(54)【発明の名称】広ダイナミックレンジイオンエネルギーバイアス制御、高速イオンエネルギー切り替え、イオンエネルギー制御およびパルスバイアス供給部、および仮想フロントパネル
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記修正された周期的電圧関数の2つの隣接したサイクルに対して2つの異なる電圧ステップΔVを提供することによって、2つ以上のイオンエネルギー分布ピークを生じさせることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
プラズマ処理システムの例示的実施形態は、概して、
図1に示される。描写されるように、プラズマ電力供給部102は、プラズマ処理チャンバ104に結合され、スイッチモード電力供給部106は、チャンバ104内において、その上に基板110が置かれている支持部108に結合される。また、スイッチモード電力供給部106に結合される、コントローラ112も示される。
【0013】
この例示的実施形態では、プラズマ処理チャンバ104は、実質的に従来の構造のチャンバ(例えば、ポンプまたは複数のポンプ(図示せず)によって真空にされる、真空封入体を含む)によって実現され得る。また、当業者が理解するように、チャンバ104内のプラズマ励起は、例えば、ヘリコン型プラズマ源等の種々の源のうちの任意の1つによるものであり得、種々の源は、反応炉内でプラズマ114を点火し、持続させるための磁気コイルおよびアンテナを含み、ガス注入口がチャンバ104内にガスを導入するために提供され得る。
【0014】
描写されるように、例示的プラズマチャンバ104は、基板110のエネルギーイオン衝撃および他のプラズマ処理(例えば、プラズマ蒸着およびプラズマ支援イオン注入)を利用して、材料のプラズマ支援エッチングを行うように配列および構成される。本実施形態におけるプラズマ電力供給部102は、プラズマ114を点火し、持続させるように、1つ以上の周波数(例えば、13.56MHz)において、整合回路(図示せず)を介して、チャンバ104に電力(例えば、RF電力)を印加するように構成される。本発明は、チャンバ104に電力を結合するための任意の特定の種類のプラズマ電力供給部102または源に限定されるものではなく、種々の周波数および電力レベルが、プラズマ114に容量的または誘導的に結合され得ることを理解されたい。
【0015】
描写されるように、処理される誘電性基板110(例えば、半導体ウエハ)は、従来のウエハチャック(例えば、半導体ウエハ処理のため)の一部を含み得る支持部108によって、少なくとも部分的に支持される。支持部108は、支持部108と基板110との間に絶縁層を有し、基板110は、プラットフォームに容量的に結合されるように形成され得るが、支持部108と異なる電圧で浮動し得る。
【0016】
前述のように、基板110および支持部108が、導体である場合、支持部108に不変電圧を印加することが可能であり、基板110を通しての電気伝導の結果、支持部108に印加される電圧は、基板110の表面にも印加される。
【0017】
しかしながら、基板110が、誘電性である場合、支持部108への不変電圧の印加は、処理される基板110の表面全体にわたる電圧をかけるために有効ではない。その結果、例示的スイッチモード電力供給部106は、基板110の制御されたエッチングおよび/または蒸着および/または他のプラズマ支援プロセスを行うように、プラズマ114内でイオンを引きつけて基板110と衝突させることが可能である電圧を基板110の表面上にもたらすように制御されるように構成される。
【0018】
さらに、本明細書でさらに論じられるように、スイッチモード電力供給部106の実施形態は、プラズマ電力供給部102によって(プラズマ114に)印加される電力と、スイッチモード電力供給部106によって基板110に印加される電力との間にごくわずかな相互作用があるように動作するように構成される。スイッチモード電力供給部106によって印加される電力は、例えば、プラズマ114の密度に実質的に影響を及ぼすことなく、イオンエネルギーの制御を可能にするように制御可能である。
【0019】
さらに、
図1に描写される例示的スイッチモード電力供給部106の多くの実施形態は、比較的に単純な制御アルゴリズムによって制御され得る、比較的に安価な構成要素によって実現される。また、従来技術のアプローチと比較して、スイッチモード電力供給部106の多くの実施形態は、はるかに効率的である。つまり、エネルギーコストと、過剰な熱エネルギーを除去することに関連付けられる高価な材料とを削減する。
【0020】
誘電性基板に電圧を印加するための公知の技術の1つは、基板の表面において電圧を誘発する、基板支持部への電力を印加するための複雑な制御方式とともに、高出力線形増幅器を利用する。しかしながら、この技術は、コスト効率的ではなく、または十分に管理可能ではないことが分かっているため、商業用事業体によって採用されていない。特に、利用される線形増幅器は、典型的には、大型、非常に高価、非効率的、かつ制御が困難である。さらに、線形増幅器は、本質的に、AC結合(例えば、阻止コンデンサ)と、チャッキングのような補助機能とを要求し、チャッキングのような補助機能は、並列給電回路によって達成され、並列給電回路は、チャックとともに、源に対するシステムのACスペクトル純度を害する。
【0021】
検討されている別の技術は、(例えば、1つ以上の線形増幅器によって)基板に高周波電力を印加することである。しかしながら、基板に印加される高周波電力は、プラズマ密度に影響を及ぼすため、この技術は、プラズマ密度に悪影響を及ぼすことが分かっている。
【0022】
いくつかの実施形態では、
図1に描写されるスイッチモード電力供給部106は、降圧、昇圧、および/または降圧−昇圧型電力技術によって実現され得る。これらの実施形態では、スイッチモード電力供給部106は、可変レベルのパルス電力を印加し、基板110の表面上に電位を誘発するように制御され得る。
【0023】
次に、
図2を参照すると、これは、スイッチモードバイアス供給部を実現するために利用され得る、構成要素の略図である。示されるように、本実施形態における切り替え構成要素T1およびT2は、ハーフブリッジ(また、トーテムポールとも称される)型トポロジにおいて配列される。集合的に、R2、R3、C1、およびC2は、プラズマ負荷を表し、C10は、有効容量(本明細書では直列容量またはチャック容量とも称される)であり、C3は、基板の表面上に誘発される電圧または静電チャック(図示せず)の電圧からのDC電流が、回路を通して流動するのを防止するための任意の物理的コンデンサである。C10は、基板支持部および静電チャック(またはEチャック)の直列容量(チャック容量とも称される)、ならびに絶縁および基板等のバイアスの印加に固有の他の容量を含むため、有効容量と称される。描写されるように、L1は、漂遊インダクタンス(例えば、負荷に電力を給電する導体の自然インダクタンス)である。また、本実施形態では、3つの入力:Vbus、V2、およびV4が存在する。
【0024】
V2およびV4は、駆動信号(例えば、
図2を参照して説明される駆動構成要素228’、228’’によって出力される、駆動信号230’、230’’)を表し、本実施形態では、V2およびV4は、T1およびT2の閉鎖が変調され、基板支持部に印加される、Voutでの電圧出力の形状を制御し得るように、タイミングをとられることが可能である(例えば、パルスの長さおよび/または相互遅延)。多くの実装では、切り替え構成要素T1およびT2を実現するために使用されるトランジスタは、理想的スイッチではなく、したがって、所望の波形に到達するために、トランジスタ特有の特性が考慮される。多くの動作モードでは、単に、V2およびV4のタイミングを変更することが、Voutでの所望の波形の印加を可能にする。
【0025】
例えば、スイッチT1、T2は、基板110の表面における電圧が、概して負であり、周期的電圧パルスが、正電圧基準に接近し、および/またはそれを若干超えるように動作され得る。基板110の表面における電圧の値は、イオンのエネルギーを定義するものであり、それは、イオンエネルギー分布関数(IEDF)の観点から特徴付けられ得る。基板110の表面において所望の電圧をもたらすために、Voutでのパルスは、基板110の表面に十分な電子を引きつけ、所望の電圧および対応するイオンエネルギーを達成するように、概して矩形であり、基板110の表面において短時間の正電圧を誘発するために十分な長さの幅を有し得る。
【0026】
正電圧基準に接近する、および/またはそれを若干超える周期的電圧パルスは、スイッチT1、T2の切り替え能力によって限定される最小時間を有し得る。電圧がスイッチを損傷するレベルまで蓄積しない限り、電圧の概して負の部分が延長することができる。同時に、電圧の負の部分の長さは、イオン転移時間を超えるべきである。
【0027】
本実施形態におけるVbusは、Voutで測定されるパルスの振幅を定義し、パルスの振幅は、基板の表面における電圧、その結果、イオンエネルギーを定義する。
【0028】
パルス幅、パルス形状、および/または2つの信号V2、V4の相互遅延は、Vout(本明細書では修正された周期的電圧関数とも称される)において、所望の波形に到達するように変調され得、Vbusに印加される電圧は、パルスの特性に影響を及ぼし得る。言い換えると、電圧Vbusは、パルス幅、パルス形状、および/または信号V2、V4の相対的位相に影響を及ぼし得る。
図3を簡単に参照すると、例えば、Voutにおいて周期的電圧関数を生成するように、T1およびT2に印加され得る2つの駆動信号波形(V2およびV4として)を描写するタイミング略図が示される。Voutでのパルスの形状を変調するために(例えば、Voutにおいて、パルスの最小時間を達成するが、パルスのピーク値に到達するために)、2つのゲート駆動信号V2、V4のタイミングが、制御され得る。
【0029】
例えば、パルスの各々が、Voutで印加される時間が、パルス間の時間tと比較して短いが、基板110の表面において、正電圧を誘発し、基板110の表面に電子を引きつけるために十分に長くなり得るように、2つのゲート駆動信号V2、V4が、切り替え構成要素T1、T2に印加され得る。さらに、パルス間のゲート電圧レベルを変更することによって、パルス間でVoutに印加される電圧の勾配を制御可能であることが分かっている(例えば、パルス間で、基板の表面において、実質的に一定の電圧を達成するために)。いくつかの動作モードでは、ゲートパルスの反復速度は、約400kHzであるが、この速度は、当然ながら、印加毎に変化し得る。
【0030】
必須ではないが、実際は、実際の実装のモデル化および改良に基づいて、所望の(または定義された)イオンエネルギー分布を生成するために使用され得る波形が、定義され得、波形は、(例えば、電圧レベルの連続として、
図1を参照して説明される波形メモリ部分内に)記憶可能である。加えて、多くの実装では、波形は、直接生成可能である(例えば、Voutからのフィードバックを伴わずに)。したがって、フィードバック制御システムの望ましくない側面を回避する(例えば、整定時間)。
【0031】
再び、
図2を参照すると、Vbusは、イオンのエネルギーを制御するために変調可能であり、記憶された波形が、ゲート駆動信号V2、V4を制御し、Voutにおける所望のパルス振幅を達成する一方、パルス幅を最小限にするために使用され得る。再び、これは、モデル化または実装され、実験的に確立され得るトランジスタの特定の特性に従って行われる。
図4を参照すると、例えば、Vbus対時間、基板110の表面における電圧対時間、および対応するイオンエネルギー分布を描写するグラフが示される。
【0032】
図4のグラフは、特定のイオンエネルギーに集中するイオンエネルギー分布(またはイオンエネルギー分布関数(IEDF))をもたらす、スイッチモードバイアス供給部106を動作させる単一モードを描写する。描写されるように、この実施例におけるイオンエネルギーの単一集中をもたらすために、Vbusに印加される電圧は、一定に維持される一方、V2およびV4に印加される電圧は、
図4に示される対応するイオンエネルギー分布をもたらす、スイッチモードバイアス供給部106、206の出力におけるパルスを生成するように制御される(例えば、
図3に描写される駆動信号を使用して)。
【0033】
図4に描写されるように、基板110の表面における電位は、概して、負であり、基板110の表面に衝突し、エッチングするイオンを引きつける。基板110に印加される周期的短パルス(パルスをVoutに印加することによって)は、Vbusに印加される電位によって定義される規模を有し、これらのパルスは、基板110の電位に短時間の変化を生じさせ(例えば、正に近いまたは弱正電位)、電位の短時間の変化は、基板110の表面に沿って、概して、負の電位を達成するように、基板の表面に電子を引きつける。
