(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0025】
また本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0026】
さらに、実施の形態で用いる図面においては、構造物を区別するために付したハッチング(網掛け)を図面に応じて省略する場合もある。
【0027】
(実施の形態1)
初めに、実施の形態1として、表示装置を、液晶表示装置に適用した例について説明する。
【0028】
<モジュール>
図1は、実施の形態1の表示装置を実装したモジュールの一例を示す平面図である。
【0029】
図1に示すように、表示装置1は、基板21を含むアレイ基板2と、基板31を含む対向基板3と、を有する。
【0030】
基板21は、表示領域Adと、額縁領域FLAと、を含む。表示領域Adは、基板21の主面としての上面21a(後述する
図2参照)側の領域であって、複数の画素Px(後述する
図4参照)が設けられている領域である。すなわち表示領域Adは、画像を表示する領域である。額縁領域FLAは、基板21の主面としての上面21a(後述する
図2参照)側の領域であって、表示領域Adよりも基板21の外周側の領域である。すなわち、額縁領域FLAは、画像を表示しない領域である。
【0031】
ここで、基板21の主面としての上面21a内で、互いに交差、好適には直交する2つの方向を、第1方向としてのX軸方向、及び、第2方向としてのY軸方向とする。
図1に示す例では、基板21は、平面視において、X軸方向にそれぞれ延在する2つの辺と、Y軸方向にそれぞれ延在する2つの辺とを備え、矩形形状を有する。そのため、
図1に示す例では、額縁領域FLAは、表示領域Adの周囲の枠状の領域である。
【0032】
なお、本願明細書では、「平面視において」とは、基板21の主面としての上面21a(後述する
図2参照)に垂直な方向から視た場合を意味する。また、以下では、基板21の主面としての上面21a上を、単に基板21上と称することがある。
【0033】
また、本願明細書における「X軸方向における正側」とは、図中のX軸方向を示す矢印が延びる側を示し、「X軸方向における負側」とは上記「正側」とは反対側を示す。Y軸方向における正側、負側も同様である。
【0034】
さらに、本願明細書において、特に断りがない限り、基板21に対して絶縁膜IFやトランジスタTrを積層する方向を「上」とし、上とは反対側の方向を「下」とする。
【0035】
基板21上には、COG(Chip On Glass)19が搭載されている。COG19は、基板21に実装されたIC(Integrated Circuit)チップであり、表示動作に必要な各回路を内蔵した制御装置である。
【0036】
基板21上には、ソースドライバ13が設けられている。ソースドライバ13は、COG19に内蔵されていてもよい。
【0037】
基板21上には、ゲートドライバ12としてのゲートドライバ12A及び12Bが設けられている。ゲートドライバ12A及び12Bは、額縁領域FLAに設けられている。
【0038】
ここで、額縁領域FLAのうち、表示領域Adに対して、Y軸方向における負側に配置された領域を、額縁領域FLA1とし、額縁領域FLAのうち、表示領域Adに対して、X軸方向における負側に配置された領域を、額縁領域FLA2とする。また、額縁領域FLAのうち、表示領域Adに対して、Y軸方向における正側に配置された領域を、額縁領域FLA3とし、額縁領域FLAのうち、表示領域Adに対して、X軸方向における正側に配置された領域を、額縁領域FLA4とする。
【0039】
このとき、ゲートドライバ12Aは、額縁領域FLA2に設けられ、ゲートドライバ12Bは、額縁領域FLA4に設けられている。また、ゲートドライバ12A及び12Bは、表示領域Adを挟むように設けられている。
図3を用いて後述するように、表示領域Adには、複数の副画素Sxからなる画素Pxが、マトリクス状(行列状)に多数配置されている。
【0040】
<表示装置>
次に、
図1及び
図2〜
図4を参照し、本実施の形態1の表示装置の構成例を詳細に説明する。
図2は、実施の形態1の表示装置を示す断面図である。
図3は、実施の形態1の表示装置を示す回路ブロック図である。
図4は、実施の形態1の表示装置を示す回路図である。
【0041】
図2に示すように、表示装置1(
図1参照)は、アレイ基板2と、対向基板3と、液晶層6と、を有する。対向基板3は、アレイ基板2の上面と、対向基板3の下面とが対向するように、アレイ基板2と対向配置されている。液晶層6は、アレイ基板2と対向基板3との間に設けられている。
【0042】
アレイ基板2は、絶縁性の基板21を有する。また、対向基板3は、絶縁性の基板31を有する。基板31は、上面と、上面と反対側の下面と、を有し、基板21の上面と基板31の下面とが対向するように基板21と対向した位置に配置されている。また、液晶層6は、基板21の上面と基板31の下面との間に挟まれている。なお、前述したように、基板21の上面を、上面21aと称する。また、基板31の下面を、下面31aと称する。
【0043】
また、
図3に示すように、アレイ基板2は、基板21上に、表示領域Adと、COG19と、ゲートドライバ12A及び12Bと、ソースドライバ13と、を有する。
【0044】
図3及び
図4に示すように、表示領域Adでは、副画素Sxが、マトリクス状(行列状)に配列されている。また、
図4に示すように、複数の異なる色の副画素Sxにより1個の画素Pxが形成されている。
【0045】
なお、本願明細書において、行とは、第1方向としてのX軸方向に配列される複数個の副画素Sxを有する画素行を意味する。また、列とは、行が配列される方向と交差、好適には直交する第2方向としてのY軸方向に配列される複数個の副画素Sxを有する画素列を意味する。
【0046】
図3に示すように、複数の走査線GLは、表示領域Adで、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に配列されている。複数の信号線SLは、表示領域Adで、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列されている。したがって、複数の信号線SLの各々は、平面視において、複数の走査線GLと交差する。このように、平面視において、互いに交差する複数の走査線GLと複数の信号線SLとの交点に、副画素Sxが配置されている。
【0047】
COG19には、アレイ基板2の外部から、マスタークロック、水平同期信号及び垂直同期信号が入力される。COG19は、COG19に入力されたマスタークロック、水平同期信号及び垂直同期信号に基づいて、垂直スタートパルスVST及び垂直クロックパルスVCKを生成して、ゲートドライバ12A及び12Bに供給する。
【0048】
ゲートドライバ12A及び12Bは、入力された垂直スタートパルスVST及び垂直クロックパルスVCKに基づく走査信号を順次出力して走査線GLに供給することによって、副画素Sxを行単位で順次選択する。走査信号は、画像に関連する第1信号であり、走査線GLは、走査信号が供給される第1信号線である。
【0049】
ソースドライバ13には、例えば赤、緑及び青の画像信号Vsigが与えられる。ソースドライバ13は、ゲートドライバ12A及び12Bによって選択された行の各副画素Sxに対して、1画素毎又は複数画素毎に、信号線SLを介して画素信号を供給する。
【0050】
図4に示すように、平面視において、複数の走査線GLの各々と複数の信号線SLの各々とが交差する交差部には、電界効果トランジスタとしての薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)からなるトランジスタTrが形成されている。したがって、表示領域Adで、基板21上には、複数のトランジスタTrが形成されており、これらの複数のトランジスタTrは、X軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配列されている。すなわち、複数の副画素Sxの各々には、トランジスタTrが設けられている。また、複数の副画素Sxの各々には、トランジスタTrに加え、画素電極22が設けられている。
【0051】
トランジスタTrは、例えばnチャネル型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)としての薄膜トランジスタからなる。トランジスタTrのゲート電極は、走査線GLに接続されている。トランジスタTrのソース電極又はドレイン電極の一方は、信号線SLに接続されているか、又は、信号線SLである。トランジスタTrのソース電極又はドレイン電極の他方は、画素電極22に接続されている。
【0052】
図2に示すように、アレイ基板2は、基板21と、共通電極COMと、絶縁膜IFと、複数の画素電極22とを有する。共通電極COMは、平面視において、表示領域Adの内部で、基板21の上面21aに、例えば一体的に設けられている。共通電極COMの表面を含めて基板21の上面21a上には、絶縁膜IFが形成されている。表示領域Adで、絶縁膜IF上には、複数の画素電極22が形成されている。したがって、絶縁膜IFは、共通電極COMと画素電極22とを、電気的に絶縁する。
