特許第6377899号(P6377899)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東レ株式会社の特許一覧 ▶ 創和テキスタイル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6377899-緯二重組織織物 図000003
  • 特許6377899-緯二重組織織物 図000004
  • 特許6377899-緯二重組織織物 図000005
  • 特許6377899-緯二重組織織物 図000006
  • 特許6377899-緯二重組織織物 図000007
  • 特許6377899-緯二重組織織物 図000008
  • 特許6377899-緯二重組織織物 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6377899
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】緯二重組織織物
(51)【国際特許分類】
   D03D 11/00 20060101AFI20180813BHJP
   D03D 25/00 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   D03D11/00 Z
   D03D25/00 101
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-236974(P2013-236974)
(22)【出願日】2013年11月15日
(65)【公開番号】特開2015-96662(P2015-96662A)
(43)【公開日】2015年5月21日
【審査請求日】2016年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】398072562
【氏名又は名称】創和テキスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100182785
【弁理士】
【氏名又は名称】一條 力
(72)【発明者】
【氏名】喜多川 恒光
(72)【発明者】
【氏名】大越 美穂
(72)【発明者】
【氏名】山本 要一
【審査官】 長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−147657(JP,A)
【文献】 特開2006−249595(JP,A)
【文献】 特開2012−062609(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/073648(WO,A1)
【文献】 特開2003−129352(JP,A)
【文献】 実公昭42−008537(JP,Y1)
【文献】 特開2003−013313(JP,A)
【文献】 特開2002−180308(JP,A)
【文献】 実公昭47−041996(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D03D1/00−27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
緯二重組織の織物であって、裏面の緯糸と経糸との交錯点が、表面の緯糸と経糸との交錯点よりも少なく、かつ、裏面において、緯糸が織物外層に配される「点」が、経糸が織物外層に配される「点」の2.0倍以上であって、かつ前記緯糸が連続して外層に配されることによるひとかたまりになった凸部と、それ以外の凹部とによる凹凸構造が裏面に形成されており、凸部あるいは凹部の形状が三角形、四角形、ひし形、六角形あるいは円形であり、その形状の寸法は、織物の経方向と緯方向が1mm以上10mm以下であることを特徴とする緯二重組織織物。
【請求項2】
緯二重組織織物の裏面に形成されたひとつの凸部内において、経方向が連続3点以上であり、かつ緯方向が連続3点以上の範囲で、緯糸が織物外層に配される部分が少なくとも1箇所あり、かつ、ひとつの凸部内において、合計20点以上の範囲で緯糸が織物外層に配されていることを特徴とする請求項1記載の緯二重組織織物。
【請求項3】
緯糸として仮撚り加工糸を配することを特徴とする請求項1または2記載の緯二重組織織物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汗などの水分の吸水性と速乾性に優れた衣料用途に好適な緯二重組織織物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特に春夏物衣料用途として、汗などの水分の速乾性機能を有する布帛が求められている。一般に、衣服は肌に接触して着用されることが多く、運動あるいは環境雰囲気により発汗をともなう場合は、汗を吸水し、かつ、その水分を速やかに外気中に放出し、乾燥性が良好かどうかが着用快適性を左右する。
