特許第6376942号(P6376942)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6376942
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】DC/ACインバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20180813BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   H02M7/48 E
   H02M3/155 U
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-221278(P2014-221278)
(22)【出願日】2014年10月30日
(65)【公開番号】特開2015-97470(P2015-97470A)
(43)【公開日】2015年5月21日
【審査請求日】2017年6月21日
(31)【優先権主張番号】13193014.1
(32)【優先日】2013年11月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100161115
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 智史
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・エヴァンチュク
(72)【発明者】
【氏名】ロラン・フーブ
(72)【発明者】
【氏名】ギョーム・ルフェーブル
【審査官】 栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102012203836(DE,A1)
【文献】 特開2012−257361(JP,A)
【文献】 特開2010−252450(JP,A)
【文献】 Annette Von Jouanne et al.,"A Multilevel Inverter Approach Prividing DC-Link Balancing, Ride-Through Enhancement, and Common-Mode Voltage Elimination",IEEE Trans. on Industrial Electronics,米国,IEEE,2002年 8月,VOL. 49, NO. 4,pp. 739-745.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48−7/487
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2のスイッチを含むDC/ACインバータであって、
各スイッチの一端子が、前記DC/ACインバータのそれぞれの入力部に接続され、
前記スイッチの他の端子が、互いに接続されるとともに第3のスイッチの一端子に接続され、
前記第3のスイッチが双方向スイッチであり、
前記第3のスイッチのもう一方の端子が、第1及び第2のコンデンサに接続され、
各コンデンサの一端子が、前記DC/ACインバータのそれぞれの入力部に接続され、
前記コンデンサの他の端子が互いに接続され、
第1の期間中に、前記双方向スイッチが導通するとともに、前記第1及び第2のスイッチが導通せず、
第2の期間中に、前記第1のスイッチが導通するとともに、前記第2のスイッチ、前記双方向スイッチが導通せず、
第3の期間中に、前記双方向スイッチが導通するとともに、前記第1及び第2のスイッチが導通せず、
第4の期間中に、前記第2のスイッチが導通するとともに、前記第1のスイッチ、前記双方向スイッチが導通せず、
前記DC/ACインバータが、各期間の終了の前に、前記第2のコンデンサの電圧を少なくとも1つの所与の値に設定するためのDC/DCコンバータを含み、
前記第1の期間中に、前記第2のコンデンサの電圧は前記DC/ACインバータの入力部における電圧からヌル値へと下降し、前記第1の期間の終了の前に、前記第2のコンデンサの電圧はヌル値と等しくなり、
前記第2の期間中に、前記第2のコンデンサの電圧はヌル値に等しく、
