特許第6376963号(P6376963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6376963開先部監視装置を有するレーザ溶接装置およびレーザ溶接装置の開先部監視方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6376963
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】開先部監視装置を有するレーザ溶接装置およびレーザ溶接装置の開先部監視方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/21 20140101AFI20180813BHJP
   B23K 26/044 20140101ALI20180813BHJP
   B23K 26/082 20140101ALI20180813BHJP
【FI】
   B23K26/21 F
   B23K26/044
   B23K26/082
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-248498(P2014-248498)
(22)【出願日】2014年12月9日
(65)【公開番号】特開2016-107318(P2016-107318A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年6月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】阿部 洋平
(72)【発明者】
【氏名】日置 幸男
(72)【発明者】
【氏名】中谷 光良
【審査官】 奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−305378(JP,A)
【文献】 特開2012−218030(JP,A)
【文献】 特開2003−326362(JP,A)
【文献】 特開2014−231085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00−26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開先溶接部を監視しながら開先溶接部の溶接ラインに沿って溶接するレーザ溶接装置であって、
レーザビームの光軸上に揺動自在に配置されたウイービング用ミラーと、
当該ウイービング用ミラーを揺動させてビームスポットを、山部と谷部を有する形状にウイービングさせるウイービング駆動装置と、
前記開先溶接部の画像を撮像する撮像装置と、
前記ウイービング駆動装置にウイービング波形信号を出力するとともに、前記撮像装置に撮像トリガー信号を出力する操作出力部および画像処理・判断部を有する制御装置と、を具備し、
前記撮像トリガー信号に基づいて操作される前記撮像装置は、ビームスポットが前記山部又は谷部の近傍位置にあり、且つビームスポットから開先溶接部の開先壁に沿って前方に伸びるプラズマ光を撮像し、
前記画像処理・判断部は、前記プラズマ光を含む画像から開先溶接部の開先壁の位置を判断して開先幅および開先中心を求める
ことを特徴とする開先部監視装置を有するレーザ溶接装置。
【請求項2】
操作出力部は、ビームスポットが前記山部又は谷部の折り返し点を通過した位置から、ウイービングの振幅の7%から15%の範囲内を移動している時に撮像装置のシャッタが駆動されるように撮像トリガー信号を出力する
ことを特徴とする請求項1記載の開先部監視装置を有するレーザ溶接装置。
【請求項3】
画像処理・判断部は、撮像画像のビームスポットよりも前方で且つビームスポットを含まないがプラズマ光を含む画像領域を選択し、この画像領域に基づいて開先壁の位置を判断する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の開先部監視装置を有するレーザ溶接装置。
【請求項4】
画像処理・判断部は、溶接ラインに沿う画素列のうち、光度の大きい画素列をプラズマ光と判断し、プラズマ光の溶接ラインの外側で隣接する画素列の光度の勾配が大きい画素列を開先壁と判断する
ことを特徴とする請求項3記載の開先部監視装置を有するレーザ溶接装置。
【請求項5】
光軸に沿って照射されたレーザビームを、ウイービング用ミラーを介して開先溶接部に照射し、前記ウイービング用ミラーを揺動させて開先溶接部に照射されるビームスポットを、山部と谷部を有する形状にウイービングさせ、
ビームスポットが前記山部又は谷部の近傍位置で、且つビームスポットから開先溶接部の開先壁に沿って前方に伸びるプラズマ光を撮像し、
前記プラズマ光を含む画像から開先溶接部の開先壁の位置を判断して開先幅および開先中心を求める
ことを特徴とするレーザ溶接装置の開先部監視方法。
