(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記振分装置により前記特別入球口に振り分けられた遊技球が流下する流路には、前記第1入球領域に到達する第1流路と、前記第2入球領域に到達する第2流路とがあり、
前記振分装置は、前記特定入球口に遊技球が振り分けられた後に前記特別入球口に振り分けられる最後の遊技球を前記第2流路に振り分ける請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、遊技機としてのパチンコ遊技機の一実施形態を説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機には、遊技盤YBが設けられている。パチンコ遊技機には、発射ハンドルHDが設けられており、発射ハンドルHDの回動動作に応じて遊技盤YBへ遊技球が発射可能となる。パチンコ遊技機には、装飾ランプLA及びスピーカSPが設けられている。
【0013】
遊技盤YBには、複数の発光部を有する第1特別図柄表示装置11が設けられている。第1特別図柄表示装置11では、複数種類の特別図柄(第1特別図柄、第1図柄)を変動させて表示する変動ゲーム(図柄変動ゲーム、第1図柄変動ゲーム)が行われる。以下の説明では、単に「第1変動ゲーム」と示す場合、第1特別図柄表示装置11で行われる変動ゲームを指すものとする。
【0014】
遊技盤YBには、複数の発光部を有する第2特別図柄表示装置12が設けられている。第2特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄(第2特別図柄、第2図柄)を変動させて表示する変動ゲーム(図柄変動ゲーム、第2図柄変動ゲーム)が行われる。以下の説明では、単に「第2変動ゲーム」と示す場合、第2特別図柄表示装置12で行われる変動ゲームを指すものとする。第1変動ゲームと第2変動ゲームとは、同時に実行されない。
【0015】
各特別図柄表示装置11,12では、複数種類の特別図柄のうち当り抽選(大当り抽選及び小当り抽選)の抽選結果に対応する1つの特別図柄が変動ゲームの終了に伴い確定停止表示される。特別図柄には、大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)と、小当りを認識し得る小当り図柄(小当り表示結果)と、はずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)とがある。大当り図柄が確定停止表示された場合、大当り遊技が付与される。小当り図柄が確定停止表示された場合、小当り遊技が付与される。
【0016】
遊技盤YBには、演出画像を表示する画像表示部GHを有する演出表示装置16が設けられている。演出表示装置16では、変動ゲームに関連する表示演出が行われ、具体的には、複数種類の飾り図柄(演出図柄)を複数列で変動させる飾り図柄変動ゲームが行われる。
【0017】
演出表示装置16では、変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って各列の飾り図柄が変動表示される。演出表示装置16では、飾り図柄が確定停止表示される前に、リーチの図柄組み合わせとなり、リーチ状態を形成する場合がある。リーチの図柄組み合わせとしては、演出表示装置16における複数列のうち特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一種類となって一旦停止表示され、特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている図柄組み合わせが規定されている。
【0018】
演出表示装置16には、各特別図柄表示装置11,12の表示結果に応じた図柄組み合わせが確定停止表示される。より詳しくは、各特別図柄表示装置11,12に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置16にも大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。各特別図柄表示装置11,12に小当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置16にも小当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。各特別図柄表示装置11,12にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置16にもはずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。なお、本実施形態において、大当りの図柄組み合わせとしては、全列の飾り図柄が同一種類となる図柄組み合わせが規定されている。小当りの図柄組み合わせとしては、全列の飾り図柄が同一種類とならない図柄組み合わせのうち特定の図柄組み合わせが、はずれの図柄組み合わせとしては、全列の飾り図柄が同一種類とならない図柄組み合わせのうち非特定の図柄組み合わせが、それぞれ規定されている。
【0019】
演出表示装置16は、第1特別図柄表示装置11及び第2特別図柄表示装置12と比較して大きい表示領域で構成され、飾り図柄は、特別図柄に比較して遥かに大きく表示される。このため、演出表示装置16に確定停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれが遊技者により認識可能となる。
【0020】
遊技盤YBには、遊技球が流下可能な遊技領域YRが設けられている。遊技領域YRには、流下してきた遊技球が入球可能なように各種役物が設けられている。
遊技盤YBの遊技領域YRにおいて、演出表示装置16の下方には、遊技領域YRを流下してきた遊技球が入球可能な第1始動入賞口21aを有する第1始動入賞装置21が設けられている。第1始動入賞装置21には、第1始動入賞口21aへ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1(
図6参照)が設けられている。第1始動入賞口21aに入球した遊技球が第1始動センサSE1により検知されたことを契機に、第1変動ゲームの始動条件が付与され得るとともに、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が付与される。
【0021】
遊技盤YBの遊技領域YRにおいて、演出表示装置16の右側方には、遊技領域YRを流下してきた遊技球が入球可能な第2始動入賞口22aを有する第2始動入賞装置22が設けられている。第2始動入賞装置22には、第2始動入賞口22aへ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2(
図6参照)が設けられている。第2始動入賞口22aに入球した遊技球が第2始動センサSE2により検知されたことを契機に、第2変動ゲームの始動条件が付与され得るとともに、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が付与される。
【0022】
遊技盤YBの遊技領域YRにおいて、演出表示装置16の右側方には、遊技領域YRを流下してきた遊技球が入球可能な第1大入賞口23aを有する第1大入賞装置23が設けられている。第1大入賞装置23には、第1大入賞口23aへ入球した遊技球を検知する第1カウントセンサSE3(
図6参照)が設けられている。第1大入賞口23aに入球した遊技球が第1カウントセンサSE3により検知されたことを契機に、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が付与される。
【0023】
第1大入賞装置23には、第1大入賞口ソレノイドSOL1(
図6参照)の作動により第1大入賞口23aの開閉動作を行う第1大入賞口扉23bが設けられている。第1大入賞口扉23bは、第1大入賞口23aに遊技球が入球不能な(入球が規制された)閉状態と、遊技球が入球可能な(入球が許容された)開状態とに動作する。第1大入賞口扉23bは、予め定めた第1開条件(開条件)が成立すると、所定の開放態様で開状態に動作する。
【0024】
遊技盤YBの遊技領域YRにおいて、第1大入賞装置23の下方には、遊技領域YRを流下してきた遊技球が入球可能な第2大入賞口24aを有する第2大入賞装置24が設けられている。第2大入賞装置24には、第2大入賞口24aへ入球した遊技球を検知する第2カウントセンサSE4(
図6参照)が設けられている。第2大入賞口24aに入球した遊技球が第2カウントセンサSE4により検知されたことを契機に、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が付与される。
【0025】
第2大入賞装置24には、第2大入賞口ソレノイドSOL2(
図6参照)の作動により第2大入賞口24aの開閉動作を行う第2大入賞口扉24bが設けられている。第2大入賞口扉24bは、第2大入賞口24aに遊技球が入球不能な(入球が規制された)閉状態と、遊技球が入球可能な(入球が許容された)開状態とに動作する。第2大入賞口扉24bは、予め定めた第2開条件が成立すると、所定の開放態様で開状態に動作する。
【0026】
大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて第2大入賞口扉24bが開状態に動作され、第2大入賞口24aが開状態となり、第2大入賞口24aへの遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技が付与されると、多数の賞球を獲得できる機会を遊技者に与えることができ、遊技者に有利な有利状態となる。
【0027】
小当り遊技が付与されると、第1大入賞口扉23bが開状態に動作され、第1大入賞口23aが開状態となり、第1大入賞口23aへの遊技球の入球が許容される。このため、小当り遊技が付与されると、賞球を獲得できる機会を遊技者に与えることができ、遊技者に有利な有利状態となる。なお、本実施形態において、当り遊技のうち、小当り遊技よりも、大当り遊技のほうが多くの賞球を獲得できる機会を遊技者に与えることができる。
【0028】
遊技盤YBには、保留表示装置13が設けられている。保留表示装置13は、実行が保留されている第1変動ゲームの数を表示するものである。具体的には、保留表示装置13は、第1始動入賞口21aに遊技球が入球することにより第1変動ゲームの始動条件が成立する一方で、第1変動ゲームの実行条件が未だ成立していないことから実行が保留されている第1変動ゲームの数、所謂、第1始動保留の記憶数(以下、保留記憶数)を表示する。
【0029】
なお、本実施形態において、第2変動ゲームの実行が保留されないようになっている。このため、第2始動入賞口22aに遊技球が入球することにより第2変動ゲームの実行条件が成立可能であるが、変動ゲーム(第1変動ゲーム及び第2変動ゲーム)の実行中や当り遊技(大当り遊技及び小当り遊技)の実行中においては、第2始動入賞口22aに遊技球が入球することにより第2変動ゲームの実行条件が成立しない。
【0030】
なお、本実施形態において、各特別図柄表示装置11,12がゲーム実行部に、第1始動入賞口21aが通常入球口に、第2始動入賞口22aが特定入球口に、第1大入賞口23aが特別入球口に、第1大入賞口扉23bが特別開閉部材に、第1カウントセンサSE3が特別入球検知部にそれぞれ相当する。また、本実施形態において、小当り図柄が確定停止表示される表示態様が所定の表示態様に相当する。
【0031】
なお、本実施形態では、遊技盤YBの遊技領域YRにおいて、演出表示装置16の右側方であって第2始動入賞装置22及び第1大入賞装置23の上方には、遊技領域YRを流下してきた遊技球を振り分ける振分装置40が設けられている。特に、本実施形態における振分装置40は、1個の遊技球を第2始動入賞装置22に振り分けた後に、所定個(本実施形態では2個)の遊技球を第1大入賞装置23に振り分ける動作を繰り返し行う装置である。なお、本実施形態において、遊技領域YRにおいて右側流路Yを流下する全ての遊技球が振分装置40の入球口41に入球するように構成されている。
【0032】
ここで、
図2〜
図4を参照して振分装置40について詳しく説明する。
図2に示すように、振分装置40は、遊技領域YRを流下してきた遊技球が入球可能な入球口41を有する。入球口41は、対向する一対の振分片40aの先端に設けられている。振分装置40は、入球口41に入球した遊技球を下方に流下させる流下通路42を有している。流下通路42は、対向する一対の振分片40aの間に位置する空間であって入球口41よりも下流に設けられている。流下通路42は、複数の流路(本実施形態では、第1流下通路42a、第2流下通路42b、第3流下通路42cの3つ)に分岐している。
【0033】
振分装置40において、振分片40aよりも下流であって、流下通路42の分岐部位には、複数(本実施形態では2つ)の振分部材50,60が設けられている。より詳しくは、入球口41の直下に第1振分部材50が設けられ、その第1振分部材50よりもやや左下方に第2振分部材60が設けられている。流下通路42の分岐部位であって、振分部材50,60よりも下方には、振分片43,44が設けられている。
【0034】
