特許第6377949号(P6377949)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クロネス アーゲーの特許一覧

特許6377949別個の圧力パッド制御を有するブロー成形マシン
<>
  • 特許6377949-別個の圧力パッド制御を有するブロー成形マシン 図000002
  • 特許6377949-別個の圧力パッド制御を有するブロー成形マシン 図000003
  • 特許6377949-別個の圧力パッド制御を有するブロー成形マシン 図000004
  • 特許6377949-別個の圧力パッド制御を有するブロー成形マシン 図000005
  • 特許6377949-別個の圧力パッド制御を有するブロー成形マシン 図000006
  • 特許6377949-別個の圧力パッド制御を有するブロー成形マシン 図000007
  • 特許6377949-別個の圧力パッド制御を有するブロー成形マシン 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6377949
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】別個の圧力パッド制御を有するブロー成形マシン
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/78 20060101AFI20180813BHJP
   B29C 49/56 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   B29C49/78
   B29C49/56
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-95761(P2014-95761)
(22)【出願日】2014年5月7日
(65)【公開番号】特開2014-223803(P2014-223803A)
(43)【公開日】2014年12月4日
【審査請求日】2017年4月6日
(31)【優先権主張番号】10 2013 104 995.8
(32)【優先日】2013年5月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508120916
【氏名又は名称】クロネス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ディータ フィンガー
(72)【発明者】
【氏名】ペーター レックス
(72)【発明者】
【氏名】トマス シュピッツァ
【審査官】 中山 基志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−283442(JP,A)
【文献】 特表2007−530314(JP,A)
【文献】 特開2013−049270(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C49/00−49/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックプリフォーム(10)を成形するための方法であって、該プラスチックプリフォーム(10)は、ブロー成形型の中に導入され、流動性媒体を該プラスチックプリフォームに付加することにより膨張させられ、該流動性媒体は、該プラスチックプリフォーム(10)の内部空間の中に導入され、該ブロー成形型は、該プラスチックプリフォームの膨張中に空隙を形成する少なくとも二つの側面部分(2、4)を含み、該側面部分の中で、ラスチック容器は、膨張させられ、該側面部分(2、4)は、それぞれ、該ブロー成形型を開放および閉鎖するために互いに対して動かされる側面部分キャリア(12、14)に提供され、側面部分キャリア(12、14)、膨張要素(30)を有し、該膨張要素は、該膨張要素に付加されるガス状媒体を有し得、該膨張要素は、該ガス状体が該膨張要素に付加される場合、一方の側面部分(2、4)がもう一方の側面部分(4、2)に向かって動かされることを確実にし、該プラスチックプリフォーム(10)の膨張中、少なくとも二つの異なる圧力レベルが、該膨張要素(30)に付加され、該プラスチックプリフォーム(10)への圧力の該付加は、時間中の所定の点(Tb)で始められ、
第一の圧力(Pe1)が、該プラスチックプリフォーム(10)への圧力の該付加の第一の時間区間(dT1)中に該膨張要素に付加され、該第一の圧力(Pe1)よりも大きい第二の圧力(Pe2)が、該第一の時間区間(dT1)の後の時間中に続く第二の時間区間(dT2)中に付加され、圧力が該プラスチックプリフォーム(10)に付加される前に、圧力が既に該膨張要素(30)に付加されることを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記第一の圧力が、少なくとも時々、前記プラスチックプリフォームに付加される瞬間圧力から外れる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一の圧力(Pe1)が前記第二の圧力(Pe2)よりも低いことにより特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第一の圧力が2バール〜25バール、好ましくは3バール〜20バール、好ましくは3バール〜15バール、好ましくは4バール〜10バールであることにより特徴付けられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第二の圧力が前記プラスチックプリフォームに付加される中間および/または最終的なブローイング圧力であることにより特徴付けられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
