(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を説明するにおいて関連する公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要にすることができると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0015】
また、本発明の実施形態を具体的に説明するにおいて、基本的な3GPP(Third Generation Partnership Project)LTEシステムを主な対象とするが、本発明の実施形態は類似の技術的背景及びシステム形態を有するその他の通信/コンピューターシステムにも本発明の範囲を大きく逸脱しない範囲で適用可能であり、これは本発明の技術分野で熟練された技術的知識を有する者の判断で可能であろう。特に、本発明で輻輳状態と言うことは、アクセス網で送信中のトラフィックの状態とアクセス網で使用可能な有効リソース(最大送信率)の状態をいずれも含む概念で用いられる。すなわち、本発明の実施形態において、アクセス網が輻輳するという意味は送信するトラフィックの量が多いとか、有効リソースの量が少ない状態のいずれにも対応されることができる。逆に、本発明の実施形態においてアクセス網の輻輳度が低いという意味は送信するトラフィックの量が少ないとか、有効リソースの量が豊かでユーザ端末が高い送信率を得ることができる全て状態に対応されることができる。又は、輻輳状態は一つのアクセス網のオフローディング選好度(すなわち、自分の輻輳状態により自分が用いている端末を他のアクセス網へオフローディングさせようとする程度)の形態に表現されることもできる。
【0016】
以下、後述される本発明はLTE(Long Term Evolution)のような無線通信システムにおいて、Non−3GPP AN(Access Network)を用いてユーザにデータを送信することができる無線リソースを追加確保して網の性能及びユーザ体感サービス品質を高めることができる方法に関する。ユーザがLTEのような3GPP ANとNon−3GPP ANを用いることは、端末に予め設定されたり、ANDSFのようなポリシーサーバーから提供されたポリシー(Policy)により成る。現在ポリシーは動的に設定され難い特性を有し、早く変化することができる信号の強度や各ANの輻輳状況によりユーザ端末がANを動的に選択して用いることに適合しない。本発明ではこのような問題を解決するためにポリシーをANとユーザの状況により動的に更新して適用することができる方案、及びポリシーを適用するか否かをユーザ及びANの状況により決定するようにする2つの方案を提案する。
以下、図面を参考して本発明の実施形態に対して具体的に説明する。
【0017】
図1は、移動通信システムで異種アクセス網を用いる例を示す図面である。
図1を参照すると、図示したようにLTE移動通信システムの無線アクセスネットワークは次世代基地局(Evolved Node B、EUTRAN、以下、ENB又はNode Bと称する)とMME(Mobility Management Entity)及びS−GW(Serving − Gateway)から構成される。ユーザ端末(User Equipment、以下、UEと称する)100は、ENB及びS−GW120、及びP−GW(PDN− Gateway)130を通じて外部ネットワークに接続する。
【0018】
eNBは、UMTSシステムの既存ノードBに対応される。eNBはUE100と無線チャンネルと接続され既存ノードBより複雑な役目を行う。
図1においてeNBは3GPP Access110ブロックのうちに含まれたことで仮定した。
【0019】
LTEではインターネットプロトコルを通じるVoIP(Voice over IP)のようなリアルタイムサービスを含む全てのユーザトラフィックが共用チャンネル(shared channel)を介してサービスされるので、UEの状況情報を聚合してスケジューリングをする装置が必要であり、これをeNBが担当する。
S−GW120は、データベアラーを提供する装置であり、MMEの制御に応じてデータベアラーを生成したり除去する。
MMEは、各種制御機能を担当する装置として、一つのMMEは多数の基地局と接続されることができる。
PCRF140は、QoS及び課金に係るポリシー(policy)を制御する装置である。
【0020】
図面に示したように、移動通信システムはLTEのような3GPPアクセス網(又は、第1無線ネットワーク、以下、混用して使用)だけでなくWiFi、WiMAX、CDMA2000のようなNon−3GPPアクセス網150(又は、第2無線ネットワーク、以下、混用して使用)を用いて接続することもできる。
【0021】
ユーザは、Non−3GPP AN150を通じてPGW130に接続してデータを送受信することができるのに、この場合には保安(security)やQoSマッピングなどのために別途のePDG150というノードを用いることもでき、このような場合、Non−3GPP ANはUntrusted Non−3GPP ANと称する。前記ePDG150は、保安上の問題があるUntrustアクセス網をTrustするように、端末とePDGの間に認証をしてトンネルを生成する。そしてこれを通じてTrustするようになった端末はePDGを経てP−GW130と接続される。
【0022】
一方、端末が移動通信システムに接続してデータを送受信するために3GPP ANとNon−3GPP ANを使用可能な場合には、AN選択のための基準がなければならないのに、このため基準をアクセスネットワーク選択ポリシー(以下、ポリシー又はPolicyと称する)と称し、ポリシーは端末に予め設定されていることもでき、ANDSF(Access Network Discovery Service Function)のような別途のサーバーから端末に提供されることもある。前記ANDSFは、異機種の間のハンドオーバーに関する技術を提供するためのエンティティーである。前記ANDSFはそれぞれの網に対する情報と事業者のポリシー情報を予め収集して記憶してから、端末からリクエストがあると、収集された情報を端末に提供する。
【0023】
本発明の実施形態であるアクセス網(AN)の信号強度及び輻輳状態を考慮してユーザ端末に最も適合のアクセス網を選択して用いる方法を提供するための前提で、ユーザがユーザトラフィックが任意のANに送信されることを許容するか否かを設定する方法に対して記述する。例えば、LTEサービス提供を期待して移動通信社に加入したユーザに、何らの通知も無しにトラフィックオフローディングのためにユーザトラフィックをWiFiに転換することは不当である。これにより、ユーザがトラフィックオフローディングに係るポリシーを適用するか否かに対してユーザの同意を予め得る必要がある。
ユーザがトラフィックオフローディングに係るポリシーを適用するかを設定するための方法を
図2乃至
図3に示す。
【0024】
図2は、ユーザがトラフィックオフローディング関連ポリシーを適用するか否かを設定する第1実施形態を示す図面である。
ユーザがトラフィックオフローディングに係るポリシーを適用するか否かを設定するための第1方法は、
図2に示したようにユーザが事業者のサービスに加入するとき、トラフィックオフローディングに係るポリシーの適用を可能とするか否かを加入情報/契約情報に記入し、これによる決定事項を加入情報DB(例えば、HSS、HLR、又はAAA)に記憶することである。
【0025】
ユーザによるポリシーの適用を可能とするか否かは
図2に示したように加入情報DBにユーザオフローディング関連加入情報として記憶されることができる。前記ユーザオフローディング関連加入情報はユーザ加入情報がコアネットワークや各アクセス網、又はポリシーコントローラー/ポリシーサーバー(policy controller/server)に提供されるとき、S210段階のように含まれて伝達することができる。
【0026】
