(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連結機構は、前記羽根ユニット連結枠材に、当該羽根ユニット連結枠材の面内方向の内側に向けて突出して設けた被連結部と、前記アタッチメントに、当該アタッチメントの面内方向の外側に向けて突出して設けた連結部を有し、
前記連結部は前記被連結部に、枠体の面外方向の他方側から連結及び連結解除可能である請求項1又は2記載のガラリ戸。
前記アタッチメントは、面外方向の最も他方側に、前記連結機構および突部を覆うように面内方向の外側に向けて突出するカバー面を有した請求項1〜4いずれか1項記載のガラリ戸。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガラリ戸は、建物外壁に、建物外壁の給排気口を覆うように取り付けることがある。
このガラリ戸は、長期間の使用により羽根ユニットが汚れるので、羽根ユニットを枠体から取り外し、清掃することがある。
建物外壁に給排気口を覆うように取り付けたガラリ戸は、ガラリ戸の建物内部(室内側)にダクト等が存在するので、羽根ユニットは建物外部(室外側)から取り外し、清掃することになる。
そこで、特許文献2に開示された羽根ユニットを、枠体に、室外側から取り外しできるように取り付けるには、枠体の縦枠の面内方向の内側である内側面と羽根ユニットの縦アタッチメントの面内方向の外側である外側面との間に連結機構を設けることになるから、枠体の縦枠の内側面と羽根ユニットの縦アタッチメントの外側面とが連結機構の面内方向の大きさだけ離隔し、枠体の縦枠の内側面と羽根ユニットの縦アタッチメントの外側面との間に隙間が生じる。
【0005】
一方、強風時に羽根ユニットの羽根に負圧が作用すると、羽根は、縦アタッチメントを縦枠の内側面に向けて変形しながら室外側に向けて円弧形状に湾曲変形する。
このために、前述したように、羽根ユニットを枠体に室外側から取り外しできるように取り付けたガラリ戸は、強風時に羽根ユニットの羽根に負圧が作用したときに、縦アタッチメントが縦枠の内側面に干渉するまで変形するから、羽根は室外側に向けて大きく湾曲変形し、羽根が損傷などすることがある。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、羽根ユニットを枠体の室外側から取り外し及び取り付けできると共に、羽根ユニットの羽根が負圧により室外側に向けて湾曲変形することを抑制できるガラリ戸とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のガラリ戸は、枠体の羽根ユニット連結枠材と羽根ユニットのアタッチメントを、連結機構で連結することで、枠体内に羽根ユニットを取り付けたガラリ戸であって、
前記連結機構は、前記羽根ユニット連結枠材の面外方向の一方側寄りと前記アタッチメントの面外方向の一方側寄りとに枠体の面外方向の他方側から連結及び連結解除が可能に設けられ、
前記アタッチメントの面外方向の他方側寄りに、突部を、前記羽根ユニット連結枠材
の面内方向の内側面と対向して有
し、
前記羽根ユニットは、枠体の面外方向の他方側から、枠体内への取り付け及び枠体からの取り外しが可能であることを特徴とするガラリ戸である。
【0008】
本発明のガラリ戸は、前記突部は、面内方向の外側に向かい、かつ面外方向の他方側に向けて傾斜したガイド面を有するものにできる。
このようにすれば、突部のガイド面が羽根ユニット連結枠材の面内方向の内側面に接することで、羽根ユニットは面内方向に変位するから、羽根ユニットを枠体内に挿入する作業がやり易い。
【0009】
本発明のガラリ戸は、前記連結機構は、前記羽根ユニット連結枠材に、当該羽根ユニット連結枠材の面内方向の内側に向けて突出して設けた被連結部と、前記アタッチメントに、当該アタッチメントの面内方向の外側に向けて突出して設けた連結部を有し、