二つの側面部分(2、4)を含むブロー成形型(8)を使用してプラスチックプリフォーム(10)を成形するための成形ユニット(50)であって、該二つの側面部分(2、4)は、該ブロー成形型(8)の閉鎖状態において空隙(15)を形成し、該空隙内で、該プラスチックプリフォーム(10)は、流動性媒体を、該ブラスチックプリフォームの膨張のために該プラスチックプリフォーム(10)の内部空間の中に該ガス状媒体を供給する付加ユニットを使用して、該プラスチックプリフォームに付加することにより膨張可能であり、該側面部分(2、4)は、各々、該成形型を開放および閉鎖するために互いに対して動かされ得る側面部分キャリア(12、14)に提供され、該成形ユニット(50)は、膨張要素(30)を有し、該膨張要素(30)は、該膨張要素に付加されるガス状媒体を有し得、該膨張要素は、ガス状媒体が該膨張要素に付加される場合、一方の側面部分(2、4)がもう一方の側面部分(4、2)に向かって押されることを確実にし、
該成形ユニットが、該膨張要素への該ガス状媒体の供給が制御されることを可能にする制御ユニット(60)を含み、該膨張要素(30)に供給される該媒体の圧力が、改変可能であり、少なくとも時々、該プラスチックプリフォーム(10)に付加される最大圧力を下回り、該制御ユニット(60)は、圧力が該プラスチックプリフォーム(10)に付加される前に、圧力が既に該膨張要素(30)に付加されるように、該膨張要素(30)への圧力の付加を制御することを特徴とする、
成形ユニット。
【請求項7】
前記成形ユニットが加圧されたガス状媒体を提供する第一の貯留部(52)含み、該第一の貯留部が、少なくとも時々、前記付加ユニットに接続ライン(112)を介して接続されることを特徴とする、請求項6に記載の成形ユニット(50)。
【請求項8】
前記成形ユニット(50)が加圧されたガス状媒体を提供する第二の貯留部(54)含み、該第二の貯留部が、少なくとも時々、前記膨張要素(30)に接続ライン(116)を介して接続されることを特徴とする、請求項7に記載の成形ユニット(50)。
【請求項9】
前記制御ユニット(60)が少なくとも一つの第一の弁(62)を含み、該第一の弁を介して、前記膨張要素(30)への前記ガス状媒体の供給が制御可能であることにより特徴付けられる、請求項6〜8の少なくとも一つに記載の成形ユニット(50)。
【請求項10】
前記第一の弁が比例弁であることにより特徴付けられる、請求項9に記載の成形ユニット(50)。
【請求項11】
前記制御ユニット(60)が第二の弁(64)を含み、該第二の弁を介して、前記膨張要素への前記ガス状媒体の供給が制御可能であり、好ましくは少なくとも一つの弁(62、64)が逆止弁であることにより特徴付けられる、請求項9に記載の成形ユニット(50)。
【請求項12】
請求項6〜11の少なくとも一つに記載の複数の成形ユニット(50)を備え、該成形ユニット(50)は、一般的な可動キャリアに配置される、プラスチックプリフォームをプラスチックボトルに成形するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックプリフォームをプラスチック容器、特にプラスチックボトルに成形するための装置および方法に関連する。このような装置および方法は、長年にわたり先行技術により公知であった。この関連では、加熱されたプラスチックプリフォームが、通常、加圧された空気をプラスチックボトルに加えることによって、ブローイングステーション(blowing station)において成形される。この目的のために、プラスチックプリフォームは、ブロー成形型に導入され、このブロー成形型は、次いで、閉鎖されて、この閉鎖状態で、プラスチックプリフォームの膨張が行われる。この成形プロセスに関連して頻繁に起こる一つの問題は、二つのブロー成形型部分(例えば、ブロー成形型半部)の間の接触部であり、この問題は、製造において、完成した容器における所望されない継ぎ目につながり得る。
【背景技術】
【0002】
ゆえに、このような成形ステーションにおいていわゆる圧力パッドを使用することが、先行技術において公知であり、この圧力パッドは、プラスチックプリフォームの膨張中、二つのブロー成形型部分またはブロー成形型半部を互いに押す。出願人の内部の先行技術により公知であるこのアプローチにおいて、ブロー成形プロセス中に容器の中に伝わる結果としてその中に行き渡る同一の圧力はまた、圧力パッドにも加えられる。ゆえに、圧力パッドにおける圧力プロファイルは、ここでは、ブローイングの圧力プロファイルに対応する。結果として、常にただ一つの圧力が、この圧力パッドに加えられる成形型の間隙が存在しないように、任意の所与の瞬間においてブロー成形型の閉鎖を保つために必要とされる。成形型キャリアは、それを超えてストレスを与えられることはない。