振分片43は、平面視逆V字状をなしており、第2振分部材60の下方に設けられている。振分片44は、平面視逆V字状をなしており、第1振分部材50の下方に位置している。
【0035】
流下通路42は、振分部材50,60と振分片43,44により、第1流下通路42a、第2流下通路42b、及び第3流下通路42cに分岐されている。詳しくは、流下通路42は、振分片40a、第2振分部材60、及び振分片43によって第1流下通路42aに分岐される。流下通路42は、振分片40a、第1振分部材50、第2振分部材60、及び振分片43,44によって第2流下通路42bに分岐される。流下通路42は、振分片40a、第1振分部材50、及び振分片44によって第3流下通路42cに分岐される。
【0036】
第1振分部材50は、振分装置40の前後方向に延在するように支持された回動軸55に回動自在に枢支されている。第1振分部材50は、半円板状の基板56と、該基板56の中心から前方へ突出するとともに径方向に延在する3つの球受片57,58,59を有する。そして、第1振分部材50には、球受片57,58によって遊技球を受け止め可能な球受部56aが画成されている。また、第1振分部材50には、基板56及び球受片58,59によって遊技球を受け止め可能な球受部56bと、基板56及び球受片57,59によって遊技球を受け止め可能な球受部56cとが画成されている。
【0037】
同じように、第2振分部材60は、振分装置40の前後方向に延在するように支持された回動軸65に回動自在に枢支されている。第2振分部材60は、半円板状の基板66と、該基板66の中心から前方へ突出するとともに径方向に延在する3つの球受片67,68,69を有する。そして、第2振分部材60には、基板66及び球受片67,68によって遊技球を受け止め可能な球受部66aが画成されている。また、第2振分部材60には、球受片68,69によって遊技球を受け止め可能な球受部66bと、基板66及び球受片67,69によって遊技球を受け止め可能な球受部66cとが画成されている。
【0038】
第2振分部材60の球受片68は、第1振分部材50の球受片57よりも長い。そして第1振分部材50の球受片57の回動範囲と、第2振分部材60の球受片68の回動範囲は重なっている。
【0039】
第1振分部材50は、
図3(a)に示す第1姿勢のときに入球口41に入球した遊技球Bを球受部56bで受け止めるとともに、当該遊技球Bの自重によって時計回り(図中、符号「Z1」の方向)に回動し、遊技球を下流に誘導する。また、第1振分部材50は、
図3(a)に示す第1姿勢から遊技球Bを下流に誘導した後、
図3(b)に示す第2姿勢を取り得るように姿勢が保持される。そして、第1振分部材50は、
図3(b)に示す第2姿勢のときに入球口41に入球した遊技球Bを球受部56aで受け止めるとともに、当該遊技球Bの自重によって反時計回り(図中、符号「Z2」の方向)に回動し、遊技球Bを下流に誘導する。そして、第1振分部材50は、
図3(b)に示す第2姿勢から遊技球Bを下流に誘導した後、
図3(a)に示す第1姿勢を取り得るように姿勢が保持される。なお、第1振分部材50は、回動軸55を中心に所定角度の範囲で回動するように回動量が規制されている。
【0040】
同じように、第2振分部材60は、
図3(c)に示す第1姿勢のときに入球口41に入球した遊技球Bを球受部66bで受け止めるとともに、当該遊技球Bの自重によって時計回り(図中、符号「Z1」の方向)に回動し、遊技球Bを下流に誘導する。また、第2振分部材60は、
図3(c)に示す第1姿勢から遊技球Bを下流に誘導した後、
図3(d)に示す第2姿勢を取り得るように姿勢が保持される。そして、第2振分部材60は、
図3(d)に示す第2姿勢のときに入球口41に入球した遊技球Bを球受部66aで受け止めるとともに、当該遊技球Bの自重によって反時計回り(図中、符号「Z2」の方向)に回動し、遊技球Bを下流に誘導する。そして、第2振分部材60は、
図3(d)に示す第2姿勢から遊技球Bを下流に誘導した後、
図3(c)に示す第1姿勢を取り得るように姿勢が保持される。なお、第2振分部材60は、回動軸65を中心に所定角度の範囲で回動するように回動量が規制されている。
【0041】
そして、遊技球は、振分部材50,60により、第1流下通路42a、第2流下通路42b、及び第3流下通路42cのうちいずれかに振り分けられる。
図2に示すように、第1流下通路42aの下流には、第1大入賞装置23が設けられており、第1流下通路42aが第1大入賞装置23に向けて画成されている。第2流下通路42bの下流には、第1大入賞装置23が設けられており、第2流下通路42bが第1大入賞装置23に向けて画成されている。第3流下通路42cの下流には、第2始動入賞装置22が設けられており、第3流下通路42cが第2始動入賞装置22に向けて画成されている。
【0042】
このように、第1流下通路42a及び第2流下通路42bは、小当り遊技において、流下してきた遊技球を第1大入賞口23aに導く流路となる。特に、第1流下通路42aは、小当り遊技において、流下してきた遊技球を第1大入賞口23aの第1入賞領域R1に導く流路となる。また、第2流下通路42bは、小当り遊技において、流下してきた遊技球を第1大入賞口23aの第2入賞領域R2に導く流路となる。一方、第3流下通路42cは、流下してきた遊技球を第2始動入賞口22aに導く流路となる。
【0043】
なお、本実施形態において、第1大入賞装置23の下方には、第2大入賞装置24が設けられている。このため、第1流下通路42a及び第2流下通路42bは、大当り遊技において、第2大入賞口24aに遊技球を導く流路にもなる。
【0044】
第1流下通路42aは、第2流下通路42bよりも第1大入賞口23aへの流下距離が長くなるように設けられている。このため、第1流下通路42aにより遊技球が第1大入賞口23aに到達する時間のほうが、第2流下通路42bにより第1大入賞口23aに到達する時間よりも長くなる。
【0045】
また、第1流下通路42aは、第3流下通路42cから第2始動入賞口22aへの流下距離よりも、第1大入賞口23aへの流下距離が長くなるように設けられている。このため、第1流下通路42aにより遊技球が第1大入賞口23aに到達する時間のほうが、第3流下通路42cにより第2始動入賞口22aに到達する時間よりも長くなる。
【0046】
また、第2流下通路42bは、第3流下通路42cから第2始動入賞口22aへの流下距離よりも、第1大入賞口23aへの流下距離が短くなるように設けられている。このため、第2流下通路42bにより遊技球が第1大入賞口23aに到達する時間のほうが、第3流下通路42cにより第2始動入賞口22aに到達する時間よりも短くなる。
【0047】
また、第1大入賞装置23において、第1大入賞口23a内には、第1大入賞口23aから入球した遊技球が通過する通過領域23cが設けられている。この通過領域23cには、第1カウントセンサSE3が設けられている。通過領域23cを遊技球が通過すると、第1カウントセンサSE3により、第1大入賞口23aへの遊技球の入球が検知されることとなる。この通過領域23cは、大入賞口23aの幅方向の右側に設けられている。
【0048】
また、第2入賞領域R2は、第1入賞領域R1よりも通過領域23cの配置位置に近くなるように設けられている。このため、第2流下通路42bのほうが、第1流下通路42aよりも、第1カウントセンサSE3が設けられた通過領域23cに近い領域に導くことができ、第1大入賞口23aに入球した遊技球を早く検知させることができる。
【0049】
ここで、
図4を参照して、各流下通路42a〜42cを遊技球が流下する流れについて説明する。なお、以下の説明では、第3流下通路42cに振り分けられた遊技球を「1個目」とする。また、第1流下通路42aに振り分けられた遊技球を「2個目」とし、第2流下通路42bに振り分けられた遊技球を「3個目」とする。そして、一度、第3流下通路42cに遊技球が振り分けられてから、再度、第3流下通路42cに遊技球が振り分けられた場合、その遊技球は、「1個目」となる。また、ここでいう1個目の遊技球は、第2始動入賞口22aへ振り分けられる遊技球に相当し、2個目の遊技球は、第1大入賞口23aへ振り分ける最初の遊技球に相当し、3個目の遊技球は、第1大入賞口23aへ振り分ける最後の遊技球に相当する。
【0050】
まず、第3流下通路42cに1個目の遊技球Bを振り分ける流れについて説明する。
図4(a)に示すように、第1振分部材50が第1姿勢(
図3(a))であるときであって、かつ第2振分部材60が第2姿勢(
図3(d))であるときに、1個目の遊技球Bが入球口41に入球すると、該遊技球Bは、第1振分部材50の球受部56bによって受け止められる。遊技球Bの自重によって第1振分部材50が時計回りに回動する。そして、第1振分部材50の回動により、第1振分部材50の球受片57が第2振分部材60の球受片68の下方に位置し、第1振分部材50が第1姿勢から第2姿勢に切り替わる。このとき、第2振分部材60は回動せず、第2姿勢を保持する。そして、遊技球Bは、第3流下通路42cに振り分けられる。
【0051】
このように、第3流下通路42cは、入球口41に入球した遊技球を第2始動入賞口22aに導く流路である。このため、遊技球が振分装置40の入球口41に入球して第3流下通路42cに振り分けられ、該遊技球が第2始動入賞口22aに入球すると、賞球が払い出されるとともに、第2変動ゲームの実行条件を成立させ得ることとなる。
【0052】
次に、第1流下通路42aに2個目の遊技球Bを振り分ける流れについて説明する。
図4(b)に示すように、遊技球Bが第3流下通路42cに振り分けられたことで第1振分部材50及び第2振分部材60が第2姿勢(
図3(b),
図3(d))であるときに、2個目の遊技球Bが入球口41に入球すると、該遊技球Bは、第1振分部材50の球受部56aで受け止められる。なお、第1振分部材50の球受片57は第2振分部材60の球受片68の下方に重なっている。この重なりにより、第1振分部材50の時計回りでの回動が規制される。そして、遊技球Bが第2振分部材60の球受片68を転動し、球受片67に到達すると、遊技球Bの自重によって第2振分部材60が反時計回りに回動し、第2振分部材60が第2姿勢から第1姿勢に切り替わる。その後、遊技球Bは、第1流下通路42aに振り分けられる。
【0053】
このように、第1流下通路42aは、小当り遊技中、第1大入賞口23aに遊技球を導く通路である。このため、小当り遊技中、遊技球が振分装置40の入球口41に入球して第1流下通路42aに振り分けられ、該遊技球が第1大入賞口23aに入球すると、賞球が払い出されることとなる。
【0054】
次に、第2流下通路42bに3個目の遊技球Bを振り分ける流れについて説明する。
図4(c)に示すように、遊技球Bが第1流下通路42aに振り分けられたことで第1振分部材50が第2姿勢(
図3(b))であって、かつ第2振分部材60が第1姿勢(
図3(c))であるときに、3個目の遊技球Bが入球口41に入球すると、該遊技球Bは、第1振分部材50の球受部56aによって受け止められる。遊技球Bの自重によって第1振分部材50が反時計回りに回動するため、第1振分部材50が第2姿勢から第1姿勢に切り替わる。その後、遊技球Bは、第2振分部材60の球受部66bによって受け止められ、遊技球Bの自重によって第2振分部材60が時計回りに回動し、第2振分部材60が第1姿勢から第2姿勢に切り替わる。そして、第1振分部材50及び第2振分部材60の回動により、第1振分部材50と第2振分部材60は、1個目の遊技球Bを受け入れたときと同じ姿勢をとる。その後、遊技球Bは、第2流下通路42bに振り分けられる。
【0055】
このように、第2流下通路42bは、小当り遊技中、第1大入賞口23aに遊技球を導く通路である。このため、小当り遊技中、遊技球が振分装置40の入球口41に入球して第2流下通路42bに振り分けられ、該遊技球が第1大入賞口23aに入球すると、賞球が払い出されることとなる。
【0056】
本実施形態における振分装置40は、入球口41に入球した遊技球を第3流下通路42cに振り分けた後、次に入球口41に入球した遊技球を第1流下通路42aに振り分ける。続けて、振分装置40は、次に入球口41に入球した遊技球を第2流下通路42bに振り分けた後、次に入球口41に入球した遊技球を第3流下通路42cに振り分ける。以降、振分装置40はこの振り分け作業を繰り返す。つまり、入球口41に入球した遊技球は、各流下通路42a〜42cに1個ずつ振り分けられるので、各流下通路42a〜42cへの遊技球の振り分けについて再現性を有するとともに、各流下通路42a〜42cへの遊技球の振分率(実施形態では1/3)を安定化させることができる。
【0057】
なお、本実施形態において、第1流下通路42aにより形成された流路が第1流路に相当し、第2流下通路42bにより形成された流路が第2流路に相当し、第3流下通路42cにより形成された流路が第3流路に相当する。また、第1大入賞装置23における第1入賞領域R1が第1入球領域に相当し、第2入賞領域R2が第2入球領域に相当する。また、通過領域23cは、第1カウントセンサSE3が設けられた設置位置に相当する。
【0058】