図4に描写されるように、Vbusに印加される一定電圧は、特定のイオンエネルギーにおける単一集中のイオンフラックスをもたらす。したがって、特定のイオン衝撃エネルギーは、特定の電位にVbusを単に設定することによって選択され得る。他の動作モードでは、イオンエネルギーの2つ以上の別個の集中が生成され得る(例えば、
図5、20、23、25、26、27参照)。
【0034】
当業者であれば、電力供給部は、スイッチモード電力供給部に限定される必要もなく、したがって、あるイオンエネルギーを達成するために、電力供給部の出力も制御されることができることを認識するであろう。したがって、電力供給部の出力は、スイッチモードであろうと別様のモードであろうと、イオン電流補償またはイオン電流と組み合わせられることなく考慮されるとき、電力供給部電圧V
PSと称されることもできる。
【0035】
次に、
図5を参照すると、例えば、イオンエネルギー分布において2つの別個のピークが生成される、動作の二峰性モードを描写するグラフが示される。示されるように、この動作モードでは、基板は、2つの異なるレベルの電圧および周期的パルスを被り、その結果、イオンエネルギーの2つの別個の集中が生成される。描写されるように、2つの異なるイオンエネルギー集中をもたらすために、Vbusで印加される電圧は、2つのレベル間を交互し、各レベルは、2つのイオンエネルギー集中のエネルギーレベルを定義する。
【0036】
図5は、各パルス後(例えば、
図25、27)に交互するように、基板110、210における2つの電圧を描写するが、これは、必ずしも、必要ではない。他の動作モードでは、例えば、V2およびV4に印加される電圧は、基板の表面で誘発される電圧が、2つ以上のパルス後(例えば、
図26)に、第1の電圧から第2の電圧(逆も然り)に交互するように、Voutに印加される電圧に対して切り替えられる(例えば、
図3に描写される駆動信号を使用して)。
【0037】
従来技術では、多重イオンエネルギーをもたらすために、線形増幅器に2つの波形(波形発生器によって生成される)の組み合わせを印加し、基板に増幅された2つ以上の波形の組み合わせを印加することが試みられている。しかしながら、このアプローチは、
図5を参照して説明されるアプローチはより非常に複雑となり、したがって、高価な線形増幅器および波形発生器を要求する。
【0038】
次に、
図6を参照すると、イオン電流補償構成要素660が、プラズマチャンバ604内のイオン電流を補償する、実施形態のブロック図が、描写される。本出願人は、高いエネルギーレベルでは、チャンバ内のイオン電流の高いレベルが、基板の表面における電圧に影響を及ぼし、結果として、イオンエネルギー分布もまた、影響を受けることを見出した。
【0039】
イオン電流補償構成要素660は、随意に、スイッチモード電力供給部606およびコントローラ612に追加され得る、別個の付属として実現され得る。他の実施形態では(例えば、
図7に描写されるように)、イオン電流補償構成要素660は、共通筐体766(
図7参照)を本明細書に説明される他の構成要素(例えば、スイッチモード電力供給部106、606およびイオン電流補償660)と共有し得る。本実施形態では、プラズマチャンバ604に提供される周期的電圧関数は、イオン電流補償構成要素660からのイオン電流補償によって修正される周期的電圧関数を備えているので、修正された周期的電圧関数と称することができる。コントローラ612は、スイッチモード電力供給部606の出力とイオン電流補償660の出力とが合体する、電気ノードにおいて、異なる時間に電圧V
0をサンプリングすることができる。
【0040】
図7に描写されるように、スイッチモード供給部の出力736に結合される、電流源764と、電流源764および出力736の両方に結合される、電流コントローラ762とを含む、例示的イオン電流補償構成要素760が、示される。また、
図7には、プラズマチャンバ704が、描写され、プラズマチャンバ内には、容量要素C
1、C
2、およびイオン電流I
Iがある。描写されるように、C
1は、絶縁、基板、基板支持部、および静電チャックを含み得るが、それらに限定されない、チャンバ704に関連付けられた構成要素の固有容量(本明細書では有効容量とも称される)を表し、C
2は、シース容量および浮遊容量を表す。本実施形態では、プラズマチャンバ704に提供され、V
0で測定可能である周期的電圧関数は、イオン電流補償Icによって修正される周期的電圧関数を備えているため、修正された周期的電圧関数と称されることができる。
【0041】
シース(本明細書ではプラズマシースとも称される)は、基板表面、および、おそらくプラズマ処理チャンバの壁の近くのプラズマの層であり、正イオンの高い密度、したがって全体的に過剰な正電荷を伴う。シースが接触している表面は、典型的には、圧倒的多数の負電荷を有する。シースは、正イオンより速い電子の速度により生じ、したがって、電子の大部分が基板表面または壁に到達することをもたらし、したがって、シースを電子が奪われたままにする。シースの厚さλ
sheathは、プラズマ密度およびプラズマ温度等のプラズマ特性の関数である。
【0042】
本実施形態におけるC
1は、チャンバ704に関連付けられた構成要素の固有の(本明細書では有効とも称される)容量であるので、処理中に制御され得る容量ではないことに留意されたい。例えば、線形増幅器を利用するいくつかの従来技術アプローチは、基板へのバイアス電力を阻止コンデンサと結合し、次いで、その線形増幅器を制御するためのフィードバックとして、阻止コンデンサの監視電圧を利用する。コンデンサが、本明細書に開示される実施形態の多くにおいて、スイッチモード電力供給部を基板支持部に結合し得るが、阻止コンデンサを使用するフィードバック制御は、本発明のいくつかの実施形態では、要求されないため、そのように行うことは、不必要である。
【0043】
図7を参照しながら、
図7に描写されるVoにおける例示的電圧(例えば、修正された周期的電圧関数)を描写するグラフである
図8も同時に参照する。動作において、電流コントローラ762は、Voにおける電圧(修正された周期的電圧関数)を監視し、イオン電流が、以下のように、間隔tまたはその一部分(
図8に描写される)にわたって計算される。
【0045】
イオン電流I
Iおよび固有容量C
1(有効容量とも称される)のいずれかまたは両方は、時間的に変化することができる。C
1は、実質的に、所与のツールに対する定数であり、測定可能であるので、Voのみ、補償電流の継続的制御を可能にするために監視される必要がある。前述のように、イオンエネルギーのより単一エネルギー的分布を得るために、電流コントローラは、Icが、実質的に、I
Iと同一である(または代替案では、方程式3に関係付けられる)ように、電流源764を制御する。このように、イオンエネルギーの狭広がりは、イオン電流が、基板の表面において、電圧に影響を及ぼすレベルに到達する場合にも、維持され得る。
【0046】
また、
図7には、イオンエネルギー分布の制御に関連して利用され得るフィードバックライン770が描写される。例えば、
図8に描写されるΔVの値(本明細書では電圧ステップまたは第3の部分806とも称される)は、瞬間的イオンエネルギーを示し、フィードバック制御ループの一部として、多くの実施形態において使用され得る。一実施形態では、電圧ステップΔVは、方程式6に従ってイオンエネルギーに関係付けられる。他の実施形態では、ピーク間電圧V
PPは、瞬間的イオンエネルギーに関係付けることができる。代替として、ピーク間電圧V
PPと、第4の部分808の傾きdV
0/dtと時間tとの積との間の差は、瞬間的イオンエネルギーに関連付けられることができる(例えば、V
PP−dV
0/dt・t)。
【0047】
次に、
図16を参照すると、
図7を参照して説明される、電流源764を実現するために実装され得る電流源1664の例示的実施形態が示される。本実施形態では、制御可能負DC電圧源は、直列インダクタL2と関連して、電流源として機能するが、当業者は、本明細書に照らして、電流源が、他の構成要素および/または構成によって実現され得ることを理解するであろう。
【0048】
図17は、基板の表面に影響を及ぼすイオンのイオンエネルギー分布を制御する方法の一実施形態を図示する。方法1700は、修正された周期的電圧関数1702(
図8の修正された周期的電圧関数802参照)を、プラズマ処理チャンバ内の基板を支持する基板支持部に適用することから始まる。修正された周期的電圧関数は、イオン電流補償I
C(
図21のI
C2104参照)および電力供給部電圧V
PS(
図21の電力供給部電圧2106参照)等の少なくとも2つの「ノブ」を介して制御されることができる。電力供給部電圧を生成するための例示的構成要素は、
図1のスイッチモード電力供給部106である。電力供給部電圧V
PSを説明することに役立つために、これは、イオン電流およびイオン電流補償に結合することなく測定された場合として本明細書で図示される。次いで、修正された周期的電圧関数は、イオン電流補償I
C1704の第1および第2の値においてサンプリングされる。修正された周期的電圧関数の電圧の少なくとも2つのサンプルが、イオン電流補償I
Cの各値について得られる。サンプリング1704は、イオン電流I
Iおよびシース容量C
21706(例えば、
図2のC2)の計算1706(または決定)を可能にするために行われる。そのような決定は、基板支持部に印加された場合に(または基板支持部に印加されると)狭小(例えば、最小)イオンエネルギー分布関数(IEDF)幅を生成するであろう、イオン電流補償I
Cを見出すことを伴い得る。計算1706はまた、随意に、修正された周期的電圧関数の波形のサンプリング1704に基づいて、電圧ステップΔV(修正された周期的電圧関数1406の第3の部分としても知られている)を決定することを含むこともできる。電圧ステップΔVは、基板の表面に到達するイオンのイオンエネルギーに関係付けることができる。最初にイオン電流I
Iを見出すとき、電圧ステップΔVを無視することができる。サンプリング1704および計算1706の詳細を、以下の
図18の議論で提供する。シース容量C
2は、以下の式によって計算されることができる。
【0050】
イオン電流I
Iおよびシース容量C
2が把握されると、方法4300は、イオンエネルギーおよびIEDFの形状(例えば、幅)を設定し、監視することを伴う、
図19の方法1900へ移動し得る。例えば、
図23は、どのようにして電力供給部電圧の変化がイオンエネルギーの変化をもたらすことができるかを図示する。特に、図示した電力供給部電圧の規模が減少させられ、イオンエネルギーの規模の減少をもたらす。加えて、
図24は、狭小IEDF2414を考慮すると、イオン電流補償I
Cを調節することによってIEDFを拡大できることを図示する。代替として、または並行して、方法1700は、イオン電流I
I、シース容量C
2、および修正された周期的電圧関数の波形の他の側面を利用する種々の測定法を行うことができる。
【0051】
イオンエネルギーおよび/またはIEDF幅を設定することに加えて、方法1700は、イオンエネルギーおよびIEDF幅を維持するために、修正された周期的電圧関数1708を調節し得る。特に、イオン電流補償構成要素によって提供されるイオン電流補償I
Cの調節および電力供給部電圧の調節が、行われ得る1708。いくつかの実施形態では、電力供給部電圧は、電力供給部のバス電圧V
bus(例えば、
図2のバス電圧V
bus)によって制御されることができる。イオン電流補償I
Cは、IEDF幅を制御し、電力供給部電圧は、イオンエネルギーを制御する。
【0052】
これらの調節1708の後、修正された周期的電圧関数を再度サンプリングすることができ1704、イオン電流I
I、シース容量C
2、および電圧ステップΔVの計算を再度行うことができる1706。イオン電流I
Iまたは電圧ステップΔVが定義された値(または代替案では所望の値)以外である場合、イオン電流補償I
Cおよび/または電力供給部電圧を調節することができる1708。サンプリング1704、計算1706、および調節1708のループが、イオンエネルギーeV、および/またはIEDF幅を維持するために起こり得る。
【0053】
図18は、基板の表面に影響を及ぼすイオンのイオンエネルギー分布を制御する方法の別の実施形態を図示する。いくつかの実施形態では、上記で議論されるように、狭小IEDF幅(例えば、最小IEDF幅または代替案では約6%半値全幅)を達成することが望ましくあり得る。したがって、方法1800は、一定の基板電圧、したがって、シース電圧が、基板の表面に存在するように、修正された周期的電圧関数をチャンバおよび基板支持部に提供することができる。これは、順に、実質的に一定の電圧を使用してシースにわたってイオンを加速し、したがって、イオンが実質的に同一のイオンエネルギーで基板に影響を及ぼすことを可能にする(換言すると、狭小IEDF幅を提供する)。例えば、
図22では、イオン電流補償I
