特許第6377430号(P6377430)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6377430
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】電磁弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20180813BHJP
   B67D 3/00 20060101ALI20180813BHJP
   B67D 1/14 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   F16K31/06 305N
   F16K31/06 305L
   F16K31/06 305G
   B67D3/00 Z
   B67D1/14 Z
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-129861(P2014-129861)
(22)【出願日】2014年6月25日
(65)【公開番号】特開2016-8671(P2016-8671A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2017年4月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000170130
【氏名又は名称】パーパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】池田 英生
【審査官】 松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−066340(JP,A)
【文献】 実開昭60−145678(JP,U)
【文献】 実開昭62−147776(JP,U)
【文献】 特開2002−195428(JP,A)
【文献】 特開2009−002442(JP,A)
【文献】 実開平05−057562(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/06 − 31/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
常閉型の電磁弁であって、
流体を導入するための導入ポートと、流体を導出するための導出ポートと、前記導入ポートと前記導出ポートとをつなぐ内部通路に設けられた弁孔と、を有するボディと、
前記弁孔の上流端側に設けられた弁座と、
前記弁座に着脱して弁部を開閉する弁体と、
コアとプランジャとを同軸状に有し、前記コアが前記ボディに対して固定され、前記プランジャには前記弁体に向けて延在する作動連結部が設けられたソレノイドと、
前記ボディと前記ソレノイドとに囲まれる空間を、前記弁部が配置される弁室と前記プランジャが配置される作動室とに仕切り、前記弁室と前記作動室との圧力差に応じて軸線方向に変位可能な圧力応動体と、
前記ボディに組み付けられ、前記ボディとの間に前記圧力応動体の周縁部を挟持する挟持部を有する支持部材と、
を備え、
前記圧力応動体は、高分子樹脂材料の射出成形により前記弁体と一体に形成されて、半径方向内側にて前記弁体と接続され、
前記支持部材は、前記挟持部よりも半径方向内側部分に前記圧力応動体を前記作動室側から当接するようにして支持する支持部を有し、それにより前記圧力応動体の有効受圧径がその支持部よりも半径方向内側に設定されるように構成され、
前記作動連結部が、前記弁体と前記圧力応動体との接続部よりも半径方向内側にて前記弁体に連結されていることを特徴とする電磁弁。
【請求項2】
前記圧力応動体は、軸線方向への変位を許容するための波状部を有するダイヤフラムからなり、その波状部の半径方向内側にて前記弁体と接続され、
前記支持部材は、前記ダイヤフラムにおける前記波状部よりも半径方向外側部分に前記支持部を有し、それにより前記ダイヤフラムの有効受圧径が前記波状部の位置に設定されるように構成され、
前記作動連結部が、前記波状部の内側に挿通され、その先端部にて前記弁体に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
【請求項3】
前記プランジャを閉弁方向に付勢する付勢部材を備え、
前記圧力応動体の有効受圧径が、前記弁体の前記弁部における有効受圧径よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁弁。
【請求項4】
前記弁体は、その前記弁座との対向面とは反対側面における前記作動連結部との接続部よりも半径方向外側部分に、前記導入ポートから導入された流体の圧力を閉弁方向に受圧する受圧面を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項5】
前記弁体は、その前記弁座との対向面とは反対側面における外周端よりも内側に前記作動連結部との接続部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項6】