【0003】
このような速乾性機能を付与することを目的として、布帛の肌面と外気面とに異なる布帛構造を持たせ、毛細管現象を利用することによって肌面に接触した水分を外気面に素早く移動させる布帛が一般的に使用されており、吸水表裏拡散面積比によりその性能を判断することが可能である。
【0004】
吸水表裏拡散面積比を向上させる具体的な手法としては、布帛の表面と裏面とに構造差を形成することが容易で、かつ水分を保持するために繊維間の空隙が多い、編物を使用し、その構成材料として、肌面には単繊維繊度の太い繊維を使用し、外気面には単繊維繊度の細い繊維を使用して、肌面の大きな空隙から、外気面の小さな空隙に水分を移動させる毛細管現象を利用することが提案されている。更には、特殊な断面形状を持った繊維を使用したり、肌面に撥水加工、外気面に吸水加工を施したりすることにより、肌面から外気面への水分の移動を補助する手法が取られている(特許文献1および2参照。)。
【0005】
しかしながら、このような布帛は、機能としては優れているものの、布帛が編物であることから、生地の平滑感とハリ・コシ感に劣ることから用途が限定され、例えば、スポーツ用途としては広く展開されているものの、仕立て栄えやハリ感が要求されるようなスラックス、ブラウスおよびユニフォーム等の用途としては適した素材ではなく、これらの用途に採用されることには課題がある。
【0006】
織物においても編物と同様に、肌面に露出しやすい緯糸の繊度を太くし、外気面に露出しやすい経糸の繊度を細くして、同様の毛細管現象を利用することが考えられるが、織物の場合は経糸と緯糸が密着した、繊維間の空隙が少ない構造であり、肌面と外気面とが一体となっていることから、繊維の繊度の差のみでは毛細管現象の効果が小さい。
【0007】
そこで、繊度の差をより一層大きくするために、海島構造の極細繊維を使用したり、繊維に親水性を与えたりするなど、高コストとなる追加手段を余儀なくされている(特許文献3参照。)。また、この提案では、肌面と外気面との繊度の差を大きくするために外気面の繊度を極端に細くすることにより、着用時の外気面の表面が摩擦により容易に劣化するなど、実用面での課題が大きい。
【0008】
また、織物の設計をする上で、織密度が高すぎると通気性が悪化することから着用時の不快感に繋がり、逆に織密度が少なすぎると目ズレが発生するなど、これらの相反する特性を両立させるような最適設計を見極めることは極めて困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−105441号公報
【特許文献2】特開平9−143842号公報
【特許文献3】特開昭52−25168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明の目的は、上記従来の背景技術に鑑み、織物において、特殊な繊維を使用したり、特殊な加工処理を施したりすることが不要で、織物組織構造のみによって汗など水分の吸水性と速乾性に優れた衣料用途に好適な緯二重組織織物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって、本発明の緯二重組織織物は、緯二重組織の織物であって、裏面の緯糸と経糸との交錯点が、表面のそれ緯糸と経糸との交錯点よりも少なく、かつ、裏面において、緯糸が織物外層に配される「点」が、経糸が織物外層に配される「点」の2.0倍以上であって、かつ前記緯糸が連続して外層に配されることによるひとかたまりになった凸部と、それ以外の凹部とによる凹凸構造が裏面に形成されており、凸部あるいは凹部の形状が三角形、四角形、ひし形、六角形あるいは円形であり、その形状の寸法は、織物の経方向と緯方向が1mm以上10mm以下である裏面がフラットな構造でないことを特徴とする緯二重組織織物である。
(ここで、上記の「点」とは経と緯糸とが重なる部分のことを指し、そして織物組織図の「1マス」に相当する部分を「1点」とよぶ。)。
【0012】
本発明の緯二重組織織物の好ましい態様によれば、前記の緯二重組織織物の裏面に形成されたひとつの凸部内において、経方向が連続3点以上で、かつ緯方向が連続3点以上の範囲で緯糸が織物外層に配される部分が少なくとも1箇所あり、かつひとつの凸部内において、合計20点以上の範囲で緯糸が織物外層に配されていることである。
【0013】
本発明の緯二重組織織物の好ましい態様によれば、前記の緯二重組織織物の緯糸として仮撚り加工糸を配することである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、好適には衣料用途の織物、さらに好ましくは春夏物ユニフォーム用途の衣料素材として要求される優れた汗など水分の吸水性と速乾性、すなわち速乾性機能を有する緯二重組織織物が得られる。
【0016】
