特許第6377265号(P6377265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6377265金属ストリップを酸洗および圧延するための複合型酸洗−圧延プラント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6377265
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】金属ストリップを酸洗および圧延するための複合型酸洗−圧延プラント
(51)【国際特許分類】
   B21B 1/18 20060101AFI20180813BHJP
   B21B 15/00 20060101ALI20180813BHJP
   B21C 47/26 20060101ALI20180813BHJP
   B21C 49/00 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   B21B1/18
   B21B15/00 A
   B21B15/00 B
   B21C47/26 D
   B21C47/26 E
   B21C49/00 B
【請求項の数】15
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-517366(P2017-517366)
(86)(22)【出願日】2015年10月9日
(65)【公表番号】特表2017-530011(P2017-530011A)
(43)【公表日】2017年10月12日
(86)【国際出願番号】IB2015057725
(87)【国際公開番号】WO2016055972
(87)【国際公開日】20160414
【審査請求日】2017年5月29日
(31)【優先権主張番号】MI2014A001773
(32)【優先日】2014年10月10日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】510152666
【氏名又は名称】ダニエリ アンド シー.オフィス メカニケ エスピーエー
【氏名又は名称原語表記】DANIELI&C.OFFICINE MECCANICHE SPA
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100152054
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 孝雅
(72)【発明者】
【氏名】ヴィニョーロ ルチアーノ
(72)【発明者】
【氏名】セプルヴェレス クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】セレッティ アンドレア
【審査官】 河口 展明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−180333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 1/00−11/00,47/00−99/00
B21B 15/00−15/02
B21C 45/00−49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ストリップを酸洗して、圧延するための複合型酸洗−圧延プラントであって、
−ストリップを連続的に酸洗するための酸洗ライン、
−前記酸洗ラインの下流に配置される、酸洗されたストリップを収納するための収納手段(20、20’)、
−前記収納手段(20、20’)の下流に配置されて、少なくとも2つの第1の圧延スタンド(19)を有する可逆冷間圧延機、
−第1の圧延ステップの後に前記ストリップを巻き取るための、前記少なくとも2つの第1の圧延スタンド(19)の下流に配置される第1のリール(21)、
−前記第1のステップと反対方向における第2の圧延ステップの後に前記ストリップの少なくとも1つの部分を巻き取るための、前記少なくとも2つの第1の圧延スタンド(19)の上流に配置される少なくとも1つの第2のリール(16)であって、前記少なくとも1つの第2のリール(16)は、コイルの予め定められた重量制限または直径制限までストリップ部分を巻き取るために寸法決めされる、少なくとも1つの第2のリール(16)、
−前記少なくとも1つの第2のリール(16)と前記少なくとも2つの第1の圧延スタンド(19)との間に配置されて、前記少なくとも1つの第2のリール(16)上に巻き取られたストリップ部分がコイルの前記予め定められた重量制限または直径制限に到達するたびに、圧延されたストリップを切断するのに適した第1の切断手段、
を備え、
前記酸洗されたストリップを収納するための前記収納手段(20、20’)は、500〜3000メートルのストリップ長の収容力を有し、
前記第1のリール(21)は、100〜300トンの重量および/または最大6メートルの直径を有するコイルを巻き取るために寸法決めされ、
−溶接機(2’)が前記収納手段(20、20’)と前記少なくとも2つの第1の圧延スタンド(19)との間に配置され、
前記少なくとも1つの第2のリール(16)は、前記溶接機(2’)の下流に配置され、
前記溶接機(2’)は、前記第1の切断手段によって実行される切断から得られて、前記第2の圧延ステップを出る圧延されたストリップのヘッドを、前記収納手段(20、20’)から来るストリップヘッドと溶接するのに適している、
ことを特徴とする、複合型酸洗−圧延プラント。
【請求項2】
前記溶接機(2’)は、予め定められた量のストリップが第1の圧延ステップを受けた後に、前記収納手段(20)から来るストリップを切断するように構成されて、前記圧延機を前記酸洗ラインから切り離す、請求項1に記載のプラント。
【請求項3】
前記収納手段(20’)は、100〜300トンの重量および/または最大6メートルの直径を有するコイルを巻き取るために寸法決めされる少なくとも1つの第3のリール(28)を備える、請求項1に記載のプラント。
【請求項4】
垂直軸のまわりを回転するのに適した回転プラットフォーム(27)の反対端部に一体に2つの第3のリール(28、28’)が設けられ、それにより、第1の第3のリール(28)が前記酸洗ラインから来るストリップを巻き取るためのリールとして、第2の第3のリール(28’)が前記圧延機に供給するストリップを巻き戻すためのリールとして、交互に用いられる、請求項3に記載のプラント。
【請求項5】
前記回転プラットフォーム(27)の上流に配置されて、100〜300トンの重量および/または最大6メートルの直径を有するコイルが一旦前記2つの第3のリール(28、28’)のうちの1つ上に巻き取られたら前記酸洗されたストリップを切断するように構成される、第2の切断手段が設けられる、請求項4に記載のプラント。