前記連結部は前記被連結部に、枠体の面外方向の他方側から連結及び連結解除可能であるものにできる。
【0010】
本発明のガラリ戸は、前記被連結部は、鍔部を有した軸を備え、
前記連結部は、開口幅が溝幅よりも小さく、前記開口幅は前記鍔部よりも小さく、前記溝幅は前記鍔部よりも大きく、前記アタッチメントの長さ方向に連続した溝を備え、
前記溝を形成する面外方向の一方側部に、前記軸の鍔部が挿通する切欠部を有しているものにできる。
このようにすれば、羽根ユニットを枠体の室外側から切欠部を鍔部に合わせて枠体内に挿入することで、溝と鍔部を嵌め合い、羽根ユニットをアタッチメントの長さ方向に移動して切欠部と鍔部をアタッチメントの長さ方向にずらすことで羽根ユニットを枠体内に取り付けできる。
【0011】
本発明のガラリ戸は、前記アタッチメントは、面外方向の最も他方側に、前記連結機構および突部を覆うように面内方向の外側に向けて突出するカバー面を有したものにできる。
このようにすれば、連結機構、突部が室外側から見えず意匠性が高い。
【0012】
本発明のガラリ戸は、前記ガラリ戸を複数有し、前記複数のガラリ戸の枠体における隣接した2つの羽根ユニット連結枠材を連結枠材で連結し、
前記隣接した2つの羽根ユニット連結枠材の面外方向の他方側寄りをシール材でシールし、
前記シール材よりも面外方向の一方側寄りに前記連結機構を設けたものにできる。
このようにすれば、隣接した2つの羽根ユニット連結枠材のシール材でシールした室外側寄りの面内方向の寸法を小さくして室外側からの見栄えを良くできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のガラリ戸によれば、羽根ユニットを枠体の室外側から取り外し及び取り付けできる。
羽根ユニットのアタッチメントに設けた突部が羽根ユニット連結枠材の内側面に干渉することで、羽根ユニットの羽根が負圧により室外側に向けて湾曲変形することを抑制できる。
羽根ユニットのアタッチメントの面内方向の外側面と羽根ユニット連結枠材の面内方向の内側面との間に、連結機構を設ける隙間を確保できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明のガラリ戸の実施形態を示す内観図で、ガラリ戸1は、枠体2と、枠体2内に取り付けた羽根ユニット3を備えている。以下の説明において、ガラリ戸1を建物に取り付けた状態で室内外側方向に向かう方向を面外方向とし、ガラリ戸1の面外方向と直角の方向を面内方向として説明する。
枠体2は、羽根ユニット3が連結される面内方向に対向した2つの羽根ユニット連結枠材である左右の縦枠2a,2aと、羽根ユニット連結枠材を連結する面内方向に対向した2つの枠材である上枠2b、下枠2cとで方形枠形状である。
羽根ユニット3は、一対のアタッチメント4,4と、一対のアタッチメント4間に渡り取り付けた複数の羽根5を備えている。
羽根ユニット3は、一対のアタッチメント4,4を羽根ユニット連結枠材(縦枠2a)に後述する連結機構6で連結することで、枠体2内に取り付けてある。
実施形態では、一対のアタッチメント4は縦のアタッチメントで、その縦のアタッチメントを縦枠2aに連結機構6で連結されている。これにより、羽根5は上枠2b、下枠2cと平行で、横型の羽根ユニット3としてある。なお、以下の説明では、アタッチメント4を縦のアタッチメント4とする。
【0016】
図2と
図3に示すように、一対の縦枠2aと上枠2bと下枠2cは、面外方向に向かう本体部20と、本体部20の面外方向の一方側端、例えば室内側端に設けた面内方向の内側に向かう羽根ユニット当接部21とを有する。面内方向の内側とは対向した枠に向かう側である。