ユーザオフローディング関連加入情報は、ユーザがオフローディング自体を許容するのか否かを示すフラッグ、及び各ANタイプ別にオフローディングが許容されるのか、若しくは禁止されたのかを示すフィールドを含むことができる。
【0027】
前記ユーザオフローディング関連加入情報を受信したエンティティーは、ポリシーを生成したり更新するとき、これに基づいて候補ANを構成することができ、若しくは端末に対するトラフィックオフローディングを許容するか否かを決定するときも用いることができる。
【0028】
図3は、ユーザがトラフィックオフローディング関連ポリシーを適用するか否かを設定する第2実施形態を示す図面である。
ユーザがトラフィックオフローディングに係るポリシーを適用するかを設定するための第2方法は
図3に示したように、ユーザが端末を用いてユーザオフローディング関連加入情報を構成した後、S310段階でユーザ端末からコアネットワークエンティティーやアクセス網、ポリシーコントローラー/ポリシーサーバーに提供することである。
図3を参考すると、伝達する主体のみ相違するだけ、受信する装置の動作は
図2と同様である。
【0029】
以下、本発明の主要提案方案として、ユーザ端末又はアクセス網の状態によりアクセス網を選択的に用いる実施形態に対して記述する。これに関して、本発明では第1実施形態及び第2実施形態に区分して記述する。
【0030】
第1実施形態は、ポリシーコントローラーが収集したアクセス網に対する情報をポリシーサーバーに伝達し、ポリシーサーバーは端末のアクセス網の接続優先順位に対するポリシーを更新して各端末に伝達する過程に対して記述する。
【0031】
一方、第2実施形態ではポリシーサーバーが端末にアクセス網を選択的に接続するための基準情報のみを伝達し、端末は前記基準情報と現在測定されたアクセス網の無線状態を比べてアクセス網の接続優先順位を決定する過程に対して記述する。
【0032】
<第1実施形態>
以下、実施形態はポリシーコントローラーが収集したアクセスネットワークに対する情報をポリシーサーバーに伝達し、ポリシーサーバーは端末のアクセス網の接続優先順位に対するポリシーを更新して各端末に伝達する第1実施形態に対して記述する。
【0033】
図4は、本発明の第1実施形態による無線通信ネットワークの構造及び各ネットワークエンティティーの間の情報交換、自体動作を示す図面である。
より具体的に、アクセス網は自分の状態情報をポリシーコントローラー(例えば、PCRF)410に報告する。アクセス網には第1無線ネットワークであるE−UTRAN/GERAN/UTRAN430、及び第2無線ネットワークであるNon−3GPPアクセス網、WiFi(WLAN)420、WiMAX、CDMA2000などが含まれることができる。アクセス網の状態にはアクセス網の輻輳可否又は輻輳度が含まれる。
【0034】
ポリシーコントローラー410は、収集したアクセス網の別に状態情報及びユーザが送信中のトラフィックの特性によってユーザが送信するトラフィックに対するアクセス網の優先順位変更を試みることができる。
【0035】
ポリシーコントローラー410は、このような制御情報をポリシーサーバー(例えば、ANDSF)440に伝達する。例えば、若し、ユーザが接続中のE−UTRANが輻輳してユーザ辺りのWLANが輻輳しなければ、ポリシーコントローラー410はポリシーサーバー440にユーザに対してE−UTRANに比べてWLANの接続優先順位を高めることを指示することができる。
【0036】
ポリシーサーバー440は、端末に伝達するポリシーを該過程でポリシーコントローラー410から獲得した制御情報により更新して端末450に伝達する。端末450は更新されたポリシーによってトラフィックを送信するアクセス網を選択する。
【0037】
例えば、説明のため、最初に端末450の接続優先順位がE−UTRANが1番に、WiFiが2番に設定されたと仮定する。そして時間が経過することによって、ポリシーコントローラー410が収集したアクセス網の別に状態情報によればE−UTRANに対する輻輳度がさらに増加したと仮定する。すると、ポリシーコントローラー410は前記収集したアクセス網の別に状態情報をポリシーサーバー440に伝達し、ポリシーサーバー440は当該端末に対するWiFi接続優先順位がE−UTRANより高く設定されるようにポリシーを更新する。そしてポリシーサーバー440は、前記更新されたポリシーを端末450に伝達する。すると、端末450は新規更新されたポリシーによってWiFiを通じてトラフィックを送信するようになる。
以下ではNon 3GPP ANが自分の状態をポリシーコントローラー410に伝達する方法に対して具体的に記述する。
【0038】
若し、Non−3GPP ANがTrusted non−3GPP AN(信頼されたNon−3GPP AN)であり、ポリシーコントローラー410と接続を持っていたら、Non−3GPP ANは自分の状態をポリシーコントローラー410に直接通知することができる。Trusted Non−3GPP ANはゲートウェー制御セッション形成手続き(Gateway Control Session Establishment procedure)又はゲートウェー制御及びQoS規則提供手続き(Gateway control and QoS rules provision procedure)過程のうちに自分の状態(ANタイプ、AN ID、輻輳可否、輻輳程度含み)をポリシーコントローラー410に通知することができる。
【0039】
ANタイプは、アクセス網の形態を示すことで、3GPP(UTRAN/GERAN/E−UTRAN)、WLAN、WiMAX、又は3GPP2となることができる。AN IDはANを区別することができる識別子、例えば、アクセス網が3GPPの場合、PLMN、TAC、LAC、Cell ID、WLANの場合、SSID、BSSID、HESSID、WiMAXの場合、BS_ID、NAP−ID、3GPP2の場合、SID、NID、Base_IDのうちのいずれか1つとなることができる。輻輳可否は1ビットで輻輳可否をyes又はnoと通知することであり、輻輳程度は全体リソースのうちでどのぐらいのリソースが用いられるどうかを示す一般化因子(normalized factor)で表現されることができる。
【0040】
若し、Non−3GPP ANがポリシーコントローラー410と特定機能エンティティー(functional entity)(例えば、BBERF)を通じて接続する場合、Non−3GPP ANは自分の状態(AN タイプ、AN ID、輻輳可否、輻輳程度含み)をBBERFに伝達し、BBERFがこれをさらにポリシーコントローラー410に伝達する方式で作動することができる。
【0041】
若し、Non−3GPP ANが信頼されないNon−3GPP AN(UnTrusted Non−3GPP AN)の場合、ANは事業者網のゲートウェー(例えば、ePDG)を通じて事業者網に存在するポリシーコントローラー410と通信するようになる。UnTrusted Non−3GPP ANはePDGに自分の状態(ANタイプ、AN ID、輻輳可否、輻輳程度含み)を伝達し、ePDGはこれをポリシーコントローラー410にさらに伝達する。
【0042】
Non−3GPP ANの状態(ANタイプ、AN ID、輻輳可否、輻輳程度含み)はP−GWを通じてポリシーコントローラー410に通知することができる。この過程は、ユーザ端末とネットワークが用いるMobile IPプロトコル(DSMIPv6、PMIP、又はGTP)によって動作が変わることができる。
【0043】
若し、DSMIPv6が用いられる場合、端末はNon−3GPP ANの輻輳程度を測定する(端末がANの輻輳可否/程度を把握することは後述する)。端末は自分が把握したNon−3GPP ANの状態(AN タイプ、AN ID、輻輳可否、輻輳程度含み)をP−GWに送信するメッセージ(例えば、Binding Update)を介して送信する。P−GWはAN別に状態を把握し、変化がある場合、ポリシーコントローラー410に送信するメッセージ(IP−CAN session establishment/modification 過程)を介して送信する。
