(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている写真プリント注文システムは、著作権問題についての考察はなされていない。すなわち、今日では、銀塩写真の場合には考えられなかった著作権問題が生じ得る状況となっている。
【0005】
具体的には、銀塩写真を現像する場合には、ネガフィルムから現像することになるが、通常、そのネガフィルムは、写真の著作者が所有している。このため、他人が、そのネガフィルムを用いて、勝手に写真を現像することは困難である。
【0006】
これに対して、ディジタル写真をプリントする場合には、ネガフィルムは存在せず、ディジタルカメラ、或いは、スマートフォンなどにおけるカメラ機能によって撮影されたディジタル画像データからプリントすることになり、通常、そのディジタル画像データは、ウェブページなどにアップロードできることから、他人がダウンロードするなどして、容易に入手することが可能となる。
【0007】
つまり、ディジタル画像データは、容易に、複製することができ、また、インターネットなどのネットワークを通じて公衆に送信することができるため、拡散してしまうという性質を有している。このため、写真の著作者が意図しないところで、著作権侵害が発生しうることになるので、これを防止することが必要となる。
【0008】
そこで、本発明は、ディジタル画像データの著作権侵害を未然に防止できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の認証システムは、
ディジタル撮影装置によって作成されるディジタル画像データに対して当該ディジタル
撮影装置に割り当てられる第1識別符号を付加する第1付加手段と、
通信装置によって送信されるディジタル画像データに対して当該通信装置に割り当てられる第2識別符号を付加する第2付加手段と、
前記第1付加手段及び前記第2付加手段によって付加される第1識別符号及び第2識別符号が予め登録されているユーザ情報に対応するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって第1識別符号及び第2識別符号が予め登録されているユーザ情報に対応していないと判定された場合に前記第1識別符号のユーザに通知する通知手段と、
を備える。
【0010】
また、本発明の認証方法は、
ディジタル撮影装置によって作成されるディジタル画像データに対して当該ディジタル撮影装置に割り当てられる第1識別符号を付加するステップと、
通信装置によって送信されるディジタル画像データに対して当該通信装置に割り当てられる第2識別符号を付加するステップと、
前記第1識別符号及び前記第2識別符号が予め登録されているユーザ情報に対応するか否かを判定するステップと、
前記第1識別符号及び第2識別符号が予め登録されているユーザ情報に対応していないと判定された場合に前記第1識別符号のユーザに通知するステップと、
を含む。
【0011】
さらに、本発明の認証プログラムは、上記各ステップをコンピュータに実行させる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態の認証システムの模式的な構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の認証システムは、以下説明する、ディジタル撮影装置100と、通信装置200と、認証サーバ300と、ネットワーク400とに大別される。
【0016】
ディジタル撮影装置100は、被写体を撮影するものである。ディジタル撮影装置100は、ディジタルスチルカメラ、ディジタルムービーカメラ、撮像機能を有する携帯電話機、スマートフォン或いはタブレット、カメラ付きのノート型パーソナルコンピュータなど、撮影機能を有する装置の総称である。
【0017】
ディジタル撮影装置100は、既知のように、撮像素子、駆動回路、アナログフロントエンド、CDSなどを有する撮影手段110を備えている。
【0018】
また、ディジタル撮影装置100は、撮影手段110によって撮影されたディジタル画像データが格納されるメモリ120を備えている。メモリ120は、ディジタル撮影装置100に内蔵されているものでもよいし、ディジタル撮影装置100に対して外付けできるものでもよい。
【0019】