本発明の緯二重組織織物は、衣料用途において、汗をかいてもべたつかず肌触りの良い快適な素材であり、汗を衣料の内側から外側に素早く移動させ、衣料の外側で広く拡散させることにより、汗の外気との接触面積を増やし素早く乾燥させる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の緯二重組織織物の凹凸構造を例示説明するための図面代用写真である。
図2図2は、本発明の緯二重組織織物のフラットな構造を例示説明するための図面代用写真である。
図3図3は、本発明の実施例1で得られた緯二重組織織物の組織図である。
図4図4は、本発明の実施例2で得られた緯二重組織織物の組織図である。
図5図5は、本発明の実施例3で得られた緯二重組織織物の組織図である。
図6図6は、本発明の実施例4で得られた緯二重組織織物の組織図である。
図7図7は、本発明の比較例2で得られた緯二重組織織物の組織図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の緯二重組織織物は、緯二重組織の織物であって、裏面の緯糸と経糸との交錯点が、表面の緯糸と経糸との交錯点よりも少なく、かつ、裏面において、緯糸が織物外層に配される「点」が、経糸が織物外層に配される「点」の2.0倍以上であって、かつ該前記緯糸が連続して外層に配されることによるひとかたまりになった凸部と、それ以外の凹部とによる凹凸構造が裏面に形成されており、裏面がフラットな構造でない緯二重組織織物である。
【0019】
本発明の緯二重組織織物においては、織組織の設計が重要であり、次にこの要件について説明する。
【0020】
まず、本発明において、織組織は緯二重組織であることが重要である。経二重組織織物においても、緯二重組織織物と類似の構造を得ることは可能であるが、緯二重組織織物は、織機上で表面と裏面との緯糸の種類を変えることが容易であり、また、緯二重組織は、染色加工工程においては仕上げ幅の変更により緯糸の形態を容易に変化させるなど、バリエーションを増やす、あるいは設計の変更を行う上で、経二重組織と比較し、極めて製造を容易にするという利点がある。
【0021】
これに対し、経二重組織織物の場合は、表面と裏面との経糸の種類を変えるためには、織機ビームに2種類の異なる経糸を整経する、あるいは2重ビーム織機を使用するなど、特別な技術を要する。また、経二重組織の場合は、染色加工工程における経方向の収縮や密度の調整は容易ではなく、経糸の形態を変化させることは困難である。
【0022】
本発明では、上記の緯二重組織の利点に鑑み、緯二重組織織物を採用する。
【0023】
次に、本発明の緯二重組織織物においては、裏面の緯糸と経糸との交錯点が、表面の緯糸と経糸との交錯点よりも少なく、かつ、裏面において、緯糸が織物外層に配される「点」が、経糸が織物外層に配される「点」の2.0倍以上であることが重要である。
【0024】
ここにおいて、上記の「点」とは、経と緯糸とが重なる部分のことを指し、織物組織図の「1マス」に相当する部分を「1点」とよぶ。
【0025】
本発明の緯二重組織織物において、裏面の緯糸と経糸との交錯点は、表面の緯糸と経糸との交錯点よりも少なくすることが重要である。両者の比率は、好ましくは1.3倍であり、より好ましくは1.5倍であり、更に好ましくは1.8倍以上の比率となることである。経糸と緯糸との交錯点が多いほど、繊維は拘束され、繊維と繊維あるいは単繊維と単繊維との空隙が少なくなるため、前記の比率が大きいほど、織物の表面と裏面との空隙の差が大きくなり、毛細管現象によって水分を裏面から表面に移動させることが容易となる。
【0026】
また、本発明の緯二重組織織物において、裏面において、緯糸が織物外層に配される「点」が、経糸が織物外層に配される「点」の2.0倍以上であることが重要であり、好ましくは2.5倍以上であり、より好ましくは3.0倍以上であり、上限としては8倍以下であることが好ましい。上限が8倍以上の場合、交錯点の無い多量の緯糸が外層に配されることによって、摩擦により単繊維が切断されるなど、布帛の基本物性として問題を起こし易くなる。
【0027】
本発明において、経糸と緯糸との配置をこのような範囲(構造)にすることによって、織物の裏面と表面との構造差が形成され、裏面から表面への毛細管現象の発現を容易にする。
【0028】
ここで、裏面とは、本発明の緯二重組織織物が衣料となった際の肌面側に相当し、表面とは、外気面側に相当し、裏面から表面に毛細管現象を発現させるためには、裏面の繊維間空隙が表面の繊維間空隙よりも大きくなるように、裏面の経糸と緯糸との交錯点は表面の経糸と緯糸との交錯点よりも少なくすることが必要である。裏面における交錯点を少なくすることにより、緯糸の拘束力が小さくなり、隣り合う緯糸間に空隙が形成されやすくなり、更には緯糸を構成する単繊維がバラけやすくなることによって、緯糸を構成する単繊維間にも空隙が形成されやすくなり、水分を保持することが容易となる。その結果、保持された水分は、裏面では拡散されないことになる。