Cを調節することが、パルス間の基板電圧V
subに一定または実質的に一定の電圧を持たせ、したがって、IEDFを狭くさせることができることが分かる。
【0054】
そのような修正された周期的電圧関数は、いかなる浮遊容量も仮定せず、イオン電流補償I
Cがイオン電流I
Iに等しいときに達成される(
図22の周期的電圧関数(V
0)の最後の5つのサイクルを参照)。浮遊容量C
strayが考慮される代替案では、イオン電流補償I
Cは、方程式3に従って、イオン電流I
Iに関係付けられる。
【0056】
式中、C
1は、有効容量(例えば、
図2および9−10を参照して説明される固有容量)である。有効容量C
1は、時間変動し得るか、または一定であり得る。本開示の目的で、狭小IEDF幅は、I
I=I
Cであるとき、または代替案では、方程式3が満たされるとき(IIおよび浮遊容量を考慮したICの等値)のいずれかで存在することができる。
図21−27は、具体的には、I
I=I
Cを使用するが、これらの関係が無視可能な浮遊容量を仮定していることを理解されたい。より厳密な関係は、方程式3によって示され、したがって、方程式3は、
図21−27で使用される等式の代わりであり得る。浮遊容量C
strayは、電力供給部によって見られるようなプラズマチャンバの累積容量である。
図22で図示される8つのサイクルがある。
【0057】
方法1800は、基板支持部1802(例えば、
図1の基板支持部108)への修正された周期的電圧関数(例えば、
図8で描写される修正された周期的電圧関数または
図21の修正された周期的電圧関数2102)の適用から始まることができる。修正された周期的電圧関数の電圧を2回以上サンプリングすることができ1804、このサンプリングから、修正された周期的電圧関数のサイクルの少なくとも一部分に対する傾きdV
0/dtを計算することができる1806(例えば、パルスの間の一部分または第4の部分808の傾き)。決定1810前のある時点で、有効容量C
1(例えば、
図13の固有容量C
1および
図2の固有容量C10)の以前に決定された値に(例えば、メモリから取り出された前に測定された値、ユーザによって入力された値、またはリアルタイムで測定された値)アクセスすることができる1808。傾きdV
0/dt、有効容量C
1、およびイオン電流補償I
Cに基づいて、関数f(方程式4)が、以下のように、イオン電流補償I
Cの各値について評価されることができる。
【0059】
関数fが真である場合、イオン電流補償I
Cは、イオン電流I
Iに等しく、または代替案では、方程式3を真にし、狭小IEDF幅が達成されている1810(例えば、
図22参照)。関数fが真ではない場合、関数fが真になるまで、イオン電流補償I
Cをさらに調節することができる1812。これの別の見方としては、イオン電流I
Iに合致するまで(または代替案では方程式3の関係を満たすまで)イオン電流補償I
Cを調節することができ、その時点で狭小IEDF幅が存在するであろう。イオン電流補償Icへのそのような調節およびIEDFの結果として生じる狭小化を
図22で見ることができる。イオン電流I
Iおよび対応するイオン電流補償Icを、記憶動作1814で(例えば、メモリに)記憶することができる。イオン電流I
Cは、有効容量C
1と同様に、時間変動し得る。
【0060】
方程式4が満たされると、(I
C=I
Iであるため、または方程式3が真であるためのいずれかで)イオン電流I
Iが把握される。したがって、方法1800は、プラズマに影響を及ぼすことなく、リアルタイムでイオン電流I
Iの遠隔かつ非侵襲的測定を可能にする。これは、プラズマ密度の遠隔監視およびプラズマ源の遠隔故障検出等のいくつかの新規の測定基準につながる。
【0061】
補償電流I
Cを調節している間に1812、イオンエネルギーは、デルタ関数より広くなる可能性が高く、イオンエネルギーは、
図21のものに類似するであろう。しかしながら、方程式3を満たす補償電流I
Cが見出されると、IEDFが、
図22の右部分で図示されるように、狭小IEDF幅(例えば、最小IEDF幅)を有するものとして現れるであろう。これは、I
C=I
Iであるときに(または代替として、方程式3が真であるときに)、修正された周期的電圧関数のパルス間の電圧が、実質的に一定のシースまたは基板電圧、したがって、イオンエネルギーを引き起こすためである。
図23では、基板電圧2308は、定電圧部分の間のパルスを含む。これらのパルスは、非常に短い持続時間を有するため、イオンエネルギーおよびIEDFへのそれらの影響は、ごくわずかであり、したがって、基板電圧2308は、実質的に一定と称される。
【0062】
以下は、
図18で図示される方法ステップの各々についてのさらなる詳細を提供する。一実施形態では、修正された周期的電圧関数は、
図8で図示されるもののような波形を有することができ、第1の部分(例えば、第1の部分802)、第2の部分(例えば、804)、第3の部分(例えば、第3の部分806)、および第4の部分(例えば、第4の部分808)を含むことができ、第3の部分は、電圧ステップΔVを有することができ、第4の部分は、傾きdV
0/dtを有することができる。傾きdV
0/dtは、正、負、またはゼロであり得る。修正された周期的電圧関数800はまた、第1の部分802、第2の部分804、および第3の部分806、ならびに、多くの場合傾いているパルス間の部分(第4の部分808)を備えている、パルスを有するものとして表すことができる。
【0063】
修正された周期的電圧関数は、
図2ではV
0として測定することができ、
図21では修正された周期的電圧関数2102として現れることができる。修正された周期電圧関数2102は、電力供給部電圧2106(周期的電圧関数として知られている)をイオン電流補償2104と組み合わせることによって生成される。電力供給部電圧2106は、大部分が、修正された周期的電圧関数2102のパルスを生成して成形することに関与し、イオン電流補償2104は、大部分が、多くの場合は、真っ直ぐな傾き電圧である、パルス間の部分を生成して成形することに関与する。イオン電流補償Icを増加させることは、
図22で見られるように、パルス間の部分の傾きの規模の減少を引き起こす。電力供給部電圧2306の規模を減少させることは、
図23で見られるように、修正された周期的電圧関数2302のパルスおよびピーク間電圧の振幅の規模の減少を引き起こす。
【0064】
電力供給部がスイッチモード電力供給部である場合において、第1のスイッチT
1および第2のスイッチT
2の切り替え
図2110が適用されることができる。例えば、第1のスイッチT
1は、
図2でスイッチT
1として実装されることができ、第2のスイッチT
2は、
図2で第2のスイッチT
2として実装されることができる。2つのスイッチは、同一の切り替え時間を有するが、180°位相がずれているものとして図示される。他の実施形態では、スイッチは、
図3で図示されるもの等のわずかな位相オフセットを有し得る。第1のスイッチT
1がオンであるとき(最大で第1の時間τ
1)、電力供給部電圧(V
PS)は、最大規模(電力供給部が負のバス電圧を有するため負の電圧)に引き寄せられる。第2のスイッチT
2は、電力供給部電圧2106が接地から隔離されるように、この期間中にオフにされる。スイッチが逆転するとき(第1の時間τ
1で)、電力供給部電圧2106は、漸増して接地をわずかに通過し、次いで、この正の電圧で安定する。この漸増および安定は、第1の時間τ
1と第2の時間τ
2との間で起こる。次いで、第1のスイッチT
1は、再度オンにされ、第2のスイッチT
2は、第3の時間τ
3までオフにされる。第1のスイッチT
1をオンにすることにより、電圧ステップΔVによって電圧を降下させ、次いで、スイッチが第3の時間τ
3で再度逆転するまで、傾きdV
0/dtを有する傾き部分が後に続く。第3の時間τ
3はまた、修正された周期的電圧関数の後続のサイクルまたは期間の第1の時間でもある。
【0065】
図示した実施形態では、2つのパルス幅があるが、これは必要とはされない。他の実施形態では、パルス幅は、全てのサイクルについて同一であり得る。他の実施形態では、パルス幅は、時間を変動または変調させることができる。
【0066】
修正された周期的電圧関数を基板支持部1802に適用し、修正された周期的電圧関数が(例えば、スイッチモード電力供給部と有効容量との間の)基板支持部に到達する前に、最後のアクセス可能な点でV
0としてサンプリングすることができる1804。修正されていない周期的電圧関数(または
図21の電力供給部電圧2106)は、
図12のスイッチモード電力供給部1206等の電力供給部から供給されることができる。
図21のイオン電流補償2104は、
図12のイオン電流補償構成要素1260または
図13の1360等の電流源から供給されることができる。
【0067】
修正された周期的電圧関数の一部分または全体をサンプリングすることができる3004。例えば、第4の部分(例えば、第4の部分808)をサンプリングすることができる。サンプリング1804は、電力供給部と基板支持部との間で行われることができる。例えば、
図1では、サンプリング1804は、スイッチモード電力供給部106と支持部108との間で行われることができる。
図2では、サンプリング1804は、インダクタL1と固有容量C10との間で行うことができる。一実施形態では、サンプリング1804は、容量C3と固有容量C10との間のV
0で行われることができる。固有容量C10、およびプラズマを表す要素(R2、R3、C1、およびC2)がリアルタイム測定のためにアクセス可能ではないため、サンプリング1804は、典型的には、
図2の固有容量C10の左側で行われる。固有容量C10は、典型的には、処理中に測定されないが、典型的には、既知の定数であり、したがって、製造中に設定されることができる。同時に、場合によっては、固有容量C10は経時的に変動し得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、修正された周期的電圧関数の2つだけのサンプルが必要とされるが、他の実施形態では、何百、何千、または何万個ものサンプルを修正された周期的電圧関数の各サイクルについて得ることができる。例えば、サンプリングレートは、400kHzより大きくあり得る。これらのサンプリングレートは、修正された周期的電圧関数およびその形状のより正確かつ詳細な監視を可能にする。同様に、周期的電圧関数のより詳細な監視は、サイクル間、異なるプロセス条件間、異なるプロセス間、異なるチャンバ間、異なるソース間等での波形のより正確な比較を可能にする。例えば、これらのサンプリングレートで、
図8で図示される周期的電圧関数の第1、第2、第3、および第4の部分802、804、806、808を区別することができ、これは、従来のサンプリングレートでは可能ではない場合がある。いくつかの実施形態では、より高いサンプリングレートが、従来技術では可能ではない、電圧ステップΔVおよび傾きdV
0/dtの解決を可能にする。いくつかの実施形態では、修正された周期的電圧関数の一部分をサンプリングすることができる一方で、他の部分はサンプリングされない。
【0069】
傾きdV
0/dtの計算1806は、時間t(例えば、第4の部分808)の間に得られる複数のV
0測定値に基づき得る。例えば、線をV
0値に適合させるように、線形適合を行うことができ、線の傾きは、傾きdV
o/dtを生じる。別の事例では、
図8の時間t(例えば、第4の部分808)の始めおよび終わりのV
0値が解明されることができ、dV
o/dtとして求められる線の傾きを用いてこれらの2つの点の間で線が適合させられることができる。これらは、パルス間の部分の傾きdV
o/dtを計算することができる、多数の方法のうちの2つにすぎない。
【0070】
決定1810は、IEDFを狭小幅(例えば、最小幅、または代替案では6%半値全幅)に調節するために使用される、反復ループの一部であり得る。方程式4は、イオン電流補償Icがイオン電流I
Iに等しい(または代替案では方程式3に従ってI
Iに関係付けられる)場合のみ当てはまり、これは、一定の基板電圧、したがって、一定かつ実質的に単数のイオンエネルギー(狭小IEDF幅)がある場合のみ起こる。一定の基板電圧2308(V
sub)を
図23で見ることができる。したがって、イオン電流I
Iまたは代替としてイオン電流補償Icのいずれか一方を方程式3で使用することができる。
【0071】
代替として、第4の部分808(パルス間の部分とも称される)に沿った2つの値を、第1のサイクルおよび第2のサイクルについてサンプリングすることができ、それぞれ、第1および第2の傾きを各サイクルについて決定することができる。これら2つの傾きから、第3のまだ測定されていない傾きに対して方程式4を真にすることを期待されるイオン電流補償Icを決定することができる。したがって、狭小IEDF幅に対応することが予測されるイオン電流I
