(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無機塩基と下記式(1)
R
1X (1)
(式中、R
1はアルキル基又はアルケニル基を示し、Xはハロゲン原子を示す)
で表されるハロゲン化物を仕込んだ系内に、下記式(2)
【化1】
(式中、R
2はアルキル基又はアルケニル基を示す。nは1以上の整数を示す)
で表される(ポリ)プロピレングリコールモノエーテルを連続的又は間欠的に添加して反応させて、下記式(3)
【化2】
(式中、R
1、R
2、nは前記に同じ。尚、R
1、R
2は同一であってもよく、異なっていてもよい)
で表される(ポリ)プロピレングリコールジエーテルを得る、(ポリ)プロピレングリコールジエーテルの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、安全性に優れ、環境負荷を低減しつつ、効率よく(ポリ)プロピレングリコールジエーテルを製造することができる、(ポリ)プロピレングリコールジエーテルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、塩基とアルキル又はアルケニルハライドを予め仕込んだ反応器に(ポリ)プロピレングリコールモノエーテルを逐次添加する方法によれば、低沸化合物の生成を抑制しつつ(ポリ)プロピレングリコールジエーテルを製造することができ、その上、収率を向上する効果が得られることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
【0007】
すなわち、本発明は、塩基と下記式(1)
R
1X (1)
(式中、R
1はアルキル基又はアルケニル基を示し、Xはハロゲン原子を示す)
で表されるハロゲン化物を仕込んだ系内に、下記式(2)
【化1】
(式中、R
2はアルキル基又はアルケニル基を示す。nは1以上の整数を示す)
で表される(ポリ)プロピレングリコールモノエーテルを連続的又は間欠的に添加して反応させて、下記式(3)
【化2】
(式中、R
1、R
2、nは前記に同じ。尚、R
1、R
2は同一であってもよく、異なっていてもよい)
で表される(ポリ)プロピレングリコールジエーテルを得る、(ポリ)プロピレングリコールジエーテルの製造方法を提供する。
【0008】
本発明は、また、上記式(2)中のnが1〜3の整数である前記の(ポリ)プロピレングリコールジエーテルの製造方法を提供する。
【0009】
本発明は、また、上記式(1)中のR
1が炭素数2〜5のアルキル基であり、上記式(2)中のR
2が炭素数1〜5のアルキル基である前記の(ポリ)プロピレングリコールジエーテルの製造方法を提供する。
【0010】
本発明は、また、反応温度が0〜80℃である前記の(ポリ)プロピレングリコールジエーテルの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の方法は上記特性を有するため、1つの反応缶を使用して、低沸化合物の生成を抑制しつつ(ポリ)プロピレングリコールジエーテルを製造することができ、設備の簡便さ、安全面、及び環境面で優れる。また、本発明の方法によれば、従来の方法に比べて収率を向上する効果が得られる。そのため本発明の方法は、工業的に(ポリ)プロピレングリコールジエーテルを製造する方法として特に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(塩基)
本発明で使用する塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属;水素化マグネシウム、水素化カルシウム、水素化バリウムなどのアルカリ土類金属水素化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0013】
本発明においては、なかでも安全面や反応収率の点で、水溶性の無機塩基が好ましく、特にアルカリ金属水酸化物(とりわけ、水酸化ナトリウム)が好ましい。
【0014】
塩基の使用量としては、式(2)で表される(ポリ)プロピレングリコールモノエーテル1モルに対して、例えば0.9〜2.0モル程度、好ましくは1.3〜1.6モルである。塩基の使用量が上記範囲を下回ると、反応収率が低下する傾向がある。一方、塩基の使用量が上記範囲を上回ると、反応終了後の水洗に多量の水を要し、生産性(空時収率など)が低下する傾向がある。
【0015】
(ハロゲン化物)
本発明で使用するハロゲン化物は、下記式(1)
R
1X (1)
(式中、R
1はアルキル基又はアルケニル基を示し、Xはハロゲン原子を示す)
で表される。
【0016】
R
1におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基等の炭素数1〜20程度のアルキル基を挙げることができる。
【0017】
R
1におけるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基等の炭素数2〜20程度のアルケニル基を挙げることができる。
【0018】
Xはハロゲン原子を示し、例えば、フッ素、塩素、臭素原子、ヨウ素原子が含まれる。
【0019】
本発明のハロゲン化物の具体例としては、1−クロロプロパン、1−ブロモプロパン、2−クロロプロパン、2−ブロモプロパン、3−クロロプロペン、3−ブロモプロペン、1−クロロブタン、1−ブロモブタン、1−ブロモ−3−メチルブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、1−ブロモ−2−メチルプロパン、3−クロロ−1−ブテン、3−クロロ−2−メチルプロペン、4−ブロモ−1−ブテン、1−クロロペンタン、1−ブロモペンタン、2−クロロペンタン、2−ブロモペンタン等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。尚、R