【0017】
羽根ユニット3の羽根5は、縦のアタッチメント4の面内方向の内側である内側面4aにおける面外方向の他方側寄り、例えば室外側寄りに固着してある。羽根5は縦のアタッチメント4の長さ方向に間隔を空けて複数取り付けてある。
【0018】
羽根5は、
図3に示すように室内側が室外側より高く傾斜した平板状の板部5aと、板部5aの室内側端から上方に向かう上向片5bと、板部5aの室外側端から下方に向かう下向片5cとを有している。
板部5aの室内側端及び室外側端にビスホール5dを有している。
羽根5の長さ方向の両端面を縦のアタッチメント4の内側面4aの室外側寄りに接し、縦のアタッチメント4からねじ(図示せず)をビスホール5dに螺合して羽根5を縦のアタッチメント4に取り付けている。
【0019】
最上部の羽根5は、板部5aが傾斜した板部5a−1と、垂直の板部5a−2とで逆くの字形状で、垂直の板部5a−2の上部に面外方向に向かう上横片5eを有している。
上横片5eは下向きコ字形状で、縦のアタッチメント4の室外側寄りの上端縁に沿って配置される。
図2に示すように、縦枠2aの本体部20の面外方向の一方側寄り、例えば室内側寄り(つまり、縦枠2aの面外方向の室内側寄り)に、連結機構6の被連結部6aが設けてある。
被連結部6aは、本体部20の面内方向の内側である内側面20aよりも面内方向の内側に突出している。本体部20の内側面20aが縦枠2aの内側面である。
羽根ユニット3の縦のアタッチメント4は、面外方向の一方側寄り、例えば室内側寄りに、連結機構6の連結部6bが設けてある。
連結部6bは、縦のアタッチメント4の面内方向の外側である外側面4bから面内方向外側に突出している。
【0020】
このように、連結部6bは縦のアタッチメント4の外側面4bから面内方向外側に突出し、被連結部6aは縦枠2aの内側面である本体部20の内側面20aから面内方向内側に突出しているので、縦枠2aの本体部20の内側面20aと縦のアタッチメント4の外側面4bとの間に隙間Sが存在する。つまり、連結機構6を設ける隙間(スペース)を確保している。
【0021】
強風で羽根5に負圧Fが作用したときに、縦のアタッチメント4の室外側寄り部分を面内方向の外側に向けて変形しながら羽根5が室外側に向けて湾曲変形する。
図2に示すように、縦のアタッチメント4の面外方向の他方側寄り、例えば室外側寄りに突部40を設ける。この突部40は、縦のアタッチメント4の外側面4bから面内方向の外側に突出し、突部40は縦枠2aの本体部20の内側面20aと対向している。突部40と縦枠2aの本体部20の内側面20aとの間の隙間は、縦のアタッチメント4の外側面4bと縦枠2aの本体部20の内側面20aとの間の隙間Sよりも小さい。
【0022】
このようにすることで、縦のアタッチメント4の室外側寄り部分が面内方向の外側に向けて変形することで、突部40が縦枠2aの本体部20の内側面20aに当接し、縦のアタッチメント4の室外側寄り部分が面内方向の外側に向けてそれ以上変形することがなく、羽根5が負圧により室外側に向けて湾曲変形することを抑制することができる。
【0023】
縦枠2aの本体部20の内側面20aと突部40との間の隙間は、羽根ユニット3を枠体2内に室外側から取り付ける際に突部40が邪魔にならない程度の大きさとする。
連結機構6(被連結部6a)は、
図3に示すように、縦枠2a、縦のアタッチメント4の上部寄りと下部寄りにそれぞれ取り付けてある。なお、ガラリ戸1の大きさに応じて連結機構6を縦枠2a、縦のアタッチメント4の長さ方向の中間にも設けることができる。
連結機構6は、連結部6bを被連結部6aに枠体2の室外側から連結及び連結解除できる構成である。
【0024】
