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特許6377005インクジェットプリンタのためのモジュール・プリント・バー・アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6377005
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタのためのモジュール・プリント・バー・アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20180813BHJP
【FI】
   B41J2/01 307
【請求項の数】20
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-67487(P2015-67487)
(22)【出願日】2015年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-202694(P2015-202694A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2018年3月8日
(31)【優先権主張番号】14/251,931
(32)【優先日】2014年4月14日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ジェイ・スペンス
(72)【発明者】
【氏名】マーク・エイ・アトウッド
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−262540(JP,A)
【文献】 特表2007−534517(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0013729(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 − 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタであって、前記プリンタは、
前記プリンタを通るように媒体を動かして、前記媒体上にインク画像を形成するよう構成される媒体搬送部と、
3つの直線配置された差し込み口を有する第1の部材と、
3つの直線配置された差し込み口を有する第2の部材と、
第1のロッド、第2のロッド、および第3のロッドとを備え、各ロッドは、第1の端および第2の端を有し、各ロッドの前記第1の端は、1対1に対応する前記第1の部材内の前記差し込み口の1つの中に位置づけられ、各ロッドの前記第2の端は、1対1に対応する前記第2の部材内の前記差し込み口の1つの中に位置づけられ、前記第1、前記第2、および前記第3のロッドが、前記第1の部材から前記第2の部材に互いに平行に伸びることを可能にし、
前記プリンタはさらに、第1のフレームを備え、前記第1のフレームは、周辺部、前記第1のフレームの第1の側部から伸びるフランジのペア、および前記第1のフレームの第2の側部から伸びる第3のフランジを有し、前記第1のフレームの前記第2の側部は、前記第1のフレームの前記第1の側部と反対側であり、各フランジは、前記フランジ内に穴を有する前記第1のフレームから伸び、前記第1のロッドは、前記第1のフレームのフランジの前記ペア内の穴を通り、前記第2のロッドは、前記第1のフレームの前記第3のフランジ内の前記穴を通り、
前記プリンタはさらに、第2のフレームを備え、前記第2のフレームは、周辺部、前記第2のフレームの第1の側部から伸びるフランジのペア、および前記第2のフレームの第2の側部から伸びる第3のフランジを有し、前記第2のフレームの前記第2の側部は、前記第2のフレームの前記第1の側部と反対側であり、各フランジは、前記フランジ内に穴を有する前記第2のフレームから伸び、前記第3のロッドは、前記第2のフレームの前記第3のフランジ内の前記穴を通り、前記第2のロッドは、前記第2のフレームのフランジの前記ペア内の前記穴を通り、
前記プリンタはさらに、前記第1のフレーム内に取り付けられる第1のプリントヘッドと、
前記第2のフレーム内に取り付けられる第2のプリントヘッドと、
前記第1のプリントヘッドおよび前記第2のプリントヘッドに動作可能に接続される制御器とを備え、前記制御器は、前記第1のプリントヘッドおよび前記第2のプリントヘッドを動作させて、前記媒体に対して前記インク画像を形成するよう構成される、プリンタ。
【請求項2】
前記第1のフレームから伸びる前記第3のフランジが、前記第2のフレームから伸びる前記フランジの前記ペア内の一方のフランジに隣接し、前記第1のプリントヘッド内のインクジェットを、前記第2のプリントヘッド内のインクジェットから、前記第1のプリントヘッド内の前記インクジェット間の距離より短い距離でオフセットする、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記第1のフレームから伸びる前記第3のフランジは、前記第2のフレームから伸びるフランジの前記ペア内の各フランジから等距離であり、前記第1のプリントヘッド内のインクジェットを、前記第2のプリントヘッド内のインクジェットと整列させる、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記第1のフレームおよび前記第2のフレームの各フランジ内の各穴内にスロット付きブッシングをさらに備える、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項5】
開口部を有する第1のプレートと、開口部を有する第2のプレートとをさらに備え、前記第1のプリントヘッドが、前記第1のプレートの前記開口部に取り付けられ、前記第1のプレートが、前記第1のフレームの前記周辺部内に取り付けられ、前記第2のプリントヘッドが、前記第2のプレートの前記開口部に取り付けられ、前記第2のプレートが、前記第2のフレームの前記周辺部内に取り付けられる、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項6】