【請求項6】
前記少なくとも2つの第1の圧延スタンド(19)の上流に配置されて、前記第1の圧延ステップにおいて開き、かつ前記第2の圧延ステップにおいて閉じるように構成される、少なくとも1つのさらなる圧延スタンド(25)が設けられ、前記さらなる圧延スタンド(25)は、前記2つの第1の圧延スタンド(19)のワーキングロールの加工面粗さよりも大きい加工面粗さを有して備えられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項7】
前記第1のリールに(21)に固定された先導ストリップ(40)が設けられ、それにより、前記第1の圧延ステップの前に、前記溶接機(2’)は、前記収納手段(20、20’)から来る第1のストリップヘッド(41)に前記先導ストリップ(40)を溶接するのにも適している、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項8】
前記第1の切断手段は、静的切断シャー(22)またはフライング切断シャー(23)である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項9】
フライング切断シャーの場合、連続圧延の偶数のステップを実行するために二重の第2のリール(16)または第2のリール(16)のカルーセル(24)が設けられる、請求項8に記載のプラント。
【請求項10】
請求項1に記載のプラントによって金属ストリップを酸洗して、圧延するための酸洗−圧延プロセスであって、
a)前記酸洗ラインによってストリップを連続的に酸洗するステップ、
b)500〜3000メートルのストリップ長の収容力を有する前記収納手段(20、20’)によって、前記酸洗されたストリップを収納するステップ、
c)前記少なくとも2つの第1の圧延スタンド(19)における予め定められた量のストリップの第1の圧延ステップを実行して、そして100〜300トンの重量および/または最大6メートルの直径を有するコイルの前記第1のリール(21)上への連続した巻き取りを実行するステップ、
d)第1のステップと反対の方向において、前記少なくとも2つの第1の圧延スタンド(19)における前記予め定められた量のストリップの第2の圧延ステップを実行して、圧延されたストリップを定めて、コイルの予め定められた重量制限または直径制限まで、少なくとも1つの第2のリール(16)上への圧延されたストリップの第1の部分の巻き取りを実行して、かくして第1の圧延コイルを定める、ステップ、
e)前記第1の切断手段によって、前記第1の圧延コイルの形成の後に、圧延されたストリップを切断するステップ、
f)コイルの予め定められた重量制限または直径制限まで、前記少なくとも1つの第2のリール(16)上に圧延されたストリップのさらなる部分を巻き取り、さらなる圧延コイルを定めて、前記さらなる圧延コイルの各々の形成の後に、前記第1の切断手段によって圧延されたストリップの切断を実行する、ステップ、
g)前記第1の切断手段によって実行される最後の切断から得られる、第2の圧延ステップから出る圧延されたストリップのヘッドを、前記溶接機(2’)によって、前記収納手段(20、20’)から来るストリップヘッドと溶接するステップ、
h)ステップb)からステップg)を繰り返す一方で、ステップa)を実行し続ける、ステップ、
を含む、プロセス。
【請求項11】
ステップc)とステップd)との間に、前記圧延機を前記酸洗ラインから切り離すための、前記溶接機(2’)による酸洗されたストリップの切断が提供される、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記収納手段(20)を完全に占めるための時間と、前記少なくとも1つの第2のリール(16)上に圧延コイルの形成を完了するための前記圧延機のサイクルタイムと等しくするように、前記酸洗ラインの速度は調整される、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
回転プラットフォーム(27)の反対端部に一体に2つの第3のリール(28、28’)を備える前記収納手段(20’)上に、100〜300トンの重量および/または最大6メートルの直径を有するコイルが一旦巻き取られたら、前記回転プラットフォーム(27)の上流にストリップの切断が提供される、請求項10に記載のプロセス。
【請求項14】
100〜300トンの重量および/または最大6メートルの直径を有する第1のコイルが前記2つの第3のリール(28、28’)のリール(28’)上に巻き取られた後に、前記回転プラットフォーム(27)は180°回転し、それにより、前記2つの第3のリール(28、28’)の他のリール(28)は、100〜300トンの重量および/または最大6メートルの直径を有する第2のコイルを作るためにストリップを巻き取るためのリールとして使用され、その一方で前記リール(28’)は、前記第1のコイルを前記圧延機を供給するために巻き戻すためのリールとして使用される、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
第1のステップc)の前に、前記溶接機(2’)によって、先導ストリップ(40)と前記圧延機に到着する酸洗されたストリップの第1のヘッド(41)との間に溶接ジョイントを作るために第1のリール(21)に固定された先導ストリップ(40)が提供され、そして、ステップg)の前に、前記先導ストリップが前記圧延機に入ろうとするときに、前記少なくとも2つの圧延スタンド(19)が開かれて、前記第1の切断手段により実行された最後の切断から得られる圧延されたストリップのヘッドが前記溶接機(2’)の近くにもたらされる、請求項10〜14のいずれか1項に記載のプロセス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ストリップを酸洗および圧延するための複合型酸洗−圧延プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
冷間圧延の分野における最初の完全に連続した圧延機は、70年代および80年代に製造された。そして、最初の複合型酸洗−圧延プラントがそれに続いた。
【0003】
圧延溶接ジョイントにより連続的に圧延されたストリップの利点は、ヘッドの供給ステップの間に欠陥を生成することのそして圧延される尾部が出ることのリスクを低下させることによって、表面性状の時間当たりの生産性または圧延されるキロメートルの20%〜100%の増加を有するプラント生産性に関して、そして、外れた厚みに起因するヘッドおよび尾部材料の損失を低減することによって、性能に関して、重要な利点を有する。
