特許第6376768号(P6376768)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6376768調節可能なファスナークリンピングを含む外科用ステープル留めデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6376768
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】調節可能なファスナークリンピングを含む外科用ステープル留めデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20180813BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-28365(P2014-28365)
(22)【出願日】2014年2月18日
(65)【公開番号】特開2014-171868(P2014-171868A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2017年2月14日
(31)【優先権主張番号】13/785,138
(32)【優先日】2013年3月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】パトリック モズディエーズ
(72)【発明者】
【氏名】ケビン スリーズ
【審査官】 大屋 静男
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04241861(US,A)
【文献】 米国特許第05752973(US,A)
【文献】 特開平04−310376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
B25B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープル留めデバイスのためのエンドエフェクターであって、該エンドエフェクターは、
アンビル部材であって、該アンビル部材は、該アンビル部材の組織係合表面に複数のファスナー形成ポケットを画定している、アンビル部材と、
カートリッジ部材であって、該カートリッジ部材は、該カートリッジ部材の組織係合表面に複数のファスナー保持スロットを画定し、該カートリッジ部材は、該ファスナー保持スロットにおいて複数のファスナーを支持している、カートリッジ部材と、
該アンビル部材および該カートリッジ部材に接続されたピボットプレートと
を含み、該ピボットプレートは、円形の本体を有し、該ピボットプレートは、該エンドエフェクターの発射後の該複数のファスナーのうちの1つまたは複数の形成高さを調節するように、該アンビル部材および該カートリッジ部材に対して動くことが可能であり、該ピボットプレートは、該ピボットプレート内に第1のチャネルおよび第2のチャネルを画定し、該アンビル部材および該カートリッジ部材のそれぞれは、そこから延びるピンを含み、該第1のチャネルは、該アンビルの該ピンを受け取るように寸法を合わせられ、該第2のチャネルは、該カートリッジの該ピンを受け取るように寸法を合わせられ、該ピボットプレートの運動は、該ピンが該チャネルに沿って動き、該アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの少なくとも一方を該アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの他方に対して動かすことを可能にする、エンドエフェクター。
【請求項2】
なくとも1つの前記ピボットプレート、前記アンビル部材および前記カートリッジ部材に対して回転可能であり、該少なくとも1つのピボットプレートの回転は、該アンビル部材および該カートリッジ部材を互いに対して動かすことにより、前記複数のファスナーのうちの1つまたは複数の前記形成高さを調節する、請求項1に記載のエンドエフェクター。
【請求項3】
前記アンビル部材は、該アンビル部材から延びる第1のピンを含み、前記カートリッジ部材は、該カートリッジ部材から延びる第2のピンを含み、少なくとも1つの前記ピボットプレートは、第1の弓形チャネルと第2の弓形チャネルとを画定し、該第1の弓形チャネルは、該第1のピンを受け取るように寸法を合わせられ、該第2の弓形チャネルは、該第2のピンを受け取るように寸法を合わせられている、請求項に記載のエンドエフェクター。
【請求項4】
イフアセンブリをさらに含む、請求項1に記載のエンドエフェクターであって、該ナイフアセンブリは、
本体部材と支持部材とを含むベースアセンブリと、
該支持部材に動くことが可能に支持された調節アセンブリであって、該調節アセンブリは、リンク部材と駆動部材とを含み、該駆動部材は、該リンク部材を軸方向に動かすように回転可能である、調節アセンブリと、
該本体部材に旋回するように結合されたナイフであって、該ナイフは、該リンク部材に旋回するように結合され、該ナイフは、該駆動部材の回転に応答して、第1の配向と第2の配向との間で旋回可能であり、該第1の配向は、該第2の配向とは異なっている、ナイフと
を含む、エンドエフェクター
【請求項5】
前記リンク部材は、近位配向と遠位配向との間で動き、該ナイフは、該遠位配向における第1の高さと、該近位配向における第2の高さとを定義し、該第1の高さおよび該第2の高さは、異なっている、請求項に記載のエンドエフェクター
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本願は、外科用ステープル留めデバイスに関連し、より具体的には、異なるクリンプ高さおよび/または構成で、外科用ファスナーを体組織に形成するための外科用ステープル留めデバイスに関連する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
医療コストおよび病院コストが増加し続けるので、外科医は、先進の外科技術を開発するように絶えず努力している。外科分野における進歩は、しばしば、手術技術の開発に関連し、その手術技術は、より侵襲性がない外科手技を含み、全体的な患者の外傷を減少させる。この態様において、病院滞在の長さは、有意に減少させられ、従って、病院コストおよび医療コストもまた、減少させられ得る。
【0003】
一般に、内視鏡外科手術は、例えば、卵巣、子宮、胆嚢、腸、肝臓、虫垂などを観察し、かつ/または手術するための内在する作業空間にアクセスするために、体壁を通して切開することを含む。カニューレのような外科用ポータルが、切開を通して挿入されることにより、細長い外科用器具のための作業空間へのアクセスを提供し、その細長い外科用器具は、作業空間において観察し、かつ/または手術するために使用される。理解されるように、外科用ポータルは、異なるサイズの器具に対応するように、種々の形状およびサイズにおいて提供され得る。
【0004】
多くの一般的な内視鏡外科手技が存在し、ほんの少し例を挙げれば、関節鏡検査、腹腔鏡検査(骨盤鏡検査)、胃腸鏡検査(gastroentroscopy)、および咽頭気管支鏡検査(laryngobronchoscopy)が挙げられる。内視鏡外科手技の特定のニーズに対処するために、外科用ステープル留めデバイスが、開発されてきた。これらの外科用ステープル留めデバイスの多くは、製造、購入、および/または、動作に比較的費用がかかる。このため、製造、購入、および/または動作に比較的費用のかからない、効果的な外科用ステープル留めデバイスを開発することが、製品およびエンドユーザによって所望されている。
【0005】
一般に、外科用ステープル留めデバイスは、一対の顎部材を有するエンドエフェクターを含み、その一対の顎部材は、複数の一様なファスナーを有するファスナーカートリッジを有するローディングユニットを支持する。これらの顎部材は、その間に組織ギャップを画定し、その組織ギャップ内に配置された組織を締め付け、切断し、かつ/または留めるように協力する。しかしながら、すべての組織は、厚さが一様でなく、その結果、組織厚さの相違は、外科用ファスナーが組織内に適切に固定されていない場合、外科用ファスナーの有効性を損ない得る。従って、ファスナー留め手技中、外科用ステープル留めデバイスのファスナーカートリッジは、組織厚さの変化に適切に対応するために、異なるサイズのファスナーを含む別のファスナーカートリッジと取り替えられる必要があり得る。いくつかの例において、外科用ステープル留めデバイス全体が、異なるサイズのファスナーを提供することが可能であるように取り替えられる必要があり得る。理解され得るように、いくつかのエンドエフェクター/外科用ステープル留めデバイスは、例えば、より大きなファスナーを支持するために、他のものよりも大きい。そのような場合、これらのより大きなデバイスは、内在する作業空間へのアクセスを可能にするために、より大きな切開を必要とする。