各フレームは、複数の鋼パッドをさらに備え、各プレートは、前記プレートを通って伸びて、1対1に対応するプレートを位置づける前記フレームの前記複数の鋼パッドを係合する複数のネジ切り部材をさらに備え、ネジは、前記プレートが、前記プレートが配置される前記フレームの前記周辺部に対して水平になることを可能にする、請求項5に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記第1のプレートに取り付けるよう構成され、さらに前記第1のフレームの前記周辺部に前記第1のプレートを付勢するよう前記第1のフレームに取り付けるよう構成される第1の付勢部材と、前記第2のプレートに取り付けるよう構成され、さらに前記第2のフレームの前記周辺部に前記第2のプレートを付勢するよう前記第2のフレームに取り付けるよう構成される第2の付勢部材とをさらに備える、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項8】
前記第1のフレームおよび前記第2のフレームのそれぞれは、前記フレームと、前記フレームの前記周辺部に平行方向に前記フレームから前記プレートを離すよう促すために前記フレームの前記周辺部内に位置づけられる前記プレートの部分との間に位置づけられる付勢部材と、前記付勢部材と反対方向に前記プレートの前記部分に作用するが、前記フレームの前記周辺部に依然として平行であり、前記プレートが位置づけられる前記フレームの前記周辺部に平行な面内で前記プレートが移動することを可能にするよう構成されるアクチュエータとをさらに備える、請求項7に記載のプリンタ。
【請求項9】
各フレームは、旋回部の周りを回転し、前記フレームの前記周辺部内に位置づけられる前記プレートの部分を係合するよう位置づけられる旋回部材と、前記旋回部材に作用して、回転力を、前記旋回部材および前記フレームの前記周辺部内の前記プレートの前記部分に印加して、前記プレートが位置づけられる前記フレームの前記周辺部に平行な面内の前記プレートを回転するよう構成されるアクチュエータとをさらに備える、請求項7に記載のプリンタ。
【請求項10】
前記第1のフレームから、前記第2のフレームから伸びるフランジの前記ペア内の一方のフランジに伸びる前記第3のフランジの間に動作可能に接続されるリンクをさらに備え、前記第2のフレームから伸びるフランジの前記ペア内の前記一方のフランジが、前記第1のフレームから伸びる前記第3のフランジから最も離れた前記一方のフランジである、請求項7に記載のプリンタ。
【請求項11】
プリント・バー・アセンブリであって、前記プリント・バー・アセンブリは、
3つの直線配置された差し込み口を有する第1の部材と、
前記直線配置された差し込み口の内の2つの間で、前記第1の部材に取り付けられた第1のアクチュエータと、前記直線配置された差し込み口の内の2つの間で、前記第1の部材に取り付けられた第2のアクチュエータとを含み、前記第1のアクチュエータと前記第2のアクチュエータは、同じ2つの直線配置された差し込み口の間には取り付けられず、
前記プリント・バー・アセンブリはさらに、
3つの直線配置された差し込み口を有する第2の部材と、
第1のロッド、第2のロッド、および第3のロッドとを備え、各ロッドは、第1の端および第2の端を有し、各ロッドの前記第1の端は、1対1に対応する前記第1の部材内の前記差し込み口の1つの中に取り外し可能に位置づけられ、各ロッドの前記第2の端は、1対1に対応する前記第2の部材内の前記差し込み口の1つの中に取り外し可能に位置づけられ、前記第1、前記第2、および前記第3のロッドが、前記第1の部材から前記第2の部材に互いに平行に伸びることを可能にし、
前記プリント・バー・アセンブリはさらに、第1のフレームを備え、前記第1のフレームは、周辺部、前記第1のフレームの第1の側部から伸びるフランジのペア、および前記第1のフレームの第2の側部から伸びる第3のフランジを有し、前記第1のフレームの前記第2の側部は、前記第1のフレームの前記第1の側部と反対側であり、各フランジは、前記フランジ内に穴を有する前記第1のフレームから伸び、前記第1のロッドは、前記第1のフレームのフランジの前記ペア内の穴を通り、前記第2のロッドは、前記第1のフレームの前記第3のフランジ内の前記穴を通り、
前記プリント・バー・アセンブリはさらに、第2のフレームを備え、前記第2のフレームは、周辺部、前記第2のフレームの第1の側部から伸びるフランジのペア、および前記第2のフレームの第2の側部から伸びる第3のフランジを有し、前記第2のフレームの前記第2の側部は、前記第2のフレームの前記第1の側部と反対側であり、各フランジは、前記フランジ内に穴を有する前記第2のフレームから伸び、前記第3のロッドは、前記第2のフレームの前記第3のフランジ内の前記穴を通り、前記第2のロッドは、前記第2のフレームのフランジの前記ペア内の前記穴を通る、プリント・バー・アセンブリ。
【請求項12】
前記第1のフレームから伸びる前記第3のフランジが、前記第2のフレームから伸びる前記フランジの前記ペア内の一方のフランジに隣接する、請求項11に記載のプリント・バー・アセンブリ。
【請求項13】
前記第1のフレームから伸びる前記第3のフランジは、前記第2のフレームから伸びるフランジの前記ペア内の各フランジから等距離である、請求項11に記載のプリント・バー・アセンブリ。
【請求項14】
前記第1のフレームおよび前記第2のフレームの各フランジ内の各穴内にスロット付きブッシングをさらに備える、請求項11に記載のプリント・バー・アセンブリ。
【請求項15】
プレートをさらに備え、前記プレートは前記プレート内に開口部を有し、前記開口部はプリントヘッドを受けるよう構成され、前記のプレートが、前記第1のフレームの前記周辺部内または前記第2のフレームの前記周辺部内に嵌るよう構成される、請求項11に記載のプリント・バー・アセンブリ。
【請求項16】
プレートと、
前記プレートに取り付けるよう構成され、さらに前記プレートが位置づけられる前記第1のフレームまたは前記第2のフレームに取り付けるよう構成され、そのフレームの前記周辺部に前記プレートを付勢するよう構成される付勢部材とをさらに備える、請求項11に記載のプリント・バー・アセンブリ。