前記第3の期間中に、前記第2のコンデンサの電圧はヌル値から前記DC/ACインバータの入力部における電圧へと上昇し、前記第3の期間の終了の前に、前記第2のコンデンサの値は前記DC/ACインバータの入力部における電圧に等しくなり、
前記第4の期間中に、前記第2のコンデンサの電圧は前記DC/ACインバータの入力部における電圧に等しい
ことを特徴とする、DC/ACインバータ。
【請求項2】
前記DC/DCコンバータが、第1のインダクタ並びに第4及び第5のスイッチから構成される双方向バックコンバータであり、
各第4及び第5のスイッチの一端子が、前記DC/ACインバータのそれぞれの入力部に接続され、
前記第4及び第5のスイッチの他の端子が、互いに接続されるとともに前記第1のインダクタの一端子に接続され、
前記第1のインダクタのもう一方の端子が、互いに接続される前記コンデンサの端子に接続される
ことを特徴とする、請求項に記載のDC/ACインバータ。
【請求項3】
前記DC/ACインバータが、第6及び第7のスイッチを更に含み、
各第6及び第7のスイッチの一端子が、前記DC/ACインバータのそれぞれの入力部に接続され、
前記第6及び第7のスイッチの他の端子が、互いに接続されるとともに第2のインダクタの一端子に接続され、
前記第2のインダクタのもう一方の端子が、前記DC/ACインバータの第1の出力部に接続され、
前記DC/ACインバータの第2の出力部が、互いに接続される前記第1及び第2スイッチ端子の端子に接続される
ことを特徴とする、請求項に記載のDC/ACインバータ。
【請求項4】
前記第1及び第3の期間が、同じ継続時間を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のDC/ACインバータ。
【請求項5】
前記第2及び第4の期間が、同じ継続時間を有することを特徴とする、請求項に記載のDC/ACインバータ。
【請求項6】
前記第1及び第3の期間の継続時間の合計が、前記第2の期間の継続時間と等しいことを特徴とする、請求項に記載のDC/ACインバータ。
【請求項7】
前記双方向スイッチが、第8及び第9のスイッチから構成され、
前記第8のスイッチの一端子が、前記第1及び第2のスイッチの他の端子に接続され、
前記第8のスイッチのもう一方の端子が、前記第9のスイッチの端子に接続され、
前記第9のスイッチのもう一方の端子が、前記第1及び前記第2のコンデンサに接続される
ことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のDC/ACインバータ。
【請求項8】
前記双方向スイッチが、第8のスイッチ及び4つのダイオードから構成され、
第1のダイオードのアノードが、前記第1及び第2のコンデンサに接続され、
前記第1のダイオードのカソードが、第2のダイオードのカソード及び前記第8のスイッチの端子に接続され、
前記第2のダイオードのアノードが、第3のダイオードのカソード並びに前記第1及び第2のスイッチの端子に接続され、
前記第3のダイオードのアノードが、前記第8のスイッチのもう一方の端子及び第4のダイオードのアノードに接続され、
前記第4のダイオードのカソードが、前記第1のダイオードのアノードに接続される
ことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のDC/ACインバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にDC/ACインバータに関する。
【背景技術】
【0002】
光起電力セルは、太陽エネルギーを電気エネルギーに直接変換する。光起電力セルによって生成された電気エネルギーは、経時的に抽出し、電力の形で用いることができる。光起電力セルからの直流電力は、所望の出力電圧を維持するDC/DCコンバータ回路及びDC/ACインバータ回路のような変換装置に供給される。
【0003】
光起電力DC/AC無変圧器インバータを検討する場合に、多くの態様を考慮しなければならない。最も関係があるのは、効率及び漏れ電流である。
【0004】
