特許第6376908号(P6376908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6376908
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】化学蓄熱システム
(51)【国際特許分類】
   F28D 20/00 20060101AFI20180813BHJP
【FI】
   F28D20/00 G
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-179197(P2014-179197)
(22)【出願日】2014年9月3日
(65)【公開番号】特開2016-53438(P2016-53438A)
(43)【公開日】2016年4月14日
【審査請求日】2017年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】植田 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】岸本 章
【審査官】 伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−282190(JP,A)
【文献】 特開昭62−297381(JP,A)
【文献】 特開昭59−075977(JP,A)
【文献】 特開昭61−111389(JP,A)
【文献】 特開2010−127505(JP,A)
【文献】 特開2009−019866(JP,A)
【文献】 特開2008−309487(JP,A)
【文献】 特開2010−230268(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/079770(WO,A1)
【文献】 特開2014−169381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液相の塩化カルシウム水和物を主成分とする蓄熱材を収容する蓄熱部と、
水を貯留する水貯留部と、
前記水貯留部に貯留した水を揮発させて、前記蓄熱材に水蒸気として供給する水蒸気供給部と、
前記蓄熱部において前記蓄熱材から発生した熱を外部に取り出す熱交換部と、を備え、
前記蓄熱材から水を揮発させることによって前記蓄熱材に蓄熱し、かつ、蓄熱状態の前記蓄熱材と前記水貯留部より揮発した水蒸気とを反応させることによって放熱する化学蓄熱システムであって、
前記蓄熱材が界面活性剤を含有するとともに、蓄熱状態の前記蓄熱材が流動性を有する液状である化学蓄熱システム。
【請求項2】
前記界面活性剤がポリオキシエチレンオレエート、ソルビタンモノラウレートから選ばれる少なくとも一種の界面活性剤を含有するものである請求項1に記載の化学蓄熱システム。
【請求項3】
前記蓄熱材が、水を吸収した状態の前記無機塩水和物に対して、前記界面活性剤を0.25質量%以上1質量%以下含有する請求項2に記載の化学蓄熱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液相の無機塩水和物を主成分とする蓄熱材を収容する蓄熱部と、
水を貯留する水貯留部と、
前記水貯留部に貯留した水を揮発させて、前記蓄熱材に水蒸気として供給する水蒸気供給部と、
前記蓄熱部において蓄熱材から発生した熱を外部に取り出す熱交換部と、を備え、
前記蓄熱材から水を揮発させることによって前記蓄熱材に蓄熱し、かつ、蓄熱状態の前記蓄熱材と前記水貯留部より揮発した水蒸気とを反応させることによって放熱する化学蓄熱システムに関する。
【背景技術】
【0002】
固体状で使用する化学蓄熱システム(固体蓄熱材と気体反応物質を反応させ、その反応熱を出し入れすることで蓄熱利用を可能としたシステム)が過去に多く考案されている。気体反応物質としては水蒸気を利用するものが多く、例えば、塩化カルシウムに水蒸気を作用させることによって発生する水和熱を扱うものが代表的である。
【0003】
一方、吸収式冷凍機の原理を応用した濃度差蓄熱として、液状の蓄熱材としての吸収液に水蒸気を作用させて熱出力を得る構成(前記の化学蓄熱システムと比較すると、水蒸気を作用させる対象が固体材料であるか吸収液であるかの違いである)のものが知られている(特許文献1参照)。このような構成によると、流体であるためにポンプや撹拌装置などを設けただけの比較的シンプルな蓄熱槽を用いて熱出力を得ることができる。しかし、濃度差蓄熱システムは、水蒸気吸収量が少ないために蓄熱量が小さいという欠点がある。
【0004】
具体的には、60質量%LiBr水溶液に水蒸気を吸収させて55質量%LiBr水溶液とする濃度差蓄熱システムでは、
