特許第6377893号(P6377893)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6377893自走式床掃除用集塵装置及び床掃除用集塵装置用の走行車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6377893
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】自走式床掃除用集塵装置及び床掃除用集塵装置用の走行車
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20180813BHJP
   B60C 7/00 20060101ALI20180813BHJP
   B60C 11/04 20060101ALI20180813BHJP
   B60C 11/00 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   A47L9/28 E
   B60C7/00 G
   B60C11/04
   B60C7/00 B
   B60C7/00 F
   B60C11/00 F
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-178483(P2013-178483)
(22)【出願日】2013年8月29日
(65)【公開番号】特開2014-51275(P2014-51275A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2016年5月27日
(31)【優先権主張番号】10 2012 108 189.1
(32)【優先日】2012年9月4日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】592022394
【氏名又は名称】フォルヴェルク・ウント・ツェーオー、インターホールディング・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】VORWERK & COMPAGNIE INTERHOLDING GESELLSHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 高城郎
(72)【発明者】
【氏名】ハラルド・ウィンドルフェル
【審査官】 大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3169183(JP,U)
【文献】 特開2010−184686(JP,A)
【文献】 米国特許第01021816(US,A)
【文献】 実公昭46−014242(JP,Y1)
【文献】 実開昭50−075901(JP,U)
【文献】 特開2007−062463(JP,A)
【文献】 中国実用新案第2696878(CN,Y)
【文献】 特開2004−016385(JP,A)
【文献】 特開昭61−016102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/28
B60C 7/00
B60C 11/00
B60C 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの走行車(2)を備えた自走式床掃除用集塵装置(1)であって、この場合、走行車(2)が、回転軸(7)と、ハブ(3)と、及びタイヤ接地面(5)を形成するタイヤ(4)と、を有し、この場合、さらに、タイヤ接地面(5)が、半径方向内方に、向かい合う2つの側面(8)に移行し、及び弾性材料からなるタイヤ(4)がそれぞれタイヤ接地面(5)の一部分を形成する柔軟なプロフィル・ブロック(9)を有する、該自走式床掃除用集塵装置(1)において、
プロフィル・ブロック(9)が、回転軸(7)に垂直に延在し、タイヤの最大幅(b)の中心に延在する平面(E)によって与えられる中心(M)に関して向かい合って、周方向(U)に相前後して設けられていること、
回転軸(7)に垂直かつ平面(E)に垂直であって回転軸(7)を含むタイヤ(4)の断面を示す断面図において、プロフィル・ブロック(9)によって形成されたタイヤ接地面(5)の部分が中心(M)に向かって下向きに傾斜する輪郭(P)を有すること
このプロフィル・ブロック(9)が同時に、側面(8)の一部分を形成しかつこの移行部において半径方向及び回転軸(7)方向に最も大きく張り出したタイヤ(4)のタイヤ接地面(5)の領域を形成すること、
中心(M)においてプロフィル・ブロック(9)によって形成されたタイヤ接地面(5)から下方に延在する垂直面と、当該垂直面から、断面図において回転軸(7)と同じ方向に延在する中間面(F)とを有し、当該垂直面の高さに相当する当該中間面(F)の低下が、プロフィル・ブロック(9)において側面(8)の一部分を形成しかつ半径方向及び回転軸(7)方向に最も大きく張り出した領域から、プロフィル・ブロック(9)によって形成されたタイヤ接地面(5)から前記垂直面へ移行する部分までの、プロフィル・ブロック(9)の最大低下寸法(u)に対して約半分ないし3倍であること、