さらに、ディジタル撮影装置100は、ディジタル画像データの作成の際などに、撮影手段110によって撮影されたディジタル画像データに対して、ディジタル撮影装置100自体に割り当てられる第1識別符号を付加する第1付加手段130を備えている。
【0020】
第1識別符号は、本認証システムの管理者等が一意に割り当てることもできるし、ディジタル撮影装置100に割り当てられているMACアドレス等とすることもできるし、バイオメトリクスデータであるユーザの指紋・声紋・網膜・手書きのサインなどに基づいて作成してもよい。これらは、ディジタル撮影装置100によってユーザの指、網膜、サイン等を撮影したり、ユーザの発声を録音したりすることによって、ディジタル撮影装置100に取り込めばよい。
【0021】
なお、第1付加手段130は、ディジタル画像データの作成とともに第1識別符号を付加してもよいし、ディジタル画像データの作成後に第1識別符号を付加してもよく、ディジタル画像データ作成されるとき以後、メモリ120から読み出される以前までに第1識別符号を付加すればよい。後述する第2識別符号についても、第1識別符号と同様の内容・時期に作成すればよい。
【0022】
通信装置200は、ディジタル撮影装置100によって撮影されたディジタル画像データを受信して、認証サーバ300に送信するものである。通信装置200は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する。)など、通信機能を有する装置の総称である。このため、ディジタル撮影装置100と通信装置200とが、一台の装置によって実現される場合もある。
【0023】
通信装置200は、ディジタル撮影装置100に対して有線又は無線で接続され、ディジタル撮影装置100によって撮影されたディジタル画像データを受信して、認証サーバ300に送信する通信手段210を備える。
【0024】
通信装置200は、ディジタル撮影装置100から送信された第1識別符号が付加されているディジタル画像データを送信する際に、当該ディジタル画像データに対して通信装置200自体に割り当てられる第2識別符号を付加する第2付加手段220を備える。
【0025】
認証サーバ300は、通信装置200から送信されてくるディジタル画像データの著作権問題の有無を判定するものである。なお、以下説明する認証サーバ300に登録されるユーザ情報は、ユーザが新たにディジタル撮影装置100又は通信装置200を購入した際に、ユーザ自体が登録してもよいし、これらの装置メーカ又は販売者が登録してもよい。
【0026】
また、登録に付帯して、装置メーカ、販売者、又は、認証サーバ300の管理者等が、ディジタル撮影装置100のMACアドレス等と、ユーザ情報とが記録されたカードなどの記録媒体を発行するようにしてもよい。こうすると、例えば、写真プリントを写真屋などの店頭で行う場合に、ユーザはその記録媒体を写真屋などに提示し、写真屋が当該記録媒体を用いて認証サーバ300にアクセスして認証を行うこともできる。
【0027】
認証サーバ300は、ユーザごとに、第1識別符号及び第2識別符号を含むユーザ情報が登録されるデータベース310を備える。データベース310におけるユーザ情報の登
録例については、
図2を用いて後述する。
【0028】
認証サーバ300は、第1付加手段130及び第2付加手段220によって付加される第1識別符号及び第2識別符号が、データベース310に予め登録されているユーザ情報に対応するか否かを判定する判定手段320を備える。
【0029】
認証サーバ300は、判定手段320によって第1識別符号及び第2識別符号が、データベース310に予め登録されているユーザ情報に対応していないと判定された場合に、当該ユーザ情報に含まれる第1識別符号に対応するユーザに通知する通知手段330を備える。
【0030】
ネットワーク400は、通信装置200と認証サーバ300とを接続するものであり、インターネット、携帯電話網、公衆回線網などの総称である。
【0031】
図2は、
図1に示す認証サーバ300のデータベース310におけるユーザ情報の登録例を示す図である。
【0032】
以下、説明の理解容易のため、ディジタル撮影装置100及び通信装置200に対する下位概念の装置に対して、それぞれ同一符号を用いるとともにユーザAの装置を示す符号には「A」を付し、ユーザBの装置を示す符号には「B」を付す。
【0033】