【0004】
この種の解決策は、増加した投資コストを有し、かつ通常1年につき1,000,000トンを超える高い生産能力を有する、連続酸洗が4つまたは5つの圧延スタンドを有するタンデム冷間圧延機に直接接続しているプラントを提供することを必要とする。
【0005】
この種の解決策の欠点は、そのたびに圧延される製品の長さに基づいて、プラントの「ボトルネック」に製造が制限されるということである。「ボトルネック」は、コイルの寸法および重量にしたがって、各スタンドから得られうる速度およびインストールされた力に関してタンデム圧延機によって表現可能な最大速度に関するプラント入力、酸洗プロセス、蓄積および圧延機でありうる。
【0006】
ますます薄い厚みの要請と複合されて、特により高い耐性鋼の材料の開発は、酸洗ラインに連結される新たな連続圧延機の開発に至った。例えば、酸洗ラインの巻き戻しリールが圧延機の巻取り機の近くにあるように、2つのプラントの曲がった配置が作られた。これにより、還元は完了することができ、そして、圧延コイルは、圧延機上の増加した還元数を達成するように酸洗ラインの入力で供給されることができる。求められる厚みでコイルを終えるためにいくつかのパスを設ける必要があるので、この構成は、生産能力の著しい削減と関連した欠点を有する。
【0007】
特定の製造業者によって適用される変形例は、特定の場合に重量が60トンを上回り直径が3メートルに近いいわゆる「ジャンボコイル」を圧延するものであった。不連続なタンデム圧延機に用いられるこのシステムは、連続圧延機によって得られうる値の方へ生産性を漸近的にもたらして、その性能および表面性状を部分的に改良する。この解決策の利点は、圧延プラントのための減少した投資コストである。しかし、それは、コイルを扱う構造(例えば、これらの増加した負荷を連続的にサポートするためにプラントの上流および下流に寸法決めされなければならない道路および対応する天井クレーン)のための重要なコストを必要とする。
【0008】
タンデム冷間圧延機の代わりは、通常、より小さい生産能力を正確に実施するリバース圧延機である:
−1年につき100,000〜400,000トンの単一スタンド式リバース圧延機のための;
−1年につき200,000〜1,000,000トンの二重スタンド式リバース圧延機のための。
【0009】
その性質に起因して、圧延ヘッドおよび尾部が圧延されないかまたは部分的に圧延されるので、リバース圧延機上の圧延は、いくつかのスタンドを有するタンデム圧延機に関して材料のより悪い性能を含む。さらに、リバース圧延機では、タンデム圧延機において得られるように出て行くストリップの表面仕上げを制御する可能性は、除外される。これは、粗さをストリップ表面に移す目的で、ラスト・パスを実行する前に圧延スタンドを置き換えることが推奨されず、そして、表面汚れを減少するために異なるエマルジョン系を使用することが非常に複雑かつ高コストであるからである。
【0010】
リバース圧延機の性能を高めるために、例えば、さまざまな手順および革新が試みられた:
−スタンド近くでのヘッドの供給および尾部の排出を得るための開発機器および対応する自動化;
−生産される材料上へのスタンドの供給および閉鎖をできるだけ早くするために、先導ストリップへの(すなわち圧延されないストリップの伸展部への)コイルのヘッドを溶接するためのスポット溶接機の実施。
【0011】
その適用が圧延機運転条件の明らかな硬直化および圧延ローラに損害を与える可能性がある危険を含むので、これらの技術は部分的な結果を与えた。
【0012】
リバース圧延機を有する金属ストリップのための複合型酸洗−圧延プラントの実施例は、特許文献1において開示される。
【0013】
したがって、上述した欠点を解決することができる複合型酸洗−圧延プラントおよび対応するプロセスを提供することは必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0272703A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の主たる目的は、連続酸洗に連結された4または5スタンド・タンデム圧延機のそれらと比較可能な材料の質、生産性および性能を得ることができ、しかし低い投資コストを有する、複合型酸洗−可逆冷間圧延プラントを提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、15〜21kg/mmの比重量のストリップのコイルを得ることができ、したがって通常のコイル取扱い構造との互換性を有するプラントを提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、自動車および家電機器産業のためのプレートによって必要とされる、表面仕上げが制御されうるように、可逆圧延プロセスが設けられるプラントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
したがって、本発明は、請求項1による金属ストリップを酸洗して、冷間圧延するための複合型プラントであって、
−ストリップを連続的に酸洗するための酸洗ライン、
−酸洗ラインの下流に配置される、酸洗されたストリップを収納するための収納手段、
−前記収納手段の下流に配置されて、少なくとも2つの第1の圧延スタンドを有する可逆冷間圧延機、
−第1の圧延ステップの後にストリップを巻き取るための、前記少なくとも2つの第1の圧延スタンドの下流に配置される第1のリール、
−第1のステップと反対方向における第2の圧延ステップの後にストリップの少なくとも1つの部分を巻き取るための、前記少なくとも2つの第1の圧延スタンドの上流に配置される少なくとも1つの第2のリールであって、前記少なくとも1つの第2のリールは、コイルの予め定められた重量制限または直径制限までストリップ部分を巻き取るために寸法決めされる、少なくとも1つの第2のリール、
−前記少なくとも1つの第2のリールと前記少なくとも2つの第1の圧延スタンドとの間に配置されて、少なくとも1つの第2のリール上に巻き取られたストリップ部分がコイルの前記予め定められた重量制限または直径制限に到達するたびに、圧延されたストリップを切断するのに適した第1の切断手段、を備え、
酸洗されたストリップを収納するための前記収納手段は、500〜3000メートルのストリップ長の収容力を有し、
前記第1のリールは、100〜300トンの重量および/または最大6メートルの直径を有するコイルを巻き取るために寸法決めされ、