を特徴とする自走式床掃除用集塵装置(1)。
【請求項2】
向かい合うプロフィル・ブロック(9)が周方向(U)に相互にオフセットされて配置されることを特徴とする請求項1に記載の床掃除用集塵装置(1)。
【請求項3】
オフセット寸法(v)がプロフィル・ブロック(9)の周方向(U)延在長さに対応することを特徴とする請求項2に記載の床掃除用集塵装置(1)。
【請求項4】
プロフィル・ブロック(9)が断面図においてそれぞれの側面(8)から中心(M)まで延在すること、及び/または
平面(E)と平行な方向にタイヤ(4)を見たときのタイヤ(4)の外観を示す平面図において、プロフィル・ブロック(9)が矩形形状を有すること、及び/または
側面(8)が断面図においてほぼ直線状に延在するように形成されていること、を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の床掃除用集塵装置(1)。
【請求項5】
ハブ(3)が、タイヤ(4)に直接向かい合う面において、回転軸(7)方向に間隔をなして周回する2つの突起部(16)によって形成された溝から成る保持受入部を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の床掃除用集塵装置(1)。
【請求項6】
タイヤ(4)が、ハブ(3)側において半径方向内方に突出しており、保持受入部と係合する保持形成部(15)を有することを特徴とする請求項5に記載の床掃除用集塵装置(1)。
【請求項7】
保持形成部(15)が周方向(U)に延在するリブとして形成されていることを特徴とする請求項に記載の床掃除用集塵装置(1)。
【請求項8】
プロフィル・ブロック(9)ないしは当該タイヤの部分がハブ(3)に向かい合い、かつ保持形成部(15)から回転軸(7)方向に延在する延長部(13)を有し、ハブ(3)に形成されており、かつ保持受入部から回転軸(7)方向に延在する肩部(14)に対して、延長部(13)が隙間(f)を有することを特徴とする請求項6または7に記載の床掃除用集塵装置(1)。
【請求項9】
装置の通常の走行時にプロフィル・ブロック(9)によって形成されたタイヤ接地面(5)の部分が床(6)に当接している負荷状態において延長部(13)が肩部(14)によって支持されるように、弾性材料が選択されていることを特徴とする請求項8に記載の床掃除用集塵装置(1)。
【請求項10】
保持形成部(15)が延長部(13)から半径方向内方に突出して延在することを特徴とする請求項8または9に記載の床掃除用集塵装置(1)。
【請求項11】
プロフィル・ブロック(9)の領域内における回転軸(7)方向のタイヤ(4)の幅は1つのプロフィル・ブロック(9)の幅を2倍にすることによって決定されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の床掃除用集塵装置(1)。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の床掃除用集塵装置(1)のための走行車(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先ず、少なくとも1つの駆動される走行車を備えた自走式床掃除用集塵装置であって、走行車が、回転軸と、ハブと、タイヤ接地面を形成するタイヤと、を有し、さらに、タイヤ接地面が、半径方向内方に、向かい合う2つの側面に移行し、及び弾性材料からなるタイヤが、タイヤ接地面の一部分をそれぞれ形成する複数のプロフィル・ブロックを有し、複数のプロフィル・ブロックは周方向に相前後して設けられている、該自走式床掃除用集塵装置に関するものである。
【0002】
さらに、本発明は、回転軸と、ハブと、タイヤ接地面を形成するタイヤと、を有する走行車であって、タイヤ接地面が、半径方向内方に、向かい合う2つの側面に移行し、及び弾性材料さらなるタイヤがそれぞれタイヤ接地面の一部分を形成する複数のプロフィル・ブロックを有し、複数のプロフィル・ブロックは周方向に相前後して設けられている、該走行車に関するものである。
【背景技術】
【0003】
このような自走式床掃除用集塵装置ないしは走行車は種々の形態において既知となっている。例えば、特許文献1及び特許文献2が参照される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102008009617A1号明細書