【0003】
さらに、ブローイングプロセスの前に圧力が既に圧力パッドに加えられていることを確実にする別個の圧力パッド制御を提供し、この圧力が最終的なブローイング圧力よりも高いことは、出願人の内部の先行技術により公知である。この過程において、圧力パッドの圧力は、全ブローイングプロセス中、一定に保たれる。この実施形態は、大容量の容器の場合に特に関係があり、この場合において、突出エリアは、最終的なブローイング圧力が成形型を閉鎖または相互接触に保つのにはもはや十分でない程の大きな力を蓄える。このアプローチの不利な点は、高いエネルギー消費と、成形型キャリアへの負荷が非常に高いという事実にある。
【0004】
出願人の内部の先行技術により公知であるさらなるアプローチにおいて、圧力パッドは、最終的なブローイング圧力に比べてより低い圧力を使用して作動させられる。これはまた、圧力パッド低下とも呼ばれる。圧力は、ブローイングプロセスの前に圧力パッドに既に加えられている。圧力パッドの圧力は、全ブローイングプロセス中、一定に保たれ続ける。この実施形態は、小容量の容器について特に有用であり、この場合において、成形型キャリアへの圧力は、有意に減少し得る。
【0005】
先行技術により公知であるさらなる方法(ここで、圧力パッドの圧力プロファイルがブローイング圧力プロファイルに正確に対応する)において、圧力パッドは、容器の形成プロセスが既に始まっている後まで、動かない。しかしながら、これは、成形型の間隙がもはや閉鎖されていないので、容器において形成される継ぎ目につながり得る。
【0006】
ゆえに、本発明は、一方では、形成されるボトルの継ぎ目を可能な限り避ける目的に基づき、そのうえ、成形型半部の穏やかな動きと成形型キャリアへのより低いストレスとを達成する目的にも基づく。本発明に従い、これらの目的は、独立請求項の主題の手段により達成される。有利な実施形態とさらなる展開とは、従属請求項の主題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
プラスチックプリフォームの成形のため、特にプラスチックプリフォームをプラスチック容器(特に、プラスチックボトル等であるが、これに限られない)に成形するための、本発明に従う方法において、プラスチックプリフォームは、ブロー成形型の中に導入され、流動性媒体をそこに加えることにより膨張させられ、この流動性媒体は、プラスチックプリフォームの内部空間の中に導入される。さらに、ブロー成形型は、少なくとも二つの側面部分を有し、これらの側面部分は、プラスチックプリフォームの膨張中、その内側に空隙を形成し、この空隙の内で、プラスチック容器が膨張させられる。ここで再び、これらの側面部分が、それぞれ、側面部分キャリアに提供され、これらの側面部分キャリアは、ブロー成形型を開放および閉鎖するために互いに対して動かされる。さらに、そこに提供された少なくとも一つの、側面部分キャリアと側面部分とのアセンブリは、ガス状媒体が加えられ得る膨張要素を含み、この膨張要素は、ガス状媒体がそこに加えられる場合、一つの側面部分がもう一つの側面部分に向かい送られる。さらに、プラスチックプリフォームの膨張中、少なくとも二つの異なる圧力レベルが、後者に加えられ、プラスチックプリフォームへの圧力のこの付加は、時間内の所定の点で始まる。
【0008】
本発明に従うと、最初の圧力は、膨張プロセスの第一の時間区間中に膨張要素に加えられ、第一の圧力よりも大きい第二の圧力は、時間内で第一の区間に続く第二の時間区間中に加えられ、ここで、第一の圧力は、好ましくは、少なくとも時々、プラスチックプリフォームに加えられる瞬間的な圧力から逸脱する。
【0009】
これは、第一の圧力が、所定の時間窓において見られた場合、この時間窓内でプラスチックプリフォームに加えられる圧力から逸脱することを意味する。この時間窓内において好ましくは、この圧力は、プラスチックプリフォームに加えられた圧力よりも高い。好ましくは、圧力は、圧力がプラスチックプリフォームに加えられる前であっても、膨張要素に既に加えられている。
【0010】
好ましくは、膨張要素に加えられる圧力は、常に、プラスチックプリフォームに加えられる圧力に等しいか、それよりも大きい。しかしながら一方で、膨張要素に加えられる圧力は、好ましくはまた、少なくとも時々、プラスチックプリフォームに加えられる最大圧力よりも低い。
【0011】
したがって、第二の時間区間は時間内の所定の点の後であり、第一の時間区切りはまた、好ましくは、時間内の所定の点の後である。時間の所定の区切りは、ブローイングプロセスが始められるか、またはプラスチックプリフォームへの圧力の付加が始められる時間内の点を意味することが、本明細書で理解される。
【0012】
膨張要素は、特に、上記で説明された圧力パッドである。これは、ガス状媒体、特に空気が加えられ得る空間であり得、この付加の結果として少なくともわずかに膨張し、その結果、一方の側面部分がもう一方の側面部分に向かって動き、結果として、それらが締結されて閉じられる。この方法で、二つの側面部分は、継ぎ目の形成を回避または低減させるために、有利なことに、互いに対してより固く押す。この関連で、この膨張要素は、有利なことに、側面部分キャリアと、側面部分キャリアと連関するブロー成形型の側面部分との間の領域において提供され得る。しかしながら、加えて、キャリアシェルを提供することも可能であり、このキャリアシェルに、今度は、側面部分が位置付けられる。膨張要素は、好ましくは、側面部分キャリアとキャリアシェルとの間に位置付けられるが、それをキャリアシェルとブロー成形型のそれぞれの側面部分との間に位置付けることもまた、想定される。