【0006】
そのような場合、小さな外科用ポータルを通して挿入され得、かつ、ファスナーカートリッジを取り替えることなく、組織ギャップおよびファスナー形成/クリンプ高さのうちの1つまたは両方を調節することにより、異なる組織厚さ内で外科用ファスナーをより効果的に形成し得る費用対効果の高い外科用ステープル留めデバイスを獲得することに対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
外科用ステープル留めデバイスのためのエンドエフェクターであって、該エンドエフェクターは、
アンビル部材であって、該アンビル部材は、該アンビル部材の組織係合表面に複数のファスナー形成ポケットを画定している、アンビル部材と、
カートリッジ部材であって、該カートリッジ部材は、該カートリッジ部材の組織係合表面に複数のファスナー保持スロットを画定し、該カートリッジ部材は、該ファスナー保持スロットにおいて複数のファスナーを支持している、カートリッジ部材と、
該アンビル部材および該カートリッジ部材に接続された少なくとも1つのピボットプレートと
を含み、該少なくとも1つのピボットプレートは、U形の本体または円形の本体のうちの1つを有し、該少なくとも1つのピボットプレートは、該エンドエフェクターの発射後の該複数のファスナーのうちの1つまたは複数の形成高さを調節するように、該アンビル部材および該カートリッジ部材に対して動くことが可能であり、該少なくとも1つのピボットプレートは、該少なくとも1つのピボットプレート内に少なくとも1つのチャネルを画定し、該アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの少なくとも1つは、そこから延びるピンを含み、該少なくとも1つのチャネルは、該ピンを受け取るように寸法を合わせられ、該少なくとも1つのピボットプレートの運動は、該ピンが該少なくとも1つのチャネルに沿って動き、該アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの少なくとも一方を該アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの他方に対して動かすことを可能にする、エンドエフェクター。
(項目2)
前記少なくとも1つのピボットプレートは、近位位置と遠位位置との間で軸方向に動く、項目1に記載のエンドエフェクター。
(項目3)
前記少なくとも1つのチャネルは、前記エンドエフェクターを通して定義された長手方向軸に対して、ある角度で配置されている、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクター。
(項目4)
第1のチャネルが、一対のアームのうちの一方を通して画定され、第2のチャネルが、該一対のアームのうちの他方を通して画定されている、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクター。
(項目5)
前記少なくとも1つのピボットプレートは、前記アンビル部材および前記カートリッジ部材に対して回転可能であり、該少なくとも1つのピボットプレートの回転は、該アンビル部材および該カートリッジ部材を互いに対して動かすことにより、前記複数のファスナーのうちの1つまたは複数の前記形成高さを調節する、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクター。
(項目6)
前記アンビル部材は、該アンビル部材から延びる第1のピンを含み、前記カートリッジ部材は、該カートリッジ部材から延びる第2のピンを含み、前記少なくとも1つのピボットプレートは、第1の弓形チャネルと第2の弓形チャネルとを画定し、該第1の弓形チャネルは、該第1のピンを受け取るように寸法を合わせられ、該第2の弓形チャネルは、該第2のピンを受け取るように寸法を合わせられている、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクター。
(項目7)
前記少なくとも1つのピボットプレートの回転は、前記第1のピンが前記第1の弓形チャネルに沿ってスライドすることと、前記第2のピンが前記第2の弓形チャネルに沿ってスライドすることとを可能にする、上記項目のいずれかに記載のエンドエフェクター。
(項目8)
外科用ステープル留めデバイスのためのナイフアセンブリであって、該ナイフアセンブリは、
本体部材と支持部材とを含むベースアセンブリと、
該支持部材に動くことが可能に支持された調節アセンブリであって、該調節アセンブリは、リンク部材と駆動部材とを含み、該駆動部材は、該リンク部材を軸方向に動かすように回転可能である、調節アセンブリと、
該本体部材に旋回するように結合されたナイフであって、該ナイフは、該リンク部材に旋回するように結合され、該ナイフは、該駆動部材の回転に応答して、第1の配向と第2の配向との間で旋回可能であり、該第1の配向は、該第2の配向とは異なっている、ナイフと
を含む、ナイフアセンブリ。
(項目9)
前記ナイフは、前記第1の配向に配置された場合、前記ナイフアセンブリによって定義された長手方向軸と同軸に整列して配置され、前記第2の配向に配置された場合、該ナイフアセンブリによって定義された該長手方向軸から軸がずれている、上記項目のいずれかに記載のナイフアセンブリ。
(項目10)
前記リンク部材の軸方向の運動は、前記第1の配向から前記第2の配向まで、前記ナイフの底部部分に対して近位方向に該ナイフの頂部部分を旋回させ、該第1の配向において、該ナイフの該頂部部分および該底部部分は、長手方向に整列され、該第2の配向において、該頂部部分は、該底部部分の近位に配置されている、上記項目のいずれかに記載のナイフアセンブリ。
(項目11)
前記リンク部材は、近位配向と遠位配向との間で動き、該ナイフは、該遠位配向における第1の高さと、該近位配向における第2の高さとを定義し、該第1の高さおよび該第2の高さは、異なっている、上記項目のいずれかに記載のナイフアセンブリ。
(項目12)
外科用ステープル留めデバイスであって、該外科用ステープル留めデバイスは、
アンビル部材であって、該アンビル部材は、該アンビル部材の組織係合表面に複数のファスナー形成ポケットを画定している、アンビル部材と、
カートリッジ部材であって、該カートリッジ部材は、該カートリッジ部材の組織係合表面に複数のファスナー保持スロットを画定し、該カートリッジ部材は、該ファスナー保持スロットにおいて複数のファスナーを支持している、カートリッジ部材と、
該アンビル部材および該カートリッジ部材に接続されたピボットプレートであって、該ピボットプレートは、該外科用ステープル留めデバイスの発射後の該複数のファスナーのうちの1つまたは複数の形成高さを調節するように、該アンビル部材および該カートリッジ部材に対して動くことが可能であり、該ピボットプレートの運動は、該アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの少なくとも一方を該アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの他方に対して動かす、ピボットプレートと、
ナイフアセンブリであって、該ナイフアセンブリは、該ナイフアセンブリを通る長手方向軸を定義し、該ナイフアセンブリは、該アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの少なくとも1つに動作可能に結合され、該ナイフアセンブリは、
ベースと、
該ベースに動くことが可能に支持された調節アセンブリであって、該調節アセンブリは、リンク部材と駆動部材とを含み、該駆動部材は、該リンク部材を軸方向に動かすように回転可能である、調節アセンブリと、