【0044】
若し、PMIPやGTPが用いられる場合は、信頼したNon−3GPP ANの場合はANがP−GWに送信するプロキシバインディングアップデート(proxy binding update)メッセージにANの状態(ANタイプ、AN ID、輻輳可否、輻輳程度含み)を介して送信する。信頼されないNon−3GPP ANの場合は、ANが報告した状態を用いてePDGはP−GWに送信するプロキシバインディングアップデート(proxy binding update)にANの状態(ANタイプ、AN ID、輻輳可否、輻輳程度含み)を含ませて送信する。
【0045】
P−GWは、AN別に状態を把握し、変化がある場合、ポリシーコントローラー410に送信するメッセージ(IP−CAN session establishment/modification過程)にANの状態(WLAN AN ID 、SSID、HESSID、ESSIDなど、輻輳可否、輻輳程度含み)を介して送信する。この過程はGTPを用いる場合もプロキシバインディングアップデート(proxy binding update)をGTPメッセージ(セッション生成リクエスト(create session request)、ベアラー修正リクエスト(modify bearer request) など)で取り替えてそのまま用いられることができる。
【0046】
一方、Non 3GPP ANが自分の状態をポリシーコントローラー410に直接報告する代りに、端末が自分がモニタリングしたANの状態が分かっている場合、これをポリシーサーバー440に直接報告することができる。端末はANDSFに送信するアクセスネットワーク情報リクエストメッセージ(Access Network Info Request)に自分が収集したANの状態(ANタイプ、AN ID、輻輳可否、輻輳程度含み)を含んで送信する。ポリシーサーバー440は端末から受信したANの状態を記憶し、自分がポリシーを生成/更新するときに用いることができる。若しくは、ポリシーサーバー440は前記ANの状態をポリシーコントローラー410に伝達することもできる。
【0047】
次に、ポリシーコントローラー(例えば、RCRF)410とポリシーサーバー(例えば、ANDSF)440が相互間の情報を交換する方法に対して記述する。前記情報交換により、より正確なAN選択を制御ができる。
【0048】
若し、ポリシーコントローラー410がANの状態情報が分かっている場合、ポリシーコントローラー410はこれをポリシーサーバー440に通知し、前記ポリシーサーバー440がポリシーを生成及び/又は更新するときに役に立つことができる。このために、ポリシーコントローラー410はポリシーサーバー440に送信するメッセージ(例えば、ポリシーアップデートリクエストメッセージ)に以下のような情報を含ませることができる。
【0049】
アクセスネットワーク情報(Access Network Information)(AN タイプ、AN ID、輻輳可否、輻輳程度などを含むことができる)
【0050】
ポリシーサーバー440は、ポリシーコントローラー410から前記アクセスネットワーク情報を受信すると、当該情報によりANに対する情報テーブルをアップデートする。そしてポリシーサーバー440は必要な場合、端末450に伝達するポリシーを生成及び/又は更新して前記端末450に送信する。
【0051】
一方、前記アクセスネットワーク情報メッセージはポリシーサーバー440からポリシーコントローラー410に伝達することもできる。若し、ポリシーコントローラー410が該情報をポリシーサーバー440から受信すれば、ポリシーコントローラー410はポリシーサーバー440に特定ポリシーを生成及び/又は更新の命令したり、新しく考慮しなければならない要素を通知することができる。
【0052】
また、ポリシーコントローラー410はポリシーサーバー440が各ユーザに対するポリシーを生成するとき、考慮しなければならない要素を
図5に示したように通知することができる。
【0053】
図5は、ポリシーコントローラー410がポリシーサーバー440に伝達することができるポリシー制御情報に対する例示を示す図面である。
ポリシーコントローラー410は、
図5に示されるポリシー制御情報をポリシーサーバー440に伝達することができ、ポリシーサーバー440は受信したポリシー制御情報に基づいて端末に対するポリシーを生成又は更新する。
図5に示されるポリシー制御情報は多数のアクセスネットワークに対する状態情報を含むことを特徴とする。
図5において、“多数”という用語はツリーで当該情報が一つ以上に存在することができるという意味である。
【0054】
端末IDは、ポリシーの対象となるユーザ端末を指称するIDであり、IMSI、NAI、MSISDN、又はIPアドレスなどが用いられることができる。アクセスネットワーク(Access network)は、当該ポリシーを用いて選択可能なANを示すフィールドであり、ANタイプ、AN IDだけでなく多数のアクセス優先順位(access priority)を持つことができる。
【0055】
アクセス優先順位は、当該優先順位が適用されることができる条件である有効条件(validity condition)を有し、ここには輻輳可否、輻輳レベル、又は信号強度が含まれることができる。当該優先順位は有効条件に含まれた条件が全て満足されるときにだけ適用される。
【0056】
例えば、特定トラフィックフロー(flow)に対してポリシーが対象アクセスネットワークとして(WLAN、priority=i、congestion =no)、(WLAN、priority=3、congestion=yes)、(E−UTRAN、priority=2、congestion=no)を有すると、ANの優先順位と条件によりWLANが輻輳しないときは当該トラフィックをWLANに、輻輳する時にはE−UTRANに送信すべきである。
【0057】
ポリシーサーバー440は、
図5に示されたポリシー制御情報をポリシーコントローラー410から受信すると、端末に対するポリシーを生成及び/又は更新するときの前記ポリシー制御情報を考慮する。若し、該情報が端末別に送信されると、ポリシーサーバー440は該情報を端末に対するポリシーを生成及び/又は更新するときに考慮し、若し端末別に送信されない場合(例えば、端末ID含まない)に全ての端末に対して適用されることができる。
【0058】
また、他の実施形態として、ポリシーコントローラー410はポリシーサーバー440が端末450に送信するISRP、ISMP、Non−seamless offloading情報(ANDSF MOの各フィールドに入る情報)を上述した追加情報及び条件を追加して作ってポリシーサーバー440に伝達することができる。
【0059】
以下では、ポリシーコントローラー410及びコアネットワークが、端末に対するポリシーを送信しなければならないポリシーサーバー440が何なのか識別する方法に対して後述する。ある事業者は多数のポリシーサーバー440を備え、端末が接続したポリシーサーバー440はそのうちの一つであるので、ポリシーコントローラー410は任意の端末に対するアクセスネットワーク情報を伝達するポリシーサーバー440を特定する必要がある。
ポリシーサーバー440を特定するための第1方法はクエリー(query)に基づく方法である。
【0060】
若し、端末がポリシーサーバー440にある情報を報告したり、又は前記ポリシーサーバー440からポリシーや情報を受信しなければならない場合、登録(Registration)過程を経るようになる。このために、端末は自分が接続するポリシーサーバー440の住所を獲得しなければならないのに、このとき、端末はポリシーサーバー440を獲得するための質疑(例えば、DNS query)を行うとき、自分が登録された位置(TA、RA、LA、SSID、BSSID、HESSID、ESSID、又は地理的位置−緯/経度)を含ませる。前記端末に対するポリシーサーバー440の住所を決定する機能エンティティー(例えば、DNS)は前記端末が挿入した情報に基づいて端末の位置によってポリシーサーバー440を決定し、前記決定したポリシーサーバー440の住所を端末に通知する。端末は前記住所を用いてポリシーサーバー440に接続する。