本実施形態のパチンコ遊技機は、遊技者に有利な遊技状態として、大当り抽選の確率変動状態を備えている。大当り抽選の確率変動状態(高確率状態)は、大当り抽選の確率変動状態ではない遊技状態(低確率状態)に比して、大当り抽選で大当りに当選する大当り確率が高確率に変動する遊技状態である。本実施形態において大当り抽選の確率変動状態は、予め決められた確率変動終了条件が成立するまで付与される。以下の説明では、単に「確率変動状態」又はこれを略して「確変状態」と示す場合、大当り抽選の確率変動状態を指すものとし、「非確率変動状態」又はこれを略して「非確変状態」と示す場合、大当り抽選の確率変動状態ではない遊技状態を指すものとする。
【0059】
本実施形態のパチンコ遊技機は、遊技者に有利な遊技状態として、高ベース状態を備えている。高ベース状態は、高ベース状態ではない低ベース状態に比して、第2始動入賞口22aへ遊技球の入球に応じて第2変動ゲームが実行され易い遊技状態である。例えば、高ベース状態は、第2変動ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を低ベース状態のときよりも短くなり易くする変動時間短縮状態である。このように、第2変動ゲームの変動時間が短くなり易いことで、第2変動ゲームの実行が終了するまでの時間が短くなり、第2変動ゲームの実行条件が成立する可能性が高まることとなる。本実施形態において高ベース状態は、予め決められた高ベース終了条件が成立するまで付与される。なお、高ベース状態は、確変状態中にも付与される場合がある。なお、本実施形態において、第2変動ゲームが実行され易くなる高ベース状態が特定状態に相当する。
【0060】
図1に示すように、本実施形態では、演出表示装置16の下方に第1始動入賞口21aが設けられており、遊技盤YBの左側である左側流路Xを流下させたほうが、遊技盤YBの右側である右側流路Yを流下させるよりも遊技球が入球し易くなる。このため、第2始動入賞口22aに遊技球が入球し難い低ベース状態では、第1始動入賞口21aに遊技球を入球させるべく、左側流路Xを流下させるように遊技球を発射させる傾向がある。
【0061】
一方、演出表示装置16の右側方には、上方から順に、振分装置40、第2始動入賞口22a、第1大入賞口23a、第2大入賞口24aが設けられており、右側流路Yを流下させたほうが、左側流路Xを流下させるよりも、第2始動入賞口22a、第1大入賞口23a、第2大入賞口24aへ遊技球が入球し易くなる。このため、第2始動入賞口22aへの遊技球の入球に応じて第2変動ゲームが実行され易い高ベース状態においては第2始動入賞口22aに遊技球を入球させるべく、右側流路Yを流下させるように遊技球を発射させる傾向がある。大当り遊技においても第2大入賞口24aに遊技球を入球させるべく、右側流路Yを流下させるように遊技球を発射させる傾向があり、小当り遊技においても第1大入賞口23aに遊技球を入球させるべく、右側流路Yを流下させるように遊技球を発射させる傾向がある。
【0062】
次に、本実施形態における大当り遊技及び小当り遊技について説明する。
大当り遊技は、大当り図柄が確定停止表示された変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、オープニング時間が開始される。オープニング時間が終了すると、第2大入賞口24aが開状態となるラウンド遊技が、予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、入球上限個数の遊技球が第2大入賞口24aに入賞するまでの間、又は規定時間が経過するまでの間で継続して行われる。全てのラウンド遊技が終了すると、エンディング時間が設定される。エンディング時間が終了すると、大当り遊技は終了する。
【0063】
本実施形態において、大当り抽選に当選した場合、決定される特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて複数種類の大当りのうち1つの大当りが決定され、その決定された大当りに対応する大当り遊技が付与されるようになっている。
【0064】
小当り遊技は、小当り図柄が確定停止表示された変動ゲームの終了後に開始される。小当り遊技が開始すると、オープニング時間が開始される。オープニング時間が終了すると、第1大入賞口23aが開状態となるラウンド遊技が行われる。このラウンド遊技は、入球上限個数の遊技球が第1大入賞口23aに入賞するまでの間、又は規定時間が経過するまでの間で継続して行われる。ラウンド遊技が終了すると、エンディング時間が設定される。エンディング時間が終了すると、小当り遊技は終了する。
【0065】
ここで、
図5を参照して、大当り確率や大当り遊技の内容などの所謂、パチンコ遊技機のスペックについて説明する。
本実施形態において、
図5(a)に示すように、大当り確率としては、第1変動ゲームと第2変動ゲームとの両方において、非確変状態(図中では「低確」と示す)では約1/299が、確変状態(図中では「高確」と示す)では約1/49がそれぞれ規定されている。小当り確率としては、非確変状態と確変状態との両方において、第1変動ゲームでは約1/199が、第2変動ゲームでは約1/30がそれぞれ規定されている。
【0066】
図5(b)に示すように、第1始動センサSE1が遊技球を検知したときにおける賞球個数としては「3個」が、第2始動センサSE2が遊技球を検知したときにおける賞球個数としては「2個」がそれぞれ規定されている。また、第1変動ゲームの保留記憶数の上限数(図中では「保留上限数」と示す)としては、「4」が規定されている。一方、第2変動ゲームの実行が保留されない。
【0067】
図5(c)に示すように、第1カウントセンサSE3が遊技球を検知したときにおける賞球個数、及び第2カウントセンサSE4が遊技球を検知したときにおける賞球個数としては「15個」がそれぞれ規定されている。1回のラウンド遊技において第1大入賞口23aに入球させることができる遊技球の入球上限個数としては「2個」が、1回のラウンド遊技において第2大入賞口24aに入球させることができる遊技球の入球上限個数としては「9個」がそれぞれ規定されている。
【0068】
このように、振分装置40によって第1大入賞口23aに振り分けられる遊技球の個数(所定個数)は、第1大入賞口23aへの遊技球の入球を契機とする賞球個数未満であり、第2始動入賞口22aへの遊技球の入球を契機とする賞球個数と同じとなるように規定されており、その賞球個数以上となることが好ましい。
【0069】
図5(d)に示すように、当りの種類としては、大当りと小当りとがあり、大当りの種類としては、確変大当りと非確変大当りとがある。各変動ゲームにおいて大当り抽選に当選した場合、第1変動ゲームにおいて図柄ZAが確定停止表示されるとき、及び第2変動ゲームにおいて図柄Zaが確定停止表示されるときに確変大当りとなる。各変動ゲームにおいて大当り抽選に当選した場合、第1変動ゲームにおいて図柄ZBが確定停止表示されるとき、及び第2変動ゲームにおいて図柄Zbが確定停止表示されるときに非確変大当りとなる。各変動ゲームにおいて大当り抽選に当選した場合、70%の確率で確変大当りが、30%の確率で非確変大当りがそれぞれ決定される。各変動ゲームにおいて小当り抽選に当選した場合、第1変動ゲームにおいて図柄ZCが確定停止表示されるとき、及び第2変動ゲームにおいて図柄Zcが確定停止表示されるときに小当りとなる。なお、本実施形態において、1種類の小当りが規定されている。
【0070】
1回の大当り遊技における規定ラウンド数としては、確変大当りが決定された場合、「15」が、非確変大当りが決定された場合、「8」がそれぞれ規定されている。なお、1回の大当り遊技における規定ラウンド数としては、小当り抽選に当選した場合、「1」が規定されている(図中では「−」と示す)。オープニング時間(図中では「OP時間」と示す)としては、大当り抽選に当選した場合、「10秒」が、小当り抽選に当選した場合、「0.004秒」がそれぞれ規定されている。大当り抽選に当選した場合、開放する大入賞装置としては、第2大入賞装置24が対応付けられており、1回のラウンド遊技において入球上限個数の遊技球の入球がない場合における第2大入賞口扉24bの最大開放時間としては「25秒」が規定されている。小当り抽選に当選した場合、開放する大入賞装置としては、第1大入賞装置23が対応付けられており、1回のラウンド遊技において入球上限個数の遊技球の入球がない場合における第1大入賞口扉23bの最大開放時間としては「1.092秒」が規定されている。また、ラウンド遊技の終了後のラウンドインターバル時間としては、大当り抽選に当選した場合、「2秒」が規定されている。小当り抽選に当選した場合、ラウンド遊技の終了後のラウンドインターバル時間が規定されていない。エンディング時間(図中では「ED時間」と示す)としては、大当り抽選に当選した場合、「13秒」が、小当り抽選に当選した場合、「0.004秒」がそれぞれ規定されている。
【0071】
図5(e)に示すように、確変大当りとなった場合、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される。この場合、次回の大当り遊技が付与されるまで(以降、「次回まで」と示す)確変状態の付与が継続される。非確変大当りとなった場合、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない。
【0072】
確変大当りとなった場合、大当り遊技の終了後に高ベース状態が付与される。この場合、次回まで高ベース状態の付与が継続される。非確変大当りとなった場合、大当り遊技の終了後に高ベース状態が付与される。この場合、規定回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームを上限として、高ベース状態の付与が継続可能である。
【0073】
図5(f)に示すように、振分装置40により第1流下通路42aに振り分けられた遊技球は、第1大入賞口23aの第1入賞領域R1に誘導される。振分装置40により第2流下通路42bに振り分けられた遊技球は、第1大入賞口23aの第2入賞領域R2に誘導される。振分装置40により第3流下通路42cに振り分けられた遊技球は、第2始動入賞口22aに誘導される。
【0074】
振分装置40により第1流下通路42aに振り分けられてから第1大入賞口23aに到達するまでの時間は、振分装置40により第3流下通路42cに振り分けられてから第2始動入賞口22aに到達するまでの時間を基準として、0.2秒遅くなるようになっている。振分装置40により第2流下通路42bに振り分けられてから第1大入賞口23aに到達するまでの時間は、振分装置40により第3流下通路42cに振り分けられてから第2始動入賞口22aに到達するまでの時間を基準として、0.1秒早くなるようになっている。
【0075】
なお、本実施形態において、振分装置40によって、1個の遊技球が第2始動入賞口22aに振り分けられた後に、2個の遊技球が第1大入賞口23aに振り分けられる。このことからすると、振分装置40により振り分けられる3個の遊技球のうち1個の遊技球が第2始動入賞口22aに入球することとなる。このため、当りとなる変動ゲームが実行されずに、第1大入賞口23aが開状態とならない場合には、3個の遊技球を発射しても、2個の遊技球が払い出されることとなり、遊技者の所持する遊技球が1個ずつ減少することとなる。つまり、第2始動入賞口22aへの遊技球の入球を契機とする賞球個数が、振分装置40によって第1大入賞口23aに振り分けられる遊技球の個数(所定個数)未満であれば、遊技者の所持する遊技球が減少する遊技性を提供することとなる。
【0076】
一方、小当りとなる変動ゲームが実行されて、第1大入賞口23aが開状態となる場合には、3個の遊技球を発射すると、1個の遊技球が第2始動入賞口22aに入球するとともに、2個の遊技球が第1大入賞口23aに入球し、32個の遊技球が払い出されることとなり、遊技者の所持する遊技球が29個増加することとなる。つまり、第1大入賞口23aへの遊技球の入球を契機とする賞球個数が、振分装置40によって第1大入賞口23aに振り分けられる遊技球の個数(所定個数)以上であれば、遊技者の所持する遊技球が増加する遊技性を提供することとなる。
【0077】
また、第2変動ゲームにおける小当り確率が約1/30と規定されている。このため、第2変動ゲームが実行される場合、約29/30の確率で、小当りに当選せずに、遊技球が1個減少し、約1/30の確率で、小当りに当選して、遊技球が29個増加することとなる。このように、第2変動ゲームが実行されることによって、第2始動入賞口22aへの遊技球の入賞によって遊技球の減少が軽減される一方で、小当りとなることにより、第1大入賞口23aへの遊技球の入賞によって遊技球が増加され、遊技者の所持する遊技球が維持されることとなる。そして、大当りとなることにより、第2大入賞口24aへの遊技球の入賞により多くの遊技球を獲得できる遊技性を提供することができる。
【0078】
次に、
図6に基づき、パチンコ遊技機の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機の機裏側には、主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機に関する各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。
【0079】
