(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
太陽光発電装置及び商用電力供給ラインと電気負荷とに接続され、前記太陽光発電装置の発電電力が前記電気負荷の消費電力を上回るときは、余剰な前記太陽光発電装置の発電電力を売電し、前記太陽光発電装置の発電電力が前記電気負荷の消費電力を下回るときには、不足する電力を買電するパワーコンディショナーからの供給電力を使用する貯湯式給湯装置であって、
貯湯タンクと、
前記貯湯タンクに接続されて、前記貯湯タンクに水を供給する給水管と、
前記パワーコンディショナーからの供給電力により作動する前記電気負荷であって、前記貯湯タンク内の水を加熱するタンク加熱部と、
前記貯湯タンクに接続されて、前記貯湯タンクから湯水が供給される出湯管と、
前記出湯管の途中に設けられ、前記パワーコンディショナーからの電力以外のエネルギーを熱源として前記出湯管を流通する水を加熱する補助熱源機と、
前記タンク加熱部を作動させて前記貯湯タンク内の水を加熱する沸し上げ運転を実行すると共に、前記貯湯タンクの湯切れが生じているときに前記補助熱源機を作動させて前記出湯管からの湯の供給を確保する運転制御部と、
日時を計時する計時部と、
日付と、該日付における日の出時刻及び日の入時刻とを対応付けた日付対応マップのデータを保持した記憶部と、
前記沸し上げ運転の実行を制限する沸し上げ制限時間帯の初期値である初期制限時間帯を、使用者による該初期制限時間帯の開始時刻と終了時刻の入力操作に応じて設定する初期制限時間帯設定部と、
前記初期制限時間帯が設定されたときに、前記初期制限時間帯が設定された日の日付を前記日付対応マップに適用して、前記初期制限時間帯が設定された日の日の出時刻及び日の入時刻を取得し、該取得した日の出時刻と前記初期制限時間帯の開始時刻との差である開始時刻差と、該取得した日の入時刻と前記初期制限時間帯の終了時刻との差である終了時刻差とを算出する時刻差算出部と、
前記沸し上げ運転の実行日における前記沸し上げ制限時間帯を、該実行日の日付を前記日付対応マップに適用して該実行日の日の出時刻及び日の入時刻を取得して、該実行日の日の出時刻を前記開始時刻差分だけシフトさせた時刻を開始時刻とすると共に、該実行日の日の入時刻を前記終了時刻差分だけシフトさせた時刻を終了時刻とすることによって設定する当日制限時間帯設定部と
を備えたことを特徴とする貯湯式給湯装置。
太陽光発電装置及び商用電力供給ラインと電気負荷とに接続され、前記太陽光発電装置の発電電力が前記電気負荷の消費電力を上回るときは、余剰な前記太陽光発電装置の発電電力を売電し、前記太陽光発電装置の発電電力が前記電気負荷の消費電力を下回るときには、不足する電力を買電するパワーコンディショナーからの供給電力を使用する貯湯式給湯装置であって、
貯湯タンクと、
前記貯湯タンクに接続されて、前記貯湯タンクに水を供給する給水管と、
前記パワーコンディショナーからの供給電力により作動する前記電気負荷であって、前記貯湯タンク内の水を加熱するタンク加熱部と、
前記貯湯タンクに接続されて、前記貯湯タンクから湯水が供給される出湯管と、
前記出湯管の途中に設けられ、前記パワーコンディショナーからの電力以外のエネルギーを熱源として前記出湯管を流通する水を加熱する補助熱源機と、
前記タンク加熱部を作動させて前記貯湯タンク内の水を加熱する沸し上げ運転を実行すると共に、前記貯湯タンクの湯切れが生じているときに前記補助熱源機を作動させて前記出湯管からの湯の供給を確保する運転制御部と、
日時を計時する計時部と、
日付と、該日付における日の出時刻及び日の入時刻とを対応付けた日付対応マップのデータを保持した記憶部と、
前記沸し上げ運転の実行を制限する沸し上げ制限時間帯の開始時刻の補正時間である第1補正時間及び終了時刻の補正時間である第2補正時間を、使用者の入力操作に応じて設定する補正時間設定部と、
前記沸し上げ運転の実行日の日付を前記日付対応マップに適用して該実行日の日の出時刻及び日の入時刻を取得し、前記第1補正時間及び前記第2補正時間が設定されていないときは、該実行日の日の出時刻から日の入り時刻までを、該実行日における前記沸し上げ制限時間帯に設定し、前記第1補正時間及び前記第2補正時間が設定されているときには、該実行日の日の出時刻を前記第1補正時間分だけシフトさせた時刻から、該実行日の日の入時刻を前記第2補正時間分だけシフトさせた時刻までを、該実行日における前記沸し上げ制限時間帯に設定する当日制限時間帯設定部と