【請求項17】
前記各フレームのそれぞれは、前記フレームと、前記フレームの前記周辺部に平行方向に前記フレームから前記プレートを離すよう促すために前記フレーム内に位置づけられる前記プレートの部分との間に位置づけられる付勢部材と、前記付勢部材と反対方向に前記フレーム内に位置づけられる前記プレートの前記部分に作用するが、前記フレームの前記周辺部に依然として平行であり、前記プレートが位置づけられる前記フレームの前記周辺部内で前記プレートが移動することを可能にするよう構成されるアクチュエータとさらに備える、請求項16に記載のプリント・バー・アセンブリ。
【請求項18】
各フレームは、複数の鋼パッドをさらに備え、前記プレートは、前記プレートを通って伸びて、1対1に対応するプレートを位置づける前記フレームの前記複数の鋼パッドを係合する複数のネジ切り部材をさらに備え、ネジは、前記プレートが、前記プレートが配置される前記フレームの前記周辺部に対して水平になることを可能にする、請求項16に記載のプリント・バー・アセンブリ。
【請求項19】
各フレームは、旋回部の周りを回転し、前記フレームの前記周辺部内に位置づけられる前記プレートの部分を係合するよう位置づけられる旋回部材と、前記旋回部材に作用して、回転力を、前記旋回部材および前記フレーム内の前記プレートの前記部分に印加して、前記プレートが位置づけられる前記フレームの前記周辺部に平行な面内の前記プレートを回転するよう構成されるアクチュエータとをさらに備える、請求項16に記載のプリント・バー・アセンブリ。
【請求項20】
前記第1のフレームから、前記第2のフレームから伸びるフランジの前記ペア内の一方のフランジに伸びる前記第3のフランジの間に動作可能に接続されるリンクをさらに備え、前記第2のフレームから伸びるフランジの前記ペア内の前記一方のフランジが、前記第1のフレームから伸びる前記第3のフランジから最も離れた前記一方のフランジである、請求項16に記載のプリント・バー・アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、インクジェット作像デバイスに関し、特に、インクジェットプリンタ内のプリント・バー・アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
通常は、インクジェットプリンタは、プリント・バー・アセンブリ・フレームに取り付けられた、複数のプリントヘッドを備える。フレームは、2つの側部を有する単一のダイキャスト構造であり、複数のバーまたはロッドが、側部間に平行に伸びる。次いで、プリントヘッドは、キャリアに取り付けられ、キャリアは、特定の位置でバーに取り付けられ、プリンタが生成する画像に対して適切な画素解像度をもたらす。プリンタの印刷領域は、インク画像がプリンタを通過する媒体に対して形成される、プリンタ内の領域である。標準サイズのプリンタの中には、プリント・バー・アセンブリが、8.5インチ、24インチ、36インチ、または40インチ幅の画像を生成するよう形成されるものもある。各それぞれの画像幅は、異なるダイキャストフレームを必要とする。これらのダイキャストフレームは、非常に高価であり、フレームがキャストされた印刷領域幅以外の任意の幅に適合させることができない。プリント・バー・アセンブリを、異なる画像幅に対応するよう変更可能にすることは、有益である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態において、プリンタは、プリント・バー・アセンブリを備え、そのアセンブリが、異なるダイキャストフレームを取得する必要無く、さまざまな幅で構築されることを可能にする。プリンタは、プリンタを通過するよう媒体を動かし、媒体上にインク画像を形成するよう構成される媒体搬送部と、3つの直線配置された差し込み口を有する第1の部材と、3つの直線配置された差し込み口を有する第2の部材と、第1のロッドと、第2のロッドと、第3のロッドとを備える。各ロッドは、第1の端と第2の端とを有し、各ロッドの第1の端は、1対1に対応する第1の部材内の差し込み口の1つ内に位置づけられ、各ロッドの第2の端は、1対1に対応する第2の部材内の差し込み口の1つ内に位置づけられ、第1、第2、および第3のロッドが、第1の部材から第2の部材に、互いに平行に伸びることを可能にする。プリンタはまた、周辺部を有する第1のフレームと、第1のフレームの第1の側部から伸びるフランジのペアと、第1のフレームの第2の側部から伸びる第3のフランジとを備え、第1のフレームの第2の側部は、第1のフレームの第1の側部とは反対であり、各フランジは、フランジ内に穴を有する第1のフレームから伸び、第1のロッドは、第1のフレームのフランジのペア内の穴を通り、第2のロッドは、第1のフランジの第3のフランジ内の穴を通る。プリンタ内の第2のフレームは、周辺部と、第2のフレームの第1の側部から伸びるフランジのペアと、第2のフレームの第2の側部から伸びる第3のフランジとを備え、第2のフレームの第2の側部は、第2のフレームの第1の側部とは反対であり、各フランジは、フランジ内に穴を有する第2のフレームから伸び、第3のロッドは、第2のフレームの第3のフランジ内の穴を通り、第2のロッドは、第2のフレームのフランジのペア内の穴を通る。第1のプリントヘッドは、第1のフレーム内に取り付けられ、第2のプリントヘッドは、第2のフレーム内に取り付けられる。制御器は、第1のプリントヘッドおよび第2のプリントヘッドに動作可能に接続され、第1のプリントヘッドおよび第2のプリントヘッドを動作させて、媒体に対してインク画像を形成するよう構成される。
【0004】