【請求項6】
ビームスポットが前記山部又は谷部の折り返し点を通過した位置から、ウイービングの振幅の7%から15%の範囲内を移動している時に、プラズマ光を撮像する
ことを特徴とする請求項5記載のレーザ溶接装置の開先部監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ溶接する開先部を直接監視する開先部監視装置を有し、高精度で溶接するレーザ溶接装置およびレーザ溶接装置の開先部監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザビームをウイービングさせて溶接するレーザ溶接装置において、開先部を検出す
る誤差検出手段を備えたものが特許文献1に提案されている。この誤差検出手段は、レー
ザビームの照射位置よりも前方に配置され、レーザセンサなどの光学系センサから構成さ
れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−170284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば厚みが50mmを超えて200mmまでの溶接材(厚板)を突合せ溶接する場合、その狭開先幅は数mmであるのに対して、レーザ溶接のビームスポットが小さいため、ビームスポットを高速でかつ高精度でウイービングさせる必要がある。上記特許文献1では、レーザビームの照射位置より前方で、開先部をレーザセンサにより検出しているが、ビームスポットが小さいため、レーザ溶接装置や母材の僅かな変動や変位に影響を受けやすい。また、レーザビームをウイービングさせて溶接している際、母材が熱によって僅かに変形し、開先幅が正規の値よりも僅かに縮小したり或いは拡大することがある。このようなことから、従来のレーザ溶接装置では、開先壁の位置を検出する際の検出精度を高めることは困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は、開先壁の位置を高精度で検出することが可能な開先部監視装置を有するレーザ溶接装置およびレーザ溶接装置の開先部監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の開先部監視装置を有するレーザ溶接装置は、開先溶接部を監視しながら開先溶接部の溶接ラインに沿って溶接するレーザ溶接装置であって、
レーザビームの光軸上に揺動自在に配置されたウイービング用ミラーと、
当該ウイービング用ミラーを揺動させてビームスポットを、山部と谷部を有する形状にウイービングさせるウイービング駆動装置と、
前記開先溶接部の画像を撮像する撮像装置と、
前記ウイービング駆動装置にウイービング波形信号を出力するとともに、前記撮像装置に撮像トリガー信号を出力する操作出力部および画像処理・判断部を有する制御装置と、を具備し、
前記撮像トリガー信号に基づいて操作される前記撮像装置は、ビームスポットが前記山部又は谷部の近傍位置にあり、且つビームスポットから開先溶接部の開先壁に沿って前方に伸びるプラズマ光を撮像し、
前記画像処理・判断部は、前記プラズマ光を含む画像から開先溶接部の開先壁の位置を判断して開先幅および開先中心を求めることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の開先部監視装置を有するレーザ溶接装置は、操作出力部は、ビームスポットが前記山部又は谷部の折り返し点を通過した位置から、ウイービングの振幅の7%から15%の範囲内を移動している時に撮像装置のシャッタが駆動されるように撮像トリガー信号を出力することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の開先部監視装置を有するレーザ溶接装置は、画像処理・判断部は、撮像画像のビームスポットよりも前方で且つビームスポットを含まないがプラズマ光を含む画像領域を選択し、この画像領域に基づいて開先壁の位置を判断することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の開先部監視装置を有するレーザ溶接装置は、画像処理・判断部は、溶接ラインに沿う画素列のうち、光度の大きい画素列をプラズマ光と判断し、プラズマ光の溶接ラインの外側で隣接する画素列の光度の勾配が大きい画素列を開先壁と判断することを特徴とする。
【0010】
請求項5記載のレーザ溶接装置の開先部監視方法は、光軸に沿って照射されたレーザビームを、ウイービング用ミラーを介して開先溶接部に照射し、前記ウイービング用ミラーを揺動させて開先溶接部に照射されるビームスポットを、山部と谷部を有する形状にウイービングさせ、
ビームスポットが前記山部又は谷部の近傍位置で、且つビームスポットから開先溶接部の開先壁に沿って前方に伸びるプラズマ光を撮像し、