Iを推定することができる。これらは、狭小IEDF幅を決定することができる多くの方法のうちの2つにすぎず、対応するイオン電流補償Icおよび/または対応するイオン電流I
Iを見出すことができる。
【0072】
イオン電流補償Icへの調節1812は、イオン電流補償Icの増加または減少のいずれか一方を伴うことができ、各調節のためのステップサイズには制限がない。いくつかの実施形態では、イオン電流補償を増加または減少させるかどうかを決定するために、方程式4における関数fの符号を使用することができる。符号が負である場合、イオン電流補償Icを減少させることができる一方で、正符号は、イオン電流補償Icを増加させる必要性を示すことができる。
【0073】
イオン電流I
Iに等しい(または代替案では方程式3に従ってそれに関係付けられる)イオン電流補償Icが識別されると、方法1800は、さらなる設定点動作(
図19参照)または遠隔チャンバおよびソース監視動作へ前進することができる。さらなる設定点動作は、イオンエネルギー(
図23も参照)およびイオンエネルギーの分布またはIEDF幅(
図24も参照)を設定することを含むことができる。ソースおよびチャンバ監視は、プラズマ密度、ソース供給部異常、プラズマアーク放電、およびその他を監視することを含むことができる。
【0074】
さらに、方法1800は、随意に、連続的に(または代替案として周期的に)イオン電流補償Icを更新するためにサンプリング1804に戻ることができる。例えば、サンプリング1804、計算1806、決定1810、および調節1812は、方程式3が満たされ続けることを確実にするために、電流イオン電流補償Icを考慮して周期的に行うことができる。同時に、方程式3を満たすイオン電流補償Icが更新される場合、イオン電流I
Iも更新されることができ、更新された値は、記憶されることができる1814。
【0075】
方法1800は、イオン電流I
Iに等しいように、または代替案では方程式3を満たすように、イオン電流補償Icを見出して設定することができるが、狭小IEDF幅を達成するために必要とされるイオン電流補償Icの値は、イオン電流I
Cをその値に設定することなく(または代替案ではその前に)決定されることができる。例えば、第1のサイクルについて第1のイオン電流補償Ic
1を適用し、パルス間の電圧の第1の傾きdV
01/dtを測定し、かつ、第2のサイクルについて第2のイオン電流補償Ic
2を適用し、パルス間の電圧の第2の傾きdV
02/dtを測定することによって、方程式4が真であることが期待される、第3のイオン電流補償Ic
3に関連付けられる第3の傾きdV
03/dtが決定されることができる。第3のイオン電流補償Ic
3は、適用された場合に狭小IEDF幅をもたらすであろうものであり得る。したがって、イオン電流補償の単一の調節のみを用いて、方程式4を満たし、したがって、イオン電流I
Iに対応するイオン電流補償Icを決定することができる。次いで、方法1800は、イオン電流I
Cを、狭小IEDF幅を達成するために必要とされる値に設定することさえなく、
図19で説明される方法へ移動することができる。そのような実施形態は、調節速度を増加させるために実行され得る。
【0076】
代替として、第1の傾きdV
01/dtおよび対応する第1のイオン電流補償I
C1、第2の傾きdV
02/dtおよび対応する第2のイオン電流補償I
C2、ならびに有効容量C
1が与えられると、イオン電流I
Iに等しくイオン補償電流I
Cを調節すること、または方程式3を満たすようにそれを調節することなく、以下の方程式を使用して、イオン電流I
Iを推定することができる。
【0078】
図19は、IEDF幅およびイオンエネルギーを設定する方法を図示する。本方法は、
図18で図示される方法1800が起源であり、それぞれ、IEDF幅およびイオンエネルギーの設定を伴う、左の経路1900(IEDF分岐とも称される)または右の経路1901(イオンエネルギー分岐とも称される)のいずれか一方をとることができる。イオンエネルギーeVは、電圧ステップΔVまたは
図8の修正された周期的電圧関数800の第3の部分806に比例する。イオンエネルギーeVと電圧ステップΔVとの間の関係は、方程式6として表されることができる。
【0080】
式中、C
1は、有効容量(例えば、チャック容量、
図2の固有容量C10、または
図13の固有容量C1)であり、C
2は、シース容量(例えば、
図2のシース容量C2、または
図13のシース容量C2)である。シース容量C
2は、浮遊容量を含み得、イオン電流I
Iに依存する。電圧ステップΔVは、修正された周期的電圧関数800の第2の部分804と第4の部分808との間の電圧の変化として測定されることができる。電圧ステップΔV(電力供給部電圧または
図2のバス電圧V
bus等のバス電圧の関数である)を制御および監視することによって、イオンエネルギーeVを制御し、把握することができる。
【0081】
本開示の全体を通して、イオンエネルギーeVは、単一の値であるかのように称される。しかしながら、イオンエネルギーeVの意味は、IEDF幅に応じて、わずかに異なる意味を有する。IEDF幅が最小限化される場合、イオンエネルギーeVは、IEDFの平均イオンエネルギーである。IEDF幅が最小限化されないとき、イオンエネルギーeVは、I
I<I
Cであるか、I
I>I
Cであるかに応じて、IEDFの最小値または最大値のいずれか一方を指し示す。I
I<I
Cである場合、イオンエネルギーeVは、IEDFの最小イオンエネルギーeVに対応する。I
I>I
Cである場合、イオンエネルギーeVは、IEDFの最大イオンエネルギーeVに対応する。IEDF幅が小さい場合、この専門的側面はあまり重要ではなく、したがって、イオンエネルギーeVは、IEDFの平均イオンエネルギーを表すかのように扱われるであろう。しかし、厳密性のために、上記の説明を念頭に置くべきである。
【0082】
同時に、IEDF幅を方程式7に従って概算することができる。
【0084】
式中、Iは、CがC
seriesである場合I
Iであり、CがC
effectiveである場合I
Cである。時間tは、パルス間の時間であり、V
PPは、ピーク間電圧であり、ΔVは、電圧ステップである。
【0085】
加えて、シース容量C
2は、種々の計算および監視動作で使用されることができる。例えば、デバイシース距離λ
sheathを以下のように推定することができる。
【0087】
式中、εは、真空誘電率であり、Aは、基板の面積(または代替案では基板支持部の表面積)である。いくつかの高電圧用途では、方程式8は、方程式9として表される。
【0089】
加えて、シース内の電場を、シース容量C
2、シース距離λ
sheath、およびイオンエネルギーeVの関数として推定することができる。シース容量C
2は、イオン電流I
Iとともに、方程式10(単独にイオン化されたプラズマに対して飽和電流I
satが補償電流I
Cに直線的に関係付けられる)から、プラズマ密度n
eを決定するために使用されることもできる。
【0091】
シース容量C
2および飽和電流I
satを使用して、基板表面におけるイオンの有効質量を計算することができる。プラズマ密度n
e、シース内の電場、イオンエネルギーeV、イオンの有効質量、および基板のDC電位V
DCは、典型的には、当技術分野で間接的手段を介してのみ監視される、基本的プラズマパラメータである。本開示は、これらのパラメータの直接測定を可能にし、したがって、リアルタイムでプラズマ特性のより正確な監視を可能にする。
【0092】
方程式6で見られるように、シース容量C
2はまた、
図19のイオンエネルギー分岐1901で図示されるように、イオンエネルギーeVを監視して制御するために使用することもできる。イオンエネルギー分岐1901は、イオンエネルギーのユーザ選択を受信することによって開始する1902。次いで、イオンエネルギー分岐1901は、周期的電圧関数を供給するスイッチモード電力供給部のための初期電力供給部電圧を設定することができる1904。周期的電圧サンプリング動作1908前のある時点で、イオン電流がアクセスされる(例えば、メモリからアクセスされる)こともできる1906。周期的電圧がサンプリングされることができ1908、修正された周期的電圧関数の第3の部分の測定値を測定することができる1910。イオンエネルギーI
Iは、修正された周期的電圧関数の電圧ステップΔV(第3の部分(例えば、第3の部分806)とも称される)から計算されることができる1912。次いで、イオンエネルギー分岐1901は、イオンエネルギーが定義されたイオンエネルギーに等しいかどうかを決定することができ1914、もしそうであれば、イオンエネルギーは所望の設定点にあり、イオンエネルギー分岐1901は終了することができる。イオンエネルギーが定義されたイオンエネルギーに等しくない場合、イオンエネルギー分岐1901は、電力供給部電圧を調節し1916、再度、周期的電圧をサンプリングすることができる1908。次いで、イオンエネルギー分岐1901は、イオンエネルギーが定義されたイオンエネルギーに等しくなるまで、サンプリング1908、測定1910、計算1912、決定1914、および設定1916を循環することができる。
【0093】
IEDF幅を監視して制御する方法が、
図19のIEDF分岐1900で図示されている。IEDF分岐1900は、IEDF幅のユーザ選択を受信し1950、電流IEDF幅をサンプリングすること1952を含む。次いで、決定1954は、定義されたIEDF幅が電流IEDF幅に等しいかどうかを決定し、決定1952が満たされる場合、IEDF幅は所望される(または定義される)通りであり、IEDF分岐1900は終了することができる。しかしながら、電流IEDF幅が定義されたIEDF幅に等しくない場合、イオン電流補償Icを調節することができる1956。この決定1954および調節1956は、電流IEDF幅が定義されたIEDF幅に等しくなるまで、循環様式で継続されることができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、IEDF分岐1900はまた、所望のIEDF形状を確保するように実装されることもできる。種々のIEDF形状が生成されることができ、各々は、異なるイオンエネルギーおよびIEDF幅に関連付けられることができる。例えば、第1のIEDF形状が、デルタ関数であり得る一方で、第2のIEDF形状は、二乗関数であり得る。他のIEDF形状は、カップ状であり得る。種々のIEDF形状の実施例を
図11で見ることができる。
【0095】
イオン電流I
Iおよび電圧ステップΔVの知識を用いて、方程式6をイオンエネルギーeVについて解くことができる。電圧ステップΔVは、電力供給部電圧を変化させることによって制御されることができ、そして、電力供給部電圧を変化させることは、電圧ステップΔVを変化させる。より大きい電力供給部電圧は、電圧ステップΔVの増加を引き起こし、電力供給部電圧の減少は、電圧ステップΔVの減少を引き起こす。言い換えると、電力供給部電圧を増加させることにより、より大きいイオンエネルギーeVをもたらす。
【0096】
さらに、上記システムおよび方法が連続的に変化するフィードバックループ上で動作するので、プラズマ源またはチャンバ条件に対する変動または意図的な調節による、プラズマの変化にもかかわらず、所望の(または定義された)イオンエネルギーおよびIEDF幅を維持することができる。
【0097】
図17−19は、単一のイオンエネルギーに関して説明されているが、当業者であれば、所望の(または定義された)IEDF幅(またはIEDF形状)およびイオンエネルギーを生成して監視するこれらの方法はさらに、各々が各自のIEDF幅(またはIEDF形状)を有する2つ以上のイオンエネルギーを産生して監視するために利用できることを認識するであろう。例えば、第1、第3、および第5のサイクルで第1の電力供給部電圧V
PS、第2、第4、および第6のサイクルで第2の電力供給部電圧を提供することによって、基板の表面に到達するイオンについて、2つの異なる狭小イオンエネルギーを達成することができる(例えば、
図20の上の2つの図)。3つの異なる電力供給部電圧を使用することは、3つの異なるイオンエネルギーをもたらす(例えば、
図20の中間の2つの図)。複数の電力供給部電圧の各々が印加される時間または各電力供給部電圧レベルが印加されるサイクルの数を変化させることによって、異なるイオンエネルギーのイオンフラックスが制御されることができる(例えば、
図20の下の2つの図)。
【0098】
上記の議論は、プラズマ処理中に基板の表面に到達するイオンのイオンエネルギーならびにIEDF幅および/またはIEDF形状を制御するために、電力供給部によって提供される周期的電圧関数を、イオン電流補償構成要素によって提供されるイオン電流補償と組み合わせることがどのように使用されることができるかを示している。
【0099】
これまで記述された制御のうちのいくつかは、(1)固定波形(波形の連続サイクルが同一である)、(2)イオンエネルギーおよびIEDFに比例する少なくとも2つの部分(例えば、
