特許第6377434号(P6377434)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6377434
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】理美容椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 1/06 20060101AFI20180813BHJP
【FI】
   A47C1/06
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-142227(P2014-142227)
(22)【出願日】2014年7月10日
(65)【公開番号】特開2016-16217(P2016-16217A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2017年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】508189946
【氏名又は名称】株式会社パイオニア椅子
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】松尾 英明
【審査官】 須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−275319(JP,A)
【文献】 特開平01−238808(JP,A)
【文献】 特開昭54−006653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C1/04−1/11
A47C7/50
A47C7/02−7/14
A47C3/18−3/40
A47C9/00
A61G13/00−15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前座部(2)と後座部(3)と背もたれ部(5)が取着された昇降ベース部材(70)と、該昇降ベース部材(70)を昇降させる主昇降手段(82)と、上記背もたれ部(5)及び上記昇降ベース部材(70)に対して上記前座部(2)を昇降させる前昇降手段(20)と、上記背もたれ部(5)及び上記昇降ベース部材(70)に対して上記後座部(3)を昇降させるための後昇降手段(30)と、を備えた理美容椅子に於て、
上記前座部(2)に垂設された前用ガイド棒(27)と、上記昇降ベース部材(70)に貫設され上記前用ガイド棒(27)が挿通する前用ガイド孔と、を有する前ガイド手段を備えると共に、上記後座部(3)に垂設された後用ガイド棒(37)と、上記昇降ベース部材(70)に貫設され上記後用ガイド棒(37)が挿通する後用ガイド孔と、を有する後用ガイド手段を備え、
上記前昇降手段(20)による上記前座部(2)の昇降に伴って昇降するようにステップ(6)を上記前座部(2)に取着したことを特徴とする理美容椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、理美容椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の理美容椅子は、座部と背もたれ部とを備えたイス本体を昇降させる主昇降手段と、低座高着席者のために背もたれ部に対して座部の一部を昇降させる副昇降手段と、を備えたものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平7−61295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背もたれ部に対して座部の一部を上昇させると、着席者の足が、ステップ(足踏み部)から離間し、特に、足腰の弱い老人等の身体弱者は、ステップが足から離れると、足がふらついて、バランスがとれず、姿勢が安定しないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、副昇降手段にて座部を上昇させた場合でも、着席者の足がふらつかず姿勢を安定させることが可能な理美容椅子の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の理美容椅子は、前座部と後座部と背もたれ部が取着された昇降ベース部材と、該昇降ベース部材を昇降させる主昇降手段と、上記背もたれ部及び上記昇降ベース部材に対して上記前座部を昇降させる前昇降手段と、上記背もたれ部及び上記昇降ベース部材に対して上記後座部を昇降させるための後昇降手段と、を備えた理美容椅子に於て、上記前座部に垂設された前用ガイド棒と、上記昇降ベース部材に貫設され上記前用ガイド棒が挿通する前用ガイド孔と、を有する前ガイド手段を備えると共に、上記後座部に垂設された後用ガイド棒と、上記昇降ベース部材に貫設され上記後用ガイド棒が挿通する後用ガイド孔と、を有する後用ガイド手段を備え、上記前昇降手段による上記前座部の昇降に伴って昇降するようにステップを上記前座部に取着したものである