60質量%LiBr溶液の組成は、LiBr・3.22H2Oであるのに対して、55質量%LiBr溶液の組成は、LiBr・3.94H2Oであるから、LiBr1mol当り0.72molの水蒸気しか授受できないために、蓄熱量は230kJ/kg(60質量%LiBr溶液)程度にとどまることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許5021597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、液状の蓄熱材として、液状の無機塩水和物を用い、無機塩1モル当りの水の吸収量を増加させて蓄熱量を増加させることが考えられる。しかし液状の無機塩水和物が水蒸気の吸収放出を繰り返した場合、無機塩水和物が水蒸気を放出した状態で、液状を維持可能な物質は少なく、蓄熱限界を超えて水蒸気を過剰に放出した固液混相のスラリー状となりやすく、このような蓄熱材を用いた蓄熱システムは、蓄熱部が水蒸気を放出しても、無機塩水和物のスラリーが流動性を良好に維持できる範囲が蓄熱限界となる。すなわち、蓄熱材の流動性を高めることによって、蓄熱材の蓄熱限界を拡張し、蓄熱容量を高めることができると考えられる。また、蓄熱限界付近では、蓄熱材中に固体状の無機塩水和物が発生して、蓄熱材の流動性が低下し、上記シンプルな蓄熱槽では熱出力を効率よく取り出すことができなくなることも想定されている。
【0007】
したがって、本発明は上記実状に鑑み、液状の無機塩水和物を用いて、シンプルな構成の蓄熱部で熱出力を効率よく取り出すことができる、蓄熱容量の大きな化学蓄熱システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の化学蓄熱システムは、液相の塩化カルシウム水和物を主成分とする蓄熱材を収容する蓄熱部と、
水を貯留する水貯留部と、
前記水貯留部に貯留した水を揮発させて、前記蓄熱材に水蒸気として供給する水蒸気供給部と、
前記蓄熱部において蓄熱材から発生した熱を外部に取り出す熱交換部と、を備え、
前記蓄熱材から水を揮発させることによって前記蓄熱材に蓄熱し、かつ、蓄熱状態の前記蓄熱材と前記水貯留部より揮発した水蒸気とを反応させることによって放熱する化学蓄熱システムであって、
前記蓄熱材が界面活性剤を含有するとともに、蓄熱状態の蓄熱材が流動性を有する液状である点にある。
【0009】
上記構成によると、蓄熱材として塩化カルシウム水和物を用いるから、蓄熱材から水を揮発させることによって蓄熱材に蓄熱し、かつ、蓄熱状態の前記蓄熱材と水貯留部より揮発した水蒸気とを反応させることによって放熱する化学蓄熱システムを、基本的に蓄熱材を液状に維持した状態で動作させることができる。
【0010】
本発明者らは、この蓄熱限界付近では、無機塩水和物の一部が固体状になり、蓄熱材の流動性が低下する現象は、蓄熱材に界面活性剤を添加することにより改善することができることを新たに見出した。すなわち、無機塩水和物を広範囲の温度域において流動可能な状態で用いることができ、蓄熱容量の大きな化学蓄熱システムを提供することができるようになり、シンプルな構成の蓄熱部を用いて熱出力を効率よく取り出すことができるようになった。
【0011】
蓄熱材は、液相の無機塩水和物を主成分とするから、蓄熱部は蓄熱材を収容した状態で、水貯留部に貯留した水を蓄熱材に水蒸気として供給する水蒸気供給部と、蓄熱部において蓄熱材から発生した熱を外部に取り出す熱交換部とにより、蓄熱材から水を揮発させることによって前記蓄熱材に蓄熱し、かつ、蓄熱状態の前記蓄熱材と水貯留部より揮発した水蒸気とを反応させることによって放熱する蓄熱、放熱運転を簡便な構成に適用することができる。また、水蒸気供給部は、水貯留部からの水蒸気を直接水蒸気として蓄熱材に供給するものであるから、蓄熱材と水との反応は凝縮した水を供給するのに比べて効率よく進行する。また、この反応は、水蒸気と蓄熱材との接触により生起するものであるから、反応効率は蓄熱材の流動性が高いほど、よくなると考えられ、無機塩水和物を広範囲の温度域において流動可能な状態で用いることができると、蓄熱容量の向上につながりやすい。
【0012】
また、蓄熱材は蓄熱状態でも流動性を有するものであるから、蓄熱状態における蓄熱材は熱交換部とも良好に接触し、蓄熱材から発生した熱を外部に取り出す熱効率も高くすることができる。尚、蓄熱材としては、水和熱を生成する硫酸マグネシウム、臭化カルシウム、リン酸水素二カリウム等を用いることも考えられる。
【0014】
前記液相の塩化カルシウム水和物を用いると、複数の水和数において液体状態で安定に存在するため、水の吸放出を安定に行うことができ、蓄放熱反応の再現性を高く維持することができ、熱効率の点から有利である。