1におけるアルキル基又はアルケニル基が第3級アルキル基又はアルケニル基であるハロゲン化物は(ポリ)プロピレングリコールモノエーテルとの反応が進行しないため好ましくない。
【0020】
本発明のR
1としては、なかでも炭素数2〜5のアルキル基が好ましい。すなわち、本発明のハロゲン化物としては、C
2-5アルキルハライドが反応収率の点で好ましい。
【0021】
ハロゲン化物の使用量としては、式(2)で表される(ポリ)プロピレングリコールモノエーテル1モルに対して、例えば0.9〜1.5モル程度、好ましくは1.1〜1.4モルである。ハロゲン化物の使用量が上記範囲を下回ると、ハロゲン化物の脱離反応が増加する傾向がある。一方、ハロゲン化物の使用量が上記範囲を上回ると、反応収率が頭打ちとなり、生産性が低下する傾向がある。
【0022】
((ポリ)プロピレングリコールモノエーテル)
本発明の(ポリ)プロピレングリコールモノエーテルは、下記式(2)
【化3】
(式中、R
2はアルキル基又はアルケニル基を示す。nは1以上の整数を示す)
で表される。
尚、本発明における「(ポリ)プロピレングリコールモノエーテル」はポリプロピレングリコールモノエーテル又はプロピレングリコールモノエーテルの意味である。また、本発明における「(ポリ)プロピレングリコールモノエーテル」には、「(ポリ)プロピレングリコールモノアルキルエーテルと(ポリ)プロピレングリコールモノアルケニルエーテルが含まれる。
【0023】
R
2におけるアルキル基及びアルケニル基としては、R
1におけるアルキル基、アルケニル基と同様の例を挙げることができる。本発明においては、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。
【0024】
nは括弧で括られた繰り返し単位の数であり、1以上の整数(好ましくは1〜3)である。
【0025】
本発明の(ポリ)プロピレングリコールモノエーテルの具体例としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−s−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノn−ペンチルエーテル、プロピレングリコールモノイソペンチルエーテル、プロピレングリコールモノ−2,2−ジメチルプロピルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキル又はアルケニルエーテル;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−s−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ペンチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソペンチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−2,2−ジメチルプロピルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキル又はアルケニルエーテル;トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−s−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ペンチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソペンチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−2,2−ジメチルプロピルエーテル等のトリプロピレングリコールモノアルキル又はアルケニルエーテル等を挙げることができる。
【0026】
本発明の製造方法は、上記(ポリ)プロピレングリコールモノエーテルを、上記塩基とハロゲン化物を仕込んだ系内に連続的又は間欠的に添加して反応させることを特徴とする。そのため、ハロゲン化物の脱離反応を抑制することができ、脱離反応による低沸化合物の生成を抑制することができる。
【0027】
(ポリ)プロピレングリコールモノエーテルを連続的又は間欠的に添加とは、(ポリ)プロピレングリコールモノエーテルを一括添加する場合を除くことを意味する。(ポリ)プロピレングリコールモノエーテルの添加速度としては取扱物質の反応生成熱や反応缶の除熱能力により適宜調整することができ、例えば、6〜12時間程度である。
【0028】
反応温度は、例えば0〜80℃程度(好ましくは35〜50℃)である。反応時間((ポリ)プロピレングリコールモノエーテルの添加終了後、反応終了までの時間)は、例えば12〜18時間程度である。
【0029】
反応雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。
【0030】
反応終了後、得られた反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、吸着、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
【0031】