を備えたことを特徴とする貯湯式給湯装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1〜3に記載された貯湯式給湯装置においては、太陽光発電装置による発電が行われている時間帯におけるヒートポンプの作動を回避することにより、売電量の増大を図っている。
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された貯湯式給湯装置では、HEMSによりインターネットを介して気象情報を取得しているので、装置構成が複雑になるという不都合がある。また、特許文献2,3に記載された貯湯式給湯装置では、貯湯式給湯装置の設置場所、太陽光発電パネルの向き等を入力して、日の出時刻及び日の入時刻を補正しているが、これらの入力では、太陽光発電装置の発電時間帯を精度よく予測できない場合がある。
【0010】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、太陽光発電装置の発電時間帯を簡易な構成により予測して、電気エネルギーによる貯湯タンク内の水の沸し上げを、太陽光発電装置の発電時間帯を避けて行うことができる貯湯式給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、太陽光発電装置及び商用電力供給ラインと電気負荷とに接続され、前記太陽光発電装置の発電電力が前記電気負荷の消費電力を上回るときは、余剰な前記太陽光発電装置の発電電力を売電し、前記太陽光発電装置の発電電力が前記電気負荷の消費電力を下回るときには、不足する電力を買電するパワーコンディショナーからの供給電力を使用する貯湯式給湯装置であって、
貯湯タンクと、
前記貯湯タンクに接続されて、前記貯湯タンクに水を供給する給水管と、
前記パワーコンディショナーからの供給電力により作動する前記電気負荷であって、前記貯湯タンク内の水を加熱するタンク加熱部と、
前記貯湯タンクに接続されて、前記貯湯タンクから湯水が供給される出湯管と、
前記出湯管の途中に設けられ、前記パワーコンディショナーからの電力以外のエネルギーを熱源として前記出湯管を流通する水を加熱する補助熱源機と、
前記タンク加熱部を作動させて前記貯湯タンク内の水を加熱する沸し上げ運転を実行すると共に、前記貯湯タンクの湯切れが生じているときに前記補助熱源機を作動させて前記出湯管からの湯の供給を確保する運転制御部と、
日時を計時する計時部と、
日付と、該日付における日の出時刻及び日の入時刻とを対応付けた日付対応マップのデータを保持した記憶部とを備える。
【0012】
そして、本発明の貯湯式給湯装置の第1の態様は、
前記沸し上げ運転の実行を制限する沸し上げ制限時間帯の初期値である初期制限時間帯を、使用者による該初期制限時間帯の開始時刻と終了時刻の入力操作に応じて設定する初期制限時間帯設定部と、
前記初期制限時間帯が設定されたときに、前記初期制限時間帯が設定された日の日付を前記日付対応マップに適用して、前記初期制限時間帯が設定された日の日の出時刻及び日の入時刻を取得し、該取得した日の出時刻と前記初期制限時間帯の開始時刻との差である開始時刻差と、該取得した日の入時刻と前記初期制限時間帯の終了時刻との差である終了時刻差とを算出する時刻差算出部と、
前記沸し上げ運転の実行日における前記沸し上げ制限時間帯を、該実行日の日付を前記日付対応マップに適用して該実行日の日の出時刻及び日の入時刻を取得して、該実行日の日の出時刻を前記開始時刻差分だけシフトさせた時刻を開始時刻とすると共に、該実行日の日の入時刻を前記終了時刻差分だけシフトさせた時刻を終了時刻とすることによって設定する当日制限時間帯設定部と
を備えたことを特徴とする。
【0013】
かかる本発明によれば、使用者は、前記太陽光発電装置の設置状態(太陽光発電パネルの向き、太陽光を遮る建物又は地形の有無等)によって変化する前記太陽光発電装置の実際の発電時間帯に合わせて、前記初期制限時間帯の開始時刻と終了時刻を設定することができる。また、前記初期制限時間帯が設定されたときに、前記時刻差算出部により、前記初期制限時間帯が設定された日の日の出時刻と前記初期制限時間帯の開始時刻との差である前記開始時刻差と、前記初期制限時間帯が設定された日の日の入時刻と前記初期制限時間帯の終了時刻との差である前記終了時刻差とが算出される。
【0014】
そして、前記当日制限時間帯設定部により、前記沸し上げ運転の実行日における前記沸し上げ制限時間帯が、当日(前記沸し上げ運転の実行日)の日の出時刻を前記開始時刻差分だけシフトさせた時刻を開始時刻とし、当日の日の入時刻を前記終了時刻差分だけシフトさせた時刻を終了時刻として、設定される。
【0015】
