(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のDC/DCコンバータの回路図である。
本実施形態のDC/DCコンバータは、コンパレータ112と、RS−FF回路113と、擬似リップル回路114と、駆動回路110と、基準電圧回路105と、オンタイマー回路111と、NMOSトランジスタ108、109と、コンデンサ107と、コイル106と、分圧回路を構成する抵抗103及び104と、グラウンド端子100と、出力端子102と、電源端子101を備えている。
【0011】
図2は、オンタイマー回路111の構成を示す回路図である。オンタイマー回路111は、リップル生成回路230と、平均化回路240と、タイマー回路250と、起動回路260と、入力端子121と、出力端子124、125を備えている。リップル生成回路230は、電流回路201と、スイッチ回路208と、コンデンサ209と、抵抗210で構成する。平均化回路240は、抵抗211とコンデンサ212で構成する。タイマー回路250は、定電流回路202と、インバータ213と、NMOSトランジスタ214と、コンデンサ215と、コンパレータ216で構成する。起動回路260は、定電流回路263と、NMOSトランジスタ261、262で構成する。
【0012】
図3にコンパレータ112の回路図を示す。コンパレータ112は、定電流回路312、313、314、315と、インバータ316、317と、PMOSトランジスタ306、307、308、309、310、311と、第一の非反転入力端子301と、第一の反転入力端子302と、第二の非反転入力端子303と、第二の反転入力端子304と、出力端子305を備えている。
【0013】
次に、本実施形態のDC/DCコンバータの接続について説明する。
コンパレータ112は、第一の反転入力端子は擬似リップル回路114の出力端子122に接続され、第一の非反転入力端子は擬似リップル回路114の出力端子123に接続され、第二の反転入力端子は抵抗103と抵抗104の接続点に接続され、第二の非反転入力端子は基準電圧回路105の正極に接続され、出力端子はRS−FF回路113のセット端子に接続される。抵抗103のもう一方の端子は出力端子102に接続され、抵抗104のもう一方の端子はグラウンド端子100に接続され、基準電圧回路105の負極はグラウンド端子100に接続される。RS−FF回路113は、リセット端子はオンタイマー回路111の出力端子124に接続され、出力端子は駆動回路110及びオンタイマー回路111の入力端子121に接続される。NMOSトランジスタ108は、ゲートは駆動回路110の第一の出力端子に接続され、ドレインは電源端子101に接続され、ソースはコイル106の一方の端子及びNMOSトランジスタ109のドレインに接続される。NMOSトランジスタ109は、ゲートは駆動回路110の第二の出力端子に接続され、ソースはグラウンド端子100に接続される。コンデンサ107は、一方の端子は出力端子102とコイル106のもう一方の端子に接続され、もう一方の端子はグラウンド端子107に接続される。
【0014】
オンタイマー回路111の接続について説明する。定電流回路201は、一方の端子は電源端子101に接続され、もう一方の端子はスイッチ回路208の一方の端子に接続される。コンデンサ209は、一方の端子はスイッチ回路208のもう一方の端子と抵抗210の一方の端子と抵抗211の一方の端子(ノードA)に接続され、もう一方の端子はグラウンド端子100に接続される。抵抗210のもう一方の端子はグラウンド端子100に接続され、抵抗211のもう一方の端子は出力端子125とコンデンサ212の一方の端子に接続される。コンデンサ212のもう一方の端子はグラウンド端子100に接続される。入力端子121は、インバータ213の入力とスイッチ回路208のオンオフを制御する端子に接続される。インバータ213は、出力はNMOSトランジスタ214のゲートに接続される。NMOSトランジスタ214は、ドレインはコンデンサ215の一方の端子と定電流回路202の一方の端子に接続され、ソースはグラウンド端子100に接続される。コンデンサ215のもう一方の端子はグラウンド端子100に接続される。定電流回路202のもう一方の端子は電源端子101に接続される。コンパレータ216は、非反転入力端子はコンデンサ215の一方の端子に接続され、反転入力端子はコンデンサ212の一方の端子に接続され、出力は出力端子124に接続される。定電流回路263は、一方の端子は電源端子101に接続され、もう一方の端子はNMOSトランジスタ261のゲート及びドレインに接続される。NMOSトランジスタ261は、ソースおよびバックゲートはグラウンド端子100に接続される。NMOSトランジスタ262は、ゲートはNMOSトランジスタ261のゲートに接続され、ドレインは電源端子101に接続され、ソースはコンデンサ209の一方の端子に接続され、バックゲートはグラウンド端子100に接続される。