【特許文献2】米国特許第6633150B1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、特に障害物を克服することに関して有利な形態が与えられている自走式床掃除用集塵装置ないしは走行車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題の可能な解決手段は、プロフィル・ブロックが同時に側面の一部分を形成し、移行部から側面までのプロフィル・ブロックによって形成されたタイヤ接地面の部分が断面図において向かい合う側面に向かって下向きに傾斜する輪郭を有し、かつプロフィル・ブロックがこの移行部において半径方向及び回転軸方向に最も大きく張り出した、タイヤのタイヤ接地面の領域を形成する、自走式床掃除用集塵装置における本発明の第1の主旨により提供される。
【0007】
同様に、課題の可能な解決手段は、上記の特徴を有するように形成されている走行車において与えられている。
【0008】
プロフィル・ブロックがタイヤ接地面の一部分を形成しかつ断面図において向かい合う側面に向かって下向きに傾斜することにより、側面に付設されたプロフィル・ブロックの突出領域が得られる。そしてこれにより、プロフィル・ブロックは、プロフィル・ブロックに付与された隙間に基づき、例えば縁または段のような障害物と相互作用する間、プロフィル・ブロックにかかる荷重がほぼタイヤの周方向に与えられたとき、好ましい爪による掴みを可能とする。タイヤの材料が弾性を有することにより、このようなプロフィル・ブロックが床と接触したとき、通常作用する荷重に基づき、プロフィル・ブロックの平坦化を生じ、したがって床とのより大きな接触面が得られる。このことは、同時に、半径方向及び回転軸方向に最も大きく張り出したタイヤの領域によるものであり、この領域は概して走行の安定性に寄与可能であることが好ましい。
【0009】
本発明のその他の特徴が、以下に、図の説明及び図面においてもまた、しばしば既に先に説明された概念との好ましい関連において記載ないしは説明されているが、ここに記載または図に示されている1つまたは複数の個々の特徴との関連においても、または独立に、あるいは他の全体概念において重要であろう。
【0010】
即ち、回転軸方向に与えられたタイヤ接地面の中心に関して、プロフィル・ブロックによって形成されたタイヤ接地面の部分が中心まで下向きに傾斜することが、好ましい。したがって、個々のプロフィル・ブロックは断面図に関してほぼ半分ずつタイヤ接地面を形成する。下向き傾斜が中心に向かって中心まで与えられていることにより、実際に床と接触するタイヤ接地面の一部分であって、それに対応して可変に拡大する領域が与えられている。この場合、走行車は、それが取り付けられた装置の通常の重量において、材料の弾性により、実際に常に上記断面図に関して、このようなプロフィル・ブロックによって形成されたタイヤ接地面の全ての部分が床と当接することもまた好ましい。
【0011】
さらに詳細には、上記中心に関して向かい合うプロフィル・ブロックが形成されていることが好ましい。向かい合うこれらのプロフィル・ブロックが、相互に同じ形状で形成されていることがさらに好ましい。特にこれらが同じ底面を有することが好ましい。それらの輪郭及び/またはそれらの延在長さが、回転軸方向に及び/または回転軸に関して半径方向に、それぞれ同じであることもまたさらに好ましい。
【0012】
さらに詳細には、これらの向かい合う側の面が周方向に相互にオフセットされて配置されていてもよい。この場合、はじめに、側面図において車の回転軸方向に見て2つのプロフィル・ブロックの一方が他方のプロフィル・ブロックによって一部隠されているように、重なり合う配置が設けられていてもよい。この場合、周方向における重なり寸法は、例えば周方向におけるプロフィル・ブロックの延在長さの1/10ないし2/3に対応してもよい。しかしながら、この限りにおいて、上記側面図において実際に両方のプロフィル・ブロックがそれらの当該面によって完全に覆うように、向かい合うプロフィル・ブロックが周方向にオフセットされていることが好ましい。
【0013】
例えばゴム混合物または熱可塑性エラストマーのような弾性材料及び当該成形過程からタイヤを成形することにより、与えられる寸法誤差は常に僅かである。
【0014】
さらに、プロフィル・ブロックが断面図においてそれぞれの側面から中心まで延在することが好ましい。これに関して、好ましくは、断面図における2つの半分のそれぞれが1つのプロフィル・ブロックにより占有される。2つの向かい合うプロフィル・ブロックは共に断面図において対応する輪郭線を形成する。この場合、2つのプロフィル・ブロックの周方向における相互のオフセットに基づき、両方の向かい合うプロフィル・ブロックが同時に断面として現れるか、好適には全く現れないか、又は実質的に1つの断面のみが現れる。
【0015】
プロフィル・ブロックが平面図において矩形形状を有することもまた好ましい。この場合、同じ長さの辺を有する形状即ち平面図においてプロフィル・ブロックの正方形形状が与えられていてもよい。