このように、本発明によれば、使用者が任意の日の前記初期制限時間帯を設定するという簡易な構成により、その後は、前記沸し上げ運転の実行日の日の出時刻及び日の入時刻を、前記太陽光発電装置の設置状態が反映された前記開始時刻差及び前記終了時刻差により補正して、前記沸し上げ制限時間帯が設定される。
【0016】
そのため、前記太陽光発電装置による発電が実際に行われる時間帯に合わせて、前記沸し上げ制限時間帯が設定され、前記沸し上げ制限時間帯における前記沸し上げ運転の実行を制限することによって、前記太陽光発電装置による発電電力の売電量の増加を図ることができる。
【0017】
ここで、前記沸し上げ運転の実行の制限には、前記沸し上げ運転の実行を無条件に禁止する場合の他、前記補助熱源機(ガス、石油バーナの燃焼熱等の前記パワーコンディショナーからの電力以外のエネルギーを加熱源とする)を作動させて湯を供給し、太陽光発電装置の発電電力を売電した方が、前記タンク加熱部を作動させて前記タンク内の水を沸し上げるよりも、コスト的に有利な場合に限定して、前記沸し上げ運転の実行を禁止する場合等も含まれる。
【0018】
なお、前記沸し上げ運転の実行を禁止しても、前記貯湯タンクの湯切れ(貯湯タンク内の湯が無くなった状態)が生じたときには、前記運転制御部により前記補助熱源機が作動されるので、前記給湯管からの給湯が不能となることはない。
【0019】
次に、本発明の貯湯式給湯装置の第2の態様は、
前記沸し上げ運転の実行を制限する沸し上げ制限時間帯の開始時刻の補正時間である第1補正時間及び終了時刻の補正時間である第2補正時間を、使用者の入力操作に応じて設定する補正時間設定部と、
前記沸し上げ運転の実行日の日付を前記日付対応マップに適用して該実行日の日の出時刻及び日の入時刻を取得し、前記第1補正時間及び前記第2補正時間が設定されていないときは、該実行日の日の出時刻から日の入り時刻までを、該実行日における前記沸し上げ制限時間帯に設定し、前記第1補正時間及び前記第2補正時間が設定されているときには、該実行日の日の出時刻を前記第1補正時間分だけシフトさせた時刻から、該実行日の日の入時刻を前記第2補正時間分だけシフトさせた時刻までを、該実行日における前記沸し上げ制限時間帯に設定する当日制限時間帯設定部と
を備えたことを特徴とする。
【0020】
かかる本発明によれば、前記沸し上げ制限時間帯の開始時刻及び終了時刻の補正時間が設定されていないときは、前記当日制限時間帯設定部により、前記沸し上げ運転が実行される日の日の出時刻から日の入り時刻までの間(日照時間帯)が前記沸し上げ制限時間帯に設定される。そして、使用者は、前記太陽光発電装置の設置状態によって変化する前記太陽光発電装置の実際の発電時間帯に合わせて、日照時間帯による前記沸し上げ制限時間帯の開始時刻の補正時間である前記第1補正時間と終了時刻の補正時間である第2補正時間とを設定することができる。
【0021】
そして、前記第1補正時間及前記第2補正時間が設定されているときには、前記当日制限時間帯設定部により、前記沸し上げ運転の実行日の日の出時刻を前記開始時刻の補正時間分だけシフトさせた時刻から、該実行日の日の入時刻を前記終了時刻の補正時間部だけシフトさせた時刻までの時間帯が、該実行日の前記沸し上げ制限時間帯に設定される。
【0022】
このように、本発明によれば、使用者が任意の日の日の出時刻及び日の入時刻に対して、前記第1補正時間及び前記第2補正時間を設定するという簡易な構成により、その後は、前記沸し上げ運転の実行日の日の出時刻及び日の入時刻を、前記太陽光発電装置の設置状態が反映された前記第1補正時間及び前記第2補正時間によりそれぞれ補正して、前記沸し上げ制限時間帯が設定される。
【0023】
そのため、前記太陽光発電装置による発電が実際に行われる時間帯に合わせて、前記沸し上げ制限時間帯が設定され、前記沸し上げ制限時間帯における前記沸し上げ運転の実行を制限することによって、前記太陽光発電装置による発電電力の売電量の増加を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態について、
図1〜
図6を参照して説明する。
図1を参照して、本実施形態の貯湯式給湯装置1は、貯湯ユニット10、ヒートポンプユニット50(本発明の電気負荷及びタンク加熱部に相当する)、ガス熱源ユニット80(本発明の補助熱源機に相当する)、及び、貯湯式給湯装置1の全体的な作動を制御するコントローラ120を備えて構成されている。
【0026】
貯湯式給湯装置1は、配電盤153を介して、家電製品170等の他の電気負荷と共にパワーコンディショナー151と接続されており、パワーコンディショナー151からの供給電力を使用して作動する。