−溶接機が前記収納手段と前記少なくとも2つの第1の圧延スタンドとの間に配置され、
前記少なくとも1つの第2のリールは、前記溶接機の下流に配置され、
前記溶接機は、第1の切断手段によって実行される切断から得られて、第2の圧延ステップを出る圧延されたストリップのヘッドを、前記収納手段から来るストリップヘッドと溶接するのに適している、ことを特徴とする、複合型プラントを提供することによって、上記目的を達成することを示唆する。
【0019】
本発明の第2の態様は、上述したプラントによって実行される、請求項10による金属ストリップを酸洗して、冷間圧延するための酸洗−冷間圧延プロセスであって、
a)酸洗ラインによってストリップを連続的に酸洗するステップ、
b)500〜3000メートルのストリップ長の収容力を有する収納手段によって、酸洗されたストリップを収納するステップ、
c)少なくとも2つの第1の圧延スタンドにおける予め定められた量のストリップの第1の圧延ステップを実行して、そして100〜300トンの重量および/または最大6メートルの直径を有するコイルの第1のリール上への連続した巻き取りを実行するステップ、
d)第1のステップと反対の方向において、少なくとも2つの第1の圧延スタンドにおける前記予め定められた量のストリップの第2の圧延ステップを実行して、圧延されたストリップを定めて、コイルの予め定められた重量制限または直径制限まで、少なくとも1つの第2のリール上への圧延されたストリップの第1の部分の巻き取りを実行して、かくして第1の圧延コイルを定める、ステップ、
e)第1の切断手段によって、前記第1の圧延コイルの形成の後に、圧延されたストリップを切断するステップ、
f)コイルの予め定められた重量制限または直径制限まで、前記少なくとも1つの第2のリール上に圧延されたストリップのさらなる部分を巻き取り、さらなる圧延コイルを定めて、前記さらなる圧延コイルの各々の形成の後に、第1の切断手段によって圧延されたストリップの切断を実行する、ステップ、
g)前記第1の切断手段によって実行される最後の切断から得られる、第2の圧延ステップから出る圧延されたストリップのヘッドを、溶接機によって、収納手段から来るストリップヘッドと溶接するステップ、
h)ステップb)からステップg)を繰り返す一方で、ステップa)を実行し続ける、ステップ、を含む、プロセスを提供する。
【0020】
本発明は、第1の圧延ステップすなわち奇数の圧延ステップで、メガコイルを連続的に巻き取り、かくして2つまたは3つの厚み減少を得る。
【0021】
メガコイルは、例えば、より小さいストリップの少なくとも4〜15回の溶接から得られる100〜300トンの重量および4〜6mの直径を有するコイルである。
【0022】
本発明の第1の異型において、圧延機の下流の第1の巻き取りリールが予め定められた最大重量または最大直径に到達するときに、圧延機に入るストリップは切断されて、かくして圧延機を酸洗ラインから切り離す。好ましくは、上述したメガコイルは、第1の圧延ステップの後に第1のリール上に巻き取られる。
【0023】
酸洗ラインは、収容力の増加した出口収納手段(サイズまたは重量がメガコイルのサイズまたは重量の約1/4に等しい従来のコイル約2〜3個と等価の500〜3000mのストリップ長、好ましくは少なくとも2000m)にそれを収納しながら、ストリップを処理し続ける。本発明のこの第1の異型において、この種の収容力の増加した収納手段は、一端で、少なくとも3つのアイドラローラを含む少なくとも1つの可動台を備え、反対端で、酸洗された連続ストリップの蛇行通路を定めるように固定されたアイドラローラを備える、水平収納装置から成る。移動することによって、可動台は、収納されるストリップを増加させることができる。酸洗されたストリップは、適切な支持ローラによって支持され、そして、可動台の反対端に位置するダイバータ・ローラによってそれる。
【0024】
一方、圧延方向を逆転することによって、圧延機は、2つまたは3つの厚み減少を有する第2の圧延パスを実行する。圧延機の上流の第2の巻き取りリールが予め定められた重量制限または直径制限に到達するときに、ストリップは切断され、そして、第1のコイルは下ろされる。この動作は続けられ、かくして、例えば、15〜21kg/mm(ストリップ幅のmm当たりのkg)の比重量を有する4つまたは5つのコイルを作り出す。重量制限および直径制限をセットすることによって、第2のリール上の最終的なコイルの寸法および/または重量は、自動レベルで固定される。第2のリール上のコイルによって到達すべき2つの制限のうちの最初のものは、第1の切断手段による切断を起動させる。
【0025】
最終的なコイルを準備するこの活動の終端で、プロセスは、先に切断されたストリップヘッドとともに再び開始し、そして、新たな圧延ステップすなわち奇数のステップが始まる。
【0026】
圧延機の入力部で溶接機を挿入し、そして、上述したヘッドによって溶接されるのに利用可能な先の圧延からの尾部を残すことによって、連続圧延の状態は、第1の(奇数の)パスにおいて確立される。
【0027】
第2の(偶数の)パスのために、フライイングシャーと協働する圧延機の上流で二重巻き取りリールまたはリールのカルーセルをインストールすることによって、連続圧延は、第2のステップの間も達成される。
【0028】
第2のステップの終端で、酸洗ラインおよびリバース圧延機は再び連結され、そして、連続圧延は第1のステップから再開される。
【0029】
酸洗ラインと圧延機との間に前記収容力の増加した収納手段を提供することによって、そして、第2の圧延パスの前に2つのプラントを切り離すことによって、従来の結合されたプラントの生産性を制限する特定の「ボトルネック」が除去されて、かくして増加した生産性が得られうるという事実に、本発明のさらなる利点はある。
【0030】
本発明の第2の異型において、収容力の増加した収納手段は、酸洗ラインとリバース圧延機との間に、100〜300トンの重量および最大6メートルの直径を有するコイル(メガコイル)を巻き取るために寸法決めされる少なくとも1つの第3のリールを備える。都合のよいことに、2つの第3のリールのうちの1つ上にメガコイルを巻き取るための予め定められた時間の後に垂直軸のまわりを180°回転するのに適した回転プラットフォームの反対端部に一体に2つの第3のリールを設けることができ、それにより、第1の第3のリールが酸洗ラインから来るストリップを巻き取るための巻き取りリールとして、第2の第3のリールが圧延機に供給するストリップを巻き戻すための巻き戻しリールとして、交互に用いられる。この異型において、酸洗ラインと第1の圧延スタンドとの間に配置される溶接機は、前溶接および溶接作業を実行するだけであり、圧延機を酸洗ラインから切り離すためにストリップを切断しない。この場合の切り離しは、回転プラットフォームの上流の第2の切断手段によって、そして回転プラットフォームによって達成される。従属クレームは、本発明の好ましい実施形態を記載する。