【0015】
コンパレータ112の接続について説明する。定電流回路312は、一方の端子は電源端子101に接続され、もう一方の端子はPMOSトランジスタ306のソースとPMOSトランジスタ307のソースに接続される。PMOSトランジスタ306は、ゲートは第一の非反転入力端子301に接続され、ドレインは定電流回路314とPMOSトランジスタ310のゲート及びドレインの接続点に接続される。PMOSトランジスタ307は、ゲートは第一の反転入力端子302に接続され、ドレインはインバータ316の入力に接続される。定電流回路313は、一方の端子は電源端子101に接続され、もう一方の端子はPMOSトランジスタ308のソースとPMOSトランジスタ309のソースに接続される。PMOSトランジスタ308は、ゲートは第二の非反転入力端子303に接続され、ドレインは定電流回路314とPMOSトランジスタ310のゲート及びドレインの接続点に接続される。PMOSトランジスタ309は、ゲートは第二の反転入力端子304に接続され、ドレインはインバータ316の入力に接続される。PMOSトランジスタ310のソースは電源端子101に接続され、定電流回路314のもう一方の端子はグラウンド端子100に接続される。PMOSトランジスタ311は、ゲートはPMOSトランジスタ310のゲートに接続され、ドレインはインバータ316の入力に接続され、ソースは電源端子101に接続される。定電流回路315は、一方の端子はインバータ316の入力に接続され、もう一方の端子はグラウンド端子100に接続される。インバータ317は、入力はインバータ316の出力に接続され、出力は出力端子305に接続される。
【0016】
次に、本実施形態のDC/DCコンバータの動作について説明する。
電源端子101に電源電圧VDDが入力されると、DC/DCコンバータは出力端子102から出力電圧Voutを出力する。抵抗103と104は、出力電圧Voutを分圧し、分圧電圧VFBを出力する。コンパレータ112は、
図3に示すような4端子入力の構成をしており、第二の非反転入力端子に入力される基準電圧回路105の基準電圧Vrefと、第二の反転入力端子に入力される分圧電圧VFBと、第一の反転入力端子に入力される擬似リップル回路114の出力端子122から出力される電圧と、第一の非反転入力端子に入力される擬似リップル回路114の出力端子123から出力される電圧とを比較し、コンパレータ112の出力端子から信号VSを出力する。オンタイマー回路111は、入力端子121に信号VQが入力され、出力端子124からオンタイム信号VRを出力する。RS−FF回路113は、R端子にオンタイム信号VRが入力し、S端子に信号VSが入力し、Q端子から信号VQを出力する。
【0017】
図4は、本実施形態のDC/DCコンバータの動作を示すタイミングチャートである。分圧電圧VFBが基準電圧Vrefを下回ると信号VSがHighレベルとなり、RS−FF回路113のQ端子の信号VQをHighレベルにさせる。そして、信号VQが駆動回路110に入力され信号VQに応じてNMOSトランジスタ108をオン、NMOSトランジスタ109をオフさせ、分圧電圧VFB(出力電圧Vout)を上昇させる。オンタイマー回路111の出力端子124から信号が出力されオンタイム信号VRがHighレベルになると、RS−FF回路113によって信号VQはLoレベルとなり、NMOSトランジスタ108をオフ、NMOSトランジスタ109をオンさせ、分圧電圧VFB(出力電圧Vout)を低下させる。信号VQがHighレベルの時間をTon、信号VQがHighレベルとなってから再びHighレベルになるまでの時間をTSとし、この時間を1周期としてこの周期に従って制御を行うことで出力トランジスタとして動作するNMOSトランジスタ108とNMOSトランジスタ109を制御し、出力端子102から出力電圧Voutを発生させる。
【0018】