【0013】
好ましくは、プラスチックプリフォームは、その膨張中に移動させられる。特に好ましくは、プラスチックプリフォームは、その膨張中に円形路に沿って移動させられる。さらに有利な方法において、プラスチックプリフォームは、特に好ましくは、延伸ロッドのようなロッド状本体をプラスチックプリフォーム中に導入することにより、追加的に延伸させられ、この延伸ロッドは、膨張プロセス中、プラスチックプリフォームを少なくとも部分的にその長手軸方向に延伸させる。さらに有利な方法において、少なくとも二つ、特に三つの、異なる圧力レベルが、プラスチックプリフォームを膨張させるために使用される。この文脈において、最初にプリブローイング圧力、続いて中間のブローイング圧力、そして最終的に、最終的なブローイング圧力をプラスチックプリフォームに加えることが、可能である。
【0014】
さらに有利な方法において、このような膨張要素が、側面部分のうちの一方と連関する側面キャリア部分との間のみに提供されるが、もう一方の側面部分と対応するもう一方の側面キャリア部分とのそれぞれの間には提供されない。
【0015】
さらに有利な実施形態において、側面部分は、もう一方に対して所定の軸の周りで枢動可能である。これは、有利なことに、プラスチックプリフォームの移動レベルに対して直交して方向付けられる軸である。これは、特に、垂直に延びる枢動軸である。
【0016】
さらに有利な方法において、当該空隙は、ちょうど側面部分により終結するのではなく、ブロー成形型の底部分により終結する。
【0017】
さらに有利な方法において、二つの側面部分は、互いに対してロックされる。ここで、ロッキング機構が提供され得、このロッキング機構は、膨張プロセス中、少なくとも時々、二つの側面部分を互いに対してロックする。
【0018】
有利な方法において、第一の圧力は、第二の圧力よりも低い。これは、最初はより低い圧力が、続いて、特に膨張プロセス中には、より高い圧力が、膨張要素(すなわち、圧力パッド)に加えられることを、意味する。
【0019】
この関連で、圧力に関して、連続的に上昇することが可能であるが、圧力を二つの異なる圧力段階で供給することもまた可能である。有利なことに、第二の圧力は、第一の圧力の少なくとも二倍の大きさ、好ましくは少なくとも三倍の大きさ、好ましくは少なくとも四倍の大きさである。
【0020】
ここで、第二の圧力(すなわち、より高い圧力)が始まるまで、第一の圧力を最初は定常に保つことが、可能である。
【0021】
さらに有利な方法において、圧力は、それがプラスチックプリフォーム自体に加えられる前に、膨張要素に既に加えられている。これは、先行技術により公知である方法とは異なり、圧力がプラスチックプリフォーム自体に加えられる前であっても、圧力が膨張要素または圧力パッドに既に加えられていることを、意味する。この文脈において、早ければブロー成形プロセスの前に、好ましくは低く、かつ特に好ましくは一定の圧力が膨張要素に加えられ、この圧力が二つの側面部分または成形型半部を一緒に動かすか、または押すことが、有利なことに可能である。
【0022】
膨張要素に加えられる圧力が、少なくとも時々、プラスチックプリフォームのための付加圧力に適合させられることが、さらに想定可能である。したがって、ブロー成形圧力がこの既に存在している圧力を超えるとすぐに、膨張要素における圧力プロファイルがブロー圧力プロファイルに従い、結果として、ブロー成形圧力が上昇する場合に成形型の間隙が再び発達するリスクが存在しないことが、想定可能である。有利なことに、膨張要素のための圧力は再び、少なくとも時々、プラスチックプリフォームに加えられる圧力に適合させられる。しかしながら、圧力に関して、プラスチックプリフォームに加えられる圧力をわずかに(例えば最大2バール)超えることもまた、想定可能である。
【0023】
したがって、より低い圧力が、何らかの過度のストレスを成形型キャリアまたはブローイングステーションに掛けることがないように、好ましくは最初に膨張要素に加えられ、続いて、ブローイング圧力が、好ましくは、膨張要素を制御するために追加される。この目的のために、OR回路が有利なことに使用され、このOR回路は、下記で詳細に説明される。
【0024】
上記で説明されたような膨張要素についての二つの圧力レベルの間でスイッチ切り替えは、ここでまた、「デジタル式スイッチ切り替え」空気弁を介して行われ得る。
【0025】
さらに好ましい方法において、第一の圧力は、2バール〜25バール、好ましくは3バール〜20バール、好ましくは3バール〜15バール、特に好ましくは4バール〜10バールである。この圧力レベルは、ブローイングステーションまたは側面部分キャリアに過剰なストレスを掛けることなしに、ブロー成形型の側面部分の十分な一緒の動きを確実にするために特に好適であることが示されている。
【0026】
好ましくは、上記で述べられたように、プラスチックプリフォームに加えられる第二の圧力は、中間および/または最終的なブローイング圧力である。したがって、膨張要素についての圧力は、時間の所定の区切りの内で、最終的なブローイング圧力に適合させられ得る。
