(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る施設監視装置1の構成図である。
図1に示すように、施設監視装置1は、カレンダー情報取得部11と、パルス情報取得部12と、使用量算出部13と、使用量記録部14と、閾値算出部15と、警報出力判定部16と、日付判定部17と、使用量合計数判定部18とを備える。
【0010】
カレンダー情報取得部11は、カレンダー情報を取得する。カレンダー情報とは、カレンダーの平日、休日を特定するための情報を含む、日付に関する情報である。
例えば、施設内の室内にいる人の在室人数によっては、当該室内の電力量や水の流量などの使用量が変わってくる。この実施の形態1では、在室人数を、平日か休日かに因るところが大きいとし、平日、休日を区別することで、実際の施設内の設備の使用状況に応じた、施設内の各機器の使用量に関する警報出力を行うようにするものである。そのために、カレンダー情報取得部11は、カレンダー情報を取得する。なお、カレンダー情報を用いた警報出力の動作については後述する。
また、カレンダー情報は、予め施設監視装置1内に記憶されているものとしてもよいし、外部の装置などから取得するようにしてもよい。
なお、カレンダー情報には、平日と休日とを特定するための区分だけではなく、平日であっても普段の平日とは異なる特異日(例えば、飛び石連休の間の平日など)を設け、当該特異日を特定するための区分を有するようにしてもよい。
【0011】
パルス情報取得部12は、施設内に設置された機器に関する状況情報を、時刻情報とともに取得する。なお、この実施の形態1においては、施設内に設置された機器に関する状況情報を、設備に設置されたメータなどの機器各々から出力されるパルス数とする。この、パルス情報取得部12が各機器から取得する、時刻情報とパルス数とを、ここでは、パルス情報という。
なお、各機器からは、予め決められたパルス重み(1パルスあたりの施設内の各機器の使用量)に応じて、パルスが出力される。
【0012】
使用量算出部13は、パルス情報取得部12が取得した、例えば、1時間単位など、単位期間あたりのパルス数ごとに重みを乗じて、単位期間あたりの使用量を算出する。使用量算出部13は、算出した使用量を、その都度、使用量記録部14に記録させる。すなわち、例えば、1時間単位で使用量を算出する場合、1時間ごとに、算出した使用量を使用量記録部14に記録させる。この設定された単位期間(例えば1時間単位)を1回とし、使用量を算出する都度、2回分、3回分・・・と、使用量が使用量記録部14に記録されることになる。
使用量については、例えば、8:00から継続的に積算されたパルス数を監視しているものとし、8:00−9:00の積算パルスとして9:00に取得した値が2、8:00−10:00の積算パルスとして10:00に取得した値が6であったとすると、9:00−10:00の積算パルスは6−2=4と求められ、それぞれの積算パルスに重みをかけると、8:00−9:00の使用量は200m
3、9:00−10:00の使用量は400m
3と計算できることとなる。なお、単位期間は、1時間単位に限らず、適宜設定可能である。
なお、この実施の形態1においては、使用量算出部13は、パルス情報取得部12が取得したパルス数にパルスの重みを乗算して単位期間の使用量を算出するものとするが、これに限らず、使用量算出部13は、パルス情報取得部12が取得したパルス数から算出される単位期間の積算パルス数を使用量とするようにしてもよい。
【0013】
使用量記録部14は、メモリなどによって構成され、使用量算出部13が算出した使用量を記録する。なお、当該使用量は、使用量記録部14において、使用量情報一覧表(詳細は後述する)に記録される。使用量記録部14は、メモリに限らず、HDD、DVDによって構成されるようにしてもよい。なお、使用量記録部14は、施設監視装置1が備えるようにしてもよいし、施設監視装置1の外部に備えるようにしてもよい。
閾値算出部15は、使用量算出部13が算出し、使用量記録部14が記録している複数回(n回:nは1以上の整数)の使用量を使用量記録部14から読み出し、読み出した使用量の平均値を算出し、算出した平均値に予め設定された係数を乗じて、警報出力要否の判定をするための上限値としての閾値、および、下限値としての閾値を算出する。ここで乗じる係数は、上限値としての閾値を算出するための係数と下限値としての閾値を算出するための係数とでそれぞれ異なるものとする。
なお、複数回の使用量の回数は予め決められている。すなわち、使用量記録部14から予め決められた数の使用量を読み出すものとする。
【0014】