最大量のエネルギーを得るために、コンバータにおける損失は、できるだけ最小化されなければならない。光起電力パネルが接地されないので、光起電力パネル端子とグランドとの間に高い寄生容量が存在する。電力トポロジにおけるのと同様に、グランド寄生コンデンサ(ground parasitic capacitors)を通って流れる高い漏れ電流を回避するために、光起電力パネル端子とグランドとの間の電圧は、合理的な範囲でしか変動できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、グランド寄生コンデンサを通って流れる漏れ電流を制限する新しいDC/ACインバータ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的のために、本発明は、
第1及び第2のスイッチを含むDC/ACインバータであって、
各スイッチの一端子が、DC/ACインバータのそれぞれの入力部に接続され、
スイッチの他の端子が、互いに接続されるとともに第3のスイッチの一端子に接続され、
第3のスイッチが双方向スイッチであり、
第3のスイッチのもう一方の端子が、第1及び第2のコンデンサに接続され、
各コンデンサの一端子が、DC/ACインバータのそれぞれの入力部に接続され、
コンデンサの他の端子が、互いに接続され、
第1の期間中に、双方向スイッチが導通するとともに、第1及び第2のスイッチが導通せず、
第2の期間中に、第1のスイッチが導通するとともに、第2のスイッチ、双方向スイッチが導通せず、
第3の期間中に、双方向スイッチが導通するとともに、第1及び第2のスイッチが導通せず、
第4の期間中に、第2のスイッチが導通するとともに、第1のスイッチ、双方向スイッチが導通せず、
DC/ACコンバータが、各期間の終了の前に第2のコンデンサの電圧を少なくとも1つの所与の値に設定するための手段を含む
ことを特徴とするDC/ACインバータに関する。
【0007】
従って、グランド寄生コンデンサを通って流れる漏れ電流が制限される。
【0008】
特定の特徴によれば、所与の値は、第1及び第2の期間の終了の前にヌル値と等しい。
【0009】
従って、DC/ACインバータの一入力部とグランドとの間の電圧は、第1の期間から第2の期間までの遷移中及び第2の期間から第3の期間までの遷移中に連続し、そのとき、グランド寄生コンデンサを通って流れる漏れ電流が制限される。
【0010】
特定の特徴によれば、所与の値は、第3及び第4の期間の終了の前に、DC/ACインバータの入力部における電圧と等しい。
【0011】
従って、DC/ACインバータのもう一方の一入力部とグランドとの間の電圧は、第3の期間から第4の期間までの遷移中及び第3の期間から第1の期間までの遷移中に連続し、そのとき、グランド寄生コンデンサを通って流れる漏れ電流が制限される。
【0012】
特定の特徴によれば、各期間の終了の前に第2のコンデンサの電圧を少なくとも1つの所与の値に設定するための手段は、DC/DCコンバータである。
【0013】
従って、第2のコンデンサの電圧の制御は、実施するのが簡単である。
【0014】
特定の特徴によれば、DC/DCコンバータは、第1のインダクタ並びに第4及び第5のスイッチから構成される双方向バックコンバータであり、
各第4及び第5のスイッチの一端子は、DC/ACインバータのそれぞれの入力部に接続され、
第4及び第5のスイッチの他の端子は、互いに接続されるとともに第1のインダクタの一端子に接続され、
第1のインダクタのもう一方の端子は、互いに接続されるコンデンサの端子に接続される。
【0015】
従って、DC/DCコンバータは、適切なデューティサイクルを適用することによって、コンデンサ電圧を制御することができる。
【0016】
特定の特徴によれば、DC/ACインバータは、第6及び第7のスイッチを更に含み、
各第6及び第7のスイッチの一端子は、DC/ACインバータのそれぞれの入力部に接続され、
第6及び第7のスイッチの他の端子は、互いに接続されるとともに第2のインダクタの一端子に接続され、
第2のインダクタのもう一方の端子は、DC/ACインバータの第1の出力部に接続され、
DC/ACインバータの第2の出力部は、互いに接続される第1及び第2スイッチ端子に接続される。
【0017】
従って、本発明は、実施するのが簡単であり、優れた結果を提供する。
【0018】
特定の特徴によれば、第1及び第3の期間は、同じ継続時間を有する。
【0019】
従って、本発明は、実施するのが簡単であり、優れた結果を提供する。
【0020】
特定の特徴によれば、第2及び第4の期間は、同じ継続時間を有する。
【0021】
従って、本発明は、実施するのが簡単であり、優れた結果を提供する。