【0031】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面を用いた非限定的な実施例として開示される、複合型酸洗−圧延プラントの好ましいが排他的でない実施形態の詳細な説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本発明によるプラントの第1実施形態の概略図を表す。
図2図2は、第1の(奇数の)ステップのための圧延シーケンスの実施例を表す。
図3図3は、静的切断シャーを有する第2の(偶数の)ステップのための圧延シーケンスの実施例を表す。
図4図4は、フライイングシャーを有する第2の(偶数の)ステップのための圧延シーケンスの実施例を表す。
図5図5は、本発明のプラントの圧延機の異型を表す。
図6a図6aは、圧延機の上流にインストールされる溶接機を使用する実施例を表す。
図6b図6bは、圧延機の上流にインストールされる溶接機を使用する実施例を表す。
図6c図6cは、圧延機の上流にインストールされる溶接機を使用する実施例を表す。
図6d図6dは、圧延機の上流にインストールされる溶接機を使用する実施例を表す。
図7図7は、本発明によるプラントの第2実施形態の概略図を表す。
図8図8は、酸洗ラインを出て、圧延機に入る二重巻き取りおよび巻き戻しストリップ・システムの概略図を表す。
図9図9は、上述した二重巻き取りおよび巻き戻しシステムの動作シーケンスを表す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図の同じ番号は、同じ要素またはコンポーネントを識別する。
【0034】
図1図9に関して、複合型連続酸洗−可逆冷間圧延プラントの好ましい実施形態が表される。
【0035】
プラント(本発明の客体)は、そのすべての実施形態において、以下を備える。
−ストリップを連続的に酸洗するための酸洗ライン、
−酸洗ラインの下流に配置されて、500〜3000メートルのストリップ長の収容力を有する酸洗されたストリップを収納するための収容力の増加した収納手段20、20’、
−前記収納手段20、20’の下流に配置されて、少なくとも2つの第1の圧延スタンド19を有する可逆冷間圧延機、
−第1の圧延スタンド19の下流に配置された、第1の圧延ステップ(すなわち奇数の圧延ステップ)の後にストリップを巻き取るための、そして100〜300トンの重量および最大6メートルの直径を有するコイルを巻き取るのに都合よく寸法決めされる、リール21、
−収納手段20、20’と第1の圧延スタンド19との間に配置される溶接機2’、
−第1の圧延スタンド19の上流でかつ溶接機2’の下流に配置された、第1のステップと反対の方向において第2の圧延ステップ(すなわち偶数の圧延ステップ)の後にストリップの少なくとも一部を巻き取るための、少なくとも1つのリール16であって、前記少なくとも1つのリール16は、コイルの予め定められた重量制限または直径制限(例えば15〜21kg/mmの比重量(specific weight)または約2000〜2100mmの直径)までストリップ部分を巻き取るのに都合よく寸法決めされる、少なくとも1つのリール16、
−前記少なくとも1つの第2のリール16と第1の圧延スタンド19との間に配置された、そして、リール16上に巻き取られるストリップ部分がコイルの前記予め定められた重量制限または直径制限に到達するたびに、圧延されたストリップを切断するのに適した、第1の切断手段(例えばシャー22、23)。
【0036】
都合よく、溶接機2’は、第1の切断手段によって実行される切断から得られる第2の圧延ステップを出る圧延されたストリップのヘッドを、収納手段20、20’から来るストリップヘッドと溶接するのに適している。
【0037】
リール21は、増加した収容力を有し、そして、厚みの増加した管によって、または、最大300トンの重量のまたは最大6メートルの直径を有する大きいサイズのコイルの重量を支持することができる金属丸棒によって作られる。圧延機で増加した厚み減少を容易にするために、この種のリール21はまた、圧延の間、350〜500kN(好ましくは400kN)の引っ張り動作を適用するために寸法決めされる。
【0038】
この発明の第1実施形態では、溶接機2’は、ストリップの所定量が第1の圧延ステップを受けた後、収納手段20から来るストリップを切断するように、かくして酸洗ラインから圧延機を切り離すように構成される。図1および図6dに関して、酸洗ラインは、以下を順番に備える。
−少なくとも2つの巻き戻しリール1および、前記リール1によって巻き戻されるストリップ間にロール可能なジョイントを作ることができ、かくして連続ストリップを定める溶接機2(好ましくはレーザー溶接機)を有する入力部、
−前記連続ストリップを収納するための、そして酸洗プロセスの連続操業を確実にする入力収納手段3、
−適切な直径のローラの周りに引っ張りおよび曲げを交替させる組合せ作用を通して、連続ストリップを酸化物でカバーした層の押しつぶしが得られ、かくして連続エッチングを促進する、スケールまたは酸化物ブレーカ4、
−連続ストリップ上の上述したエッチングが起こる(必要とされる生産性にしたがう例えば2から4までの)酸洗タンク5であって、前記タンク5は、酸性の酸洗液を再循環させ、そして加熱するための補助システムを備える、酸洗タンク5。
【0039】
全酸洗ラインに沿って、ストリップガイドシステム、引っ張り制御システム、およびさまざまな補助システムが設けられる。
【0040】
任意には、酸洗タンク5の下流に、それらは設けられることができる:
−すすがれて乾燥した後に、酸洗タンク5を出る酸洗された連続ストリップが収納される中間収納手段6、
−酸洗された連続ストリップの端部をトリミングするためのマシン7であって、前記中間収納手段6は、ストリップ幅またはブレードを変えるためにトリミングマシン7が止められる場合に、酸洗プロセスの停止を回避する機能の役に立つ、マシン7。
【0041】
都合のよいことに、本発明のこの第1実施形態のプラントは、酸洗タンク5のまたはトリミングマシン7の直接下流に、酸洗ラインの出口で収納手段として作用する収容力の増加した収納手段20を提供する。そしてそれは、500〜3000メートルの酸洗された連続ストリップ(好ましくは少なくとも2000メートル)を受容するサイズである。
【0042】