警報出力判定部16は、閾値算出部15が算出した閾値と、使用量算出部13が算出した使用量とを比較して警報出力要否を判定するものであり、使用量算出部13が算出した使用量が上限値としての閾値を超えたと判断した場合、あるいは、使用量算出部13が算出した使用量が下限値としての閾値を下回ったと判断した場合に、出力部(図示を省略する)から警報を出力させる。
【0015】
日付判定部17は、カレンダー情報取得部11からカレンダー情報を取得し、取得したカレンダー情報に基づき、現在の日付、すなわち、使用量算出部13が使用量を算出した最新の日は平日か休日かなどを判定する。
使用量合計数判定部18は、日付判定部17からカレンダー情報の判定結果を受け取り、使用量記録部14を参照して、カレンダー情報の判定結果に対応する使用量について、予め設定された条件を満たす回数の使用量が使用量記録部14に記録されているかどうかを判定する。
【0016】
この実施の形態1に係る施設監視装置1の動作について説明する。
図2は、この発明の実施の形態1に係る施設監視装置1の動作を説明するフローチャートである。
ここでは、予め設定された単位期間を1日とし、1日ごとに警報出力判定を行う場合を例に、
図2に沿って以下説明する。
なお、施設監視装置1においては、1日の施設内の各機器の使用量について、警報出力要否の判定をするための上限値、下限値として、それぞれ、
図2の動作により閾値を設定し、1日の施設内の各機器の使用量が上限値としての閾値を超えた、または、下限値としての閾値を下回った場合に、警報出力を行う。
【0017】
カレンダー情報取得部11は、カレンダー情報を取得する(ステップST201)。カレンダー情報とは、例えば、平日(月曜−金曜)、祝日を含む休日を2区分に区分した曜日区分、および、日付の情報を含む情報である。なお、平日であっても、例えば、飛び石連休の間の平日や、休日であっても、何かのイベントがある場合の休日を特異日とし、カレンダー情報取得部11は、カレンダー情報の曜日区分や日付の情報に基づき、特異日が設定された平日は休日扱いとして、休日の曜日区分に更新し、施設監視装置1で管理する曜日区分としたり、特異日に設定された休日を平日扱いとして、平日の曜日区分に更新し、施設監視装置1で管理する曜日区分とするなどすることができる。
また、カレンダー情報取得部11は、カレンダー情報の曜日区分や日付情報の情報に基づき、特異日を設定した場合には、平日、休日の2区分の他に、特異日の曜日区分を設定するようにすることもできる。さらに、カレンダー情報取得部11は、特異日の曜日区分には、例えば、平日を休日扱いとして特異日に設定されたのか、休日を平日扱いとして特異日に設定されたのかが分かるように、別の区分を付与するようにするなど、取得したカレンダー情報から、施設監視装置1で管理する曜日区分を詳細に区分分けして設定することもできるものとする。
また、ここでは、カレンダー情報取得部11が取得するカレンダー情報には、すでに平日、休日を2区分に区分した情報が含まれているものとしたが、これに限らず、カレンダー情報取得部11が取得するカレンダー情報に当該区分が含まれていない場合には、日付や曜日の情報に基づき、カレンダー情報取得部11が、平日、休日の区分を設定し、カレンダー情報に含まれるようにすることもできる。
【0018】
パルス情報取得部12は、設備に設置されたメータなどの機器から出力されるパルス情報を取得する(ステップST202)。なお、パルス情報には、時刻情報とパルス数とを含む。また、ここでは、パルス情報取得部12は、パルス情報を、常時、各機器から取得するものとする。
【0019】
使用量算出部13は、ステップST202においてパルス情報取得部12が取得したパルス情報を一時的に保存する(ステップST203)。当該パルス情報は、使用量算出部13が内部に保持しているメモリに保存されるものとしてもよいし、使用量記録部14に一時的に保存されるようにしてもよいし、その他別の記憶媒体に一時的に保存されるようにしてもよい。
【0020】
使用量算出部13は、パルス情報の取得を開始してから、あるいは、前回使用量を算出してから、所定の単位期間が経過したかどうかを判定する(ステップST204)。具体的には、ここでは、使用量算出部13は、ステップST203で一時保存したパルス情報が1日分蓄積されたかどうかを判定する。なお、1日分であるかどうかは、例えば、パルス情報の時刻情報を参照し、日付が変わったことなどから判断するようにすればよい。例えば、前回、11月1日の分の使用量を算出済みであるとすると、使用量算出部13は、パルス情報取得部12から取得した、施設内のある機器のパルス情報に付与された時刻情報を監視し、時刻情報の示す日付が11月1日から11月2日になった場合に、1日経過した、すなわち、一時保存したパルス情報が1日分蓄積されたと判断する。
