(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運転者は、自分が搭乗する牽引車に対してどの被牽引車が連結可能であるかが記載された表を用い、連結可能な被牽引車の確認作業を行っている。このような確認作業は、誤りが生じないように入念に行う必要があり、運転者にとって極めて手間がかかり煩わしいものである。
【0005】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、自牽引車に連結可能な被牽引車を容易に確認することができる連結牽引装置
、牽引車の制御装置、牽引車、および連結可否判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の観点は、牽引車に被牽引車を連結する際に前記被牽引車のキングピンと結合されるカプラを有する連結牽引装置において、自連結牽引装置が装着された牽引車に連結可能な被牽引車を判定するための情報が記録されたRFID(Radio Frequency Identification)
を有し、
連結牽引装置は、カプラの位置調整が可能なスライド型連結牽引装置であり、カプラの位置が変更されるごとに、RFIDの情報を書き換える制御装置を備えたものである。
【0008】
本発明の第
二の観点は、本発明の連結牽引装置を有し、本発明の被牽引車を牽引する牽引車の制御装置において、
牽引車が被牽引車を連結可能であるか否かを判定するための情報が記録されたRFIDまたはバーコードを有する被牽引車を牽引する牽引車の制御装置において、連結牽引装置が有するRFI
Dから牽引車に連結可能な被牽引車を判定するための情報を取得する連結牽引装置情報取得手段と、被牽引車が有するRFIDまたはバーコードから牽引車が被牽引車を連結可能であるか否かを判定するための情報を取得する被牽引車情報取得手段と、連結牽引装置情報取得手段が取得した情報と被牽引車情報取得手段が取得した情報とに基づいて被牽引車が牽引車に連結可能か否かを判定する連結可否判定手段と、連結可否判定手段の判定結果が否であるときには、その旨の警報を発出する警報発出手段と、
カプラの位置が変更されたごとに、牽引車が有するRFIDに記録された連結牽引装置情報を書き換える書換手段とを有するものである。
【0009】
本発明の第
三の観点は、本発明の連結牽引装置と、本発明の制御装置とを有し、
牽引車が被牽引車を連結可能か否かを判定するための情報がRFIDまたはバーコードに記録された被牽引車を牽引する牽引車である。
【0010】
本発明の第
四の観点は、本発明の連結牽引装置を有し、
牽引車が被牽引車を連結可能か否かを判定するための情報がRFIDまたはバーコードに記録された被牽引車を牽引する牽引車の制御装置が実行する連結可否判定方法において、連結牽引装置が有するRFI
Dから牽引車に連結可能な前記被牽引車を判定するための情報を取得する連結牽引装置情報取得ステップと、被牽引車が有するRFIDまたはバーコードから牽引車が被牽引車を連結可能であるか否かを判定するための情報を取得する被牽引車情報取得ステップと、連結牽引装置情報取得ステップの処理により取得した情報と被牽引車情報取得ステップの処理により取得した情報とに基づいて被牽引車が牽引車に連結可能か否かを判定する連結可否判定ステップと、連結可否判定ステップの判定結果が否であるときには、その旨の警報を発出する警報発出ステップと、
カプラ位置が変更されたごとに、前記牽引車が有するRFIDに記録された連結牽引装置情報を書き換える書換ステップとを有するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自牽引車に連結可能な被牽引車を容易に確認することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態に係る連結車1は、
図1に示すように、牽引車2と被牽引車3が連結されている。牽引車2に被牽引車3を連結する際に、被牽引車3の連結部としてのキングピン(
図3の符号17)が挿入されるカプラ4を有する。カプラ4は、
図2に示すように、基板5の上に設置される。カプラ4は、少なくとも牽引車2のピッチング方向に所定の角度の範囲内で自由に動くように基板5上に設置される。カプラ4および基板5は、連結牽引装置6を形成する。