パチンコ遊技機の機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置16の表示態様(飾り図柄、背景、文字などの表示画像など)の決定に関する処理などを実行し、処理結果に応じて表示内容を制御する。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号に基づき、装飾ランプLAの発光態様、スピーカSPの音声出力態様を制御する。
【0080】
主制御基板30には、主制御用CPU30a、主制御用ROM30b及び主制御用RAM30cが設けられている。主制御用CPU30aと、主制御用ROM30b及び主制御用RAM30cとは接続されている。主制御基板30と、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、第1カウントセンサSE3、及び第2カウントセンサSE4とは接続されている。第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、第1カウントセンサSE3、及び第2カウントセンサSE4は、主制御用CPU30aへの検知信号を出力する。主制御基板30と、各特別図柄表示装置11,12、及び保留表示装置13とは接続されている。主制御用CPU30aは、各特別図柄表示装置11,12、及び保留表示装置13の表示内容を制御する。主制御基板30と、第1大入賞口ソレノイドSOL1及び第2大入賞口ソレノイドSOL2とは接続されている。主制御用CPU30aは、第1大入賞口ソレノイドSOL1及び第2大入賞口ソレノイドSOL2を制御する。
【0081】
主制御用ROM30bには、パチンコ遊技機に関する各種処理を実行するためのメイン制御プログラムが記憶されている。主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、変動ゲームが開始してから終了するまでの時間(変動時間)を特定可能とするパターンである。本実施形態における変動パターンでは、変動ゲームが開始してから終了するまでの間の遊技演出のベースとなるパターンを示すこともでき、当り抽選の当否、リーチ演出の有無など、変動ゲームの演出内容も特定することができる。
【0082】
変動パターンには、大当り変動演出を特定する大当り変動パターンと、小当り変動演出を特定する小当り変動パターンと、はずれリーチ変動演出を特定するはずれリーチ変動パターンと、はずれ変動演出を特定するはずれ変動パターンとがある。大当り変動パターン、小当り変動パターン、はずれリーチ変動パターン、及びはずれ変動パターンとして、それぞれ複数種類の変動パターンが規定されている。大当り変動演出は、原則として、リーチ演出を経て大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。小当り変動演出は、リーチ演出を経ることなく小当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ変動演出は、リーチ演出を経てはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ変動演出は、リーチ演出を経ることなくはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置16の飾り図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行われる演出である。なお、本実施形態において、第2変動ゲームである場合、大当り変動演出は、リーチ演出を経ることなく大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される。
【0083】
主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り抽選で用いられる大当り判定値が記憶されている。確変状態が付与されているときの大当り判定値の個数は、確変状態が付与されていないときの大当り判定値の個数よりも多くなっている。主制御用ROM30bには、リーチ演出を実行するか否かを決定するリーチ抽選で用いられるリーチ判定値が記憶されている。
【0084】
主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。例えば、主制御用RAM30cには、確変状態が付与されているか否かを示す主確変フラグが記憶される。主制御用RAM30cには、高ベース状態が付与されているか否かを示す主作動フラグが記憶される。
【0085】
主制御基板30では、当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、リーチ演出判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数が生成される。当り判定用乱数は、当り抽選に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、リーチ抽選に用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、特別図柄(大当りの種類)を決定する場合に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する場合に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数の取り得る値は、はずれ変動パターン、はずれリーチ変動パターン、小当り変動パターン及び大当り変動パターンの分類毎に、振り分けを異ならせている。なお、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
【0086】
演出制御基板31には、演出制御用CPU31a、演出制御用ROM31b及び演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用CPU31aと、演出制御用ROM31b及び演出制御用RAM31cとは接続されている。演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。例えば、演出制御用RAM31cには、確変状態が付与されているか否かを示す副確変フラグが記憶される。演出制御用RAM31cには、高ベース状態が付与されているか否かを示す副作動フラグが記憶される。演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
【0087】
演出制御用ROM31bには、遊技演出を実行させるための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(飾り図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。演出制御基板31と、演出表示装置16とは接続されている。演出制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、演出制御プログラムに基づき、演出表示装置16の表示内容を制御する。演出制御基板31と、装飾ランプLA及びスピーカSPとは接続されている。
【0088】
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。最初に、特別図柄入力処理について説明する。特別図柄入力処理は、主制御用CPU30aにより所定周期毎に実行されるようになっている。
【0089】
主制御用CPU30aは、第1始動センサSE1からの検知信号を入力したか否かに基づいて、第1始動入賞口21aに遊技球が入球したか否かを判定する第1保留判定を実行する。
【0090】
第1保留判定の判定結果が肯定の場合(第1始動入賞口21aに遊技球が入球した場合)、主制御用CPU30aは、保留記憶数が上限数(本実施形態では「4」)よりも少ないか否かを判定する第1保留記憶数判定を実行する。
【0091】
第1保留記憶数判定の判定結果が肯定の場合(上限数に達していない場合)、主制御用CPU30aは、第1保留制御処理を実行する。第1保留制御処理において、主制御用CPU30aは、以下のような処理を実行する。主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶される保留記憶数に「1」加算する。主制御用CPU30aは、更新後の保留記憶数を表示させるように保留表示装置13を制御する。主制御用CPU30aは、更新後の保留記憶数を指定する保留指定コマンドを出力する。主制御用CPU30aは、変動ゲームに係わる各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶する。なお、変動ゲームに係わる各種乱数の値は、第1始動入賞口21aへの遊技球の入球に応じて取得された取得順序が特定可能なように記憶される。
【0092】
一方、第1保留判定の判定結果が否定の場合(第1始動入賞口21aに遊技球が入球しなかった場合)、又は、第1保留記憶数判定の判定結果が否定の場合(第1保留記憶数の上限数に達していた場合)、主制御用CPU30aは、第1保留制御処理を実行しない。
【0093】
なお、本実施形態において、第1変動ゲームの実行が保留できる一方で、第2変動ゲームの実行が保留できないように制御される。このため、この特別図柄入力処理において、第1変動ゲームの実行の保留についての制御が行われるが、第2変動ゲームの実行の保留についての制御が行われない。
【0094】
次に、特別図柄開始処理について説明する。主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を所定周期毎に実行するようになっている。
主制御用CPU30aは、当り遊技中及び変動ゲームの実行中でない場合、保留記憶数を特定し、保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する。保留記憶数が「0」よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、第1変動ゲームの実行条件(第1実行条件)が成立したと判定し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶される特別図柄変動処理フラグに第1変動ゲームを実行することを示す値を設定する。なお、本実施形態では、当り遊技中及び変動ゲームの実行中でない場合であって、保留記憶数が「0」よりも大きいとき(すなわち、実行が保留されている第1変動ゲームが存在するとき)に、第1変動ゲームの実行条件が成立する。
【0095】
一方、保留記憶数が「0」の場合、主制御用CPU30aは、第2始動センサSE2からの検知信号を入力したか否かに基づいて、第2始動入賞口22aに遊技球が入球したか否かを判定する。第2始動入賞口22aに遊技球が入球しなかった場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、第2始動入賞口22aに遊技球が入球した場合、主制御用CPU30aは、第2変動ゲームの実行条件(第2実行条件)が成立したと判定し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶される特別図柄変動処理フラグに第2変動ゲームを実行することを示す値を設定する。なお、本実施形態では、当り遊技中及び変動ゲームの実行中でない場合であって、第1変動ゲームの実行条件が成立しておらず(第1変動ゲームの実行が保留されていることを示す保留記憶数が「0」である)、第2始動入賞口22aに遊技球が入球したときに、第2変動ゲームの実行条件が成立することとなる。
【0096】
次に、特別図柄変動処理フラグに第1変動ゲームを実行することを示す値が設定されている場合、主制御用CPU30aは、第1変動ゲームに係わる処理を実行する。この処理において、主制御用CPU30aは、第1変動ゲームに係わる乱数値(当り判定用乱数の値、変動パターン振分用乱数の値、特別図柄振分用乱数の値及びリーチ判定用乱数の値)のうち、取得順序に従って最も早く実行される第1変動ゲームに係わる乱数値を主制御用RAM30cから読み出す。主制御用CPU30aは、特定した保留記憶数を1減算し、当該保留記憶数を表示するように保留表示装置13の表示内容を変更させる。主制御用CPU30aは、更新後の保留記憶数を示す保留指定コマンドを出力する。
【0097】
主制御用CPU30aは、読み出した当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づき、特別図柄による大当り図柄の中から第1特別図柄表示装置11にて確定停止表示される最終停止図柄を決定する。これによって、主制御用CPU30aは、確定停止表示される最終停止図柄に対応する大当りの種類を決定することとなる。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数に基づき、大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。なお、本実施形態において、変動パターンを決定する主制御用CPU30aが変動時間決定部に相当する。
【0098】
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第1変動ゲームに関する各種処理を実行する。
【0099】