【0021】
ステップST204において、パルス情報の取得を開始してから、あるいは、前回使用量を算出してから、所定の単位期間が経過していないと判断した場合(ステップST204の“NO”の場合)、すなわち、ステップST203で一時保存したパルス情報が1日分蓄積されていないと判断した場合、ステップST202に戻る。
【0022】
ステップST204において、パルス情報の取得を開始してから、あるいは、前回使用量を算出してから、所定の単位期間が経過したと判断した場合(ステップST204の“YES”の場合)、すなわち、ステップST203で一時保存したパルス情報が1日分蓄積されたと判断した場合、使用量算出部13は、ステップST202でパルス情報を取得した施設内の機器の使用量を算出する(ステップST205)。具体的には、使用量算出部13は、ステップST202,203で、パルス情報取得部12を介して各機器から取得し、一時的に保存したパルス情報のパルス数ごとに重みを乗じて、該当の機器の使用量を算出する。
【0023】
使用量算出部13は、ステップST205で算出した施設内の機器の使用量を使用量記録部14に記録する(ステップST206)。
【0024】
ここで、
図3は、使用量記録部14で記録する使用量情報一覧表の内容の一例を説明する図である。
使用量記録部14は、
図3に示すような、使用量情報一覧表で使用量の情報を記録しており、使用量情報一覧表には、使用量を算出した単位期間、単位期間を表わす日時、使用量、曜日区分(例えば、0:日祝日、1:平日、2:特異日。平日であっても休日としたい日と、休日であっても平日としたい日をそれぞれ設定する場合には、特異日区分を区別するようにしてもよい)、特異点表示が記録されている。
【0025】
単位期間には、所定の単位期間、すなわち、ここでは、「1日」が編集される。また、日時には、ステップST202で取得したパルス情報に基づき、使用量を算出した対象の単位、すなわち、ここでは「1日」の日付が編集される。また、使用量には、ステップST205で算出した使用量が編集される。また、曜日区分には、ステップST201で取得したカレンダー情報に基づき、日祝日か、平日か、特異日かを示す区分が編集される。また、特異点表示には、単位期間、すなわち、ここでは1日の使用量が閾値を超える、あるいは、閾値未満であったとして警報出力対象となった場合に、「1」が編集される。なお、初期値は「0」とする。
【0026】
なお、
図3に示す内容は一例であり、これに限らず、さらに
図3に示す項目以外の項目を使用量記録部14で記録するようにしてもよく、警報出力要否の判定に必要となる項目が含まれていれば、記憶する内容は適宜設定可能である。
このステップST206では、ステップST201で取得したカレンダー情報や、ステップST202で取得した日時の情報、ステップST205で算出した使用量に基づき、
図3に示す使用量情報一覧表に、単位期間ごとに新たに算出した使用量など、
図3に示すような項目を追加していく。
【0027】
日付判定部17は、ステップST206で使用量記録部14の使用量情報一覧表に追加した該当の日、すなわち、使用量算出部13が使用量を算出した最新の日(以下、当日とする)は、平日であるかどうかを判定する(ステップST207)。なお、平日であるかどうかは、使用量情報一覧表の曜日区分を参照すればよい。
【0028】
ステップST207において、当日は、平日であると判断された場合(ステップST207の“YES”の場合)、使用量合計数判定部18は、使用量記録部14を参照し、当日から遡って平日の日数の合計を計算し、予め設定された日数以上であるかどうかを判断する(ステップST208)。具体的には、例えば、ここでは、5日という日数が予め設定されていたとすると、使用量合計数判定部18は、当日から遡った、当日を除く過去の平日5日分の使用量が、使用量情報一覧表に存在するかどうかを判断する。なお、この時、使用量情報一覧表の曜日区分が平日であっても、特異点表示が「1」となっている場合は、当日から遡った日数の合計の計算の対象外とする。特異点表示には、過去に当該日の使用量が警報出力対象となった場合に「1」が編集されており(具体的な処理については後述する)、特異点表示「1」の使用量を含めると、当日の使用量に対する正確な警報出力判定ができなくなるためである。
【0029】
ステップST208において、当日から遡った当日を除く平日の日数の合計が予め設定された日数以上ではない場合(ステップST208の“NO”の場合)、つまり、ここでは、当日を除く、過去に使用量が記録された平日の日数が5日分に満たない場合、ステップST202へ戻る。
【0030】