【0053】
図4に示すように、複数の画素電極22は、平面視において、表示領域Adの内部で、X軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配列された複数の副画素Sxの各々の内部にそれぞれ形成されている。したがって、複数の画素電極22は、X軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配列されている。
【0054】
図2に示す例では、共通電極COMは、基板21と画素電極22との間に形成されている。また、共通電極COMは、平面視において、複数の画素電極22の各々と重なるように設けられており、走査線GLと重畳する。そして、複数の画素電極22の各々と共通電極COMとの間に電圧が印加され、複数の画素電極22の各々と共通電極COMとの間、すなわち複数の副画素Sxの各々に電界が形成される。これによって液晶層6中の液晶が配向して表示領域Adに画像が表示される。この際に共通電極COMと画素電極22との間には容量Capが形成され、容量Capは保持容量として機能する。
【0055】
なお、共通電極COMは、画素電極22よりも液晶層6側に形成されていてもよい。さらに、共通電極COMは、基板31に形成されていてもよい。また、
図2に示す例では、共通電極COMと画素電極22との配置が、共通電極COMと画素電極22とが平面視で重なる、横電界モードとしてのFFS(Fringe Field Switching)モードにおける配置となっている。しかし、共通電極COMと画素電極22との配置は、共通電極COMと画素電極22とが平面視で重ならない、横電界モードとしてのIPS(In Plane Switching)モードにおける配置でもよい。あるいは、共通電極COMと画素電極22との配置は、縦電界モードとしてのTN(Twisted Nematic)モード又はVA(Vertical Alignment)モード等における配置でもよい。
【0056】
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、前述のFFSモード、又は、IPSモード等の横電界モードに対応した液晶層が用いられる。なお、
図2に示す液晶層6とアレイ基板2との間、及び、液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が設けられていてもよい。
【0057】
ゲートドライバ12A及び12Bは、走査線GLを介して、副画素SxのトランジスタTrのゲートに走査信号を供給することにより、表示領域Adにマトリクス状に配置されている副画素Sxのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択する。ソースドライバ13は、信号線SLを介して、ゲートドライバ12A及び12Bにより順次選択された1水平ラインに含まれる各副画素Sxに、画素信号を供給する。画素信号は、画像に関連し走査信号とは異なる第2信号であり、信号線SLは、画素信号が供給される第2信号線である。そして、これらの副画素Sxでは、供給される画素信号に応じて、1水平ラインの表示動作が行われる。
【0058】
図2に示すように、対向基板3は、基板31と、カラーフィルタ32と、を有する。カラーフィルタ32は、基板31の下面に形成されている。
【0059】
カラーフィルタ32として、例えばR(赤)、G(緑)及びB(青)の3色に着色されたカラーフィルタがX軸方向に配列される。これにより、
図4に示すように、赤、緑及び青の3色の色領域32R、32G及び32Bの各々にそれぞれ対応した複数の副画素Sxが形成され、1組の色領域32R、32G及び32Bの各々にそれぞれ対応した複数の副画素Sxにより1個の画素Pxが形成される。赤、緑及び青の各色の副画素Sxは、赤、緑及び青の各色を表示する。
【0060】
カラーフィルタ32の色の組み合わせとして、赤、緑及び青以外の他の色を含む複数の色の組み合わせでもよい。また、1個の画素Pxが、カラーフィルタ32が設けられていない副画素Sx、すなわち白色を表示するW(白)の副画素Sxを含んでもよい。あるいは、COA(Color filter On Array)技術により、カラーフィルタがアレイ基板2に設けられていてもよい。
【0061】
なお、アレイ基板2よりも下方には、偏光板(図示は省略)が設けられていてもよく、対向基板3をよりも上方には、偏光板(図示は省略)が設けられていてもよい。
【0062】
<画素の構成>
次に、
図5〜
図7を参照し、画素の構成を詳細に説明する。
図5及び
図6は、実施の形態1の表示装置の画素の構成を示す平面図である。
図7は、実施の形態1の表示装置の画素の構成を示す断面図である。
図6は、
図5に示す4個の副画素Sxのうち1個の副画素Sxの構成を詳細に示す。
図7は、
図5のA−A線に沿った断面図である。
【0063】
前述したように、画素Pxは、赤、緑及び青の3色の各色を表示する3つの副画素Sxを含む。あるいは、前述したように、画素Pxが、赤、緑、青及び白の4色の各色を表示する4つの副画素Sxを含んでもよい。各色の副画素Sxは、基板21すなわちアレイ基板2に形成されている。なお、副画素Sxの内部の各電極の配置の詳細については、後述する。
【0064】
図5〜
図7に示すように、複数の副画素Sxの各々は、画素領域PAと、画素電極22と、台座電極23と、接続配線24と、トランジスタTrと、開口部OP2と、を有する。トランジスタTrは、ゲート電極GEとしての走査線GLと、ゲート絶縁膜GIとしての絶縁膜IF1と、半導体層SCと、ソース電極及びドレイン電極の一方としての信号線SLと、ソース電極及びドレイン電極の他方としての台座電極23と、を含む。
【0065】
図5に示す例では、赤の副画素Sxである副画素SxR、及び、青の副画素Sxである副画素SxBの各々は、第1画素である。赤の副画素SxR及び青の副画素SxBの各々は、第1画素領域としての画素領域PAと、第1画素電極としての画素電極22と、第1導電性電極としての台座電極23と、第1導電性配線としての接続配線24と、第1トランジスタとしてのトランジスタTrと、第1開口部としての開口部OP2と、を有する。
【0066】
図5に示す例では、緑の副画素Sxである副画素SxGは、第2画素である。緑の副画素SxGは、第2画素領域としての画素領域PAと、第2画素電極としての画素電極22と、第2導電性電極としての台座電極23と、第2導電性配線としての接続配線24と、第2トランジスタとしてのトランジスタTr(
図6参照)と、第2開口部としての開口部OP2(
図6参照)と、を有する。
【0067】
なお、
図5では図示を省略するが、赤、緑及び青の副画素Sxに加えて、白の副画素Sxが設けられる場合には、白の副画素Sxは、カラーフィルタが異なることを除いて、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBと同様にすることができる。すなわち、白の副画素Sxも、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBと同様に、第1画素である。なお、白の副画素のカラーフィルタは、形成されていなくても良く、白色又は透明のカラーフィルタでも良い。
【0068】
図5では、X軸方向に配列された、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBが示されている。また、緑の副画素SxGは、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBの配列の端部に配置された青の副画素SxBと隣り合っている。隣り合う赤の副画素SxR及び青の副画素SxBの間に、信号線SLが介在している。また、緑の副画素SxGと隣り合う青の副画素SxBと、赤の副画素SxRとの間に、信号線SLが介在している。
【0069】
なお、
図6に示すように、本願明細書では、ある副画素Sxに含まれる画素領域PAは、領域PA1と、領域PA2と、領域PA3と、を含むものとする。領域PA1は、隣り合う2本の走査線GLと、隣り合う2本の信号線SLとにより区画された領域である。領域PA2は、領域PA1で画像を表示するためのトランジスタTrを駆動する走査線GLが配置された領域であって、かつ、領域PA1と隣接した領域である。領域PA3は、領域PA1で画像を表示するためのトランジスタTrに含まれる半導体層SCが接続された信号線SLが配置された領域であって、かつ、領域PA1及びPA2と隣接した領域である。
【0070】
したがって、本願明細書では、画素領域PAのうち走査線GL側とは、当該画素領域PAに含まれる領域PA1のうち、当該領域PA1で画像を表示するためのトランジスタTrを駆動する走査線GLと隣り合う部分、及び、当該画素領域PAのうち領域PA2を意味する。また、画素領域PAのうち信号線SL側とは、当該画素領域PAに含まれる領域PA1のうち、当該領域PA1で画像を表示するためのトランジスタTrを駆動する信号線SLと隣り合う部分、及び、当該画素領域PAのうち領域PA3を意味する。