このようであるから、枠体2内に取り付けてある羽根ユニット3を、枠体2の室外側から取り外しできると共に、枠体2の室外側から羽根ユニット3を枠体2内に取り付けできる。
【0025】
実施形態の縦枠2aの本体部20は、
図4に示すように、面外方向室内側の室内側部22と、室内側部22の面外方向室外側端に設けた面外方向室外側の室外側部23を有している。
室内側部22は板状で、室内側部22に被連結部6aが取り付けてある。
室外側部23は、ホロー部24と、ホロー部24の面外方向室外側端に面外方向室外側に向けて設けた突出壁25を有している。
ホロー部24は、室内側部22と連続した面内方向内側の内側壁24aと、内側壁24aの面外方向室内側端に設けた面内方向の外側に向かう室内側壁24bと、内側壁24aの面外方向室外側端に設けた面内方向の外側に向かう室外側壁24cと、室内側壁24bの面内方向外側端と室外側壁24cの面内方向外側端を連結する面外方向に向かう外側壁24dとで矩形状である。
突出壁25は、ホロー部24の室外側壁24cに、外側壁24dと連続して面外方向室外側に向けて一体に設けてある。
【0026】
縦枠2aの内側面26は、室内側部22の内側面とホロー部24の内側壁24aの内側面と、室外側壁24cの室外側面と、突出壁25の内側面とより成る。
室内側部22の内側面と内側壁24aの内側面とは面外方向に面一に連続し、室外側壁24cの室外側面と突出壁25の内側面は鉤形状に連続する。
これにより、縦枠2aの内側面26は、室内側端から室外側寄りまで連続した第1内側面26aと、室外側の第2内側面26bを有する。第2内側面26bは第1内側面26aよりも面内方向外側に位置する。
【0027】
縦枠2aの羽根ユニット取付部21は、本体部20の室内側部22の面外方向室内側端に面内方向の内側に向けて設けた内向壁27を有している。内向壁27の面内方向内側端に、シール材装着部である面外方向の室外側に開口した凹条溝27aを有している。
【0028】
縦のアタッチメント4は、面外方向室内側の室内側部41と、室内側部41の室外側端に面外方向の室外側に向けて設けた室外側部42を有する。
室内側部41は、面外方向に向かう面内方向内側の内側壁41aと、面外方向に向かう面内方向外側の外側壁41bと、面内方向に向かう面外方向室内側の室内側壁41cと、面内方向に向かう面外方向室外側の室外側壁41dとでホロー41eを有する形状である。
室外側部42は、室内側部41の外側壁41bの室外側端と連続し、面外方向の室外側に向かう板状である。
室外側部42の室外側端に面内方向の外側に向かう室外側壁43が設けてある。
【0029】
室内側部41の外側壁41bの外側面と室外側部42の外側面が面一に連続し、縦のアタッチメント4の外側面4bである。
室外側部42の内側面が縦のアタッチメント4の内側面4aである。
【0030】
図3に示すように、一対の縦のアタッチメント4の室内側部41の上部間に渡って上枠材45が連結され、下部間に渡って下枠材44が連結してある。
上枠2bの本体部20の室内側部における長さ方向両端寄りに係合金具28が取り付けてある。
係合金具28は、横片28aと縦片28bで鉤形で、横片28aを上枠2bの本体部20の室内側部にねじで固着して取り付けてある。
係合金具28の縦片28bは、縦のアタッチメント4の室内側部41のホロー41e内に嵌合している。
【0031】
突部40は、面外方向の室外側に向けて傾斜した面内方向に向かうガイド面40−1を有している。
実施形態では、突部40は、室外側部42の面内方向の外側面4bに設けた面内方向の外側に向かう基片40aと、基片40aの面内方向の外側端に設けた面内方向の外側に向かう中間片40bと、中間片40bの面内方向の外側端に設けた面外方向の室外側に向かう先片40cとで鉤形状である。
基片40aは室外側部42の外側面4bと直角である。