前記プラズマ光を含む画像から開先溶接部の開先壁の位置を判断して開先幅および開先中心を求めることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載のレーザ溶接装置の開先部監視方法は、ビームスポットが前記山部又は谷部の折り返し点を通過した位置から、ウイービングの振幅の7%から15%の範囲内を移動している時に、プラズマ光を撮像することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1によれば、ビームスポットから開先溶接部の開先壁に沿って前方に伸びるプラズマ光を撮像し、このプラズマ光を含む画像から開先溶接部の開先壁の位置を判断することにより、開先壁の位置を高精度で検出して、開先幅および開先中心を精度良く求めることができる。このため、加工の誤差や熱の影響等によって開先幅の値が僅かに変化しても、検出された開先幅に基づいてウイービング駆動装置を制御することにより、レーザビームの振幅を開先幅の変化に応じて精度良く調整することができる。
請求項2によれば、ビームスポットが山部又は谷部の折り返し点を通過した位置から、ウイービングの振幅の7%から15%の範囲内を移動している時に、ビームスポットから開先溶接部の開先壁に沿って前方に伸びるプラズマ光が発生するため、撮像装置でプラズマ光を確実に撮像することができる。
【0013】
請求項3および請求項4によれば、何らかの外的要因等によって万一、ビームスポットが開先壁から振幅方向における外側へはみ出した場合であっても、開先壁に沿ってプラズマ光が発生していれば、ビームスポットの光の影響を除外し、プラズマ光のみの光度の勾配に基づいて、開先壁の位置を高精度で検出することができる。
【0014】
請求項5によれば、ビームスポットから開先溶接部の開先壁に沿って前方に伸びるプラズマ光を撮像し、このプラズマ光を含む画像から開先溶接部の開先壁の位置を判断することにより、開先壁の位置を高精度で検出して、開先幅および開先中心を精度良く求めることができる。このため、加工の誤差や熱の影響等によって開先幅の値が僅かに変化しても、検出された開先幅に基づいて、レーザビームの振幅を開先幅の変化に応じて精度良く調整することができる。
請求項6によれば、ビームスポットが山部又は谷部の折り返し点を通過した位置から、ウイービングの振幅の7%から15%の範囲内を移動している時に、ビームスポットから開先溶接部の開先壁に沿って前方に伸びるプラズマ光が発生するため、撮像装置でプラズマ光を確実に撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施の形態における開先部監視装置を有するレーザ溶接装置の構成図である。
図2】同、レーザ溶接装置の撮像装置による開先部の画面を示す図である。
図3】同、レーザ溶接装置の制御装置の操作出力部を示すブロック図である。
図4図3の操作出力部の出力波形図である。
図5】同、レーザ溶接装置のウイービング時のビームスポットの移動経路を示す模式図である。
図6】同、開先溶接部の撮像画像であり、(a)は一方の折り返し点とこの折り返し点を通過したビームスポットとの距離Aがレーザビームの振幅Eの12.5%の値のときの画像であり、(b)は同画像の画素列の光度を示すグラフである。
図7】同、開先溶接部の撮像画像であり、(a)は他方の折り返し点とこの折り返し点を通過したビームスポットとの距離Aがレーザビームの振幅Eの12.5%の値のときの画像であり、(b)は同画像の画素列の光度を示すグラフである。
図8】同、レーザ溶接装置による開先部監視方法を示すフロー図である。
図9】参考例としての開先溶接部の撮像画像であり、(a)はビームスポットが一方の折り返し点に移動したときの画像であり、(b)は同画像の画素列の光度を示すグラフである。
図10】参考例としての開先溶接部の撮像画像であり、(a)は前記距離Aが前記振幅Eの25%の値のときの画像であり、(b)は同画像の画素列の光度を示すグラフである。
図11】参考例として、前記距離Aが前記振幅Eの5.9%の値のときの開先溶接部の撮像画像である。
図12】参考例として、前記距離Aが前記振幅Eの6.5%の値のときの開先溶接部の撮像画像である。
図13】本発明の第1の実施の形態として、前記距離Aが前記振幅Eの7.1%の値のときの開先溶接部の撮像画像である。
図14】同、前記距離Aが前記振幅Eの7.8%の値のときの開先溶接部の撮像画像である。
図15】同、前記距離Aが前記振幅Eの8.5%の値のときの開先溶接部の撮像画像である。
図16】同、前記距離Aが前記振幅Eの9.2%の値のときの開先溶接部の撮像画像である。
図17】同、前記距離Aが前記振幅Eの13.1%の値のときの開先溶接部の撮像画像である。
図18】同、前記距離Aが前記振幅Eの14.9%の値のときの開先溶接部の撮像画像である。