コンパレータ112は、擬似リップル回路114の出力端子122から出力される電圧をコンパレータ112の第一の反転入力端子に入力することで、第二の反転入力端子に入力される分圧電圧VFBとコンパレータ112内で加算され、分圧電圧VFBがリップル成分を含む電圧となる。そして、擬似リップル回路114の出力端子123から出力される電圧をコンパレータ112の第一の非反転入力端子に入力することで、第二の非反転入力端子に入力される基準電圧Vrefとコンパレータ112内で加算され、この加算された二つの信号を比較することでコンパレータ112から信号VSが出力される。
【0019】
オンタイマー回路111の定電流回路201に流れる電流を電流I3、定電流回路202に流れる電流を電流I4、抵抗210に流れる電流をI2とする。抵抗210の抵抗値をR2とするとI2=Vcref0/R2と表される。スイッチ回路208は信号VQによってオンオフを制御され、信号VQがHighレベルのときスイッチ回路208はオンし、電流I3でコンデンサ209の充電と電流I2での放電がされる。また、信号VQがLoレベルのときスイッチ回路208はオフし、コンデンサ209の電荷が電流I2で放電される。充電の電荷量をQ1、放電の電荷量をQ2とするとQ1=I3×Ton、Q2=I2×TSと表される。Q1=Q2となるためI3×Ton=I2×TSとなり、Ton/TS=I2/I3=Vout/VDDとなる。よって、Vout=VDD×I2/I3となる。
【0020】
I2=Vcref0/R2のためVout=VDD×Vcref0/R2/I3となりVcref0=Vout/VDD×R2×I3となる。こうして、電圧Vcref0は出力電圧Voutに比例した電圧であるといえ、この電圧には出力電圧のリップル成分が含まれている。平均化回路240の電圧Vcrefは、抵抗211とコンデンサ212で電圧Vcref0を平均化し電圧Vcref0のリップル成分を除去している。このため、電圧Vcrefは出力電圧Voutに比例しリップル成分を除去した電圧であり、Vcref=Vout/VDD×R2×I3となる。
【0021】
NMOSトランジスタ214のゲートはインバータ213を介して信号VQが入力されるため、信号VQと逆のタイミングでオンオフ制御される。コンパレータ216の非反転入力端子の電圧を電圧Vcapとすると、NMOSトランジスタ214がオフのとき電流I4によってコンデンサ215が充電され電圧Vcapの電圧値は上昇する。電圧Vcapが電圧Vcrefより低い時はコンパレータ216の出力端子124のオンタイム信号VRはLoレベルが出力され、電圧Vcapが電圧Vcrefより高い時はコンパレータ216の出力端子124のオンタイム信号VRはHighレベルが出力される。そして、RS−FF回路113により信号VQがLoレベルとなりNMOSトランジスタ214をオンさせてコンデンサ215の電荷を放電させ、電圧Vcapの電圧を低下させる。
【0022】
コンデンサ215の容量値をC2とすると、オン時間TonはTon=C2/I4×Vcref=C2×I3/I4×R2×Vout/VDDとなり、オン時間TonはVout/VDDで表されるduty制御を行う。
【0023】
電源端子101に電源電圧VDDが入力された電源起動時、各ノードの電圧は立ち上がっていないため0Vとなり、オンタイマー回路111のスイッチ回路208はオフした状態でノードAも0Vである。この状態から、まず起動回路260の定電流回路263が動作して電流I1を流し、NMOSトランジスタ261、262で構成されるカレントミラーによって電流I1がミラーされる。そして、コンデンサ209が充電されてノードAの電圧が上昇する。NMOSトランジスタ261のゲートソース間電圧をVgs261、NMOSトランジスタ262の閾値をVth262とすると、ノードAの電圧が上昇してVgs261−Vth262より大きくなった時、NMOSトランジスタ262はオフして電流を流さなくなる。そして、コンデンサ209の充電によるノードAの電圧の上昇が止まる。その後は、リップル生成回路230によってノードAに電圧Vcref0が生成され通常の制御が行われる。出力端子125に発生する電圧は、ノードAの電圧からリップル成分を除去しただけで大きさは同じのため、ノードAの電圧と同様に電圧が上昇する。この時に出力端子125に発生した電圧をもとに、オンタイム時間を生成することができる。こうして、電源起動時にノードAや出力端子125が0Vのまま上昇せず、出力端子124からHighレベルの信号が出し続けてDCDCコンバータが起動しないという現象を防止することができる。コンデンサ209に充電する時間は定電流回路263の電流値やNMOSトランジスタ261、262で構成されるカレントミラーの比を変えることで調節でき、DCDCコンバータの起動時間に合わせた調節が可能である。