中間片40bは室外側部42の外側面4bに対して室外側に向けてほぼ45°に傾斜し、中間片40bの面外方向の室内側面がガイド面40−1である。
【0032】
このようであるから、羽根ユニット3を枠体2内に挿入するときに、突部40のガイド面40−1が縦枠2aの内側面26に接触し、突部40は羽根ユニット3を枠体2内に挿入する際にガイドの役目を果たすので、羽根ユニット3を枠体2内に挿入し易い。
【0033】
連結機構6の被連結部6aは、軸60を有する。
軸60は、
図5に示すように、ねじ部61と、ねじ部61よりも大径の軸部62と、軸部62よりも大径の鍔部63を有している。
ねじ部61を縦枠2aの室内側部22のねじ孔22aに螺合し、軸部62を室内側部22の内側面22bに接して軸60を室内側部22に取り付けてある。
【0034】
連結機構6の連結部6bは、面内方向の外側に開口した溝65を有する。
溝65は、
図5に示すように開口部65aの面外方向の寸法である開口幅W1が溝65の面外方向の寸法である溝幅W2よりも小さいあり溝形状である。
軸60の鍔部63の径は開口幅W1よりも大きく、溝幅W2よりも小さい。
軸60の軸部62の径は開口幅W1よりも小さい。
実施形態では、縦のアタッチメント4の室内側部41の外側壁41bの面内方向外側面に室内側鉤形片66と室外側鉤形片67を長さ方向に連続して有する。室内側鉤形片66は室外側に向かう鉤形状で、室外側鉤形片67は室内側に向かう鉤形状である。
そして、室内側鉤形片66と室外側鉤形片67と外側壁41bとで溝65を形成している。
【0035】
図6に示すように、溝65を形成する室内側鉤形片66には、軸60の鍔部63が挿通する切欠部68が形成してある。
切欠部68の室内側鉤形片66の長さ方向の位置は、羽根ユニット3を枠体2内に取り付けた状態で、切欠部68が軸60と長さ方向に離隔する位置である。
つまり、羽根ユニット3を枠体2内に取り付けるときには、切欠部68を軸60と合致させ、羽根ユニット3を室内側に移動することで溝65内に軸60の鍔部63を挿入する。
この後に、羽根ユニット3を縦のアタッチメント4の長さ方向に移動することで、羽根ユニット3を枠体4内に取り付ける。
この状態では、溝65の切欠部68と軸60とが縦のアタッチメント4の長さ方向に位置がずれ、溝65内に鍔部63が嵌まり合い、縦のアタッチメント4を縦枠2aに対して面外方向及び面内方向に変位しないように連結する。
【0036】
実施形態では、
図3に示すように、縦のアタッチメント4の下端面4cが下枠2cの本体部20の面内方向の内側面20a(下枠2cの上面)に載置することで、羽根ユニット3が枠体2内に取り付けられる。
この状態で、溝65の切欠部68は軸60の鍔部63よりも下方に位置し、切欠部68と鍔部63は上下方向に位置がずれている。
【0037】
次に、羽根ユニット3を枠体2に取り付ける作業を説明する。
枠体2の室外側に羽根ユニット3を、上部が下部よりも室内側となるように斜めの姿勢として配置する。
羽根ユニット3を枠体2内に向けて矢印aで示すように、斜め上方に向けて移動し、枠体2内に挿入することで、
図7に示すように、縦のアタッチメント4の室内側部41のホロー41eを上枠2bに取り付けた係合金具28の縦片28bに嵌合する。
このとき、羽根ユニット3が枠体2に対して左右に位置がずれた場合には、縦のアタッチメント4の突部40のガイド面40−1が縦枠2aの内側面26(第1内側面26a)に接し、羽根ユニット3の位置ずれを修正しながら羽根ユニット3を枠体2内に挿入できるので、羽根ユニット3を枠体2内に挿入する作業がやり易く、羽根ユニット3の枠体2内への挿入性が向上する。
【0038】
この後、羽根ユニット3を、縦のアタッチメント4の室内側部41のホロー41eの内面を、係合金具28の縦片28bに沿って滑らせながら矢印b方向に移動し、