【0071】
各副画素Sxにおいて、トランジスタTrは、画素領域PAに設けられ、走査線GL及び信号線SLによって駆動される。各副画素Sxにおいて、画素電極22は、画素領域PAに設けられている。各副画素Sxにおいて、接続配線24は、トランジスタTrと画素電極22とを電気的に接続する。各副画素Sxにおいて、台座電極23は、接続配線24とトランジスタTrとの間に設けられている。絶縁膜IFは、各副画素Sxにおける画素電極22と、各副画素SxにおけるトランジスタTrとの間に設けられている。
【0072】
図7に示すように、アレイ基板2は、基板21を含む。基板21の上面21a上には走査線GLが形成されている。走査線GLは、各副画素Sxに、トランジスタTr(
図6参照)を駆動するための走査信号を供給する第1信号線である。走査線GLは、モリブデン(Mo)又はアルミニウム(Al)等の金属からなる。
【0073】
基板21の上面21a上には、走査線GLを覆うように、絶縁膜IF1が形成されている。絶縁膜IF1は、例えば窒化シリコン(SiN)又は酸化シリコン(SiO
2)等の無機系絶縁材料からなり、ゲート絶縁膜GIとしての絶縁膜である。
【0074】
絶縁膜IF1上には、半導体層SCが形成されている。半導体層SCは、例えば、低温ポリシリコン、アモルファスシリコンである。また、IZO(Indium Zinc Oxide)やIGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)等の亜鉛系酸化物に代表される透明酸化物半導体を利用しても良い。
【0075】
絶縁膜IF1上には、半導体層SCを覆うように、絶縁膜IF2が形成されている。絶縁膜IF2は、絶縁膜IF1と同様に、例えば窒化シリコン(SiN)又は酸化シリコン(SiO
2)等の無機系絶縁材料からなる。
【0076】
図5〜
図7に示すように、絶縁膜IF2には、絶縁膜IF2を貫通して半導体層SCに達する開口部OP1及び開口部OP2が形成されている。なお、
図7では開口部OP1の図示を省略する。
【0077】
開口部OP2の内部及び絶縁膜IF2上には、台座電極23が形成され、台座電極23は、開口部OP2を介して半導体層SCと電気的に接続されている。台座電極23は、アルミニウム(Al)等の金属からなる。
【0078】
なお、
図7では図示は省略するが、開口部OP1の内部及び絶縁膜IF2上には、開口部OP2の内部及び絶縁膜IF2上の台座電極23と同様に、信号線SLが形成され、信号線SLは、開口部OP1を介して半導体層SCと電気的に接続されている。信号線SLは、各画素に、画像を表示するための画素信号を供給する第2信号線である。信号線SLは、アルミニウム(Al)等の金属からなる。
【0079】
このように、半導体層SCと、信号線SLと、走査線GLとは、基板21の上面21aに垂直な方向において異なる層に形成されている。また、信号線SLと、台座電極23とは、基板21の上面21aに垂直な方向において同じ層に形成されている。
【0080】
走査線GLは、半導体層SCの一部と立体交差して、トランジスタTrのゲート電極GEとして機能する。本実施の形態1では、半導体層SCのうち互いに離れた2つの部分が走査線GLと立体交差しており、トランジスタTrは、nチャネルであるチャネルCH1と、nチャネルであるチャネルCH2とを備えるダブルゲートトランジスタである。すなわち、トランジスタTrは、チャネルCH1を備えたトランジスタTr1と、チャネルCH2を備えたトランジスタTr2と、からなる。
【0081】
したがって、チャネルCH1と、チャネルCH2とは、Y軸方向にそれぞれ延在し、X軸方向に互いに間隔を空けて配置され、かつ、直列に接続されている。このような構造により、トランジスタTrは、チャネルCH1と、チャネルCH2との間隔を狭くすることができる。このため、本実施の形態1では、互いに隣り合う2つの信号線SLの間を狭くし、画素ピッチを小さくし、表示装置に表示される画像を高精細にすることができる。
【0082】
信号線SLは、開口部OP1を介して半導体層SCと接続されており、例えばトランジスタTrのソース電極として機能する。また、台座電極23は、開口部OP2を介して半導体層SCと接続されており、例えばトランジスタTrのドレイン電極として機能する。あるいは、例えば信号線SLがトランジスタTrのドレイン電極として機能する場合、台座電極23はトランジスタTrのソース電極として機能する。
【0083】
図7に示す例では、半導体層SCが、基板21の上面21aに垂直な方向において、台座電極23と同じ層に形成された信号線SL(図示は省略)と、走査線GLと、の間に配置され、トランジスタTrは、ボトムゲート構造を有する。しかし、走査線GLが、基板21の上面21aに垂直な方向において、台座電極23と同じ層に形成された信号線SL(図示は省略)と、半導体層SCと、の間に配置され、トランジスタTrが、トップゲート構造を有してもよい。
【0084】
絶縁膜IF2上には、信号線SL及び台座電極23を覆うように、絶縁膜IF3が形成されている。絶縁膜IF3は、例えばアクリル樹脂などの有機系絶縁材料からなる。
【0085】
絶縁膜IF3上には、共通電極COMが形成されている。共通電極COMは、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料すなわち透明導電酸化物からなる透明電極である。
【0086】
台座電極23の上方に位置する部分の共通電極COMには、共通電極COMを貫通して絶縁膜IF3に達する開口部OP3が形成されている。開口部OP3に露出した部分の絶縁膜IF3には、絶縁膜IF3を貫通して台座電極23に達する開口部OP4が形成されている。
【0087】
開口部OP4の内部及び絶縁膜IF3上には、共通電極COMを覆うように、絶縁膜IF4が形成されている。絶縁膜IF4は、絶縁膜IF1と同様に、例えば窒化シリコン(SiN)又は酸化シリコン(SiO
2)等の無機系絶縁材料からなる。絶縁膜IF1、IF2、IF3及びIF4により、
図2に示した絶縁膜IFが形成されている。
【0088】
開口部OP4内に位置する部分の絶縁膜IF4には、絶縁膜IF4を貫通して、開口部OP4内に位置する部分の台座電極23に達する開口部OP5が形成されている。開口部OP5の内部及び絶縁膜IF4上には、接続配線24及び画素電極22が形成されている。接続配線24及び画素電極22は、ITO等の透明導電材料で形成される透明電極である。接続配線24及び画素電極22は、一体的に形成されている。したがって、接続配線24と画素電極22とは、電気的に接続されている。
【0089】
接続配線24は、開口部OP5を介して台座電極23と電気的に接続されている。すなわち、各副画素Sxにおいて、接続配線24と台座電極23とは、平面視において、開口部OP5内に設けられている。
【0090】
なお、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBにおいて絶縁膜IF4に形成された開口部OP5は、第1開口部であり、緑の副画素SxGにおいて絶縁膜IF4に形成された開口部OP5は、第2開口部である。
【0091】
また、絶縁膜IF4は、共通電極COMを覆うように形成され、画素電極22は、絶縁膜IF4上に形成されている。このような構造により、共通電極COMが、基板21と画素電極22の間に形成されていることになる。
【0092】
絶縁膜IF4上には、画素電極22を覆うように、例えばポリイミドからなる配向膜(図示は省略)が積層(形成)されている。この配向膜には、一定の方向にラビング処理が施されている。
【0093】
図7に示すように、対向基板3は、基板31を含む。基板31の一方の主面としての下面31aには、カラーフィルタ32が形成されている。カラーフィルタ32は、例えば、赤、緑及び青の3色に着色された色領域を含む。
【0094】
基板31の下面31aには、遮光膜LSが形成されている。遮光膜LSは、例えば樹脂又は金属からなり、遮光性を有し、ブラックマトリクスとも称される。遮光膜LSは、走査線GL及び信号線SLに対向する位置に形成されている。遮光膜LSは、平面視において、各副画素Sxにおける走査線GLと信号線SLと接続配線24と台座電極23と重畳している。一方、副画素Sxのうち、遮光膜LSに覆われていない部分の面積の占める割合が、開口率に相当する。なお、遮光膜LSの形状はマトリクス形状に限定されるわけではない。
【0095】
金属からなる走査線GL、信号線SL及び台座電極23による反射を防止するため、遮光膜LSは、走査線GL、信号線SL及び台座電極23を内包するように、設けられている。すなわち、遮光膜LSは、走査線GL、信号線SL及び台座電極23が、遮光膜LSが形成された領域内に配置されるように、設けられている。
【0096】
遮光膜LSの幅が細すぎると、遮光膜LSが走査線GL、信号線SL及び台座電極23を完全に遮光できず、遮光膜LSが走査線GL、信号線SL及び台座電極23による反射を防止することができない。また、遮光膜LSの幅が太すぎると、開口率が低下し、表示される画像の輝度が低下する。よって、製造工程における走査線GL、信号線SL、台座電極23及び遮光膜LSの平面形状精度によるマージンを考慮した上で、走査線GL、信号線SL及び台座電極23による反射を防止するために必要な最小限の幅を有する遮光膜LSを配置することにより、開口率を最大限に大きくする。