該ベースおよび該調節アセンブリの該リンク部材に旋回するように結合されたナイフであって、該ナイフは、該駆動部材の回転に応答して、第1の配向と第2の配向との間で旋回可能であり、該第1の配向は、該第2の配向とは異なっている、ナイフと
を含む、ナイフアセンブリと
を含む、外科用ステープル留めデバイス。
(項目13)
前記ピボットプレートは、該ピボットプレートの本体部分内に少なくとも1つのチャネルを画定し、前記アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの少なくとも1つは、そこから延びるピンを含み、該少なくとも1つのチャネルは、該ピンを受け取るように寸法を合わせられている、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目14)
前記ピボットプレートの運動は、前記ピンが前記少なくとも1つのチャネルに沿って動くことを可能にする、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目15)
前記ピボットプレートは、近位位置と遠位位置との間で軸方向に動く、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目16)
前記ピボットプレートは、前記アンビル部材および前記カートリッジ部材に対して回転可能であり、該ピボットプレートの回転は、該アンビル部材および該カートリッジ部材を互いに対して動かすことにより、前記複数のファスナーうちの1つまたは複数の前記形成高さを調節する、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目17)
前記アンビル部材は、該アンビル部材から延びる第1のピンを含み、前記カートリッジ部材は、該カートリッジ部材から延びる第2のピンを含み、前記ピボットプレートは、第1の弓形チャネルと第2の弓形チャネルとを画定し、該第1の弓形チャネルは、該第1のピンを受け取るように寸法を合わせられ、該第2の弓形チャネルは、該第2のピンを受け取るように寸法を合わせられている、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目18)
前記ナイフは、前記第1の配向に配置された場合、前記ナイフアセンブリによって定義された長手方向軸と同軸に整列して配置され、前記第2の配向に配置された場合、該ナイフアセンブリによって定義された該長手方向軸から軸がずれている、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目19)
前記リンク部材の軸方向の運動は、前記第1の配向から前記第2の配向まで、前記ナイフの底部部分に対して近位方向に該ナイフの頂部部分を旋回させ、該第1の配向において、該ナイフの該頂部部分および該底部部分は、長手方向に整列され、該第2の配向において、該頂部部分は、該底部部分の近位に配置されている、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目20)
前記リンク部材は、近位配向と遠位配向との間で動き、該ナイフは、該遠位配向における第1の高さと、該近位配向における第2の高さとを定義し、該第1の高さおよび該第2の高さは、異なっている、上記項目のいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目21)
第1の直径を有する開口部内へエンドエフェクターを挿入するためのシステムであって、該エンドエフェクターは、第1の顎部材および第2の顎部材を含み、該第1の顎部材および該第2の顎部材の外側表面は、一体で、第2の直径を有し、該システムは、
該第1の顎部材および該第2の顎部材に固定された少なくとも1つのピボットプレートであって、該少なくとも1つのピボットプレートは、動かされることにより、該第1の顎部材の組織係合表面と該第2の顎部材の組織係合表面との間に画定された組織ギャップを縮小するように構成されている、少なくとも1つのピボットプレート
を含み、
該第2の直径は、該組織ギャップが縮小されると、該第1の直径よりも大きいサイズから該第1の直径よりも小さいサイズまで縮小されるように構成され、
該エンドエフェクターは、該開口部内へ挿入されるように構成されている、
システム。
(項目A1)
外科用ステープル留めデバイスのためのエンドエフェクターであって、該エンドエフェクターは、
アンビル部材であって、該アンビル部材は、該アンビル部材の組織係合表面に複数のファスナー形成ポケットを画定している、アンビル部材と、
カートリッジ部材であって、該カートリッジ部材は、該カートリッジ部材の組織係合表面に複数のファスナー保持スロットを画定し、該カートリッジ部材は、該ファスナー保持スロットにおいて複数のファスナーを支持している、カートリッジ部材と、
該アンビル部材および該カートリッジ部材に接続された少なくとも1つのピボットプレートと
を含み、該少なくとも1つのピボットプレートは、U形の本体または円形の本体のうちの1つを有し、該少なくとも1つのピボットプレートは、該エンドエフェクターの発射後の該複数のファスナーのうちの1つまたは複数の形成高さを調節するように、該アンビル部材および該カートリッジ部材に対して動くことが可能であり、該少なくとも1つのピボットプレートは、該少なくとも1つのピボットプレート内に少なくとも1つのチャネルを画定し、該アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの少なくとも1つは、そこから延びるピンを含み、該少なくとも1つのチャネルは、該ピンを受け取るように寸法を合わせられ、該少なくとも1つのピボットプレートの運動は、該ピンが該少なくとも1つのチャネルに沿って動き、該アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの少なくとも一方を該アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの他方に対して動かすことを可能にする、エンドエフェクター。
(項目A2)
前記少なくとも1つのピボットプレートは、近位位置と遠位位置との間で軸方向に動く、項目A1に記載のエンドエフェクター。
(項目A3)
前記少なくとも1つのチャネルは、前記エンドエフェクターを通して定義された長手方向軸に対して、ある角度で配置されている、上記項目Aのいずれかに記載のエンドエフェクター。
(項目A4)
第1のチャネルが、一対のアームのうちの一方を通して画定され、第2のチャネルが、該一対のアームのうちの他方を通して画定されている、上記項目Aのいずれかに記載のエンドエフェクター。
(項目A5)
前記少なくとも1つのピボットプレートは、前記アンビル部材および前記カートリッジ部材に対して回転可能であり、該少なくとも1つのピボットプレートの回転は、該アンビル部材および該カートリッジ部材を互いに対して動かすことにより、前記複数のファスナーのうちの1つまたは複数の前記形成高さを調節する、上記項目Aのいずれかに記載のエンドエフェクター。
(項目A6)
前記アンビル部材は、該アンビル部材から延びる第1のピンを含み、前記カートリッジ部材は、該カートリッジ部材から延びる第2のピンを含み、前記少なくとも1つのピボットプレートは、第1の弓形チャネルと第2の弓形チャネルとを画定し、該第1の弓形チャネルは、該第1のピンを受け取るように寸法を合わせられ、該第2の弓形チャネルは、該第2のピンを受け取るように寸法を合わせられている、上記項目Aのいずれかに記載のエンドエフェクター。
(項目A7)
前記少なくとも1つのピボットプレートの回転は、前記第1のピンが前記第1の弓形チャネルに沿ってスライドすることと、前記第2のピンが前記第2の弓形チャネルに沿ってスライドすることとを可能にする、上記項目Aのいずれかに記載のエンドエフェクター。
(項目A8)
外科用ステープル留めデバイスのためのナイフアセンブリであって、該ナイフアセンブリは、
本体部材と支持部材とを含むベースアセンブリと、
該支持部材に動くことが可能に支持された調節アセンブリであって、該調節アセンブリは、リンク部材と駆動部材とを含み、該駆動部材は、該リンク部材を軸方向に動かすように回転可能である、調節アセンブリと、