【0027】
本発明は、プラスチックプリフォームをプラスチック容器、特にプラスチックボトルに成形するための成形ユニットにさらに関連する。この成形ユニットは、ブロー成形型を含み、このブロー成形型は、今度、ブロー成形型の閉鎖状態において空隙を形成する二つの側面部分を有し、この空隙の内で、プラスチックプリフォームが流動性媒体をそこに加えることにより膨張可能である。さらに、装置は、ガス状媒体をプラスチックプリフォームの内部空間中にその膨張のために供給する付加ユニットを含み、ここで、側面部分は、各々、ブロー成形型の開放および閉鎖のために互いに対して動かされ得る側面部分キャリアに提供される。さらに、装置は、そこに加えられるガス状媒体を有することが可能である膨張要素を含み、この膨張要素は、ガス状媒体がそこに加えられる場合、側面部分がもう一つの側面部分に向けて送られるか、もしくは押されるか、またはもう一方の側面部分の方向に予め付勢されることを、確実にする。
【0028】
本発明に従い、成形ユニットは、制御される膨張要素へのガス状媒体の供給を可能にする制御ユニットを含み、ここで、膨張要素に供給される媒体の圧力は、改変可能であり、少なくとも時々、プラスチックプリフォームに供給される最大圧力を下回る。
【0029】
ゆえに、膨張要素に加えられる圧力または圧力パッドが上記で述べられた利点を達成するために改変されることが、装置の側面に提案される。有利なことに、制御ユニットは、プラスチックプリフォームに加えられる圧力もまた少なくとも時々は膨張要素に加えられるような態様で、実装される。
【0030】
好ましい実施形態において、成形ユニットは、第一の貯留部を含み、この第一の貯留部は、加圧されたガス状媒体を提供し、少なくとも時々、付加ユニットに接続ラインを介して接続される。この貯留部は、例えば、ガス状媒体を一つまたは複数の成形ステーションに供給するリングチャネルであり得る。有利なことに、装置は、多数のこのような貯留部を含み、ゆえに、これらの貯留部は、異なる圧力レベルが成形ユニットに加えられることを可能にする。
【0031】
有利な実施形態において、成形ユニットは、第二の貯留部を含み、この第二の貯留部は、加圧されたガス状媒体を提供し、少なくとも時々、膨張要素に接続ラインを介して接続される。ゆえに、ここで、別個の貯留部が提供され、この貯留部を介して、ガス状媒体が膨張要素に供給可能であることが、提示される。
【0032】
さらなる有利な実施形態において、上記で述べられた制御ユニットは、少なくとも一つの第一の弁を含み、この第一の弁を介して、膨張要素へのガス状媒体の供給が制御可能である。しかしながら、この弁は、有利なことに、実際のブローイングプロセスに何の影響もないが、好ましくは、膨張要素へのガス状媒体の付加のみに影響を持つ。
【0033】
さらなる有利な実施形態において、制御ユニットは、第二の弁を有し、この第二の弁を介して、膨張要素へのガス状媒体の供給が制御可能であり、好ましくは、二つの弁のうちの少なくとも一つは、逆止弁である。有利なことに、述べられた二つの弁の各々について、逆止弁として形成されることが、想定可能である。
【0034】
本発明はさらに、プラスチックプリフォームをプラスチックボトルまたはプラスチック容器に成形するためのシステムに関する。このシステムは、上記で述べられた類の複数の成形ユニットを含み、これらの成形ユニットが一般的な可動キャリアに提供される。有利なことに、可動キャリアは、回転可能キャリア、特にいわゆるブローホイールである。有利なことに、個別の成形ユニットは、このキャリアの外縁に配置される。
【0035】
さらに有利な実施形態において、装置は、プラスチックプリフォームを個別の成形ユニットに供給する供給ユニットを有する。有利なことに、排出ユニットもまた提供され、この排出ユニットは、プラスチックプリフォームを成形ユニットから排出する。
【0036】
さらなる有利な実施形態において、加熱ユニット、特にオーブンもまた提供され、この加熱ユニットは、個別の成形ユニットに供給される前に、プラスチックプリフォームを加熱する。それを除くと、滅菌ユニットもまた提供され得、この滅菌ユニットは、プラスチックプリフォームを滅菌するために使用される。滅菌ユニットは、加熱ユニットの前、中または後に位置付けられ得る。好ましくは、滅菌ユニットが加熱ユニットの下流に提供される。
【0037】
さらなる利点および実施形態が、添付の図面から明らかになる。
一つの実施形態において、本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
プラスチックプリフォーム(10)を成形するための方法であって、該プラスチックプリフォーム(10)は、ブロー成形型の中に導入され、流動性媒体を該プラスチックプリフォームに付加することにより膨張させられ、該流動性媒体は、該プラスチックプリフォーム(10)の内部空間の中に導入され、該ブロー成形型は、該プラスチックプリフォームの膨張中に空隙を形成する少なくとも二つの側面部分(2、4)を含み、該側面部分の中で、該プラスチック容器は、膨張させられ、該側面部分(2、4)は、それぞれ、該ブロー成形型を開放および閉鎖するために互いに対して動かされる側面部分キャリア(12、14)に提供され、一方の側面部分キャリア(12、14)と該側面部分キャリアに提供された側面部分(2、4)との少なくとも一つの配置は、膨張要素(30)を有し、該膨張要素は、該膨張要素に付加されるガス状媒体を有し得、該膨張要素は、該ガス状体媒体が該膨張要素に付加される場合、一方の側面部分(2、4)がもう一方の側面部分(4、2)に向かって動かされることを確実にし、該プラスチックプリフォーム(10)の膨張中、少なくとも二つの異なる圧力レベルは、後者に付加され、該プラスチックプリフォーム(10)への圧力の該付加は、時間中の所定の点(Tb)で始められ、