ステップST208において、当日から遡った当日を除く平日の日数の合計が予め設定された日数以上だった場合(ステップST208の“YES”の場合)、つまり、当日を除く、過去に使用量が記録された平日の日数が5日分を満たした場合、閾値算出部15は、使用量記録部14に記録している指定日数分(ここでは平日5日分)の使用量を日時ごとにそれぞれ読み出し、読み出した使用量の平均値を算出し、算出した平均値に予め定められた係数をかけて、1日の施設内の各機器の使用量について、警報出力要否の判定をするための上限値、下限値として、平日に関する上限の閾値、および、下限の閾値を算出する(ステップST209)。なお、上限値、下限値、それぞれに対して異なる係数が決められており、また、平日、休日でも異なるように予め設定されている。
【0031】
警報出力判定部16は、ステップST209で閾値算出部15が算出した閾値と、ステップST205で使用量算出部13が算出した当日の使用量とを比較し(ステップST210)、当日の使用量が上限の閾値よりも大きい、または、当日の使用量が下限の閾値よりも小さい場合(ステップST210の“YES”の場合)、当日の使用量のデータは警報出力対象であるとして、使用量情報一覧表の当日の特異点表示に「1」を編集する(ステップST211)。
【0032】
そして、警報出力判定部16は、出力部から警報を出力させる(ステップST212)。なお、出力部とは、スピーカやモニタなど、警報出力機能を備えたものである。また、警報の出力は、スピーカなどから警報音を出力するようにしてもよいし、モニタなどから文字情報を出力してもよいし、光の点滅等を行わせるようにしてもよい。その他、警報出力の方法については適宜設定可能とする。
その後、ステップST201へ戻る。
【0033】
一方、ステップST207において、当日は、平日ではないと判断された場合(ステップST207の“YES”の場合)、すなわち、当日は、休日(日祝日、または、例えば、休日扱いとする特異日に設定した平日など)であると判断された場合、使用量合計数判定部18は、使用量記録部14を参照し、当日から遡って当日を除く休日の日数の合計を計算し、予め設定された日数以上であるかどうかを判断する(ステップST213)。具体的には、例えば、ここでは、5日という日数が予め設定されていたとすると、使用量合計数判定部18は、当日から遡った、当日を除く、過去の休日5日分の使用量が、使用量情報一覧表に存在するかどうかを判断する。なお、この時、使用量情報一覧表の曜日区分が休日であっても、特異点表示が「1」となっている場合は、当日から遡った、当日を除く過去の休日の日数の合計の計算の対象外とする。平日の場合同様、特異点表示「1」の使用量を含めると、当日の使用量に対する正確な警報出力判定ができなくなるためである。
【0034】
ステップST213において、当日から遡った、当日を除く休日の日数の合計が予め設定された日数以上ではない場合(ステップST213の“NO”の場合)、つまり、ここでは、当日を除く、過去に使用量が記録された休日の日数が5日分に満たない場合、ステップST202へ戻る。
【0035】
ステップST213において、当日から遡った、当日を除く休日の日数の合計が予め設定された日数以上だった場合(ステップST213の“YES”の場合)、つまり、当日を除く、過去に使用量が記録された休日の日数が5日分を満たした場合、閾値算出部15は、使用量記録部14に記憶している指定日数分(ここでは休日5日分)の使用量を日時ごとにそれぞれ読み出し、読み出した使用量の平均値を算出し、算出した平均値に予め定められた係数をかけて、1日の施設内の各機器の使用量について、警報出力要否の判定をするための上限値、下限値として、休日に関する上限の閾値、および、下限の閾値を算出する(ステップST209)。なお、上限値、下限値、それぞれに対して異なる係数が決められており、また、平日、休日でも異なるように予め設定されている。
その後、ステップST210へ進む。以降の処理については説明済みであるため、重複した説明を省略する。
【0036】
なお、ここでは、休日であっても警報出力対象とし、当日の使用量が上限の閾値より大きいか、下限の閾値より小さくなった場合に、警報を出力するようにしたが、休日は警報を出力しないようにしてもよい。
【0037】
以上のように、この実施の形態1によると、単位期間あたりの使用量の上限および下限の閾値を、記録している使用量から自動で算出するようにしたため、季節の変化や機器の劣化などの影響を少なくした閾値を算出することができ、機器側の異常の早期発見が行えるとともに、より的確に警報出力要否の判定を行うことができる。また、過去の使用量に基づき、警報出力を有効に運用でき、効率よく施設機器の管理を行うことができる。
【0038】
実施の形態2.