該本体部材に旋回するように結合されたナイフであって、該ナイフは、該リンク部材に旋回するように結合され、該ナイフは、該駆動部材の回転に応答して、第1の配向と第2の配向との間で旋回可能であり、該第1の配向は、該第2の配向とは異なっている、ナイフと
を含む、ナイフアセンブリ。
(項目A9)
前記ナイフは、前記第1の配向に配置された場合、前記ナイフアセンブリによって定義された長手方向軸と同軸に整列して配置され、前記第2の配向に配置された場合、該ナイフアセンブリによって定義された該長手方向軸から軸がずれている、上記項目Aのいずれかに記載のナイフアセンブリ。
(項目A10)
前記リンク部材の軸方向の運動は、前記第1の配向から前記第2の配向まで、前記ナイフの底部部分に対して近位方向に該ナイフの頂部部分を旋回させ、該第1の配向において、該ナイフの該頂部部分および該底部部分は、長手方向に整列され、該第2の配向において、該頂部部分は、該底部部分の近位に配置されている、上記項目Aのいずれかに記載のナイフアセンブリ。
(項目A11)
前記リンク部材は、近位配向と遠位配向との間で動き、該ナイフは、該遠位配向における第1の高さと、該近位配向における第2の高さとを定義し、該第1の高さおよび該第2の高さは、異なっている、上記項目Aのいずれかに記載のナイフアセンブリ。
(項目A12)
外科用ステープル留めデバイスであって、該外科用ステープル留めデバイスは、
アンビル部材であって、該アンビル部材は、該アンビル部材の組織係合表面に複数のファスナー形成ポケットを画定している、アンビル部材と、
カートリッジ部材であって、該カートリッジ部材は、該カートリッジ部材の組織係合表面に複数のファスナー保持スロットを画定し、該カートリッジ部材は、該ファスナー保持スロットにおいて複数のファスナーを支持している、カートリッジ部材と、
該アンビル部材および該カートリッジ部材に接続されたピボットプレートであって、該ピボットプレートは、該外科用ステープル留めデバイスの発射後の該複数のファスナーのうちの1つまたは複数の形成高さを調節するように、該アンビル部材および該カートリッジ部材に対して動くことが可能であり、該ピボットプレートの運動は、該アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの少なくとも一方を該アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの他方に対して動かす、ピボットプレートと、
ナイフアセンブリであって、該ナイフアセンブリは、該ナイフアセンブリを通る長手方向軸を定義し、該ナイフアセンブリは、該アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの少なくとも1つに動作可能に結合され、該ナイフアセンブリは、
ベースと、
該ベースに動くことが可能に支持された調節アセンブリであって、該調節アセンブリは、リンク部材と駆動部材とを含み、該駆動部材は、該リンク部材を軸方向に動かすように回転可能である、調節アセンブリと、
該ベースおよび該調節アセンブリの該リンク部材に旋回するように結合されたナイフであって、該ナイフは、該駆動部材の回転に応答して、第1の配向と第2の配向との間で旋回可能であり、該第1の配向は、該第2の配向とは異なっている、ナイフと
を含む、ナイフアセンブリと
を含む、外科用ステープル留めデバイス。
(項目A13)
前記ピボットプレートは、該ピボットプレートの本体部分内に少なくとも1つのチャネルを画定し、前記アンビル部材および該カートリッジ部材のうちの少なくとも1つは、そこから延びるピンを含み、該少なくとも1つのチャネルは、該ピンを受け取るように寸法を合わせられている、上記項目Aのいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目A14)
前記ピボットプレートの運動は、前記ピンが前記少なくとも1つのチャネルに沿って動くことを可能にする、上記項目Aのいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目A15)
前記ピボットプレートは、近位位置と遠位位置との間で軸方向に動く、上記項目Aのいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目A16)
前記ピボットプレートは、前記アンビル部材および前記カートリッジ部材に対して回転可能であり、該ピボットプレートの回転は、該アンビル部材および該カートリッジ部材を互いに対して動かすことにより、前記複数のファスナーうちの1つまたは複数の前記形成高さを調節する、上記項目Aのいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目A17)
前記アンビル部材は、該アンビル部材から延びる第1のピンを含み、前記カートリッジ部材は、該カートリッジ部材から延びる第2のピンを含み、前記ピボットプレートは、第1の弓形チャネルと第2の弓形チャネルとを画定し、該第1の弓形チャネルは、該第1のピンを受け取るように寸法を合わせられ、該第2の弓形チャネルは、該第2のピンを受け取るように寸法を合わせられている、上記項目Aのいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目A18)
前記ナイフは、前記第1の配向に配置された場合、前記ナイフアセンブリによって定義された長手方向軸と同軸に整列して配置され、前記第2の配向に配置された場合、該ナイフアセンブリによって定義された該長手方向軸から軸がずれている、上記項目Aのいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目A19)
前記リンク部材の軸方向の運動は、前記第1の配向から前記第2の配向まで、前記ナイフの底部部分に対して近位方向に該ナイフの頂部部分を旋回させ、該第1の配向において、該ナイフの該頂部部分および該底部部分は、長手方向に整列され、該第2の配向において、該頂部部分は、該底部部分の近位に配置されている、上記項目Aのいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目A20)
前記リンク部材は、近位配向と遠位配向との間で動き、該ナイフは、該遠位配向における第1の高さと、該近位配向における第2の高さとを定義し、該第1の高さおよび該第2の高さは、異なっている、上記項目Aのいずれかに記載の外科用ステープル留めデバイス。
(項目A21)
第1の直径を有する開口部内へエンドエフェクターを挿入する方法であって、該エンドエフェクターは、第1の顎部材および第2の顎部材を含み、該第1の顎部材および該第2の顎部材の外側表面は、一体で、第2の直径を有し、該方法は、
該第1の顎部材および該第2の顎部材に固定された少なくとも1つのピボットプレートを動かすことにより、該第1の顎部材の組織係合表面と該第2の顎部材の組織係合表面との間に画定された組織ギャップを縮小することと、
該組織ギャップを縮小することによって、該第1の直径よりも大きいサイズから、該第1の直径よりも小さいサイズまで、該第2の直径を縮小することと、
該開口部内へ該エンドエフェクターを挿入することと
を含む、方法。
【0008】
(摘要)
エンドエフェクターは、アンビル部材と、カートリッジ部材と、アンビル部材およびカートリッジ部材に接続されたピボットプレートとを含む。アンビル部材は、ファスナー形成ポケットを画定する。カートリッジ部材は、ファスナー保持スロットを画定する。カートリッジ部材は、ファスナー保持スロットにおいてファスナーを支持する。ピボットプレートは、エンドエフェクターの発射後のファスナーの形成高さを調節するように、アンビル部材およびカートリッジ部材に対して動くことが可能である。ピボットプレートは、ピボットプレートの本体部分内にチャネルを画定する。アンビル部材およびカートリッジ部材のうちの少なくとも1つは、そこから延びるピンを含む。チャネルは、ピンを受け取るように寸法を合わせられる。ピボットプレートの運動は、ピンが、チャネルに沿って動くことと、アンビル部材およびカートリッジ部材のうちの少なくとも一方を他方に対して動かすこととを可能にする。
【0009】
(概要)