図19】参考例として、前記距離Aが前記振幅Eの15.8%の値のときの開先溶接部の撮像画像である。
図20】参考例として、前記距離Aが前記振幅Eの16.7%の値のときの開先溶接部の撮像画像である。
図21】参考例として、前記距離Aが前記振幅Eの17.7%の値のときの開先溶接部の撮像画像である。
図22】本発明の第2の実施の形態におけるレーザ溶接装置で撮像した開先溶接部の撮像画像であり、(a)は一方の折り返し点とこの折り返し点を通過したビームスポットとの距離Aがレーザビームの振幅Eの12.5%の値のときの画像であり、(b)は同画像の画素列の光度を示すグラフである。
図23】同、開先溶接部の撮像画像であり、(a)は他方の折り返し点とこの折り返し点を通過したビームスポットとの距離Aがレーザビームの振幅Eの12.5%の値のときの画像であり、(b)は同画像の画素列の光度を示すグラフである。
図24】参考例としての開先溶接部の撮像画像であり、(a)はビームスポットが一方の折り返し点に移動したときの画像であり、(b)は同画像の画素列の光度を示すグラフである。
図25】参考例としての開先溶接部の撮像画像であり、(a)は前記距離Aが前記振幅Eの25%の値のときの画像であり、(b)は同画像の画素列の光度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図1図21に基づいて説明する。
[レーザ溶接装置]
図1図4に示すように、このレーザ溶接装置は、レーザ共振器11で発信されたレーザビーム(COレーザやYAGレーザなど)LBを、ファイバケーブル12およびコリメーションレンズ13を介して導入し、その水平方向の光軸Oh上に配置された反射ミラー(ウイービング用ミラー)14で反射させて90°屈折させ、垂直方向の光軸Ov上に導入する。そしてフォーカスレンズ15で集光してビームスポットBSを開先溶接部16に照射する。前記反射ミラー14は、ウイービング用駆動装置(電動モータ等)17により揺動可能に支持されており、反射ミラー14を所定の振幅および周波数で揺動させることにより、ビームスポットBSを溶接ラインWLに交差(直交)する方向に山部と谷部を有する波形状にウイービングさせる。ここでウイービング波形は、振幅が開先溶接部16の開先幅Wに対応して設定される。またビームスポットBSの出力や大きさに対応して、ウイービング波形の周波数(周期)が数10〜数100Hzの範囲で設定される。
【0017】
尚、レーザ溶接装置は、母材として約15mm〜約150mmの厚さの金属板に使用でき、開先幅Wが約3mm〜約15mmの狭開先に使用できる。
[開先部監視装置]
光軸Ovに、レーザ光の波長を透過するダイクロイックミラーからなる入口側ダイクロイックミラー(検出用ミラー)18および出口側ダイクロイックミラー(照明用ミラー)19がそれぞれ配置されている。これらダイクロイックミラー18,19は、レーザビームLBを透過するとともに、可視光や近赤外光を所定の反射率で反射させるもので、光軸Ovに対して45°傾斜して配置される。
【0018】
出口側ダイクロイックミラー19に対応して、開先溶接部16に照明光を照射する照明光源20が設置されている。また、入口側ダイクロイックミラー18に対応して、1台の撮像装置21と2つのフォトセンサ22,23がそれぞれ配置されている。
【0019】
すなわち、入口側ダイクロイックミラー18から入射される分岐光軸Os1上に、撮像用ダイクロイックミラー24、センシング用集光レンズ25、センシング用ダイクロイックミラー26が順に配置されている。撮像用ダイクロイックミラー24の分岐光軸Os2上に、レーザビームLBと同一波長の光をカットするための帯域遮断フィルタ27を介して撮像装置21が設置される。撮像装置21は、光軸Ovから開先溶接部16の画像を撮像するものであり、40〜200フレーム/秒の撮像が可能な高速シャッタを具備している。また、照明光源20から、選択された単一波長の照明光を開先溶接部16に照射し、反射光から照明光を優先的に通過させる光学フィルタを、帯域遮断フィルタ27と併用して使用することにより、コントラストに優れた画像を得ることができる。なお、出口側ダイクロイックミラー19は、光軸Oh,Ov上で任意位置に設定することができ、照明光源20の設置位置は、図1に示した位置に限るものではない。
【0020】
[制御装置]
レーザ溶接装置に備えられている制御装置41は、ウイービング用駆動装置17を制御するウイービング制御部17aと、撮像装置21を制御するシャッタ制御部21aと、ウイービング用駆動装置17にウイービング波形信号を出力して制御する操作出力部42と、撮像装置21の画像出力部21bから撮像データが入力される画像処理・判断部51と、画像処理・判断部51から開先壁32R,32Lの検出データがそれぞれ入力される信号比較判断部54とを有している。
【0021】