前記収容力の増加した収納手段20は、一端に、少なくとも3つのアイドラローラを含む少なくとも可動台を備え、他端に、酸洗された連続ストリップの蛇行通路を定めるように固定アイドラローラを備える、水平収納装置から成る。移動することによって、可動台は、収納されるストリップを増加させることができる。前記収容力の増加した収納手段20の下流に、それらは順番に設けられる:
−250〜500kN(好ましくは400kN)の引っ張り作用を得るために寸法決めされる、酸洗された連続ストリップの引っ張りおよびセンタリングを制御するための器材9、
−前記溶接機2’(好ましくはレーザー溶接機)、
−15〜21kg/mmの比重量を有するストリップ部分または最大2000〜2100mmの直径を有するコイルを巻き取るように都合よく構成される前記少なくとも1つのリール16、
−切断シャー22、23、
−4段または6段タイプの前記少なくとも2つの可逆的な第1の圧延スタンド19、
−100〜300トンの重量および最大6メートルの直径を有するコイルを巻き取るように都合よく構成されるリール21。
【0043】
有利な異型では、2つの第1の圧延スタンド19だけがある。これにより、2つの圧延ステップは、全体で4つの厚み減少によって実行される。
【0044】
圧延機に沿って、ストリップを冷却して、注油するための補助システム、および圧延工程をモニタするためのさらなる補助システムが設けられる。
【0045】
本発明のこの第1実施形態(図1から図6d)の動作を以下に説明する。
【0046】
入力部の巻き戻しリール1は、溶接機2によって互いに溶接されるそれぞれのストリップを巻き戻し、かくして連続ストリップを定める。酸洗プロセスの連続操業を確実にするために、連続ストリップは、入力収納手段3に収納される。酸化物の層によってまだカバーされた連続ストリップは、スケールブレーカ4を横切って収納手段3から出る。そこでは、適切な直径のローラの周りに引っ張りおよび曲げを交替させる組合せ作用を通して、酸化物の層の押しつぶしが得られ、かくして酸洗タンク5の連続したエッチングを促進する。次いで、連続ストリップは、酸洗タンク5を通過して、その後すすがれて、乾燥される。
【0047】
提供されるときに、酸洗された連続ストリップは、中間収納手段6に入り、次いで、トリミングマシン7端部を横切る。
【0048】
次いで、酸洗された連続ストリップは、収容力の増加した収納手段20に入り、かくして酸洗された連続ストリップのアイドラローラを有する蛇行通路(例えば図1において概略的に示される)に収納される。
【0049】
次いで、酸洗された連続ストリップは、圧延機に対する入力システムを定める、引っ張り作用およびセンタリングを制御するための器材9を通過して、溶接機2’を横切る。
【0050】
約30メートル長の先導ストリップ40が巻き取りリール21上に設けられる場合、前記先導ストリップ40と酸洗された連続ストリップのヘッド41(図6a)との間に、溶接機2’によってジョイント26を提供することが都合よく可能であり、かくして巻き取りリール21(図6a〜図6d)に起因して引っ張られるストリップによって可逆的な2スタンド圧延機19を通してこのジョイント26を供給する可能性を得る。ストリップのヘッド41は、溶接機2’を用いて精度よい切断を実行することによって、溶接のために準備される。溶接を実行する前に、先導ストリップ40の端部も、溶接機2’を用いて精度よい切断を実行することによって準備される。
【0051】
第1の(奇数の)圧延ステップの間、第1のスタンド19は、リール21上にいわゆるメガコイル(すなわち100〜300トンの重量および最大6メートルの直径を有するコイル)を実現するまで、上述した連続ストリップに属する、互いに溶接された例えば少なくとも4つのストリップ(1つが先導ストリップを有することも考慮して、4つの溶接ジョイントを有する)を連続的に巻き取る。この点で、溶接機2’は、第4のストリップを上述した連続ストリップの第5のストリップとつなぐジョイントを切断する。300トンの重量制限または6メートルのコイルの直径制限に到達するとすぐに、特定のセンサは、溶接機2’に指令信号を送る。そしてそれは、上述した切断を実行する。
【0052】
上述したメガコイルを作るために必要な溶接された開始ストリップの数は、開始ストリップの長さに基づいて変化することができる。
【0053】
この第1の圧延ステップの間、収容力の増加した収納手段20(圧延の初めにそれはほとんど最大収納容量であった)は、圧延機と酸洗ラインとの間の速度の違いに起因して、空である。
【0054】
酸洗された連続ストリップの(溶接機2’によって切断される)尾部は、リール21上に巻き取られたストリップの可逆的な第2の(偶数の)圧延ステップを開始するために、巻き取りリール16(図3a)上に供給される。
【0055】
リール16が15〜21kg/mmの比重量を有するかまたは2000〜2100mmの直径を有する第1の圧延コイルを巻き取るときに、圧延機は、リール16上に巻かれているストリップを切断する静的切断シャー22に指令信号を送る特定のセンサを停止させ、そして、第1の圧延コイルはリール16から下ろされる。第1のスタンド19から出る、この静的切断から得られるストリップヘッドは、リール16上に供給される。そして、15〜21kg/mmの比重量を有するかまたは2000〜2100mmの直径を有するリール16上の第2の圧延コイルを得るまで、第2の圧延ステップは再開される。圧延機は再び停止し、静的切断シャー22はリール16上に巻かれているストリップを切断し、そして、第2の圧延コイルはリール16から下ろされる。リール21に固定された先導ストリップが第1の圧延スタンド19に入ろうとするときに、これらの動作は、最後の圧延コイル(例えば第4のコイル)の第2の圧延ステップまで繰り返される。圧延が停止し、第1のスタンド19が開かれ、静的切断シャー22が再びストリップを切断し、そして15〜21kg/mmの比重量を有するかまたは2000〜2100mmの直径を有する前記最後の圧延コイルはリール16から下ろされる。その一方で、先導ストリップのヘッドは、溶接機2’により先に切断された酸洗された連続ストリップのヘッドにより圧延されることができる溶接ジョイントを作るために溶接機2’に到達する。一旦この溶接が完了すると、サイクルは、第1の(奇数の)圧延ステップおよびリール21上の新たなメガコイルの形成を再開する。圧延機の入力部で溶接機2’を挿入することによって、および、溶接機2’により先に切断された酸洗された連続ストリップのヘッドにより溶接されるために利用可能な先の圧延からのストリップ尾部を残すことによって、連続圧延の状態は、奇数の第1の圧延ステップにおいて確立される。
【0056】
