすると、確認せずとも自動的に流体荷役駆動装置4を作動させる流体荷役作動スイッチ9は、流体荷役作動阻止用カバー部11によりカバーされて操作(例えば押下げ)できない状態となり、逆にガスパージ用吸引駆動装置5を作動させるガスパージ作動スイッチ10は、ガスパージ作動阻止用カバー部12によりカバーされずに開放されていて操作(例えば押下げ)できる状態となり、安易にこのガスパージ作動スイッチ10を操作することでガスパージ用吸引駆動装置5を作動させてガスパージ管3を介してタンク1内をガスパージできることになる。
【0038】
そして、このガスパージを終了し、ガスパージ切替操作部7を逆に回動してガスパージ開閉弁6を閉じ状態にすると、このガスパージ切替操作部7の操作回動に連動して連動可動部8が連動回動し、これにより今度は第二連動可動部8Bが逆方向にスライドすることでこの第二連動可動部8Bに設けた流体荷役作動阻止用カバー部11(カバープレート)は退避移動して流体荷役作動スイッチ9を開放し、ガスパージ作動阻止用カバー部12(同じカバープレート)は、ガスパージ作動スイッチ10を覆う位置に連動スライドする。
【0039】
従って、ガスパージを終えた際、あるいはガスパージをしない場合には、このガスパージ切替操作部7を操作回動してガスパージ開閉弁6を閉じた状態としている場合は、確認せずともこのガスパージ切替操作部7の操作回動により自動的に流体荷役駆動装置4を作動させる流体荷役作動スイッチ9は、開放されて操作できる状態となっているため、安易にこれを操作(例えば押下げ)するだけで流体荷役駆動装置4が作動し流体を流体荷役管2を介してタンク1に供給できることとなる。
【0040】
この場合、もしガスパージ開閉弁6を閉め忘れている場合には、ガスパージ切替操作部7はガスパージ開閉弁6を開いた状態とする位置にあるため、前述のように流体荷役駆動装置4を作動させる流体荷役作動スイッチ9は、流体荷役作動阻止用カバー部11(カバープレート)によりカバーされて容易に操作できない状態となっているため、ガスパージ開閉弁6を閉め忘れたまま流体荷役作動スイッチ9を操作して流体供給を開始してしまうことが自動的に防止できることとなる。
【0041】
また、ガスパージ開閉弁6が閉じ状態となっている場合にガスパージ作動スイッチ10は覆われて操作できないため、ガスパージ開閉弁6を閉じているのにガスパージ作動スイッチ10を誤って操作することも防止できることとなる。
【0042】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。