実施の形態1では、カレンダー情報をもとに、記録していた使用量のうち、特異点表示を除く平日、または、休日の使用量に基づき、警報出力判定のための閾値を設定するようにしていた。しかしながら、実施の形態1の場合は、カレンダー情報を取得しなければならず、また、記憶している使用量が特異点の使用量であるかどうかの情報を保持しておかなければならない。また、実施例の形態1で説明したように、当日が平日か休日かによって、上限の閾値および下限の閾値の算出を行うと、警報出力要否の判定は1日毎となる。従って、カレンダー情報を取得できない場合や、必要な情報がない場合には適用できない。
そこで、この実施の形態2では、カレンダー情報や特異点の情報を用いず、より細かいタイミングでの警報出力要否の判定を行う実施の形態について説明する。
【0039】
図4は、この発明の実施の形態2に係る施設監視装置2の構成図である。
図4に示すように、施設監視装置2は、パルス情報取得部22と、使用量算出部23と、使用量記録部24と、閾値算出部25と、警報出力判定部26と、対象データ抽出部27とを備える。
【0040】
パルス情報取得部22、使用量算出部23、使用量記録部24、閾値算出部25、および、警報出力判定部26は、それぞれ、実施の形態1において
図1を用いて説明した施設監視装置1のパルス情報取得部12、使用量算出部13、使用量記録部14、閾値算出部15、および、警報出力判定部16と同様の機能を有するものであるので、重複した説明を省略する。
この実施の形態2に係る施設監視装置2は、実施の形態1の施設監視装置1と比べ、カレンダー情報取得部11、日付判定部17、および、使用量合計数判定部18を備えず、対象データ抽出部27を備える点が異なる。
対象データ抽出部27は、閾値算出部15が閾値算出の対象とする使用量の情報を使用量記録部14から抽出する。
【0041】
この実施の形態2に係る施設監視装置2の動作について説明する。
図5は、この発明の実施の形態2に係る施設監視装置2の動作を説明するフローチャートである。
ここでは、予め設定された単位期間を1時間とし、1時間ごとに警報出力判定を行う場合を例に、
図5に沿って以下説明する。
【0042】
パルス情報取得部22は、設備に設置されたメータなどの機器から出力されるパルス情報を取得する(ステップST501)。具体的な動作は、実施の形態1で説明した
図2のステップST202と同じである。
【0043】
使用量算出部23は、ステップST501においてパルス情報取得部12が取得したパルス情報を一時的に保存する(ステップST502)。具体的な動作は、実施の形態1で説明した
図2のステップST203と同じである。
【0044】
使用量算出部23は、パルス情報の取得を開始してから、あるいは、前回使用量を算出してから、所定の単位期間が経過したかどうかを判定する(ステップST503)。具体的には、使用量算出部23は、ステップST502で一時保存したパルス情報が1時間分蓄積されたかどうかを判定する。なお、1時間分であるかどうかは、例えば、パルス情報の時刻情報を参照するなどして判断するようにすればよい。
ステップST503において、パルス情報の取得を開始してから、あるいは、前回使用量を算出してから、所定の単位期間が経過してないと判断した場合(ステップST503の“NO”の場合)、すなわち、ステップST502で一時保存したパルス情報が1時間分蓄積されていないと判断した場合、ステップST501に戻る。
【0045】
ステップST503において、パルス情報の取得を開始してから、あるいは、前回使用量を算出してから、所定の単位期間が経過したと判断した場合(ステップST503の“YES”の場合)、すなわち、ステップST502で一時保存したパルス情報が1時間分蓄積されたと判断した場合、使用量算出部23は、使用量を算出する(ステップST504)。具体的には、使用量算出部13は、ステップST501,502で、パルス情報取得部22を介して各機器から取得し、一時的に保存したパルス情報のパルス数ごとに重みを乗じて、該当の機器の使用量を算出する。
【0046】
使用量算出部23は、ステップST504で算出した使用量を使用量記録部24に記録する(ステップST505)。
ステップST503〜ステップST505の具体的な動作は、実施の形態1で説明した
図2のステップST204〜ステップST206と同じである。
【0047】
対象データ抽出部27は、閾値算出部25が閾値を算出するための対象となる使用量のデータを、使用量記録部24から抽出する(ステップST506)。
【0048】
図6は、実施の形態2において、対象データ抽出部27による