【0061】
以後、ポリシーコントローラー410が端末に対するポリシーアップデートリクエストのために前記端末に接続されたポリシーサーバー440を望むと仮定する。この場合、ポリシーコントローラー410も同様に端末の現在位置(TA、RA、LA、SSID、BSSID、HESSID、ESSID、又は地理的位置)に基づいてDNSクエリーを行う。同一位置情報でクエリー(query)を行ったので、ポリシーコントローラー410は端末と同一ポリシーサーバー440住所を獲得することができ、これによってポリシーコントローラー410はユーザが現在接続中のポリシーサーバー440と通信することができる。
【0062】
ポリシーサーバー440を特定するための第2方案は、IDハッシュ関数(ID hash function)を用いることである。端末は自分が接続するポリシーサーバー440の住所が分からなければならないのに、このとき、端末はポリシーサーバー440が分かるための質疑(例えば、DNS query)を行うとき、自分のID(IMSI、MSISDN、NAI、又はIP address)を含ませる。ポリシーサーバー440の住所を決定する機能エンティティー(functional entity)は端末が挿入した情報を用いて端末のIDによってポリシーサーバー440を選択して住所を通知する。端末はこの住所を用いてポリシーサーバー440に接続する。
【0063】
ポリシーコントローラー410が端末に対するポリシーアップデートリクエストのためにポリシーサーバー440を望む場合、ポリシーコントローラー410も同様に端末ユーザのID(IMSI、MSISDN、NAI又はIP address)に基づいてクエリーをする。同一ID情報でクエリーをしたので、ポリシーコントローラー410は端末と同一ポリシーサーバー440住所を受けることができる。これにより、ポリシーコントローラー410は端末が現在接続中のポリシーサーバー440と通信することができるようになる。
【0064】
ポリシーサーバー440を特定するための第3方案として、端末がポリシーサーバー440に接続するとき、端末は自分のIDだけでなくPLMN ID、及び3GPPシステム内で割り当てられたID(GUTI、P−TMSIなど)を含ませるという点に注目することができる。ポリシーサーバー440は、これに基づいてユーザが現在接続中の事業者だけではなく、あるコアネットワークに接続されているかどうかを分かる。これに基づいてポリシーサーバー440はDNSクエリーを行ってあるポリシーコントローラー410と接続しなければならないかを分かることができる。ポリシーサーバー440は端末ID、自分の住所及び自分が持っている情報を含んでポリシーコントローラー410にポリシー制御のためのセッション生成をリクエストする。ポリシーコントローラー410は、これを受信すれば当該端末に対するエントリー(entry)を生成し、若し、当該端末、AN、又は端末のポリシーに係る情報があれば、これらを挿入してポリシーサーバー440に応答する。これを受信すればポリシーサーバー440とポリシーコントローラー410の間に端末のポリシーを制御するためのセッション生成が完了し、端末別にポリシー制御情報(前述と同様)は前記形成されたセッションを通じて伝達する。
【0065】
若し、端末が移動をしてポリシーサーバー440が変更された場合、新しいポリシーサーバー440はポリシーコントローラー410と前記過程を繰り返して新しいセッションを生成する。ポリシーコントローラー410は、さらに既存ポリシーサーバー410にセッション削除リクエスト(session delete request)(端末ID含み)を生成して送信して以前に生成されたセッションを整理する。
【0066】
図6は、本発明の第1実施形態によるトラフィックオフローディング過程を示すフローチャートである。
先ず、ポリシーコントローラー410はS610段階を通じてアクセスネットワーク情報を収集することができる。前記アクセスネットワーク情報は各アクセスネットワークに対するANタイプ、AN ID、輻輳可否、輻輳程度などの情報を含むことができる。
【0067】
そして、ポリシーコントローラー410はS620段階で、端末に対するポリシーがアップデートにされなければならないか否かを判断することができる。この場合、ポリシーコントローラー410はアクセスネットワークの信号強度又は輻輳状態のうちで少なくとも一つを考慮して前記ポリシーのアップデートが必要であるか否かを判断することができる。また、本発明の他の実施形態によれば、ポリシーコントローラー410は、端末がトラフィックを現在送信しているアクセスネットワークが輻輳状態に進入した場合などを端末ポリシーアップデートが必要な時点と判断することもできる。
【0068】
端末に対するポリシーアップデート必要のとき、ポリシーコントローラー410はS630段階で、ポリシーアップデートリクエストメッセージをポリシーサーバー440に送信することができる。この場合、ポリシーコントローラー410は前記3つ方法を通じてポリシーアップデートリクエストメッセージを送信するポリシーサーバー440を確認することができる。そして前記ポリシーアップデートリクエストメッセージは端末ID、アクセスネットワーク情報、アップデートされたポリシーを含むことができる。
端末IDはポリシーアップデートが必要な端末に対する識別情報である。
【0069】
アクセスネットワーク情報は、S610段階を通じて各アクセスネットワークから獲得したアクセスネットワークの状態情報を含むことができる。本発明の他の実施形態によれば、ポリシーコントローラー410は前記アクセスネットワーク情報の外に、
図5に示されたポリシー制御情報を追加的に前記ポリシーサーバー440に伝達することができる。
【0070】
アップデートされたポリシーはアクセスネットワーク状態情報を反映してアクセス優先順位がアップデートされたポリシーである。前記アップデートされたポリシーは、
図6に示されたように、ポリシーコントローラー410によって生成されてポリシーサーバー440に伝達することができる。一方、本発明の他の実施形態によれば、ポリシーコントローラー410がアクセスネットワーク情報をポリシーサーバー440に伝達すると、ポリシーサーバー440がアクセスネットワーク状態情報を反映して端末のアクセス優先順位をアップデート(図示せず)することもできることに留意すべきである。
次に、ポリシーサーバー440はS640段階でアップデートされたポリシーを端末450伝達する。
すると、端末450はアップデートされたポリシーによってトラフィックを送信するアクセスネットワークを再選択する。
【0071】
図7は、本発明の第1実施形態によるポリシーコントローラー410の内部構造を示すブロック図である。
図7に示されたように、ポリシーコントローラー410はインターフェース部710、記憶部720、制御部730を含むことができる。
インターフェース部710は、無線通信ネットワークを構成する各エンティティー及び端末と有線又は無線インターフェースを通じて信号を送受信する。
【0072】
特に、インターフェース部710は、少なくとも一つのアクセスネットワークからアクセスネットワークの状態情報を獲得することができる。この場合、前記状態情報はアクセスネットワークタイプ、アクセスネットワーク識別子、輻輳可否又は輻輳程度のうちで少なくとも一つを含むことができる。
記憶部720は、ポリシーコントローラー410の動作に必要な各種プログラムを記憶することができる。
【0073】
制御部730は、ポリシーコントローラー410が端末のポリシーを制御するために各ブロック間の流れを制御する。特に、本発明の実施形態による制御部730は、アクセスネットワークの状態情報を考慮して端末のアクセスネットワーク選択に係るポリシーを変更させる必要があるのか判断する。必要であれば、前記制御部730はポリシー変更に必要な情報を含むポリシーアップデートリクエストをポリシーサーバーに送信するように制御する。