幅の異なる画像を生成するためのプリントヘッドアセンブリの製造は、モジュール・プリント・バー・アセンブリによって促進されてきた。モジュール・プリント・バー・アセンブリは、3つの直線配置された差し込み口を有する第1の部材と、直線配置された差し込み口の内の2つの間で、第1の部材に取り付けられた第1のアクチュエータと、直線配置された差し込み口の内の2つの間で、第1の部材に取り付けられた第2のアクチュエータとを備える。第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータは、同じ2つの直線配置された差し込み口の間には取り付けられない。アセンブリはまた、3つの直線配置された差し込み口を有する第2の部材、および第1のロッド、第2のロッド、ならびに第3のロッドを備える。各ロッドは、第1の端と第2の端とを有し、各ロッドの第1の端は、1対1に対応する第1の部材内の差し込み口の1つ内に取り外し可能に位置づけられ、各ロッドの第2の端は、1対1に対応する第2の部材内の差し込み口の1つ内に取り外し可能に位置づけられ、第1、第2、および第3のロッドが、第1の部材から第2の部材に、互いに平行に伸びることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】モジュール・プリント・バー・アセンブリの構成要素、およびモジュール・プリント・バー・アセンブリで実現することができるさまざまな構成を示す図である。
図2A】カットシートプリンタまたはエンドレスベルト中間プリンタで使用されるモジュール・プリント・バー・アセンブリの端部材の側面図である。
図2B】ウェブプリンタまたは回転ドラム中間プリンタで使用されるモジュール・プリント・バー・アセンブリの端部材の側面図である。
図3図1のプリント・バー・アセンブリに取り付けられるよう構成されるプリントヘッドアセンブリの分解図である。
図4A図1のプリント・バー・アセンブリに取り付けるよう構成されるフレームに取り付けられるプリントヘッドプレートの斜視図である。
図4B図4Aに示すフレームに取り付けられるプリントヘッドプレートの上面図である。
図5図1のプリント・バー・アセンブリに取り付けるよう構成されるプリントヘッドプレートおよびフレームに取り付けられるプリントヘッドの斜視図である。
図6図4における線6−6に沿った、プリントヘッドプレートおよびフレームの断面図である。
図7図5に示すアセンブリの、反対側からの斜視図である。
図8図1のプリント・バー・アセンブリが支持することができるプリントヘッドアセンブリの構成の斜視図である。
図9図1に示すプリント・バー・アセンブリの1つによって支持される、図8に示すプリントヘッドアセンブリの構成の斜視図である。
図10図1のプリント・バー・アセンブリが支持することができる別のプリントヘッドアセンブリの構成の斜視図である。
図11図8に示す構成における隣接プリントヘッドアセンブリに連結するリンクの斜視図である。
図12】先行技術による連続的ダイレクト・ツー・メディア(direct−to−media)プリンタの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本実施形態の一般的な理解のために、図面を参照する。図面において、同一の参照番号は、全体を通して、同一の要素を意味するために使用する。本明細書で使用する場合、「プリンタ」「プリンティングデバイス」または「作像デバイス」という用語は、一般に、印刷媒体上に1つまたは複数の着色剤で画像を生成するデバイスを意味し、デジタルコピー機、製本器、ファックス機械、または複合機などの、何らかの目的のために印刷画像を生成する、任意の装置を包含することができる。画像データは、一般に、1つまたは複数のプリントヘッドにおけるインクジェットイジェクタを動作させて、印刷媒体上にインク画像を形成するよう提供および使用される、電子形式の情報を含む。これらのデータには、テキスト、グラフィクス、および写真などが含まれる可能性がある。印刷媒体上に、着色剤で、例えば、グラフィクス、テキスト、および写真などの画像を生成する動作は、一般に、本明細書では、プリンティングまたはマーキングと称する。
【0007】
本明細書で使用する場合、「プリントヘッド」という用語は、インクジェットイジェクタで、インク滴を、画像受け面上に吐出するよう構成される、プリンタ内の構成要素を意味する。典型的なプリントヘッドは、インクジェットイジェクタ内のアクチュエータを作動させる発射信号に応答して、1つまたは複数のインク色のインク滴を、画像受け面上に吐出する、複数のインクジェットイジェクタを備える。インクジェットは、1つまたは複数の行および列の配列で配置される。いくつかの実施形態において、インクジェットは、プリントヘッドの一面を横切る千鳥上の斜めの行に配置される。さまざまなプリンタ実施形態において、インク画像を画像受け面上に形成する1つまたは複数のプリントヘッドが含まれる。いくつかのプリンタ実施形態には、印刷領域内に配置された複数のプリントヘッドが含まれる。印刷媒体、またはインク画像を搬送する中間媒体の表面などの、画像受け面は、印刷領域を通過する処理方向に、プリントヘッドを通って移動する。プリントヘッド内のインクジェットは、画像受け面を横切る処理方向に垂直である、クロス処理方向に並べてインク滴を吐出する。
【0008】
間接プリンタでは、プリントヘッドは、中間画像受け部材、例えば、回転ドラムまたはエンドレスベルトの表面上に、インク滴を吐出する。転写定着ローラは、中間画像受け部材に対して、転写定着ニップを形成するよう、選択的に位置づけられる。媒体シートが、中間画像受け部材上のインク画像と連動して、転写定着ニップを通過すると、インク画像は、転写定着ニップにおいて圧力と熱を受け、媒体シートに転写および定着する。インク画像の転写および定着は、当業者には周知であり、転写定着処理と称される。
【0009】
直接プリンタでは、プリントヘッドは、印刷媒体、例えば、用紙、または連続的な媒体ウェブ上に、直接、インク滴を吐出する。インク滴が印刷媒体上に印刷されると、プリンタは、インク滴と印刷媒体に、圧力と、任意選択的に、熱とを加える2つのローラの間に形成されるニップを通るよう、印刷媒体を動かす。ローラの1つは、典型的に、「スプレッダローラ」と称され、印刷媒体の印刷側に接する。第2のローラは、典型的に、「圧力ローラ」と称され、媒体をスプレッダローラに押しつけ、インク滴を広げ、インクを印刷媒体に定着させる。
【0010】