図5のステップST506の動作の詳細を説明するフローチャートである。
対象データ抽出部27は、使用量記録部24に、現在の使用量の、n回前に算出した使用量のデータが記録されているかどうかを判定する(ステップST601)。すなわち、ここでは、使用量記録部24に、現在の使用量のn時間前の使用量が記録されているかを判定する。なお、nの初期値は1とする。
【0049】
ステップST601において、n回前のデータが記録されていないと判断されると(ステップST601の“NO”の場合)、
図5のステップST501に戻る。
【0050】
ステップST601において、n回前のデータが記録されていると判断されると(ステップST601の“YES”の場合)、対象データ抽出部27は、現在設定されている上限値および下限値としての閾値と、n回前の使用量とを比較し、n回前に算出した使用量は特異点であるかどうかを判定する(ステップST602)。具体的には、対象データ抽出部27は、n回前に算出した使用量が、現在設定されている上限値としての閾値よりも大きい、または、現在設定されている下限値としての閾値よりも小さい場合、特異点であると判断する。なお、現在の上限値および下限値としての閾値は、前回算出した最新の上限値および下限値としての閾値のことを言うが、最初の処理であって前回算出した上限値および下限値としての閾値がない場合は、予め設定された上限値および下限値としての閾値を用いるものとする。
【0051】
ステップST602において、n回前に算出した使用量が特異点ではないと判断した場合(ステップST602の“NO”の場合)、すなわち、n回前に算出した使用量が、現在設定されている上限値としての閾値以下で、かつ、現在設定されている下限値としての閾値以上であった場合、対象データ抽出部27は、使用量記録部24からn回前に算出した当該使用量を抽出し、一時記憶する(ステップST603)。なお、一時記憶する場所は、使用量記録部24としてもよいし、対象データ抽出部27自身が保持するメモリ等としてもよいし、その他の媒体を使用するものであってもよい。
【0052】
そして、対象データ抽出部27は、使用量を判定する上限値および下限値としての閾値を算出するための、予め決められた使用量のデータ数mのカウントをインクリメントする(ステップST604)。実施の形態2において、使用量を判定する上限値および下限値としての閾値を算出するために必要とする使用量のデータ数は予め設定されており、この決められた設定数(例えば、ここでは設定数=5とする)の使用量のデータが存在する場合に、上限値および下限値としての閾値の算出を行う。すなわち、データ数m=5となった場合に、上限値および下限値としての閾値の算出を行う(詳細は後述する)。なお、mの初期値は0をする。
【0053】
ステップST602において、n回前に算出した使用量が特異点であると判断した場合(ステップST602の“YES”の場合)は、ステップST603,ステップST604をスキップしてステップST605へ進む。
【0054】
対象データ抽出部27は、mが設定数となったかどうかを判定する(ステップST605)。すなわち、対象データ抽出部27は、現在の使用量について警報出力要否を判定する、上限値および下限値としての閾値を算出するための、過去の使用量の数が揃っているかどうかを判断する。具体的には、ここでは、m=5となったかどうかを判定する。
【0055】
ステップST605において、mが設定数となっていないと判断した場合(ステップST605の“NO”の場合)、すなわち、m=5となっておらず、現在の使用量について警報出力要否を判定する、上限値および下限値としての閾値を算出するための、過去の使用量の数が揃っていないと判断した場合、対象データ抽出部27は、nをインクリメントし(ステップST608)、ステップST601へ戻る。
【0056】
ステップST605において、mが設定数となったと判断した場合(ステップST605の“YES”の場合)、すなわち、m=5となり、現在の使用量について警報出力要否を判定する、上限値および下限値としての閾値を算出するための、過去の使用量の数が揃ったと判断した場合、対象データ抽出部27は、nとmを初期化し(ステップST606)、ステップST603で一時記憶しておいたm個の使用量を、閾値算出対象データとして閾値算出部15に出力して(ステップST607)、
図6の処理を終える。すなわち、対象データ抽出部27は、使用量記録部24に記録されている過去の使用量のうち、特異点ではない、設定された数(ここでは5)の使用量を、閾値算出対象データとして出力する。
【0057】
図5のフローチャートに戻る。