【0074】
本発明の実施形態によれば、制御部730は特に、AN情報獲得部731とポリシーサーバー決定部732をさらに含むことができる。
AN情報獲得部731はアクセスネットワークが報告する状態情報を獲得し、これを記憶部720に記憶する。Non−3GPP ANが信頼され、ポリシーコントローラーと接続された場合、前記AN情報獲得部731は、Gateway Control Session Establishment procedure又はGateway control and QoS rules provision procedure過程のうちにNon−3GPP ANに対する状態情報を獲得することができる。又は、Non−3GPP ANが特定機能エンティティーを通じてポリシーコントローラーと接続された場合、AN情報獲得部731はBBERFを通じてNon−3GPP APに対する状態情報を獲得することができる。
【0075】
ポリシーサーバー決定部732は、ポリシーコントローラーが端末に対するアクセスネットワーク情報を伝達するポリシーサーバーを決定する。このために、ポリシーサーバー決定部732はDNSクエリーを用いたり、IDハッシュ関数を用いることができる。具体的な説明は前述したので、詳しい説明は省略する。
【0076】
図8は、本発明の第1実施形態によるポリシーサーバー440の内部構造を示すブロック図である。
図8に示されたように、ポリシーサーバー440はインターフェース部810、記憶部820、制御部830を含むことができる。
【0077】
インターフェース部810は無線通信ネットワークを構成する各エンティティー及び端末と有線又は無線インターフェースを通じて信号を送受信する。特に、インターフェース部810はポリシーコントローラーから端末のアクセスネットワーク選択に係るポリシーの変更に必要なアクセスネットワーク状態情報を受信することができる。
【0078】
記憶部820は、ポリシーサーバー440の動作に必要な各種プログラムを記憶することができる。本発明の一実施形態によれば、前記記憶部820は各端末に対するポリシーを記憶するポリシー記憶領域821をさらに備えることもできる。
【0079】
制御部830は、ポリシーサーバー440が端末のポリシーを制御するために各ブロック間流れを制御する。特に、本発明の実施形態による制御部830はポリシー更新制御部831をさらに備えることができる。
【0080】
ポリシー更新制御部831は、ポリシーコントローラー410から受信したアクセスネットワーク状態情報に基づいて前記ポリシーをアップデートする。そしてポリシー更新制御部831は前記アップデートされたポリシーを前記端末に送信して端末のネットワーク選択ポリシーを変更するように制御する。
【0081】
<第2実施形態>
以下、ポリシーサーバーが端末にアクセス網を選択的に接続するための基準情報のみを伝達し、端末は前記基準情報と現在測定されたアクセス網の無線状態を比べてアクセス網の接続優先順位を決定する第2実施形態に対して記述する。
【0082】
図9は、本発明の第2実施形態による無線通信ネットワークの構造及び各ネットワークエンティティーの間の情報交換、自体動作を示す図面である。
図9に示されたように、端末920はポリシーサーバー910からポリシーを受信する。前記ポリシーは端末920がアクセス網を選択することができる選択条件(Validity condition)を含む。前記選択条件にはアクセス網が輻輳するのか否か、輻輳程度(接続中のユーザ(Station)の数、チャンネル活用率(Channel Utilization)、有効容量(available capacity)、WLANに接続されたbackhaulの容量及びロード状態、平均アクセス遅延時間など)、予想送信率、他のアクセス網でオフローディング選好度(COPI − cellular offload preference indicator)又は当該アクセス網から受信する信号強度などが含まれる。ここで他アクセス網へのオフローディング選好度は、当該アクセス網の代わりに他のアクセス網でトラフィックを送信するのを好む程度を示す値である。
【0083】
前記選択条件に含まれた各項目は、端末がトラフィックを送信するアクセス網を選択するための基準値を含む。例えば、前記選択条件に含まれた輻輳程度項目に対する基準値が60%に設定された場合を仮定する。すると、端末が直接測定した当該アクセス網に対する輻輳程度が60%未満の場合に限って端末は当該アクセス網を接続可能な候補アクセス網と設定する。ポリシーサーバーが設定して端末に提供したアクセス網に対する選択条件には一つ以上の基準値が含まれることができ、若し、一つ以上の基準値が含まれた場合、端末が判断した当該アクセス網の状態が基準値を満足させると、当該アクセス網を接続可能な候補アクセス網と設定することができる。例えば、若し、一つのアクセス網に対する選択条件の基準値で接続中のユーザ数は10以下、平均アクセス遅延時間は50msec以下、チャンネル活用率は200以下と設定された場合、当該アクセス網の状態が前記基準値を満足させると、使用可能と判断することができる。
【0084】
一方、これと類似であるが相対的な概念として、アクセス網を選択するための基準は予想送信率(throughput)になることがある。例えば、前記選択条件に含まれた予想送信率項目に対する基準値が1 Mbpsと設定されていると、端末が把握したアクセス網を通じる予想送信率が1Mbps以上の場合に限って端末は当該アクセス網を接続可能な候補と設定する。
【0085】
また、若しCOPIが選択条件に含まれた場合、アクセス網から得たCOPIと基準COPIを比べてアクセス網の使用可能であるか否かを判断する。例えば、若し前記条件に含まれたCOPIが5以下と設定された場合、端末が得たアクセス網のCOPIが5以下であれば当該アクセス網を接続可能な候補と設定する。
【0086】
同様に、前記選択条件に含まれた信号強度項目に対する基準値が5と設定された場合を仮定する。すると、端末が直接測定した当該アクセス網に対する信号強度が5より大きい場合に限って端末は当該アクセス網を接続可能な候補アクセス網と設定する。
【0087】
前記選択条件に含まれた各項目に対する測定情報は端末が当該アクセス網に対する情報チャンネルを受信して直接収集することもでき、又はアクセス網が端末に情報を提供することもできる。又は、任意の一つのアクセス網が他のアクセス網に対する情報を端末に提供することもできる(例えば、3GPP E−UTRANが周辺WLAN APの輻輳情報を提供)。
このような測定情報に基づいて端末の判断においてアクセス網を選択することができる条件が満足されると、当該アクセス網を選択可能な候補に含ませる。
端末は選択可能なアクセス網の候補のうちで優先順位が高いアクセス網を選択してトラフィックを送信する。
【0088】
以下、本発明の第2実施形態によって、ポリシーサーバー910が端末920に送信するポリシー(policy)に前記選択条件を含ませる方案に対して具体的に記述する。すなわち、ポリシーサーバー910から端末920に伝達するポリシーは前述した基本動作が行われることができるように各アクセス網の別に選択条件を含むことができる。
【0089】
図10は、ポリシーサーバー910の1つのANDSFが提供することができるポリシー中の一つであるISRP(Inter−system Routing Policy)の構造を示す図面である。
図10に示されたように、一つのポリシー(ISRP)は複数個の規則(Rule Priority、ForFlowBased、ForServiceBased など)を含む。
【0090】
一方、
図11はISRPに含まれることができる規則(Rule)のうちの一つであるFor Flow Based Ruleを示す図面である。
前述したアクセス網の状況によるポリシー適用のために前記規則は
図12のように拡張される。
【0091】
本明細書において説明の便宜のためにISRP(
図10)及びForFlowBased(