一局面に従って、本開示は、外科用ステープル留めデバイスのためのエンドエフェクターに関連し、そのエンドエフェクターは、アンビル部材と、カートリッジ部材と、アンビル部材およびカートリッジ部材に接続されたピボットプレート(単数または複数)とを含む。アンビル部材は、アンビル部材の組織係合表面に複数のファスナー形成ポケットを画定する。カートリッジ部材は、カートリッジ部材の組織係合表面に複数のファスナー保持スロットを画定する。カートリッジ部材は、ファスナー保持スロットにおいて複数のファスナーを支持する。
【0010】
ピボットプレートは、エンドエフェクターの発射後の複数のファスナーのうちの1つまたは複数の形成高さを調節するように、アンビル部材およびカートリッジ部材に対して動くことが可能である。ピボットプレートは、ピボットプレートの本体部分内に1つまたは複数のチャネルを画定する。アンビル部材およびカートリッジ部材のうちの1つまたは両方は、そこから延びるピンを含む。1つまたは複数のチャネルは、ピンを受け取るように寸法を合わせられる。ピボットプレートの運動は、ピンが1つまたは複数のチャネルに沿って動き、アンビル部材およびカートリッジ部材のうちの一方または両方をアンビル部材およびカートリッジ部材のうちの他方に対して動かすことを可能にする。
【0011】
実施形態において、ピボットプレートは、近位位置と遠位位置との間で軸方向に動く。1つまたは複数のチャネルは、エンドエフェクターを通して定義された長手方向軸に対して、ある角度で配置される。ピボットプレートは、バックスパンから延びる一対のアーム含み得、第1のチャネルが、一対のアームのうちの一方を通して画定され、第2のチャネルが一対のアームのうちの他方を通して画定される。
【0012】
特定の実施形態に従って、ピボットプレートは、アンビル部材およびカートリッジ部材に対して回転可能である。ピボットプレートの回転は、アンビル部材およびカートリッジ部材を互いに対して動かすことにより、複数のファスナーのうちの1つまたは複数の形成高さを調節する。アンビル部材は、アンビル部材から延びる第1のピンを含み得、カートリッジ部材は、カートリッジ部材から延びる第2のピンを含み得る。実施形態において、ピボットプレートは、第1の弓形チャネルと第2の弓形チャネルとを画定する。第1の弓形チャネルは。第1のピンを受け取るように寸法を合わせられる。第2の弓形チャネルは、第2のピンを受け取るように寸法を合わせられる。ピボットプレートの回転は、第1のピンが第1の弓形チャネルに沿ってスライドすることと、第2のピンが第2の弓形チャネルに沿ってスライドすることとを可能にする。
【0013】
一局面に従って、外科用ステープル留めデバイスのためのナイフアセンブリは、ベースアセンブリと、調節アセンブリと、ナイフとを含む。
【0014】
ベースアセンブリは、本体部材と支持部材とを含む。調節アセンブリは、支持部材に動くことが可能に支持され、調節アセンブリは、リンク部材と駆動部材とを含む。駆動部材は、リンク部材を軸方向に動かすように回転可能である。
【0015】
ナイフは、本体部材に旋回するように結合され、リンク部材に旋回するように結合される。ナイフは、駆動部材の回転に応答して、第1の配向と第2の配向との間で旋回可能である。第1の配向は、第2の配向とは異なる。ナイフは、第1の配向に配置された場合、ナイフアセンブリによって定義された長手方向軸と同軸に整列して配置され、第2の配向に配置された場合、ナイフアセンブリによって定義された長手方向軸から軸がずれている。リンク部材の軸方向の運動は、第1の配向から第2の配向まで、ナイフの底部部分に対して近位方向にナイフの頂部部分を旋回させる。第1の配向において、ナイフの頂部部分および底部部分は、長手方向に整列され、第2の配向において、頂部部分は、底部部分の近位方向に近位に配置される。リンク部材は、近位配向と遠位配向との間で動く。ナイフは、遠位配向における第1の高さと、近位配向における第2の高さとを定義する。第1の高さおよび第2の高さは、異なる。
【0016】
別の局面に従って、外科用ステープル留めデバイスは、アンビル部材と、カートリッジ部材と、ピボットプレートと、ナイフアセンブリとを含む。
【0017】
アンビル部材は、アンビル部材の組織係合表面に複数のファスナー形成ポケットを画定する。カートリッジ部材は、カートリッジ部材の組織係合表面に複数のファスナー保持スロットを画定する。カートリッジ部材は、ファスナー保持スロットにおいて複数のファスナーを支持する。
【0018】
ピボットプレートは、アンビル部材およびカートリッジ部材に接続される。ピボットプレートは、外科用ステープル留めデバイスの発射後の複数のファスナーのうちの1つまたは複数の形成高さを調節するように、アンビル部材およびカートリッジ部材に対して動くことが可能である。ピボットプレートの運動は、アンビル部材およびカートリッジ部材のうちの一方または両方をアンビル部材およびカートリッジ部材のうちの他方に対して動かす。ピボットプレートは、ピボットプレートの本体部分内に1つまたは複数のチャネルを画定する。アンビル部材およびカートリッジ部材のうちの1つまたは両方は、そこから延びるピンを含む。1つまたは複数のチャネルは、ピンを受け取るように寸法を合わせられる。ピボットプレートの運動は、ピンが1つまたは複数のチャネルに沿って動くことを可能にする。
【0019】
特定の実施形態に従って、ピボットプレートは、近位位置と遠位位置との間で軸方向に動く。いくつかの実施形態において、ピボットプレートは、アンビル部材およびカートリッジ部材に対して回転可能である。ピボットプレートの回転は、アンビル部材およびカートリッジ部材を互いに対して動かすことにより、複数のファスナーのうちの1つまたは複数の形成高さを調節する。アンビル部材は、アンビル部材から延びる第1のピンを含み、カートリッジ部材は、カートリッジ部材から延びる第2のピンを含む。ピボットプレートは、第1の弓形チャネルと第2の弓形チャネルとを画定する。第1の弓形チャネルは、第1のピンを受け取るように寸法を合わせられる。第2の弓形チャネルは、第2のピンを受け取るように寸法を合わせられる。
【0020】
ナイフアセンブリは、ナイフアセンブリを通る長手方向軸を定義し、ナイフアセンブリは、アンビル部材およびカートリッジ部材のうちの1つまたは両方に動作可能に結合される。ナイフアセンブリは、ベースと、調節アセンブリと、ナイフとを含む。調節アセンブリは、ベースに動くことが可能に支持され、調節アセンブリは、リンク部材と駆動部材とを含む。駆動部材は、リンク部材を軸方向に動かすように回転可能である。リンク部材は、近位配向と遠位配向との間で動く。ナイフは、ベースおよび調節アセンブリのリンク部材に旋回するように結合される。ナイフは、駆動部材の回転に応答して、第1の配向と第2の配向との間で旋回可能である。第1の配向は、第2の配向とは異なる。ナイフは、第1の配向に配置された場合、ナイフアセンブリによって定義された長手方向軸と同軸に整列して配置され、第2の配向に配置された場合、ナイフアセンブリによって定義された長手方向軸から軸がずれている。リンク部材の軸方向の運動は、第1の配向から第2の配向まで、ナイフの底部部分に対して近位方向にナイフの頂部部分を旋回させる。第1の配向において、ナイフの頂部部分および底部部分は、長手方向に整列され、第2の配向において、頂部部分は、底部部分の近位に配置される。ナイフは、遠位配向における第1の高さと、近位配向における第2の高さとを定義する。第1の高さおよび第2の高さは、異なる。
【0021】
一局面に従って、本開示は、第1の直径を有する開口部内へエンドエフェクターを挿入する方法に関連し、ここで、エンドエフェクターは、第1の顎部材および第2の顎部材を含み、第1の顎部材および第2の顎部材の外側表面は、一体で、第2の直径を有する。本方法は、第1の顎部材および第2の顎部材に固定された1つまたは複数のピボットプレートを動かすことにより、第1の顎部材の組織係合表面と第2の顎部材の組織係合表面との間に画定された組織ギャップを縮小することと、組織ギャップを縮小することによって、第1の直径よりも大きいサイズから、第1の直径よりも小さいサイズまで、第2の直径を縮小することと、開口部内へエンドエフェクターを挿入することとを含む。
【0022】
他の局面、特徴、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになる。
【0023】