【0016】
側面に関して、側面が断面図においてほぼ直線状に延在するように形成されていることが好ましい。側面は移行部からタイヤ接地面内に好ましくは上記中心まで延在し、これにより、回転軸から見た断面図において、外側に円錐形に開くタイヤの輪郭が得られる。それぞれ周方向にプロフィル・ブロックが形成されていない領域内においては、上記断面図に関して好ましくは中心まで到達する段状の面が得られるように、形状が与えられていることが好ましい。段状の面は、断面図において回転軸とほぼ同じ方向に延在するように与えられていることもまた好ましい。それに対応して、好ましくは上記中心において段の垂直面が得られる。垂直面は、半径方向外方で直接、プロフィル・ブロックによって形成されたタイヤ接地面内に移行することが好ましい。段状の面の低下は、半径方向及び回転軸方向に最も大きく張り出した領域からのプロフィル・ブロックの最大低下寸法に対して、この寸法の約半分ないし3倍が得られる。
【0017】
さらに、プロフィル・ブロックないしは当該タイヤの部分が側面から下側にハブに向かい合って延長部を有し、延長部が、ハブに形成された肩部に対して隙間を有することが好ましい。この隙間は、対応する荷重において、付属されたタイヤ・セクションの概して半径方向内方への弾性変形を可能にする。これは、通常の走行モードにおいてタイヤの対応する部分が床に当接しているとき、上記のようなより大きな接地面の形成に好都合である。
【0018】
特に、装置の通常の走行時にないしは装置の当該荷重がかかってタイヤ接地面が床に当接している負荷状態において延長部が肩部によって支持されるように、弾性材料が選択されていることが好ましい。延長部は支持面に当接する。この場合、延長部がほぼ完全に当接するように形成されている設計がなされていてもよい。しかしながら、延長部の回転軸方向の寸法に関して、その寸法の1/10ないし約8/10が当接してもよい。
【0019】
特に延長部から半径方向外方の、プロフィル・ブロックの領域内における回転軸方向のタイヤの延長幅は1つのプロフィル・ブロックの当該延長幅の2倍の値を有することが好ましい。プロフィル・ブロックは、それに対応して半径方向に、与えられた自由状態においてタイヤの半径方向寸法の約半分だけタイヤから出ている。
【0020】
さらに、タイヤがハブ側において半径方向内方に突出する保持形成部を有することが好ましい。さらに、延長部が肩部に支持されている状態以外では、タイヤが実際にこの保持形成部のみによって支持されていることが好ましい。
【0021】
保持形成部が周方向に延在するリブとして形成されていてもよい。この場合、保持形成部は周方向全周にまたは断続的に設けられていてもよい。無負荷状態に関して、保持形成部が延長部から半径方向に突出して延在することもまた好ましい。
【0022】
保持形成部は回転軸方向に間隔をなして周回するハブの2つのリブによって形成された溝内に受け入れられていることがさらに好ましい。これらのリブの正面はさらにタイヤを支持するためにも寄与可能であり、この場合、この正面は場合により延長面の比較的小さい当該セクションに当接可能である。
【0023】
開示に関して、上記及び下記の与えられた範囲ないしは値範囲または倍数範囲は、場合により無次元においてもまた、特にそれぞれの寸法の1/10ステップで、即ち、例えば長さ、幅等の1/10またはX倍で、全ての中間値もまた含むものである。例えば他の部分の長さ、幅等の1/4ないし3/4が参照されたとき、同様に、開示内に、0.275−0.75または0.275−0.725または0.25−0.75または0.3−0.75等の範囲が含まれている。この開示は、一方で、例としても示されているように、上記範囲限界を下から及び/または上から制限するために使用されるが、その代わりにまたはそれに補足して、それぞれ与えられた範囲から1つまたは複数の特異値を開示するためにもまた使用される。
【0024】
以下に本発明がさらに添付図面により説明されるが、ここでは一実施例のみが示されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、一例の床掃除用集塵装置の、走行車の領域内が部分破断された斜視図を示す。
図2図2は、走行車の斜視図を示す。
図3図3は、図2の走行車の平面図を示す。
図4図4は、図2の線IV−IVによる断面図を示す。
図5図5は、負荷状態における走行車の側面図を示す。
図6図6は、線VI−VIに沿って切断された図5の対象物の断面図を示す。
図7図7は、段形状障害物と相互作用する図5の対象物の側面図を示す。
図8図8は、線VIII−VIIIに沿って切断された図7の対象物の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1により、この実施例においては2つの走行車2を備えた自走式床掃除用集塵装置1が示されかつ説明されている。走行車2は1つが駆動されていても両方が駆動されていてもよい。