本明細書で開示するシステムおよび方法に対する環境ならびにシステムおよび方法に対する詳細の一般的な理解のために、図面を参照する。図面において、同一の参照番号は、全体を通して、同一の要素を意味するために使用する。図12は、先行技術による、インクジェットプリンタ5を示す。本開示のために、インクジェットプリンタは、1つまたは複数のインクジェットプリントヘッドを使用し、インクの液滴を、紙などの画像受け部材、他の印刷媒体、または回転画像ドラムもしくはベルトなどの間接部材の表面上に吐出する。プリンタ5は、液状インクでインク画像を印刷するよう構成される。本明細書で使用する場合、液状インクは、溶融固体インク、加熱ゲルインク、水性インク、インクエマルジョン、インク懸濁液、またはインク溶液などを意味する。
【0011】
プリンタ5は、制御器50を備え、インクジェットイジェクタが着色剤を吐出するための制御信号を生成する前に、画像データを処理する。着色剤は、インクか、または任意の適切な物質とすることができ、1つまたは複数の染料または顔料を含み、画像受け面に塗布されて、インク画像を形成する。着色剤は、黒か、または他の所望の色にすることができ、一部のプリンタ構成では、複数の異なる着色剤を媒体に塗布する。インク画像は、媒体上に形成されるか、または媒体に転写されることが可能であり、そのような媒体には、普通紙、コート紙、光沢紙、トランスペアレンシーなどのさまざまな被印刷物のいずれかを含み、媒体は、シート、ロール、または他の物理的形状で利用可能とすることができる。
【0012】
プリンタ5は、ダイレクト・ツー・ウェブ(direct−to−web)連続媒体インクジェットプリンタの一例であり、ウェブローラ8に取り付けられた媒体10のスプールなどの、媒体源からの「被印刷物」(紙、プラスチック、または他の印刷可能な物質)の媒体14の長い(すなわち、実質的に連続的な)ウェブを供給するよう構成される、媒体供給処理システムを備える。媒体ウェブ14は、多数(例えば、数千または数万)の個別のページを含み、個別のページは、印刷処理が終了すると、市販の仕上げ装置で個別のシートに分けられる。
【0013】
プリンタ5は、所定の線速度で処理方向Pに媒体ウェブ14を動かす、媒体経路に沿って配置されたローラを回転させるために、電気モータなどの1つまたは複数のアクチュエータを使用する媒体搬送部を備える。プリンタ5では、媒体ウェブ14は、必要に応じて、媒体源10から巻き出され、さまざまなモータ(図示せず)が、1つまたは複数のローラ12および26を回転させ、方向Pに媒体ウェブ14を進める。媒体調整器は、ローラ12およびプレヒータ18を備える。ローラ12および26は、媒体がプリンタを通る経路に沿って動くと、巻出媒体の張力を制御する。代替実施形態において、プリンタは、媒体供給処理システムが、プリンタを通る所望の経路に沿ってカット媒体シートの搬送を可能にするための任意の適切なデバイスまたは構造を含む場合に、印刷領域を通るようにカットシート媒体を搬送する。プレヒータ18は、印刷される媒体の種類および使用されるインクの種類、色、ならびに数に対応する所望の画像特性に対して選択される、初期の所定温度をウェブにもたらす。
【0014】
媒体ウェブ14は、続けて、印刷領域20を方向Pに、一連のプリント・バー・アセンブリ21A、21B、21C、および21Dを通過する。各プリント・バー・アセンブリ21Aから21Dは、媒体の幅の端から端まで実効的に伸び、インクを媒体ウェブ14上に直接(すなわち、中間またはオフセット部材を使用することなく)吐出する1つまたは複数のプリントヘッドを備える。プリンタ5では、各プリントヘッドは、単色のインクを吐出し、各色に対するプリントヘッドは、典型的に、カラー印刷、すなわち、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラック(CMYK)で使用される。
【0015】
プリンタ5の制御器50は、4つのプリントヘッドの反対の経路の部分の各側部に配置付けられるローラに近接して取り付けられるエンコーダから速度データを受信し、ウェブがプリントヘッドを通って動くと、ウェブの線速度および位置を計算する。制御器50は、媒体ウェブ速度データを使用して、発射信号を生成し、プリントヘッド内のインクジェットイジェクタを作動させて、プリントヘッドが、異なるカラーパターンの位置合わせをして媒体上にカラー画像を形成するために、適切なタイミングおよび精度で、4色のインクを吐出することを可能にする。発射信号によって作動したインクジェットイジェクタは、制御器50によって処理されるデジタルデータに対応する。印刷される画像に対するデジタルデータは、プリンタに送信され、プリンタの構成要素であるスキャナ(図示せず)によって生成されるか、またはプリンタに生成および送達されることが可能である。
【0016】
各プリント・バー・アセンブリと関連づけられるのは、裏当て部材24Aから24Dであり、典型的に、バーまたはロールの形態であり、媒体の裏側に、対応するプリント・バー・アセンブリとは実質的に反対側に配置される。各裏当て部材は、裏当て部材の反対にあるプリント・バー・アセンブリから所定の距離に、媒体を位置づける。さまざまな裏側部材を、個別にまたは集合的に制御することができる。
【0017】
印刷領域20で媒体経路に沿って次に来るのは、1つまたは複数の「中間ヒータ」30である。中間ヒータ30は、接触、輻射、伝導、および/または対流熱を使用して、媒体の温度を制御することができる。中間ヒータ30は、媒体上のインクがスプレッダ40を介して送られると、媒体上に配置されたインクに、所望の特性のために適切な温度をもたらす。
【0018】
中間ヒータ30に続き、定着アセンブリ40が、媒体に熱および/または圧力を加え、画像を媒体に定着させる。定着アセンブリは、画像を媒体に定着するための任意の適切なデバイスまたは装置を備え、加熱もしくは無加熱圧力ローラ、輻射ヒータ、および加熱ランプなどを含む。図5の実施形態では、定着アセンブリは、「スプレッダ」40を備え、媒体に所定の圧力を印加し、いくつかの実装態様では、媒体に熱を印加する。スプレッダ40の機能は、ウェブ14上の、個々のインク滴、インク滴の並び、またはインクの線を平らにすること、および圧力で、ならびにいくつかのシステムでは、熱で、インクを平らにすることである。スプレッダは、インク滴を平らにし、隣接する液滴間の空間を満たし、媒体ウェブ14上に、均一な画像を形成する。スプレッダ40は、画像側ローラ42および圧力ローラ44などのローラを備え、媒体に熱および圧力を加える。