第一の圧力(Pe1)が、該膨張プロセスの第一の時間区間(dT1)中に該膨張要素に付加され、該第一の圧力(Pe1)よりも大きい第二の圧力(Pe2)が、該第一の区間(dT1)の後の時間中に続く第二の時間区間(dT2)中に付加され、該第一の圧力が、好ましくは少なくとも時々、該プラスチックプリフォームに付加される瞬間圧力から外れることを特徴とする、
方法。
(項目2)
上記第一の圧力(Pe1)が上記第二の圧力(Pe2)よりも低いことにより特徴付けられる、上記項目に記載の方法。
(項目3)
圧力が上記プラスチックプリフォーム(10)に付加される前に、圧力が既に上記膨張要素(30)に付加されることにより特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
上記第一の圧力が2バール〜25バール、好ましくは3バール〜20バール、好ましくは3バール〜15バール、好ましくは4バール〜10バールであることにより特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
上記第二の圧力が上記プラスチックプリフォームに付加される中間および/または最終的なブローイング圧力であることにより特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
二つの側面部分(2、4)を含むブロー成形型(8)を使用してプラスチックプリフォーム(10)を成形するための成形ユニット(50)であって、該二つの側面部分(2、4)は、該ブロー成形型(8)の閉鎖状態において空隙(15)を形成し、該空隙内で、該プラスチックプリフォーム(10)は、流動性媒体を、該ブラスチックプリフォームの膨張のために該プラスチックプリフォーム(10)の内部空間の中に該ガス状媒体を供給する付加ユニットを使用して、該プラスチックプリフォームに付加することにより膨張可能であり、該側面部分(2、4)は、各々、該成形型を開放および閉鎖するために互いに対して動かされ得る側面部分キャリア(12、14)に提供され、装置(1)は、膨張要素(30)を有し、該膨張要素(30)は、該膨張要素に付加されるガス状媒体を有し得、該膨張要素は、ガス状媒体が該膨張要素に付加される場合、一方の側面部分(2、4)がもう一方の側面部分(4、2)に向かって押されることを確実にし、
該成形ユニットが、該膨張要素への該ガス状媒体の供給が制御されることを可能にする制御ユニット(60)を含み、該膨張要素(30)に供給される該媒体の圧力が、改変可能であり、少なくとも時々、該プラスチックプリフォーム(10)に付加される最大圧力を下回ることを特徴とする、
成形ユニット。
(項目7)
上記成形ユニットが加圧されたガス状媒体を提供する第一の貯留部(52)含み、該第一の貯留部が、少なくとも時々、上記付加ユニットに接続ライン(112)を介して接続されることを特徴とする、上記項目のいずれかに記載の成形ユニット(50)。
(項目8)
上記成形ユニット(50)が加圧されたガス状媒体を提供する第二の貯留部(54)含み、該第二の貯留部が、少なくとも時々、上記膨張要素(30)に接続ライン(116)を介して接続されることを特徴とする、上記項目のいずれかに記載の成形ユニット(50)。
(項目9)
上記制御ユニット(60)が少なくとも一つの第一の弁(62)を含み、該第一の弁を介して、上記膨張要素(30)への上記ガス状媒体の供給が制御可能であることにより特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の成形ユニット(50)。
(項目10)
上記第一の弁が比例弁であることにより特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の成形ユニット(50)。
(項目11)
上記制御ユニット(60)が第二の弁(64)を含み、該第二の弁を介して、上記膨張要素への上記ガス状媒体の供給が制御可能であり、好ましくは少なくとも一つの弁(62、64)が逆止弁であることにより特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の成形ユニット(50)。
(項目12)
上記項目のいずれかに記載の複数の成形ユニット(50)を備え、該成形ユニット(50)は、一般的な可動キャリアに配置される、プラスチックプリフォームをプラスチックボトルに成形するためのシステム。
(摘要)