操作出力部42は、図3に示すように、発信器43、分周器44、アドレスカウンタ45、波形テーブル46(Sinテーブル)、DA変換器47、R位置比較器48R,L位置比較器48L、シャッタ位置設定器49およびOR演算器50を具備している。発信器43は、ウイービング周波数を設定する例えば電圧制御形発信器で、外部から発信周波数を調節可能なものである。分周器44は、発信器43から発信された周波数を、1/nにするものである。アドレスカウンタ45は、たとえばSin波形の1周期をm等分して、その計算値を波形テーブル46のメモリに書き込み、この波形テーブル46のメモリの値に、1周期を繰り返するためのアドレス(番地)を指定する。そしてこのアドレスが繰り返される周期毎にSin波形がウイービング波形信号として、DA変換器47を介してウイービング用駆動装置17のウイービング制御部17aに出力される。
【0022】
したがって、発信器43の発信周波数を変更したり、分周器44における分割数を変更することにより、ウイービングの周波数(周期)を変更することができる。
尚、ここで波形テーブル46におけるウイービング波形をSin波形としたが、電流制御可能なガルバノメータなどを使用したウイービング用駆動装置17を制御することにより、三角形波形や台形波形をウイービング波形として出力することができる。
【0023】
また、前記操作出力部42はシャッタ制御部21aに撮像トリガー信号を出力し、これにより、撮像装置21のシャッタが高速で操作される。
また、信号比較判断部54は、画像処理・判断部51から入力される開先壁32R,32Lの検出データを比較して、それぞれの位置のずれ量が、所定の閾値より大きい時に警告信号を出力することができる。
【0024】
また入力データに基づいて、開先壁32R,32Lの位置や開先幅W、開先中心Cを表示する表示装置55と、警報を発する警報装置56が設けられている。
(撮像トリガー信号)
操作出力部42は、ビームスポットBSがウイービングの山部又は谷部の折り返し点57R,57Lを通過した位置から、ウイービングの振幅Eの7%から15%の範囲内を移動している時に撮像装置21のシャッタが駆動されるように、撮像トリガー信号をシャッタ制御部21aに出力する。
【0025】
尚、前記ビームスポットBSがウイービングの山部又は谷部の折り返し点57R,57Lを通過した位置から、ウイービングの振幅Eの7%から15%の範囲内を移動している時とは、換言すると、図5に示すように、折り返し点57R,57Lとこの折り返し点57R,57Lを通過したビームスポットBSとの振幅方向における距離AがレーザビームLBの振幅Eの7%〜15%の範囲内に含まれている時のことである。
【0026】
すなわち、図3に示すように、前記操作出力部42に設けられたR側位置比較器48RとL側位置比較器48Lは、Sin信号の角度に対応するカウンタアドレス値をそれぞれ比較値として保有しており、アドレスカウンタ45から出力されるSin信号の累積値と、L側シャッター設定値又はR側シャッター設定値とが一致した時に撮像位置と判断する。L側シャッター設定値とR側シャッター設定値とは、折り返し点57R,57Lと折り返し点57R,57Lを通過したビームスポットBSとの距離AがレーザビームLBの振幅Eの7%〜15%の範囲内に含まれたときに、撮像トリガー信号がOR演算器50を介して撮像装置21のシャッタ制御部21aに出力されるように、設定されている。
【0027】
(撮像装置および画像処理・判断部)
図2は、撮像装置21の非溶接時の画面を示すもので、左右の母材31R,31L間に開先壁32R,32Lを有する開先溶接部16が形成されている。33はシールド用ガスノズル、34は開先溶接部16に充填されるフィラーである。
【0028】
画像処理・判断部51は、撮像装置21により撮影された画像から、溶接方向に沿う所定範囲の画素列i1〜i2の画素j1〜j2の光度の平均値を求める。そして、隣接する画素列の画素の光度に対して、光度の勾配が大きい画素列L(i),R(i)を溶接開先部16の開先壁32R,32Lの位置と判断するように構成されている。
【0029】
例えば、図6(a)は、一方の折り返し点57Rとこの折り返し点57Rを通過したビームスポットBSとの振幅方向における距離AがレーザビームLBの振幅Eの約12.5%の値になったときに、撮像装置21で撮像した開先溶接部16の画像であり、振幅方向(左右方向)の画素i1〜i2、高さ方向(溶接線方向)の画素j1〜j2の領域に撮像されている。
【0030】
また、図6(b)に示すように、P(i,j)を画素(i,j)の明るさとすると、
【0031】
【数1】


(1)式により、各画素列i1〜i2における画素j1〜j2の明るさの平均値f(i)が表される。
【0032】
また隣接する画素i+2〜i−2列において、