【0022】
特定の特徴によれば、第1及び第3の期間における継続時間の合計は、第2の期間の継続時間と等しい。
【0023】
従って、本発明は、実施するのが簡単であり、優れた結果を提供する。
【0024】
特定の特徴によれば、双方向スイッチは、第8及び第9のスイッチから構成され、
第8のスイッチの一端子は、第1及び第2のスイッチの他の端子に接続され、
第8のスイッチのもう一方の端子は、第9のスイッチの端子に接続され、
第9のスイッチのもう一方の端子は、第1及び第2のコンデンサに接続される。
【0025】
従って、本発明は、実施するのが簡単であり、優れた結果を提供する。
【0026】
特定の特徴によれば、双方向スイッチは、第8のスイッチ及び4つのダイオードから構成され、
第1のダイオードのアノードは、第1及び第2のコンデンサに接続され、
第1のダイオードのカソードは、第2のダイオードのカソード及び第8のスイッチの端子に接続され、
第2のダイオードのアノードは、第3のダイオードのカソード並びに第1及び第2のスイッチの端子に接続され、
第3のダイオードのアノードは、第8のスイッチのもう一方の端子及び第4のダイオードのアノードに接続され、
第4のダイオードのカソードは、第1のダイオードのアノードに接続される。
【0027】
従って、本発明は、実施するのが簡単であり、優れた結果を提供する。
【0028】
本発明の特徴は、例示的な実施形態の以下の説明を読むことによって、より明白になるであろうが、前記説明は、添付の図面に関連して作成されている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明が実施される光起電力システムの例である。
図2a】本発明によるDC/ACインバータトポロジの例である。
図2b】本発明によるDC/ACインバータトポロジの例であり、ここではDC/DCコンバータの例が開示される。
図3a】本発明によるDC/ACインバータのスイッチ制御の例である。
図3b】本発明に従って期間の終了の前にDC/ACインバータのコンデンサ電圧を少なくとも1つの所与の値に設定するための、DC/ACインバータの高周波スイッチの負荷サイクル変動の例である。
図4】本発明に従って制御されるDC/ACインバータのコンデンサ上の電圧の例である。
図5】本発明によるDC/ACインバータの出力電流の例である。
図6】本発明が実施されるDC/ACインバータを含む装置の例を表す。
図7】DC/ACインバータのコンデンサ電圧を制御するために、DC/ACインバータによって実行されるアルゴリズムの例を表す。
図8a】双方向スイッチの第1の例である。
図8b】双方向スイッチの第2の例である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明を実施可能な光起電力システムの例である。
【0031】
光起電力システムは、DC/ACインバータ11に接続される光起電力源10から構成されている。DC/ACインバータ11の出力部は、出力フィルタ12に接続されている。
【0032】
出力フィルタ12は、逆位相を有し得るとともに、グランドにそれぞれ接続される2つの交流電源13及び14に電力を供給する。
【0033】
ここで、2つの交流電源13及び14が、逆位相を有しなくてもよいことに留意されたい。
【0034】
寄生コンデンサCP1及びCP2は、光起電力パネル端子とグランドとの間に存在する。
【0035】
図2aは、本発明によるDC/ACインバータトポロジの例である。
【0036】
DC/ACトポロジインバータは、3つのステージから構成される。
【0037】
第1のステージは、2つのスイッチSWHF1及びSWHF2、並びにインダクタLを含む。スイッチSWHF1及びSWHF2は、数kHzまでの周波数で動作できる高周波スイッチである。
【0038】
第2のステージは、3つのスイッチSWBF1、SWBF2、SWBidirを含む。スイッチSWBF1、SWBF2及びSWBidirは、高周波スイッチを制御するために用いられる周波数の最大でも10分の1の周波数で動作する低周波スイッチである。例えば、低周波スイッチの動作周波数は、50若しくは60Hz又は400Hzである。
【0039】