前記ソレノイドは、前記ボディに対して固定された非磁性のスリーブを含み、
前記コアが前記スリーブに固定され、
前記プランジャが前記スリーブに収容されて摺動可能に支持され、
前記スリーブの一端部が前記支持部材として機能することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電磁弁。
【請求項7】
ウォータサーバに設置されて給水源と給水口とをつなぐ給水路を開閉するための開閉弁として構成され、
前記給水源からの水を前記導入ポートを介して導入し、開弁時には前記導出ポートを介して前記給水口へ向けて水を導出することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電磁弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電磁弁に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、事業所のみならず、一般家庭においてもウォータサーバが普及しつつある。ウォータサーバには、ミネラルウォータを封入したボトルが給水源として交換可能に装着される。ボトルから供給される水は、冷水タンクに貯留されて冷水状態に維持される。あるいは、温水タンクに貯留されて温水状態に維持される(例えば、特許文献1参照)。このようなウォータサーバには一般に、ユーザが水を受ける給水口と貯水タンクとをつなぐ給水路に電磁弁が設けられる。ユーザが給水スイッチを押すことによりその電磁弁が開かれ、貯水タンクの水が飲用水として供給される。
【0003】
このようなウォータサーバを継続的に使用した場合、温水タンク内は高温状態に保たれるため問題となり難いが、冷水タンク内は、外部から持ち込まれた雑菌等が繁殖する可能性がある。このため、冷水タンクと温水タンクとを連通する循環用通路を設け、その循環用通路を定期的に開放して両タンクの間で温水を循環させる、あるいは冷水タンク側に別途設置したヒータを定期的に作動させるなどして殺菌する手法がとられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−177207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した殺菌処理による効果を、ウォータサーバに設置された電磁弁内の通水路にまで十分に発揮させるのは難しい。すなわち、上記電磁弁には、ソレノイドの作動安定性を確保するためにプランジャの周辺に狭い空間が形成される。このため、上述のように殺菌処理にて温水を循環させても、その温水をソレノイド内部の隅々にまで行き渡らせるのは難しい。また、別途のヒータを作動させたとしても、ソレノイド内部の隅々にまで十分に熱伝達させるのは難しいといった問題があった。
【0006】
なお、このようなソレノイド内に飲料水が侵入することによる衛生上の問題は、ウォータサーバに限らず、他の飲料サーバにも生じうる。また、衛生面に限らず、ソレノイド内に流体が侵入することによる不具合の発生という観点では、飲料サーバ以外の装置に電磁弁を設置する場合も考慮するに値する。ただし、そうした問題への対処は、電磁弁としての機能を担保しつつ行う必要がある。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、電磁弁としての機能を担保しつつ、ソレノイド内への流体の侵入による不具合の発生を防止又は抑制可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、常閉型の電磁弁である。この電磁弁は、流体を導入するための導入ポートと、流体を導出するための導出ポートと、導入ポートと導出ポートとをつなぐ内部通路に設けられた弁孔と、を有するボディと、弁孔の上流端側に設けられた弁座と、弁座に着脱して弁部を開閉する弁体と、コアとプランジャとを同軸状に有し、コアがボディに対して固定され、プランジャには弁体に向けて延在する作動連結部が設けられたソレノイドと、ボディとソレノイドとに囲まれる空間を、弁部が配置される弁室とプランジャが配置される作動室とに仕切り、弁室と作動室との圧力差に応じて軸線方向に変位可能な圧力応動体と、ボディに組み付けられ、ボディとの間に圧力応動体の周縁部を挟持する挟持部を有する支持部材と、を備える。
【0009】
圧力応動体は、高分子樹脂材料の射出成形により前記弁体と一体に形成されて、半径方向内側にて弁体と接続され、支持部材は、挟持部よりも半径方向内側部分に圧力応動体を作動室側から当接するようにして支持する支持部を有し、それにより圧力応動体の有効受圧径がその支持部よりも半径方向内側に設定されるように構成され、作動連結部が、弁体と圧力応動体との接続部よりも半径方向内側にて弁体に連結されている。
【0010】