R(i)={f(i−2)+f(i−1)}−{f(i+1)+f(i+2)}…(2)式で表されるR(i)が、最大値となるiRに、右の開先壁32Rがあると判断する。
【0033】
また、図7(a)は、他方の折り返し点57Lとこの折り返し点57Lを通過したビームスポットBSとの振幅方向における距離AがレーザビームLBの振幅Eの約12.5%の値になったときの開先溶接部16の画像であり、前記と同様に、(1)式により、各画素列i1〜i2における画素j1〜j2の明るさの平均値f(i)が求められ(図7(b)参照)、
L(i)={f(i+2)+f(i+1)}−{f(i−1)+f(i−2)}…(3)式で表されるL(i)が、最大値となるiLに、左の開先壁32Lがあると判断する。
【0034】
さらに開先幅W=iR−iL、開先溶接部16の中心C=(iR+iL)/2で表される。
画像処理・判断部51では、上記画像処理により、開先溶接部16の開先壁32R,32Lの位置や開先幅W、開先溶接部16の開先中心Cが求められる。
【0035】
以下、上記構成における作用を説明する。
制御装置41は以下のような制御を行う。
図5図8に示すように、先ず、開先溶接部16の誤差を含まない正規の開先幅Wに対応する正規の振幅EでレーザビームLBのウイービングを開始する(S−1)。そして、ビームスポットBSが一方の折り返し点57Rを通過して折り返した後、折り返し点57RとビームスポットBSとの振幅方向における距離AがレーザビームLBの振幅Eの7%〜15%の範囲内に含まれているかを以下のようにして判断する(S−2)。すなわち前記S−2の判断はアドレスカウンタ設定値とR側シャッター設定値とが一致しているか否かに基づいて行われ、アドレスカウンタ設定値とR側シャッター設定値とが一致すれば、前記距離Aが前記振幅Eの7%〜15%の範囲内に含まれていると判断し、開先溶接部16を撮像装置21で撮像する(S−3)。
【0036】
このとき、一方の開先壁32RとビームスポットBSとの間隔が一方の開先壁32Rと一方の折り返し点57Rとの間隔よりも大きいため、プラズマが、発光しながら、一方の開先壁32RとビームスポットBSとの間を、一方の開先壁32Rに沿って溶接ラインWLの長手方向前方Fへ流れる。このような現象により、図6(a)に示すように、ビームスポットBSから一方の開先壁32Rに沿って長手方向前方Fへ伝わるプラズマ光60が発生し、撮像装置21で開先溶接部16のビームスポットBSとプラズマ光60とを含む領域を撮像する。
【0037】
そして、前述したように、画像処理・判断部51において、撮影された画像から光度の平均値f(i)を求め、図6(b)に示すように、溶接ラインWLに沿う画素列のうち、光度の大きい画素列をプラズマ光60と判断し、プラズマ光60の溶接ラインWLの外側で隣接する画素列の光度の勾配が大きい画素列R(i)を溶接開先部16の一方の開先壁32Rの位置と判断する(S−4)。
【0038】
その後、前記S−2〜S−4と同様に、ビームスポットBSが反対側の他方の開先壁32Lを通過して折り返した場合、折り返し点57LとビームスポットBSとの振幅方向における距離AがレーザビームLBの振幅Eの7%〜15%の範囲内に含まれているかを以下のように判断する。すなわち、この判断はアドレスカウンタ設定値とL側シャッター設定値とが一致しているか否かに基づいて行われ、アドレスカウンタ設定値とL側シャッター設定値とが一致すれば、前記距離Aが前記振幅Eの7%〜15%の範囲内に含まれていると判断し、開先溶接部16を撮像装置21で撮像する。
【0039】
このとき、他方の開先壁32LとビームスポットBSとの間隔が他方の開先壁32Lと他方の折り返し点57Lとの間隔よりも大きいため、プラズマが、発光しながら、他方の開先壁32LとビームスポットBSとの間を、他方の開先壁32Lに沿って溶接ラインWLの長手方向前方Fへ流れる。このような現象により、図7(a)に示すように、ビームスポットBSから他方の開先壁32Lに沿って長手方向前方Fへ伝わるプラズマ光60が発生し、撮像装置21で開先溶接部16のビームスポットBSの光とプラズマ光60とを含む領域を撮像する。
【0040】
そして、画像処理・判断部51において、撮影された画像から光度の平均値f(i)を求め、図7(b)に示すように、溶接ラインWLに沿う画素列のうち、光度の大きい画素列をプラズマ光60と判断し、プラズマ光60の溶接ラインWLの外側で隣接する画素列の光度の勾配が大きい画素列L(i)を溶接開先部16の他方の開先壁32Lの位置と判断する。
【0041】
このようにして検出された一方の開先壁32Rの位置と他方の開先壁32Lの位置とに基づいて開先溶接部16の開先幅Wと開先中心Cとを求め、求められた開先幅Wおよび開先中心Cに応じてレーザビームLBの振幅Eを補正し、補正された振幅EでビームスポットBSを揺動させて順次前記S−2〜S−5を繰り返しながら、開先溶接部16を溶接する。