【0027】
パワーコンディショナー151は、太陽光発電装置150に接続されると共に、電力メータ152を介して商用電力供給ライン160に接続されている。パワーコンディショナー151は、太陽光発電装置150から出力される発電電力(直流電力)を、商用電力と同じ仕様の交流電力(例えば、単相3線式交流100V/200V)に変換して、貯湯式給湯装置1及び家電製品170等の電気負荷に供給する。
【0028】
パワーコンディショナー151は、電力メータ152と接続され、太陽光発電装置150による発電量が、電気負荷の総消費電力を上回る場合に、余剰電力を商用電力供給ライン160に供給する売電を行う。また、太陽光発電装置150による発電量が、電気負荷の総消費電力を下回る場合には、不足電力を商用電力供給ライン160から受給する買電を行う。
【0029】
なお、ここでの売電・買電とは、必ずしも金銭的な収支のみを意味するものではなく、パワーコンディショナー151から商用電力供給ライン160側に電力を供給することを売電と称している。また、商用電力供給ライン160からパワーコンディショナー151側に電力を供給することを、買電と称している。
【0030】
パワーコンディショナー151からコントローラ120には、太陽光発電装置150の発電量PVの測定データが出力される。また、電力メータ152からコントローラ120には、商用電力供給ライン160からパワーコンディショナー151への電力供給量Cd(負のときは売電状態を示し、正のときは買電状態を示す)の測定データが出力される。
【0031】
また、パワーコンディショナー151には蓄電池155が接続されている。パワーコンディショナー151は、日中に比べて電気料金が安くなる深夜時間帯に、商用電力により蓄電池155を充電しておき、日中に蓄電池155の放電電力を商用電力と同じ仕様の交流電力に変換して、貯湯式給湯装置1及び家電製品170等の電気負荷に供給する。
【0032】
このように、蓄電池155の放電電力を電気負荷に供給することによって、日中、太陽光発電装置150により生成される電力のうち、電気負荷により消費される量を低減することができるため、売電量を増やすことができる。
【0033】
なお、
図1では、貯湯式給湯装置1のコントローラとして一つのコントローラ120を示したが、貯湯ユニット10のコントローラと、ヒートポンプユニット50のコントローラと、ガス熱源ユニット80のコントローラを個別に備え、各コントローラ間の通信によって、貯湯式給湯装置1の全体的な作動を制御する構成としてもよい。
【0034】
貯湯ユニット10は、貯湯タンク11、給水管12、出湯管13等を備えている。貯湯タンク11は内部に湯を保温して貯め、高さ方向に略等間隔で配置されたタンク温度センサ14〜17と、貯湯タンク11の上部に配置されて貯湯タンク11から出湯管13に供給される湯水の温度Thを検出するタンク出湯温度センサ26が設けられている。貯湯タンク11の底部には、作業者の手動操作により開弁される排水弁18が設けられている。
【0035】
給水管12は、一端が給水口30を介して図示しない上水道に接続され、他端が貯湯タンク11の下部に接続されて、貯湯タンク11内の下部に水を供給する。給水管12には、貯湯タンク11の内圧が過大になることを防止するための減圧弁19と、給水管12から貯湯タンク11への方向のみの通水を可能にして、貯湯タンク11から給水管12側への湯水の流出を阻止する第1湯側逆止弁20が設けられている。
【0036】
給水管12から分岐した給水バイパス管34は、給湯混合弁21を介して接続箇所Xで出湯管13に連通しており、給湯混合弁21により、貯湯タンク11から出湯管13に供給される湯水と給水バイパス管34から出湯管13に供給される水との混合比が変更される。
【0037】
給水バイパス管34には、給水バイパス管34に供給される水の温度Twを検出する給水温度センサ22と、給水バイパス管34を流通する水の流量Fwを検出する水側流量センサ23と、給水バイパス管34から出湯管13への方向のみの通水を可能にして、出湯管13から給水バイパス管34側への湯水の流出を阻止する水側逆止弁24とが設けられている。
【0038】
出湯管13は、一端が給湯口31に接続され、他端が貯湯タンク11の上部に接続されている。貯湯タンク11の上部に貯められた湯水は、出湯管13から給湯口31を介して図示しない給湯栓(台所、洗面所、浴室のカランやシャワー等)に供給される。出湯管13には、貯湯タンク11から出湯管13への方向のみの通水を可能にして、出湯管13から貯湯タンク11側への湯水の流入を阻止する第2湯側逆止弁25と、貯湯タンク11から出湯管13に供給される湯水の流量Fhを検出する湯側流量センサ27とが設けられている。