この態様によると、弁部が配置される弁室とプランジャが配置される作動室とが圧力応動体により仕切られているため、導入ポートから導入された流体がソレノイドの内部へ流入することが防止される。それにより、ソレノイド内への流体の侵入による不具合の発生が防止又は抑制される。また、圧力応動体の半径方向外側部分に支持部材を当接させて作動室側から支持するようにしたため、圧力応動体における有効受圧径を小さくし、弁室と作動室との圧力差によって変位する部分を小さくすることができる。それにより、圧力応動体が過大な差圧を受けて破損に到るような事態を回避できる。さらに、圧力応動体と弁体とが一体に設けられるところ、圧力応動体における有効受圧径を小さくできるため、弁体に作用する閉弁方向の力を相対的に大きくすることができる。それにより、閉弁時の圧力変動により弁部が開弁するような事態を回避でき、常閉弁としての機能を担保することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電磁弁としての機能を担保しつつ、ソレノイド内への流体の侵入による不具合の発生を防止又は抑制可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る電磁弁の全体構成を表す正面図である。
図2図1のA−A矢視断面図である。
図3図1のA部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る電磁弁の全体構成を表す正面図である。電磁弁1は、弁機構を有する弁本体2と、駆動部であるソレノイド4とを一体に組み付けて構成されている。電磁弁1は、図示しないウォータサーバ内に設置され、そのウォータサーバの貯水タンク(冷水タンクや温水タンク)と給水口とをつなぐ給水路を開閉する「開閉弁」として機能する。ユーザが図示しない給水スイッチを押すと、電磁弁1が通電されて開弁し、貯水タンク内の水(ミネラルウォータ)が給水口に供給される。ユーザは、その給水口の下方にコップ等を置くことにより冷水又は温水を得ることができる。電磁弁1は、非通電時に弁部を閉じた状態に保つ常閉弁である。なお、ウォータサーバの全体構成については、例えば上記特許文献1の構成を採用することができるため、その詳細な説明を省略する。
【0014】
弁本体2は、樹脂材を成形して得られたボディ5を有する。ボディ5は、段付円筒状の本体6と、本体6の側部に連設された導入管部8と、本体6の下方に連設された導出管部10とを有する。ボディ5は、本体6の上端開口部にソレノイド4が組み付けられることにより上方から封止されている。
【0015】
導入管部8は、本体6の軸線に対して直角方向に延在している。導出管部10は、本体6と同軸状に延在している。導入管部8の開口端部は、上流側にある図示しない貯水タンクから水を導入する導入ポート7として機能する。一方、導出管部10の開口端部は、下流側にある図示しない給水口へ向けて水を導出する導出ポート9として機能する。導入管部8の内方には、弁室18への異物の侵入を抑制するためのフィルタ部材11が配設されている。
【0016】
導出管部10の上端部には、本体6の内方に同心状に突出する円ボス部12が設けられている。円ボス部12の上端面は、導入管部8の軸線近傍に位置する。円ボス部12の内部に弁孔14が形成され、円ボス部12の上端面(弁孔14の上流端側)に弁座16が形成されている。
【0017】
ボディ5の上半部にはソレノイド4を取り付けるための取付孔17が設けられ、上方に開口している。取付孔17と弁孔14との間には弁室18が画成されている。取付孔17と弁室18とは、ダイヤフラム19により上下に仕切られている。
【0018】
ダイヤフラム19は、取付孔17の底部を覆うように配置され、ソレノイド4の後述するスリーブ28により周縁部を押さえられるようにして支持されている。ダイヤフラム19の半径方向外側半部は、スリーブ28の下端面により支持され、ソレノイド4の軸線に対して直角方向に延在している。ダイヤフラム19の中央部には、その軸線方向への変位を許容するための波状部23が設けられている。
【0019】
弁座16は、弁孔14の軸線に対して垂直となる円ボス部12の上面からなる。円ボス部12を取り囲む空間が、弁室18を形成する。弁室18は、上流側にて導入ポート7と連通し、下流側にて弁孔14を介して導出ポート9と連通する。すなわち、ボディ5には、導入ポート7、弁室18、弁孔14および導出ポート9をつなぐ内部通路20が形成される。この内部通路20は、貯水タンクと給水口とをつなぐ給水路を形成する。
【0020】
弁室18には弁体22が配設されている。弁体22は、弁座16に着脱して弁部24を開閉する。弁部24が開閉されることにより、貯水タンクと給水口とをつなぐ給水路が開放又は遮断される。弁体22は、弾性体(本実施形態ではゴム)からなり、ダイヤフラム19の中央に一体に設けられている。
【0021】
ボディ5の底面は、弁室18から導入ポート7に向けて重力方向下方に傾斜する傾斜面25となっている。本実施形態では、傾斜面25の傾斜角度を水平面に対して10度程度に設定しているが、これと異なる角度を設定してもよい。傾斜面25は、円ボス部12の周囲にも連続するように形成されているため、弁室18において導入管部8の反対側奥方ほど底面の位置が高くなっている。傾斜面25から隆起する円ボス部12の高さは、導入管部8側に向かうほど高くなっている。このため、導入管部8と図示しない上流側配管(外部配管)とが接続されている場合、両者の接続を解除すれば、弁室18の水を導入管部8の開口部に導くことができ、弁室18の水を確実に排出することが可能となる。