【0029】
一方、表面は、経糸と緯糸との交錯点が裏面の経糸と緯糸との交錯点よりも多いことから、裏面よりも繊維間空隙が小さくなり、裏面で一旦保持された水分が毛細管現象によって表面に移動し、表面上で拡散されることになる。
【0030】
この際、経二重組織織物であれば、同様に経糸の拘束力が小さくなるが、一般的に染色加工工程においては経糸の張力の方が緯糸の張力よりも高いために、経糸はバラけにくく、空隙も形成されにくい。このことも、緯二重組織織物が好ましい理由のひとつである。
【0031】
裏面により多くの繊維間空隙を形成するためには、緯糸が織物外層に配される「点」を経糸が織物外層に配される「点」よりも多く、2.0倍以上にすることが重要である。上記の「点」が2.0倍未満では、表面と裏面との繊維間の空隙差が不十分で、毛細管現象の発現が困難となる。
【0032】
更に、本発明の緯二重組織織物においては、該前記の緯糸が連続して外層に配されることによるひとかたまりになった凸部と、それ以外の凹部とによる凹凸構造を裏面に形成され、裏面がフラットな構造でない織物構造であることが重要である。
【0033】
織物裏面において、例えば、織組織が朱子組織のように緯糸が織物全面で均一に外層に配された場合、緯糸および緯糸を構成する単繊維はバラけやすく、裏面に水分を保持するのに十分な繊維間空隙を形成することは可能であるが、裏面、すなわち肌面側はフラットな状態となり、衣服として着用した際に、布帛(織物)全面が肌と接しやすくなるために、摩擦抵抗が高くなり、かつ、緯糸および緯糸を構成する単繊維がバラけているため、肌触りが悪く、また、特に発汗を伴った場合には、布帛(織物)が保持した水分により肌にべたつくなど、着用快適性が非常に悪化することになる。
【0034】
そのため、織物の裏面に、水分を保持するのに十分な繊維間空隙を形成し、かつ着用快適性を得るためには、裏面に凹凸構造を形成させることが極めて重要である。
【0035】
凹凸構造を形成させることにより、布帛(織物)と肌とは凸部のみで接する点接触となり、摩擦抵抗が低く肌離れがよく、着用快適性を得ることが可能である。
【0036】
凸部分は、緯糸が連続して外層に配されていることから、緯糸および緯糸を構成する単繊維がバラけているために、膨らみを持ち、織物裏面に凸構造が形成される。また一方で、凹部分は、凸部分と比較し経糸と緯糸との交錯点が多いことから、凸部分のような緯糸のバラけによる膨らみは抑制され、凹構造が形成される。
【0037】
凸部分は、緯糸および緯糸のバラついた繊維空間に水分を保持することが可能な構造となっており、凸部分があたかも堤防となるかのように、裏面での水分の拡散を抑制する。凸部分で保持しきれないごく一部の水分は凹部分に流れ込むが、凹部は直接肌と接しないために着用快適性を阻害することはなく、裏面がフラットな構造の織物と比較し、快適性という点で極めて有利である。
【0038】
本発明の緯二重組織織物において、凹凸部の形状については、織物の裏面を目視で観察した際に、三角形、四角形、ひし形、六角形あるいは円形等の柄に見えることを特徴とする。凸部を柄とする場合(実施例1、2および3が該当する。)、柄の寸法は、織物の経方向と緯方向が1mm以上10mm以下であることが好ましい。柄の寸法は、より好ましくは2mm以上5mm以下である。柄の寸法が1mm未満の場合は、凹凸の差を発現させることが難しく、フラットな構造の織物と同様になり、織物の裏面で水分を保持することが困難になる。また、柄の寸法が10mmを超える場合は、肌と衣服との接触面積が大きくなることにより、点接触による着用快適性が得られにくくなる。
【0039】
また、凹部を柄とする場合(実施例4が該当する。)、凸部は編み目状に形成されることになり、連続した1つの凸部となるが、凸部となる編み目の幅は上記同様1mm以上10mm以下であることが好ましい。
【0040】
図1は、本発明の緯二重組織織物の凹凸構造を例示説明するための図面代用写真である。図1の(a)において、点線の外側に位置する凹部分1と、緯糸が連続して外層面に配された点線の内側に位置する凸部分2により凹凸構造が形成されている。この図1の(a)の凹凸構造は、本発明の実施例1で得られた緯二重組織織物の構造である。
【0041】
また、図1の(b)においては、点線の内側に位置する凹部分3と、点線の外側に位置する緯糸が連続して外層面に配された凸部分4(編み目状に形成されている。)により凹凸構造が形成されている。この図1の(b)の凹凸構造は、本発明の実施例4で得られた緯二重組織織物の構造である。
【0042】
また、 本発明の緯二重組織織物において、フラットな構造とは、平織り、斜紋織り、朱子織、マット織、あるいはナシ地織などの特別組織も含め、織物全面で均一な表面構造を指し、経糸あるいは緯糸が連続して織物外層に配される部分(凸部)とそうでない部分(凹部)との2種類の構造から形成されていないものを指す。
【0043】