【0015】
上記塩化カルシウムでは、1,2,4,6水和物が安定に存在するが、界面活性剤なしでは、4水和物のものがスラリー状になった状態で流動困難になりがち(融点45.5℃)であるのに対し、界面活性剤ありの状態で2水和物まで水を放出させても、少量の遊離水の存在下(3水和物相当)で十分流動可能なスラリー状を維持していることがわかっている。尚、リン酸水素二カリウム水和物においても、2水和物が安定に存在し、4水和物との間で吸放水することで、界面活性剤存在下で、十分流動可能なスラリー状を維持して蓄放熱反応を行えることが確認されている。
【0016】
また、前記界面活性剤がポリオキシエチレンオレエート、ソルビタンモノラウレートから選ばれる少なくとも一種の界面活性剤を含有するものであってもよい。
【0017】
れらの界面活性剤は、無機水和物をスラリー状に流動させるのに有効であることが確認されており、特に塩化カルシウムを対象とする場合に、高い流動性を維持できかつ添加量に応じて流動性を向上させることができるなど、特異的に有効に用いることができる界面活性剤であることがわかっている。
【0018】
た、前記蓄熱材が、水を吸収した状態の無機塩水和物に対して、前記界面活性剤を0.25質量%以上1質量%以下含有するものであってもよい。
【0019】
面活性剤の含有量は少なすぎると効果が不十分で、多すぎても使用量に対する効果の割合が低くなる傾向となる。そのため、0.25質量%以上1質量%以下含有するものとするのが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
したがって、液状の無機塩水和物を用いて、シンプルな蓄熱槽で熱出力を効率よく取り出すことができる、蓄熱容量の大きな化学蓄熱システムを提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】化学蓄熱システムの概略図(a)は蓄熱運転、(b)は放熱運転を示す
図2】蓄熱材の粘度の界面活性剤添加量依存性を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態にかかる化学蓄熱システムを説明する。尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
【0023】
〔化学蓄熱システム〕
本願の実施形態にかかる化学蓄熱システムは、図1に示すように、水1aを収容する水貯留部1と蓄熱材2aを収容する蓄熱部2とを備えるとともに、水貯留部1と蓄熱部2との間で水蒸気3aを流通させる水蒸気供給部3を設けて構成してある。
【0024】
水貯留部1は、水1aを収容する水容器10に、水1aを加熱する第一熱交換器11を備えて構成してある。蓄熱部2は、蓄熱材2aを収容する蓄熱材容器20に蓄熱材2aから得られる熱を放出する第二熱交換器(蓄熱材2aから発生した熱を外部に取り出す熱交換部)21を備えて構成してある。また、水蒸気供給部3は、水容器10の上部と、蓄熱材容器20の上部とを接続する水蒸気供給管30に、水蒸気3aの流通を制御する制御弁31を設けて構成してある。なお、水容器10および蓄熱材容器20には、それぞれに収容される媒体1a,2aを流動させて、効率よく第一、第二熱交換器11,21に接触させて、熱移動させるための撹拌機13,23を内装してある。
【0025】
これにより、熱源機からの排熱等を利用して第二熱交換器21により蓄熱材容器20に収容される蓄熱材2aを90℃に加熱し、蓄熱材2aより脱離される水蒸気3aを、水蒸気供給管30を通じて第一熱交換器11により40℃に維持される水容器10に移送して凝縮させる蓄熱運転(図1(a))と、
第一熱交換器11により40℃に維持される水容器10から発生する水蒸気3aを、水蒸気供給管30を通じて蓄熱材容器20に移送し、60℃の蓄熱材2aに吸収させて放熱させて第二熱交換器21より取り出す放熱運転(図1(b))と、
を交互に繰り返して、通常は単に廃棄される排熱であっても、有効な熱出力として蓄熱利用することができるようになる。
【0026】
ここで、蓄熱材2aとしては、たとえば、塩化カルシウム6水和物にソルビタンモノラウレートを0.5質量%添加してなるものが好適に利用できる。
【0027】
上記化学蓄熱システムにおいて、種々の蓄熱材2aを用いて蓄熱運転および放熱運転を繰り返して行い、蓄熱部2の重量から各運転における水1aの移動量を測定し、蓄熱量を求めた。その結果表1のようになった。
【0028】
【表1】
【0029】