圧延ステップの間、収容力の増加した収納手段20は、酸洗ラインから出る酸洗された連続ストリップによって満たされる。都合のよいことに、酸洗ラインの速度は、リール16上の上述した圧延コイルの形成を完了するために、圧延機のサイクルタイムで収納手段20を完全に満たす時間を実質的に等しくするように調整される。
【0057】
第2の(または偶数の)圧延ステップにおいても連続圧延の状態を得るために、異型は、静的切断シャー22の代わりにフライング切断シャー23を、そして単一リール16の代わりに二重リールまたはリール16のカルーセル24を使用することを提供する(図4)。フライング切断シャー23は、50〜500mpmの速度で圧延されたストリップを切断するのに適している。カルーセル24は、2つのリール16を一般に備える。そしてそれは、互いに正反対に位置して、圧延されたストリップを交互に巻き取る回転ドラム上にヒンジされる。一方のリールが最後のコイルを巻き取るときに、他方のリールは最後のコイルを先に巻き終わって開放される。
【0058】
図7図9に示される本発明の第2実施形態では、収容力の増加した収納手段20’は、代わりに、100〜300トンの重量で最大6メートルの直径を有するコイル(メガコイル)を巻き取るために寸法決めされるさらに増加した収容力リール28を少なくとも備える。都合のよいことに、2つのリール28、28’のうちの1つ上にメガコイルが巻き取られる予め定められた時間の後に、垂直軸の周りに180°回転するのに適している、回転プラットフォーム27の両端または両側に一体化される2つのさらに増加した収容力リール28、28’が設けられる。それにより、交互に、第1のリール28は、酸洗ラインから来ている酸洗された連続ストリップを巻き取るためのリールとして使用され、そして第2のリール28’は、圧延機に供給する酸洗された連続ストリップを巻き戻すためのリールとして使用される。回転プラットフォーム27の上流に配置されて、2つのリール28、28’のうちの1つ上に一旦メガコイルが巻かれたら酸洗されたストリップを切断するように構成される、第2の切断手段(例えばさらなるシャー(例示されない))が設けられる。この場合も、一旦コイルの300トンの重量制限または6メートルの直径制限に達したら、特定のセンサは第2の切断手段に指令信号を送る。この切断の後、回転プラットフォーム27は、180°回転する。
【0059】
酸洗された連続ストリップのアイドラローラ8’を有する蛇行通路8(図7)は、前記第2の切断手段の上流に設けられることができる。そしてその目的は、増加した収容力巻き取りリール28が止まるたびに、酸洗ラインによって処理されるストリップを収納する1つである。図1のプラントの同じコンポーネント(すなわち数字1、2、3、4、5、6および7によって示されるすべてのコンポーネント)は、前記コイルパス8の上流に設けられる。
【0060】
ストリップを巻き取り/巻き戻すための二重システムを定義する回転プラットフォーム27は、例えば、ラックシステムによって作動されることができる。その回転は、180°の回転が達成されることのできる電気または油圧モーター32によって制御される。前記回転プラットフォーム27の両側上に、100〜300トンの重量でかつ約6メートルの直径を有するメガコイルを巻き取り/巻き戻すために適合されるそれぞれの増加した収容力リール28、28’が取り付けられる。
【0061】
酸洗ラインから来ているストリップの巻き取り回転および可逆冷間圧延機の第1の圧延スタンド19の方への酸洗されたストリップの巻き戻し回転を独立して制御するように、それぞれのリール28、28’の回転コマンド31、30および31’、30’は、互いに独立している。
【0062】
回転プラットフォーム27の180°回転の間、回転コマンド31、30および31’、30’は、引き込まれるそれぞれの可動ジョイント29、29’によってそれぞれのリール28、28’から外される。
【0063】
リール28、28’上に巻き取られてそして巻き戻されるストリップは、対応する油圧シリンダ33、33’により制御されるそれぞれのマンドレル34、34’の軸方向移動によって、整列配置されかつ中央に置かれるように保たれる。
【0064】
リール28、28’の、したがって回転プラットフォーム27の下流には、以下が順番に設けられる(図7):
−溶接機2’、好ましくはレーザー溶接機、
−15〜21kg/mmの比重量を有するストリップ部分または最大2000〜2100mmの直径を有するコイルを巻き取るように都合よく構成される、少なくとも1つのリール16、
−切断シャー22、
−4段または6段タイプの前記少なくとも2つの可逆的な第1の圧延スタンド19、
−100〜300トンの重量の、そして最大6メートルの直径を有するコイルを巻き取るように都合よく構成される、増加した収容力リール21。
【0065】
有利な異型では、2つの第1の圧延スタンド19だけがある。これにより、2つの圧延ステップは、全体で4つの厚み減少によって実行される。
【0066】
冷却してストリップに油をさすための補助システム、および圧延工程をモニタするためのさらなる補助システムは、圧延機に沿って設けられる。
【0067】
ここで、本発明のこの第2実施形態の動作(図7図9)を説明する。
【0068】
入力部の巻き戻しリール1は、溶接機2によって互いに溶接されるそれぞれのストリップを巻き戻し、かくして連続ストリップを定める。酸洗プロセスの連続操業を確実にするために、連続ストリップは、入力収納手段3に収納される。酸化物の層によってまだカバーされた連続ストリップは、スケールブレーカ4を横切って収納手段3から出る。そこでは、適切な直径のローラの周りに引っ張りおよび曲げを交替させる組合せ作用を通して、酸化物の層の押しつぶしが得られ、かくして酸洗タンク5の連続したエッチングを促進する。次いで、連続ストリップは、酸洗タンク5を通過して、その後すすがれて、乾燥される。
【0069】
提供されるときに、酸洗された連続ストリップは、中間収納手段6に入り、次いで、トリミングマシン7端部を横切る。
【0070】
次いで、酸洗された連続ストリップは、例えば、回転プラットフォーム27(図8)の増加した収容力リール28’上に巻き取ることによって、収容力の増加した収納手段20’に入る。
【0071】
図9は、回転プラットフォーム27の速度での動作シーケンスを概略的に表す。第1のステップ(図9a)において、第1のリール28は、酸洗されたストリップのメガコイルの巻き取りを開始する。一方、第2のリール28’は、第1の圧延ステップを開始するように第1の圧延スタンド19に向けて、先に巻き取られた別のメガコイルの巻き戻しを開始する。
【0072】