図2は、本発明の緯二重組織織物のフラットな構造を例示説明するための図面代用写真である。図2の(c)、(d)、(e)および(f)は、いずれも、経糸と緯糸自体による凹凸はあるが、組織も含め織物全面で均一な表面構造を有している。
【0044】
本発明においては、このような凹凸構造を形成する上で、前記の緯二重組織織物の裏面に形成されたひとつの凸部内において、経方向が連続3本以上であり、かつ緯方向が連続3本以上の範囲で、緯糸が織物外層に配される部分が少なくとも1箇所あり、かつ、ひとつの凸部内容において、合計20点以上の範囲で緯糸が織物外層に配されていることが好ましい態様である。
【0045】
緯糸が織物外層に配される「点」の連続する本数は、多いほど緯糸および緯糸を構成する単繊維はバラけやすく、裏面に水分を保持するのに十分な繊維間空隙を形成することが容易である。具体的には、少なくとも経方向で連続3本以上で、かつ緯方向で連続3本以上がないと、緯糸の膨らみによる凸部の形成は不十分で、水分の保持が困難となる。逆に、経方向で連続20本以下で、かつ緯方向で連続20本以下であることが好ましい。これらが20本より多い場合、経糸と緯糸との交錯点が少ないことで、織物が突起物などに引っかかり、糸が切れるなど、織物の基本物性を満たさなくなる。また、経方向で連続3本以上で、かつ緯方向で連続3本以上で緯糸が織物外層に配された部分を組み合わせることによって構成されるひとつの凸部における、緯糸が織物外層に配される「点」の数の最適値は、織組織や使用する糸の種類によって様々であるが、合計20点以上で構成させた場合に十分な空隙を形成することが容易となる。
【0046】
ひとつの凸部は、緯糸が織物外層に配される「点」のみで形成することも可能であるが、経方向で連続3本以上で、かつ緯方向で連続3本以上から形成される凸部を複数個連続で配置させて形成させることも可能である。これは、緯糸が織物外層に配される「点」の連続数が多すぎると、糸がずれ易くなり、物性面で問題を起こす懸念がある場合に、交錯点を増やして改善するという点で効果がある。
【0047】
本発明で使用される経糸および緯糸としては、ポリエステル系合成繊維、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等からなる繊維やポリアミド系合成繊維、例えばナイロン6やナイロン66等からなる繊維などの合成繊維マルチフィラメント、レーヨンなどの再生繊維および綿やウールなどの天然繊維などからなる、延伸糸、エア加工糸、複合糸、紡績糸およびこれらの糸に撚りを加えた撚糸などが挙げられるが、仮撚り加工糸が好ましく用いられる。仮撚り加工糸は、単繊維に捲縮を有し、経糸と緯糸との交錯点が少なく拘束力がなくなると、単繊維のバラけが発生し易く、水分を保持する空隙を形成することが極めて容易になる。
【0048】
本発明の緯二重組織織物を構成する経糸と緯糸のそれぞれの総繊度は、衣料用途織物として適した厚みと風合いを得るためには、マルチフィラメント繊維糸条の場合は好ましくは50デニール以上200デニール以下であり、また、紡績糸の場合は50番手以上20番以下の繊維糸条を組み合わせることが好ましい。総繊度は、マルチフィラメント繊維の場合は、より好ましくは75デニール以上150デニール以下であり、紡績糸の場合は、より好ましくは40番手以上30番以下の繊維糸条を組み合わせることである。
【0049】
また、用いられる仮撚り加工糸についても、ポリエステル繊維やポリアミド繊維など、使用する繊維に適した通常の延伸倍率、仮撚り数およびヒートセット温度で加工処理したものを用いることができる。
【0050】
本発明で用いられる緯二重組織は、経糸が一層で、緯糸が表と裏との二層からなる組織であり、発汗しやすい春夏向けの衣料用途として使用する場合は、織物のふくらみや、ふかつきを出さないために、経糸として延伸糸や撚糸を使用することが好ましい。また、裏面の緯糸としては、より水分を保持するために、単繊維間の空隙を形成しやすい仮撚り加工糸やエア混繊糸、あるいは快適な肌触りを得るために天然繊維混の紡績糸を使用することが好ましい。表面の緯糸も、裏面の緯糸と同様である。
【0051】
また、織物の経糸密度と緯糸密度は、使用する繊維の総繊度や採用される組織によって様々である。また、表面と裏面との緯糸密度は、表面が多い場合、裏面が多い場合、あるいは表裏面が同じであっても、上記の凹凸構造を形成すれば、目的とする吸水表裏拡散面積を得ることが可能である。
【0052】
部分的に裏面の緯糸を配置し、織物の裏面に凹凸構造を形成した場合、表面の緯糸密度が裏面の緯糸密度よりも多い構造となるが、裏面の緯糸が配置された部分と配置されていない部分とで織物の経方向ハリ感に差が出やすく、風合いとして不均一な織物となりやすい。また、逆に部分的に表面の緯糸を配置し、織物の裏面に凹凸構造を形成した場合、裏面の緯糸密度が表面の緯糸密度よりも多い構造となるが、表面で特に重要となる物性である、ピリング、スナッグが悪化する傾向がある。そのため、衣料用素材として風合い・物性面も兼ね備えた織物とするためには、表面と裏面との緯糸密度は同じであることがより好ましい。