本発明は、プラスチックプリフォーム(10)を成形するための方法に関連し、該プラスチックプリフォーム(10)は、ブロー成形型の中に導入され、流動性媒体をそこに付加することにより膨張させられ、該流動性媒体は、該プラスチックプリフォーム(10)の内部空間の中に導入され、該ブロー成形型は、該プラスチックプリフォームの膨張中に空隙を形成する少なくとも二つの側面部分(2、4)を含み、その内で、該プラスチック容器は、膨張させられ、該側面部分(2、4)は、それぞれ、該ブロー成形型を開放および閉鎖するために互いに対して動かされる側面部分キャリア(12、14)に提供され、一方の側面部分キャリア(12、14)とそこに提供された側面部分(2、4)との少なくとも一つの配置は、そこに付加されるガス状媒体を有し得る膨張要素(30)を有し、該膨張要素は、該ガス状体媒体がそこに付加される場合、一方の側面部分(2、4)がもう一方の側面部分(4、2)に向かって動かされることを確実にし、該プラスチックプリフォーム(10)の膨張中、少なくとも二つの異なる圧力レベルは、後者に付加され、該プラスチックプリフォーム(10)への圧力の該付加は、時間中の所定の点(Tb)で始められる。
本発明に従い、第一の圧力(Pe1)が、該膨張プロセスの第一の時間区間(dT1)中、該膨張要素に付加され、該第一の圧力(Pe1)よりも大きい第二の圧力(Pe2)が、該第一の区間(dT1)の後の時間中に続く第二の時間区間(dT2)中に付加され、該第一の圧力が、好ましくは少なくとも時々、該プラスチックプリフォームに付加される瞬間圧力から外れる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、プラスチックプリフォームをプラスチック容器に成形するための成形ユニットの図を示す。
図2図2は、図1において示された成形ユニットの二分の一の部分図を示す。
図3図3は、側面キャリア部分の図を示す。
図4図4は、本発明に従う装置のブロック図を示す。
図5図5は、本発明に従う装置のさらなるブロック図を示す。
図6図6は、本発明に従う装置のさらなるブロック図を示す。
図7図7は、膨張要素に関する圧力のプロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、プラスチックプリフォームをプラスチック容器に膨張させるための成形ユニット1の図を示す。この成形ユニットは、ここで、第一の側面部分2と第二の側面部分4とを有するブロー成形型を備える。これら二つの側面部分は、それらの間にプラスチックプリフォームを受け取るために、展開され得、ガス状媒体、特に空気をブロー成形型の内側におけるこのプラスチックプリフォームに加えるために、再び一緒に折り戻され得る。参照番号12は、側面部分2を運ぶことを意図される第一の側面部分キャリアに関連する。ここで、ブロー成形型キャリアシェル22がこの側面部分キャリア12に提供され、このブロー成形型キャリアシェルは、今度、ブロー成形型の側面部分2を受け取る。参照番号14は、第二の側面部分キャリアを同定し、この第二の側面部分キャリアに、第二の側面部分4がさらにブロー成形型シェル24を介して配置される。これらの二つの側面部分キャリア12、14は、ブロー成形型を開放および閉鎖するための共通のシャフトまたは軸に関して、一緒にかつ離れて枢動可能である。参照番号16および18は、膨張プロセス中、ブロー成形型を閉鎖状態に保つために使用される二つのロッキング要素に関連する。ここで、ロッキング要素は、軸の周りで枢動可能であり、この軸はまた、二つの側面部分キャリア12、14の軸と同じ方向に延びる。
【0040】
図2は、図1において示される成形ユニット1の部分図または二分の一を示す。ここで再び見られ得るものは、側面部分キャリア12であり、この側面部分キャリアに、側面部分2がキャリアシェル22を介して据え付けられる。さらに見られ得るものはまた、空隙15の一部分であり、この空隙の内で、プラスチックプリフォームがプラスチック容器に膨張されるか、またはより具体的に、側面部分2の壁に対して膨張させられる。
【0041】
図3は、側面部分キャリア12の図を示す。またここで見られ得るものは、側面部分キャリア12とそこに提供された側面部分とを押し離すため、および側面部分2が第二の側面部分4に向かうようにして押すために使用される膨張要素30である。図3において見られる図において、二つのこのような膨張要素が提供され、これらの膨張要素は、ゆえに、そこに提供される側面部分が結果として生じる方向(ここでは二つの膨張要素の間の角の二等分線として延びる方向)に均等に押されることを、確実にする。
【0042】
図4は、本発明に従う装置を図示するためのさらなる図を示す。ここで再び見られ得るものは、二つの側面部分2および4と、非常に図式的な図での、膨張要素30であり、この膨張要素はまた、そこに加えられる加圧された空気を有し得る。参照番号10は、ブロー成形型の中に導入可能であるプラスチックプリフォームを同定し、参照番号5は、ブロー形成が終結する底部分または底の方のそれの空隙を同定する。
【0043】
参照番号52は、ブロー空気をプラスチックプリフォーム10に加えるために使用される貯留部を同定する。この目的のために、接続ライン112は、貯留部52とプラスチックプリフォームまたは付加ユニット(ブローノズルのような)との間に提供され、これは、空気をプラスチックプリフォームに加える。
【0044】
参照番号54は、ブロー空気を膨張要素30に加えるために使用されるさらなる貯留部を特徴付け、再び、接続ライン116がこの目的のために提供される。
【0045】