ここで注意すべきは、第1識別符号及び第2識別符号として登録されるものは、それぞれ必ずしも一つではないということである。例えば、スマートフォン100Aは、一般に、撮影機能及び通信機能を有しているため、ディジタル撮影装置100として通信装置200としても用いることができる。さらに、ユーザAがスマートフォン100Aに加えて、PC200Aも所有している場合には、スマートフォン100AとPC200Aとが通信装置になり得る。
図2に示す例では、
ユーザの氏名である「ユーザA」と、その第1識別符号である「ABCD」及び「EFGH」と、その第2識別符号である「12345」及び「ABCD」と、そのメールアドレスである「abc@×××.jp」とが一組で登録されており、
ユーザの氏名である「ユーザB」と、その第1識別符号である「ABAF」と、その第2識別符号である「67890」と、そのメールアドレスである「efg@〇〇〇.com」とが一組で登録されており、
ユーザの氏名である「ユーザC」と、その第1識別符号である「BCD」,「IJK」及び「LMN」と、その第2識別符号である「24680」と、そのメールアドレスである「hij@△△△.jp」とが一組で登録されている。
【0035】
表1は、
図2に係る「ユーザA」の第1識別符号及び第2識別符号の関係をまとめたものである。
【0036】
表1にまとめてあるように、ここでは、それぞれ、
「ユーザA」の第1識別符号「ABCD」は、「ユーザA」の「ディジタルカメラ100A」に割り当てられ、
「ユーザA」の第1識別符号「EFGH」は、「ユーザA」の「スマートフォン100A」に割り当てられて、
「ユーザA」の第2識別符号「12345」は、「ユーザA」の「PC200A」に割り当てられているものとする。
【0037】
「ユーザA」の第2識別符号「ABCD」は、「ユーザA」の「スマートフォン200A」に割り当てられているものとする。
【0038】
つぎに、
図1、
図2及び表1を用いて、本実施形態の認証システムの典型的な動作について説明する。なお、この認証システムで行う処理は、以下の3つのケースに大別される。
【0039】
ケース(1)
「ユーザA」が自己の「ディジタルカメラ100A」で撮影を行い、「ユーザA」が自己の「PC200A」を用いてディジタル画像データを認証サーバ300に送信した場合のように、同一の「ユーザA」が、「ディジタルカメラ100A」と「PC200A」という異なる装置でディジタル画像データを処理する場合、
ケース(2)
「ユーザA」が自己の「スマートフォン100A」で撮影を行い、「ユーザA」が自己の「スマートフォン200A(スマートフォン100Aと物理的に同一装置)」を用いてディジタル画像データを認証サーバ300に送信した場合のように、同一の「ユーザA」が、「スマートフォン100A」と「スマートフォン200A」という同じ装置でディジタル画像データを扱う場合(なお、スマートフォン100Aとスマートフォン200Aとが物理的に同一装置でない場合には、ケース(1)の場合と同じとなる)、
ケース(3)
「ユーザA」が自己の「ディジタルカメラ100A」で撮影を行い、「ユーザB」が自己の「PC200B」を用いてディジタル画像データを認証サーバ300に送信した場合のように、異なる「ユーザA」と「ユーザB」とが、「ディジタルカメラ100A」と「PC200B」という異なる装置でディジタル画像データを処理する場合、
なお、ケース(1)及びケース(2)の場合には、著作権問題が生じ得ないが、ケース(3)の場合には、著作権問題が生じ得るので、その場合の対策を講じられるようにすることが本実施形態の認証システムが意図しているところである。
【0040】
1.ケース(1)について
まず、「ユーザA」が、「ディジタルカメラ100A」の撮影手段110によって撮影がなされた場合には、「ディジタルカメラ100A」では、ディジタル画像データが生成される。
【0041】
この際、ディジタル画像データのメタデータなどに対して「ディジタルカメラ100A」に割り当てられているMACアドレスなどの第1識別符号「ABCD」が、第1付加手段130によって付加される。その後、このディジタル画像データは、メモリ120に格納される。
【0042】
つづいて、ユーザAが、「ディジタルカメラ100A」を「PC200A」に接続して、当該ディジタル画像データの転送を行い、その後に、このディジタル画像データを写真プリントしようとして、認証サーバ300に対して当該ディジタル画像データ送信(アッ
プロード)しようとしたとする。
【0043】