【0053】
本発明の緯二重組織織物には、染色加工や樹脂加工が施される。染色加工においては、通常の液流染色や連続染色などの染色方法が採用される。また、樹脂加工についても、吸水加工や帯電防止加工などを施すことが可能である。
【0054】
上記の設計により、本発明では、吸水表裏拡散面積比が好ましくは6以上の衣料用に好適な緯二重組織織物を得ることが可能となる。吸水表裏拡散面積比は、より好ましくは8以上である。
【0055】
また、吸水表裏拡散面積比が大きいことは、皮膚から出た汗が生地に吸収された後、生地の肌面では拡散せずに、生地の外気面に素早く浸透し、外気面で大きく拡散することを示し、外気面で大きく拡散することから、外気に触れる面積が増し、素早く乾燥する。そのため、吸水表裏拡散面積比は大きければ大きいほど好ましい。
【0056】
本発明の緯二重組織織物は、オフィスユニフォームとして着用されるジャケットやスラックス、スカート、シャツ、ワーキングユニフォームとして着用されるジャケットやスラックス、スカート、シャツ、およびスポーツ用衣料、カジュアルウェア、アウター用衣料等の衣料用途に好適に用いられる。
【実施例】
【0057】
次に、実施例により本発明の緯二重組織織物について詳細に説明する。実施例に示す特性値は、下記の方法により測定したものである。
【0058】
[吸水表裏拡散面積比]
ガラス板上に、市販のインクを2倍に水で希釈したインク液を0.1cc滴下し、その上にサンプル布帛(織物)の裏面を下に、すなわちインク液に接する側にのせた。そして、60秒間放置し、インク液を吸収させた後、今度は別のガラス板上に移動させ、ここでも裏面を下にして3分間放置した。布帛3枚について、同様に行った。このようにして得られたサンプル布帛の表面と裏面のインク液の拡散面積を測定し、その測定値により算出した面積比(表面の拡散面積/裏面の拡散)を、吸水表裏拡散面積比として示した。
【0059】
拡散面積の大小は、インク液の吸収状態を示すものであり、表面の拡散面積が大きく、かつ、前記面積比が大きいものは、滴下されたインク液を効率よく表面側に移動する、いわゆる吸水、透水能力と拡散能力に優れていることを表すものである。また、表面側の拡散面積が大きいことは、大気との接触効率が良くなるので乾燥性にも優れていることを示す。
【0060】
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの非捲縮延伸糸(84dtex−36f)を経糸に用い、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの仮撚り加工糸(84dtex−36f)を表面の緯糸に、そしてポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの仮撚り加工糸(167dtex−48f)を裏面の緯糸に用いて、図3の織物組織に従って、通常のエアジェットルームを用いて、経密度が135本/2.54cmで、緯密度が129本/2.54cmの緯二重組織織物を製織した。
【0061】
図3の組織図は、裏織(織機上で、組織図の面が下になる)で製織する場合のものである。組織図を表面(経糸は共通で、緯糸は表面用の緯糸)と裏面(経糸は共通で、緯糸は裏面用の緯糸)に分割した組織図が、a.裏面、b.表面となり、a.裏面の点線(赤線です)で囲われた部分が、織物裏面の外層部分に緯糸が連続して配されるひとつの凸部分となり、その他の部分が凹部分となる。この場合、凸部分が四角形の柄を形成している。表面は、緯糸が連続して織物の外層に配される部分が無く、フラットな構造となっている。
【0062】
このときの裏面の緯糸の経糸との交錯点は224箇所であり、表面のそれ緯糸の経糸との交錯点は464箇所であり、その比率は2.1倍となり、裏面において、緯糸が織物外層に配される「点」は432点で、経糸が織物外層に配される「点」は144点となり、その比率は3.0倍であった。
【0063】
また、裏面においては、経方向が連続12本であり、かつ緯方向が連続12本であり、緯糸が織物外層に配された、合計144本の「点」で1つの凸部を形成する凹凸構造となった。
【0064】
次いで、得られた緯二重組織織物に通常の液流染色仕上げ加工を施し、経密度が151本/2.54cmで、緯密度が138本/2.54cmの織物を得た。この織物の吸水表裏拡散面積は17.6であり、作業用ユニフォーム用のシャツとして着用した結果、発汗をともなった場合も肌にべたつかず、ムレ感の無い快適な素材であった。結果を表1に示す。
【0065】
[実施例2]
ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの非捲縮延伸糸(84dtex−36f)を経糸に用い、ポリエステル繊維65質量%と綿35質量%からなる34番手単糸の紡績糸を表面の緯糸に、そしてポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの仮撚り加工糸(84dtex−36f)を裏面の緯糸に用いて、図4の織物組織に従って、通常のエアジェットルームを用いて、経密度が135本/2.54cmで、緯密度が132本/2.54cmの緯二重組織織物を製織した。
【0066】
図4の組織図は、裏織(織機上で、組織図の面が下になる)で製織する場合のものである。組織図を表面(経糸は共通で、緯糸は表面用の緯糸)と裏面(経糸は共通で、緯糸は裏面用の緯糸)に分割した組織図が、a.裏面、b.表面となり、a.裏面の点線(赤線です)で囲われた部分が、織物裏面の外層部分に緯糸が連続して配されるひとつの凸部分となり、その他の部分が凹部分となる。この場合、凸部分がひし形の柄を形成している。表面は、緯糸が連続して織物の外層に配される部分が無く、フラットな構造となっている。
【0067】
このときの裏面の緯糸の経糸との交錯点は124箇所であり、表面のそれ緯糸の経糸との交錯点は264箇所であり、その比率は2.1倍となり、一方、裏面において、緯糸が織物外層に配される「点」は208点であり、経糸が織物外層に配される「点」は64点となり、その比率は3.3倍であった。
【0068】
また、裏面においては、経方向が連続5本であり、かつ緯方向が連続3本緯糸が織物外層に配された部分を中心とした、合計25本の「点」で1つの凸部を形成する凹凸構造となった。
【0069】
次いで、得られた緯二重組織織物に通常の液流染色仕上げ加工を施し、経密度が144本/2.54cmで、緯密度が143本/2.54cmの織物を得た。この織物の吸水表裏拡散面積は11.9であり、作業用ユニフォーム用のシャツとして着用した結果、発汗をともなった場合も肌にべたつかず、ムレ感の無い快適な素材であった。結果を表1に示す。
【0070】
[実施例3]
ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの非捲縮延伸糸(84dtex−36f)にZ方向800回/mの撚りを加えた撚糸を経糸に用い、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの仮撚り加工糸(168dtex−288f)を表面の緯糸に、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの仮撚り加工糸(84dtex−36f)を裏面の緯糸に用い、図5の織物組織に従って、通常のエアジェットルームを用いて、経密度が126本/2.54cmで、緯密度が144本/2.54cmの緯二重組織織物を製織した。
【0071】
図5の組織図は、表織(織機上で、組織図の面が上になる)で製織する場合のものである。組織図を表面(経糸は共通で、緯糸は表面用の緯糸)と裏面(経糸は共通で、緯糸は裏面用の緯糸)に分割した組織図が、a.裏面、b.表面となり、a.裏面の点線(赤線です)で囲われた部分が、織物裏面の外層部分に緯糸が連続して配されるひとつの凸部分となり、その他の部分が凹部分となる。この場合、凸部分がひし形の柄を形成している。表面は、緯糸が連続して織物の外層に配される部分が無く、フラットな構造となっている。
【0072】
このときの裏面の緯糸の経糸との交錯点は192箇所であり、表面のそれ緯糸の経糸との交錯点は576箇所で、その比率は3.0倍となり、一方、裏面において、緯糸が織物外層に配される「点」は492点であり、経糸が織物外層に配される「点」は96点となり、その比率は5.1倍であった。
【0073】
また、裏面においては、経方向が連続3本で、かつ緯方向が連続5本緯糸が織物外層に配された部分などを組み合わせた、合計60本の「点」で1つの凸部を形成する凹凸構造となった。
【0074】
次いで、得られた緯二重組織織物に通常の液流染色仕上げ加工を施し、経密度が160本/2.54cmで、緯密度が156本/2.54cmの織物を得た。この織物の吸水表裏拡散面積は10.2であり、作業用ユニフォーム用のシャツとして着用した結果、発汗をともなった場合も肌にべたつかず、ムレ感の無い快適な素材であった。結果を表1に示す。
【0075】
[実施例4]
ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの非捲縮延伸糸(84dtex−36f)にZ方向800回/mの撚りを加えた撚糸を経糸に用い、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの仮撚り加工糸(84dtex−36f)を表面の緯糸に、ポリエステル繊維65質量%/綿35質量%からなる34番手単糸の紡績糸を表面の緯糸に用い、図6の織物組織に従って、通常のエアジェットルームを用いて、経密度が132本/2.54cm、緯密度が131本/2.54cmの緯二重組織織物を製織した。