膨張要素への空気供給の制御は、ここで、とりわけ、逆止弁として形成される二つの弁62、64により行われる。実際の膨張プロセスの前に、逆止弁62は、空気が貯留部54から膨張要素30に例えば5バールの圧力下で流れるように、開放される。
【0046】
ブロー圧力が特定のレベルを上回って上昇するとすぐに、それはまた、逆止弁64を通じて膨張要素に達する。この場合において、逆止弁62が正確にこの圧力により閉鎖されることが、想定可能である。参照番号72は、膨張要素30に存在する圧力を測定する圧力測定デバイスを同定する。参照番号74は、例えばスロットルのような出口ユニットを同定する。圧力パッドまたは膨張要素30に供給可能である圧力は、有利に、さらなる弁66を介して制御可能であり、特に、オンまたはオフにスイッチ可能である。この点において、圧力パッド低下(PPR)は、ここでまた、提供され得る。参照番号60は、膨張要素への圧力の付加を制御する制御ユニットを同定する。上記で述べられた弁は、この制御ユニット60の構成要素である。参照番号8は、ガス状媒体をプラスチックプリフォーム10に加える例えばブローノズルのような付加ユニット(非常に図式的にのみ示されている)を同定する。
【0047】
図5は、本発明に従う配置のさらなる図を示す。実際の成形ステーションの図は、ここで、図4において示される図に対応する。しかしながら、この場合において、三つの制御可能弁63、66および65が提供され、これらの弁を介して、成形ユニット1への圧力の供給が制御可能である。参照番号65は、通気のために使用される弁に関する。弁66は、貯留部54からの加圧された空気の供給を制御可能であり、参照番号63は、貯留部52からの供給を制御可能である弁を同定し、これはまた、ブロー空気を供給する。弁の適切な配線によって、時間中のどの点で膨張要素への圧力の無供給が行われるのか、時間中のどの点または時間のいずれの区切りで貯留部54からの(より低い圧力で)空気の供給が行われるのか、および時間のいずれの区切り中に貯留部52からの供給が行われるのかが、確立可能である。
【0048】
図6は、本発明に従うさらなる配置を示す。ここで、膨張要素30に供給される空気の制御は、弁70のみを介して行われ、この弁は、特にいわゆる比例弁であり得るが、これに限定されない。
【0049】
図7は、膨張要素についての圧力プロファイルを示す。ここで、圧力カーブP1が示され、この圧力カーブは、膨張プロセス中、プラスチックプリフォームに加えられている圧力を図示する。ここで、プリブローイング圧力が、最初、プラスチックプリフォームに加えられ、中間のブローイング圧力が、続いて加えられ、時間の所定の区切りにわたり維持される最終的なブローイング圧力が、最終的に加えられて、容器を形成し、かつそれをこの形成された状態に維持する。参照符号Tbは、膨張プロセスまたはプラスチックプリフォームへの圧力の付加が始められる時間中の点を同定する。
【0050】
参照符号Pe1およびPe2は、膨張手段に加えられる圧力プロファイルの二つの区間を図示する。時間の第一の区切りdT1中、第一の所定の圧力Pe1が圧力要素30に加えられ、これは、ここで、好ましくは、定常かつ7バールにまで、好ましくは約5バールにまで達する。第二の所定の区間dT2において、圧力Pe2が膨張要素30に加えられ、この膨張要素は、圧力P1に適合させられ、それに対応する。この点において、膨張要素への圧力Pe2の付加は、プラスチックプリフォームへの圧力が落ちる(すなわち、プラスチックプリフォームが再び解放される)とすぐに、再び止められる。しかしながら、膨張手段への圧力を膨張プロセスが完了した後まで維持することも、可能である。区間dT2において、圧力要素30における圧力プロファイルは、プラスチックプリフォームをプラスチック容器に加圧または形成するために使用される圧力に、実質的に従う。区間dT2における圧力が区間dT1における圧力を超えるとすぐに、膨張要素における圧力プロファイルは、区間dT2の圧力プロファイルに従う。区間dT2における圧力が区間dT1における圧力よりも低いとすぐに、膨張要素における圧力プロファイルは、第一の区間dT1のそれに従う。
【0051】
出願人は、本発明に必須であるような本出願の書類において開示される特徴の全てを請求するための権利を、それらが個別にまたは組み合わせのいずれかで先行技術に対して新規である限りにおいて、保有する。
【符号の説明】
【0052】
1 成形ユニット
2 第一の側面部分
4 第二の側面部分
5 底部分
8 付加ユニット
10 プラスチックプリフォーム
12 第一の側面部分キャリア
14 第二の側面部分キャリア
15 空隙
16 ロッキング要素
18 ロッキング要素
22 第一のブロー成形型キャリアシェル
24 第二のブロー成形型キャリアシェル
30 膨張要素
52 貯留部
54 さらなる貯留部
62 逆止弁
63 制御可能弁
64 さらなる逆止弁
65 制御可能弁
66 さらなる弁/制御可能弁
70 弁/比例弁
72 圧力測定ユニット
74 放出ユニット
112 接続ライン
116 さらなる接続ライン
Pe1 圧力付加の区間
Pe2 圧力付加の区間
dT1 圧力配分の時間区間
dT2 圧力配分の時間区間
Tb プラスチックプリフォームへの圧力の付加が始まる時間内の点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7