本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を図示し、上記に与えられた開示の概略の説明および下記に与えられる詳細な説明と一緒に、本開示の原理を説明することに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本開示に従った内視鏡外科用ステープル留めデバイスの斜視図である。
図2図2は、ファスナーが連続的に発射されているファスナー適用動作中の、本開示の外科用ステープル留めデバイスのエンドエフェクターの実施形態を図示する拡大斜視破断図である。
図3図3は、図2のエンドエフェクターのアンビル部材の遠位部分の拡大底面側斜視図である。
図4図4Aは、図2のエンドエフェクターの、部品が分離した側面図である。図4Bは、図2のエンドエフェクターのピボットプレートの実施形態の側面図である。
図5図5および図6は、図2のエンドエフェクターの側面図であり、エンドエフェクターの異なる構成を図示する。
図6図5および図6は、図2のエンドエフェクターの側面図であり、エンドエフェクターの異なる構成を図示する。
図7図7および図8は、本開示に従ったエンドエフェクターの別の実施形態の近位部分の側面図であり、エンドエフェクターは、各図において、異なる構成で図示される。
図8図7および図8は、本開示に従ったエンドエフェクターの別の実施形態の近位部分の側面図であり、エンドエフェクターは、各図において、異なる構成で図示される。
図9図9および図10は、本開示に従ったナイフアセンブリの実施形態の側面図であり、ナイフアセンブリは、各図において、異なる構成で図示される。
図10図9および図10は、本開示に従ったナイフアセンブリの実施形態の側面図であり、ナイフアセンブリは、各図において、異なる構成で図示される。
図11図11は、本開示のエンドエフェクターによって提供される、組織ギャップの高さとファスナークリンプの量との間の関係のグラフによる図示である。
図12図12および図13は、形成されたファスナーの側面図であり、各ファスナーは、異なる量のファスナークリンプを図示する。
図13図12および図13は、形成されたファスナーの側面図であり、各ファスナーは、異なる量のファスナークリンプを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書中に使用される場合、用語「臨床医」は、医者、看護師、または任意の他の医療供給者を表し、支援職員を含み得る。本開示の特定の実施形態は、添付の図面を参照して本明細書中に説明される。図面に示され、以下の説明を通じて説明されるように、および、対象における相対的な位置を表す場合に慣習的であるように、用語「近位」は、臨床医により近い、デバイスの端を表し、用語「遠位」は、臨床医からより遠い、デバイスの端を表す。以下の説明において、周知の機能または構成は、不必要な詳細において本開示を不明瞭にすることを避けるために、詳細に説明されない。
【0026】
一般的に、開放デバイスおよび内視鏡デバイスを含む線形ステープル留めデバイスは、2つの細長い顎部材を有し、その2つの細長い顎部材は、それぞれ、組織を捕捉または締め付けるために使用される。典型的に、顎部材のうちの一方は、ファスナーカートリッジを保持し、そのファスナーカートリッジは、ファスナーカートリッジに画定された、少なくとも横2列のファスナー保持スロット内に配列された複数のファスナーを収容する一方、もう一方の顎部材は、ファスナーがファスナーカートリッジから駆動される場合にファスナーの脚を形成するための複数のファスナー形成ポケットを有する表面を画定するアンビル部材を有する。一般に、ファスナー留め動作は、ファスナーカートリッジを通って長手方向に移動するカムバーまたはスレッドによって実施され、カムバーまたはスレッドは、プッシャー部材に対して作用し、ファスナーをファスナーカートリッジから連続的に押し出す。ファスナーの列間の留められた組織を長手方向に切断し、かつ/または開くために、ナイフが、ファスナー列間を移動し得る。そのような器具は、例えば、米国特許第6,202,914号に開示され、その全体の内容が、参照により本明細書中に援用される。
【0027】
いくつかのステープル留めデバイスは、切開の各側に2列のステープルを適用する。これは、使い捨てローディングユニットを提供することによって達成され、そのローディングユニットにおいて、カム部材は、2組の千鳥状ファスナー保持溝の間の細長い誘導経路を通って動く。ファスナー駆動部材は、溝内に位置し、ファスナー駆動部材は、使い捨てローディングユニットのファスナーカートリッジからのファスナーの押出を実施するカム部材を長手方向に動かすことによって、接触されるような態様で配置される。そのようなステープル留めデバイスの例は、米国特許第5,065,929号に開示され、その全体の内容が、参照により本明細書中に援用される。
【0028】
上記に説明された器具のうちのいくつかは、外科医が手術部位に直接手動でアクセスする従来の外科手技における使用のために設計された。しかしながら、内視鏡手技または腹腔鏡手技において、外科手術は、小さな切開を通して、または皮膚における小さな入口創傷を通して挿入された細いカニューレを通して実施される。内視鏡外科手技および/または腹腔鏡外科手技の特定のニーズに対処するために、内視鏡外科用ステープル留めデバイスが、開発されてきており、内視鏡外科用ステープル留めデバイスは、例えば、米国特許第5,865,361号に開示され、その全体の内容が、参照により本明細書中に援用される。
【0029】
次に、同様の参照数字がいくつかの図を通じて同一または実質的に類似した部分を識別する図面を参照すると、図1は、本開示に従った外科用ステープル留めデバイス10を図示し、その外科用ステープル留めデバイスは、最小侵襲性または最小開放ステープル留め手技における使用のために設計され得る。外科用ステープル留めデバイス10は、ハウジング20と、ハウジング20から遠位方向に延びる細長い部材30とを含む。細長い部材30の遠位端は、エンドエフェクター100の近位端を支持する。エンドエフェクター100は、エンドエフェクター100の近位端と遠位端との間に長手方向軸「L」を定義し、エンドエフェクター100は、ステープルカートリッジ112を選択的に受け取るように寸法を合わせられたカートリッジ部材110と、アンビル部材120とを含む。カートリッジ部材110およびアンビル部材120は、その近位端に旋回可能に結合され、カートリッジ部材110およびアンビル部材120は、各々、外科用バットレス(示されず)を支持し得る。ステープルカートリッジ112は、ステープルおよび/またはステープルとは別の他の外科用ファスナーを収容する。カートリッジ部材110およびステープルカートリッジ112は、個々かまたは集合的かのどちらかで、選択的に取り替え可能であり得る。
【0030】
図2および図3を参照すると、ステープルカートリッジ112は、組織接触表面114aを含むカートリッジハウジング114を含み、複数のファスナー70を収容するファスナー保持スロット116の複数の列が組織接触表面114aに形成される。ステープルカートリッジ112は、ステープルカートリッジ112の近位端と遠位端との間にカートリッジナイフチャネル118を画定し、そのカートリッジナイフチャネル118は、ナイフ40を受け取るように適合され、そのナイフ40は、カートリッジナイフチャネル118を通って遠位方向に並進することにより、カートリッジアセンブリ110とアンビルアセンブリ120との間で締め付けられた組織を切断する。カートリッジハウジング114において支持されたカムバーおよび/またはスレッド80が、カートリッジハウジング114において支持された複数のファスナープッシャー部材90の方へ遠位方向に前進すると、複数のファスナー70は、アンビル部材120の組織接触表面122に画定されたファスナー形成ポケット124において連続的に形成され得る。アンビル部材120は、アンビル部材120の近位端と遠位端との間にアンビルナイフチャネル126を画定し、そのアンビルナイフチャネル126は、ナイフ40がカートリッジナイフスロット118を通って遠位方向に並進する場合にナイフ40を受け取る。
【0031】
本明細書中に開示される実施形態のうちの任意のものにおいて、カートリッジアセンブリが、取り外し可能かつ取り替え可能なユニットであり得るか、エンドエフェクター100全体が、取り外し可能かつ取り替え可能であり得るか、またはその両方であり得る。望ましくは、外科用器具は、少なくとも同じ外科手技中に再使用され得る1つまたは複数の部品またはアセンブリを含む。さらに、ハンドルアセンブリが、手動で動作され得るか、または、モーターおよび電源を含み得るか、またはモーターおよび電源に取り付けられ得る。