具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定すると共に変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。なお、変動パターン指定コマンドは、第1変動ゲームと第2変動ゲームとの何れが実行されるかについて特定できるコマンドである。主制御用CPU30aは、特別図柄の変動表示を開始させるように第1特別図柄表示装置11の表示内容を制御する。主制御用CPU30aは、第1変動ゲームの変動時間の計測を開始する。主制御用CPU30aは、最終停止図柄及び大当りの種類を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0100】
その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特別図柄表示装置11の表示内容を制御する。主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、変動ゲームの終了を指示し、飾り図柄を確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0101】
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU30aは、読み出した当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている小当り判定値と一致するか否かを判定して小当り判定(小当り抽選)を行う。小当り判定の判定結果が肯定の場合(小当りの場合)、主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づき、特別図柄による小当り図柄の中から第1特別図柄表示装置11にて確定停止表示される最終停止図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数に基づき、小当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。
【0102】
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、大当りの場合と同じように、演出制御基板31に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0103】
一方、小当り判定の判定結果が否定の場合(小当りでない場合)、主制御用CPU30aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定するリーチ判定を行う。本実施形態では、主制御用CPU30aは、読み出したリーチ判定用乱数がリーチ判定値に一致するか否かにより当選判定を行う。
【0104】
リーチ判定の判定結果が肯定の場合(リーチ演出を行う場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を第1特別図柄表示装置11にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれリーチ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
【0105】
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、大当りの場合と同じように、演出制御基板31に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0106】
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を第1特別図柄表示装置11にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
【0107】
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、大当りの場合と同じように、演出制御基板31に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0108】
次に、特別図柄変動処理フラグに第2変動ゲームを実行することを示す値が設定されている場合、主制御用CPU30aは、第2変動ゲームに係わる処理を実行する。この処理において、主制御用CPU30aは、第2変動ゲームに係わる乱数値(当り判定用乱数の値、変動パターン振分用乱数の値、特別図柄振分用乱数の値及びリーチ判定用乱数の値)のうち、取得順序に従って最も早く実行される第2変動ゲームに係わる乱数値を主制御用RAM30cから読み出す。
【0109】
以下、読み出した乱数に基づき、第2変動ゲームに係わる処理を実行するが、第1変動ゲームにおける処理と同様であるため、異なる処理について説明し、同じような処理について詳細な説明は省略する。第2変動ゲームに係わる処理では、上記「第1変動ゲーム」を対象とした制御を「第2変動ゲーム」を対象とした制御として読み替え、上記「第1特別図柄表示装置11」を対象とした制御を「第2特別図柄表示装置12」を対象とした制御として読み替える。
【0110】
本実施形態において、第2変動ゲームに係わる処理において、主制御用CPU30aは、第1変動ゲームとは異なり、保留記憶数の減算処理、保留記憶数の表示処理、保留指定コマンドの出力処理など、第2変動ゲームの実行の保留に関する処理を実行しない。
【0111】
また、第2変動ゲームに係わる処理において、主制御用CPU30aは、第1変動ゲームとは異なり、リーチ判定の判定結果が肯定の場合(リーチ演出を行う場合)であっても、はずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。これによって、第2変動ゲームにおいて、はずれリーチ変動パターンが決定されない。
【0112】
主制御用CPU30aは、大当りとなる変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、演出制御基板31に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
【0113】
具体的に、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始を契機としてオープニング時間を開始させ、オープニング時間が開始したことを指示するオープニングコマンドを演出制御基板31に出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の終了後、各ラウンド遊技を制御し、各ラウンド遊技の開始を契機にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御基板31に出力する。主制御用CPU30aは、ラウンド遊技毎に、第2大入賞口24aを開状態及び閉状態に制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、入球上限個数の遊技球が入賞するまでの間、又はラウンド遊技毎に予め決められた規定時間が経過するまでの間、第2大入賞口24aを所定の開放態様で開状態に制御する。
【0114】
主制御用CPU30aは、ラウンド遊技が終了した場合には、第2大入賞口24aを閉状態に制御し、ラウンド遊技毎に予め決められたラウンドインターバル時間を経過するまで、第2大入賞口24aを閉状態に維持する。これらの一連の制御を、規定ラウンド数に達するまで実行する。
【0115】
規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、主制御用CPU30aは、エンディング時間を開始させ、エンディング時間が開始したことを指示するエンディングコマンドを演出制御基板31に出力する。エンディング時間が経過すると、主制御用CPU30aは、大当り遊技を終了させる。
【0116】
大当り遊技を終了する場合、主制御用CPU30aは、決定された大当りの種類(特別図柄の種類)に基づいて、確変状態を付与する場合には、主確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値を設定する。一方、主制御用CPU30aは、確変状態を付与しない場合には、主確変フラグに確変状態が付与されていないことを示す値を設定する。なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技が付与された場合、主確変フラグの値を一旦リセットする。
【0117】
大当り遊技を終了する場合、主制御用CPU30aは、主作動フラグに高ベース状態が付与されていることを示す値を設定する。主制御用CPU30aは、大当りの種類に基づいて、高ベース状態を付与する回数を示す値を主作動回数フラグに設定する。主制御用CPU30aは、変動ゲームが実行される毎に主作動回数フラグを「1」減算し、「0」となった場合に、主作動フラグの値をリセットする。主制御用CPU30aは、主作動回数フラグに設定された値を指定する作動回数指定コマンドを演出制御基板31に出力する。なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技が付与された場合、主作動フラグ及び主作動回数フラグの値を一旦リセットする。なお、本実施形態において、主作動フラグに高ベース状態が付与されていることを示す値を設定する主制御用CPU30aが高ベース状態を付与する特定状態付与部に相当する。
【0118】
主制御用CPU30aは、小当りとなる変動ゲームの終了後、小当り遊技の制御を開始し、演出制御基板31に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
具体的に、主制御用CPU30aは、小当り遊技の開始を契機としてオープニング時間を開始させ、オープニング時間が開始したことを指示するオープニングコマンドを演出制御基板31に出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の終了後、ラウンド遊技を制御し、ラウンド遊技の開始を契機にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御基板31に出力する。主制御用CPU30aは、ラウンド遊技において、第1大入賞口23aを開状態に制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、入球上限個数の遊技球が入賞するまでの間、又はラウンド遊技に予め決められた規定時間が経過するまでの間、第1大入賞口23aを所定の開放態様で開状態に制御する。
【0119】
主制御用CPU30aは、ラウンド遊技が終了した場合には、第1大入賞口23aを閉状態に制御し、エンディング時間を開始させ、エンディング時間が開始したことを指示するエンディングコマンドを演出制御基板31に出力する。エンディング時間が経過すると、主制御用CPU30aは、小当り遊技を終了させる。
【0120】
このように、本実施形態において、小当りとなる変動ゲームが実行された後に、小当り遊技のラウンド制御が開始されることで第1大入賞口23aの開条件が成立することとなる。また、第1大入賞口23aに所定個数(本実施形態では2個)の遊技球が入球することにより第1大入賞口23aの閉条件が成立することとなる。
【0121】
小当り遊技を終了する場合、主制御用CPU30aは、遊技状態を維持する。このため、主制御用CPU30aは、小当り遊技を終了する場合、大当り遊技を終了する場合とは異なり、主確変フラグ及び主作動フラグを更新しないように制御する。
【0122】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、演出制御用CPU31aは、それに応じて各種処理を実行する。
【0123】
例えば、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、確定停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。
【0124】
すなわち、演出制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄が大当り図柄である場合には、大当りの図柄組み合わせを決定する。演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が小当り図柄である場合には、小当りの図柄組み合わせを決定する。演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄がはずれ図柄である場合において、はずれリーチ変動パターンが指定されたときには、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄がはずれ図柄である場合において、はずれ変動パターンが指定されたときには、はずれの図柄組み合わせを決定する。
【0125】
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、飾り図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置16を制御する。演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、変動ゲーム(飾り図柄変動ゲーム)に伴う演出を実行させるように装飾ランプLA及びスピーカSPを制御する。その後、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、変動ゲームに伴う演出を終了させると共に、決定した図柄組み合わせを確定停止表示させる。