【0097】
一般に、人間の目は、緑の色領域の輝度を、赤の色領域及び青の色領域の輝度よりも認識しやすい。したがって、表示される画像全体の輝度向上のため、及びホワイトバランスを最適化するため、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBでは、緑の副画素SxGに比べ、遮光膜LSの幅を太くして開口率を低下させる。そのため、後述するように、遮光膜LSと赤の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅は、遮光膜LSと緑の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅よりも広く、遮光膜LSと青の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅は、遮光膜LSと緑の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅よりも広い。
【0098】
なお、赤、緑及び青の中において、人の目は青色が最も認識しがたい傾向にあるため、青色の副画素SxBを第2画素をとしても良い。
【0099】
図5及び
図7に示すように、基板31の下面31aには、遮光膜LS及びカラーフィルタ32を覆うように、スペーサSPが形成されている。
【0100】
スペーサSPは、基板21と基板31との間、すなわちアレイ基板2と対向基板3との間に設けられ、一方の基板に形成され、基板21と基板31との距離、すなわちアレイ基板2と対向基板3との距離を保ち、液晶層6を一定の厚みに保持する。スペーサSPは、例えばフォトレジスト等の透明樹脂材料からなる。そして、基板31の下面31aには、遮光膜LS、カラーフィルタ32及びスペーサSPを覆うように、例えばポリイミドからなる配向膜(図示は省略)が形成されている。
【0101】
アレイ基板2と対向基板3とは、すなわち基板21と基板31とは、スペーサSPを介して、互いに対向するように配置、すなわち対向配置されている。また、図示は省略するが、アレイ基板2の外周部と、対向基板3の外周部との間には、シール材が設けられている。そして、対向配置されたアレイ基板2と対向基板3との間には、液晶層6が充填されている。
【0102】
スペーサSPは、全ての副画素Sxに設けられていなくてもよく、例えば、走査線GLの延在方向であるX軸方向に沿って配列された6つの副画素Sxごとに1つのスペーサSPが設けられていてもよい。
【0103】
図5に示す例では、スペーサSPは、平面視において、青の副画素SxB、及び、当該青の副画素SxBと隣り合う赤の副画素SxRと重なる。すなわちスペーサSPは、平面視において、隣り合う2つの第1画素としての青の副画素SxBと赤の副画素SxRとの間に介在している部分の信号線SLと重なる。
【0104】
遮光膜LSは、スペーサSPを内包するように、設けられている。すなわち、遮光膜LSは、スペーサSPが、遮光膜LSが形成された領域内に配置されるように、設けられている。
【0105】
スペーサSPの周辺に位置する部分の液晶層6は、スペーサSPから離れた部分の液晶層6に比べ、液晶分子の配向方向が乱れやすく、表示される画像に不良が発生するおそれがある。これは、例えば絶縁膜IF4上に画素電極22を覆うように形成された配向膜(図示は省略)にスペーサSPが接触することなどによる。そのため、スペーサSPの周辺に位置する部分の遮光膜LSの幅を、スペーサSPから離れた部分の遮光膜LSの幅よりも広くすることが望ましい。
【0106】
スペーサSPは、平面視において、隣り合う2つの第1画素としての赤の副画素SxR及び青の副画素SxBの各々に含まれる2つのトランジスタTrに接続された走査線GLと重なる。Y軸方向におけるスペーサSPの中心は、当該走査線GLに対して、Y軸方向における負側に配置されている。これにより、スペーサSPが、遮光膜LSが形成された領域内に配置されるように、スペーサSPを容易に配置することができる。
【0107】
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものである。液晶層6として、FFSモード又はIPSモード等の横電界モードに対応した液晶が用いられる。あるいは、液晶層6としては、例えば、TNモード、VAモード又はECB(Electrically Controlled Birefringence:電界制御複屈折)モード等の各種のモードに対応した液晶が用いられてもよい。
【0108】
このような構成により、副画素Sxでは、トランジスタTrがON状態になると、共通電極COMと画素電極22との間に電界が発生し、液晶層6の液晶分子の配向が変化する。これにより、液晶層6の光透過率が変化してFFSモードで画像を表示することとなる。また、共通電極COMと画素電極22とが絶縁膜IF4を挟んで対向する領域は、補助容量を形成し、トランジスタTrがOFF状態になったときに共通電極COMと画素電極22との間の電界を所定時間保持する。
【0109】
<台座電極と走査線との平面視における重なり>
ここで、
図5及び
図7を参照し、台座電極23と走査線GLとの平面視における重なりについて説明する。
【0110】
赤の副画素Sxである副画素SxRでは、台座電極23は、平面視において、トランジスタTrを駆動する走査線GLと、当該走査線GLに対してY軸方向(第2方向)における負側(第1の側)で隣り合っている。すなわち、副画素SxRでは、台座電極23のY軸方向における中心は、トランジスタTrを駆動する走査線GLのY軸方向における中心よりも、Y軸方向における負側に配置されている。
【0111】
また、緑の副画素Sxである副画素SxG、及び、青の副画素Sxである副画素SxBでも、台座電極23の構造は同様である。
【0112】
本実施の形態1では、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBでの平面視における、台座電極23と、トランジスタTrを駆動する走査線GLと、のY軸方向の距離DST1は、緑の副画素SxGでの平面視における、台座電極23と、トランジスタTrを駆動する走査線GLと、のY軸方向の距離DST2よりも長い。また、遮光膜LSと、赤の画素領域PA及び青の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅WD1は、遮光膜LSと緑の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅WD2よりも広い。
【0113】
これにより、画像の輝度向上のため、及びホワイトバランスを最適化するために、緑の副画素SxGに比べ、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBにおいて、遮光膜LSを太くして開口率を下げた場合でも、副画素SxR及び副画素SxBにおいて、走査線GLと共通電極COMとの間の容量を低減することができる。
【0114】
なお、本願明細書では、各副画素Sxにおいて、平面視における台座電極23と走査線GLとのY軸方向の距離とは、例えば、Y軸方向における、台座電極23と走査線GLとの中心同士の距離を意味する。
【0115】
また、本願明細書では、各副画素Sxにおいて、遮光膜LSと画素領域PAとのY軸方向における重畳幅とは、領域PA2(
図6参照)に設けられている走査線GLのY軸方向における正側の側端部と、領域PA1(
図6参照)で遮光膜LSに形成された開口部のY軸方向における正側の側端部との、Y軸方向における距離を意味する。
【0116】
図5に示す例では、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBでは、台座電極23のY軸方向における正側の側端部EP1は、走査線GLのY軸方向における負側の側端部EP2よりも、Y軸方向における負側に配置されている。すなわち、副画素SxR及び副画素SxBでは、台座電極23は、平面視において、走査線GLと重なっておらず、走査線GLから離れている。
【0117】
このような場合、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBにおいて、走査線GLと共通電極COMとの間の容量を低減する効果を、さらに高めることができる。
【0118】
X軸方向におけるスペーサSPの長さが、Y軸方向におけるスペーサSPの長さよりも短い場合、すなわちスペーサSPが平面視において縦長形状を有する場合を考える。このような場合、遮光膜LSのうち、信号線SLを内包するように設けられた部分でスペーサSPを覆うことになるが、信号線SLを内包するように設けられた部分の遮光膜LSが形成された領域内に、スペーサSPを配置することは困難である。そこで、X軸方向におけるスペーサSPの長さが、Y軸方向におけるスペーサSPの長さよりも長く、スペーサSPが平面視において横長形状を有することが好ましい。
【0119】