図11)だけ対象とするが、同様の拡張び概念はISRPの代わりにPolicyにも適用されることができ、ForFlowBasedの代わりにForServiceBased及びForNonSeamlessOffloadにも適用されることができる。すなわち、本発明の主な概念及び動作は、ANDSFの特定フィールドの構造に限定されるのではなく、ANDSFの拡張によって新しく登場する新しい構造にも大きい変化無しに適用されることができる。
【0092】
図12をより詳しく説明すると、端末920はポリシーサーバー910からポリシー(例えば、ISRP)を受信して規則(Rule)(例えば、ForFlowBased)を確認する。そして、端末920は前記確認された規則に基づいてRoutingCriteriaが満足される場合だけ、当該規則を適用することができる。
【0093】
本発明で提案する実施形態によれば、RoutingCriteriaは既存情報だけではなくValidityConditionという選択条件フィールドを含むことができる。前記ValidityConditionフィールドは各アクセス網の別に使用可能時にチェックしなければならない条件が含まれる。この条件には輻輳可否、輻輳程度、予想送信率、COPI、信号強度のうちで少なくとも一つが含まれることができ、これらはアクセス網によって互いに異なる形態や値を有することができる。これらはValidityConditionというフィールドに属する形態で構成されることもできるがこのような形態は限定的ではなく、RoutingCriteriaフィールドに直接属する形態で構成されることができる(例えば、Routing CriteriaフィールドにCOPI条件フィールドが直接付いている形態も可能)。
図12に示されたことはポリシーサーバーが選択条件を設定するための情報の一構成例だけであり、ポリシーサーバーは前記説明された情報の一つ以上の組合せに表現された選択条件をユーザ端末に伝達することができる。
【0094】
例えば、E−UTRANでは輻輳であるか否かを判断するための基準で全体PRB(Physical Resource Block)のうち、実際送信に用いられるものなどの割合の統計値を用いる一方、WLANでは当該APにassociationを結んだユーザの数やTBTT(Target Beacon Transmission Time)うちに実際送信に用いられる時間の割合、及び平均アクセス遅延時間(BSS average access delay)などを用いることができる。選択条件にはこれらに対する基準値のうちの一つ以上が含まれることができる。すなわち、例えば端末がWLANを用いるか否かを決定する条件でWLANの輻輳状況を示す基準のうちでassociationを結んだユーザ数と平均アクセス遅延時間を同時に考慮するように基準値を提供するのが可能である。
【0095】
若し、端末が受信したRoutingCriteriaにアクセス網に対する選択条件(ValidityCondition)で輻輳であるか否か、若しくは輻輳程度、COPI、予想送信率が含まれた場合、前記条件を満足した場合(例えば、輻輳しないとか輻輳程度が基準値より低い場合、予想送信率が基準値より高い場合、COPIが基準値より低い場合))にだけ当該アクセス網を用いることができると判断する。
【0096】
同様に、若し、選択条件(ValidityCondition)に信号強度が含まれた場合、当該アクセス網から受信した信号の強度が、前記選択条件に提示された信号強度の基準値より大きい場合に限って当該アクセス網を用いることができると判断する。
【0097】
より具体的に、若し例えば前記のForFlowBasedに含まれたRoutingRuleに(Access Technology=WLAN、Priority=0)、(Access Technology=3GPP、Priority=1)の場合、そしてRoutingCriteriaのうちで選択条件(ValidityCondition)でWLANに対して輻輳程度を含んでいると仮定する。この場合、端末が測定したWLANに対する輻輳情報が前記選択条件に含まれた基準値を満足させることができなかった場合(すなわち、端末が把握した輻輳程度が基準値より大きい場合)、たとえWLANに対する優先順位が3GPPに対する優先順位より高いと言っても、IP flowに該当するトラフィックは3GPPアクセス網を通じて送信しなければならない。
【0098】
前記ではRoutingCriteriaを確張してアクセス網に対する選択条件(ValidityCondition)がRoutingCriteriaに含まれた場合に対して記述した。
【0099】
一方、これとは異なり発明の他の実施形態によれば、RoutingCriteriaを利用したことと異なり、RoutingRuleを確張することもできる。
【0100】
図13は、RoutingRuleを確張してアクセス網に対する選択条件がRoutingRuleに含まれた場合の構造を示す図面である。
図13に示されたように、端末はISRPに含まれたForFlowBased、さらに、その中に含まれたRoutingRuleを受信した場合、若し、前記RoutingRuleがアクセス条件(Access Condition)を含む場合、前記アクセス条件が満足される場合に限ってRoutingRuleを用いることができる。
【0101】
より詳しく説明すれば、アクセス条件は当該アクセス網が使用可能な条件を示し、輻輳可否、輻輳程度(接続中のユーザ(Station)の数、チャンネル活用率(Channel Utilization)、有効容量(available capacity))、WLANに接続されたbackhaulの容量及びロード状態など)、予想処理量(estimated throughput)、COPI、信号強度中の一つ以上に表現されることができる。このような拡張はRoutingRule下部の別途のAccessConditionというフィールドを有する形態で成ることもできるが、このような形態は限定的ではなく、RoutingRuleに直接前記条件のうちで一部が含まれる形態で成ることもできる(例えば、RoutingRuleフィールドにCOPI条件フィールドが直接付く構造も可能である)。また、
図13に示されたことはポリシーサーバーが選択条件を設定するための情報の一構成であるだけ、ポリシーサーバーは前記説明された情報の一つ以上の組合に表現された選択条件をユーザ端末に伝達することができる。
より具体的に、次のような実施形態で一つのForFlowBaedが以下のような3つの RoutingRuleを含む場合を考慮する。
【0102】
RoutingRule 1=(Access Technology=WLAN、Access Network Priority=1、Access Condition ={Congestion可否=No})
【0103】
RoutingRule 2=(Access Technology=WLAN、Access Network Priority=3、Access Condition ={Congestion可否=Yes})
【0104】
RoutingRule 3=(Access Technology=E−UTRAN、Access Network Priority=2)
【0105】
この場合、若し端末にWLANとE−UTRANが接続可能でWLANが輻輳しない場合、端末は当該IP flowをWLANへ送信しなければならない(RoutingRule1によって)。若し、WLANが輻輳すると、端末はWLANの代わりに3GPP AN(E−UTRAN)を通じて該当IP flowを送信しなければならない(RoutingRule3によって)。若し、このような状況で端末が3GPPカバレッジを逸脱して3GPPに接続が不可能であれば、端末は当該IP flowをWLANを通じて送信しなければならない(RoutingRule2によって)。
他の一つの例で、若しRoutingRuleが次のように構成された場合、
【0106】
RoutingRule 1=(Access Technology=3GPP(e.g.E−TURAN)、Access Network Priority=1、COPI <4)
【0107】