【0022】
一方、ソレノイド4は、ボディ5の上端開口部を封止するように取り付けられた段付円筒状のスリーブ28を備える。スリーブ28は非磁性であり、その内方に円柱状のプランジャ26が摺動可能に支持されている。スリーブ28の外周部には軸方向に沿って上コア30および下コア32が設けられ、さらにその径方向外側にはボビン34が設けられている。ボビン34には電磁コイル36が巻回されている。上コア30と下コア32とは軸方向に分離されている。そして、電磁コイル36を外部から覆うようにケース38が設けられている。これらケース38、下コア32、プランジャ26、および上コア30によりソレノイド4の磁気回路が形成される。
【0023】
スリーブ28は、その下端部が拡径されて取付孔17に挿通され、ケース38により上方から押さえられるようにしてボディ5に組み付けられている。弁体22は、プランジャ26の下端部に嵌合され、プランジャ26と一体的に動作する。スリーブ28の上半部とケース38とプランジャ26とに囲まれる空間により背圧室40が形成される。また、スリーブ28の下部とダイヤフラム19とプランジャ26とに囲まれる空間により作動室41が形成される。すなわち、ダイヤフラム19は、ボディ5とソレノイド4とに囲まれる空間を、弁室18と作動室41とに仕切る「隔膜」であり、弁室18と作動室41との圧力差に応じて軸線方向に変位可能な「圧力応動体」として機能する。作動室41と背圧室40とは、スリーブ28とプランジャ26との間隙を介して連通する。ケース38とプランジャ26との間には、プランジャ26を介して弁体22を閉弁方向に付勢するスプリング42(「付勢部材」に該当する)が介装されている。
【0024】
プランジャ26の下端部中央から下方に向けて長尺状の作動連結部48が延設されている。作動連結部48の下端部には、凹溝が環状に周設されることにより嵌合部44が形成されている。一方、弁体22の上面中央には、嵌合部44とほぼ相補形状の嵌合凹部46が形成されている。弁体22は、嵌合凹部46を嵌合部44に嵌着させることにより、プランジャ26と一体化されている。ただし、嵌合凹部46と嵌合部44とが遊嵌されているため、弁体22はプランジャ26に対して微少量傾動することができる。また、この傾動を容易にするために、嵌合部44の先端面(作動連結部48の下端面)が曲面(R形状)とされている。これにより、プランジャ26の軸線と弁孔14の軸線とが多少ずれたとしても、弁体22が弁座16にしっかりと着座することができる。すなわち、嵌合凹部46と嵌合部44との間の遊びが、弁部24の閉弁時に弁体22と弁孔14との軸線を自律的に合わせる(あるいは平行にする)自律調整構造として機能する。
【0025】
図2は、ダイヤフラム19の構成を表す図である。(A)は平面図であり、(B)は(A)のB−B矢視断面図であり、(C)は底面図である。図3は、図1のA部拡大図である。図2(A)〜(C)に示すように、ダイヤフラム19と弁体22とは、シリコーンゴムの射出成形により一体に形成されている。ダイヤフラム19は、平面視円形の薄膜状をなし、その中央部に平面視環状で断面視波状の波状部23が形成されている。
【0026】
図2(B)に示すように、ダイヤフラム19の外周縁に沿って厚肉部50が設けられている。厚肉部50と波状部23との間は、軸線に対して垂直な平坦面からなる薄膜部52となっている。また、ダイヤフラム19における波状部23の内側が下方に向けて円筒状に延出し、その円筒部54の先端が弁体22の上面中央部に連設されている。円筒部54は、嵌合凹部46の開口部を取り囲むように設けられている。図2(C)にも示すように、弁体22の下面には、その外周縁近傍において下方に突出するように環状の着脱部56が形成されている。弁体22は、この着脱部56にて弁座16に着脱し、弁部24を開閉する。
【0027】
図3に示すように、ダイヤフラム19における波状部23の基端部58は、スリーブ28の内周端縁に倣うR形状とされている。円筒部54の内方は、作動連結部48を受け入れる挿通部とされている。ダイヤフラム19は、その中央部がプランジャ26の軸線方向(弁部24の開閉方向)に変位することができ、波状部23の変形によりその中央部の変位が吸収される。ダイヤフラム19は、弁室18と作動室41との差圧に応じて軸線方向に変位する。
【0028】
本実施形態では図示のように、スリーブ28の下端面にて薄膜部52を支持するように構成されている。すなわち、スリーブ28は、「支持部材」として機能し、ボディ5との間にダイヤフラム19の周縁部を挟持する挟持部60と、その挟持部60よりも半径方向内側部分に平坦に形成された支持部62とを有する。その支持部62が、ダイヤフラム19における波状部23よりも半径方向外側部分を作動室41側から当接するようにして支持する。それにより、ダイヤフラム19における圧力感知範囲を示す有効受圧径Aが、波状部23に位置するように設定されている。