((ポリ)プロピレングリコールジエーテル)
本発明の製造方法では、例えば塩基として水酸化ナトリウムを使用した場合は、下記反応により式(3)で表される(ポリ)プロピレングリコールジエーテルが得られる。下記式中、R
1、R
2、nは前記に同じ。尚、R
1、R
2は同一であってもよく、異なっていてもよい。尚、本発明における「(ポリ)プロピレングリコールジエーテル」はポリプロピレングリコールジエーテル又はプロピレングリコールジエーテルの意味である。また、本発明における(ポリ)プロピレングリコールジエーテルには(ポリ)プロピレングリコールジアルキルエーテルと(ポリ)プロピレングリコールジアルケニルエーテルと(ポリ)プロピレングリコールアルキルアルケニルエーテルが含まれる。
【0033】
本発明の(ポリ)プロピレングリコールジエーテルの具体例としては、例えば、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールメチルn−プロピルエーテル、プロピレングリコールメチルイソプロピルエーテル、プロピレングリコールメチルn−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチル−s−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチル−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルn−ペンチルエーテル、プロピレングリコールメチルイソペンチルエーテル、プロピレングリコールメチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−s−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−t−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルn−ペンチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルイソペンチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールメチルイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールメチルn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−s−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−t−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルn−ペンチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルイソペンチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−2,2−ジメチルプロピルエーテル等の(ポリ)プロピレングリコールメチルアルキル又はアルケニルエーテル等、及び上記に対応する(ポリ)プロピレングリコールエチルアルキル又はアルケニルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールプロピルアルキル又はアルケニルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールイソプロピルアルキル又はアルケニルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールブチルアルキル又はアルケニルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールs−ブチルアルキル又はアルケニルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールt−ブチルアルキル又はアルケニルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールペンチルアルキル又はアルケニルエーテル等を挙げることができる。
【0034】
本発明の製造方法によれば、式(3)で表される(ポリ)プロピレングリコールジエーテルを効率よく製造することができ、ハロゲン化物基準の収率は例えば50%以上(好ましくは55%以上、特に好ましくは60%以上)であり、(ポリ)プロピレングリコールモノエーテル基準の収率は例えば60%以上(好ましくは65%以上、特に好ましくは75%以上、最も好ましくは77%以上)である。
【0035】
本発明の製造方法によれば、(ポリ)プロピレングリコールジエーテルを、安全かつ環境に優しい方法で、すなわち低沸化合物の生成を抑制しつつ、効率よく製造することができ、(ポリ)プロピレングリコールジエーテル100gを製造する際に発生する低沸化合物の最大発生量は20mL/分以下(好ましくは15mL/分未満、特に好ましくは10mL/分以下、最も好ましくは5mL/分以下)である。また、発生する低沸化合物の総量は例えば3200mL以下(好ましくは3100mL以下、特に好ましくは2800mL以下である。尚、本発明における低沸化合物とは、沸点(1気圧下における)が30℃以下である化合物であり、例えば、ハロゲン化物として1−ブロモプロパン等の式(1)中のR