【0126】
特に、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドにより大当り変動パターンが指定された場合、第1変動ゲームが実行されるときには、リーチ演出を実行させるように演出表示装置16を制御する一方で、第2変動ゲームが実行されるときには、リーチ演出を実行させないように演出表示装置16を制御する。また、第2変動ゲームでは、はずれリーチ変動パターンが決定されない。このことからすると、第2変動ゲームにおいてリーチ演出が実行されないこととなる。
【0127】
最終停止図柄として大当り図柄が指定された場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後、大当り図柄に基づいて、確変状態が付与されるときには、副確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値を設定する。一方、演出制御用CPU31aは、確変状態が付与されないときには、副確変フラグに確変状態が付与されていないことを示す値を設定する。
【0128】
最終停止図柄として大当り図柄が指定された場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後、副作動フラグに高ベース状態が付与されていることを示す値を設定するとともに、副作動回数フラグの値に作動回数を設定する。演出制御用CPU31aは、作動回数指定コマンドによって指定される値に基づいて、副作動回数フラグの値を更新する。なお、副作動回数フラグの値が「0」となった場合、演出制御用CPU31aは、副作動フラグから高ベース状態が付与されていることを示す値を消去する。
【0129】
次に、
図7を参照して本実施形態のパチンコ遊技機における変動パターンについて説明する。
図7に示すように、本実施形態の変動パターンは、大当りとなるか、小当りとなるか、当りとならない場合にはずれリーチ演出を実行させるか否かによって選択される。具体的には、変動パターンHP14,HP22,HP25が大当り変動パターンとして規定されている。変動パターンHP15,HP23,HP26が小当り変動パターンとして規定されている。変動パターンHP13がはずれリーチ変動パターンとして規定されている。変動パターンHP11,HP12,HP21,HP24がはずれ変動パターンとして規定されている。
【0130】
第1変動ゲームにおいて選択可能な変動パターンとしては、変動パターンHP11〜HP15が、第2変動ゲームにおいて選択可能な変動パターンとしては、変動パターンHP21〜HP26がそれぞれ規定されている。
【0131】
低ベース状態において選択可能な変動パターンとしては、変動パターンHP21〜HP23が、高ベース状態において選択可能な変動パターンとしては、変動パターンHP24〜HP26がそれぞれ規定されている。なお、低ベース状態と高ベース状態との両方において選択可能な変動パターンとしては、変動パターンHP11〜HP15が規定されている。
【0132】
第1変動ゲームにおいて選択可能な変動パターンHP12は、変動パターンHP11の変動時間を短縮させる変動パターンである。高ベース状態では、低ベース状態よりも変動パターンHP12が決定され易くなっている。
【0133】
また、高ベース状態及び第2変動ゲームにおいて選択可能な変動パターンHP24〜HP26は、低ベース状態及び第2変動ゲームにおいて選択可能な変動パターンHP21〜HP23の変動時間を短縮させる変動パターンである。このため、高ベース状態である場合には、低ベース状態である場合よりも、変動時間が短縮される変動パターンが決定され易くなる。また、変動ゲームが終了した後に、次の変動ゲームが実行可能となるまでの変動インターバル時間としては、0.1秒が規定されている。
【0134】
なお、本実施形態において、低ベース状態及び第2変動ゲームにおいて選択可能な変動パターンHP21〜HP23には、他の変動パターンと比べて極めて長い変動時間が規定されている。これは、低ベース状態において第2変動ゲームを実行させることを抑制させるために、極めて長い変動時間で第2変動ゲームが実行されることにより、意図して遊技を円滑に実行させないようにしている。
【0135】
ここで、
図8を参照して遊技の進行について説明する。なお、小当り遊技のオープニング時間とエンディング時間とが極めて短い時間として規定されているため、
図8における図示を省略している。
【0136】
本実施形態において、発射ハンドルHDが操作されている場合、所定周期(一般的には0.6秒)で遊技球が発射される。このため、振分装置40の入球口41にも所定周期で遊技球が到達し、振分装置40により所定周期で遊技球が各流下通路42a〜42cの何れかに振り分けられると仮定する。
【0137】
この場合、
図8に示すように、同じ周期で遊技球が各種役物に到達すると仮定すると、符号T11に示すタイミングで、1個目の遊技球(符号B1に示す)が第2始動入賞口22aに到達する。次に、符号T11に示すタイミングから0.6秒後である符号T12に示すタイミングで、2個目の遊技球が第1大入賞口23aに到達することとなる。続いて、符号T12に示すタイミングから0.6秒後である符号T16に示すタイミングで、3個目の遊技球が第1大入賞口23aに到達することとなる。そして、符号T16に示すタイミングから0.6秒後である符号T17に示すタイミングで、次の1個目の遊技球が第2始動入賞口22aに到達することとなる。
【0138】
図5(f)に示すように、本実施形態において、第3流下通路42cに振り分けられた1個目の遊技球が振分装置40により振り分けられてから第2始動入賞口22aに到達するまでの時間を基準として、第1流下通路42aに振り分けられた2個目の遊技球が第1大入賞口23aに到達するまでの時間のほうが0.2秒長くなる。また、第3流下通路42cに振り分けられた1個目の遊技球が振分装置40により振り分けられてから第2始動入賞口22aに到達するまでの時間を基準として、第2流下通路42bに振り分けられた3個目の遊技球が第1大入賞口23aに到達するまでの時間のほうが0.1秒短くなる。
【0139】
このようなことから、0.6秒周期で遊技球が振り分けられても、第1流下通路42aに振り分けられた2個目の遊技球が第1大入賞口23aに到達する時間が0.2秒遅れ、第2流下通路42bに振り分けられた3個目の遊技球が第1大入賞口23aに到達する時間が0.1秒早くなる。
【0140】
具体的な一例としては、
図8に示すように、符号T11に示すタイミングから0.8秒後である符号T14に示すタイミングで、2個目の遊技球(符号B2に示す)が第1大入賞口23aに到達する。そして、符号T12に示すタイミングから0.5秒後である符号T15に示すタイミングで、3個目の遊技球(符号B3に示す)が第1大入賞口23aに到達することとなる。
【0141】
また、高ベース状態で第2変動ゲームが実行され、その第2変動ゲームにおいて小当りに当選した場合を一例として説明する。この場合、符号T11に示すタイミングで、第2変動ゲーム(図中では「ゲーム」と示す)の実行が開始される。高ベース状態において、小当りとなる第2変動ゲームの変動時間が0.6秒として規定されている。このため、符号T11に示すタイミングから0.6秒後である符号T12に示すタイミングで、第2変動ゲームの実行が終了する。そして、変動ゲームの変動インターバル時間が0.1秒として規定されており、符号T12に示すタイミングから0.1秒後である符号T13に示すタイミングから小当り遊技が開始されることとなる。なお、本実施形態において、2個目の遊技球が第1大入賞口23aに到達するタイミングを遅らせている。これにより、第1大入賞口23aが開状態であるときに、2個目の遊技球が第1大入賞口23aに到達することとなる。
【0142】
小当り遊技に制御される時間としては、オープニング時間と、ラウンド遊技の規定時間と、エンディング時間との合計時間である1.1秒が上限となる。このため、符号T13に示すタイミングから、その1.1秒後である符号T17に示すタイミングまでで小当り遊技を行うことができることとなる。このため、符号T13に示すタイミングからオープニング時間が経過すると、第1大入賞口扉23bが開状態に動作し、符号T17に示すタイミングの直前(エンディング時間だけ前のタイミング)まで、開状態を継続することが可能である。
【0143】
このように、高ベース状態において小当りとなる第2変動ゲームが実行され、小当り遊技が付与されることとなるが、符号T14に示すタイミングで2個目の遊技球が第1大入賞口23aに到達することとなり、第1大入賞口23aが開状態であるときに到達するように2個目の遊技球が振り分けられることとなる。つまり、振分装置40により第3流下通路42cに1個目の遊技球が振り分けられてから第1大入賞口23aが開状態となるまでの時間は、振分装置40により第3流下通路42cに1個目の遊技球が振り分けられてから、第1流下通路42aに振り分けられた2個目の遊技球が第1大入賞口23aに到達するまでの時間よりも短くなる。また、言い換えると、第1大入賞口23aが開状態を取った後に、第1大入賞口23a(第1流下通路42a)に振り分けられた2個目の遊技球が第1大入賞口23aに到達するように、高ベース状態において小当りとなる第2変動ゲームの変動時間や変動インターバル時間、小当り遊技におけるオープニング時間がそれぞれ規定されている。
【0144】
また、符号T15に示すタイミングで、3個目の遊技球が第1大入賞口23aに到達することとなり、第1大入賞口23aが開状態であるときに、3個目の遊技球が到達することとなる。そして、第1大入賞口23aに入球した入球個数が小当り遊技における入球上限個数(2個)となり、第1大入賞口扉23bが閉状態に動作する。このように、3個目の遊技球が第1大入賞口23aに到達する符号T15に示すタイミングで第1大入賞口23aが開状態となるように、高ベース状態における第2変動ゲームの変動時間や変動インターバル時間、小当り遊技におけるオープニング時間及びラウンド遊技の規定時間が規定されている。もちろん、3個目の遊技球は、2個目の遊技球よりも遅く第1大入賞口23aに到達するように振り分けられることとなる。
【0145】
特に、3個目の遊技球は、第2流下通路42bを流下して、第1カウントセンサSE3が設けられた通過領域23cに近い第2入賞領域R2に遊技球が誘導される(振り分けられる)ことによって、第1大入賞口23aに入球した入球個数が小当り遊技における入球上限個数となったことが迅速に検知可能となる。
【0146】
そして、符号T15に示すタイミングで、小当り遊技が終了すると、次の第2変動ゲームの実行が可能となる(図中では「ゲーム実行可能」と示す)。続いて、符号T17に示すタイミングで、次の1個目の遊技球が第2始動入賞口22aに到達すると、第2始動入賞口22aへの遊技球の入球により、第2変動ゲームが実行可能となる。このように、次の1個目の遊技球が第2始動入賞口22aに到達する符号T17に示すタイミングで、小当り遊技が終了しているように、高ベース状態における第2変動ゲームの変動時間と、小当り遊技のオープニング時間、ラウンド遊技の規定時間及びエンディング時間が規定されている。
【0147】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)振分装置40は、1個の遊技球を第2始動入賞口22aに振り分けた後に、2個の遊技球を第1大入賞口23aに振り分ける動作を繰り返し行う。第1大入賞口扉23bは、第2始動入賞口22aに遊技球が入球して開条件が成立すると開状態を取ることができる。開条件が成立する場合、振分装置40により第2始動入賞口22aに遊技球が振り分けられてから第1大入賞口扉23bが開状態を取るまでの時間は、振分装置40により第2始動入賞口22aに遊技球が振り分けられてから第1大入賞口23aに振り分けられる最初の遊技球が第1大入賞口23aに到達するまでの時間よりも短い。このため、第2始動入賞口22aに遊技球が入球して開条件が成立する場合、第1大入賞口扉23bが開状態を取った後に最初の遊技球が第1大入賞口23aに到達することとなり、振分装置40を用いた遊技を円滑に進行させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0148】
(2)特に、第2始動入賞口22aに遊技球が振り分けられた後に第1大入賞口23aに振り分けられる最初の遊技球が、第1大入賞口扉23bが開状態を取った後に第1大入賞口23aに到達するように、小当りとなる変動ゲームの変動時間が決定される。このため、第2始動入賞口22aに遊技球が入球して小当りとなる変動ゲームが実行され、開条件が成立する場合、第1大入賞口扉23bが開状態を取ってから最初の遊技球が第1大入賞口23aに到達することとなり、振分装置40を用いた遊技を円滑に進行させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0149】