スイッチSWBidirは、双方向スイッチである。文献において、双方向スイッチはまた、バイラテラルスイッチ、ACスイッチ、又は4Qスイッチ(Qは象限を表す)と命名される。双方向スイッチは、制御信号に依存して、電流を導通するとともに両極性の電圧をブロックできなければならない。
【0040】
第3のステージは、DC/DCコンバータ25並びに2つのコンデンサC及びCを含む。DC/DCコンバータ25は、各期間の終了の前に第2のコンデンサCの電圧を少なくとも1つの所与の値に設定するための手段である。
【0041】
DC/ACインバータの入力部21及び22は、光起電力源10の端子に接続される。光起電力源10によって供給される電圧は、VDCと命名される。本発明はまた、任意のDC電源を用いて適用可能である。DC/ACインバータの出力部23は、第1の交流電圧VACを供給し、DC/ACインバータの出力部23は、第2の交流電圧V’ACを供給する。
【0042】
DC/DCコンバータ25の第1の入力端子は、入力部21に接続される。
【0043】
DC/DCコンバータ25の第2の入力端子は、入力部22に接続される。
【0044】
DC/DCコンバータの第1の出力端子は、コンデンサCの第1の端子に接続され、DC/DCコンバータ25の第2の出力端子は、コンデンサCの第2の端子、コンデンサCの第1の端子、及びスイッチSWBidirの第1の端子に接続される。
【0045】
スイッチSWBidirの第2の端子は、スイッチSWBF1の第1の端子、スイッチSWBF2の第1の端子、及び出力部24に接続される。
【0046】
スイッチSWBF2の第2の端子は、入力部22に接続される。
【0047】
スイッチSWBF1の第2の端子は、入力部21に接続される。
【0048】
コンデンサCの第2の端子は、入力部21に接続される。
【0049】
スイッチSWHF2の第1の端子は、入力部21に接続される。
【0050】
スイッチSWHF2の第2の端子は、スイッチSWHF1の第1の端子及びインダクタLの第1の端子に接続される。
【0051】
インダクタLの第2の端子は、出力部23に接続される。
【0052】
スイッチSWHF1の第2の端子は、入力部21に接続される。
【0053】
各スイッチの端子間にダイオードが接続される。ダイオードは、例えば、MOSFETスイッチのボディダイオード又は追加の還流ダイオードである。
【0054】
図2bは、DC/DCコンバータの例が開示されている、本発明によるDC/ACインバータトポロジの例である。
【0055】
DC/ACトポロジインバータは、3つのステージから構成される。
【0056】
第1のステージは、2つのスイッチSWHF1及びSWHF2、並びにインダクタLを含む。スイッチSWHF1及びSWHF2は、数kHzまでの周波数で動作できる高周波スイッチである。
【0057】
第2のステージは、3つのスイッチSWBF1、SWBF2及びSWBidirを含む。スイッチSWBF1、SWBF2及びSWBidirは、高周波スイッチを制御するために用いられる周波数の最大でも10分の1の周波数で動作する低周波スイッチである。例えば、低周波スイッチの動作周波数は、50若しくは60Hz又は400Hzである。
【0058】
スイッチSWBidirは、双方向スイッチである。
【0059】
文献において、双方向スイッチはまた、バイラテラルスイッチ、ACスイッチ、又は4Qスイッチ(Qは象限を表す)と命名される。双方向スイッチは、制御信号に依存して、電流を導通するとともに両極性の電圧をブロックできなければならない。
【0060】
第3のステージは、2つのスイッチSWHF3及びSWHF4、2つのコンデンサC及びC、並びにインダクタLを含む。スイッチSWHF3及びSWHF4は、数kHzまでの周波数で動作できる高周波スイッチである。
【0061】
DC/ACインバータの入力部21及び22は、光起電力源10の端子に接続される。光起電力源10によって供給される電圧は、VDCと命名される。本発明はまた、任意のDC電源を用いて適用可能である。DC/ACインバータの出力部23は、第1の交流電圧VACを供給し、DC/ACインバータの出力部23は、第2の交流電圧V’ACを供給する。
【0062】
スイッチSWHF3の第1の端子は、入力部21に接続される。
【0063】
スイッチSWHF3の第2の端子は、スイッチSWHF4の第1の端子及びインダクタLの第1の端子に接続される。スイッチSWHF4の第2の端子は、入力部22に接続される。