表中、蓄熱材2aに界面活性剤を用いなかった例(1)では、蓄熱運転時に溶液組成がCaCl2・4.54H2Oとなった時点で、蓄熱材容器20中の蓄熱材2aの流動性が大きく低下し、撹拌機23によっても蓄熱材2aが流動できなくなったが、界面活性剤を用いた例(2,3)では、溶液組成がCaCl2・2.86H2O、K2HPO4・0.67H2Oになった場合でも蓄熱材2aは流動性を失わず、良好な蓄熱放熱運転を繰り返すことができ、しかも、無機塩水和物1モル当たりの水和水の移動量が大きく増えたことにより、臭化リチウムを用いた濃度差蓄熱(4)に比べて、大きな蓄熱量を確保できることが分かった。
【0030】
〔界面活性剤のスクリーニング〕
<1.目視評価>
蓄熱材に添加して用いる界面活性剤として、表2に記載の界面活性剤を用い、以下の実験手順1に従い、それぞれ透明バイアル内で塩化カルシウムとともに水と混合し、外観観察による流動性評価行った。
【0031】
○実験手順1
1: 室温下で、透明バイアルに、CaCl2無水物11.10g(0.1mol)、界面活性剤をCaCl2無水物に対して0.5質量%(0.06g)添加し、水に溶解した混合溶液7.2g(水換算で0.4mol)を秤量した。
(水の混合比率は、無水塩化カルシウム1モルあたり4モル相当とし、表1(1)の例から、通常界面活性剤が無いと流動性を失う分量に設定している。)
2: 1で作成した混合物を、60℃の恒温槽内で攪拌しながら全体が融解するまで加熱した。
3: 35℃の恒温槽内で冷却し、35℃になったバイアルを上下反転させ、バイアル壁面に付着する試料の流れ落ちる速さを目視観察し、流動性を評価した。
【0032】
【表2】
【0033】
○結果1
外観観察の結果、以下の3種類の界面活性剤を用いた場合に、他の界面活性剤を用いた場合に比して、蓄熱材の流動性が良好であった。
(7)ニューコール170 (非イオン性界面活性剤)
(9)エマゾールL−10V (非イオン性界面活性剤)
(15)ノプコスパース5600 (陰イオン性界面活性剤)
【0034】
<2.添加量依存性>
次に上記界面活性剤を用いた蓄熱材の流動性の界面活性剤添加量依存性を粘度測定により調べた。
【0035】
○実験手順2
1. 実験手順1で抽出した3種の界面活性剤それぞれについて、CaCl2−水混合物(3.5水和物相当の混合比率)に界面活性剤を0.25〜1質量%の範囲で混合し、60℃の恒温槽で加熱しながら攪拌することによって融解させた蓄熱材を調製した。また、比較のため界面活性剤を添加しないものも用意した。
2. ウォーターバスで60℃に保温した状態で東機産業製のBII型粘度計を用いて、蓄熱材の粘度を測定した。(結果は平均値として表示)
【0036】
○結果2
得られた結果を図2に示す。界面活性剤を混合していない試料(図中界面活性剤濃度0%における粘度2000mPasに相当)と比較して、エマゾールL−10Vとニューコール170では、混合比率を増やすほど、粘度の低下が見られ、流動性が向上し、0.25〜1質量%の点か割合で、流動性の良好な蓄熱材を得られることが分かった。一方、ノプコスパース5600では、混合比率を増やすほど粘度の上昇が見られ、ノプコスパース5600に比べて、エマゾールL−10Vとニューコール170は、流動性を高めるという目的からは利便性が高いことがわかった。
【0037】
<その他の実施形態>
(1)上記実施形態では、蓄熱材2aに用いる無機塩水和物として塩化カルシウムを用いる例を示した。なお、その他種々の無機塩水和物を、蓄熱すべき温度域、蓄熱容量等に応じて適宜選択して用いることができる。
【0038】
(2)また上記実施形態では、蓄熱材に用いる界面活性剤として、エマゾールL−10Vとニューコール170として供給されているソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンオレエートが特に好ましいことを明らかにしているが、これら以外の界面活性剤であっても、無機塩水和物の流動性を高めることにより無機塩水和物を広範囲の温度域において流動可能な状態で用いることができ、蓄熱容量の大きな化学蓄熱システムを提供することができる。なお、界面活性剤は、蓄熱材に用いる無機塩水和物に応じて適した材質、添加量を選択して用いることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、液状の無機塩水和物を用いて、シンプルな構成の蓄熱部で熱出力を効率よく取り出すことができる、蓄熱容量の大きな化学蓄熱システムとして利用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 :水貯留部
1a :水
2 :蓄熱部
2a :蓄熱材
3 :水蒸気供給部
3a :水蒸気
10 :水容器
11 :第一熱交換器
13 :撹拌機
20 :蓄熱材容器
21 :第二熱交換器
23 :撹拌機
30 :水蒸気供給管
31 :制御弁
図1
図2