図8で図示される第3および第4の部分806および808)を有する波形、および(3)波形の異なる特徴の正確な監視を可能にする高いサンプリングレート(例えば、125MHz)のいくつかの組み合わせを使用することによって、可能にされる。例えば、線形増幅器等の従来技術が、修正された周期的電圧関数に類似する波形を基板に送信する場合、サイクル間の望ましくない変動が、イオンエネルギーまたはIEDF幅(またはIEDF形状)を特徴付けるために、これらの従来技術の波形を使用することを困難にする。
【0100】
線形増幅器が基板支持部にバイアスをかけるために使用されている場合、波形がサイクル毎に一貫しておらず、したがって、波形の特徴(例えば、パルス間の部分の傾き)が典型的には有用な情報を提供しないであろうため、高い割合でサンプリングする必要性が認められていない。本開示および関連開示で見られるような、そのような有用な情報は、固定波形が使用されるとき、生じない。
【0101】
本明細書で開示された固定波形および高いサンプリングレートはさらに、より正確な統計観察を可能にさせる。この増加した精度により、修正された周期的電圧関数の種々の特性を監視することを介して、プラズマ源およびチャンバ内のプラズマの動作および処理特性を監視することができる。例えば、修正された周期的電圧関数の測定は、シース容量およびイオン電流の遠隔監視を可能にし、チャンバプロセスまたは他のチャンバ詳細の知識を伴わずに監視されることができる。いくつかの実施例が、続き、ソースおよびチャンバの非侵襲的監視および故障検出のために、これまで記述されたシステムおよび方法を使用されることができる、多数の方法のうちのいくつかのみを例証する。
【0102】
監視の実施例として、
図8を参照すると、波形800のDCオフセットは、プラズマ源(以降では「ソース」と称される)の健全性を表すことができる。別の実施例では、修正された周期的電圧関数のパルスの最上部分804(第2の部分)の傾きは、ソース内の減衰効果に関連させられることができる。(0に等しい傾きを有するものとして図示される)水平からの最上部分804の傾きの標準偏差は、波形800のある側面に基づいてソースの健全性を監視する別の方法である。別の側面は、修正された周期的電圧関数の第4の部分808に沿ってサンプリングされたV
0点の標準偏差を測定し、標準偏差をチャンバ共鳴に関連させることを伴う。例えば、この標準偏差が連続パルスの間で監視され、標準偏差が経時的に増加する場合、これは、チャンバ内、例えば、静電チャック内に共鳴があることを示し得る。共鳴は、チャンバへの、またはチャンバ内の不良な電気接続の兆候、あるいは付加的な不要インダクタンスまたは容量の兆候であり得る。
【0103】
当業者であれば、
図17、18、19で図示される方法が、いかなる特定の、または説明された動作順も必要とせず、または図によって図示される、あるいは図中で示唆されるいかなる順番にも限定されないことを認識するであろう。例えば、測定基準は、IEDF幅および/またはイオンエネルギーeVを設定し、監視する前、間、または後に監視することができる。
【0104】
図21は、本明細書で開示されるシステムにおける異なる点での種々の波形を図示する。スイッチモード電力供給部の切り替え構成要素のための図示した切り替えパターン2110、電力供給部電圧V
PS2106(本明細書では周期的電圧関数とも称される)、イオン電流補償Ic2104、修正された周期的電圧関数2102、および基板電圧V
sub2112を考慮すると、IEDFは、図示した幅2114(一定の縮尺で描かれない場合がある)またはIEDF形状2114を有する。この幅は、本開示が「狭小幅」と称しているものより広い。示されるように、イオン電流補償Ic2104がイオン電流I
Iより大きいとき、基板電圧V
sub2112は一定ではない。IEDF幅2114は、基板電圧V
sub2112のパルス間の傾き部分の電圧差に比例する。
【0105】
この狭小IEDF幅2114を考慮すると、本明細書で開示される方法は、I
C=I
Iとなる(または代替案では方程式3に従って関係付けられる)まで、イオン電流補償Icが調節されることを要求する。
図22は、イオン電流I
Iに一致させるために、イオン電流補償Icの最終増加的変化を生じることの効果を図示する。I
C=I
Iであるとき、基板電圧V
sub2212は、実質的に一定になり、IEDF幅2214は、非狭小から狭小になる。
【0106】
狭小IEDFが達成されると、
図23で図示されるように、イオンエネルギーを所望の値または定義された値に調節することができる。ここで、電力供給部電圧(または代替案ではスイッチモード電力供給部のバス電圧V
bus)の規模が減少させられる(例えば、電力供給部電圧2306のパルスの最大負振幅が低減させられる)。結果として、ΔV
1は、ピーク間電圧がV
PP1からV
PP2まで減少するように、ΔV
2まで減少する。その結果として、実質的に一定の基板電圧V
sub2308の規模が減少し、したがって、狭小IEDF幅を維持しながら、イオンエネルギーの規模を2315から2314へ減少させる。
【0107】
イオンエネルギーが調節されようとされまいと、
図24に示されるように狭小IEDF幅が達成された後に、IEDF幅を広げることができる。ここで、I
I=I
C(または代替案では、I
IとI
Cとの間の関係を与える方程式3)を考慮して、I
Cが調節されることができ、したがって、修正された周期的電圧関数2402のパルス間の部分の傾きを変化させる。イオン電流補償Icおよびイオン電流I
Iが等しくないことの結果として、基板電圧は、実質的に一定から非一定に移動する。さらなる結果は、IEDF幅2414が狭小IEDF2414から非狭小IEDF2402まで拡張することである。I
CがI
Iから離れて調節されるほど、IEDF2414幅が大きくなる。
【0108】
図25は、各イオンエネルギーレベルが狭小IEDF2514幅を有する、1つより多くのイオンエネルギーレベルを達成するために使用されることができる電力供給部電圧の1つのパターンを図示する。電力供給部電圧2506の規模が、各サイクルで交互する。これは、修正された周期的電圧関数2502の各サイクルに対して交互するΔVおよびピーク間電圧をもたらす。基板電圧2512は、順に、基板電圧のパルスの間で交互する、2つの実質的に一定の電圧を有する。これは、各々が狭小IEDF2514幅を有する、2つの異なるイオンエネルギーをもたらす。
【0109】
図26は、各イオンエネルギーレベルが狭小IEDF2614幅を有する、1つより多くのイオンエネルギーレベルを達成するために使用されることができる電力供給部電圧の別のパターンを図示する。ここで、電力供給部電圧2606は、2つの異なる規模の間で交互するが、交互する前に1度に2つのサイクルに対してそのようにする。示されるように、平均イオンエネルギーは、V
PS2606がサイクル毎に交互させられた場合と同一である。これは、同一のイオンエネルギーを達成するために、V
PS2606の種々の他のパターンをどのようにして使用することができるかという一例のみを示す。
【0110】
図27は、定義されたIEDF2714を生成するために使用されることができる電力供給部電圧V
PS2706およびイオン電流補償I
C2704の1つの組み合わせを図示する。ここで、交流電力供給部電圧2706が、2つの異なるイオンエネルギーをもたらす。加えて、イオン電流I
Iから離してイオン電流補償2704を調節することによって、各イオンエネルギーのIEDF2714幅を拡張することができる。イオンエネルギーが、図示した実施形態のように十分に近い場合、両方のイオンエネルギーのIEDF2714が重複し、1つの大きいIEDF2714をもたらすであろう。他の実施例も可能であるが、本実施例は、定義されたイオンエネルギーおよび定義されたIEDF2714を達成するために、V
PS2706およびI
C2704への調節の組み合わせをどのようにして使用することができるかを示すように意図されている。
【0111】
(不正確なイオンエネルギーの原因としての回路記憶)
図2および8を参照すると、修正された周期的電圧関数800は、スイッチモード電力供給部206の出力において生成されると見なされることができる。修正された周期的電圧関数800は、第1のスイッチ構成要素226’が閉鎖して、基板支持部208を含む直列容量C
seriesを充電すると、電圧V
0の上昇から始まる。C
seriesが充電されるとき、第1のスイッチ構成要素226’が開放されている。第1および第2のスイッチ構成要素226’および226’’は、両方とも短期間(tc−t)に対して開放し、C
seriesにわたる電圧を一定のままにさせることができる。次いで、第2のスイッチ構成要素226’’が閉鎖され、V
0に電圧ΔVを降下させ、その時点の後に、イオンエネルギー制御部220からのイオン電流補償が基板支持部208に提供されると、修正された周期的電圧関数800が傾きdV
0/dtとともに下向きに傾き始める。電圧ステップΔVは、プラズマ処理チャンバ204内の基板表面に衝打するイオンのイオンエネルギーに関連している。修正された周期的電圧関数800は、障害を伴わずに図示および説明されている。
【0112】
しかしながら、実践では、障害は、ΔV、したがって、イオンエネルギーに影響を及ぼし得る。例えば、狭小イオンエネルギー分布関数IEDFが所望される場合、ΔVは、サイクルごとに一定であるべきである。障害がいくつかのサイクルでΔVを異ならせる場合、IEDFは、スミアまたはジッタを有するであろう。
【0113】
この問題は、
図12および13で図示されている。
図12は、次のサイクルのΔVに影響を及ぼす、障害1212が第1のサイクルで見られることができる、修正された周期的電圧関数1200を図示する。
図12はまた、各サイクルの開始時の電圧上昇のより正確な表現を示し、この形状は、
図8で図示される垂直形状よりも正弦曲線的である。正弦形状は、この電圧上昇中に起こっている、L
1を通したC
seriesの再充電の結果である。
【0114】
障害1212は、第1のサイクルの下向きに傾く部分の間に見られる(他の種類の障害も可能であり、そのような障害は、傾き部分の間だけでなく、サイクルの中のいずれかで起こり得る)。障害1212がないと、電圧は、線1214に沿った実質的に同一の傾きで降下し続けるであろう。しかしながら、障害1212は、同一の傾きを伴うが、より高い電圧を有する線1208に沿って、電圧を降下し続けさせる。結果として、第1のスイッチ構成要素226’が再度閉鎖され、V
0が上昇し始めると、前のサイクルで辿られた経路1214を辿る代わりに、V
0は、前のサイクルのΔVより低く、所望されるよりも低いΔV’に至る経路1208を辿る。この影響は、各サイクルが前のサイクルが終了した電圧を覚えている(例えば、第1のスイッチ構成要素226’が閉鎖するときに)ので、「記憶」と称されることができる。
【0115】
図13は、類似の修正された周期的電圧関数1300を示すが、この場合、障害1312が下降電圧に経路1314よりもむしろ経路1308を辿らせる。結果として、V
0は、第1のスイッチ構成要素226’が閉鎖され、C
seriesが充電し始めるときにより低い。その結果として、V
0は、第1のスイッチ構成要素226’が開放するときに、経路1314よりもむしろ経路1308を辿る。結果は、所望されるより大きく、前のサイクルのΔVより大きいΔV’である。
【0116】
したがって、この「記憶」は、イオンエネルギーにおいて、不正確性および潜在的に不安定性を引き起こす。したがって、本分野には、この記憶を排除し、依然としてエネルギー効率的な共鳴切り替えを使用しながら、正確で安定したイオンエネルギーを達成する必要性がある。
【0117】
記憶は、部分的に、第1のスイッチ構成要素226’が閉鎖するときまでに、通常はC
seriesから完全に除去されるであろう、直列容量C
seriesに貯蔵された過剰なエネルギーの結果である。しかしながら、障害(例えば、1312)がある場合、第1のスイッチ構成要素226’が閉鎖するときにエネルギーがC
seriesにとどまる。このエネルギーを除去する1つの方法は、エネルギーが抵抗器の中へ放散するように、C
seriesを抵抗器に結合することである。これは、C
seriesから記憶を除去する迅速な方法であるが、エネルギーが作業に置かれるよりもむしろ熱に変換されるにすぎないため、エネルギーを無駄にするという欠点がある。
【0118】
エネルギーがコンデンサとインダクタとの間で行き来して渡され、したがって、抵抗器において無駄にされるよりもむしろ再利用されるため、好ましい動作形態は、共鳴として知られている(固有の抵抗におけるいくらかの放散は回避不可能であるが、少なくとも抵抗形態よりも小さい)。しかしながら、インダクタは迅速に充電されず、したがって、共鳴システム内のインダクタは、各サイクルの終了時にコンデンサから過剰な容量を除去するために効果的ではない。