【0039】
ガス熱源ユニット80は、出湯管13の給水バイパス管34との接続箇所Xよりも下流側の途中に設けられ、貯湯ユニット10には、ガス熱源ユニット80をバイパスして、ガス熱源ユニット80の下流側と上流側の出湯管13を連通する出湯バイパス管33と、出湯バイパス管33を開閉する出湯バイパス弁29とが設けられている。
【0040】
出湯管13の出湯バイパス管33との分岐箇所Yと給湯混合弁21との間に、給湯混合弁21を介して出湯管13に供給される湯水の温度Tmを検出する混合温度センサ28が設けられ、出湯管13の出湯バイパス管33との合流箇所Zと給湯口31との間に、給湯口31から出湯される湯水の温度を検出する給湯温度センサ32が設けられている。
【0041】
貯湯ユニット10に備えられた各センサの検出信号は、コントローラ120に入力される。また、コントローラ120から出力される制御信号によって、給湯混合弁21、出湯バイパス弁29の作動が制御される。
【0042】
次に、ヒートポンプユニット50は、貯湯タンク11内の湯水をタンク循環路41を介して循環させて加熱するものであり、屋外に設置されている。ヒートポンプユニット50は、ヒートポンプ循環路52により接続された蒸発器53、圧縮機54、ヒートポンプ熱交換器55(凝縮機)、及び膨張弁56により構成されたヒートポンプ51を有している。
【0043】
蒸発器53は、ファン60の回転により供給される空気(外気)とヒートポンプ循環路52内を流通する熱媒体(ハイドロフルオロカーボン(HFC)等の代替フロン、二酸化炭素等)との間で熱交換を行う。圧縮機54は、蒸発器53から吐出された熱媒体を圧縮して高圧・高温とし、ヒートポンプ熱交換器55に送出する。膨張弁56は、圧縮機54で加圧された熱媒体の圧力を開放する。
【0044】
除霜弁61は膨張弁56をバイパスして設けられており、圧縮機54から送出される熱媒体により蒸発器53を除霜する。ヒートポンプ循環路52の膨張弁56の上流側及び下流側、圧縮機54の上流側及び下流側には、ヒートポンプ循環路52内を流通する熱媒体の温度を検出する熱媒体温度センサ62,63,64,65が、それぞれ設けられている。また、蒸発器53には、蒸発器53に吸入される空気の温度Toutを検出する周囲温度センサ67が設けられている。
【0045】
ヒートポンプ熱交換器55はタンク循環路41と接続され、圧縮機54により高圧・高温とされた熱媒体と、タンク循環路41内を流通する湯水との熱交換により、タンク循環路41内を流通する湯水を加熱する。タンク循環路41には、貯湯タンク11内の湯水をタンク循環路41を介して循環させるためのタンク循環ポンプ66が設けられている。
【0046】
貯湯タンク11内の下部に貯まった湯水は、タンク循環ポンプ66によりタンク循環路41に導かれ、ヒートポンプ熱交換器55で所定温度(沸かし上げ温度)まで加熱されて貯湯タンク11の上部に戻される。これにより、所定温度の湯が、貯湯タンク11の上部から順次積層して貯められる。
【0047】
なお、タンク循環路41のヒートポンプ熱交換器55の上流側及び下流側には、タンク循環路41内を流通する湯水の温度を検出する湯温度センサ68,69が設けられている。また、ヒートポンプ熱交換器55には、その内部の雰囲気温度を検出する雰囲気温度センサ57が設けられている。
【0048】
ヒートポンプユニット50に備えられた各センサの検出信号は、コントローラ120に入力される。また、コントローラ120から出力される制御信号によって、圧縮機54、タンク循環ポンプ66、及びファン60の作動が制御される。
【0049】
次に、ガス熱源ユニット80は、出湯管13を流通する湯水を加熱するものであり、缶体87内に収容された給湯バーナ81及び給湯バーナ81により加熱される給湯熱交換器82等を備えている。
【0050】
また、出湯管13の途中箇所には、浴槽105に連通した湯張り管100が設けられている。湯張り管100には、湯張り管100を開閉する湯張り弁103が設けられており、コントローラ120は、湯張り弁103を開弁することによって、出湯管13から湯張り管100を介して浴槽105に湯を供給する湯張り運転を実行する。
【0051】
給湯バーナ81には、図示しないガス供給管から燃料ガスが供給されると共に、図示しない燃焼ファンにより燃焼用空気が供給される。コントローラ120は、給湯バーナ81に供給する燃料ガスと燃焼用空気の流量を調節して、給湯バーナ81の燃焼量を制御する。