【0076】
図6の組織図は、裏織(織機上で、組織図の面が下になる)で製織する場合のものである。組織図を表面(経糸は共通で、緯糸は表面用の緯糸)と裏面(経糸は共通で、緯糸は裏面用の緯糸)に分割した組織図が、a.裏面、b.表面となり、a.裏面の点線(赤線です)で囲われた部分が、織物裏面の外層部分に緯糸が連続して配されるひとつの凸部分となり、その他の部分が凹部分となる。この場合、凹部分が四角形の柄を形成しており。凸部分が編み目状に配置されている。表面は、緯糸が連続して織物の外層に配される部分が無く、フラットな構造となっている。
【0077】
このときの裏面の緯糸の経糸との交錯点は104箇所であり、表面のそれ緯糸の経糸との交錯点は256箇所であり、その比率は2.5倍となり、一方、裏面において、緯糸が織物外層に配される「点」は218点であり、経糸が織物外層に配される「点」は54点となり、その比率は4.0倍であった。
【0078】
また、裏面においては、経方向が連続7本、かつ緯方向が連続7本緯糸が織物外層に配された部分などを組み合わせた、連続する1つの凸部を形成する凹凸構造となった。
【0079】
次いで、得られた緯二重組織織物に通常の液流染色仕上げ加工を施し、経密度が144本/2.54cmで、緯密度が142本/2.54cmの織物を得た。この織物の吸水表裏拡散面積は13.5であり、作業用ユニフォーム用のシャツとして着用した結果、発汗をともなった場合も肌にべたつかず、ムレ感の無い快適な素材であった。結果を表1に示す。
【0080】
[比較例1]
ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの捲縮加工糸(84dtex−36f)を経糸に用い、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの仮撚り加工糸(168T−48f)を緯糸に用い、通常のエアジェットルームを用いて、経密度が110本/2.54cmで、緯密度が50本/2.54cmの平組織織物を製織した。
【0081】
次いで、得られた平組織織物に通常の液流染色仕上げ加工を施し、経密度が122本/2.54cmで、緯密度が53本/2.54cmの織物を得た。この織物の吸水表裏拡散面積は1.2であり、作業用ユニフォーム用のシャツとして着用した結果、発汗により生地が肌にべたつき、肌触りの悪い素材であった。結果を表1に示す。
【0082】
[比較例2]
ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの非捲縮延伸糸(84dtex−36f)を経糸に用い、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの仮撚り加工糸(84dtex−36f)を表面の緯糸に、そしてポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントの仮撚り加工糸(167dtex−48f)を裏面の緯糸に用いて、図7の織物組織に従って、通常のエアジェットルームを用いて、経密度が135本/2.54cmで、緯密度が129本/2.54cm、の緯二重組織織物を製織した。
【0083】
図7の組織図は、裏織(織機上で、組織図の面が下になる)で製織する場合のものである。組織図を表面(経糸は共通で、緯糸は表面用の緯糸)と裏面(経糸は共通で、緯糸は裏面用の緯糸)に分割した組織図が、a.裏面、b.表面となり、裏面・表面ともに、緯糸が連続して織物の外層に配される部分がなく、フラットな構造となった。
【0084】
このときの裏面の緯糸の経糸との交錯点は112箇所であり、緯糸の経糸との交錯点は128箇所であり、その比率は1.1倍となり、一方、裏面において、緯糸が連続して織物の外層に配される部分が無く、経糸との交錯点を多く有するために、緯糸が織物外層に配される「点」は84点、経糸が織物外層に配される「点」は72点で、その比率は1.7倍であった。
【0085】
また、裏面においては、経方向のみ連続3本、あるいは緯方向のみ連続3本で緯糸が織物外層に配された部分を有するが、経方向が連続3本以上、かつ緯方向が連続3本以上緯糸が織物外層に配された部分は有さないため、凹凸を形成しないフラットな構造となった。
【0086】
次いで、得られた緯二重組織織物に通常の液流染色仕上げ加工を施し、経密度が151本/2.54cmで、緯密度が138本/2.54cmの織物を得た。仕上げ加工後においても裏面は凸部を形成せず、フラットな構造(組織も含め織物全面で均一な表面構造)であった。この織物の吸水表裏拡散面積は2.4であった。結果を表1に示す。
【0087】
【表1】
【符号の説明】
【0088】
1.凹部分
2.凸部分
3.凹部分
4.凸部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7