【0064】
コンデンサCの第1の端子は、入力部22に接続され、コンデンサCの第2の端子は、インダクタLの第2の端子、コンデンサCの第1の端子、及びスイッチSWBidirの第1の端子に接続される。
【0065】
コンデンサCの第2の端子は、入力部21に接続される。
【0066】
スイッチSWBidirの第2の端子は、スイッチSWBF1の第1の端子、スイッチSWBF2の第1の端子、及び出力部24に接続される。
【0067】
スイッチSWBF2の第2の端子は、入力部22に接続される。
【0068】
スイッチSWHF2の第1の端子は、入力部21に接続される。
【0069】
スイッチSWHF2の第2の端子は、スイッチSWHF1の第1の端子及びインダクタLの第1の端子に接続される。
【0070】
インダクタLの第2の端子は、出力部23に接続される。
【0071】
スイッチSWHF1の第2の端子は、入力部21に接続される。
【0072】
各スイッチの端子間にダイオードが接続される。ダイオードは、例えば、MOSFETスイッチのボディダイオード又は追加の還流ダイオードである。
【0073】
図3aは、本発明によるDC/ACインバータのスイッチ制御の例である。
【0074】
図3aは、光起電力システムによって供給される交流信号の周期を示す。周期は、30、31、32及び33と示された期間に分割される。
【0075】
0で始まりkTで終了する30と示された期間において、スイッチSWBidirが導通されるとともに、スイッチSWBF1及びSWBF2がブロックされる。Tは、光起電力システムによって供給される交流信号の周期である。
【0076】
kTで始まりT/2で終了する31と示された期間において、スイッチSWBF1が導通されるとともに、スイッチSWBF2及びSWBidirが導通されない。
【0077】
T/2で始まりT/2+kTで終了する32と示された期間において、スイッチSWBidirが導通されるとともに、スイッチSWBF1及びSWBF2が導通されない。
【0078】
T/2+kTで始まりTで終了する33と示された期間において、スイッチSWBF2が導通されるとともに、スイッチSWBF1及びSWBidirが導通されない。
【0079】
例えば、kは、0.5未満の正値である。
【0080】
例えば、k=1/6である。
【0081】
本発明によれば、コンデンサCにわたる電圧は監視され、スイッチSWHF3及びSWHF4の少なくとも1つにおける制御信号のデューティサイクルは、期間30、31、32及び33の終わり、要求される電圧値に達するように制御される。
【0082】
期間30の終わりに、コンデンサCの電圧は、ヌル値と等しい。
【0083】
期間31の終わりに、コンデンサCの電圧は、ヌル値と等しい。
【0084】
期間32の終わりに、コンデンサCの電圧は、VDC値と等しい。
【0085】
期間33の終わりに、コンデンサCの電圧は、VDC値と等しい。
【0086】
図3bは、本発明による期間の終了の前に、DC/ACインバータのコンデンサの電圧を少なくとも1つの所与の値に設定するための、DC/ACインバータの高周波スイッチにおける負荷サイクル変動の例である。
【0087】
図3bは、コンデンサCの電圧が、図3aの期間30の間にヌル値に導かれる例を示す。
【0088】
t=0において、コンデンサCの電圧はVDCと等しく、コンデンサCの電圧はヌル値と等しい。スイッチSWHF3の負荷サイクルは、1と等しい。
【0089】
t=kT/2において、コンデンサCの電圧はVDC/2と等しく、コンデンサCの電圧はVDC/2と等しい。スイッチSWHF3の負荷サイクルは、1/2と等しい。
【0090】
t=kTにおいて、コンデンサCの電圧はヌル値と等しく、コンデンサCの電圧はVDCと等しい。スイッチSWHF3の負荷サイクルは、0と等しい。
【0091】
のコンデンサの電圧設定は、正弦半波又は線形関数のような曲線の異なる形状に従ってもよい。
【0092】
図4は、本発明に従って制御されるDC/ACインバータにおけるコンデンサ上の電圧の例である。
【0093】
図4は、コンデンサCの電圧変動を示す。
【0094】
t=0において、コンデンサCの電圧はVDCと等しく、コンデンサCの電圧はヌル値と等しい。コンデンサCの電圧は、第1の期間30の終わりにヌル値と等しい。