【0052】
なお、本実施形態では、本発明の補助熱源機として、燃料ガスの燃焼エネルギーを加熱源とするガス熱源ユニット80を示したが、パワーコンディショナー151からの供給電力以外のエネルギーを熱源とするものであれば、石油の燃焼エネルギー等の他の種類のエネルギーを熱源とする補助熱源機を用いてもよい。
【0053】
給湯熱交換器82は、出湯管13の途中に接続されており、給湯バーナ81の燃焼熱によって、内部を流通する湯水を加熱する。出湯管13には、上流側から順に、止水弁93と水量センサ88が設けられている。給湯熱交換器82の上流側と下流側は、熱源バイパス管89により連通されており、熱源バイパス管89には、熱源バイパス管89の開度を調節するための熱源バイパス弁90が設けられている。出湯管13の給湯熱交換器82の出口付近には熱交出湯温度センサ91が設けられ、出湯管13の熱源バイパス管89との接続箇所の下流側には熱源出湯温度センサ92が設けられている。
【0054】
この構成により、貯湯タンク11内に湯が無いとき(湯切れ状態)に、給水管12から貯湯タンク11及び給水バイパス管34を介して出湯管13に供給される水が、給湯熱交換器82により加熱されて湯となり、熱源バイパス管89からの水と混合されて、目標給湯温度の湯が給湯口31から供給されるようになっている。
【0055】
ガス熱源ユニット80に備えられた各センサの検出信号は、コントローラ120に入力される。また、コントローラ120から出力される制御信号によって、給湯バーナ81、熱源バイパス弁90、及び湯張り弁103の作動を制御される。
【0056】
コントローラ120は、図示しないCPU,メモリ等により構成された電子回路ユニットであり、メモリに保持された貯湯式給湯装置1の制御用プログラムを、CPUで実行することによって、運転制御部121、初期制限時間帯設定部122、時刻差算出部123、当日制限時間帯設定部124、及び補正時間設定部125として機能する。
【0057】
また、コントローラ120には、後述する日付対応マップ127のデータを保持したメモリ126(本発明の記憶部に相当する)と、図示しない発振器から出力される基準パルス信号を計数することによって、現在の日付と時刻を算出する計時部128とが備えられている。
【0058】
日付対応マップ127は、
図2に示したように、日付とその日付の日の出時刻及び日の入り時刻とを関連付けたマップであり、本実施形態では、2週間単位で日付を区分して、日の出時刻及び日の入時刻を対応付けている。なお、1日単位、1週間単位、1か月単位等、他の区分によって日の出時刻及び日の入時刻を対応付けてもよい。
【0059】
コントローラ120は、通信ケーブル130によりリモコン140と接続されている。リモコン140は、貯湯式給湯装置1の運転状況や運転条件の設定等を表示するための表示器141と、各種スイッチが設けられたスイッチ部142とを備えている。貯湯式給湯装置1の使用者は、リモコン140のスイッチ部142を操作することによって、給湯口31からの給湯温度(目標給湯温度)の設定や、湯張り運転における浴槽105への給湯温度(目標湯張り温度)及び湯張り量(目標湯張り量)の設定等を行う。
【0060】
また、使用者は、リモコン140のスイッチ部142を操作して、ヒートポンプユニット50を作動させて貯湯タンク11内の水を沸し上げる沸し上げ運転の実行を制限する「沸し上げ制限時間帯」の初期値(初期制限時間帯)を設定することができる。
【0061】
さらに、使用者は、沸し上げ運転の実行を制限するモードとして、「沸し上げ制限時間帯」における沸し上げ運転の実行を無条件に禁止する「タイマーモード」と、「沸し上げ制限時間帯」における沸し上げ運転の禁止を、売電単価とガス単価(燃料ガスの単価)に基づいて判断する「経済モード」とを選択して設定することができる。
【0062】
この場合、売電単価とガス単価は、予めメモリに保持させておいてもよく、リモコン140の操作によって入力できるようにしてもよい。また、「経済モード」において、運転制御部121は、「沸し上げ制限時間帯」内で沸し上げ運転を実行したならば消費されると想定される電力量分の売電価格(沸し上げ売電価格)と、沸し上げ運転を行わないでガス熱源ユニット80により給湯を行ったならば消費されると想定されるガス及び電力の費用(フロー給湯費用)とを比較する。
【0063】
そして、沸し上げ売電価格がフロー給湯費用コストよりも高いときに、運転制御部121は、「沸し上げ制限時間帯」における沸し上げ運転を禁止する。これにより、コスト的に有利なガス熱源ユニット80によるフロー式の給湯を行って、売電量を増加させることができる。