(3)また、振分装置40は、1個の遊技球を第2始動入賞口22aに振り分けた後に、2個の遊技球を第1大入賞口23aに振り分ける動作を繰り返し行う。第1大入賞口扉23bは、第2始動入賞口22aに遊技球が入球して開条件が成立すると開状態を取ることができる。振分装置40は、開条件が成立する場合、第2始動入賞口22aに遊技球が振り分けられた後に第1大入賞口23aに振り分けられる最初の遊技球が、第1大入賞口扉23bが開状態を取った後に第1大入賞口23aに到達するように遊技球を振り分ける。このため、第2始動入賞口22aに遊技球が入球して開条件が成立する場合、第1大入賞口扉23bが開状態を取った後に最初の遊技球が第1大入賞口23aに到達することとなり、振分装置40を用いた遊技を円滑に進行させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0150】
(4)振分装置40により第1大入賞口23aに振り分けられた遊技球が流下する流下通路42には、第1流下通路42aと、第1流下通路42aよりも第1大入賞口23aに到達する時間が短い第2流下通路42bとがある。振分装置40は、第2始動入賞口22aに遊技球が振り分けられた後に第1大入賞口23aに振り分けられる最初の遊技球を第1流下通路42aに振り分ける。その一方で、次の遊技球を第2流下通路42bに振り分ける。このため、第2始動入賞口22aに遊技球が入球して開条件が成立する場合、第1大入賞口扉23bが開状態を取った後に最初の遊技球が第1大入賞口23aに到達することとなり、振分装置40を用いた遊技を円滑に進行させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0151】
(5)振分装置40は、1個の遊技球を第2始動入賞口22aに振り分けた後に、2個の遊技球を第1大入賞口23aに振り分ける動作を繰り返し行う。第1大入賞口扉23bは、第2始動入賞口22aに遊技球が入球して開条件が成立すると開状態を取ることができる一方で、第1大入賞口23aに2個の遊技球が入球して閉条件が成立すると閉状態を取ることができる。第1大入賞口23aには、遊技球が入球可能な第1入賞領域R1と第2入賞領域R2とがあり、第2入賞領域R2は、第1入賞領域R1よりも、第1カウントセンサSE3が設けられた通過領域23c(設置位置)に近い領域である。振分装置40は、第2始動入賞口22aに遊技球が振り分けられた後に第1大入賞口23aに振り分けられる最後の遊技球が第2入賞領域R2に到達するように遊技球を振り分ける。このため、閉条件が成立し得る最後の遊技球が、第1カウントセンサSE3が設けられた通過領域23cに近い第2入賞領域R2に到達することとなる。したがって、最後の遊技球の入球を早期に検知することができ、振分装置40を用いた遊技を円滑に進行させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0152】
(6)第2始動入賞口22aに遊技球が入球して第2変動ゲームの実行条件が成立すると第2変動ゲームが実行される。第2変動ゲームの実行条件は、小当り遊技が行われていないときに第1大入賞口扉23bが閉状態を取っている場合に成立可能である。このため、閉条件が成立し得る最後の遊技球が、第1カウントセンサSE3が設けられた通過領域23cに近い第2入賞領域R2に到達することとなる。したがって、最後の遊技球の入球を早期に検知することができ、第2変動ゲームの実行条件が早期に成立可能となり、振分装置40を用いた遊技を円滑に進行させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0153】
(7)振分装置40により第1大入賞口23aに振り分けられた遊技球が流下する流下通路42には、第1入賞領域R1に到達する第1流下通路42aと、第2入賞領域R2に到達する第2流下通路42bとがある。振分装置40は、第2始動入賞口22aに遊技球が振り分けられた後に第1大入賞口23aに振り分けられる最後の遊技球を第2流下通路42bに振り分ける。このため、閉条件が成立し得る最後の遊技球が、第2流下通路42bに振り分けられ、第1カウントセンサSE3が設けられた通過領域23cに近い第2入賞領域R2に到達することとなる。したがって、最後の遊技球の入球を早期に検知することができ、実行条件が早期に成立可能となり、振分装置40を用いた遊技を円滑に進行させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0154】
(8)第2始動入賞口22aに遊技球が入球したが第2変動ゲームの実行条件が成立しないときには第2変動ゲームの実行が保留されない。このため、第2始動入賞口22aに遊技球が入球して第2変動ゲームの実行条件が成立するときに第2変動ゲームが実行されることで、振分装置40による遊技球を振り分けるタイミングを想定し易くなり、振分装置40を用いた遊技を円滑に進行させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0155】
(9)第1大入賞口23aに振り分けられる遊技球の個数は、第1大入賞口23aへの遊技球の入球を契機とする賞球個数未満であり、第2始動入賞口22aへの遊技球の入球を契機とする賞球個数以上である。このため、開条件が成立していない場合には、振分装置40の動作により第2始動入賞口22aに遊技球が入球したことを契機として賞球が得られるものの遊技球が増加しない。その一方で、開条件が成立した場合には、振分装置40の動作により第2始動入賞口22aに遊技球が入球したことと第1大入賞口23aに遊技球が入球したこととを契機として、賞球が得られて遊技球が増加することとなる。したがって、開条件が成立しなくても遊技球を著しくは減少させずに、開条件が成立することに対する期待感を高揚させることができる遊技性を提供することができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0156】
次に、本発明を具体化した第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0157】
第1実施形態では、高ベース状態において第2始動入賞口22aに遊技球が入球し易くならなかったが、これに限らない。例えば、第2実施形態のように、高ベース状態において第2始動入賞口22aに遊技球が入球し易くなってもよい。
【0158】
具体的な一例をあげると、第2始動入賞装置22には、普通電動役物ソレノイドの作動により第2始動入賞口22aの開閉動作を行う開閉部材(普通電動役物)が設けられている。開閉部材は、第2始動入賞口22aに遊技球が入球不能な(入球が規制された)閉状態と、遊技球が入球可能な(入球が許容された)開状態とに動作する。開閉部材は、予め定めた開条件が成立すると、所定の開放態様で開状態に動作する。
【0159】
遊技盤YBには、普通図柄表示装置が設けられている。普通図柄表示装置では、複数種類の普通図柄を変動させて表示する普通図柄変動ゲームが行われる。以下の説明では、単に「普図」と示す場合、普通図柄を指すものとし、単に「普図ゲーム」と示す場合、普通図柄変動ゲームを指すものとする。普図ゲームと変動ゲームとは、同時に実行できる。
【0160】
普通図柄表示装置では、複数種類の普図のうち普通当り抽選の抽選結果に対応する1つの普図が普図ゲームの終了に伴い確定停止表示される。普図には、普通当りを認識し得る普通当り図柄と、普通はずれを認識し得る普通はずれ図柄とがある。普通当り図柄が確定停止表示された場合、普通当り遊技が付与される。
【0161】
遊技盤YBにおいて、遊技領域YRには、遊技球が入球(通過)可能な作動ゲートが設けられている。作動ゲートは、振分装置40の上流に設けられているが、これに限らず、例えば、第2流下通路42bなどの各流下通路42a〜42cの何れかに設けられてもよく、左側流路Xや演出表示装置16の下方に設けられてもよい。作動ゲートには、入球(通過)した遊技球を検知するゲートセンサが設けられている。作動ゲートを通過した遊技球がゲートセンサにより検知されたことを契機に、普図ゲームの始動条件が付与され得る。
【0162】
普通当り遊技が付与されると、第2始動入賞装置22の開閉部材が開状態に動作され、第2始動入賞口22aが開状態となり、第2始動入賞口22aへの遊技球の入球が許容される。このため、普通当り遊技が付与されると、第2始動入賞口22aに遊技球を入球させやすくなり、第2変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を遊技者に与えることができる。
【0163】
また、高ベース状態では、次に示す4つの制御のうち任意に選択された1の制御を実行することにより、又は複数の制御を組み合わせて実行することにより実現できる。第1の制御は、普図ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普図ゲームの変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通当り抽選の確率変動制御である。第3の制御は、普通当り抽選に当選したことに基づく開閉部材の合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、普通当り抽選に当選したことに基づく開閉部材の開放回数を低ベース状態のときよりも多くする制御、及び普通当り抽選に当選したことに基づく開閉部材の1回の開放時間を低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を実行するとよい。
【0164】
ゲートセンサと主制御用CPU30aとは接続されている。主制御用CPU30aは、ゲートセンサからの検知信号を入力したか否かに基づいて、通過ゲートを遊技球が通過したか否かを判定する。普通電動役物ソレノイドと主制御用CPU30aとは接続されている。主制御用CPU30aは、普通電動役物ソレノイドを制御する。このように、主制御用CPU30aは、普図ゲームに関する制御を行うこととなる。
【0165】
特に、第2実施形態において、普図ゲームの実行が保留されず、高ベース状態では、低ベース状態よりも、普図ゲームの変動時間が極端に短くなるとともに、普通当り遊技において開閉部材の開放時間が長くなるように規定されている。これによって、振分装置40による遊技球を振り分けるタイミングを想定し易くなり、振分装置40を用いた遊技を円滑に進行させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。また、低ベース状態では、高ベース状態よりも、第2変動ゲームの変動時間が極めて長くする必要性もない。
【0166】
以上詳述したように、第2実施形態は、第1実施形態における(1)〜(9)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(10)高ベース状態では、低ベース状態よりも、第2始動入賞口22aに遊技球が入球し易く、第2変動ゲームが実行され易くなる。このため、第1変動ゲームが実行される遊技性と、第2変動ゲームが実行される遊技性とを円滑に進行することができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0167】
次に、本発明を具体化した第3実施形態について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0168】
第2実施形態では、第1変動ゲームと第2変動ゲームとが実行可能であったが、これに限らない。例えば、第3実施形態のように、変動ゲームと役物ゲームとが実行可能であってもよい。
【0169】
具体的な一例をあげると、第2実施形態における第2始動入賞口22aへの遊技球の入球により、所定時間が経過した後に、第1大入賞口23aが開状態となる。高ベース状態では、低ベース状態よりも、第2始動入賞口22aの開閉部材が開状態となり易くなっている。このため、高ベース状態では、第2始動入賞口22aに遊技球を入球させるべく、右側流路Yに遊技球が発射される。
【0170】
第1大入賞口23aの通過領域23cの奥方には、1個の特殊通過領域と所定個数の非特殊通過領域とが分岐するように設けられており、特殊通過領域を遊技球が通過したときに、第2大入賞口24aが開状態となる。
【0171】
このような構成において、第2始動入賞口22aに遊技球が入球してから所定時間が経過した後に、主制御用CPU30aは、第1大入賞口23aを開状態に制御する。この場合、第2実施形態における第2変動ゲームの変動時間及び変動インターバル時間と小当り遊技におけるオープニング時間とが、所定時間に相当する。つまり、振分装置40により第2始動入賞口22aに遊技球が振り分けられてから第1大入賞口扉23bが開状態を取るまでの時間は、振分装置40により第2始動入賞口22aに遊技球が振り分けられてから第1大入賞口23aに振り分けられる最初の遊技球が第1大入賞口23aに到達するまでの時間よりも短くなればよい。また、振分装置40は、開条件が成立する場合、第2始動入賞口22aに遊技球が振り分けられた後に第1大入賞口23aに振り分けられる最初の遊技球が、第1大入賞口扉23bが開状態を取った後に第1大入賞口23aに到達するように遊技球を振り分ければよい。
【0172】
以上詳述したように、第3実施形態は、第2実施形態における(1)〜(10)の効果を有する。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