【0119】
したがって、いわゆる記憶によって引き起こされる不正確性および不安定性を回避するために、システムのコンデンサから過剰な電荷を迅速に除去することも可能である一方で、より効率的な共鳴形態で動作する、システム、方法、および操作の必要性がある。
【0120】
図14および15は、前のサイクルでの異なる障害にもかかわらず、所望のイオンエネルギーを達成するために本明細書で開示されるシステムおよび方法が使用される、波形を図示する。
図14では、障害1408は、ΔVを所望されるより高くさせたであろうが(
図13を想起されたい)、代わりに、(第1のスイッチ構成要素が閉鎖された状態で)V
0がサイクルの開始時に上昇すると、バイアス供給部が上昇電圧を監視し、V
0が所望のイオンエネルギーに対応する電圧1408に達するときに上昇電圧を断ち切る。言い換えると、バイアス供給部は、電圧上昇のためのデフォルト期間の前に、またはC
seriesが完全に充電される前に、電圧増加を断ち切る。
図15では、障害1508は、ΔVを所望されるより低くさせたであろうが(
図12を想起されたい)、代わりに、V
0がサイクルの開始時に上昇すると、バイアス供給部が上昇電圧を監視し、V
0が所望のイオンエネルギー1508に対応するレベルに達するときに上昇電圧を断ち切る。この場合、電圧は、電圧上昇のためのデフォルト期間よりも長く上昇させられるが、依然としてC
seriesが完全に充電される前に断ち切られる。
【0121】
図14では、要点は、デフォルト期間前に電圧上昇を断ち切ることである。しかしながら、
図15では、本方法の2つの手掛かりがあり、第1に、理論上、要求されるであろうよりもはるかに高くV
0を上昇させることができるように、バス電圧V
busが設定される(例えば、レベル1514)。言い換えると、任意の所望のイオンエネルギーを達成するために、C
seriesが典型的には完全に充電されないように、V
busが設定される。このようにして、V
0は、デフォルト期間より後に断ち切られることができ、したがって、障害1512によりそうでなければ到達するであろう場所を上回って上昇することができる。
【0122】
残念ながら、電圧が最大V
0まで上昇させられる前にV
0が断ち切られるとき、エネルギーは、バイアス供給部のインダクタに、および/またはバイアス供給部の固有インダクタンスに貯蔵されたままとなる。バイアス供給部がC
seriesを完全に充電することを許された場合、インダクタのエネルギーは、C
seriesに完全に放出されたか、またはC
seriesと交換されたであろう。したがって、本明細書で説明される切り替えアルゴリズムが、共鳴動作および前のサイクルから「記憶」を消去する能力を可能にし、したがって、不正確性および不安定性を除去する一方で、バイアス供給部のインダクタおよび/またはインダクタンスが決して完全には消耗されないという点で、新しい問題が生成される。この貯蔵されたエネルギーは、後続のサイクルのさらなる「記憶」問題を引き起こし、したがって、バイアス供給部のインダクタおよび/またはインダクタンスの中の残りの貯蔵されたエネルギーを迅速かつ効率的に除去するさらなる必要性がある。この問題の解決策が、
図9で図示されるシステムを参照して説明される。
【0123】
図9は、スイッチ構成要素T
1およびT
2と直列容量C
seriesとの間のインダクタンスL
1を図示する(C
seriesの使用は、浮遊容量がないことを仮定し、浮遊容量が考慮される場合、C
effectiveを使用することができ、C
seriesは、C
effectiveの一部であり得る)。インダクタンスL
1は、個別的なインダクタまたは個別的なインダクタと固有インダクタンスとの組み合わせを表すことができる。また、スイッチ構成要素T
1における固有抵抗R
1、ならびにスイッチ構成要素T
2における固有抵抗R
2もある。R
1およびC
seriesの直列組み合わせは、スイッチ構成要素T
1が開放しており、スイッチ構成要素T
2が閉鎖されているときはいつでも、C
seriesの指数関数的減衰または放電につながるRC回路の役割を果たす。固有インダクタンスL
1および直列容量C
seriesの直列組み合わせは、周期的にC
seriesとL
1との間のエネルギーの交換につながる共鳴性質を有する、LC回路として動作する。R
1がL
1を支配するものであった場合、このRLC回路は、抵抗的に動作し、C
seriesから放出されるエネルギーは、R
1において放散される熱として無駄にされるであろう。これは、非効率的で望ましくない状況であろう。
【0124】
1つの代替案は、L
1がR
1を支配し、エネルギーが主にC
seriesとL
1との間で交換され、エネルギーのわずか部分のみがR
1へ失われる、共鳴形態で、このRLC回路が動作することである。共鳴様式で動作することの不利な点は、インダクタL
1およびC
seriesに貯蔵されたエネルギーが、1つのサイクルでの障害が後続のサイクルの波形に影響を及ぼす、「記憶」と称されるであろうものにつながることである。この記憶により、プラズマ内の基板表面を表す、C
seriesの右側に提供される電圧は、不正確性または不安定性を受け得る。
【0125】
例えば、
図12では、
図9のV
0で測定される修正された周期的電圧関数における障害1212は、ΔV’が、障害がなかった場合よりも小さく、前のサイクルでのΔV’より小さいという点で、不正確性を引き起こす。これは、いくつかのイオンがΔVで加速され、いくつかのイオンがΔV’において加速され、所望するよりも広い、またはスミア付きのIEDFにつながる。
図13では、障害1308は、ΔV’が、障害がなかった場合よりも大きく、前のサイクルでのΔVより大きいという点で、不正確性を引き起こす。両方の場合において、ΔV’が期待および所望される以外であるため、イオンエネルギーに不正確性がある。
【0126】
さらに、1つのサイクルでの不正確性が、後続のサイクルでさらなる不正確性を引き起こすため、単一の障害が、不安定性、すなわち、サイクルごとにΔVにおいて増加する誤差を引き起こし得る。
【0127】
バイアス供給部902を効率的な共鳴形態で動作させるために、R
1の抵抗性効果を無視可能にする、個別的なインダクタL
1が使用される。L
1は、少なくとも個別的なインダクタのインダクタンスを表す一方で、いくつかの実施形態では、固有インダクタンスも表すこともできるが、これらは、個別的なインダクタのインダクタンスに対して小さくなるはずである。本開示の目的で、
図9のL
1は、個別的なインダクタのインダクタンス、または個別的なインダクタのインダクタンスおよび固有インダクタンスを指すことができる。いずれにしても、バイアス供給部902が共鳴的に動作するように、L
1がR
1を支配する。しかし、上記で説明されるように、これは、新規の切り替えアルゴリズムとともに、各サイクルの終了時にL
1の中の不要な貯蔵エネルギーにつながる。
【0128】
スイッチ構成要素T
1が開放するときにL
1に貯蔵されている過剰なエネルギーに関連付けられる問題を解決するために、この貯蔵されたエネルギーを除去し、ほんのわずかなサイクル長でそうするように、エネルギー排出構成要素908を使用することができる。エネルギー排出構成要素908は、
図14および15でT
evacと標識されるものの間の任意の時点または任意の期間で、L
1からエネルギーを除去することができる。言い換えると、エネルギー排出構成要素1408は、T
evacの間の任意の時間に、起動されることができる。エネルギー排出構成要素908がインダクタL
1からエネルギーを除去し始める特定の時間は、コントローラ910およびコントローラ910に提供されるeV設定点によって統制される。特に、スイッチ構成要素T
1は、閉鎖してサイクルを開始し、C
seriesを充電する。V
0は、上昇し、スイッチ構成要素T
1がある時点で開放されなかった場合、最大電圧(最大V
0)に達するであろう。言い換えると、C
seriesがいつまでも充電された場合、V
0は最大V
0に達し、そこで安定するであろう。V
busは、所望のイオンエネルギーに対応するレベルを超えてC
seriesが充電されることができるように、設定されることができる。このようにして、前のサイクルに障害がある場合、スイッチ構成要素T
1は、閉鎖し、次いで、C
seriesが完全に充電される前に開放することができ、したがって、障害にもかかわらず所望のV
0を達成する。V
0が上昇すると、コントローラ910は、V
0から電圧測定値を受信し、これらをeV設定点と比較することができる。V
0がeV設定点に合致するとき、コントローラ910は、スイッチ構成要素T
1に開放するように指示することができ、したがって、V
0の増加を断ち切る。この時間、またはT
evacの間の任意の時間に、コントローラ910は、エネルギー排出構成要素908に、起動するか、またはL
1からエネルギーを除去し始めるように指示することができる。
【0129】
エネルギー排出構成要素908は、L
1から除去されるエネルギーから利益を得ることができる、バッテリ、コンデンサ、抵抗器、スイッチ、および/またはバイアス供給部902または任意の構成要素の他の部分への電気接続等の任意の種々の回路を含むことができる。例えば、エネルギー排出構成要素908は、後で使用するためにL
1から排出されるエネルギーを貯蔵する(例えば、レール電圧を補足するようにエネルギーをV
busに戻して提供する)バッテリまたは容量性要素を含むことができる。
【0130】
図10は、エネルギー排出構成要素の特定の実施形態を伴うバイアス供給部を図示する。ここで、エネルギー排出構成要素1008のスイッチ1014は、T
evacの間のある時点で閉鎖し、L
1の中の任意のエネルギーは、エネルギー排出構成要素1008の中へ排出され、抵抗器1012において放散される。
【0131】
コントローラ910および1010は、いくつかの実施形態では、アナログ比較器またはデジタル比較器に供給するA/D変換器を含むことができる。
【0132】
(広ダイナミックレンジ)
低エネルギーにおいて、上記で議論される不正確性および不安定性は、より問題となる。これは、イオンエネルギーの広ダイナミックレンジが、典型的には、低値を有する少なくとも1つのイオンエネルギーを必要とするため、イオンエネルギーの広ダイナミックレンジを達成することを困難にする。したがって、上記で議論されるシステムおよび方法は、高いエネルギーで、特に、低エネルギーで、不正確性および不安定性を除去するように実装されることができ、したがって、バイアス供給部がプラズマにおけるイオンエネルギーの広ダイナミックレンジを達成することを可能にする。
【0133】
(高速イオンエネルギー制御)
ある用途は、イオンエネルギーの「高速」変化を要求し、「高速」は、修正された周期的電圧関数のいくつかのサイクル内、またはさらにサイクルごとでのイオンエネルギーの変化を含むことができる。イオンエネルギーを変化させる1つの方法は、V
busを調節することであるが、これは、「高速」用途のために十分に速くそのようにするためには困難である。しかしながら、バイアス供給部のインダクタに貯蔵された過剰なエネルギーを除去するために、上記で議論される切り替えアルゴリズムとエネルギー排出構成要素とを使用して、イオンエネルギーをサイクルごとに調節することができる(すなわち、第1のサイクルが第1のイオンエネルギーを産生し、次のサイクルが第2のイオンエネルギーを産生する)。
【0134】
本明細書で開示されるシステムおよび方法は、V
busの変化を伴わずにイオンエネルギーを調節することができる。例えば、
図12−15では、種々のイオンエネルギー(異なるΔV)が所与のV
busのために達成されることができることが分かる。イオンエネルギー切り替えは、非常に「高速」であり、イオンエネルギーは、V
0が上昇している間、あるサイクルに対して選択されることさえできる。言い換えると、切り替え構成要素T
1が開放される前の任意の時間に、ΔVまたはイオンエネルギーが決定されることができる。
【0135】
「高速」イオンエネルギー制御は、異なるイオンエネルギーを切り替えるときに有利であり得るが、それは、プラズマが点火されるときにも有利である。なぜなら、プラズマが点火されるときに時として見られるプラズマイオンエネルギーの過渡状態を排除しない場合、正確なeV設定点でC
seriesを充電することを止める能力が大幅に低減するからである。
【0136】
(パルスイオンエネルギー制御)
多くのプラズマ処理レシピは、プラズマ源によって提供されるRF電力のパルスエンベロープを要求する。