第2のステップ(図9b)において、リバース圧延機が第2の圧延ステップを実行して、第2のリール28’が空である一方で、第1のリール28は、酸洗されたストリップのメガコイルの巻き取りを完了して、巻き取りは中断され、酸洗されたストリップは、第2の切断手段によって回転プラットフォーム27の上流で切断される。そして、回転プラットフォーム27は、酸洗されたストリップを巻き戻すための位置へと前記第1のリール28を第1の圧延スタンド19の方へもたらすために回転し始める。
【0073】
第3のステップ(図9c)において、巻き戻し位置の第1のリール28によって、ストリップは、第1のリール28から巻き戻されて、溶接機2’の近くの供給または溶接位置にもたらされる。その一方で、第2のリール28’は、酸洗されたストリップの新たなメガコイルの巻き取りを開始する。
【0074】
リール28またはリール28’上の新たなメガコイルから巻き戻されるストリップのヘッドは、連続した溶接のための準備がされるように、溶接機2’により正確な切断を実行することによって準備される。
【0075】
巻き取りリール21上に約30メートル長の先導ストリップを残したとしても、先導ストリップと第1のリール28から来ている酸洗されたストリップのヘッドとの間にジョイントを作ることは、溶接機2’によって都合よく可能であり、かくして、巻き取りリール21を出ることに起因して教示されるストリップによって2つの第1のスタンド19を有するリバース圧延機を通してこのジョイントを供給する可能性を得る。
【0076】
溶接を実行する前に、先導ストリップの端部も、溶接機2’を用いて精度よい切断を実行することによって準備される。
【0077】
第1の(奇数の)圧延ステップの間、第1のスタンド19は、増加した収容力リール21上に再びいわゆるメガコイルを得るまで第1のリール28から巻き戻されるストリップを連続的に巻き取る。
【0078】
この第1の圧延ステップの間、増加した収容力巻き戻しリール28上のメガコイルは、完全に巻き戻される。同時に、酸洗されたストリップの巻き取り位置における他のリール28’は、新たなメガコイルを巻き取る。
【0079】
リール21上に巻き取られて、巻き戻された酸洗された連続ストリップの尾部は、巻き取りリール16上に供給され、かくして第2の可逆的な(偶数の)圧延ステップ(図7)を開始する。
【0080】
リール16が15〜21kg/mmの比重量を有するかまたは2000〜2100mmの直径を有する第1の圧延コイルを巻き取るときに、圧延機は、リール16上に巻かれているストリップを切断する静的切断シャー22に指令信号を送る特定のセンサを停止させ、そして、第1の圧延コイルはリール16から下ろされる。第1の圧延スタンド19から出る、得られるストリップヘッドは、リール16上に供給される。そして、15〜21kg/mmの比重量を有するかまたは2000〜2100mmの直径を有するリール16上の第2の圧延コイルを得るまで、第2の圧延ステップは再開される。圧延機は再び停止し、静的切断シャー22はリール16上に巻かれているストリップを切断し、そして、第2の圧延コイルはリール16から下ろされる。先導ストリップが第1の圧延スタンド19に入ろうとするときに、これらの動作は、最後の圧延コイル(例えば第4のコイル)の第2の圧延ステップまで繰り返される。圧延が停止し、第1のスタンド19が開かれ、静的切断シャー22が再びストリップを切断し、そして15〜21kg/mmの比重量を有するかまたは2000〜2100mmの直径を有する前記最後の圧延コイルはリール16から下ろされる。
【0081】
その間に、増加した収容力巻き取りリール28’にメガコイルの巻き取りが完了するとすぐに、巻き取りは中断されて、酸洗されたストリップは第2の切断手段によって回転プラットフォーム27の上流で切断され、そして回転プラットフォーム27は180°回転する。かくしてリール28’を巻き戻し位置へとリバース圧延機の方へもたらし、そしてリール28を酸洗ラインから来ているストリップの巻き取り位置へともたらす。
【0082】
リール28’上の新たなメガコイルから巻き戻されるストリップのヘッドは、溶接機2’と到達するまで周知の仕方で供給され、そして、連続した溶接のための準備がされるように、溶接機2’により正確な切断を実行することによって準備される。溶接を実行する前に、先導ストリップの端部も、同じ溶接機2’を用いて精度よい切断を実行することによって準備される。
【0083】
先導ストリップと新たなメガコイルのストリップのヘッドとの間のこの溶接が一旦完了すると、サイクルは、第1の(奇数の)圧延ステップおよびリール21上のメガコイルの連続した形成を再開する。圧延機の入力部で溶接機2’を挿入することによって、および、連続した酸洗された連続ストリップのヘッドにより溶接されるために利用可能な先の圧延からのストリップ尾部を残すことによって、連続圧延の状態は、第1の、すなわち奇数の、圧延ステップにおいて確立される。
【0084】
第2の(または偶数の)圧延ステップにおいても連続圧延の状態を得るために、異型は、静的切断シャー22の代わりにフライング切断シャー23を、そして単一リール16の代わりに二重リールまたはリールのカルーセル24を使用することを提供する(図4のそれに類似の仕方で)。フライング切断シャー23は、50〜500mpmの速度で圧延されたストリップを切断するのに適している。カルーセル24は、2つのリール16を一般に備える。そしてそれは、互いに正反対に位置して、圧延されたストリップを交互に巻き取る回転ドラム上にヒンジされる。一方のリールが最後のコイルを巻き取るときに、他方のリールは最後のコイルを先に巻き終わって開放される。
【0085】
上記の両方の実施形態において、少なくとも2つの第1の圧延スタンド19の上流に配置されて、奇数の圧延ステップで開いていて、偶数の圧延ステップで閉じているように構成されるさらなる圧延スタンド25を提供することができる。これにより、2つの圧延ステップは、全体で5つの厚み減少によって実行される。都合のよいことに、さらなる圧延スタンド25は、2つの第1の圧延スタンド19のワーキングロールの加工面粗さよりも大きい加工面粗さを有するワーキングロールを備える。この異型によって、制御された粗さを有する圧延表面が最後の圧延ステップで得られることができる。好ましくは、圧延スタンド25は、より良好な表面クリーニングを得るために、専用システムによって第2のそして最後の圧延ステップにおいて冷却される。

図1
図2(a)】
図2(b)】
図2(c)】
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図7
図8
図9(a)】
図9(b)】
図9(c)】