このような場合、スペーサSPは、平面視において、隣り合う2つの副画素Sxの間に介在している部分の信号線SLと重なる。また、平面視においてスペーサSPと重なる副画素Sxでは、画素領域PAのうち走査線GLに隣り合う部分と重なる遮光膜LSのY軸方向の幅を広げることになるので、台座電極23を、画素領域PAのうち走査線GL側、すなわちY軸方向における負側に配置することは、容易である。
【0120】
図5に示す例では、緑の副画素SxGでは、赤の副画素SxRとは異なり、台座電極23のY軸方向における正側の側端部EP1は、走査線GLのY軸方向における負側の側端部EP2よりも、Y軸方向における正側に配置されている。すなわち、副画素SxGでは、台座電極23は、平面視において、走査線GLと重なっている。
【0121】
なお、緑の副画素SxGも、赤の副画素SxRと同様に、台座電極23のY軸方向における正側の側端部EP1が、走査線GLのY軸方向における負側の側端部EP2よりも、Y軸方向における負側に配置されていてもよい。すなわち、台座電極23が、平面視において、走査線GLと重なっていなくてもよい。
【0122】
<走査線及び共通電極に関連する負荷>
次に、走査線GL及び共通電極COMに関連する負荷について、比較例1の表示装置と対比しながら説明する。比較例1の表示装置では、台座電極23及び接続配線24の配置が、実施の形態1の表示装置における台座電極23及び接続配線24の配置と、異なる。
【0123】
図8は、比較例1の表示装置の画素の構成を示す平面図である。
図9は、比較例1の表示装置の画素の構成を示す断面図である。
図9は、
図8のC−C線に沿った断面図である。なお、
図5のB−B線に沿った断面図も、遮光膜LSの配置を除いて、
図9の断面図と同様である。
【0124】
比較例1の表示装置では、赤、緑及び青のいずれの色の副画素Sxにおいても、台座電極23と走査線GLとが平面視において重なっている。
【0125】
比較例1の表示装置でも、実施の形態1の表示装置と同様に、赤、緑及び青のいずれの色の副画素Sxでも、台座電極23は、平面視において、トランジスタTrを駆動する走査線GLと、当該走査線GLに対してY軸方向における負側で隣り合っている。すなわち、台座電極23のY軸方向における中心は、トランジスタTrを駆動する走査線GLのY軸方向における中心よりも、Y軸方向における負側に配置されている。
【0126】
また、比較例1の表示装置でも、実施の形態1の表示装置と同様に、遮光膜LSと赤及び青の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅WD1は、遮光膜LSと緑の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅WD2よりも広い。これは、画像の輝度向上のため、及び、ホワイトバランスを最適化するためであり、緑の副画素SxGに比べ、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBにおいて、遮光膜LSを太くして開口率を下げるためである。
【0127】
一方、比較例1の表示装置では、実施の形態1の表示装置とは異なり、赤、緑及び青のいずれの色の副画素Sxでも、台座電極23と、トランジスタTrを駆動する走査線GLと、のY軸方向の距離DST101は、互いに等しい。
【0128】
言い換えれば前述したように、遮光膜LSと緑の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅WD2は、遮光膜LSと赤の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅WD1よりも狭い。したがって、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBの台座電極23の側端部EP1が、緑の副画素SxGの台座電極23の側端部EP1よりも、Y軸方向における負側に配置されていない。
【0129】
そのため、いずれの色の副画素Sxでも、台座電極23と走査線GLとのY軸方向の距離DST101を等しくする場合、いずれの色の副画素Sxでも、台座電極23の側端部EP1は、走査線GLの側端部EP2よりも、Y軸方向における正側に配置されてしまう恐れがある。すなわち、赤、緑及び青のいずれの色の副画素Sxでも、台座電極23は、平面視において、走査線GLと広く重なってしまい、走査線GLの寄生容量を増大してしまう恐れがある。
【0130】
図10は、比較例1の表示装置の等価回路の一部を示す回路図である。
図10では、1つの走査線GLと、その1つの走査線GLと交差する複数の信号線SLと、複数の信号線SLと1つの走査線GLとの交差部にそれぞれ設けられた複数のトランジスタTrと、複数のトランジスタTrの各々を有する副画素Sxが示されている。
【0131】
図10に示すように、走査線GLと信号線SLとの間の容量を、容量Cg1とし、走査線GLすなわちトランジスタTrのゲート電極と画素電極22との間の容量を、容量Cg2とし、走査線GLの配線抵抗としての抵抗を、抵抗Rg1とする。また、共通電極COMと信号線SLとの間の容量を、容量Cc1とし、走査線GLすなわちトランジスタTrのゲート電極と、共通電極COMとの間の容量を、容量Cgcとし、共通電極COMの配線抵抗としての抵抗を、抵抗Rc1とする。
【0132】
また、副画素Sxのうち、少なくともゲートドライバ12A及び12Bのいずれか一方から近い位置に設けられた副画素Sxを、副画素SxNとする。一方、副画素Sxのうち、ゲートドライバ12A及び12Bのいずれからも遠い位置に設けられた副画素Sxを、副画素SxFとする。このとき、副画素SxFにおける共通電極COMは、副画素SxNにおける共通電極COMに比べ、COG19から遠い。
【0133】
図11は、走査線に走査信号が供給される際のゲート電極の電位の時間変化を模式的に示すグラフである。
図12は、信号線に信号が供給される際の信号線及び共通電極の電位の時間変化を模式的に示すグラフである。
【0134】
ゲートドライバ12A又は12B(
図10参照)から走査線GLに供給される走査信号の電位が上昇又は下降する際に、
図11に示すように、各副画素Sxにおけるゲート電極の電位は、上昇又は下降する。そして、
図10に示す容量Cg1、容量Cg2、容量Cgc又は抵抗Rg1が増加すると、走査線GLに関連する寄生容量又は配線抵抗が増加し、走査線GLに供給される走査信号の電位が上昇する際に各副画素Sxにおけるゲート電極の電位の上昇が遅れる期間Trg1が長くなる。又は、走査線GLに供給される走査信号の電位が下降する際に各副画素Sxにおけるゲート電極の電位の下降が遅れる期間Trf1が長くなる。
【0135】
副画素SxFにおける期間Trg1は、副画素SxNにおける期間Trg1よりも長く、副画素SxFにおける期間Trf1は、副画素SxNにおける期間Trf1よりも長い。すなわち、ゲートドライバ12A及び12Bのいずれからも遠い副画素Sxほど、走査線GLに関連する寄生容量又は配線抵抗が増加しやすくなる。そのため、走査線GLを介してトランジスタTrのゲート電極に信号が供給されるタイミングが所望のタイミングよりも遅れるか、又は、走査線GLを介してトランジスタTrのゲート電極に供給される信号の強度が所望の信号の強度よりも小さくなる。すなわち、ゲートドライバ12A及び12Bのいずれからも遠い副画素Sxほど、走査線GLに関連する負荷が増加し、走査線GLを介してトランジスタTrのゲート電極に供給される信号の電位が所望の電位から変動しやすくなる。
【0136】
表示装置では画素の高精細化又は表示領域の大型化が進められているが、単位時間当たりに表示領域で画像を表示し直すフレーム周波数は、画素の高精細化又は表示領域の大型化にも関わらず一定にすることが望ましい。そのため、画素の高精細化又は表示領域の大型化に伴って、1水平ラインすなわち1個の走査線GLにより駆動されるトランジスタTrをそれぞれ含む複数の副画素Sxで画像を表示する時間は短縮され、走査線GLに関連する寄生容量又は配線抵抗などの負荷による影響が顕著になる。
【0137】
すなわち、画素の高精細化又は表示領域の大型化に伴って、ゲートドライバ12A及び12Bから遠い副画素Sxほど、走査線GLに関連する負荷が増加する傾向、及び、走査線GLを介してトランジスタTrのゲート電極に供給される信号の電位が所望の電位から変動しやすくなる傾向が、さらに顕著になる。したがって、画素を容易に高精細化することができず、又は、表示領域を容易に大型化することができない。
【0138】
一方、
図12に示すように、信号線SLに供給される信号すなわち電位の上昇又は下降の際に、容量Cc1を介して信号線SLと結合された共通電極COMの電位が、信号線SLの電位の変化に伴って、変動する。
【0139】
図10に示す容量Cc1、容量Cgc又は抵抗Rc1が増加すると、共通電極COMに関連する寄生容量又は配線抵抗が増加する。そして、信号線SLの電位の上昇の際に、共通電極COMの電位が一旦上昇して変動した後、信号線SLの電位が上昇する前の時点での共通電極COMの電位に戻るのが遅れる。すなわち、次に、信号線SLの電位が下降する直前の時点で、共通電極COMは、戻るべき電位よりも電位VR1だけ高くなっている。