この場合、PC200Aでは、アップロード対象のディジタル画像データに対して、PC200Aに割り当てられているMACアドレスなどの第2識別符号「12345」が、第2付加手段220によって付加される。
【0044】
その後、通信手段210によって、PC200Aから認証サーバ300に対してディジタル画像データが送信されると、判定手段320は、当該ディジタル画像データに付加されている第1識別符号「ABCD」と第2識別符号「12345」とを読み出して、これらに基づいてデータベース310を参照する。
【0045】
ケース(1)の場合には、
図2に示すように、第1識別符号「ABCD」と第2識別符号「12345」とは、ともに、「ユーザA」のユーザ情報として登録されている。したがって、「ユーザA」は、その写真の撮影者で、かつ、その写真の送信者であろうと考えられるため、著作権侵害問題は生じないと考えて、依頼された写真プリントを実行する。
【0046】
なお、著作権問題の発生を回避する確実性を向上させるために、通知手段330によって、ユーザAのメールアドレス「abc@×××.jp」宛てに、写真プリントの発注がなされた旨のメールを送信して、ユーザAに対して注文があったことを知らせることもできる。
【0047】
そうすれば、仮に、他人が勝手にディジタルカメラ100A及びPC200Aを用いて写真プリントの発注を行った場合に、写真プリントの実行或いはプリントアウトした写真の発送を回避することも可能となるので、著作者であるユーザAに意に沿わずに、写真が拡散されることを防止できる。なお、通知手段330によって上記メールを送信した後の処理については、後述する
2.ケース(2)について
ケース(2)の場合には、ケース(1)の場合と重複説明を避けると、第1識別符号も第2識別符号も、ともに、「ABCD」ということになる。この場合にも、結論としては、認証サーバ300において、第1識別符号「ABCD」も第2識別符号「ABCD」も、同一の「ユーザA」のものとして登録されているので、依頼された写真プリントを実行することになる。
【0048】
3.ケース(3)について
ケース(3)の場合には、ケース(1)の場合と重複説明を避けると、第1識別符号は「ABCD」であり、第2識別符号は「67890」であるということになる。ケース(3)の場合には、結論としては、認証サーバ300において、第1識別符号「ABCD」と第2識別符号「67890」は、異なる「ユーザA」と「ユーザB」のものとしてそれぞれ登録されている。
【0049】
この場合、その写真の撮影者であろう「ユーザA」と、その写真の送信者であろう「ユーザB」とは同一人でないと考えられるので、著作権侵害問題が生じ得る。このため、認証サーバ300では、依頼された写真プリントの実行をすることなく、第1識別符号「ABCD」に対応する「ユーザA」のメールアドレスに対して、通知手段330によって通知がなされる。
【0050】
この際、上記通知には「ユーザAさんとは異なる方から、ユーザAさんが撮影したと思われる写真のプリント依頼がありました。この写真プリントの可否を返答ください」のようなメッセージとともに、「プリント可」と「プリント否」との返信が可能なウェブページを作成し、かつ、そのウェブページのURLをメール本文内に記載しておくことで、ユ
ーザAに対して、返答を促すとよい。
【0051】
「ユーザA」が当該通知に応じて、メール本文のURLが割り当てられたウェブページを通じて「プリント可」を選択した場合には、写真の複製許諾がなされているとして、停止していた写真プリントを実行する。
【0052】
一方、「ユーザA」が当該通知に応じて、「プリント否」を選択した場合には、写真の複製許諾がなされていないとして、写真プリントの受注を破棄するとともに、「ユーザB」に対して、その旨を通知すればよい。これにより、ユーザBが、著作者であるユーザAに無断で写真プリント、すなわち、写真の著作物の複製権侵害を防止することが可能となる。
【0053】
なお、実際には、上記の3つケース以外にも、例えば、「ユーザA」が自己の「スマートフォン100A」で撮影を行い、「ユーザB」が「ユーザA」の「スマートフォン200A(スマートフォン100Aと物理的に同一装置)」を勝手に用いるなどして、当該ディジタル画像データを認証サーバ300に送信するということもあり得る。
【0054】
さらに、典型的には、「ユーザB」は、ディジタル画像データを送信する際に、「ユーザA」の写真プリント用のログインID及びパスワードなどを用いてログインする場合もあるし、或いは、「ユーザB」として、写真プリントサービスのサーバに対して写真プリント用のログインID及びパスワードなどを用いてログインする場合もある。