【0024】
なお、電源起動時について説明したが、負荷短絡によってDCDCコンバータが動作を停止して出力電圧が0VになりノードAが0Vになった場合も同様に動作させることができ、DCDCコンバータが動作しないという現象を防止することができる。
【0025】
以上説明したように、本実施形態のDC/DCコンバータは、電源起動時や負荷短絡が起こった時、起動回路によってリップル生成回路の出力電圧を上昇させることで回路を動作させ安定した制御をすることができる。
【0026】
図5は、本実施形態のDC/DCコンバータのオンタイマー回路の他の例を示す回路図である。
図2の回路との違いは、起動回路260を起動回路600に変更した点である。起動回路600は、NMOSトランジスタ601、603と、抵抗602を備えている。
【0027】
NMOSトランジスタ603は、ゲートは抵抗602の一方の端子に接続され、ドレインは抵抗602のもう一方の端子と電源端子101に接続され、ソースはノードAに接続される。NMOSトランジスタ601は、ゲートはノードAに接続され、ドレインはNMOSトランジスタ603のゲートに接続され、ソースはグラウンド端子100に接続される。その他は、
図2の回路と同様である。
【0028】
図5のオンタイマー回路を備えたDC/DCコンバータの動作について説明する。電源端子101に電源電圧VDDが入力され、出力端子102の出力電圧Voutが一定になるよう制御される動作は、
図2のオンタイマー回路を備えたDC/DCコンバータと同様である。
【0029】
図5のオンタイマー回路を備えたDC/DCコンバータの電源起動時の動作について説明する。電源端子101に電源電圧VDDが入力された電源起動時、各ノードの電圧は立ち上がっていないため0Vとなり、オンタイマー回路111のスイッチ回路208はオフした状態でノードAのオンタイマー回路111のノードAも0Vである。
【0030】
この状態から、NMOSトランジスタ603のゲートは電源電圧VDDにプルアップされるためオンしてコンデンサ209に電流を流す。そして、コンデンサ209を充電してノードAの電圧を上昇させる。NMOSトランジスタ601の閾値をVth601とすると、ノードAの電圧が上昇してVth601より大きくなった時、NMOSトランジスタ601はオンしてNMOSトランジスタ603のゲートをプルダウンし、NMOSトランジスタ603をオフさせる。そして、コンデンサ209の充電によるノードAの電圧の上昇が止まる。その後は、リップル生成回路230によってノードAに電圧Vcref0が生成され通常の制御が行われる。出力端子125に発生する電圧は、ノードAの電圧からリップル成分を除去しただけで大きさは同じため、ノードAの電圧と同様に電圧が上昇する。この時に出力端子125に発生した電圧をもとに、オンタイム時間を生成することができる。こうして、電源起動時にノードAや出力端子125が0Vのまま上昇せず、出力端子124からHighレベルの信号が出し続けてDCDCコンバータが起動しないという現象を防止することができる。
【0031】
なお、電源起動時について説明したが、負荷短絡によってDCDCコンバータが動作を停止して出力電圧が0VになりノードAが0Vになった場合も同様に動作させることができ、DCDCコンバータが起動しないという現象を防止することができる。また、NMOSトランジスタ603のゲートを電源電圧にプルアップする素子として抵抗602を用いたが、この構成に限らずNMOSトランジスタ603のゲートを電源電圧にプルアップする素子であればどのような構成であっても良い。
【0032】
以上説明したように、
図5のオンタイマー回路を備えたDC/DCコンバータは、電源電圧VDDが入力された直後や負荷短絡が起こった時、起動回路によってリップル生成回路の出力電圧を上昇させることで回路を動作させ安定した制御をすることができる。
【0033】
図6は、本実施形態のDC/DCコンバータのオンタイマー回路の他の例を示す回路図である。
図2の回路との違いは、起動回路260を起動回路700に変更した点である。起動回路700はNMOSトランジスタ702と、定電圧回路701を備えている。
【0034】
NMOSトランジスタ702は、ゲートは定電圧回路701の正極に接続され、ドレインは電源端子101に接続され、ソースはノードAに接続される。その他は、
図2の回路と同様である。
【0035】