RoutingRule 2=(Access Technology =WLAN、Access Network Priority=2、予想送信率 >=100 kbps)
【0108】
RoutingRule 3=(Access Technology=3GPP(e.g.、E−TURAN)、Access Network Priority=3 、4<=COPI <9)
【0109】
RoutingRule 4=(Access Technology =WLAN、Access Network Priority =4、予想送信率<100 kbps)
【0110】
前記のように設定された場合、若し端末が把握した3GPP ANの他のアクセス網でオフローディング選好度(COPI)が2であれば、端末はオフローディング選好度が現在低いので優先順位により3GPP ANをそのまま用いる。若し、COPIが6でありWLANの予想送信率が200kbpsであれば、ユーザ端末は優先順位によりWLANを選択する。若し、端末が把握した3GPP ANの現在COPIが基準値9より大きければ、ユーザ端末は優先順位によりWLANを選択する。
また、他の一例で、若し RoutingRuleが次のように構成された場合、
【0111】
RoutingRule 1=(Access Technology=3GPP(e.g.、E−TURAN)、Access Network Priority=1、COPI<4)
【0112】
RoutingRule 2=(Access Technology=WLAN、Access Network Priority=2、予想送信率 >=100 kbps、平均アクセス遅延時間 <50 msec)
【0113】
RoutingRule 3=(Access Technology =WLAN、Access Network Priority=3、Associationされたstationの数<20、チャンネル活用率<150、平均アクセス遅延時間<100msec)
【0114】
前記のように設定された場合、若し端末が把握した3GPP ANの他のアクセス網でオフローディング選好度(COPI)が2であれば、端末はオフローディング選好度が現在低いので優先順位により3GPP ANをそのまま用いる。若し、COPIが6でありWLANの予想送信率が200kbpsで把握したBSS average access delayが25msecであれば、ユーザ端末は優先順位によりWLANを選択する。若し、COPIが6でありWLANの予想送信率が50kbpsと言っても、aassociationされたstationの数が10個であり、チャンネル活用率が100であり、平均アクセス遅延時間が70 msecであれば、ユーザ端末は優先順位によりWLANを選択することができる。
【0115】
本発明の第2実施形態によるネットワーク接近方法では端末がANの状況(輻輳、予想送信率、COPI、信号強度など)によってポリシー適用するか否に基づく。これのためには端末がアクセスネットワーク状態に対する情報を獲得しなければならなく、以下ではアクセスネットワークが自分の状態に対する情報を端末に通知する実施形態に対して記述する。
【0116】
先ず、WLANは自分が送信するビーコンフレーム(Beacon frame)やプローブ応答(Probe Response)メッセージにANの状態、例えば輻輳可否/程度を示すことができる情報を
図14のように挿入することができる。若し、端末がWLANから受信したビーコン又はプローブ応答メッセージに輻輳指示者情報要素(Congestion Indication IE)が含まれた場合、端末はポリシーに含まれた選択条件に対する基準値と前記輻輳指示者情報要素を比べる。そして、端末は前記比較結果、WLANに対する輻輳程度が前記基準値より小さい場合に限って前記WLANを介してトラフィックを送信することができる。さらに、APはBSSロード状態情報要素(BSS load status IE)を含むこともできる。又はAPは一つのユーザが接続したときに自分からサービスを受けることができる予想送信量(achievable throughput)を含むこともできる。また、ユーザ端末はAPが送信するBSS average access delayを用いて平均アクセス遅延時間が選択条件で含まれた場合、基準値が満足されるのか判断することができる。
【0117】
一方、本発明の他の実施形態によれば、たとえWLAN APが明示的に輻輳可否/情報を挿入しない場合と言っても端末は前記WLANに対する輻輳可否/程度を把握することができる。端末はいつかTBTT(Target Beacon Transmission Time、一般的に100ms)の間のWLANチャンネルを続いて受信し、全体時間のうちで実際送信に用いられる時間の割合を把握して輻輳であるか否かを決定することもできる。又は、端末はWLAN使用のとき、バックオフ(back−off)動作のために輻輳ウィンドウ(congestion window)(back−off window)を維持するのに、輻輳ウィンドウサイズ(congestion window size)がどの程度以上のときのWLANが輻輳すると判断することができる。
一方、3GPP ANも自分の輻輳可否/状態を端末に通知することができる。
【0118】
より具体的に、3GPP ANの基地局(ENB又はBSC/RNC)はシステムを用いるために必要な必須情報を周期的にブロードキャスト(broadcast)し、これを一般的にSIB(System Information Block)と言う。基地局は自分が輻輳するか否か又は輻輳程度又はCOPIを
図15のようにSIBに含んで放送し、端末はこれを受信して当該ANが輻輳するかどうかを把握することができる。
【0119】
若し、端末が基地局から受信したSIBに輻輳指示者フィールド(Congestion Indication field)が含まれた場合、端末はポリシーに含まれた選択条件に対する基準値と前記輻輳指示者情報要素を比べる。そして端末は前記比較結果、3GPPに対する輻輳程度が前記基準値より小さい場合に限って前記3GPPを通じてトラフィックを送信することができる。若し、受信したSIBにCOPIフィールドが含まれた場合、端末はポリシーに含まれた選択条件に対するCOPI基準値と受信したCOPI値を比べ、若しCOPI値が基準値より大きければ、他のアクセス網が有効(例えば、接続可能で優先順位が高い場合)した場合に限ってトラフィックを3GPP ANではない他のアクセス網へ送信しようと試みることができる。
【0120】
前記の輻輳指示者フィールドはSIBだけでなく端末にユニキャスト(unicast)に送信されるRRCメッセージ(RRC connection setup、RRC connection reconfiguration など)にも含まれることができる。
【0121】
一方、3GPP ANの基地局は周辺にあるWLANに係る情報を端末に提供することもできる。このために、3GPP AN基地局は
図16のようにSIBのうちで一つを用いてWLAN 関連情報(ユーザ周辺のWLAN候補、WLANチャンネル情報、輻輳状態、予想送信率など)をブロードキャスティングしたり、又は各ユーザ端末に送信するRRCメッセージを用いて図 16のように伝達することもできる。端末は、該情報を受信すれば、含まれた情報を用いて周辺WLAN ANの状態を把握することができ、不必要なスキャニングを減らすことができる。若し、3GPP ANがunicast方法で周辺ANの情報を提供するときは、ユーザ端末の現在位置を考慮することもできる。これは3GPP ANのカバーする領域が一つのWLANがカバーする領域より非常に大きくなることができるから、実際にユーザ端末の位置で有効なWLANの情報のみを提供するためである。このために、3GPP ANはユーザ端末の現在位置を質疑し、これに対する応答でユーザ端末が自分の現在位置を通知する場合、この位置情報を用いたり、或いは他の方法(三角測量や位置追跡サーバー活用など)から得たユーザ端末の位置に基づいて提供するANの情報を決定することができる。
