(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の誘導加熱調理器100について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。さらに、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器100の構成を示すブロック図である。
図2は本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器100の表示手段50の表示例を示す図である。
図3は本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器100の表示手段50の表示例を示す図である。
【0011】
図1に示されるように、誘導加熱調理器100は、温度検知手段1と、入力手段10と、制御手段20と、加熱手段30と、報知手段40と、表示手段50と、通信手段90と、を備える。誘導加熱調理器100は、通信手段90を介して情報端末機器200と通信可能になっている。
【0012】
温度検知手段1は、例えば誘導加熱調理器100の被加熱物の温度を検知するものである。入力手段10は、例えば、炊飯メニューを切り替えるボタン、米種や炊きあがりの硬さを設定するためのボタン等で構成されており、各種調理条件を設定するものである。ここで、調理条件とは例えば、米の銘柄に対応した炊飯パラメータ、調理時間、火力設定等である。
【0013】
制御手段20は、例えば、温度検知手段1の検知情報、入力手段10の入力情報、通信手段90が受信した情報等に基づいて、例えば、加熱手段30、報知手段40、表示手段50等を制御する。なお、制御手段20は、例えば、この機能を実現する回路デバイスなどのハードウェア、又はマイコン若しくはCPUなどの演算装置上で実行されるソフトウェアで構成される。
【0014】
加熱手段30は、制御手段20からの指示に基づいて被加熱物を加熱するものであり、例えば誘導加熱コイルで構成される。報知手段40は、制御手段20からの指示に基づいて使用者に所定の報知内容を報知するものである。報知手段40は、例えば、光を点滅したり、ブザー音を出力するように構成されている。表示手段50は、例えば、誘導加熱調理器100の調理状態を表示するものである。表示手段50は、例えばLEDやLCDで構成される。なお、報知手段40及び表示手段50が、本発明の「報知手段」に相当する。
【0015】
通信手段90は、情報端末機器200から送信された情報を受信するものである。また、通信手段90は、自身が有する情報を情報端末機器200に送信するものである。通信手段90は、例えば、情報端末機器200から送信される設定情報を受信する機能、及び、情報端末機器200に対して設定情報の送信を要求する機能を有するリーダを有している。
【0016】
情報端末機器200は、通信手段90から送信された情報を受信するものである。また、情報端末機器200は、自身が有する情報を通信手段90に送信するものである。情報端末機器200は、例えばスマートフォン等の携帯端末で構成される。情報端末機器200は、例えば入力部(図示省略)及び表示部(図示省略)を有する。また、情報端末機器200は、タグ(図示省略)を有する。情報端末機器200は、上述のタグを介して自身の情報を通信手段90に送信する。
【0017】
誘導加熱調理器100と情報端末機器200との通信は、例えば無線によって行われる。この通信の通信方式としては例えば、NFC(Near Field Communication)、すなわち近距離非接触通信が採用される。なお、誘導加熱調理器100と情報端末機器200との通信を行うための通信方式は上述の例に限定されるものではなく、種々の通信方法を採用することができる。他の通信方法としては例えば、無線LAN、BLUETOOTH(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、等が挙げられる。
【0018】
以下に、誘導加熱調理器100の入力手段10の動作について説明する。
使用者は、入力手段10を操作することで、例えば、待機モード(取消モード)を選択することができる。待機モードは、例えば誘導加熱調理器100の電源を入れた直後における状態を指している。
また、使用者は、入力手段10を操作することで、例えば、炊飯モード、予約炊飯モード、及び保温モード等の調理モードを選択することができる。なお、待機モードを実行している場合、加熱手段30は駆動しておらず、炊飯モード、予約炊飯モード、及び保温モードを実行している場合、加熱手段30は駆動している。入力手段10に入力された情報は、制御手段20に送られる。
【0019】
以下に、誘導加熱調理器100の表示手段50の表示例について説明する。
図2に示されるように、表示手段50には、領域50a,50b,50cが設けられている。領域50aには、米の種類を示す「白米」が表示されている。領域50bには、炊飯予定の米の炊きあがり時の硬さを示す「ふつう」が表示されている。領域50cには、保温モードにおける保温方法を示す「たべごろ保温」が表示されている。