【0140】
また、信号線SLの電位の下降の際に、共通電極COMの電位が一旦下降して変動した後、信号線SLの電位が下降する前の時点での共通電極COMの電位に戻るのが遅れる。すなわち、次に、信号線SLの電位が上昇する直前の時点で、共通電極COMは、戻るべき電位よりも電位VR1だけ低くなっている。
【0141】
また、COG19などの制御装置から遠い画素ほど、共通電極COMに関連する寄生容量又は配線抵抗が増加し、共通電極COMに関連する負荷が増加し、共通電極COMの電位が、信号線SLに供給される信号の影響を受けて変動しやすくなる。そのため、表示領域で画素により表示される画像の画質が劣化する。
【0142】
この共通電極COMに関連する寄生容量又は配線抵抗などの負荷についても、画素の高精細化又は表示領域の大型化に伴って、増加する。したがって、信号線SLの電位の変化に伴う、共通電極COMの電位の変動からの戻りが遅れる現象についても、画素の高精細化又は表示領域の大型化に伴って、顕著になる。
【0143】
すなわち、画素の高精細化又は表示領域の大型化に伴って、COG19などの制御装置から遠い画素ほど、共通電極COMに関連する負荷が増加する傾向、及び、信号線SLに供給される信号波形の影響を受けて共通電極COMの電位が変動する傾向が、さらに顕著になる。
【0144】
ここで、
図9に示すように、走査線GLと台座電極23との間の容量を、容量Caとし、共通電極COMと画素電極22との間の容量を、容量Cbとする。このとき、走査線GLと、共通電極COMとの間の容量Cgcは、直列に接続された容量Caと容量Cbとにより形成される容量であるため、下記式(1)により示される。
【0145】
Cgc=(Ca×Cb)/(Ca+Cb) (1)
したがって、上記式(1)により示されるように、容量Caの増加に伴って、容量Cgcが増加する。
【0146】
比較例1の表示装置では、赤、緑及び青のいずれの色の副画素Sxにおいても、台座電極23と走査線GLとが平面視において重なっている。そのため、容量Caが大きくなり、上記式(1)により示される容量Cgcが大きくなる。
【0147】
したがって、走査線GLに関連する寄生容量又は配線抵抗が増加し、
図11に示す期間Trg1又は期間Trf1が長くなりやすい。また、共通電極COMに関連する寄生容量又は配線抵抗が増加し、
図12に示す共通電極COMの電位の変動からの戻りが遅れやすい。
【0148】
さらに、台座電極23は遮光膜LSで覆われることが望ましい。そのため、台座電極23の配置によっては、各副画素Sxの開口率が低下するおそれがある。
【0149】
<本実施の形態の主要な特徴と効果>
一方、本実施の形態1では、赤の副画素SxRでの平面視における、台座電極23と、トランジスタTrを駆動する走査線GLと、のY軸方向の距離は、緑の副画素SxGでの平面視における、台座電極23と、トランジスタTrを駆動する走査線GLと、のY軸方向の距離よりも長い。また、遮光膜LSと赤の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅は、遮光膜LSと緑の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅よりも広い。
【0150】
また、本実施の形態1では、青の副画素SxBでの平面視における、台座電極23と、トランジスタTrを駆動する走査線GLと、のY軸方向の距離は、緑の副画素SxGでの平面視における、台座電極23と、トランジスタTrを駆動する走査線GLと、のY軸方向の距離よりも長い。また、遮光膜LSと青の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅は、遮光膜LSと緑の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅よりも広い。
【0151】
これにより、少なくとも赤の副画素SxR及び青の副画素SxBにおいて、走査線GLと共通電極COMとの間の容量を低減することができ、上記式(1)に示される容量Cgcが減少する。そのため、走査線GLに関連する寄生容量又は配線抵抗が減少し、走査線GLに供給される走査信号の電位が上昇する際にゲート電極の電位の上昇が遅れる期間Trg1、又は、走査線GLに供給される走査信号の電位が下降する際にゲート電極の電位の下降が遅れる期間Trf1が短くなる。したがって、画素を高精細化しやすくなり、表示領域を大型化しやすくなる。
【0152】
また、共通電極COMに関連する寄生容量又は配線抵抗が減少し、信号線SLの電位の変化に伴って、共通電極COMの電位が変動した後、信号線SLの電位が変化する前の共通電極COMの電位に戻るまでの期間が短縮される。この場合も、画素を高精細化しやすくなり、表示領域を大型化しやすくなる。
【0153】
また、本実施の形態1では、比較例1に比べて遮光膜LSの幅を広げる必要がない。そのため、本実施の形態1では、比較例1に比べて、開口率が低下せず、表示される画像の輝度が低下することがない。すなわち、本実施の形態1では、画素を高精細化するか、又は、表示領域を大型化した場合でも、各副画素Sxの開口率を低下させずに、走査線GLに関連する負荷を減少させ、共通電極COMに関連する負荷を減少させることができる。
【0154】
<本実施の形態の第1変形例>
次に、本実施の形態1の第1変形例について説明する。
図13は、実施の形態1の第1変形例の表示装置の画素の構成を示す平面図である。
【0155】
本第1変形例では、緑の画素領域PAに配置されている部分の走査線GLのうち、台座電極23側の部分が除去されることにより、緑の画素領域PAに配置されている部分の走査線GLにおいて、平面視において、台座電極23と重なる部分の幅が狭くなっている。
【0156】
本第1変形例では、赤の副画素SxRに含まれるトランジスタTrを駆動する走査線GLは、台座電極23に対してY軸方向における正側に配置され、X軸方向に延在する延在部(第1延在部)EX1を含む。また、緑の副画素SxGに含まれるトランジスタTrを駆動する走査線GLは、台座電極23に対してY軸方向における正側に配置され、X軸方向に延在する延在部(第2延在部)EX2を含む。延在部EX2のY軸方向における幅WD4は、延在部EX1のY軸方向における幅WD3よりも狭く、延在部EX1のY軸方向における負側の側端部(第1側端部)SEP1は、延在部EX2のY軸方向における負側の側端部(第2側端部)SEP2よりも、Y軸方向における負側に形成されている。なお、青の副画素SxBについても、赤の副画素SxRと同様である。
【0157】
このような場合、延在部EX2の幅WD4が、延在部EX1の幅WD3と等しく、側端部SEP1が、Y軸方向において、側端部SEP2と同じ位置に形成されている場合に比べ、緑の画素領域PAに配置されている部分の走査線GLにおいて、平面視において、台座電極23と重なる部分の幅が狭くなる。そのため、緑の副画素SxGにおいても、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBと同様に、走査線GLと台座電極23との間の容量Ca(
図7参照)を低減することができ、上記式(1)に示される容量Cgcをさらに減少させることができる。
【0158】
赤、緑及び青の全ての色の副画素Sxで、走査線GLのY軸方向の幅を狭くすると、走査線GLの抵抗が上昇するおそれがある。又は、台座電極23側のトランジスタTr2のゲート長が短くなってオフリーク電流が増加することにより、表示領域で表示される画像の画質が劣化するおそれがある。
【0159】
一方、本第1変形例では、第2の画素である緑の副画素SxGと対応する走査線GLのY軸方向の幅を狭くする。そのため、走査線GLの抵抗の上昇分を少なくすることができる。また、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBでは、台座電極23側のトランジスタTr2のゲート長が短くならないので、オフリーク電流の増加を防止することができる。
【0160】
<本実施の形態の第2変形例>
次に、本実施の形態1の第2変形例について説明する。
図14は、実施の形態1の第2変形例の表示装置の画素の構成を示す平面図である。
【0161】
本第2変形例では、赤の副画素SxRにおける遮光膜LSの幅を緑の副画素SxGにおける遮光膜LSの幅よりも広げる量は、走査線GLに対してスペーサSPが配置されている側において、走査線GLに対してスペーサSPが配置されている側と反対側よりも大きい。また、青の副画素SxBにおける遮光膜LSの幅を緑の副画素SxGにおける遮光膜LSの幅よりも広げる量は、走査線GLに対してスペーサSPが配置されている側において、走査線GLに対してスペーサSPが配置されている側と反対側よりも大きい。
【0162】
本第2変形例では、遮光膜LSは、遮光部(第1遮光部)LS1と、遮光部(第2遮光部)LS2と、を含む。遮光部LS1は、平面視において、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBに含まれるスペーサSP、接続配線24及び台座電極23と重畳している。遮光部LS2は、平面視において、緑の副画素SxGに含まれる接続配線24及び台座電極23と重畳している。