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、背もたれ部に対して座部を上昇させても、ステップから足が離れず、足がふらつくのを防止して、安定した姿勢で上昇させることができる。足が宙ぶらりんとなって重力に引っ張られるような疲労感を軽減できる。足腰の弱い老人等の身体弱者であっても、長時間、ゆったりと、落ち着いて、楽に座り続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の理美容椅子の実施の一形態を示し、前座部及び後座部の基準状態の左側面図である。
図2】前座部及び後座部の基準状態の右側面図である。
図3】副昇降手段による前座部及び後座部の上昇状態の左側面図である。
図4】後昇降手段による後座部上昇状態の左側面図である。
図5参考例を示し、副昇降手段による座部上昇状態の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図示の実施形態に基づき本発明を詳説する。
本発明に係る理美容椅子は、図1及び図2に示すように、座部1と背もたれ部5とステップ6とを備えたイス本体7と、イス本体7を昇降自在に下方から支持する主昇降手段82と、背もたれ部5に対して座部1の全体又は一部を昇降させる副昇降手段50と、を備えている。
【0010】
座部1を、前座部2と後座部3に分割構造としている。
副昇降手段50を、前座部2を昇降させるための前昇降手段20と、後座部3を昇降させるための後昇降手段30と、に分割して設けている。
【0011】
前座部2は、座面を形成する前シート部(前クッション部)29と、前シート部29が上面側に固着する取付板28(以下、前用取付板28と呼ぶ場合もある)と、を備えている。
【0012】
そして、前用取付板28にステップ6を取着し、前昇降手段20による前座部2の昇降に伴ってステップ(足踏み部材)6が昇降(上下直線運動)するように設けている。
ステップ6は、前用取付板28の前部に垂下状に取着された前方下傾状の連結部61と、連結部61の下端部に接続され着席者の足が載置される足置部60と、を備えている。
【0013】
また、前座部2は、前用取付板28の後縁部の一部又は全部をもって、後座部3に下方から当接可能な下当り部28bを形成している。
【0014】
後座部3は、座面を形成する後シート部(後クッション部)39と、後シート部39が上面側に固着する取付板38(以下、後用取付板38と呼ぶ場合もある)と、を備えている。
後用取付板38の前縁部の一部又は全部をもって、前座部2の下当り部28bに上方から当接可能な上当り部38aを形成している。
【0015】
座部1の前後中間位置で、前座部2の下当り部28bと、後座部3の上当り部38aと、を平面的に見てラップさせて配設し、前座部2と後座部3を部分的に上下重ね自在(側面視で、上下積層状態と上下離間状態とに変更可能)としている。
【0016】
主昇降手段82は、油圧復動式のメインシリンダ82Aから成り、床面に設置される床面設置盤81にシリンダチューブ82bが取着されて立設され、イス本体7にロッド82aの上部が取着されている。
【0017】
前昇降手段20は、前座部2を上昇させるための油圧式の前用単動シリンダ21(以下、前シリンダ21と呼ぶ場合もある)と、前座部2を常時下方へ弾発付勢するコイルバネから成る前用引張バネ22(以下、前バネ22と呼ぶ場合もある)と、を備え、前座部2を上下直線運動にて昇降させる。
【0018】
後昇降手段30は、後座部3を上昇させるための油圧式の後用単動シリンダ31(以下、後シリンダ31と呼ぶ場合もある)と、後座部3を常時下方へ弾発付勢するコイルバネから成る後用引張バネ32(以下、後バネ32と呼ぶ場合もある)と、を備え、後座部3を上下直線運動にて昇降させる。
さらに、後バネ32の引張力は、前バネ22の引張力よりも強く設定している。
【0019】
ここで、イス本体7は、メインシリンダ82Aのロッド82aの上部が取着される板状の昇降ベース部材70を備えている。
昇降ベース部材70は、上面側に前座部2及び後座部3が配設され、後部に背もたれ部5が水平状軸心廻りに揺動自在に枢着されている。
【0020】
前シリンダ21のロッド21a(以下、前ロッド21aと呼ぶ場合もある)の上部は、前用取付板28に取着されている。
前シリンダ21のシリンダチューブ(以下、前チューブ21bと呼ぶ場合もある)の上部を、昇降ベース部材70に取着して、前シリンダ21を垂設している。
前バネ22は、上端部が前用取付板28に取着され、下端部が前シリンダ21のシリンダチューブ21b(以下、前チューブ21bと呼ぶ場合もある)の下端部から前方へ突出させた前方突出部21gに取着している。
【0021】
後シリンダ31のロッド31a(以下、後ロッド31aと呼ぶ場合もある)の上部は、後用取付板38に取着されている。
後シリンダ31のシリンダチューブ31b(以下、後チューブ31bと呼ぶ場合もある)の上部を、昇降ベース部材70に取着して、後シリンダ31を垂設している。
後バネ32は、上端部が後用取付板38に取着され、下端部が後シリンダ31のシリンダチューブ31b(以下、後チューブ31bと呼ぶ場合もある)の下端部から左右外方(左右一方側)へ突出させた側方突出部31gに取着している。
【0022】