図3に示されるように、表示手段50には、領域50a,50b,50c,50dが設けられている。領域50dには、炊飯完了時刻である「予約1 8:00にできあがり」が表示されている。なお、領域50aに表示される例としては、「白米」の他に「無洗米」、「発芽米」、「分づき米」、「玄米」等である。また、領域50bに表示される例としては、「ふつう」の他に「かため」、「やわらか」等である。
【0020】
情報端末機器200は、例えば、「白米」、「ふつう」、「たべごろ保温」、「予約1 8:00にできあがり」のような設定情報を通信手段90に送信する。なお、情報端末機器200から送信される設定情報としては他に、炊飯予定の米の銘柄を示す情報、現在時刻を示す情報も挙げられる。
【0021】
以下に、誘導加熱調理器100の一般的な動作について説明する。
まず、誘導加熱調理器100の電源がONされると、誘導加熱調理器100の炊飯条件は入力手段10を介して設定可能となる。入力手段10が操作されると、入力手段10の操作情報は制御手段20に入力される。制御手段20は、入力手段10に入力された操作情報に基づいて、例えば、加熱手段30、報知手段40、及び表示手段50を制御する。
【0022】
また、誘導加熱調理器100の電源がONされると、制御手段20は、通信手段90が受信した設定情報に基づいて、加熱手段30、報知手段40、表示手段50等を制御することができる状態となる。なお、誘導加熱調理器100と情報端末機器200とが通信可能であるということは、例えば、誘導加熱調理器100と情報端末機器200とが所定距離近接したことを意味している。
【0023】
以下に、誘導加熱調理器100と情報端末機器200との通信について説明する。
まず、誘導加熱調理器100の電源がONされ、通信手段90と情報端末機器200とが所定距離近接すると、情報端末機器200から信号が発せられる。情報端末機器200から発せられた信号は、通信手段90に送信される。情報端末機器200から発せられた信号は、通信手段90を介して制御手段20に入力される。また、入力手段10が操作された情報は、制御手段20に入力される。制御手段20は、入力手段10の操作情報又は情報端末機器200で設定された設定情報に基づいて、調理条件を設定して炊飯を行う。
【0024】
ここで、通信手段90は、例えば、電力が供給されることで信号を発する機器で構成されている。この場合には例えば、通信手段90と情報端末機器200とが所定距離近接すると、情報端末機器200から発せられる電波によって通信手段90のICタグに電力が供給されることとなる。そして、通信手段90のICタグに電力が供給されると、通信手段90から信号が発せられることとなる。なお、情報端末機器200も同様に、電力が供給されることで信号を発する機器で構成されていてもよい。
【0025】
ここで、本実施の形態1において例示する誘導加熱式の誘導加熱調理器100において、通信手段90と情報端末機器200との間で通信を行う場合を考える。このとき、通信手段90と情報端末機器200との間で通信を行うと、当該通信は誘導加熱コイルに流れる高周波数の電流によるノイズの影響を受ける可能性がある。このため、例えば、通信手段90と情報端末機器200との間で通信が正常に行われない(誤動作が生じる)ことが懸念される。そして、このようなノイズの影響は、誘導加熱コイルに流れる高周波数の電流の電流値が大きいほど、大きくなると考えられる。
【0026】
したがって、本実施の形態1においては、加熱手段30が駆動している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、加熱手段30の加熱出力を低減させる。なお、加熱手段30の加熱出力を低減させることは、例えば、瞬時出力電流値を下げることを指す。
【0027】
図4は本実施の形態1に係る誘導加熱調理器100の動作を示す図である(連続出力)。
図4の横軸には時間を規定し、
図4の縦軸には加熱手段30の加熱出力を規定している。
図4においては、加熱手段30が連続出力する場合を示している。
【0028】
図4(a)には、通常時における時間経過に伴う加熱手段30の出力の変化を示している。
図4(b)には、通信時における時間経過に伴う加熱手段30の出力の変化を示している。ここで、「通常時」とは、加熱手段30の出力がONであって通信手段90と情報端末機器200との通信が行われていない状態を指している。また、「通信時」とは、加熱手段30の出力がONであって通信手段90と情報端末機器200との通信が行われている状態を指している。
【0029】
制御手段20は、加熱手段30が駆動している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、加熱手段30の加熱出力を低減させる。具体的には、通信開始時刻t11から通信終了時刻t12までの間、制御手段20は加熱手段30の加熱出力を低減させる。
【0030】
なお、通信開始時刻t11から通信終了時刻t12までの間における加熱手段30の加熱出力は、特定の出力値に限定されるものではなく、通信開始時刻t11以前における加熱手段30の加熱出力よりも低くなっていればよい。
【0031】
また、通信開始時刻t11から通信終了時刻t12までの間における加熱手段30の加熱出力は、一定の出力値に限定されるものではなく、通信開始時刻t11以前における加熱手段30の加熱出力よりも低い範囲内で時々刻々変化していてもよい。