【0064】
ここで、
図5は1日(0時〜24時)における太陽光発電装置150の発電量の変化を、縦軸を発電量(PV)に設定し、横軸を時間軸(t)に設定して示したものである。太陽光発電装置150の発電量は、基本的には、Aで示したように日の出時刻SRTから日の入時刻SSTまでの間の時間帯WGで、日の出時刻SRTから次第に増加して12時付近に最大となり、日の入時刻SSTに向かって次第に減少する。
【0065】
しかしながら、実際には、太陽光発電装置150の発電パネルの向き、太陽光を遮る建物の存在、周囲の地形等の種々の要因により、例えばBで示したように、太陽光発電装置150の発電時間帯がWGの内側のWRにシフトする場合が多い。
【0066】
ここで、沸し上げ運転は「沸し上げ制限時間帯」において使用される湯を確保できるように、「沸し上げ制限時間帯」を避けて実行されるのが基本である。そして、貯湯タンク11からの放熱ロスを少なくするためには、「沸し上げ制限時間帯」の開始時刻の直前に沸し上げ運転を終了させることが望ましい。
【0067】
そのため、「沸し上げ制限時間帯」を実際の太陽光発電装置150の発電時間帯に合わせて設定し、貯湯タンク11内の水の沸し上げ運転を、「沸し上げ制限時間帯」の開始時刻の直前に終了させることが、売電量の増加と貯湯タンク11の放熱ロスの抑制に有効である。
【0068】
そこで、上述したように、使用者により、実際に太陽光発電装置150による発電が開始される時刻TST(発電パネルに太陽光が当たり始める時刻)と、太陽光発電装置150による発電が終了する時刻TET(発電パネルに太陽光が当たらなくなった時刻)とが入力できるようにしている。
【0069】
そして、コントローラ120は、初期制限時間帯設定部122、時刻差算出部123、及び、当日制限時間帯設定部124により、TST及びTETに基づいて、「沸し上げ制限時間帯」を実際の太陽光発電装置150の発電状況に応じて設定する処理を行う。以下、
図3及び
図4に示したフローチャートに従って、この処理について説明する。
【0070】
図3は初期制限時間帯設定部122及び時刻差算出部123による処理のフローチャートである。初期制限時間帯設定部122は、STEP1で、使用者によるリモコン140のスイッチ部142の入力操作によって、「沸し上げ制限時間帯」の開始時刻(初期開始時刻)TSTと終了時刻(初期終了時刻)TET(使用者が希望する開示時刻と終了時刻)が入力されたときにSTEP2に進む。
【0071】
STEP2で、初期制限時間帯設定部122は、初期開始時刻TST〜初期終了時刻TETまでの時間帯を、初期制限時間帯TWRとして設定する。
【0072】
続くSTEP3〜STEP5は、時刻差算出部123による処理である。STEP3で、時刻差算出部123は、計時部128の計時データから初期開始時刻TSTと初期終了時刻TETが入力された日(当日)の日付を認識する。また、次のSTEP4で、時刻差算出部123は、当日の日付を日付対応マップ127に適用して、当日の日の出時刻SRTと日の入時刻SSTを取得する。
【0073】
そして、次のSTEP5で、時刻差算出部123は、以下の式(1)、式(2)により、開始時刻差ΔSTと終了時刻差ΔETを算出する。
【0074】
ΔST=TST−SRT ・・・・・(1)
ΔET=TET−SST ・・・・・(2)
但し、ΔST:開始時刻差、TST:初期開始時刻(初期制限時間帯TWRの開始時刻)、SRT:当日(TST、TETが設定された日)の日の出時刻、ΔET:終了時刻差、TET:初期終了時刻(初期制限時間帯TWRの終了時刻)、SST:当日の日の入時刻。
【0075】
ここで、
図6(a)は、7月16日に、使用者により、初期制限時間帯TWRの初期開始時刻TSTとして7時が入力され、終了時刻TETとして16時50分が入力された例を示している。
【0076】
図6(a)の例では、時刻差算出部123により、初期開始時刻である7時から日の出時刻である5時を減算した2時間が、開始時刻差ΔSTとして算出される。また、時刻差算出部123により、日の入時刻である18時50分から初期終了時刻である16時50分を減算した2時間が、終了時刻差ΔETとして算出される。この場合、日の出時刻から日の入時刻までの時間帯WG1の内側に、初期制限時間帯TWRが設定されている。
【0077】
次に、当日制限時間帯設定部124は、このようにして算出された開始時刻差ΔST及び終了時刻差ΔETを用いて、太陽光発電装置150による発電が実行される当日の「沸し上げ制限時間帯」を、