そして、図示省略するが、平面的に見て、前シリンダ21と前バネ22とは、前用取付板28の前方に偏在させ、かつ、前シリンダ21よりも前バネ22を前方に配設している。
また、前シリンダ21と前バネ22とは左右方向位置を一致させている。
さらに、後シリンダ31と後バネ32とは、後用取付板38の左右一方に偏在させ、かつ、後シリンダ31よりも後バネ32を側外方(左右一方側)に配設している。
また、後シリンダ31と後バネ32とは前後方向位置を一致させている。
【0023】
また、前座部2を上下直線状に昇降させるための前用ガイド手段を備えている。
前用ガイド手段は、前用取付板28から垂設された丸棒状の左右一対の前用ガイド棒27,27と、昇降ベース部材70に貫設され前用ガイド棒27が(摺接しつつ)挿通可能な前用ガイド孔と、から成る。前用ガイド棒27は前用取付板28の前方に偏在させている。
【0024】
また、後座部3を上下直線状に昇降させるための後用ガイド手段を備えている。
後用ガイド手段は、後用取付板38から垂設された丸棒状の後用ガイド棒37と、昇降ベース部材70に貫設され後用ガイド棒37が(摺接しつつ)挿通可能な後用ガイド孔と、から成る。後用ガイド棒37は、後用取付板38の左右一方に偏在させている。
【0025】
また、図1及び図2に示すように、昇降ベース部材70の下面側には、油圧モータMと油圧用タンクTと油圧回路用の電磁弁Dと、図示省略の油圧用配管と、電気配線等を取着している。なお、図1図3乃至図5において電磁弁Dを図示省略している。
油圧モータMと油圧用タンクTと電磁弁Dとを、床面設置盤81内部に設ける場合に比べて、設置盤81をコンパクトにでき、散髪や毛染め等を行う美容師や理容師等の施術者の足下が広くなる。
【0026】
また、前シリンダ21と後シリンダ31は、同性能のものである(同規格のものであって、呼び圧力や、シリンダ内径、ロッド21a,31aへの負荷が同じ場合の伸長速度や押圧力、が同じである)。
また、図示省略するが、前シリンダ21及び後シリンダ31を作動させるための油圧回路は、前・後シリンダ21,31の両方に、作動油を供給する際、作動油の圧力や時間あたりの流量が同じになるように設けている。また、前シリンダ21のみに、或いは、後シリンダ31のみに、作動油を供給させて、伸長状態を保持することが可能なように設けている。
【0027】
次に、本発明の理美容椅子の使用方法(作用)について説明する。
図1に示すように、前座部2と後座部3が降下位置(低位置)にある基準状態で、座高の低い大人(低座高者)が着席すると背もたれ部5の上縁部5aよりも頭部が上方へ突出しない場合があるため、又は、ロングヘアの大人のカットや毛染め等の際に、背もたれ部5の上縁部5aよりも、着席者の頭部を、大きく突出させるために、副昇降手段50にて背もたれ部5に対して座部1の全体(前座部2及び後座部3の両方)を上昇させる。
【0028】
前シリンダ21及び後シリンダ31に作動油を供給して伸長させると、後バネ32の引張力が前バネ22の引張力よりも強く、着席者の荷重も後座部3へ大きく係るので、前シリンダ21に比べて後シリンダ32に係る負荷が大きく、前座部2よりも後座部3が速く上昇することは無くなる。また、前座部2の下当り部28bが、後座部3の上当り部38aに当接することで、前座部2が後座部3よりも早く上昇する(追い越す)のを防止する。したがって、前座部2と後座部3が一体状に(一緒)に上昇し、着席者は、前座部2と後座部3の両方の広い座面をもって安定して上昇する。しかも、着席者が居なくても後バネ32の引張力が前バネ22の引張力よりも強いため、前座部2と後座部3が一体状に上昇する。
【0029】
そして、副昇降手段50による座部1の上昇(前シリンダ21による前座部2の上昇)に伴って、ステップ6が上昇する。したがって、着席者は、足(足裏)がステップ6の上面から離間せず、安定して上昇すると共に、上昇後に足が宙ぶらりんとならず、安定した姿勢で着席できる。
つまり、足腰が弱くバランス感覚が衰えた老人等の身体弱者であっても、姿勢が安定し、頭部が揺れず、散髪等の施術が容易となる。また、足が宙ぶらりんとなって、重力に引っ張られるような疲労感を軽減でき、毛染めパーマ等時間の係る施術であっても、楽に長時間安定して座ることができる。
また、図3の前座部2及び後座部3の上昇状態から、降下させる場合も、ステップ6が座部1と共に降下するため、着席者は安定した姿勢で降下する。
【0030】
図3の前座部2及び後座部3の上昇状態から、降下させる場合は、前シリンダ21及び後シリンダ31内の作動油が油圧用タンクTに戻るように電磁弁Dを切り換える。
すると、後バネ32の引張力が前バネ22の引張力よりも強く、着席者の荷重も後座部3へ大きく係るので、前シリンダ21に比べて後シリンダ31に係る負荷が大きく、前座部2よりも後座部3が速く降下しようとするが、後座部3の上当り部38aが前座部2の下当り部28bに当接することで、後座部3が前座部2よりも早く降下するのを防止する。したがって、前座部2と後座部3が一体状に(一緒)に降下し、着席者は、前座部2と後座部3の両方の広い座面をもって安定して降下する。しかも、着席者が居なくても後バネ32の引張力が前バネ22の引張力よりも強いため、前座部2と後座部3が一体状に降下する。