【0032】
以上のように、本実施の形態1に係る誘導加熱調理器100は、制御手段20は、加熱手段30が駆動している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、加熱手段30の加熱出力を低減させる。このため、通信手段90と情報端末機器200と通信する際に、当該通信は加熱手段30の駆動に伴うノイズの影響を受けにくくなる。
【0033】
なお、以上の説明においては、制御手段20は、加熱手段30が駆動している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、加熱手段30の加熱出力を低減させる例について説明したが、これに限定されない。例えば、加熱手段30の加熱出力を低減させる前提として、情報端末機器200において通信手段90との通信を許可する旨の設定がされていることを条件として課してもよい。
【0034】
このようにすれば、通信手段90と情報端末機器200とが通信可能となるために必要となる距離が大きい場合であっても、加熱手段30の加熱出力を低減させる頻度が必要以上に高くなる可能性を低減できる。したがって、使用者が意図しないで加熱手段30の加熱出力を低減させることで被加熱物の調理完了時刻が遅延することを抑制できる。
【0035】
実施の形態2.
本実施の形態2においては、実施の形態1とは異なり、加熱手段30を間欠運転させたものである。なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0036】
図5は本発明の実施の形態2に係る誘導加熱調理器100の動作を示す図である(間欠出力)。
図5(a)には、通常時における時間経過に伴う加熱手段30の出力の変化を示している。
図5(b)には、通信時における時間経過に伴う加熱手段30の出力の変化を示している。
【0037】
図5(a)に示されるように、加熱手段30が駆動される期間と、加熱手段30の駆動が停止する期間と、は交互に繰り返される。制御手段20は、例えば、加熱手段30が駆動される期間と、加熱手段30の駆動が停止する期間と、が等時間間隔に生じるように加熱手段30を制御する。制御手段20は、例えば、加熱出力を10秒ONした後に加熱出力を10秒OFFし、これらの駆動タイミングを繰り返すように加熱手段30を制御する。
【0038】
図5(b)に示されるように、制御手段20は、加熱手段30が駆動している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、加熱手段30の加熱出力を低減させる。具体的には、通信開始時刻t21から通信終了時刻t22までの間、制御手段20は加熱手段30の加熱出力を低減させる。
【0039】
以上のように、本実施の形態2に係る誘導加熱調理器100は、制御手段20は、加熱手段30が駆動している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、加熱手段30の加熱出力を低減させる。このため、通信手段90と情報端末機器200とが通信を行う場合に、当該通信は加熱手段30の駆動に伴うノイズの影響を受けにくくなる。
【0040】
実施の形態3.
本実施の形態3においては、実施の形態1とは異なり、加熱手段30が駆動している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、加熱手段30の加熱出力を停止させるように構成したものである。なお、本実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0041】
図6は本発明の実施の形態3に係る誘導加熱調理器100の動作を示す図である(連続出力)。
図6(a)には、通常時における時間経過に伴う加熱手段30の出力の変化を示している。
図6(b)には、通信時における時間経過に伴う加熱手段30の出力の変化を示している。
【0042】
図6(a)に示されるように、通常時においては、加熱手段30は駆動されている。
図6(b)に示されるように、制御手段20は、加熱手段30が駆動している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、加熱手段30の加熱出力を停止させる。具体的には、制御手段20は、通信開始時刻t31から通信終了時刻t32までの間、制御手段20は加熱手段30の加熱出力を停止させる。
【0043】
以上のように、本実施の形態3に係る誘導加熱調理器100は、制御手段20は、加熱手段30が駆動している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、加熱手段30の加熱出力を停止させる。このため、通信手段90と情報端末機器200と通信する際に、当該通信は加熱手段30の駆動に伴うノイズの影響を受けにくくなる。
【0044】
また、実施の形態3においては、通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき実施の形態1よりも加熱手段30の駆動出力を低減させるため、当該通信は加熱手段30の駆動に伴うノイズの影響を受けにくくなる。
【0045】
実施の形態4.