図28は、時間の関数としてのパルス源供給を図示する。示されるように、RF正弦波は、鎖線で示されるパルスエンベロープに従ってパルス状である。パルスは、例えば、フリーラジカルに対するイオンの比率が制御されることを可能にする。特に、フリーラジカルは、典型的には、イオンより長い寿命を有し、したがって、RFがオフにされるとき、イオンに対するフリーラジカルの比率は、時間とともに増加する。増加したラジカルの比率は、例えば、被加工物の表面上の種々の材料の相対エッチング速度に影響を及ぼし得、これは、いくつかのレシピで有利である。しかしながら、所望のレベルのフリーラジカルおよびイオンを維持するために、RF電力が再びオンにされ、したがって、ソース供給部のパルスが実行される。場合によっては、ソース供給部は、処理チャンバ内でより一貫したレベルのイオンおよびラジカルを維持する目的で、RF振幅と0との間よりもむしろ2つの異なるRF振幅の間でパルス状であり得る。
【0137】
パルスRF源供給部が使用されるとき、バイアス供給部は、典型的には、ある様式でソース供給パルスに同期化される(
図29参照)。2層ソース供給電圧が使用される場合、バイアス供給部はまた、2つの異なるバイアス供給部電圧の間でパルス状であり得る。しかしながら、複数の供給をパルス状にする当技術分野内のシステムおよび方法は、種々の不利点を抱えている。例えば、パルスバイアス供給部は、バイアス供給部がオンにされる度にイオン密度およびイオンエネルギーにおいて過渡状態を受け得る。一実例が
図30で見られることができ。バイアス供給部は、所望の電圧形態に定着する前、オンにされた直後、所望の電圧標的のオーバーシュートに加えて、遅いターンオン過渡状態を例証する。同様に、ソースパルスエンベロープ上で見られるパルス内ターンオン過渡状態は、バイアス供給部をオンにすることの影響を受ける。これらの過渡状態は、部分的に、従来のバイアス供給部とプラズマ密度とが非直交であり、バイアス供給部電圧の変化が、プラズマ密度に実質的な影響を及ぼすという事実に起因し得る。これらの過渡状態は、正確な処理レシピを設計することを困難にするだけでなく、バイアス供給部電圧を観察するとき、当技術分野内の多くの方法は、過渡形態からのデータ点を使用せず、したがって、潜在的処理時間を増加させながら、潜在的な測定および調整誤差を注入する。いくつかのレシピはまた、所与のソース供給パルス内のイオンエネルギーの急速な変化も要求し得る。従来のシステムおよび方法は、精度および安定性を伴ってイオンエネルギーを制御することが困難であり、バイアス供給部の数サイクルほどの短い期間内に少しでもそのような変化を生じることが困難である。
【0138】
本明細書で開示されるシステムおよび方法は、いくつかのこれらの問題を解決する。
図29は、鎖線によって示されるパルスエンベロープ内でパルス状である、
図9のバイアス供給部902等のバイアス供給部の修正された周期的電圧を図示する。バイアス供給部のパルスは、
図28のソース供給部のパルスと同期化される。所望のイオンエネルギーを達成するために必要とされる正確な瞬間にスイッチ構成要素T
1を開放することを介して、本明細書で開示されたバイアス供給部によって生成される、修正された周期的電圧関数の最大電圧を正確に制御することができるため、
図30で見られるもの等の過渡状態は低減され、おそらく排除されることができる。これらのシステムおよび方法はまた、イオンエネルギー制御とプラズマ密度制御との間の直交性も可能にする。したがって、イオンエネルギーにおいて不正確性および不安定性を低減するものとして以前に説明された、同一のシステムおよび方法は、パルスバイアス供給動作中に過渡状態を回避し、イオンエネルギーおよびプラズマ密度制御の間の直交性を可能にするという追加の利益を有する。
【0139】
過渡状態はまた、本明細書で開示されるシステムおよび方法が、イオンエネルギーとプラズマ密度との間でほぼ直交な関係を達成するため、回避され、したがって、バイアス供給部(例えば、902)のパルスは、プラズマ密度に無視可能な影響を及ぼす。
【0140】
さらに、「高速」イオンエネルギー変化(例えば、サイクルごとにイオンエネルギーを変化させる)を達成するために、本明細書で開示されたシステムおよび方法を使用することができるため、単一のソース供給またはバイアス供給パルス内で1回以上、イオンエネルギーを変更することができる。
【0141】
広ダイナミックレンジに対して議論されるシステムおよび方法はまた、バイアス供給部の単一のパルス内で複数のイオンエネルギーの広ダイナミックレンジを達成するために、パルスバイアス供給部の実施形態で使用することもできる。
【0142】
上記で議論されるようなイオンエネルギーに対する変化とともに、他の実施形態では、イオンエネルギー分布関数(IEDF)をサイクルごとに調節することができる。言い換えると、バイアス供給部の所与のパルス内で、IEDFおよび/またはイオンエネルギーを1回以上調節することができる。
【0143】
パルスバイアス供給部の実施形態はさらに、I
Cの事前設定を設定する能力から利益を得ることができる。したがって、バイアス供給パルスの開始時に、所望のイオンエネルギーをより少ない時間で達成することができるように、I
cを「推測」することができる。例えば、以前に議論されたように、最小IEDFを決定するために、いくつかの反復が要求され得、その後、所望のイオンエネルギーが設定されることができる。以前のIEDF設定に基づくI
cを用いて、そのような反復を開始することによって、最小IEDFがより迅速に見出され得、したがって、所望のイオンエネルギーをより早く確立することができる。他の実施形態では、以前のパルスで使用されたI
Cは、パルスのためのイオンエネルギーを設定するために使用される時間を再度減少させるために、後続のパルスの開始時に初期条件として使用されることができる。さらに、複数のイオンエネルギーが所与のパルスにおいて設定される場合、後続のパルスにおいて種々のイオンエネルギーを設定するための初期条件として、1つまたは複数の以前のパルスで使用されたI
Cを使用することができる。同様に、I
Cと組み合わせて、またはそれの代替として、C
2またはそのより正確な導関数C
series/(C
2+C
series)を初期条件として使用することができる。
【0144】
パルス実施形態はまた、以前に議論されたが、ここではパルスバイアス供給状況に適用されるような、イオン電流およびC
2を介してプラズマ密度を測定する能力から利益を得ることもできる。これは、パルス動作中にプラズマ密度の測定に基づいて、バイアス供給部を制御することができる、さらなる実施形態につながる。例えば、プラズマ密度閾値に基づいて、バイアス供給パルスがトリガされるか、または振幅、デューティ係数等が調整されることができる(例えば、プラズマ密度が閾値を下回るときにバイアス供給部がオンになることができる)。別の実施例では、プラズマ密度閾値を下回る、またはそれを上回って上昇するプラズマ密度によって、イオンエネルギーまたはeV設定点に対する変更がトリガされることができる。バイアス供給パルス内のイオンエネルギーおよびIEDFもまた、プラズマ密度の関数として制御されることができる。
【0145】
他の実施形態では、ソース供給部は、プラズマ密度の関数として制御されることができる。例えば、プラズマ密度閾値を横断するプラズマ密度に基づいて、あるいは所望のレベルの近くにプラズマ密度を維持する目的で、ソース供給部のパルスがトリガされることができるか、またはパルスエンベロープの振幅、デューティ係数等が調整されることができる。
【0146】
(仮想フロントパネル)
図31−52は、以前に開示されたようなバイアス供給部に関連付けられる、種々の「仮想フロントパネル」(VFP)表示を図示する。VFPは、種々の制御(例えば、ボタン、スライダ、ラジオボタン)、インジケータ(例えば、カラーインジケータ、バーインジケータ、数値インジケータ)、およびグラフまたはチャート(例えば、電圧対時間)を有することができる。VFPは、バイアス供給部および/またはソース供給部を制御するための制御ならびに監視チャートおよびインジケータを含むことができる。例えば、VFPは、eV設定点ならびにIEDF形状および幅の制御と、達成されたイオンエネルギーならびにIEDF形状および幅の監視とを可能にすることができる。VFPはまた、イオン電流I
I、ならびにバイアス供給部および/またはプラズマ処理チャンバの較正を監視するために使用されることもできる。これらは、VFPを使用することができる、多くの実施形態のうちのいくつかにすぎない。
【0147】
VFPは、単一のディスプレイ(例えば、バイアス供給部に組み込まれるか、またはバイアス供給部に結合される、LCDフラットパネルディスプレイ)または複数のディスプレイで具現化することができる。VFPは、タッチセンサ式制御を含むことができる。
【0148】
図31は、修正された周期的電圧関数を図表にする、VFPを図示する。VFPはさらに、バイアス供給部出力をオンおよびオフに切り替える電力出力制御を含む。いくつかの警告インジケータが、VFPの左側に配列される。また、イオンエネルギー(eV)、イオン電流補償I
C(Icompensation)、およびピーク間電圧(V
pp)を示すためのバーおよび数値インジケータもある。
【0149】
図33は、バイアス供給部の2つの制御、すなわち、イオンエネルギー設定点(eV設定点)のための1つの制御およびイオン電流補償(電流オフセット)のためのもう1つの制御を示す、VFPを図示する。VFはまた、測定されたイオンエネルギー(eV)のためのバーインジケータも有する。
【0150】
図35は、3つのイオンエネルギーのチャートを有する、VFPを図示する。チャートは、読み出しまたは入力画面のいずれか一方であり得る。例えば、チャートは、達成されたイオンエネルギーおよび3つのイオンエネルギーの各々におけるイオンの濃度を示すために使用されることができ、またはチャートは、本システムが試行して達成するものである、イオンエネルギーおよび濃度を示すために使用されることができる。
【0151】
図36は、台形状を有するイオンエネルギー分布関数のチャートを有する、VFPを図示する。IEDFは、500eV直下から、イオンの濃度がイオンエネルギーとともに増加する1000eV直上まで伸張する。VFPはまた、IEDFの下限および上限ならびに両限界におけるイオンの濃度を制御するための制御も左に含む。
【0152】
図37は、イオンエネルギーV
1の周囲のイオンエネルギーの広がり(Spread
1)を制御するためのVFPを図示する。図示した実施形態では、各エネルギーにおけるイオンの濃度は、V
1から離れるエネルギーについて、0に向かって降下する。
【0153】
図38は、2つの狭小IEDF、および定義された広がりを有する1つのIEDFを制御するためのVFPを図示する。示されるように、2つの狭小IEDFは、h
1およびh
2に存在し、v
1およびv
2に等しいイオン濃度を有することができる。IEDF2パラメータは、広大IEDF(V
1)およびIEDF広がり(Spread
1)の中心イオンエネルギーを制御する。
【0154】
図39は、いずれか2つの隣接イオンエネルギーの間の広がりが、2つの隣接イオンエネルギーを直線的に接続する濃度を有する特定の濃度を各々が有する、4つのイオンエネルギーを含むIEDFを制御するためのVFPを図示する。
【0155】
図40は、時間または位置の関数としてイオンエネルギーI
ionを図表にする、VFPを図示する。
【0156】
図43は、時間または位置の関数としてプラズマ密度n
eを図表にする、VFPを図示する。
【0157】
図44は、時間または位置の関数として基板電位V
DCを図表にする、VFPを図示する。
【0158】
(パルスヒータ)
典型的なチャックでは、処理チャンバが収納される構内のAC分布システムから電力供給され得る電気加熱システムがある。RF電力は、潜在的にAC分布システムに伝搬可能であることが知られている。この望ましくない電流経路を防止するために、60Hzまたは50Hz分布電力を通すが、RF周波数(例えば、13.56MHzまたは60MHz)に対してトラップの役割を果たすように、RFフィルタが加熱システムの中に配置され得る。しかし、場合によっては、フィルタが相当量の電流を扱わなければならないため、フィルタ(または2つのフィルタ)のための十分な物理的空間がなく、バイアス基板供給部が利用されるとき、印加される数周波数(例えば、0.4MHz〜5MHz)が存在するため、フィルタは設計することが困難である。
【0159】
結果として、典型的なフィルタを利用する代わりに、低巻線間容量を有する変圧器の一次側に印加されるヒータ電力供給部を用いて、パルスが生成され得る。電力は、変圧器の二次側に渡され、次いで、整流され、ヒータに印加される。変圧器の低容量障壁は、広範囲の周波数が変圧器の二次側から一次側に戻ることを可能にせず、したがって、不要な周波数が構内のAC分布システムに伝搬することを防止する。
【0160】
本明細書で説明されるシステムおよび方法は、本明細書で以前に説明された特定の物理的デバイスに加えて、制御および処理構成要素に関連して実装されることができる。
図53は、その内側で一式の命令が、デバイスに本開示の側面および/または方法論のうちのいずれか1つ以上を実施あるいは実行させるために実行することができる、制御システム5300の一実施形態の概略図を示す。例えば、制御システム5300は、制御構成要素112、612、762、910、1010を実現するために利用され得る。しかし、