【0173】
・第3実施形態において、第1大入賞口23aが開状態となった場合、特殊通過領域を遊技球が通過したことにより第2大入賞口24aが開状態とされたが、これに限らない。例えば、特殊通過領域を遊技球が通過したことにより、第1大入賞口23aの開状態となる遊技が終了した後に、確変状態が付与される一方で、特殊通過領域を遊技球が通過しないことにより、第1大入賞口23aの開状態となる遊技が終了した後に、確変状態が付与されないように制御してもよい。この場合、第2始動入賞口22aに遊技球が入球したことを契機として、第2変動ゲームが実行される。また、大当りとなる第2変動ゲームが終了した後に、第1大入賞口23aが開状態となる大当り遊技が付与される。そして、大当り遊技中に特殊通過領域を通過することにより、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されるように構成してもよい。
【0174】
・上記実施形態において、第1変動ゲームの実行が保留可能な保留上限数として「4」が規定されたが、これに限らず、例えば、「5」以上であっても、「3」以下であってもよい。また、第1変動ゲームの実行が保留可能に制御したが、これに限らず、例えば、第1変動ゲームの実行が保留できないように制御してもよい。また、第2変動ゲームの実行が保留できないように制御したが、これに限らず、例えば、第2変動ゲームの実行が保留可能に制御してもよく、その保留上限数は問わない。
【0175】
・上記実施形態において、各大入賞口23a,24aに異なる入球上限個数が規定されたが、これに限らず、例えば、各大入賞口23a,24aに同じ入球上限個数が規定されてもよい。
【0176】
・上記実施形態において、大当り遊技と小当り遊技とで異なる大入賞装置を制御したが、これに限らず、例えば、同じ大入賞装置を制御してもよく、1つの大入賞装置が設けられても複数の大入賞装置が設けられてもよい。また、例えば、各大入賞装置23,24において、扉形状の開閉部材(所謂「アタッカー」)でなくても、奥行き方向に可動する開閉部材など、開閉部材の形状や開放態様は問わない。
【0177】
・第1実施形態及び第2実施形態において、例えば、複数の変動ゲームのうち一方が優先的に実行されるか、入賞順に実行されるか、複数の変動ゲームが同時に実行されるかも問わない。また、1種類の変動ゲームが実行されてもよい。
【0178】
・上記実施形態において、所謂1種のパチンコ遊技機や1種2種混合機を採用したが、2種や3種等のパチンコ遊技機の種類には限られない。
・上記実施形態において、2個の振分部材を用いた振分装置が採用されたが、これに限らず、例えば、1個又は3個以上の振分部材を用いた振分装置が採用されてもよい。
【0179】
・上記実施形態において、1個の遊技球を第2始動入賞口22aに振り分けた後に、2個の遊技球を第1大入賞口23aに振り分けたが、これに限らず、例えば、1個又は3個以上の遊技球を第1大入賞口23aに振り分けてもよい。
【0180】
・上記実施形態において、第1大入賞口23aに振り分けられる2個の遊技球のうち、最初の遊技球が第1流下通路42aに、最後の遊技球が第2流下通路42bにそれぞれ振り分けられたが、これに限らない。例えば、第1大入賞口23aに振り分けられる3個以上の遊技球のうち、最初及び最後ではない遊技球が第1流下通路42aに振り分けられても、第2流下通路42bに振り分けられてもよい。
【0181】
・上記実施形態において、第1大入賞口23aに振り分けられる2つの流下通路が形成されたが、これに限らず、例えば、第1大入賞口23aに振り分けられる1つ又は3つ以上の流下通路が形成されてもよい。
【0182】
・上記実施形態において、右側流路Yを流下する全ての遊技球が振分装置40の入球口41に入球するように構成したが、これに限らず、例えば、右側流路Yを流下する一部の遊技球が振分装置40の入球口41に入球するが、残りの遊技球が振分装置40の入球口41に入球しないように構成してもよい。その場合、振分装置40の上流に開閉部材が設けられ、高ベース状態において開状態となり易くなるように制御してもよい。
【0183】
・上記実施形態において、第2始動入賞口22a及び第1大入賞口23aまで振分装置40の各流下通路42a〜42cが形成されていたが、これに限らず、例えば、振分装置40の各流下通路42a〜42cと、第2始動入賞口22a及び第1大入賞口23aとの間に、障害釘などにより各流下通路が形成されていてもよい。また、例えば、振分装置40とは別で、障害釘などにより各流下通路が形成されていてもよい。
【0184】
・上記実施形態において、各流下通路42a〜42cで流下距離を異ならせたが、これに限らず、例えば、遊技球の流下を遅らせる構成(所謂、「球殺し」)が形成されていれば、各流下通路42a〜42cで流下距離を同じとしてもよい。
【0185】
・上記実施形態において、遊技球の自重により振分部材が遊技球を振り分ける振分装置40が採用されたが、これに限らず、例えば、モータやソレノイドなどの駆動部材を備え、駆動部材の駆動により振分部材が遊技球を振り分ける振分装置が採用されてもよく、駆動部材が主制御用CPU30aによって制御されてもよい。また、駆動部材の制御が行われることによって、第2始動入賞口22aや第1大入賞口23aへの遊技球の到達時間を制御してもよい。この場合、例えば、第1大入賞口23aへの流下通路が1つであってもよい。
【0186】
・上記実施形態において、例えば、高ベース状態において小当りとなる第2変動ゲームが開始されてから小当り遊技におけるオープニング時間が経過するまでの時間は、第1流下通路42aに振り分けられた遊技球が第1大入賞口23aに到達するまでに第1大入賞口23aが開状態となる時間であれば適宜変更可能である。具体的な一例としては、上記実施形態よりも時間に余裕を持たせて、高ベース状態において小当りとなる第2変動ゲームの変動時間が0.4秒であり、小当り遊技の最大開放時間が1.292秒であってもよい。
【0187】
・上記実施形態において、例えば、高ベース状態において小当りとなる第2変動ゲームが開始されてから、小当り遊技のラウンド遊技の規定時間が経過するまでの時間は、第2流下通路42bに振り分けられた遊技球(最後の遊技球)が第1大入賞口23aに到達するまでに第1大入賞口23aが閉状態とならない時間であれば適宜変更可能である。
【0188】
・上記実施形態において、例えば、高ベース状態において小当りとなる第2変動ゲームが開始されてから、小当り遊技のエンディング時間が経過するまでの時間は、第3流下通路42cに振り分けられた遊技球(次の遊技球)が第2始動入賞口22aに到達するまでの時間であれば適宜変更可能である。
【0189】
・上記実施形態において、例えば、小当り遊技のオープニング時間やエンディング時間が規定されていなくてもよい。
・上記実施形態において、例えば、振分装置40により第2流下通路42bに遊技球が振り分けられてから第1大入賞口23aに到達するまでの時間は、振分装置40により第3流下通路42cに遊技球が振り分けられてから第2始動入賞口22aに到達するまでの時間とが同じ程度であってもよく、長くなっても問題ない。
【0190】
・上記実施形態において、例えば、振分装置40により第1流下通路42aに遊技球が振り分けられてから第1大入賞口23aに到達するまでの時間は、振分装置40により第3流下通路42cに遊技球が振り分けられてから第2始動入賞口22aに到達するまでの時間とが同じ程度であってもよく、短くなっても問題ない。
【0191】
・上記実施形態において、主制御基板30と演出制御基板31とが配設され、各種機能が搭載されたが、これに限らず、例えば、各種機能の少なくとも一部を異なる基板に搭載されてもよい。また、このような2種類の基板に限らず、例えば、一体的な基板として構成されてもよく、3種類以上の基板として構成されてもよい。
【0192】
・上記実施形態において、特別図柄指定コマンドにより、大当りの種類を指定していたが、変動パターン指定コマンドや、その他専用の制御コマンドにより、大当りの種類を指定するようにしても良い。
【0193】
・上記実施形態において、変動ゲームに係わる各種乱数値は、保留記憶数に応じて設けられた記憶領域に記憶するようにしてもよい。この場合、変動ゲームが実行される毎に、乱数値がシフト処理され、保留記憶数が1減算された記憶領域に記憶する。
【0194】
・上記実施形態において、演出制御基板31にて変動ゲームの変動時間が管理されていれば、図柄停止コマンドを出力しなくてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0195】
(イ)遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な特定入球口と、遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な特別入球口と、前記特別入球口に遊技球が入球し易い開状態と遊技球が入球し難い閉状態とを取り得る特別開閉部材と、遊技領域を流下してきた遊技球を振り分ける振分装置と、を備え、前記振分装置は、1個の遊技球を前記特定入球口に振り分けた後に、所定個数の遊技球を前記特別入球口に振り分ける動作を繰り返し行い、前記特別開閉部材は、前記特定入球口に遊技球が入球して開条件が成立すると開状態を取ることができ、前記開条件が成立する場合、前記振分装置により前記特定入球口に遊技球が振り分けられてから前記特別開閉部材が開状態を取るまでの時間は、前記振分装置により前記特定入球口に遊技球が振り分けられてから前記特別入球口に振り分けられる最初の遊技球が前記特別入球口に到達するまでの時間よりも短いことを特徴とする。
【0196】
(ロ)遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な特定入球口と、遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な特別入球口と、前記特別入球口に遊技球が入球し易い開状態と遊技球が入球し難い閉状態とを取り得る特別開閉部材と、遊技領域を流下してきた遊技球を振り分ける振分装置と、を備え、前記振分装置は、1個の遊技球を前記特定入球口に振り分けた後に、所定個数の遊技球を前記特別入球口に振り分ける動作を繰り返し行い、前記特別開閉部材は、前記特定入球口に遊技球が入球して開条件が成立すると開状態を取ることができ、前記振分装置は、前記開条件が成立する場合、前記特定入球口に遊技球が振り分けられた後に前記特別入球口に振り分けられる最初の遊技球が、前記特別開閉部材が開状態を取った後に前記特別入球口に到達するように遊技球を振り分けることを特徴とする。
【0197】
(ハ)遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な特定入球口と、遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な特別入球口と、前記特別入球口に遊技球が入球したことを検知する特別入球検知部と、前記特別入球口に遊技球が入球し易い開状態と遊技球が入球し難い閉状態とを取り得る特別開閉部材と、遊技領域を流下してきた遊技球を振り分ける振分装置と、を備え、前記振分装置は、1個の遊技球を前記特定入球口に振り分けた後に、所定個数の遊技球を前記特別入球口に振り分ける動作を繰り返し行い、前記特別開閉部材は、前記特定入球口に遊技球が入球して開条件が成立すると開状態を取ることができる一方で、前記特別入球口に前記所定個数の遊技球が入球して閉条件が成立すると閉状態を取ることができ、前記特別入球口には、遊技球が入球可能な第1入球領域と第2入球領域とがあり、前記第2入球領域は、前記第1入球領域よりも前記特別入球検知部が設けられた設置位置に近い領域であり、前記振分装置は、前記特定入球口に遊技球が振り分けられた後に前記特別入球口に振り分けられる最後の遊技球が前記第2入球領域に到達するように遊技球を振り分けることを特徴とする。
【0198】
(ニ)遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な特定入球口と、遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な特別入球口と、前記特別入球口に遊技球が入球し易い開状態と遊技球が入球し難い閉状態とを取り得る特別開閉部材と、遊技領域を流下してきた遊技球を振り分ける振分装置と、を備え、前記振分装置は、1個の遊技球を前記特定入球口に振り分けた後に、所定個数の遊技球を前記特別入球口に振り分ける動作を繰り返し行い、前記特別開閉部材は、前記特定入球口に遊技球が入球して開条件が成立すると開状態を取ることができ、前記特定入球口に遊技球が入球して前記開条件が成立する場合、前記振分装置により前記特定入球口に遊技球が振り分けられてから、前記特別開閉部材が所定態様で開状態を取る動作が終了するまでの時間は、前記振分装置により前記特定入球口に遊技球が振り分けられてから、前記特定入球口に振り分けられる次の遊技球が前記特定入球口に到達するまでの時間よりも短いことを特徴とする。
【0199】
(ホ)前記振分装置は、前記特定入球口に遊技球が振り分けられた後に前記特別入球口に振り分けられる最初の遊技球のほうが、次以降の遊技球よりも早く前記特別入球口に到達するように遊技球を振り分けることを特徴とする。