【0019】
スプレッダ40は、画像側ローラ42と関連づけられたクリーニング/オイリングステーション48を備えることができる。ステーション48は、ローラ表面に、何らかの剥離剤または他の材料の層をクリーニングおよび/または塗布する。剥離剤材料は、約10から200センチポアズの粘性を有するアミノシリコーン油とすることができる。少量のオイルが、ステーションから媒体ウェブ14に移され、プリンタ5は、媒体ウェブ14のA4シートサイズ部分毎に約1から10mgを移す。
【0020】
プリンタ5では、制御器50は、さまざまなサブシステムおよび構成要素に動作可能に接続され、プリンタ5の動作を調節および制御する。制御器50は、プログラムされた命令を実行する、汎用または専用プログラマブルプロセッサで実現される。プログラムされた機能を行うために必要な命令およびデータは、制御器50と関連づけられたメモリ52に格納される。メモリ52は、制御器50に対するプログラムされた命令を格納する。
【0021】
制御器50では、プロセッサ、メモリ、およびインターフェース回路は、制御器および/または印刷領域を構成し、プリンタ動作を行う。これらの構成要素は、プリント回路カードに設けられるか、または特定用途向け集積回路(ASIC)内の回路として設けられ得る。各回路を別々のプロセッサにより実現することができ、または複数の回路を同じプロセッサで実現することができる。あるいは、回路は、VLSI回路に設けられた個別の構成要素または回路により実現することができる。また、本明細書で説明する回路は、プロセッサ、ASIC、個別の構成要素、またはVLSI回路の組み合わせにより実現することができる。制御器50は、プリントヘッドユニット21Aから21Dにおけるプリントヘッドに動作可能に接続される。制御器50は、電気的発射信号を生成し、プリントヘッドユニット21Aから21Dにおける個々のインクジェットを動作させ、インク滴を吐出し、媒体ウェブ14上に印刷画像を形成する。
【0022】
図1に示す先行技術のプリンタ5などの既知のプリンタでは、プリントヘッドは、上記したようなダイキャストユニット上に取り付けられ、これらのアセンブリは、幅が異なる印刷領域に対して構成することができなかった。プリントバーの幅を任意の数のプリントヘッドに対応させることが可能なように調整可能な新しいプリントヘッドモジュールが開発されている。したがって、プリント・バー・アセンブリは、ロッド108がN個のプリントヘッドを収めるのに十分長い場合、1からN個のプリントヘッドの範囲とすることができる。そのようなプリント・バー・アセンブリ100を、図1に示す。アセンブリ100は、端部材104および少なくとも3つのロッド108を備える。各端部材104は、ロッド108の1つの一端を受けるよう構成される、3つの直線配置された差し込み口112を備える。アクチュエータ120は、端部材104の1つにおける2つの連続した差し込み口112の間に位置づけられる。アクチュエータは、以下に説明するように、プリントバーのステッチ位置を調整するよう構成される。端部材104はまた、ハンドル116を備え、プリント・バー・アセンブリの、プリンタにおけるフレームへの取り付けを容易にする。ロッド108は、精密にカットされたスチールロッドであり、Thomson Industries,Inc.(Radford,Virginia)が販売するThomson 60 Case(登録商標)Standard Shaftなどがあるが、他の供給元および金属を使用して、ロッドを形成することができる。これらのシャフトは、所定の長さに切断され、端部材および3つのロッドが、図1に示すように組み立てられ、プリント・バー・アセンブリを形成することを可能にする。本明細書で使用する場合、「フレーム」は、他の物体を取り付けるか、または収めることができる周辺部および開口部を有する構造を意味する。本明細書で使用する場合、「プレート」は、他の物体を支持する任意の構造を意味する。また、本明細書で使用する場合、「ロッド」または「バー」は、2つの端と、その2つの端の間で概ね均一な断面を有する細長部材を意味する。
【0023】
図2Aは、プリント・バー・アセンブリ100の側面図であり、2つのプリントヘッド124が、アセンブリに取り付けられている。このプリント・バー・アセンブリは、カットシートプリンタで使用するよう構成される。したがって、プリントヘッド124は、インクを、比較的平らな媒体表面上に吐出する。比較的平らな媒体表面から適切なギャップでプリントヘッドを保持するようアセンブリを形成するために、端部材104は、真っ直ぐで、水平の構造を有する。図2Bも、プリント・バー・アセンブリ100の側面図であり、2つのプリントヘッド124が、アセンブリに取り付けられている。このプリント・バー・アセンブリは、図5に示すような、ウェブプリンタで使用するよう構成される。したがって、プリントヘッド124は、インクを、裏側ローラ128によって湾曲される媒体表面上に吐出する。湾曲媒体表面から適切なギャップでプリントヘッドを保持するようアセンブリを形成するために、端部材104は、部材の2つの端に向けて外側に、部材の中心から傾けられる。したがって、カットシートプリンタまたはエンドレスベルト中間プリンタのために構成される端部材104は、図2Aに示すような、平らで水平の側部構造を有し、一方、ウェブプリンタまたは回転ドラム中間プリンタのために構成される端部材104は、図2Bに示すような、二重傾斜構造を有する。
【0024】