図4に示したフローチャートによる処理によって設定する。当日制限時間帯設定部124は、例えば毎日0時に
図4に示したフローチャートによる処理を実行して、当日の「沸し上げ制限時間帯」を設定する。
【0078】
当日制限時間帯設定部124は、
図4のSTEP10で、当日の日付を計時部128の計時データによって認識する。そして、続くSTEP11で、当日制限時間帯設定部124は、当日の日付を日付対応マップ127に適用して、当日の日の出時刻SRT及び日の入時刻SSTを取得する。
【0079】
次のSTEP12で、当日制限時間帯設定部124は、開始時刻差ΔSTと終了時刻差ΔETが設定されているか否かを判断する。そして、開始時刻差ΔSTと終了時刻差ΔETが設定されている場合はSTEP13に進み、当日制限時間帯設定部124は、以下の式(3),式(4)により「沸し上げ制限時間帯」の開始時刻RSTと終了時刻RETを算出してSTEP14に進み、処理を終了する。
【0080】
RST=SRT+ΔST ・・・・・(3)
RET=SST+ΔET ・・・・・(4)
【0081】
また、開始時刻差ΔSTと終了時刻差ΔETが設定されていない場合には、STEP20に分岐し、当日制限時間帯設定部124は、以下の式(5),式(6)により「沸し上げ制限時間帯」の開始時刻RSTと終了時刻RETを算出してSTEP14に進み、処理を終了する。
【0082】
RST=SRT ・・・・・(5)
RET=SST ・・・・・(6)
【0083】
このように、当日制限時間帯設定部124により、当日の日の出時刻SRTを開始時刻差ΔSTで補正(ΔST分シフト)して「沸し上げ制限時間帯」の開始時刻RSTを設定し、また、当日の日の入時刻SSTを終了時刻差ΔETで補正(ΔET分シフト)して「沸し上げ制限時間帯」の終了時刻RETを設定することにより、使用者が設定した初期制限時間帯TWRが示す太陽光発電装置150の設置状況を反映させて、当日の「沸し上げ制限時間帯」を設定することができる。
【0084】
ここで、
図6(b)は、
図6(a)で算出された開始時刻差ΔSTと終了時刻差ΔETを用いて、1月16日における「沸し上げ制限時間帯」WR2を設定した例を示している。
【0085】
当日制限時間帯設定部124は、
図4のフローチャートに示した処理により、STEP10で当日の日付である1月16日を日付対応マップ127に適用して、1月16日の日の出時刻である7時と日の入時刻である17時を取得する。そして、当日制限時間帯設定部124は、上記式(3)、式(4)に、SRT=7時、ΔST=2時間、SST=17時、ΔET=2時間を代入して、「沸し上げ制限時間帯」の開始時刻RSTとして9時を算出すると共に、「沸し上げ制限時間帯」の終了時刻RETとして15時を算出する。
【0086】
これにより、当日(1月16日)の9時〜15時の間の時間帯WR2が「沸し上げ制限時間帯」として設定されている。
【0087】
[別実施形態]
上記実施形態においては、初期制限時間帯設定部122により、使用者による「沸し上げ制限時間帯」の初期開始時刻TSTと初期終了時刻TETの入力に応じて、初期制限時間時間帯TWRを設定し、時刻差算出部123により、開始時刻差ΔSTと終了時刻差ΔETを設定したが、初期制限時間帯設定部122及び時刻差算出部123に代えて、日の出時刻SRTを補正するための第1補正時間と、日の入時刻SSTを補正するための第2補正時間とを設定する補正時間設定部125(
図1参照)を備えるようにしてもよい。
【0088】
補正時間設定部125は、使用者によるリモコン140のスイッチ部142の入力操作に応じて、第1補正時間ΔAM1と第2補正時間ΔAM2を設定する。ここで、第1補正時間ΔAM1は、日の出時刻SRTをシフトさせて沸し上げ制限時間帯の開始時刻を設定するための補正時間であり、第2補正時間ΔAM2は、日の入時刻SSTをシフトさせて沸し上げ制限時間帯の終了時刻を設定するための補正時間である。
【0089】
使用者は、任意の日の光発電装置150の実際の発電時間帯に合わせて、その日の日の出時刻SRTをシフトさせる時間を第1補正時間ΔAM1として設定し、その日の日の入時刻SSTをシフトさせる時間を第2補正時間ΔAM2として設定する。そして、その後、当日制限時間帯設定部124は、上述した
図4のフローチャートのSTEP12、STEP13における開始時刻差ΔSTを第1補正時間ΔAM1に置き換え、また、終了時刻差ΔETを第2補正時間ΔAM2に置き換えた処理を行うことによって、当日の沸し上げ制限時間帯を設定する。