【0042】
これにより、両開先壁32R,32Lの位置を高精度で検出することができ、検出された両開先壁32R,32Lの位置に基づいて、開先幅Wと開先中心Cとを精度良く検出することができるため、加工の誤差や熱の影響等によって実際の開先幅Wの値が僅かに変化しても、検出された開先幅Wに基づいてウイービング駆動装置17を制御することにより、レーザビームLBの振幅Eを開先幅Wの変化に応じて精度良く補正(調整)することができる。
【0043】
尚、図6は、一方の折り返し点57Rとこの折り返し点57Rを通過したビームスポットBSとの振幅方向における距離A(図5参照)がレーザビームLBの振幅Eの約12.5%の値になったときの開先溶接部16の画像であり、プラズマ光60が鮮明に写し出されている。
【0044】
これに対して、参考例として、図9は、前記距離Aが0の場合すなわちビームスポットBSが一方の折り返し点57Rに移動したときの開先溶接部16の画像であり、プラズマ光60の発生は明確には認められず、このため、プラズマ光60に基づいて一方の開先壁32Rの位置を高精度で検出することは困難である。
【0045】
また、別の参考例として、図10は、前記距離AがレーザビームLBの振幅Eの約25%の値になったときの開先溶接部16の画像であり、この場合においてもプラズマ光60の発生はほとんど認められず、このため、プラズマ光60に基づいて一方の開先壁32Rの位置を高精度で検出することは困難である。
【0046】
尚、図6図7図9図10に示した画像に関する溶接条件は、レーザ出力:6000W、溶接速度:200mm/秒、レーザ光揺動周波数:20Hzであり、撮影条件は、使用カメラ:Photonfocus製 MV1-D1312-160-CL(モノクロCMOSカメラ)、撮影速度:13.3frames/秒、露光時間:0.2ms、外部照明は無しである。
【0047】
さらに、図11図21は、前記距離A(図5参照)がレーザビームLBの振幅Eの5.9%〜17.7%の値になったときの開先溶接部16の画像である。これによると、図13図18に示す画像は、前記距離AがレーザビームLBの振幅Eの7.1%、7.8%、8.5%、9.2%、13.1%、14.9%の値である場合であり、一方の開先壁32Rに沿ってプラズマ光60が発生しているのが認められる。これに対して、残りの図11図12図19図21に示す画像は、前記距離AがレーザビームLBの振幅Eの5.9%、6.5%、15.8%、16.7%、17.7%の値である場合であり、プラズマ光60の発生が認められない。このようなことから、前記距離AがレーザビームLBの振幅Eの7%〜15%の範囲内に含まれている場合、プラズマ光60が発生していると考えられる。
【0048】
尚、図11図21に示した画像に関する溶接条件は、レーザ出力:6000W、溶接速度:150mm/秒、レーザ光揺動周波数:20Hzであり、撮影条件は、使用カメラ:ナックイメージテクノロジー社GX−8(ハイスピードカメラ)、撮影速度:5000frames/秒、外部照明:40W半導体レーザ(波長940nm)であり、撮影時に940nm付近を透過波長とするバンドパスフィルタを使用した。
【0049】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図22図25に基づいて説明する。
先に説明した第1の実施の形態では、図6図7に示すように、画像処理・判断部51は、ビームスポットBSとプラズマ光60との撮像画像に基づいて開先壁32R,32Lの位置を判断しているが、第2の実施の形態では、図22図23に示すように、画像処理・判断部51は、ビームスポットBSよりも長手方向前方Fで且つビームスポットBSを含まないがプラズマ光60を含む画像領域63を選択し、この画像領域63の画像に基づいて、第1の実施の形態と同様に、光度の勾配から開先溶接部16の開先壁32R,32Lの位置を判断する。尚、画像領域63は図22図23に示した白線で囲まれた長方形の領域である。
【0050】
これによると、第1の実施の形態のものと同様な効果が得られ、特に、図22(a),図23(a)に示すように画像領域63はビームスポットBSを含んでいないため、図22(b),図23(b)に示すように、画像領域63の画像から得られる光度のグラフは、ビームスポットBSの光度がほとんど含まれず、大部分がプラズマ光60のみの光度になるため、開先壁32R,32Lの位置を高精度で判断することができる。
【0051】
また、何らかの外的要因等によって万一、ビームスポットBSが一方の開先壁32Rから外側へはみ出した場合であっても、一方の開先壁32Rに沿ってプラズマ光60が発生していれば、ビームスポットBSの光の影響を除外し、画像領域63内のプラズマ光60の光度の勾配に基づいて、一方の開先壁32Rの位置を高精度で判断することができる。また、他方の開先壁32Lの位置についても同様に高精度で判断することができる。