【0095】
t=kT/2において、コンデンサCの電圧はVDC/2と等しく、コンデンサCの電圧はVDC/2と等しい。コンデンサCの電圧は、第2の期間31の終わりにヌル値と等しい。
【0096】
t=kTにおいて、コンデンサCの電圧はヌル値と等しく、コンデンサCの電圧はVDCと等しい。コンデンサCの電圧は、第3の期間32の終わりにVDCと等しい。
【0097】
コンデンサCの電圧は、第4の期間33の終わりにVDCと等しい。
【0098】
第1〜第4の期間は、DC/ACインバータの出力電流の周期と同じ周期で繰り返される。
【0099】
図5は、本発明によるDC/ACインバータの出力電流の例である。
【0100】
正弦波の周波数は、例えば、50Hz、60Hz又は400Hzと等しい。
【0101】
図6は、本発明が実施されるDC/ACインバータトポロジを含む装置の例を表す。
【0102】
装置11は、例えば、バス601によって互いに接続されるコンポーネント及びプログラムによって制御されるプロセッサ600に基づくアーキテクチャを有する。
プログラムは、DC/ACインバータ605の制御された出力電圧を供給するとともに、期間30、31、32及び33の終わりに所望の値にコンデンサCの電圧を導くために、スイッチSWHF1、SWHF2、SWHF3、SWHF4、SWF1及びSWBF2の制御を可能にする。
【0103】
ここで、変形形態において、装置11が、以下で開示されるように、プロセッサ200によって実行される動作と同じ動作を実行する1つ又は幾つかの専用集積回路の形態の下で実現されることに留意されたい。
【0104】
バス601は、読み取り専用メモリROM602、ランダムアクセスメモリRAM603、アナログ/デジタルコンバータADC606、及び図2に開示されているようなDC/ACインバータにプロセッサ600を連結する。
【0105】
読み取り専用メモリROM602は、図7に開示されているようなプログラム命令を含む。プログラム命令は、装置11が電源を入れられている場合に、ランダムアクセスメモリRAM603に転送される。
【0106】
アナログ/デジタルコンバータ606(analog to digital converter)は、DC/ACインバータ205に接続されるとともに、コンデンサCの電圧を2進情報に変換する。
【0107】
図7は、DC/ACインバータのコンデンサ電圧を制御するために、DC/ACインバータによって実行されるアルゴリズムの例を表す。
【0108】
このアルゴリズムは、プロセッサ600によって連続的に実行される。
【0109】
ステップS700において、プロセッサ600は、SWBidirを導通状態に設定するとともに、スイッチSWBF1及びスイッチSWBF2を非導通状態に設定することによって、DC/ACインバータを構成する。
【0110】
次のステップS701において、プロセッサ600は、コンデンサCの電圧Vc2の測定値を得るようにADC606に命令する。
【0111】
次のステップS702において、プロセッサ600は、メモリ603に記憶された表を読み出すとともに、測定値及びプロセス下の期間における角度に対応するデューティサイクルを定義するために表を用いる。
【0112】
次のステップS703において、プロセッサ600は、読み出されたデューティサイクルに従って、スイッチSWHF3及びSWHF4の少なくとも1つに命令する。
【0113】
次のステップS704において、プロセッサ600は、期間30が終了するかどうかをチェックする。
【0114】
期間30が終了する場合、プロセッサ600は、ステップS705に移る。そうでなければ、プロセッサ600は、ステップS701に戻る。
【0115】
ステップS705において、プロセッサ600は、スイッチSWBF1を導通状態に設定するとともに、スイッチSWBF2及びSWBidirを非導通状態に設定することによって、DC/ACインバータを構成する。
【0116】
次のステップS706において、プロセッサ600は、コンデンサCの電圧VC2の測定値を得るようにADC606に命令する。
【0117】
次のステップS707において、プロセッサ600は、メモリ603に記憶された表を読み出すとともに、測定値及びプロセス下の期間における角度に対応するデューティサイクルを定義するために表を用いる。