【0032】
図4A図5図6に示されるように、1つのピボットプレート130(または複数のピボットプレート130)が、アンビル部材120およびカートリッジ部材110に接続される。ピボットプレート130は、エンドエフェクター100の発射後の複数のファスナー70のうちの1つまたは複数の形成/クリンプ高さを調節するように、アンビル部材120およびカートリッジ部材110に対して動くことが可能である。
【0033】
ピボットプレート130は、概してU形の本体を有し、バックスパン134の対向する端部に支持された一対のアーム132を含む。アーム132は、エンドエフェクターの横方向反対側に固定されるように寸法を合わせられる。実施形態において、U形の本体は、一体として形成される。各アーム132は、それを通るチャネル136を画定し、そのチャネル136は、図4Aに示されるように、線形の傾斜を有する。各チャネル136は、エンドエフェクター100によって定義された長手方向軸「L」に対して、ある角度で配置される。特に、その角度は、鋭角および鈍角を含む任意の適した角度であり得る。図4Bに示されるように、各アーム132は、感度を変化させることを提供する曲線状または階段状の傾斜を有するチャネル136aを画定し、下記により詳細に説明されるように、アンビル部材120および/またはカートリッジ部材110のうちの1つまたは両方の1つまたは複数のピン115がチャネル136aを通ってスライドすることにより、アンビル部材120および/またはカートリッジ部材110のうちの1つまたは両方の運動を引き起こす場合に、カートリッジ部材110およびアンビル部材120が異なる速度で接近および/または離隔されることを可能にし得る。
【0034】
アンビル部材120およびカートリッジ部材110のうちの1つまたは両方は、1つまたは複数の開口部128を画定し、アンビル部材120およびカートリッジ部材110のうちの1つまたは両方は、その1つまたは複数の側面から延びる1つまたは複数のピン115を含む。各開口部128および各チャネル136、136aは、ピン115のうちの1つまたは複数を受け取るように寸法を合わせられ、その結果、ピボットプレート130、アンビル部材120、およびカートリッジ部材110は、動くことが可能に接続される。例えば、アンビル部材120は、その各側面内に開口部を画定し得、カートリッジ部材110は、その各側面から延びるピン115を含み得、そのピン115は、ピボットプレート130のチャネル136、136aおよびアンビル部材120の開口部128内に受け取られる。これに関して、ピン115が、アンビル部材120の開口部128およびピボットプレート130のチャネル136、136a内を同時にスライドする場合、アンビル部材120とカートリッジ部材110との間に相対運動が存在する。
【0035】
1つまたは複数のピン115が1つまたは複数の開口部128および1つまたは複数のチャネル136、136a内に受け取られる場合、任意の適した駆動アセンブリ(示されず)を介したピボットプレート130の軸方向の運動は、カートリッジ部材110およびアンビル部材120が、エンドエフェクター100によって画定された長手方向軸「L」に直交する方向に、互いに対して動くことを可能にする。特に、ピボットプレート130が近位位置と遠位位置との間で動くと、1つまたは複数のピン115は、1つまたは複数の開口部128および1つまたは複数のチャネル136、136a内をスライドする。理解されるように、チャネル136、136a、ピン115、および開口部128は、アンビル部材120およびカートリッジ部材110の対向する組織接触表面間に画定された組織ギャップの高さを変化させるために、カートリッジ部材110およびアンビル部材120のうちの1つまたは両方が互いに対して動くことを容易にするための任意の適した構成に配列され得る。特に、組織ギャップの高さの調節は、エンドエフェクター100の発射後の複数のファスナー70のうちの1つまたは複数の形成/クリンプ高さを調節する。
【0036】
次に図7および図8を参照すると、本開示のエンドエフェクターの別の実施形態が、概して、エンドエフェクター200として表される。エンドエフェクター200は、エンドエフェクター100と実質的に類似し、エンドエフェクター200は、構成および動作における差異を説明するために必要な程度にのみ本明細書中に説明される。エンドエフェクター200は、カートリッジ部材210と、アンビル部材220と、1つのピボットプレート230(または複数のピボットプレート230)とを含み、そのピボットプレート230は、カートリッジ部材210およびアンビル部材220のうちの1つまたは両方に支持部材236によって回転可能に装着される。ピボットプレート230は、円形の本体を有し、円形の本体は、楕円形、半円形、三日月形または同様の形を含む任意の適した曲線的な形態であり得る。カートリッジ部材210およびアンビル部材220の各々は、その側面から延びるピン115を含む。ピボットプレート230は、実質的に円形の本体を有し、第1の弓形チャネル232および第2の弓形チャネル234を画定し、その第1の弓形チャネル232および第2の弓形チャネル234は、カートリッジ部材210およびアンビル部材220から延びるピン115を受け取るように寸法を合わせられる。ピボットプレート230が回転運動すると、ピン115は、第1の弓形チャネル232および第2の弓形チャネル234内をスライドすることにより、カートリッジ部材210およびアンビル部材220の組織係合表面間の組織ギャップの高さを調節する。
【0037】
ピン115が弓形チャネル232、234内に受け取られる場合に、カートリッジ部材210およびアンビル部材220が、エンドエフェクター200によって画定された長手方向軸「L」に直交する方向に、互いに対して動くことを可能にするように、任意の適した駆動アセンブリ(示されず)が、ピボットプレート230に動作可能に結合される。特に、ピボットプレート230が回転すると、ピン115は、弓形チャネル232、234に沿ってスライドする。理解されるように、弓形チャネル232、234およびピン115は、アンビル部材220およびカートリッジ部材210の対向する組織接触表面間に画定された組織ギャップの高さを変化させるために、カートリッジ部材210およびアンビル部材220のうちの1つまたは両方が互いに対して動くことを容易にするための任意の適した構成に配列され得る。上記に説明されたように、アンビル部材およびカートリッジ部材の組織係合表面間の組織ギャップの高さの調節は、エンドエフェクター200の発射後の複数のファスナー70のうちの1つまたは複数の形成/クリンプ高さを調節する。
【0038】
図9〜13を参照すると、本開示の外科用ステープル留めデバイスの実施形態は、概してナイフアセンブリ300として表されたナイフアセンブリを含む。ナイフアセンブリ300は、ベースアセンブリ310と、調節アセンブリ320と、ナイフ330と、接続部材340とを含む。ベースアセンブリ310は、本体部材312と、本体部材312の近位端部分において本体部材312から延びる支持部材314とを含む。調節アセンブリ320は、リンク部材322と駆動部材324とを含む。駆動部材324は、支持部材314と螺着可能に係合される。駆動部材324の遠位端部分は、リンク部材322の近位端部分に接続される。ナイフ330は、ナイフ本体332を含み、ナイフ本体332は、ナイフ本体332の遠位端部分においてナイフ刃334を支持する。ナイフ本体332の近位端部分は、ピン336(または、任意の他の適した機械的接続部)によって、調節アセンブリ320のリンク部材322の遠位端およびベースアセンブリ310の本体部材の312の遠位端に固定される。接続部材340は、本体部材312とリンク部材322との間に固定された接続部材本体342を含む。接続部材340の一方の端部分は、一方のピン344(または、任意の他の適した機械的接続部)によって本体部材312に固定され、接続部材340の他方の端部分は、別のピン344(または、任意の他の適した機械的接続部)によってリンク部材322に固定される。