【0027】
このために以下の図2−8が参照されるこのような走行車2は、詳細には、ハブ3及びタイヤ4を有している。タイヤ4はその周囲にタイヤ接地面5を形成する。タイヤ接地面5は、通常使用における車輪回転の間に、場合によりそれに補足して通常の負荷を超える負荷がかかったときにおいてもまた、床6と接触するタイヤ4の部分を示す。走行車2はハブ3の中心に実際の回転軸または幾何学上の回転軸7を有している。
【0028】
タイヤ接地面5は、半径方向内方に、回転軸7の方向に見て2つの向かい合う側面8に移行する。通常のタイヤと同様に、タイヤは弾性材料から構成されている。弾性材料は例えばゴム、ゴム混合物または熱可塑性エラストマーであってもよい。タイヤ接地面5は少なくともその一部分が、複数のプロフィル・ブロック9により形成されている。複数のプロフィル・ブロック9はタイヤ4の周方向Uに相前後して設けられている。図示の実施例において、及びタイヤが障害物と相互作用する特殊な場合を除く好ましくは通常の走行負荷状態においては、タイヤ接地面は、プロフィル・ブロック9のみにより、それに対応してその半径方向外側正面のみにより与えられている。プロフィル・ブロック9は、半径方向を向くタイヤの他の面、図示のこの実施例においては以下に詳細に説明される中間面Fと共に、タイヤ外周面を形成する。少なくとも理論的に、実際にタイヤ外周面の各領域は床ないしは障害物と接触しかつプロフィル・ブロック9の正面以外の領域もまた少なくとも一時的にタイヤ接地面5の部分となり得る。
【0029】
プロフィル・ブロック9によって形成されたタイヤ接地面5の部分は断面図(例えば図4参照)においてタイヤ4の中心に向かって下向きに傾斜するプロフィル(輪郭)を有している。タイヤ4の中心はこれに関して回転軸7に垂直に延在する平面Eによって与えられ、平面Eは、図4の断面図からわかるように、タイヤの最大幅bの中心に延在する。プロフィル・ブロック9は同時に、それに関係する側面8の一部分を形成する。タイヤ接地面5の一部分を形成するプロフィル・ブロック9の領域の側面8への移行部において、このプロフィル・ブロック9は、回転軸7から半径方向rに及び回転軸7方向に、最も大きく張り出したタイヤ接地面5の領域を形成する。より具体的には、このようなプロフィル・ブロック9によりカラー状のプロフィル・コーナー10が形成されている。
【0030】
上記中心Mに関して、タイヤ4内に、向かい合うプロフィル・ブロック9が形成されている。特に好ましくは、断面図内において、中心Mのいずれの側にもそれぞれ1つのプロフィル・ブロック9のみが形成されている。
【0031】
向かい合うこれらのプロフィル・ブロック9は、それぞれ1つのみが形成されているかどうかとは無関係に、タイヤ4の周方向Uに相互にオフセットされて配置されていることがさらに好ましい。周方向に見たオフセット寸法vはこの実施例においてはプロフィル・ブロック9の周方向の長さに対応する。しかしながら、オフセット寸法はより小さくてもよく、例えばプロフィル・ブロック9のこの長さの約1/10ないし9/10のみに対応してもよい。特に断面図に関して中心から出発して向かい合って2つのプロフィル・ブロック9のみが設けられている実施形態を参照すると、プロフィル・ブロック9は好ましくはこの断面図においてそれぞれの側面から中心Mまで延在する。
【0032】
無負荷状態において周方向Uに特に中心Mの同じ側に存在する2つのプロフィル・ブロック9の間の窪んだ中間面Fからタイヤ接地面5のそれぞれの点までに対応するプロフィル・ブロック9の自由延長高さhは、プロフィル・コーナー10に関して、タイヤ4の幅bの1/10ないし9/10に対応することが好ましく、タイヤ4の幅bの約2/10ないし4/10に対応することがさらに好ましい。
【0033】
プロフィル・ブロック9は特にさらに平面図(例えば図3参照)において矩形断面を有していてもよい。断面が少なくともほぼ正方形であることもまた好ましい。
【0034】
タイヤ接地面5の輪郭Pは、側面8への移行部から出発して、はじめに、好ましくは直線状に、または中心Mに向かって僅かに下降(下向きに傾斜)して、場合により中心Mに向かって僅かに上昇(上向きに傾斜)して延在する外縁部11を有している(このために例えば再び図6もまた参照)。外縁部11は次に接続部12に移行し、接続部12は直線状に中心Mに向かって下降することが好ましい。したがって、中心Mから出発して、外側に向かう輪郭Pの立上り高さuが得られ、立上り高さuは、プロフィル・コーナー10の領域内のプロフィル・ブロックの高さhの約1/4ないし3/4に対応し、約1/3に対応することが好ましい。
【0035】
タイヤ4の側面8は相互に異なる2つの領域を有している。タイヤ4の半径方向内方の開始点(ここではのちに説明される延長部13により与えられる)から出発して中間面Fによって形成されている周囲面までに、はじめに、側面図において周囲に自由に延在する面バンドが得られる。さらに、周方向に、それぞれプロフィル・ブロック9により側面8が形成され、これにより鋸歯状面が得られる。