1がプロピル基である化合物を使用した場合はプロピレンガスがそれである。そして、本発明の製造方法により得られる(ポリ)プロピレングリコールジエーテルは、吸湿し難く、樹脂溶解性に優れる。そのため、印刷法による電子部品パターンを形成するためのペースト組成物において溶剤として好適に使用することができる。
【実施例】
【0036】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0037】
実施例1
500mLフラスコにフレーク状の水酸化ナトリウム(東ソー(株)製)(以後、「NaOHフレーク」と称する場合がある)51.5g(下記DPM1モルに対して1.4モルに相当)と1−ブロモプロパン(和光純薬工業(株)製)(以後、「PrBr」と称する場合がある)144.2g(下記DPM1モルに対して1.3モルに相当)を仕込み、撹拌を開始した。液温を35℃に昇温後、系内の温度を35℃に保ちながら、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(異性体混合物)(和光純薬工業(株)製)(以後、「DPM」と称する場合がある)133.7gを6時間かけて滴下した。その後、35℃を保ったまま終夜撹拌を実施した。
また、上記反応中に発生した低沸化合物としてのプロピレンガスの量をガス流量計を使用して測定した。
反応液に水118.5gを加えて抽出・分液し、得られた有機相194.6gをガスクロマトグラフィーを使用して分析したところ、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(異性体混合物)(以後、「DPMNP」と称する場合がある)が136.3g得られていることがわかった(DPM基準の収率:79.4%、PrBr基準の収率:61.1%)。
上記方法で得られた有機相を再度、水洗/分液し、更に蒸留精製に付して、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(異性体混合物)を得た。
【0038】
比較例1
500mLフラスコにDPM 133.7gとPrBr 144.2gを仕込み、撹拌を開始した。液温を35℃に昇温後、系内の温度を35℃に保ちながら、NaOHフレーク 51.5gを30分毎に合計6時間仕込みとなるように分割仕込みを行った。その後、35℃を保ったまま終夜撹拌を実施した。
また、上記反応中に発生した低沸化合物としてのプロピレンガスの量を実施例1と同様の方法で測定した。結果は下記表に示す。
反応液に水118.5gを加えて抽出・分液し、得られた有機相195.65gをガスクロマトグラフィーを使用して分析したところ、DPMNPが131.9g得られていた。
【0039】
比較例2
500mLフラスコにDPM 133.7gを入れ、撹拌しながら発熱に注意して少量ずつNaOHフレーク 51.5gを仕込んだ。液温を35℃に昇温後、系内の温度を35℃に保ちながら、PrBr 144.2gを6時間かけて滴下した。その後、35℃を保ったまま終夜撹拌を実施した。
また、上記反応中に発生した低沸化合物としてのプロピレンガスの量を実施例1と同様の方法で測定した。結果は下記表に示す。
反応液に水118.5gを加えて抽出・分液し、得られた有機相196.42gをガスクロマトグラフィーを使用して分析したところ、DPMNPが134.3g得られていた。
【0040】
実施例2
500mLフラスコにNaOHフレーク 55.2g(下記DPM1モルに対して1.5モルに相当)と1−ブロモ−3−メチルブタン(塩城龍昇化工有限公司製)(以後、「IABr」と称する場合がある)163.5g(下記DPM1モルに対して1.2モルに相当)を仕込み、撹拌を開始した。液温を45℃に昇温後、系内の温度を45℃に保ちながら、DPM 133.7gを6時間かけて滴下した。その後、45℃を保ったまま終夜撹拌を実施した。
また、上記反応中に発生した低沸化合物としての3−メチル−1−ブテンの量をガス流量計およびガスクロマトグラフィーを使用して測定した。
反応液に水155.7gを加えて抽出・分液し、得られた有機相222.5gをガスクロマトグラフィーを使用して分析したところ、ジプロピレングリコールメチルイソペンチルエーテル(異性体混合物)(以後、「DPMIA」と称する場合がある)が125.0g得られていた。
【0041】
比較例3
500mLフラスコにDPM 133.7gとIABr 163.5gを仕込み、撹拌を開始した。液温を45℃に昇温後、系内の温度を45℃に保ちながら、NaOHフレーク 55.2gを30分毎に合計6時間仕込みとなるように分割仕込みを行った。その後、45℃を保ったまま終夜撹拌を実施した。
また、上記反応中に発生した低沸化合物としての3−メチル−1−ブテンの量を実施例2と同様の方法で測定した。結果は下記表に示す。
反応液に水155.7gを加えて抽出・分液し、得られた有機相 218.7gをガスクロマトグラフィーを使用して分析したところ、DPMIAが125.8g得られていた。
【0042】
比較例4
500mLフラスコにDPM 133.7gを入れ、撹拌しながら発熱に注意して少量ずつNaOHフレーク 55.2gを仕込んだ。液温を45℃に昇温後、系内の温度を45℃に保ちながら、IABr 163.5gを6時間かけて滴下した。その後、45℃を保ったまま終夜撹拌を実施した。
また、上記反応中に発生した低沸化合物としての3−メチル−1−ブテンの量を実施例2と同様の方法で測定した。結果は下記表に示す。
反応液に水155.7gを加えて抽出・分液し、得られた有機相 221.5gをガスクロマトグラフィーを使用して分析したところ、DPMIAが122.5g得られていた。
【0043】
上記結果を下記表にまとめて示す。
【表1】