図6のオンタイマー回路を備えたDC/DCコンバータの動作について説明する。電源端子101に電源電圧VDDが入力され、出力端子102の出力電圧Voutが一定になるよう制御される動作は、
図2のオンタイマー回路を備えたDC/DCコンバータと同様である。
【0036】
図6のオンタイマー回路を備えたDC/DCコンバータの電源起動時の動作について説明する。電源端子101に電源電圧VDDが入力された電源起動時、各ノードの電圧は立ち上がっていないため0Vとなり、オンタイマー回路111のスイッチ回路208はオフした状態でノードAのオンタイマー回路111のノードAも0Vである。
【0037】
この状態から、まず定電圧回路701が動作しNMOSトランジスタ701をオンさせコンデンサ209に電流を流す。そして、コンデンサ209を充電してノードAの電圧を上昇させる。NMOSトランジスタ702の閾値をVth702、定電圧回路701の電圧をV701とすると、ノードAの電圧が上昇してV701−Vth702より大きくなった時、NMOSトランジスタ702はオフして、コンデンサ209への充電によるノードAの電圧の上昇を止める。その後は、リップル生成回路230によってノードAに電圧Vcref0が生成され通常の制御が行われる。出力端子125に発生する電圧は、ノードAの電圧からリップル成分を除去しただけで大きさは同じため、ノードAの電圧と同様に電圧が上昇する。この時に出力端子125に発生した電圧をもとに、オンタイム時間を生成することができる。こうして、電源起動時にノードAや出力端子125が0Vのまま上昇せず、出力端子124からHighレベルの信号が出し続けてDCDCコンバータが起動しないという現象を防止することができる。
【0038】
なお、電源起動時について説明したが、負荷短絡によってDCDCコンバータが動作を停止して出力電圧が0VになりノードAが0Vになった場合も同様に動作させることができ、DCDCコンバータが起動しないという現象を防止することができる。
【0039】
以上説明したように、
図6のオンタイマー回路を備えたDC/DCコンバータは、電源電圧VDDが入力された直後や負荷短絡が起こった時、起動回路によってリップル生成回路の出力電圧を上昇させることで回路を動作させ安定した制御をすることができる。
【0040】
なお、オンタイマー回路111の入力端子121に入力される信号VQは、RS−FF回路113のQ端子の信号を用いたが、NMOSトランジスタ108のゲートに入力される信号に同期した信号であれば他のノードの信号を用いても良い。
【0041】
また、コンパレータ112は、4端子入力のコンパレータを用いたが、擬似リップル回路114の出力端子122から出力される電圧と分圧電圧VFBを加算し、擬似リップル回路114の出力端子123から出力される電圧と基準電圧Vrefを加算する構成であればこの構成に限るものではない。例えば、擬似リップル回路114の出力端子122から出力される電圧と分圧電圧VFBを加算する加算器と、擬似リップル回路114の出力端子123から出力される電圧と基準電圧Vrefを加算する加算器を設け、それらの信号を比較する2端子入力のコンパレータとで構成しても良い。
【0042】
図7は、本実施形態のオンタイマー回路を使用した他のDC/DCコンバータの例を示す回路図である。
図1の実施形態のDC/DCコンバータとの違いは、オンタイマー回路111の出力端子125から電圧Vcrefを出力し、コンパレータ112の第二の反転入力端子に入力し、出力電圧Voutを分圧する抵抗103、104を削除した点である。
【0043】
図7のDC/DCコンバータの動作について説明する。
電源端子101に電源電圧VDDが入力されると、DC/DCコンバータは出力端子102から出力電圧Voutを出力する。コンパレータ112は、
図3に示すような4端子入力の構成をしており、第二の非反転入力端子に入力される基準電圧回路105の基準電圧Vrefと、第二の反転入力端子に入力されるオンタイマー回路111から出力される電圧Vcrefと、第一の反転入力端子に入力される擬似リップル回路114の出力端子122から出力される電圧と、第一の非反転入力端子に入力される擬似リップル回路114の出力端子123から出力される電圧とを比較し、コンパレータ112の出力端子から信号VSを出力する。オンタイマー回路111は、入力端子121に信号VQが入力し、出力端子124からオンタイム信号VRを出力し、出力端子125から電圧Vcrefを出力する。RS−FF回路113は、R端子にオンタイム信号VRが入力し、S端子に信号VSが入力し、Q端子から信号VQを出力する。