本実施の形態4においては、実施の形態1とは異なり、加熱手段30を間欠運転させ、加熱手段30が駆動している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、加熱手段30の加熱出力を停止させるように構成したものである。なお、本実施の形態4において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0046】
図7は本発明の実施の形態4に係る誘導加熱調理器100の動作を示す図である(間欠出力)。
図7(a)には、通常時における時間経過に伴う加熱手段30の出力の変化を示している。
図7(b)には、通信時における時間経過に伴う加熱手段30の出力の変化を示している。
【0047】
図7(a)に示されるように、加熱手段30が駆動される期間と、加熱手段30の駆動が停止する期間と、は交互に繰り返される。制御手段20は、例えば、加熱手段30が駆動される期間と、加熱手段30の駆動が停止する期間と、が等時間間隔に生じるように加熱手段30を制御する。
【0048】
図7(b)に示されるように、制御手段20は、加熱手段30が駆動している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、加熱手段30の加熱出力を停止させる。具体的には、通信開始時刻t41から通信終了時刻t42までの間、制御手段20は加熱手段30の加熱出力を停止させる。
【0049】
以上のように、本実施の形態4に係る誘導加熱調理器100は、制御手段20は、加熱手段30が駆動している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、加熱手段30の加熱出力を停止させる。このため、通信手段90と情報端末機器200と通信する際に、当該通信は加熱手段30の駆動に伴うノイズの影響を受けにくくなる。
【0050】
また、実施の形態4においては、通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき実施の形態2よりも加熱手段30の駆動出力を低減させるため、当該通信は加熱手段30の駆動に伴うノイズの影響を受けにくくなる。
【0051】
実施の形態5.
本実施の形態5においては、実施の形態1とは異なり、加熱手段30を間欠運転させ、加熱手段30の加熱出力を低減させることなく通信手段90と情報端末機器200との通信を行うように構成したものである。なお、本実施の形態5において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0052】
図8は本発明の実施の形態5に係る誘導加熱調理器100の動作を示す図である(間欠出力)。
図8(a)には、通常時における時間経過に伴う加熱手段30の出力の変化を示している。
図8(b)には、通信時における時間経過に伴う加熱手段30の出力の変化を示している。
【0053】
制御手段20は、加熱手段30が駆動している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、情報端末機器200から送信される設定情報を通信手段90において受け付けないように通信手段90を制御する。そして、所定時間が経過して加熱手段30の駆動が停止すると、制御手段20は、通信手段90と情報端末機器200との通信を行うように通信手段90を制御する。そして、所定時間が経過して加熱手段30が駆動すると、制御手段20は、情報端末機器200から送信される設定情報を通信手段90において受け付けないように通信手段90を制御する。このように、通信手段90と情報端末機器200との間で行われる通信は、加熱手段30の駆動が停止されている期間に行われる。すなわち、通信開始時刻t51から通信終了時刻t52までの間と、加熱手段30の駆動が停止している期間と、は一致していることとなる。
【0054】
なお、通信手段90と情報端末機器200との間で行われる通信におけるデータ転送量が多い場合には、通信手段90と情報端末機器200との間で行われる通信が、加熱手段30の駆動が停止している期間に終了しない場合も考えられる。このような場合には、通信手段90と情報端末機器200とが通信可能な状態を継続させておくことが望ましい。そして、後続する加熱手段30の駆動が停止している期間において、制御手段20は、通信手段90と情報端末機器200との通信を行うように通信手段90を制御するとよい。
【0055】
以上のように、本実施の形態5に係る誘導加熱調理器100は、制御手段20が、加熱手段30を間欠運転させ、加熱手段30が駆動している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、情報端末機器200から送信される設定情報を通信手段90において受け付けないように通信手段90を制御し、加熱手段30の駆動が停止している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、情報端末機器200から送信される設定情報を通信手段90において受け付けるように通信手段90を制御する。このため、間欠運転において、使用者は、通信手段90と情報端末機器200との通信を行う際に、加熱手段30の加熱出力を低減させる必要がなくなる。したがって、被加熱物の加熱が完了する時間を遅らせることなく通信手段90と情報端末機器200との通信を行うことができる。このようにして、沸騰が弱まって食味が悪化する等の不具合が発生する可能性を低減できる。
【0056】
実施の形態6.