【0052】
尚、第1の実施の形態では、ビームスポットBSとプラズマ光60との両者の光度の勾配に基づいて、一方の開先壁32Rの位置を検出しているため、何らかの外的要因等によってビームスポットBSが一方の開先壁32Rから外側へはみ出した場合、光度の勾配が大きくなる画素位置が実際の一方の開先壁32Rの位置よりも外側にずれてしまうことがあり、一方の開先壁32Rの位置の検出精度が低下する虞がある。尚、このことは他方の開先壁32Lの位置を検出する場合についても同様である。
【0053】
図22は、一方の折り返し点57Rとこの折り返し点57Rを通過したビームスポットBSとの振幅方向における距離A(図5参照)がレーザビームLBの振幅Eの約12.5%の値になったときの開先溶接部16の画像であり、画像領域63内にプラズマ光60が鮮明に写し出されている。
【0054】
これに対して、参考例として、図24は、前記距離Aが0の場合すなわちビームスポットBSが一方の折り返し点57Rに移動したときの開先溶接部16の画像であり、画像領域63内においてプラズマ光60は明確には認められない。
【0055】
また、別の参考例として、図25は、前記距離AがレーザビームLBの振幅Eの約25%の値になったときの開先溶接部16の画像であり、この場合も画像領域63内においてプラズマ光60の発生は明確には認められない。
【0056】
尚、図22図25に示した画像に関する溶接条件は、レーザ出力:6000W、溶接速度:200mm/秒、レーザ光揺動周波数:20Hzであり、撮影条件は、使用カメラ:Photonfocus製 MV1-D1312-160-CL(モノクロCMOSカメラ)、撮影速度:13.3frames/秒、露光時間:0.2ms、外部照明は無しである。
【0057】
前記各実施の形態では、図5に示すように、ビームスポットBSが折り返し点57R,57Lを通過した後、折り返し点57RとビームスポットBSとの距離Aを指標とし、この距離AがレーザビームLBの振幅Eの7%〜15%の範囲内に含まれている場合、開先溶接部16を撮像装置21で撮像しているが、距離Aの代りに時間を指標とし、ビームスポットBSが折り返し点57R,57Lを通過してから所定時間が経過した時に開先溶接部16を撮像装置21で撮像してもよい。
【0058】
尚、画像に関する溶接条件および撮影条件については、前記各実施の形態に記載した具体例に限らず、レーザ溶接装置や撮像装置21の性能等に応じて、プラズマ光60を鮮明に撮像することができる最適な溶接条件および撮影条件を適宜選択すればよい。また、図5に示した距離AがレーザビームLBの振幅Eの7%〜15%の範囲内に含まれる場合に撮像するという条件は、実施の形態1および実施の形態2に示した溶接条件および撮影条件において、開先壁32R,32Lに沿って伸びるプラズマ光60を鮮明に撮像したものであり、他の溶接条件および撮影条件においてプラズマ光60を鮮明に撮像することができるのであれば、距離AがレーザビームLBの振幅Eの7%〜15%の範囲内に含まれていない場合や、ビームスポットBSがウイービング波形の山部又は谷部の近傍位置にある時点であっても、開先溶接部16のプラズマ光60を撮像して、その画像から開先溶接部16の開先壁32R,32Lの位置を判断して開先幅Wおよび開先中心Cを求めることもできる。
【0059】
また、前記各実施の形態では、図1に示すように、撮像装置21を用いて、レーザビームLBの光軸Ovから開先溶接部16の画像を撮像しているが、開先溶接部16が観察可能であれば、光軸Ov以外から撮像することも可能である。
【0060】
また、前記各実施の形態では、図5に示すように、ビームスポットBSを、溶接ラインに直交する方向に山部と谷部を有する波形状にウイービングさせているが、例えば、円を描きながら前方Fに移動させるウイービングや、或いは、∞記号を描きながら前方Fに移動させるウイービングであっても、適宜撮像の条件を設定することで監視可能である。
【0061】
また、撮像装置21による画像は、レーザ溶接時に発生する可視光から近赤外領域程度の波長の範囲で、溶接条件に応じて適宜選択すればよく、偏向フィルターなどのフィルターを通して撮像することもできる。
【符号の説明】
【0062】
14 反射ミラー(ウイービング用ミラー)
16 開先溶接部
17 ウイービング用駆動装置
21 撮像装置
32R,32L 開先壁
41 制御装置
42 操作出力部
51 画像処理・判断部
57R,57L 折り返し点
60 プラズマ光
63 画像領域
BS ビームスポット
C 開先中心
E レーザビームの振幅
LB レーザビーム
Oh,Ov 光軸
W 開先幅
WL 溶接ライン
図1
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