ステップST506において、対象データ抽出部27が出力した閾値算出対象データを受信すると、閾値算出部25は、対象データ抽出部27が出力した指定数分(ここではm=5回分)の、過去に算出された使用量の平均値を算出し、算出した平均値に予め定められた係数をかけて、1時間分の施設内の各機器の使用量について、警報出力要否の判定をするための上限値、下限値として、休日に関する上限値としての閾値、および、下限値としての閾値を算出する(ステップST507)。なお、ここで算出した上限値および下限値としての閾値は、最新の上限値および下限値としての閾値として記憶しておく。
【0058】
警報出力判定部26は、ステップST507で閾値算出部25が算出した上限値および下限値としての閾値と、ステップST504で使用量算出部23が算出した現在の使用量、すなわち、使用量算出部23が算出した最新の使用量とを比較し(ステップST508)、現在の使用量が上限値としての閾値よりも大きい、または、現在の使用量が下限値としての閾値よりも小さい場合(ステップST508の“YES”の場合)、現在の使用量は警報出力対象であると判断する。
そして、警報出力判定部26は、出力部から警報を出力させる(ステップST509)。具体的な警報出力の方法は、実施の形態1において、
図2のステップST212で説明した方法と同様である。
【0059】
ステップST508において、警報出力判定部26は、ステップST507で閾値算出部25が算出した上限値および下限値としての閾値と、ステップST504で使用量算出部23が算出した現在の使用量、すなわち、使用量算出部23が算出した最新の使用量とを比較した結果、現在の使用量が上限値としての閾値以下、かつ、現在の使用量が下限値としての閾値以上であると判断した場合(ステップST508の“NO”の場合)、現在の使用量は正常であり、警報出力対象ではないと判断し、ステップST501へ戻る。
【0060】
以上のように、この実施の形態2によると、カレンダー情報や特異点の情報を取得できない場合であっても、単位期間あたりの使用量の上限値および下限値としての閾値を、記録している使用量より自動で算出するようにしたため、季節の変化や機器の劣化などの影響を少なくした、上限値および下限値としての閾値を算出することができ、機器側の異常の早期発見が行えるとともに、より的確に警報出力要否の判定を行うことができる。また、過去の使用量に基づき、警報出力を有効に運用でき、効率よく施設機器の管理を行うことができる。また、警報出力要否の判定のタイミングを細かく設定することができる。
ただし、実施の形態2においては、実施の形態1のように、休日、平日の区別を行っていないため、休日における少ない使用量が特異点と判断されない場合は、通常の運用でも警報が発生する可能性や、昼夜で使用量が異なる場合は、正常な警報出力ができない可能性がある。
【0061】
なお、実施の形態1,2においては、上限値としての閾値、下限値としての閾値を算出する際、それぞれ予め定められた係数をかけるようにしていたが、これに限らず、上限値および下限値としての閾値を決定するために、予め決められた数の使用量の平均値に乗算する割合を、統計的手法を用いて決定してもよい。すなわち、統計的手法を用いて、一定期間の発生頻度のばらつき具合に基づき閾値を自動で決定してもよい。これにより、一定の割合で増加される使用量に関しては少量のずれで異常を検知し、また、増加量が変動する使用量に関しては、ある程度の許容範囲をもって異常を検出するため、不要な警報の発生を抑えることができる。
なお、全履歴データを用いた正規分布からの検定で異常値を検出する場合は、季節変化や、運用の変化、設備の劣化を考慮できないため、直近の少ないサンプルでも異常が検出できるt分布を用いてもよい。
【0062】
また、実施の形態1,2において、正常な運用において警報が発生した場合には、警報とする上限、下限値としての閾値の幅を調整し、実際の運用に見合った上限値および下限値としての閾値に変更することを可能とする。
【0063】
なお、この発明の実施の形態1において、施設監視装置1は、
図1で示すような構成としたが、施設監視装置1は、使用量算出部13と、閾値算出部15と、警報出力判定部16とを備えることにより、上述したような効果が得られるものである。
また、実施の形態1における施設監視装置1の制御に用いられる各部は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行される。
【0064】
また、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。