このように、背もたれ部5の上縁部5aに対して、前座部2と後座部3の高さ位置を安定して変更でき、様々な座高や髪型の大人が着席するのに適した座部1の高さに変更できる。
【0031】
また、降下させる際に、前用取付板28の後部に後座部3からの下方への力が作用するため、前用取付板28が僅かに後方へおじぎするような後方下傾状になろうとするが、前バネ22を前シリンダ21よりも前方に設けて下方へ引っ張っているため、前用取付板28を水平状に保持でき、安定して、着席者を降下させることができる。つまり、前バネ22が無いと、前用取付板28が後方下傾状となって、前ロッド21aにこぜが生じてスムーズな降下ができなくなる虞れがある。
【0032】
また、後シリンダ31を左右一方側へ偏在させているため、昇降させる際に、後用取付板38が左右他方側下傾状になろうとするが、後バネ32を後シリンダ31よりも左右一方側へ設けて下方へ引っ張っているため、後用取付板38を水平状に保持でき、安定して、着席者を降下させることができる。
また、大型のメインシリンダ82Aを、イス本体7の前後左右の中心(重心)に寄せて配設できる。
また、前バネ22及び後バネ32の長さを、十分に長くかつバネ外径を大きくすることができ、十分な引張力を発揮すると共に、伸縮長の変化による引張り力のバラツキも軽減でき、安定かつスムーズな昇降を実現できる。
【0033】
そして、幼児や児童等の子供の場合は、基準状態(図1参照)から、後シリンダ31のみに作動油を供給して作用させる。図4に示すように、上当り部38aと下当り部28bとを離間させ(上下の重なりを解除し)後座部3のみを上昇させて、保持させる。前座部2は、子供用の足置きとなり、子供の足がふらつかず、姿勢が安定する。
図示省略するが、後座部3を所望の位置で停止させた後、前シリンダ21に作動油を供給して前座部2を上昇させて、前座部2を子供用のフットレストとして使用するも良い。
このように、後座部3を上昇させた後であれば、前座部2の昇降は自由に行える。
【0034】
次に、参考例について説明する。
座部1は、座面を形成するシート部99(クッション部)と、上面側にシート部99が取着する取付板98と、を備えている。つまり、図1乃至図4の実施形態のように、座部1を前座部2と後座部3とに分割していない。
そして、取付板98の前部に、ステップ6(の連結部61)を取着している。
【0035】
副昇降手段50は、背もたれ部5に対して座部1(の全体)を昇降させるものであって、取付板98にロッド91aが取着すると共に昇降ベース部材70にシリンダチューブ91bの上部が取着して垂設された油圧式の単動のシリンダ(サブシリンダ)91と、取付板(座部用取付板)98に上端部が取着されシリンダチューブ91bから突出した前方突出部21gに下端部が取着され座部1を常時下方へ弾発付勢する引張バネ92から成る。他の構成は、図1乃至図4の実施形態と同様である。
【0036】
背もたれ部5に対して座部1を昇降させると、ステップ6は座部1と常に一体に昇降する。したがって、副昇降手段50にて座部1を上昇させても、着席者の足がステップ6から離れず、足がふらつくのを防止して、安定した姿勢で、長時間、ゆったりと、落ち着いて着席できる。
【0037】
なお、本発明は、設計変更可能であって、前昇降手段20や後昇降手段30を、複動式の油圧シリンダ等のアクチュエータとするも良い。また、図5の副昇降手段50を複動式の油圧シリンダ等のアクチュエータとするも良い。油圧モータMと油圧用タンクTと電磁弁Dとを、床面設置盤81内部に設けても良い。
【0038】
以上のように、本発明の理美容椅子は、座部1と背もたれ部5とを備えたイス本体7を昇降させる主昇降手段82と、背もたれ部5に対して座部1の全体又は一部を昇降させる副昇降手段50と、を備えた理美容椅子に於て、副昇降手段50による座部1の昇降に伴って昇降するようにステップ6を座部1に取着したので、背もたれ部5に対して座部1を上昇させても、ステップ6から足が離れず、足がふらつくのを防止して、安定した姿勢で上昇させることができる。足が宙ぶらりんとなって重力に引っ張られるような疲労感を軽減できる。足腰の弱い老人等の身体弱者であっても、長時間、ゆったりと、落ち着いて、楽に座り続けることができる。
【0039】
また、座部1を、前座部2と後座部3に分割構造とし、副昇降手段50を、前座部2を昇降させるための前昇降手段20と、後座部3を昇降させるための後昇降手段30と、に分割して設け、上記前昇降手段20による前座部2の昇降に伴って昇降するようにステップ6を前座部2に取着したので、座高の低い大人の着席者が確実に足をステップ6に載置でき、安定した姿勢で、長時間、楽に座り続けることができる。様々な体格の着席者に合わせて座部1の高さを変更でき、散髪や毛染め等の施術を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0040】
1 座部
2 前座部
3 後座部
5 背もたれ部
6 ステップ
7 イス本体
20 前昇降手段
27 前用ガイド棒
30 後昇降手段
37 後用ガイド棒
50 副昇降手段
70 昇降ベース部材
82 主昇降手段
図1
図2
図3
図4
図5