【0036】
断面図に関して、側面8はほぼ直線状に延在して形成されていることが好ましい。
【0037】
ハブ3が幅bに関してタイヤ4のより小さい面部分とのみ接触していることが好ましい。これは常に無負荷状態に関するものである。例えば図4からわかるように、ハブ3に直接向かい合うタイヤ4の幅bに関して、幅方向に幅bの約1/10ないし3/10のみがハブ3と接触していることが好ましい。いずれの場合も、このかぎりにおいて幅bの約1/4ないし3/4のみの接触が与えられていることが好ましい。
【0038】
これにより、中心Mに関して片側または両側にタイヤ4の延長部13が得られ、延長部13はハブ3の付属された肩部14に対して隙間fを有している。この隙間fは、例えば図4にも示されているように、回転軸方向に見て断面図に関して得られる。
【0039】
隙間fの大きさ、即ちこれにより走行車の肩部14と延長部13との間に得られる半径方向の自由な寸法は、装置の通常の走行において延長部13が肩部14に支持されるように選択されていることが好ましい。これは例えば図6の下側に示されている。
【0040】
さらに詳細には、ハブ3に保持するために、タイヤ4が好ましくはハブ側に半径方向内方に突出する保持形成部15を有している。この保持形成部15はさらに好ましい実施形態において周方向Uに延在するリブとして形成されている。この場合、保持形成部15は断続的に設けられていてもよい。保持形成部15は、延長部13から半径方向内方に突出して延在するように成形されている。これに関して、ハブ3に保持受入部が形成されている。保持受入部は周回する同様にリブ状の2つの突起部16により形成されていることが好ましい。リブ状の突起部16は、それら自身の間に、その寸法が保持形成部15の自由寸法に対応可能な溝を形成する。突起部16は周方向に断続的に延在するように形成されていてもよい。特定の断面図において、周方向にある程度重なったものを除いては常に1つの突起部16のみが表わされているように、突起部16は保持形成部15の側面に関して周方向に見て交互に設けられていてもよい。
【0041】
床清掃装置特に自走式床清掃装置に関するその他の特徴が与えられていないような走行車2の対象物に関して、上記の形態は同様に重要であることは明らかである。
【0042】
図7及び8により走行車2の作用方法がさらに説明されている。
【0043】
走行車2に比較して小さい縁半径を有する段状障害物Hに乗り上げたとき、図7及び8に示された位置関係において、1つのプロフィル・ブロック9のみが障害物Hの縁Kと係合する。図8からわかるように、プロフィル・ブロック9の柔軟性に基づき、プロフィル・ブロック9は半径方向内方に押し潰される。縁Kは、2つのプロフィル・ブロック9の間の中間空間内にほぼ面Fまで入り込む。これにより、いわゆるタイヤ4と縁Kとの噛合い状態が得られる。1つのプロフィル・ブロック9の周方向Uを向く正面17は縁Kに乗り上げる。周方向Uに働く応力は半径方向内方に中心に向かって働く応力とは異なっているので、この場合、材料の柔軟性ないしは弾性は同じように作用しない。それに対応していわゆる噛合い係合が得られ、この噛合い係合は、走行車2に対して、縁Kを掴みかつこのようにして場合により走行車2が装着されている床掃除用集塵装置1全体を持ち上げることを可能にする。さらに、図8にも示されているように、特に当該プロフィル・ブロック9の側面8に関してタイヤ特に当該プロフィル・ブロック9を湾曲させることが可能である。これに関して、通常の走行運転においてもまた、ある程度の湾曲が得られる(図6参照)。
【0044】
開示された全ての特徴は(それ自身)発明の進歩性を有している。したがって、付属の/添付の優先権資料の開示内容(先行出願のコピー)もまた、これらの資料の特徴を本出願の請求の範囲内に組み込むことを目的として、その内容が全て本出願の開示内に含められるものである。従属請求項は、特にこれらの請求項に基づいて部分出願を可能にするために、自由に選択できる併記されたその文書内において、独自に発明力のある従来技術の変更態様を示している。
【符号の説明】
【0045】
1 床掃除用集塵装置
2 走行車
3 ハブ
4 タイヤ
5 タイヤ接地面
6 床
7 回転軸
8 側面
9 プロフィル・ブロック
10 プロフィル・コーナー
11 外縁部
12 接続部
13 延長部
14 肩部
15 保持形成部
16 突起部
17 正面
b 幅

E 平面
F 面
f 隙間
F 中間面
H 障害物
h 高さ
K 縁
M 中心
P 輪郭
r 半径方向
U 周方向
u 立上り高さ
v オフセット寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8