【0055】
「ユーザA」としてログインした場合には、写真プリントは「ユーザA」からの発注として処理されるはずであるから、通常、その写真は「ユーザA」の手元に届き、「ユーザB」の手元には届かないであろうと考えられるため、著作権問題は限定的である。
【0056】
一方、「ユーザB」としてログインした場合には、「ユーザA」が写真の著作者となり、「ユーザB」が写真プリントの発注者となることから、厳密にいえば著作権問題は生じ得るということになるが、このようなケースが発生することは稀である。
【0057】
もっとも、このような事態に対しても可能な限り著作権問題に対応しようとするならば、上記のログインの際に、ログインした装置のMACアドレス等を、写真プリントサービスのサーバに送信するようにし、
・そのログイン記録をユーザが閲覧できるようにし、また、
・写真プリントサービスのサーバにおいて、普段と異なる装置からログインがされたことを把握した場合には、当該MACアドレス等に対応する電子メールアドレス宛に通知する、
ということを実行することが考えられる。
【0058】
ログイン記録をユーザが閲覧できるようにすれば、事後的になる場合もあろうが、「ユーザA」がログイン記録を見れば不正アクセスによって、写真プリントの発注がなされた可能性があることを突き止められるため、その写真が「ユーザA」の手元ではなく、届け先の変更等がなされて発注されていた場合には、写真プリントサービスのサーバからの発送履歴に基づいて、不正アクセス者を特定することも可能になろう。
【0059】
また、上記のように、電子メールアドレス宛に通知するということを実行すれば、「ユーザA」の電子メールアドレス宛に、他人が勝手に自身のスマートフォン200Aを用いて、写真プリントが発注された可能性があることを把握できるので、写真プリントの実行或いはプリントアウトした写真の発送を停止させるといったことも可能になろう。
【0060】
以上、本実施形態の認証サーバについて、写真プリントサービスへの適用例を用いて説明したが、本実施形態の認証サーバは、写真プリントサービス以外にも適用することができる。
【0061】
すなわち、例えば、端的にいうと、ユーザAが撮影した写真のディジタル画像データを入手したユーザBが、ユーザAに無断で当該ディジタル画像データをウェブサーバにアップしようとした場合にこれを回避することである。
【0062】
これを実現するには、ウェブサーバ自体に又はこれに付帯して認証サーバを設けることによって、ユーザBからPC200Bを用いてディジタル画像データが送信されてきた場合には、既述の認証等を経て、ユーザA宛てに電子メール等を送信すればよい。これによって、ユーザBによる公衆送信権侵害を回避しうる。この例は、いわゆる動画共有サイトにアップロードされる動画(ここには、音声のみ、音楽のみといったように、画像が伴わないものも含むものとする。)の場合にも当てはまる。
【0063】
また、主としてアマチュア写真家が撮影した写真については、ネガの所有者が著作者となるであろう銀塩写真等の場合とは異なり、ディジタル画像データが相対的に入手しやすいことから、展示権侵害の発生可能性が高いと考えられるので、エントリー作品等についても、本実施形態の認証システムを用いることは有効である。
【0064】
本実施形態で説明した認証システムの各動作は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0065】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【解決手段】ディジタル撮影装置100によって作成されるディジタル画像データに対してディジタル撮影装置100に割り当てられる第1識別符号を付加する第1付加手段130と、通信装置200によって送信されるディジタル画像データに対して通信装置200に割り当てられる第2識別符号を付加する第2付加手段220と、第1付加手段130及び第2付加手段220によって付加される第1識別符号及び第2識別符号が予め登録されているユーザ情報に対応するか否かを判定する判定手段320と、判定手段320によって第1識別符号及び第2識別符号が予め登録されているユーザ情報に対応していないと判定された場合に前記第1識別符号のユーザに通知する通知手段330と、を備える。