図53の構成要素は、実施例にすぎず、任意のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、埋込論理構成要素、または本開示の特定の実施形態を実装する2つ以上のそのような構成要素の組み合わせの使用あるいは機能性の範囲を限定しない。図示した構成要素のうちのいくつかはまたは全ては、制御システム5300の一部であり得る。例えば、制御システム5300は、2つだけの非限定的実施例を挙げると、汎用コンピュータまたは埋込論理デバイス(例えば、FPGA)を含むことができる。
【0161】
本実施形態における制御システム5300は、少なくとも、2つの非限定的実施例を挙げると、中央処理ユニット(CPU)またはFPGA等のプロセッサ5301を含む。制御システム5300はまた、両方ともバス5340を介して互におよび他の構成要素と通信する、メモリ5303および記憶装置5308を備え得る。バス5340はまた、ディスプレイ5332、1つ以上の入力デバイス5333(例えば、キーパッド、キーボード、マウス、スタイラス等を含み得る)、1つ以上の出力デバイス5334、1つ以上の記憶デバイス5335、および種々の非一過性の有形プロセッサ読み取り可能な記憶媒体5336を、互と、ならびにプロセッサ5301、メモリ5303、および記憶装置5308のうちの1つ以上とをリンクし得る。これらの要素はすべて、直接、あるいはバス5340への1つ以上のインターフェースまたはアダプタを介して、インターフェースをとり得る。例えば、種々の非一過性の有形プロセッサ読み取り可能な記憶媒体5336は、記憶媒体インターフェース5326を介して、バス5340とインターフェースをとることができる。制御システム5300は、1つ以上の集積回路(IC)、印刷回路基板(PCB)、モバイルハンドヘルドデバイス、ラップトップまたはノートブックコンピュータ、分散型コンピュータシステム、コンピューティンググリッド、あるいはサーバを含むが、それらに限定されない、任意の好適な物理的形態を有し得る。
【0162】
プロセッサ5301(または、中央処理ユニット(CPU))は、随意に、命令、データ、またはプロセッサアドレスの一時的ローカル記憶のためのキャッシュメモリユニット5302を含む。プロセッサ5301は、少なくとも1つの非一過性の有形プロセッサ読み取り可能な記憶媒体上に記憶された非一過性プロセッサ読み取り可能な命令の実行を支援するように構成される。制御システム5300は、メモリ5303、記憶装置5308、記憶デバイス5335、および/または記憶媒体5336(例えば、読み取り専用メモリ(ROM))等の1つ以上の非一過性の有形プロセッサ読み取り可能な記憶媒体で具現化される、命令を実行するプロセッサ5301の結果として、機能性を提供し得る。例えば、
図17−19を参照して説明される方法の1つ以上のステップを達成する命令が、1つ以上の非一過性の有形プロセッサ読み取り可能な記憶媒体で具現化され得、プロセッサ5301が、命令を実行し得る。メモリ5303は、1つ以上の他の非一過性の有形プロセッサ読み取り可能な記憶媒体(大容量記憶デバイス5335、5336等)から、またはネットワークインターフェース5320等の好適なインターフェースを通して、1つ以上の他のソースから、命令を読み取り得る。そのようなプロセスまたはステップの実行は、メモリ5303内に記憶されるデータ構造を定義し、ソフトウェアによって指示されるように、データ構造を修正するステップを含み得る。
【0163】
信号入力構成要素5350は、概して、スイッチモード電力供給部106、スイッチモード電力供給部606、イオン電流補償660、プラズマ処理チャンバ604、および電流源764の1つ以上の側面についての情報を提供する信号(例えば、デジタルおよび/またはアナログ信号)を受信するように動作する。いくつかの実装では、コントローラ112および612は、パルスまたは電力供給部電圧のデューティサイクルを調節するようスイッチモード電力供給部106および506に通知するように、出力信号(例えば、バイナリビット)を提供し得る。他の実装では、制御システム5300は、部分的に、イオン電流補償660、電流制御762、コントローラ910、コントローラ1010を実現するために利用され得る。
【0164】
信号出力構成要素5360は、スイッチ制御信号を生成してスイッチT
1およびT
2を制御するように、当業者に公知であるデジタル・アナログ構成要素を含み得る。スイッチT
1およびT
2が、例えば、電界効果トランジスタ(FET)として実装されるとき、信号出力構成要素5360は、スイッチT
1およびT
2を制御するようにゲート駆動信号を生成し得る。
【0165】
メモリ5303は、限定されないが、ランダムアクセスメモリ構成要素(例えば、RAM5304)(例えば、静的RAM「SRAM」、動的RAM「DRAM」等)、読み取り専用構成要素(例えば、ROM5305)、および任意のそれらの組み合わせを含む、種々の構成要素(例えば、非一過性の有形プロセッサ読み取り可能な記憶媒体)を含み得る。ROM5305は、データおよび命令を、プロセッサ5301に単方向に通信するように作用し得、RAM5304は、データおよび命令を、プロセッサ5301と双方向に通信するように作用し得る。ROM5305およびRAM5304は、以下に説明される任意の好適な非一過性の有形プロセッサ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。場合によっては、ROM5305およびRAM5304は、本明細書で説明される方法を実行するための非一過性の有形プロセッサ読み取り可能な記憶媒体を含む。
【0166】
固定記憶装置5308は、随意に、記憶制御ユニット5307を通して、プロセッサ5301に双方向に接続される。固定記憶装置5308は、追加のデータ記憶容量を提供し、また、本明細書に説明される任意の好適な非一過性の有形コンピュータ読み取り可能な媒体を含み得る。記憶装置5308を使用して、オペレーティングシステム5309、EXEC5310(実行可能ファイル)、データ5311、APVアプリケーション5312(アプリケーションプログラム)等を記憶し得る。多くの場合、常時ではないが、記憶装置5308は、一次記憶装置(例えば、メモリ5303)より低速の二次記憶装置媒体(ハードディスク等)である。記憶装置5308はまた、光ディスクドライブ、固体メモリデバイス(例えば、フラッシュベースのシステム)、または前述のいずれかの組み合わせを含むことができる。記憶装置5308内の情報は、適切な場合、メモリ5303内の仮想メモリとして組み込まれ得る。
【0167】
一実施例では、記憶デバイス5335は、記憶デバイスインターフェース5325を介して、制御システム5300と(例えば、外部ポートコネクタ(図示せず)を介して)取り外し可能にインターフェースがとられ得る。特に、記憶デバイス5335および関連付けられた機械読み取り可能な媒体は、機械読み取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール、および/または制御システム5300のための他のデータの不揮発性ならびに/あるいは揮発性記憶を提供し得る。一実施例では、ソフトウェアは、完全にまたは部分的に、記憶デバイス5335上の機械読み取り可能な媒体内に常駐し得る。別の実施例では、ソフトウェアは、完全にまたは部分的に、プロセッサ5301内に常駐し得る。
【0168】
バス5340は、種々のサブシステムを接続する。本明細書では、バスの参照は、必要に応じて、共通機能を果たす、1つ以上のデジタル信号線を包含し得る。バス5340は、限定されないが、種々のバスアーキテクチャのいずれかを使用する、メモリバス、メモリコントローラ、周辺バス、ローカルバス、および任意のそれらの組み合わせを含む、いくつかのタイプのバス構造のうちのいずれかであり得る。限定ではなく、実施例として、そのようなアーキテクチャとして、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、拡張ISA(EISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、ビデオエレクトロニクススタンダーズアソシエーションローカルバス(VLB)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)バス、PCI−エクスプレス(PCI−X)バス、アクセラレーテッドグラフィックスポート(AGP)バス、ハイパートランスポート(HTX)バス、シリアルアドバンスドテクノロジーアタッチメント(SATA)バス、および任意のそれらの組み合わせが挙げられる。
【0169】
コンピュータシステム5300はまた、入力デバイス5333を含み得る。一実施例では、コンピュータシステム5300のユーザは、入力デバイス5333を介して、コマンドおよび/または他の情報をコンピュータシステム5300に入力し得る。入力デバイス5333の実施例として、タッチスクリーン、英数字入力デバイス(例えば、キーボード)、ポインティングデバイス(例えば、マウスまたはタッチパッド)、タッチパッド、ジョイスティック、ゲームパッド、オーディオ入力デバイス(例えば、マイクロホン、音声応答システム等)、光学スキャナ、動画または静止画像捕捉デバイス(例えば、カメラ)、および任意のそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。入力デバイス5333は、限定されないが、シリアル、パラレル、ゲームポート、USB、FIREWIRE、THUNDERBOLT、または前述の任意の組み合わせを含む、種々の入力インターフェース5323(例えば、入力インターフェース5323)のいずれかを介して、バス5340に対してインターフェースがとられ得る。
【0170】
情報およびデータは、ディスプレイ5332を通して表示されることができる。ディスプレイ5332の実施例として、液晶ディスプレイ(LCD)、有機液晶ディスプレイ(OLED)、ブラウン管(CRT)、プラズマディスプレイ、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。ディスプレイ5332は、バス5340を介して、プロセッサ5301、メモリ5303、および固定記憶装置5308、ならびに入力デバイス5333等の他のデバイスとインターフェースをとることができる。ディスプレイ5332は、ビデオインターフェース5322を介して、バス5340にリンクされ、ディスプレイ5332とバス5340間のデータの転送は、グラフィック制御5321を介して、制御されることができる。
【0171】
加えて、または代替として、制御システム5300は、ソフトウェアの代わりに、またはそれとともに、本明細書に説明または図示される1つ以上のプロセスまたは1つ以上のプロセスの1つ以上のステップを実行するように動作し得る、回路内に有線接続または別様に具現化される論理の結果として、機能性を提供し得る。さらに、非一過性の有形プロセッサ読み取り可能な媒体の参照は、適切な場合、実行のための命令を記憶する回路(IC等)、実行のための論理を具現化するための回路、または両方を包含し得る。本開示は、ソフトウェアに関連してハードウェアの任意の好適な組み合わせを包含する。
【0172】
本明細書で開示される実施形態に関連して説明される、種々の例証的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートまたはトランジスタ論理、離散ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明する機能を果たすように設計されているそれらの任意の組み合わせを用いて実装または実施され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代替案では、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピュータデバイスの組み合わせ、例えば、DSPコア、または任意の他のそのような構成と併せた、DSPおよびマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、1つ以上のマイクロプロセッサの組み合わせとして実装され得る。
【0173】
結論として、本発明は、とりわけ、プラズマ処理中のアーク取り扱いのためのシステムおよび方法を提供する。当業者であれば、本明細書で説明される実施形態によって達成されるものと実質的に同じ結果を達成するために、多数の変形例および置換が、本発明、その用途、およびその構成に行われ得ることを容易に認識できる。故に、本発明を開示された例示的形態に限定する意図は全くない。多くの変形例、修正、および代替構造は、請求項で明示されるような開示された発明の範囲および精神内にある。