【0029】
一方、円筒部54の外径を弁体22の外径よりも小さくすることにより、弁部24の上流側圧力P1が弁体22に対して閉弁方向に作用するようにしている。すなわち、弁体22における弁座16との対向面とは反対側面に、弁体22と作動連結部48との接続部が設けられている。言い換えれば、弁体22は、弁座16との対向面とは反対側面における作動連結部48との接続部よりも半径方向外側部分に、上流側圧力P1を閉弁方向に受圧する受圧面64を有する。また、ダイヤフラム19の有効受圧径Aが、弁体22の弁部24における有効受圧径B(シール部径)よりも小さくされている(A<B)。閉弁時においては、弁部24の下流側圧力P2が作動室41の圧力とほぼ等しくなることから、弁体22において有効受圧径Bと有効受圧径Aとの差分に相当する面積に対し、上流側圧力P1と下流側圧力P2との差圧(P1−P2)が閉弁方向に作用するようになる。それにより、閉弁時における弁部24のシール性を向上させることができる。
【0030】
なお、このように弁体22に対して閉弁方向の圧力が作用する構成においては、開弁時に要するソレノイド力が大きくなることが懸念されるところ、スプリング42の荷重を比較的小さく抑えるなどして調整することにより、それを回避することができる。
【0031】
以上の構成において、ソレノイド4がオフにされた状態(非通電状態)では、弁部24が閉じて給水路を遮断する。すなわち、ソレノイド力が作用しないため、スプリング42によって弁体22が閉弁方向に付勢され、弁部24が閉弁状態となる。一方、ソレノイド4がオンにされた状態(通電状態)では、弁部24が開いて給水路を開放する。すなわち、ソレノイド力が作用するため、スプリング42の付勢力に抗して弁体22が開弁方向に駆動され、弁部24が開弁状態となる。すなわち、ユーザが図示しない給水スイッチを押すことにより、貯留タンクの水が給水口に供給されるようになる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、弁室18と作動室41とがダイヤフラム19により仕切られているため、導入ポート7から導入された流体がソレノイド4の内部へ流入することが防止される。それにより、ソレノイド4内部に雑菌が繁殖することが防止され、電磁弁1として衛生面を良好に保持することが可能となる。また、ダイヤフラム19の波状部23よりも半径方向外側部分にスリーブ28の支持部62を当接させて作動室41側から支持するようにしたため、ダイヤフラム19における有効受圧径Aを小さくし、弁室18と作動室41との圧力差によって変位する部分を小さくすることができる。すなわち、ダイヤフラム19が過大な差圧を受けて変位し、破損に到るような事態を回避することができる。その結果、ダイヤフラム19の耐久性を確保し、良好な衛生状態を長く維持することができる。
【0033】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【0034】
上記実施形態では、ダイヤフラム19と弁体22とを一体成形する構成を例示した。変形例においては、これらを別体にて作成の後、接着等により一体に組み付けてもよい。その場合、高分子樹脂材料からなる円形のフィルムに熱成形を施すことによりダイヤフラムを成形してもよい。その高分子樹脂材料としては、例えば、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を採用することができる。その場合、ダイヤフラムは、ゴムのような弾性を有しないが、中央部が波状部の変形により軸線方向にしなやかに変位することができる。
【0035】
上記実施形態では、「圧力応動体」として通常のダイヤフラムを採用したが、ダイヤフラムのなかでも変位ストロークが大きいベロフラムを採用してもよい。
【0036】
上記実施形態では、ダイヤフラム19の薄膜部52の内側に波状部23を設ける構成を示したが、ダイヤフラム19の軸線方向の変位ひいては弁体22のストロークを確保可能であれば、波状部23を省略してもよい。すなわち、薄膜部52の一部を支持部62よりも半径方向内側に延在させ、円筒部54に連設してもよい。
【0037】
上記実施形態では、電磁弁1をウォータサーバに適用する例を示したが、他の飲料サーバに適用してもよい。あるいは、飲料水以外の流体の流れを制御する他の装置に適用することもできる。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 電磁弁、 2 弁本体、 4 ソレノイド、 5 ボディ、 7 導入ポート、 9 導出ポート、 14 弁孔、 16 弁座、 18 弁室、 19 ダイヤフラム、 20 内部通路、 22 弁体、 23 波状部、 24 弁部、 26 プランジャ、 28 スリーブ、 30 上コア、 32 下コア、 41 作動室、 42 スプリング、 48 作動連結部、 60 挟持部、 62 支持部、 64 受圧面。
図1
図2
図3