プリント・バー・アセンブリにプリントヘッドを取り付けるためのモジュールシステムの分解図を、図3に示す。本システムは、プリントヘッド124、プリントヘッドプレート128、フレーム132、ステッチ制御機構180、およびロール制御機構190を備える。フレーム132は、アルミニウム製であり、開口部136を有し、開口部136の周りにフレームの周辺部が形成される。3つのフランジ140a、140b、および140cが、フレーム132から伸びる。2つのフランジ140a、140bは、フレーム132の片面から伸び、各フランジは、ロッド108の1つに精密に適合する開口部144を有するブッシング148を有する。第3のフランジ140cは、フレーム132の反対側から伸び、スロット付きボアを有するブッシング150(図4)を有する。第3のフランジ140cは、起点であるフレーム132の側部のほぼ中間にあり、一方、他の2つのフランジ140a、140bは、起点であるフレーム132の側部の端付近に位置づけられる。これらの3点の構成により、以下で説明するように、フレーム132がロッド108をスライドする場合に、フレーム132が、フレームが取り付けられる2つのロッド108に引っ掛かるのを防ぐ助けとなる。あるいは、4つのフランジを、それぞれフレームの各角に1つ配置し、フレームをロッドに取り付けるために使用してもよい。フランジ140c内に取り付けられるスロット付きブッシング150は、シャフト間の間隔に対してより大きな許容差をもたらし、フレームのフランジが、プリンタ内の熱的条件が変化する中で、シャフト配列に影響することなく、伸張および収縮することを可能にする。
【0025】
プリントヘッド124は、プリントヘッドの反対側に設けられる2つのバネ付きネジ152によって、プリントヘッドプレート128に取り付けられる。これらのネジ152は、プリントヘッドプレート128におけるネジ切り差し込み口156内に受け入れられる。プリントヘッドプレート128は、これもアルミニウム製であり、図3に示すバネなどの付勢部材160によってフレーム132に取り付けられる。付勢部材160は、フレーム132内の穴164を通って伸び、フレーム132の下側に取り付けられる。図6に示すように、各付勢部材160の一端は、各穴164内の出張り220の穴に係合する。付勢部材160が、穴164内の出張り220に取り付けられると、付勢部材160は、プリントヘッドプレート128を、フレーム132と接触するよう促す。接続パッド168は、硬化鋼で作られ、プリントヘッドプレート128において、固定ネジなどの、ネジ切り部材172の反対側になるように、フレーム132の上面に位置づけられる。プリントヘッドプレート128が、付勢部材160によってフレーム132に取り付けられると、ネジ切り部材172の端は、パッド168と接触し、フレーム132に対してプレート128およびプリントヘッド124を水平にするよう回される。
【0026】
図4Aは、フレーム内の穴164を通る付勢部材160によってフレーム132に取り付けられるプレート128を示す。ステッチ制御機構180(図4Aおよび図4B)は、フレーム132上に位置づけられ、プレート128およびプリントヘッド124を、開口部136の長さの範囲で、双方向に動かす。機構180は、ブロック184に係合する出力シャフト182を有するアクチュエータ120を備え、ブロック184は、シャフト182の先端が適合するV型ノッチを有する。ブロック184は、ネジ186によって、プレート128に固定される。付勢部材188は、ブロック184と、フレーム132の側部との間に位置づけられる。付勢部材188は、アクチュエータ120の出力シャフト182の端に向けてブロック184を促し、それにより、ブロック184および出力シャフト182は、互いに接触を維持する。したがって、制御器がアクチュエータ120を動作させて、出力シャフトをアクチュエータ内に、およびアクチュエータの外に動かすと、フレーム132とプレート128との間の距離dが変化する。この距離を変えることで、図に示すステッチ制御機構180に隣接する両矢印によって示される方向に、プレートおよびプリントヘッドを動かす。
【0027】
図4Aおよび図4Bに示すステッチ制御機構180から対角線上にあるフレーム132の反対側の角には、ロール制御機構190がある。機構190は、zc−xc面内で、プレート128およびプリントヘッド124を回転する。機構190は、旋回部材198のアーム194と係合する平面端を持つ出力シャフトを有するアクチュエータ120を備え、旋回部材198は、アクチュエータ120が取り付けられたプラットフォームから伸びるピン202の周りを旋回する。付勢部材204は、プレート128内のボルト208と、フレーム132内の切り欠きピン210との間に伸び、旋回部材198の動きの範囲全体にわたって、旋回部材198に向かってプレート128を促す。この構成により、プレート128は、ネジ186の周りを回転することができ、一方、旋回部材198、アーム194、およびアクチュエータ120の出力シャフトは、アクチュエータがその動きの範囲にわたって旋回部材198を動かす間も、互いに接触したままである。したがって、制御器がアクチュエータ120を動作させて、出力シャフト192をアクチュエータ内に、およびアクチュエータの外に動かすと、アーム194は、ピン202の周りに旋回部材198を回転させ、プレート128を、図4Aおよび図4Bに示す両方向回転方向に、ネジ186の周りを回転させる。
【0028】
プリントヘッド124、プリントヘッドプレート128、およびフレーム132のアセンブリ210を、図5に示す。プリントヘッド124は、ネジ切り部材152によってプリントヘッドプレート128に固定され、プリントヘッドプレート128は、付勢部材160によってフレーム132に取り付けられる。付勢部材160の内1つのみを、図5で見ることができる。その場合、ネジ切り部材172が操作され、プリントヘッド124の面216(図7)を水平にする。ステッチ制御機構180およびロール制御機構190を使用して、それぞれ、適切なステッチおよびロール配置のために、開口部136内にプリントヘッド124を位置づけることができ、他のプリントヘッドを、以下に説明するように、プリント・バー・アセンブリ100に取り付ける。アセンブリ210は、図7では、反対側から示される。この表示では、プリントヘッドの面216は、ステッチ制御機構180およびロール制御機構190が取り付けられるプラットフォームを係合および固定するために使用される押さえネジ214と同様に視認可能である。プリントヘッド面216は、プレート128に対して、およびフレーム132に対してもくぼむ。