【0118】
次のステップS708において、プロセッサ600は、読み出したデューティサイクルに従ってスイッチSWHF3及びSWHF4の少なくとも1つに命令する。
【0119】
次のステップS709において、プロセッサ600は、期間31が終了するかどうかをチェックする。
【0120】
期間31が終了する場合、プロセッサ600は、ステップS710に移る。そうでなければ、プロセッサ600は、ステップS706に戻る。
【0121】
ステップS710において、プロセッサ600は、スイッチSWBidirを導通状態に設定するとともに、スイッチSWBF1及びSWBF2を非導通状態に設定することによって、DC/ACインバータを構成する。
【0122】
次のステップS711において、プロセッサ600は、コンデンサCの電圧VC2の測定値を得るようにADC606に命令する。
【0123】
次のステップS712において、プロセッサ600は、メモリ603に記憶された表を読み出すとともに、測定値及びプロセス下の期間における角度に対応するデューティサイクルを定義するために表を用いる。
【0124】
次のステップS713において、プロセッサ600は、読み出したデューティサイクルに従ってスイッチSWHF3及びSWHF4の少なくとも1つに命令する。
【0125】
次のステップS714において、プロセッサ600は、期間32が終了するかどうかをチェックする。
【0126】
期間32が終了する場合、プロセッサ600は、ステップS715に移る。そうでなければ、プロセッサ600は、ステップS711に戻る。
【0127】
ステップS715において、プロセッサ600は、スイッチSWBF2を導通状態に設定するとともに、スイッチSWBF1及びSWBidirを非導通状態に設定することによって、DC/ACインバータを構成する。
【0128】
次のステップS716において、プロセッサ600は、コンデンサCの電圧VC2の測定値を得るようにADC606に命令する。
【0129】
次のステップS717において、プロセッサ600は、メモリ603に記憶された表を読み出し、且つ測定値及びプロセス下の期間における角度に対応するデューティサイクルを定義するために表を用いる。
【0130】
次のステップS718において、プロセッサ600は、読み出したデューティサイクルに従ってスイッチSWHF3及びSWHF4の少なくとも1つに命令する。
【0131】
次のステップS719において、プロセッサ600は、期間33が終了するかどうかをチェックする。
【0132】
期間33が終了する場合に、プロセッサ600は、ステップS700に戻る。そうでなければ、プロセッサ600は、ステップS716に戻る。
【0133】
図8aは、電圧及び電流における双方向スイッチの第1の例である。
【0134】
双方向スイッチSWBidirは、2つのスイッチSWBF4及びSWBF3から構成される。
スイッチSWBF3の一端子は、互いに接続される第1及び第2スイッチSWBF1及びSWBF2の端子に接続される。
スイッチSWBF3のもう一方の端子は、スイッチSWBF4の端子に接続される。
スイッチSWBF4のもう一方の端子は、互いに接続される第1及び第2のコンデンサC及びCに接続される。
【0135】
図8bは、電圧及び電流における双方向スイッチの第2の例である。
【0136】
双方向スイッチSWBidirは、スイッチSWBF5並びに4つのダイオードD、D、D及びDから構成される。
第1のダイオードDのアノードは、互いに接続される第1及び第2のコンデンサC及びCに接続され、
第1のダイオードDのカソードは、第2のダイオードDのカソード及びスイッチSWBF5の端子に接続され、
第2のダイオードDのアノードは、第3のダイオードDのカソード、並びに互いに接続される第1及び第2のスイッチSWBF1及びSWBF2の端子に接続され、
第3のダイオードDのアノードは、スイッチSWBF5のもう一方の端子及び第4のダイオードDのアノードに接続され、
第4のダイオードDのカソードは、第1のダイオードDのアノードに接続される。
【0137】
当然、多くの修正が、本発明の範囲から逸脱せずに、上記の本発明の実施形態に対して行われ得る。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b