図8に示すように溝65を形成する室内側鉤片66の切欠部68を軸60の鍔部63と同一高さとする。
羽根ユニット3を、さらに移動し、
図9に示すように鍔部63を溝65内に入れる。この状態では縦のアタッチメント4の下端面4cと下枠2cの本体部20の内側面20aとは離れている。
次いで、羽根ユニット3を下方に移動して
図3に示すように、縦のアタッチメント4の下端面4cを、下枠2cの本体部20の内側面20aに載置する。
これにより、切欠部68は鍔部63よりも下方に移動し、鍔部63は溝65内に面外方向及び面内方向に変位して外れないように嵌まり合う。
【0039】
このようであるから、羽根ユニット3を枠体2内に、枠体2の面外方向の室外側から容易に取り付けできる。
【0040】
次に、羽根ユニット3を枠体2から取り外しする作業を説明する。
枠体2の面外方向の室外側から羽根ユニット3を上方に移動し、溝65を形成する室内側鉤片66の切欠部68を軸60の鍔部63と同一高さとする。
羽根ユニット3を、その羽根ユニット3の下部を室外側に移動して羽根ユニット3を斜めの姿勢とすることで、切欠部68を通して溝65を鍔部63から抜き出す。
次いで、羽根ユニット3を斜め下方に移動して羽根ユニット3を枠体2から取り出し、羽根ユニット3を枠体2から取り外しする。
【0041】
このようであるから、枠体2の室外側から羽根ユニット3を簡単に取り外しすることができる。
【0042】
実施の形態のガラリ戸1は、
図2、
図4に示すように、縦枠2aの室外側に突出壁25を有し、その突出壁25は板状である。縦のアタッチメント4の室外側壁43は縦枠2aの第1の内側面26aよりも面内方向の外側に突出し、室外側壁43と突出壁25との間の隙間を小さくする。また、縦のアタッチメント4の室外側壁43は、縦枠2aの本体部20の内側面20aと縦のアタッチメント4の外側面4bとの間に生じる隙間Sを室外側から覆うように形成されている。
これにより、ガラリ戸1は、羽根ユニット3を簡単に連結解除自在な連結機構を備えると共に、意匠性に優れたスリムな外観をなす。
縦のアタッチメント4の室外側壁43は隙間Sを覆うので、室外側壁43は連結機構6および突部40を覆う。つまり、室外側壁43は連結機構6および突部40を覆うカバー面である。
これにより、ガラリ戸1は室外側から突部40、連結機構6が見えず意匠性が良い。
【0043】
実施形態のガラリ戸1は、横型の羽根ユニット3としてあるが、縦型の羽根ユニットを有するガラリ戸とすることもできる。
例えば、
図1に示すガラリ戸1を90°回転し、2つの羽根ユニット連結枠材を上枠、下枠とし、アタッチメントを横のアタッチメントとする。
【0044】
次に、ガラリ戸の第2の実施形態を説明する。
図10に示すように、枠体2は複数の枠部を有し、各枠部に羽根ユニット3をそれぞれ取り付け、枠体2内に複数の羽根ユニット3を有するガラリ戸1としてある。
実施形態では、枠体2は仕切り枠材である縦中骨2dで第1枠部2−1と第2枠部2−2を有している。縦中骨2dは上枠2bの長さ方向中間と下枠2cの長さ方向中間に渡って取り付けてある。
第1枠部2−1に第1羽根ユニット3−1を取り付け、第2枠部2−2に第2羽根ユニット3−2を取り付けてある。
【0045】
図11に示すように、縦中骨2dは面外方向に向かう本体70と、本体70の面外方向の室内側端に設けた面内方向に向かう第1羽根ユニット当接部71と第2羽根ユニット当接部72を有する。
本体70は面外方向に向かう第1壁70a、第2壁70bと、面内方向に向かう室内側壁70cと、室外側壁70dとでホロー70eを有するホロー形状である。
第1壁70a、第2壁70bの面外方向の室内側寄りに被連結部6a(軸60)がそれぞれ取り付けてある。