【0029】
図8は、千鳥配列の6つのアセンブリ210の構成を示し、プリンタは、印刷領域のクロス処理方向Xに、連続的な線を印刷することが可能となる。印刷される表面は、処理方向Pに動く。図8に示すステッチプリントヘッドの構成は既知であるが、アセンブリ210の構成およびアセンブリ100の構成は、以前は未知であった印刷領域のモジュール形成を可能にする。この千鳥モジュール構成では、行230での各アセンブリ210の第3のフランジ140cは、行234での1つのアセンブリ210のフランジ140aと、行234での他のアセンブリのフランジ140bとの間に挟まれる。したがって、以下で説明するように、アセンブリ100の中間ロッド108は、行230および234の両方でアセンブリのフランジを通り、アセンブリ210を連結することができる。他の残りのロッド108の1つは、行234でのアセンブリ210のフランジ140cを通り、他のロッド108は、行230でのアセンブリ210のフランジ140aおよび140cを通る。したがって、ロッド108の長さは、プリントヘッドアレイを形成するために使用することができるアセンブリ210の数、およびクロス処理方向へのインク画像の幅Dを決定する。アセンブリ100でのアセンブリ210のそのような構成を、図9に示す。
【0030】
アセンブリ210の代替構成を、図10に示す。この構成では、プリントヘッドのインクジェットイジェクタは、処理方向Yに整列する。アセンブリ100の一番上のロッド108は、1つまたは複数のフランジ140cを通り、ロッドの長さ、およびクロス処理方向Xに互いに隣接して位置づけられるアセンブリの数に左右される。アセンブリ100の一番下のロッド108は、フランジ140aおよび140bの1つまたは複数のペアを通り、ロッドの長さ、およびクロス処理方向Xに互いに隣接して位置づけられるアセンブリの数に左右される。アセンブリの残りのロッド108は、フランジ140aおよび140bのペアを通り、各ペア内の各フランジは、隣接アセンブリ210のフランジ140cから等距離である。この構成により、アセンブリの行および列は、単一プリントヘッドをそのような規模で構成することを可能にする構造を形成することが可能となる。
【0031】
モジュラアセンブリ100を使用して、プリントヘッドアセンブリ210を取り付けるプリンタでは、印刷領域内の熱エネルギーは、アセンブリ100に影響する可能性がある。具体的には、ロッド108および端部材104は、これらの構成要素を形成するために使用される金属の温度が、適切な温度に達した場合に伸びる可能性がある。ロッドが伸びて長くなると、アセンブリ210は、ロッドと共に動き、プリントヘッド間のステッチに影響する可能性がある。これらの現象から起こる問題に対処するために、リンクが、隣接するフレームのフランジを接続する。具体的には、図11に示すように、プリントヘッド”1”は、リンク250によってプリントヘッド”2”に連結され、プリントヘッド”3”は、リンク254によってプリントヘッド”4”に連結される。この接続を実現するために、プリントヘッド”1”のフランジ140bは、フランジ140bに対するリンク250の一端を捕らえるネジ258を受け、プリントヘッド”2”のフランジ140cは、フランジ140cに対するリンク250の他端を捕らえるネジ262を受ける。同様に、リンク254は、プリントヘッド”3”およびプリントヘッド”4”に接続される。リンク254および258は、既知のニッケル−鉄合金である、インバーなどの、熱膨張率が低い材料で作られる。リンクおよび連結されたフレームはまた、他の連結フレームの動きに影響する。例えば、図11では、プリントヘッド”3”および”4”に対するフレームは、プリントヘッド”1”に対するフレームに連結するプリントヘッド”2”に対するフレームに作用する。したがって、リンクは、それらのステッチ関係で共にフレーム132を保持し、細長ロッド108が、ロッドが通るフランジの開口部144におけるスロット付きブッシング148を通ってスライドすることを可能にする。結果として、アセンブリ100でのアセンブリ210の構成は、アセンブリ100の熱膨張に、比較的影響されない。さらに、この方法でフレームを共にリンクすることにより、エンドフレーム104の1つに取り付けられる2つのアクチュエータ120が、最も近いフレーム132を、アクチュエータに対して押し込むか、または引き込むことを可能にし、アクチュエータ120に対応する行における残りのフレームも応じる。
【0032】
動作中、長さが異なる複数のロッド108が得られ、端部材104が作られる。プリントヘッドプレート128は、付勢部材160でフレーム132に取り付けられ、プリントヘッド124は、ネジ152でプレート128に取り付けられる。プリントヘッド124は、ネジ172で水平にされる。プリントヘッド124は、構成される印刷領域に対して適切な配列で配置され、ロッド108は、フレーム132のフランジを通って、配置を共に保持する。端部材104の1つは、配置の一方でロッドの端を受けるよう位置づけられ、その場合、他の端部材104はアセンブリ100の反対側でロッドの端を受けるよう位置づけられる。ロッドの端は、端部材の直線配置された差し込み口内に摩擦嵌合し、端部材を、後に、アセンブリ100から取り除くことを可能にする。リンク250および254などのリンクは、フランジに取り付けられ、アセンブリ100の隣接するプリントヘッドを連結する。2つの端部材104のハンドル116を使用して、アセンブリが取り付けられるプリンタ内のアセンブリ100を搬送および位置決めする。この手順を反転すると、プリントヘッドアレイを解体し、長さの異なる新しいロッドを取り付けることを行うことができ、異なる数のプリントヘッドアセンブリを、幅の異なる印刷領域に対して配置することが可能になる。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12