本実施の形態6においては、実施の形態1とは異なり、加熱手段30を間欠運転させ、加熱手段30の駆動が停止している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、所定の情報を表示手段50に表示させ又は報知手段60に報知させる。なお、本実施の形態6において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0057】
本実施の形態6においては、制御手段20は、加熱手段30の駆動が停止している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、通信手段90と情報端末機器200との通信を開始し、情報端末機器200から送信される情報を通信手段90において受付可能である旨を表示手段50に表示させ又は報知手段60に報知させる。情報端末機器200から送信される情報を通信手段90において受付可能である旨を表示手段50に表示させ又は報知手段60に報知させる時間は、加熱手段30の駆動が停止している期間、すなわち通信開始時刻t51から通信終了時刻t52までの期間である。
【0058】
以上のように、本実施の形態6に係る誘導加熱調理器100は、加熱手段30の駆動が停止している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、情報端末機器200から送信される情報を通信手段90において受付可能である旨を表示手段50に表示させ又は報知手段60に報知させる。このため、使用者は、情報端末機器200から送信される情報を通信手段90において受付可能であるか否かを認識することができる。このようにして、通信手段90が受信不可である場合に情報端末機器200が設定情報の送信を試み、通信手段90と情報端末機器200との通信が完了出来ない可能性を低減でき、通信手段90と情報端末機器200との通信のリトライ(再試行)等を試みて通信作業を長時間要することもなくなる。
【0059】
なお、以上の説明においては、制御手段20は、加熱手段30の駆動が停止している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、情報端末機器200から送信される情報を通信手段90において受付可能である旨を表示手段50に表示させ又は報知手段60に報知させる例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御手段20は、表示手段50に表示を行わせ、さらに、報知手段60に報知を行わせるようにしてもよい。このようにすれば、使用者は、情報端末機器200から送信される情報を通信手段90において受付可能であるか否かを一層認識することができる。
【0060】
また、表示手段50は、例えば、加熱手段30の駆動が停止している場合に加熱手段30の駆動が停止する残余時間を表示してもよい。また、表示手段50は、例えば、加熱手段30の駆動が停止している場合に加熱手段30が再び駆動する時間を表示してもよい。このようにすれば、使用者は、通信手段90と情報端末機器200とが通信可能である期間を認識することができる。
【0061】
また、通信手段90と情報端末機器200との通信を開始するタイミングと、情報端末機器200から送信される情報を通信手段90において受付可能である旨を表示手段50に表示させ又は報知手段60に報知させるタイミングとは、完全に同一のタイミングで行われるようにしてもよく、多少のタイミングのずれを生じさせて行われるようにしてもよい。
【0062】
また、通信手段90と情報端末機器200とが通信を行っている場合に、通信手段90と情報端末機器200とが通信を行っている旨を表示手段50に表示し報知手段60に報知してもよい。このようにすれば、使用者は、通信手段90と情報端末機器200との通信が正常に行われていることを認識することができる。
【0063】
また、制御手段20は、加熱手段30が駆動している場合に通信手段90と情報端末機器200とが通信可能であるとき、所定の情報を表示手段50に表示し報知手段60に報知してもよい。表示手段50は、例えば、加熱手段30が駆動しているために通信不可であることを表示する。表示手段50は、例えば、加熱手段30の駆動が停止するまでの時間を表示する。報知手段60は、例えば、加熱手段30が駆動している場合と加熱手段30の駆動が停止している場合とで光を点滅させるタイミングを相違させる。報知手段60は、例えば、加熱手段30が駆動している場合にブザー音を出力する。このようにして、使用者は、加熱手段30の駆動状態を認識することができる。すなわち、通信手段90と情報端末機器200との通信を行うことができるか否かを認識することができる。