【0039】
実施形態において、ナイフ本体332およびリンク部材322は、Iビーム型構成において横方向外向きに延びる。ナイフ本体332および/またはリンク部材322の横方向外向きに延びる部分(例えば、フランジ)は、それぞれ、アンビル部材およびカートリッジ部材内に画定されたチャネルを通ってスライド可能であり、ナイフアセンブリ300(または、その部分)がアンビル部材とカートリッジ部材との間を遠位方向に前進する場合、アンビル部材およびカートリッジ部材が、互いに対して固定された位置に配置されたままであることを可能にする。
【0040】
駆動部材324の近位端部分は、駆動アセンブリ(示されず)に結合され、その駆動アセンブリは、支持部材314に対して駆動部材324を回転することにより、リンク部材322を軸方向に動かす。例えば、部材324と部材322との間のねじ状配列が使用され得る。リンク部材322の軸方向の運動は、ナイフ330をピン336まわりに旋回させることにより、第1の配向と第2の配向との間でナイフ刃334を動かし、それは、第1の配向と第2の配向との間の1つまたは複数の中間配向を含む。実施形態において、スライドノブ(示されず)が、リンク部材322および/または本体部材312に直接接続され、スライドノブがスライド運動すると、ナイフ330の運動を引き起こす。ナイフ330の配向のうちの1つにおいて、ナイフ330によって定義されたナイフ軸「X」(ナイフ330の近位部分と遠位部分との間でナイフ330を通って中央に延びる)は、エンドエフェクターの長手方向軸「L」と同軸である。本配向において、ナイフ330の頂部部分および底部部分は、組織ギャップの高さが最大値にあるように、長手方向に整列される。ナイフ330の別の配向において、ナイフ軸「X」は、ナイフ330の頂部部分がナイフ330の底部部分の近位に配置されるように、長手方向軸「L」に対して角度αで配置される。角度αは、長手方向軸「L」に対して任意の適した鋭角であり得る。特にナイフ330は、角度αで配置されることにより、組織ギャップの高さが最大組織ギャップの高さよりも小さい場合にナイフアセンブリ300がエンドエフェクターを通って前進することを可能にする。本態様において、図11図13に図示されるように、組織ギャップの高さ(従って、ファスナー70の形成/クリンプ高さ)と角度αとの間に直接的関係が存在する。
【0041】
ナイフ330は、第1の配向に配置された場合、エンドエフェクターの長手方向軸「L」と同軸に整列して配置され、第2の配向に配置された場合、長手方向軸「L」から軸がずれている。リンク部材322の軸方向の運動は、第1の配向から第2の配向まで、ナイフ330の底部部分に対して近位方向にナイフ330の頂部部分を旋回させる。第1の配向において、ナイフ330の頂部部分および底部部分は、長手方向に整列され、第2の配向において、頂部部分は、底部部分の近位に配置される。特に、ナイフ330が第1の配向にある場合、ナイフ330の頂部部分の旋回点は、長手方向軸「L」に対してナイフ330の底部部分の旋回点と長手方向に整列される。第2の配向において、ナイフ330の頂部部分の旋回点は、ナイフ330の底部部分の旋回点の近位に配置される。
【0042】
上記に論じられたように、内在する作業空間へのアクセスを提供するために使用される外科用ポータルは、外科用ステープル留めデバイス10のような外科用器具の通過を可能にする開口部を画定する。しかしながら、外科切開のサイズを最小にするために、効果的に手技を行うための最小の実用的な外科用ポータルを使用することが望ましい。本開示に従って、臨床医は、本開示の外科用ステープル留めデバイス10の調節可能なエンドエフェクターのおかげで、内在する作業空間にアクセスするためにより小さな外科用ポータルを利用し得る。例えば、アンビル部材120、220およびカートリッジ部材110、210に固定されたピボットプレート(単数または複数)130、230は、アンビル部材120、220の組織係合表面とカートリッジ部材110、210の組織係合表面との間に画定された組織ギャップを拡大し、かつ/または縮小するように動かされ得る。例えば、アンビル部材120、220およびカートリッジ部材110、210は、カートリッジ部材110、210とアンビル部材120、220との間の組織ギャップが無いように、接触するまで動かされ得る。これに関して、エンドエフェクターは、最小の外形を維持する。特に、アンビル部材120、220およびカートリッジ部材110、210が、(ピボットプレート(単数または複数)130、230によって)最も遠く離間された位置まで動かされる場合、エンドエフェクターは、最大の外形を維持する。組織ギャップを縮小するためにピボットプレート(単数または複数)130、230が動くと、エンドエフェクターのアンビル部材およびカートリッジ部材の集合的な外形は、外科用ポータルの開口部の直径よりも大きいサイズから、外科用ポータルの開口部の直径よりも小さいサイズまで縮小され得る。エンドエフェクターの外形が外科用ポータルの開口部の直径よりも小さいサイズまで縮小されると、エンドエフェクターは、開口部を通って前進させられ得る。
【0043】
外科用ポータルを通して作業空間内へ外科用ステープル留めデバイス10を挿入した後、カートリッジ部材110、210およびアンビル部材120、220は、患者の組織に押しつけて締め付けられる。ピボットプレート130、230が、発射後のファスナー70の形成/クリンプ高さを調節するために、組織ギャップの高さを調節するように動かされ得る。ナイフアセンブリ300はまた、ナイフ330が組織ギャップの高さに等しい第1および第2の配向のうちの1つに配置されるまで、ナイフの高さを調節するために旋回させられ得、その結果、ナイフアセンブリ300がエンドエフェクターを通って軸方向に前進することを可能にするように、ナイフの高さおよび組織ギャップの高さは、適合可能である。外科用ステープル留めデバイス10は、ファスナー保持スロット116を通してファスナー70を配置するように発射される。発射後、ファスナー70は、ファスナー保持スロット116を通過し、その結果、ファスナー70の脚は組織を貫通する。それから、ファスナー70は、アンビル部材120、220のファスナー形成ポケット124にぶつかって形成され、それによって、ファスナー70を組織に付着させる。それに付随して、エンドエフェクター100内に並進可能に配置されたナイフアセンブリ300は、ナイフアセンブリ300が駆動アセンブリ(示されず)によってナイフチャネル118、126に沿ってエンドエフェクターを通って遠位方向に並進すると、カートリッジ部材110、210とアンビル部材120、220との間で締め付けられた組織を切り開く。
【0044】
当業者は、明確に本明細書中に説明され、かつ添付の図面において図示された構造および方法が、非制限的な例示の実施形態であり、説明、開示、および図面が、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきであることを理解する。従って、本開示が、説明された正確な実施形態に制限されず、種々の他の変化および変更が、本開示の範囲からも精神からも逸脱することなく当業者によって実施され得ることが、理解される。例えば、ステープルまたは外科用ファスナーは、すべて同一の初期サイズまたは初期構成を提供され得るか、または、カートリッジアセンブリに異なるサイズのステープルを提供するように変化し得る。そのうえ、カートリッジアセンブリは、階段状、角度付等の組織係合表面を有し得る。そのうえ、一例示的実施形態に関連して図示され、または説明された要素および特徴が、本開示の範囲から逸脱することなく、別の要素および特徴と組み合わせられ得、そのような変更および変形がまた、本開示の範囲内に含まれることが意図されていることが想定される。実際、本開示の要素および特徴のうちの任意のものの任意の組み合わせは、本開示の範囲内にある。従って、本開示の内容は、特に示されかつ説明されてきたものによって制限されない。
【符号の説明】
【0045】
10 外科用ステープル留めデバイス
20 ハウジング
30 細長い部材
40 ナイフ
100 エンドエフェクター
110 カートリッジ部材
112 ステープルカートリッジ
120 アンビル部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13