【0163】
遮光部LS1のY軸方向における負側の側端部(第3側端部)SEP3は、遮光部LS2のY軸方向における負側の側端部(第4側端部)SEP4に対して、Y軸方向における負側まで延在している。また、遮光部LS1のY軸方向における正側の側端部(第5側端部)SEP5は、遮光部LS2のY軸方向における正側の側端部(第6側端部)SEP6に対して、Y軸方向における正側まで延在している。側端部SEP3と側端部SEP4との間のY軸方向における距離DST3は、側端部SEP5と側端部SEP6との間のY軸方向における距離DST4よりも大きい。これにより、赤の副画素SxRに対して、Y軸方向における正側に隣り合う副画素Sxにおける開口率が増加するように、遮光膜LSやスペーサSPを配置することができる。
【0164】
<本実施の形態の第3変形例>
次に、本実施の形態1の第3変形例について説明する。
図15は、実施の形態1の第3変形例の表示装置の画素の構成を示す平面図である。
【0165】
本第3変形例では、緑の副画素SxGにおいて、台座電極23又は接続配線24の一部を除去することにより、台座電極23又は接続配線24が、走査線GLと間隔を空けて設けられている。
【0166】
本第3変形例では、緑の副画素SxGに含まれる台座電極23のY軸方向における長さが、赤の副画素SxRに含まれる台座電極23のY軸方向における長さよりも短い。又は、緑の副画素SxGに含まれる接続配線24のY軸方向における長さが、赤の副画素SxRに含まれる接続配線24のY軸方向における長さよりも短い。
【0167】
これにより、緑の副画素SxGにおいて、台座電極23又は接続配線24が、走査線GLと間隔を空けて設けられる。あるいは、緑の副画素SxGにおいて、台座電極23及び接続配線24が、平面視において、走査線GLと重なる場合でも、台座電極23又は接続配線24のうち、平面視において走査線GLと重なる部分のY軸方向における長さを、実施の形態1に比べて、短くすることができる。そのため、緑の副画素SxGにおいても、赤の副画素SxR及び青の副画素SxBと同様に、走査線GLと台座電極23との間の容量を低減することができ、上記式(1)に示される容量Cgcをさらに減少させることができる。
【0168】
なお、本第3変形例では、緑の副画素SxGに含まれる台座電極23のY軸方向における長さが、青の副画素SxBに含まれる台座電極23のY軸方向における長さよりも短くてもよい。又は、緑の副画素SxGに含まれる接続配線24のY軸方向における長さが、青の副画素SxBに含まれる接続配線24のY軸方向における長さよりも短くてもよい。
【0169】
(実施の形態2)
実施の形態1では、表示装置を、液晶表示装置に適用した例について説明した。それに対して、実施の形態2では、表示装置を、人の指のタッチ等の位置座標検出機能付き液晶表示装置に適用した例について説明する。ここで、位置座標検出機能付き液晶表示装置とは、表示装置に含まれるアレイ基板及び対向基板のいずれか一方に位置座標検出用の検出電極が設けられた液晶表示装置である。また、実施の形態2においては、さらに、共通電極が、位置座標検出パネルの共通電極として動作するように設けられている、という特徴を持つインセルタイプの位置座標検出機能付き液晶表示装置について述べる。
【0170】
また、以下では、実施の形態2の表示装置のうち、実施の形態1の表示装置と異なる点を中心に、説明する。
【0171】
<モジュール>
図16は、実施の形態2の表示装置を実装したモジュールの一例を示す平面図である。
【0172】
図16に示すように、表示装置1は、基板21を含むアレイ基板2と、基板31を含む対向基板3と、フレキシブルプリント基板Tと、を有する。
【0173】
本実施の形態2におけるアレイ基板2は、共通電極COMの形状を除き、実施の形態1におけるアレイ基板2と同様にすることができる。また、本実施の形態2における対向基板3は、検出電極TDLが設けられている点を除き、実施の形態1における対向基板3と同様にすることができる。
【0174】
本実施の形態2では、実施の形態1と異なり、表示装置1は、複数の共通電極COMと、複数の検出電極TDLとを有する。複数の共通電極COMと、複数の検出電極TDLとは、位置座標検出用の電極であり、複数の共通電極COMの各々と、複数の検出電極TDLの各々との間の静電容量に基づいて、入力位置が検出される。複数の共通電極COMは、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に配列されている。また、複数の検出電極TDLは、平面視において、Y軸方向にそれぞれ延在し、かつ、X軸方向に配列されている。
【0175】
本実施の形態2でも、実施の形態1と同様に、基板21上には、ゲートドライバ12としてのゲートドライバ12A及び12Bが設けられている。一方、本実施の形態2では、実施の形態1とは異なり、基板21上には、共通電極ドライバ14としての共通電極ドライバ14A及び14Bが設けられている。ゲートドライバ12A及び12B並びに共通電極ドライバ14A及び14Bは、額縁領域FLAに設けられている。具体的には、ゲートドライバ12A及び共通電極ドライバ14Aは、額縁領域FLA2に設けられ、ゲートドライバ12B及び共通電極ドライバ14Bは、額縁領域FLA4に設けられている。
【0176】
位置座標検出動作を行う際は、複数の共通電極COMの各々には、共通電極ドライバ14A及び14Bによって、検出用の駆動信号Vcomが供給される。複数の検出電極TDLの各々の出力は、フレキシブルプリント基板Tを介して、フレキシブルプリント基板Tに実装された位置座標検出部40と接続されている。フレキシブルプリント基板Tは、端子であればよく、フレキシブルプリント基板に限られない。
【0177】
共通電極ドライバ14A及び14Bは、Y軸方向に配列された複数の共通電極COMの各々の、X軸方向における正側及び負側の両側に接続されている。共通電極ドライバ14A及び14Bには、例えばCOG19に含まれる駆動信号生成部(図示は省略)から、電源配線PSL1を介して、表示用の駆動信号Vcomとしての表示用駆動信号VcomDCが供給される。また、共通電極ドライバ14A及び14Bには、電源配線PSL2を介して、位置座標検出用の駆動信号Vcomとしての検出用駆動信号VcomACが供給される。すなわち、電源配線PSL1には、表示用駆動信号VcomDCが供給され、電源配線PSL2には、検出用駆動信号VcomACが供給される。
【0178】
電源配線PSL1は、電源配線PSL2に対して、表示領域Ad側に配置されている。すなわち、額縁領域FLA2では、電源配線PSL2は、電源配線PSL1に対して、X軸方向における負側に配置され、額縁領域FLA4では、電源配線PSL2は、電源配線PSL1に対して、X軸方向における正側に配置されている。このような配置により、電源配線PSL1により供給される表示用駆動信号VcomDCが、表示領域Adの端部の電位状態を安定させる。このため、特に、横電界モードの液晶を用いた場合において、表示が安定する。
【0179】
<位置座標検出機能付き表示装置>
次に、
図16及び
図17を参照し、本実施の形態2の表示装置の構成例を詳細に説明する。
図17は、実施の形態2の表示装置を示す断面図である。
【0180】
前述したように、本実施の形態2におけるアレイ基板2は、共通電極COMの形状を除き、実施の形態1におけるアレイ基板2と同様にすることができる。また、本実施の形態2における対向基板3は、検出電極TDLが設けられている点を除き、実施の形態1における対向基板3と同様にすることができる。
【0181】
本実施の形態2でも、実施の形態1で
図4及び
図5を用いて説明したのと同様に、複数の画素電極22は、平面視において、表示領域Adの内部で、X軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配列された複数の副画素Sxの各々の内部にそれぞれ形成されている。したがって、複数の画素電極22は、X軸方向及びY軸方向にマトリクス状に配列されている。
【0182】
複数の共通電極COMの各々は、基板21と画素電極22との間に形成されている。また、複数の共通電極COMの各々は、平面視において、複数の画素電極22と重なるように設けられている。そして、複数の画素電極22の各々と複数の共通電極COMの各々との間に電圧が印加され、複数の画素電極22の各々と複数の共通電極COMの各々との間、すなわち複数の副画素Sxの各々に対応する液晶素子LC(
図4及び
図10参照)に、電界が形成されることにより、表示領域Adに画像が表示される。この際に共通電極COMと画素電極22との間には容量Cap(
図4参照)が形成され、容量Capは保持容量として機能する。
【0183】
なお、複数の共通電極COMの各々は、画素電極22を挟んで基板21と反対側に形成されていてもよい。
【0184】