【0044】
本実施形態のオンタイマー回路111は、平均化回路240は出力電圧Voutを直接用いずに出力電圧Voutに比例する平均化された電圧Vcrefを生成する。平均化回路240の出力電圧Vcref=Vout/VDD×R2×I1であり、I1=VDD×Kのため、Vcref=Vout/VDD×R2×VDD×Kとなり、Vcref=Vout×R2×Kとなる。従って、Vcrefと出力電圧Voutは比例関係となり、Vout=Vcref×R2×Kとなるので、Vcrefを制御することで所望の出力電圧Voutが得られる。
【0045】
平均化回路240の出力電圧Vcrefが基準電圧Vrefを下回ると信号VSがHighレベルとなり、RS−FF回路113のQ端子の信号VQをHighレベルにさせる。そして、信号VQが駆動回路110に入力され信号VQに応じてNMOSトランジスタ108をオン、NMOSトランジスタ109をオフさせ、出力電圧Voutを上昇させる。オンタイマー回路111の出力端子124から信号が出力されオンタイム信号VRがHighレベルになると、RS−FF回路113によって信号VQはLoレベルとなり、NMOSトランジスタ108をオフ、NMOSトランジスタ109をオンさせ、出力電圧Voutを低下させる。信号VQがHighレベルの時間をTon、信号VQがHighレベルとなってから再びHighレベルになるまでの時間をTSとし、この時間を1周期としてこの周期に従って制御を行うことで出力トランジスタとして動作するNMOSトランジスタ108とNMOSトランジスタ109を制御し、出力端子102から出力電圧Voutを発生させる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態のDC/DCコンバータは、出力電圧Voutを直接用いずにタイマー回路を動作できるため、出力電圧Voutのノイズの影響などでオン時間のずれや誤動作することを防止でき、安定した制御をすることができる。また、オンタイム信号はduty制御が可能なため、入出力条件が変わっても、一定の動作周波数でDC/DCコンバータが動作することができる。
【0047】
なお、本実施形態及び構成のオンタイマー回路は、本実施形態及び構成のDC/DCコンバータに使用されると限定されるものではない。本実施形態及び構成のDC/DCコンバータの制御は、出力電圧Voutを一定にするため、電源電圧VDDとdutyとの関係がVout=VDD×dutyとなっており、このような制御がなされるDC/DCコンバータであれば、本実施形態及び構成のオンタイマー回路により出力電圧Voutの制御ができる。たとえば、フォワード方式のDC/DCコンバータである。
【0048】
フォワード方式のDC/DCコンバータの制御は、出力電圧Vout、電源電圧VDD、負荷となるコイルの1次側巻き線をNp、負荷となるコイルの1次側巻き線をNsとすると、Vout=VDD×duty×Ns/Npで制御がなされ、Ns/Npは固定定数であるので、本実施形態及び構成のDC/DCコンバータと同じdutyによって出力電圧Voutが制御される。特に、Ns=Npの場合には本実施形態及び構成のDC/DCコンバータと同じになる。
【0049】
一般的なフォワード方式のDC/DCコンバータの構成は、グラウンド端子にスイッチ素子が接続され、前記スイッチ素子がオンオフ動作をすることで、前記スイッチ素子により負荷となるコイルに流れる電流が制御されることにより、出力電圧Voutが制御される。前記スイッチ素子をオンオフする制御端子には駆動回路が接続される。本実施形態及び構成のRS−FF回路の出力信号VQを、前記駆動回路に入力することで、出力電圧Voutを発生させることができる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態及び構成のオンタイマー回路は、本実施形態及び構成のDC/DCコンバータに使用が限定されるものではなく、他の構成のDC/DCコンバータに使用することができる。
【0051】
また、本発明のDC/DCコンバータは、擬似リップル回路114を備える構成として説明したが、コンパレータ112の第一の反転入力端子にリップル生成回路230の電圧Vcref0を入力し、第一の非反転入力端子に平均化回路240の電圧Vcrefを入力する構成としても良い。DC/DCコンバータをこのように構成すると、擬似リップル回路114を設けなくても、同様な効果を得ることが出来る。