【0122】
図18は、本発明の第2実施形態でアクセス網に対する選択条件(Validity Condition)がRoutingCriteriaに含まれた場合、端末920の動作手順を示すフローチャートである。
先ず、端末920はS1810段階でポリシーサーバー910から選択条件(ValidityCondition)を含むポリシーを受信する。
【0123】
そして端末920はS1820段階へ進行し、アクセスネットワーク状態に対する情報を獲得する。このために、端末920は直接アクセスネットワーク状態を測定したり、又は上述した方法を通じてアクセスネットワークが送信する状態情報を受信し、アクセスネットワーク状態情報を獲得することができる。
【0124】
そして、端末920はS1830段階へ進行してトラフィック特性に適合した規則(Routing Rule)を選択して候補群を生成する。例えば、端末920はアイピーフロー(IP flow)に対する規則により候補群を生成することができる。
そして、端末920はS1840段階へ進行し、生成された候補群が存在するのか判断する。
存在する場合、端末920はS1850段階へ進行して規則候補群のうち、優先順位が最も高いアクセスネットワークを選択する。
【0125】
そして、端末920はS1860段階へ進行して選択条件の基準値とアクセスネットワークの状態を比べてRouting Criteriaを満足させるアクセスネットワーク候補群を確認する。
そして、端末920はS1870段階で、前記RoutingCriteriaを満足させるアクセスネットワーク候補群が存在するのか判断する。
存在しない場合、端末920はS1890段階へ進行し、規則候補群で当該規則を削除する。
【0126】
一方、候補群が存在する場合、端末920は対象(候補)アクセスネットワークのうちで優先順位が最も高いアクセスネットワークを選択してトラフィックを送信する。
【0127】
図19は、本発明の第2実施形態でアクセス網に対するアクセス条件(AccessCondition)が RoutingRuleに含まれた場合、端末920の動作手順を示すフローチャートである。
先ず、端末920はS1905段階で、ポリシーサーバー910からアクセス条件(AccessCondition)を含むポリシーを受信する。
【0128】
そして端末920は、S1910段階へ進行し、アクセスネットワーク状態に対する情報を獲得する。このために、端末920は直接アクセスネットワーク状態を測定したり、又は上述した方法を通じてアクセスネットワークが送信する状態情報を受信し、アクセスネットワーク状態情報を獲得することができる。
【0129】
そして、端末920はS1915段階で、トラフィック特性に適合した規則(Routing Rule)を選択して候補群を生成する。例えば、端末920はアイピーフロー(IP flow)に対する規則を選択して候補群を生成することができる。
そして端末920はS1920段階で、生成された候補群が存在するのか否かを判断する。
存在する場合、端末920はS1925段階へ進行して生成された規則候補群のうち、優先順位が最も高いアクセスネットワークを選択する。
そして端末920はS1930段階へ進行し、RoutinCriteriaが満足されるアクセスネットワーク候補群を確認する。
S1940段階で、端末920はRouting Criteriaが満足されるアクセスネットワーク候補群を存在するか否かを判定する。
【0130】
前記条件を満足するアクセスネットワーク候補群が存在しない場合、端末920はS1935段階へ進行して規則候補群で当該規則を削除し、その後S1920段階へ復帰する 。
【0131】
一方、前記条件を満足するアクセスネットワーク候補群が存在する場合、端末920はS1945段階へ進行してRoutingRuleによって接続優先順位が最も高いアクセスネットワークを選択する。そして端末920はS1950段階へ進行し、選択されたアクセスネットワークがアクセス条件を満足するのか判断する。
アクセス条件を満足する場合、端末920はS1960段階で進行して当該アクセスネットワークを通じてトラフィック送信する。
一方、アクセス条件を満足しない場合、端末920はS1955段階へ進行して候補群で当該アクセスネットワークを削除してS1940段階で復帰する。
図20は、本発明の第2実施形態による端末の内部構造を示すブロック図である。
図20に示されたように、本発明の端末は無線通信部2010、記憶部2020、制御部2030を含むことができる。
【0132】
無線通信部2010は、端末の無線通信のための当該データの送受信機能を行う。無線通信部2010は、送信される信号の周波数を上昇変換及び増幅するRF送信機と、受信される信号を低雑音増幅して周波数を下降変換するRF受信機などで構成されることができる。また、無線通信部2010は無線チャンネルを通じてデータを受信して制御部2030に出力し、制御部2030で出力されたデータを無線チャンネルを通じて送信することができる。前記無線通信部2010は本発明の無線通信部を構成する少なくとも一つのエンティティーと信号を送受信することができる。
【0133】
記憶部2020は端末の動作に必要な各種プログラムを記憶する。本発明の実施形態によれば、記憶部2020は端末がアクセスネットワークを選択するためのポリシーを記憶することができる。前記ポリシーは必要によってアップデートされることができる。
【0134】
制御部2030は端末の全般的な動作のために各ブロック間の信号流れを制御する。具体的に、制御部2030はポリシーサーバーから前記端末がアクセスネットワークを選択するためのアクセスネットワーク別の選択条件を含むポリシーを受信するように制御する。この場合、前記選択条件は前記アクセスネットワークの輻輳可否、前記アクセスネットワークの輻輳程度又は前記アクセスネットワークから受信する信号強度のうちで少なくとも一つを含むことができる。
【0135】
そして制御部2030は、少なくとも一つ以上のアクセスネットワークに対する状態情報を獲得する。この場合、制御部2030はアクセスネットワークから送信されるアクセスネットワーク状態情報を受信して前記アクセスネットワークに対する状態情報を獲得したり、又は自分が直接アクセスネットワークを測定して前記アクセスネットワークに対する状態情報を獲得することもできる。
【0136】
制御部2030は前記選択条件と前記獲得した状態情報を比べて前記端末が選択可能な候補アクセスネットワークグループを構成する。この場合、制御部2030は前記選択条件を構成する各項目別に基準値と前記アクセスネットワークに対する状態情報を比べ、前記比較結果によって前記端末が選択可能な候補アクセスネットワークグループを構成する。
【0137】
そして制御部2030は、前記候補アクセスネットワークグループに含まれた候補アクセスネットワークのうちで優先順位が最も高いアクセスネットワークを選択してトラフィックを送信するように制御する。
【0138】
一方、図面には図示しなかったが、本発明のポリシーサーバー910も無線通信部と制御部を含んで構成されることができる。この場合、無線通信部は無線通信システムを構成する少なくとも一つのエンティティーと信号を送受信することができ、制御部は端末がアクセスネットワークを選択するためのポリシーを生成し、前記生成されたポリシーを前記端末に送信するように制御することができる。
【0139】
本発明の実施形態によれば、端末がアクセス網の輻輳状態や端末が受信する信号の強度によってトラフィックを送信するアクセス網を選択することができる。したがって、従来技術に比べてユーザ体感サービス品質を高めることができる。
【0140】
本明細書及び図面に開示された本発明の実施形態は本発明の記述内容を容易に説明して発明の理解を助けるために特定例を提示したものであって、本発明の範囲を限定するものではない。ここに開示された実施形態の以外にも本発明の技術的思想に基づいて他の変形形態が実施可能ということは本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に自明なものである。