この表示動作を行う際、共通電極ドライバ14としての共通電極ドライバ14A及び14Bは、共通電極COMに、表示用駆動信号VcomDCを供給して駆動する。複数の共通電極COMは、表示領域Adで、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に配列されている。
【0185】
前述したように、複数の走査線GLは、表示領域Adで、X軸方向にそれぞれ延在し、かつ、Y軸方向に配列されているため、複数の共通電極COMの各々が延在する方向は、複数の走査線GLの各々が延在する方向と平行である。ただし、複数の共通電極COMの各々が延在する方向は限定されず、例えば、複数の共通電極COMの各々が延在する方向は、複数の信号線SLの各々が延在する方向と平行な方向であってもよい。
【0186】
本実施の形態2の表示装置1における共通電極COMは、表示用の共通電極として動作し、かつ、位置座標検出用の共通電極として動作する。言い換えれば、共通電極COMは、物体の接触又は近接を検出する位置座標検出電極を兼ねている。なお、
図16では図示を省略するが、共通電極COMは、走査線GLと重畳している。
【0187】
複数の検出電極TDLは、平面視において、複数の共通電極COMの各々が延在する方向(X軸方向)と交差する方向(Y軸方向)にそれぞれ延在する。言い換えれば、複数の検出電極TDLは、平面視において複数の共通電極COMとそれぞれ交差するように、互いに間隔を空けて配列されている。そして、複数の検出電極TDLの各々は、アレイ基板2に含まれる基板21の上面21a(
図17参照)に垂直な方向において、複数の共通電極COMの各々と対向配置されている。
【0188】
複数の検出電極TDLの各々は、位置座標検出部40にそれぞれ接続されている。複数の共通電極COMの各々と複数の検出電極TDLの各々との平面視における交差部には、静電容量が発生する。複数の共通電極COMの各々と複数の検出電極TDLの各々との間の静電容量に基づいて、入力位置が検出される。すなわち、位置座標検出部40は、複数の共通電極COMの各々と複数の検出電極TDLの各々との間の静電容量に基づいて入力位置を検出する。
【0189】
本実施の形態2の表示装置1では、位置座標検出動作を行う際、共通電極ドライバ14により、例えばY軸方向に沿って、例えば1個又は複数個の共通電極COMが順次選択される。そして、選択された1個又は複数個の共通電極COMに対して、検出用駆動信号VcomACが供給されて入力され、検出電極TDLから、入力位置を検出するための検出信号が発生して出力される。
【0190】
平面視において、互いに交差した複数の共通電極COMと複数の検出電極TDLは、マトリクス状に配列された静電容量式位置座標検出センサを形成する。そして、形成された静電容量式位置座標検出センサの検出面全体を走査することにより、指などが接触又は近接した位置を検出することが可能である。
【0191】
<台座電極と信号線との平面視における重なり>
本実施の形態2における台座電極23と走査線GLとの平面視における重なりは、実施の形態1における台座電極23と走査線GLとの平面視における重なりと同様にすることができる。
【0192】
<走査線及び共通電極に関連する負荷>
次に、走査線GL及び共通電極COMに関連する負荷について、比較例2の表示装置と対比しながら説明する。比較例2の表示装置では、台座電極23及び接続配線24の配置が、実施の形態2の表示装置における台座電極23及び接続配線24の配置と、異なる。
【0193】
本実施の形態2における走査線GL及び共通電極COMに関連する負荷についても、実施の形態1における走査線GL及び共通電極COMに関連する負荷と同様に、比較例2の表示装置と対比しながら説明することができる。また、比較例2の表示装置の等価回路も、
図10に示した、比較例1の表示装置の等価回路の一部を示す回路図を用いて説明することができる。
【0194】
比較例2の表示装置でも、比較例1の表示装置と同様に、
図10に示した容量Cg1、容量Cg2、容量Cgc又は抵抗Rg1が増加すると、走査線GLに関連する寄生容量又は配線抵抗が増加し、走査線GLに関連する負荷が増加する。そして、共通電極COMに関連する寄生容量又は配線抵抗が増加し、共通電極COMに関連する負荷が増加する。
【0195】
比較例2の表示装置でも、
図8に示した比較例1の表示装置と同様に、赤、緑及び青のいずれの色の副画素Sxにおいても、台座電極23と走査線GLとが平面視において重なっている。そのため、容量Ca(
図9参照)が大きくなり、上記式(1)により示される容量Cgcが大きくなる。
【0196】
したがって、走査線GLに関連する寄生容量又は配線抵抗などの負荷が増加し、
図11に示した期間Trg1又は期間Trf1が長くなりやすい。また、共通電極COMに関連する寄生容量又は配線抵抗などの負荷が増加し、
図12に示したように、共通電極COMの電位の変動からの戻りが遅れやすい。
【0197】
図18は、走査線に信号波形が供給される際の共通電極の電位を模式的に示すグラフである。
【0198】
比較例2の表示装置では、比較例1の表示装置とは異なり、
図18に示すように、共通電極COMに例えば位置座標検出用の駆動信号が供給される際に、共通電極COMに供給される駆動信号の電位が周期的に変化する。
図10に示した容量Cc1、容量Cgc又は抵抗Rc1が増加すると、共通電極COMに関連する寄生容量又は配線抵抗が増加し、共通電極COMに供給される駆動信号の電位が上昇する際に各副画素Sxにおける共通電極COMの電位の上昇が遅れる期間Trg2が長くなり、消費電力が増加する。また、共通電極COMに供給される駆動信号の電位が下降する際に各副画素Sxにおける共通電極COMの電位の下降が遅れる期間Trf2が長くなり、消費電力が増加する。そのため、位置座標検出における検出感度などの検出特性が低下する。
【0199】
副画素SxFにおける期間Trg2は、副画素SxNにおける期間Trg2よりも長く、副画素SxFにおける期間Trf2は、副画素SxNにおける期間Trf2よりも長い。すなわち、COG19などの制御装置から遠い副画素Sxほど、共通電極COMに関連する寄生容量又は配線抵抗が増加しやすくなる。そのため、消費電力が増加し、位置座標検出における検出感度などの検出特性が低下する現象が、画素の高精細化又は表示領域の大型化に伴って発生しやすくなる。特に、共通電極COMを用いた入力位置の検出の際は、画像の表示よりも精密な電位コントロールが要求されるため、共通電極COMの寄生容量又は配線抵抗の増加が大きな品質劣化につながってしまう恐れがある。よって、本明細書に記載された寄生容量及び配線抵抗を低減させる発明を適用すると良い。
【0200】
<本実施の形態の主要な特徴と効果>
一方、本実施の形態2でも、実施の形態1と同様に、赤の副画素SxRでの平面視における、台座電極23と、トランジスタTrを駆動する走査線GLと、のY軸方向の距離は、緑の副画素SxGでの平面視における、台座電極23と、トランジスタTrを駆動する走査線GLと、のY軸方向の距離よりも長い。また、遮光膜LSと赤の画素領域PA及び青の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅は、遮光膜LSと緑の画素領域PAとのY軸方向における重畳幅よりも広い。
【0201】
これにより、実施の形態1と同様に、画素を高精細化するか、または、表示領域を大型化した場合でも、各副画素Sxの開口率を低下させずに、走査線GLに関連する負荷を減少させ、共通電極COMに関連する負荷を減少させることができる。
【0202】
一方、本実施の形態2では、実施の形態1とは異なり、共通電極COMに関連する寄生容量又は配線抵抗が減少し、共通電極COMに供給される駆動信号の電位が上昇する際に各副画素Sxにおける共通電極COMの電位の上昇が遅れる期間Trg2が短くなる。又は、共通電極COMに供給される駆動信号の電位が下降する際に共通電極COMの電位の下降が遅れる期間Trf2が短くなる。そのため、画素を高精細化し、表示領域を大型化した場合でも、消費電力を低減することができ、位置座標検出における検出感度などの検出特性が向上する。
【0203】
なお、本実施の形態2においても、実施の形態1に対する第1変形例〜第3変形例と同様な変形例を適用したものを、実施の形態2の第1変形例〜第3変形例とすることができる。このとき、実施の形態2の第1変形例〜第3変形例の各々も、実施の形態1の第1変形例〜第3変形例の各々が実施の形態1に対して有する効果と同様の効果を、実施の形態2に対して有する。
【0204】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0205】
また、前記実施の形態においては、開示例として液晶表示装置の場合を例示したが、その他の適用例として、有機EL表示装置、その他の自発光型表示装置、あるいは電気泳動素子等を有する電子ペーパー型表示装置等、あらゆるフラットパネル型の表示装置が挙げられる。また、中小型から大型まで、特に限定することなく適用が可能であることはいうまでもない。
【0206】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0207】
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。