【0046】
第1羽根ユニット3−1の縦のアタッチメント4、第2羽根ユニット3−2の縦のアタッチメント4は、ホロー41eを有した室内側部41と、板状の室外側部42を有している。
室内側部41の外側壁41bに連結部6b(溝65)が設けてある。
【0047】
縦中骨2dの本体70は、室内側壁70cに面外方向の室内側に突出した補強部73を有している。
補強部73はカバー74で覆っている。
第1羽根ユニット当接部71と第2羽根ユニット当接部72には係止受片75が室内側に突出しそれぞれ有している。
各係止受片75にカバー74の両側片74aを係合してカバー74を取り付けてある。
なお、縦中骨2dは、補強部73を有していないものとすることができる。この場合には、カバー74及び係止受片75は不要である。
【0048】
図10、
図11に示すガラリ戸1は、枠体2を縦中骨2dで左右に2つに区分した連窓タイプとしたが、枠体2を仕切り枠材である無目で上下に2つに区分し、上下の第1枠部、第2枠部に第1羽根ユニット、第2羽根ユニットをそれぞれ取り付けて段窓タイプのガラリ戸とすることもできる。
【0049】
次に、ガラリ戸の第3の実施形態を説明する。
図12に示すように、複数のガラリ戸1を連結枠材である方立8で連結してガラリ戸としてある。
実施形態では、第1ガラリ戸1−1と第2ガラリ戸1−2を有している。
第1ガラリ戸1−1の枠2と第2ガラリ戸1−2の枠2の隣接した縦枠2a−1,2a−1を方立8で連結して連窓のガラリ戸としてある。
【0050】
隣接した縦枠2a−1は
図13に示すように、板状の本体部20と羽根ユニット当接部21と室内側延出部28を有している。
本体部20の室内側寄りに連結部6a(軸60)が設けてある。
本体部20の面外方向の中間部に方立係止片29が設けてある。
隣接した縦枠2a−1の本体部20の方立係止片29よりも室外側寄り、つまり室外側寄り間はシール材30でシールしてある。
【0051】
方立8は、面外方向に向かう本体部80と、本体部80の室内側端に設けた面内方向に向かう室内側部81とで逆T字形状で、室内側部81の面内方向両端部に係止受片82が面外方向の室外側に向けて有する。
方立8は、本体部80の室外側部に設けた一対の係止片80aを、隣接した縦枠2a−1の方立係止片29にそれぞれ係止し、室内側部81を室内側延出部28に当接することで、隣接した縦枠2a−1を連結している。方立8の室内側部81はカバー83で覆われている。
【0052】
第1ガラリ戸1−1の羽根ユニット3と第2ガラリ戸1−2の羽根ユニット3の隣接した縦のアタッチメント4−1,4−1は、ホロー41eを有した室内側部41と、板状の室外側部42を有している。
室内側部41の外側壁41bに連結部6b(溝65)が設けてある。
室内側部42に羽根5が取り付けてあり、羽根5の面外方向の中間とシール材30は面外方向に同一位置である。
【0053】
このように、隣接した縦枠2a−1間をシールするシール材30と、被連結部6a、連結部6bより成る連結機構6は面外方向に離隔し、シール材30は室外側で、連結機構6は室内側であるから、連結機構6とシール材30が干渉することがない。
これにより、隣接した縦枠2a−1は板状で、第1ガラリ戸1−1と第2ガラリ戸1−2との連窓部の面内方向の寸法は小さいから、連窓部の室外側の見栄えが良いものとなる。
【0054】
図12、
図13に示すガラリ戸1は、方立8で左右の枠体2を連結した連窓タイプであるが、上下の枠体を連結枠材である無目で連結した段窓タイプのガラリ戸とすることができる。
【0055】
本発明の実施形態は、複数の平板状の羽根5を連結したブラインドタイプと呼ばれる羽根ユニット3であるが、中空部を備えた複数の羽根を連結したルーバータイプであってもよく、羽根の形状は問わない。