【0014】
なお、
図2には、カプラ4の中心軸から牽引車2の後輪軸までの水平距離であるカプラオフセットを図示し、
図3には、牽引車2のカプラ4の中心軸を回転軸とする牽引車2の前廻り半径Fr1および後廻り半径Br1と、被牽引車3のキングピン17の中心軸を回転軸とする被牽引車3の前廻り半径Fr2および後廻り半径Br2とを図示している。ここで、用語の説明として、牽引車2の前廻り半径Fr1とは、カプラ4の中心を通る鉛直線からカプラ4の水平面より上の部分において、牽引車2の運転室後部にある構造物19aまでの最短水平距離を前廻り半径Fr1という。また、牽引車2のカプラ4の中心を通る鉛直線から牽引車2の後部最外側までの水平距離を後廻り半径Br1という。
【0015】
また、被牽引車3の前廻り半径Fr2とは、被牽引車3のキングピン17の中心を通る鉛直線から被牽引車3の前面最外側までの水平距離を前廻り半径Fr2という。また、被牽引車3のキングピン17の中心を通る鉛直線から対応するカプラ4の水平面より下の部分において、被牽引車3のグースネックなどの構造物19bまでの最短水平距離を後廻り半径Br2という。また、直進状態にあるときに、牽引車2の前部から被牽引車3の後部までの距離を連結全長という。また、直進状態にあり、被牽引車3は水平を保ったままの状態で牽引車2がピッチングを起した際に、被牽引車3の前部の下縁が牽引車2に接触しない限界の角度を限界ピッチング角という。
【0016】
ここで、前廻り半径については、連結車1が旋回する際の舵角の最大値に影響を及ぼす。すなわち、前廻り半径が不適切であると、連結車1に通常許容される最大の舵角となる以前に、被牽引車3の前の角が牽引車2の構造物19aに接触してしまい、通常許容される最大の舵角での旋回操作が出来なくなる。よって、前廻り半径については、適正であることが重要である。同様に、後廻り半径が不適切であると、連結車1に通常許容される最大の舵角となる以前に、被牽引車3の底部の構造物19bが牽引車2の後部最外側に接触してしまい、通常許容される最大の舵角での旋回操作が出来なくなる。よって、後廻り半径については、適正であることが重要である。また、限界ピッチング角については、牽引車2のピッチング角の最大値に影響を及ぼす。すなわち、限界ピッチング角が不適切であると、連結車1に通常許容される最大のピッチング角となる以前に、被牽引車3の前部の下縁が牽引車2に接触してしまい、通常許容される最大のピッチング角での走行が出来なくなる。よって、限界ピッチング角については、適正であることが重要である。また、連結全長については、規格を超えることはできない。
【0017】
基板5の一部には、連結牽引装置6が装着された牽引車2に連結可能な被牽引車3を判定するための情報が記録されたRFID(Radio Frequency Identification)10を有する。
【0018】
この情報の一例を挙げると、たとえば、連結牽引装置6が牽引車2に装着されたときのカプラ4の中心軸から牽引車2の後輪軸までの水平距離であるカプラオフセットの情報がある。これによれば、予め制御装置14において、後輪軸から牽引車2の運転室後部の構造物19aまでの水平距離と後輪軸から牽引車2の後部最外側までの水平距離が分かっていれば、カプラオフセットの情報をRFID10から取得することで、連結可能な被牽引車3の前廻り半径と後廻り半径を制御装置14で計算することができる。あるいは、カプラオフセットも既に織り込み済として、連結可能な被牽引車3の前廻り半径と後廻り半径の情報をRFID10から取得するようにしてもよい。
【0019】
RFID10は、きわめて小さなIC(Integrated Circuit)チップで構成されるので、このICチップを所定のケースに収めて基板5に取り付けてある。所定のケースは、たとえば、ネジ溝を切ったボルト状であり、基板5に開けられたネジ穴にネジ込むようにしたり、所定のケースは、方形または円形の箱状であり、基板5の所定の位置にネジ止めや溶接されてもよい。
【0020】
また、RFID10に記録される情報は、たとえば、連結牽引装置6が牽引車2に、工場で装着される際に、工場側に用意されているサーバ(不図示)に蓄積されており、これを工場側に用意されている書込装置(不図示)でRFID10に書き込むようにしてもよい。
【0021】
牽引車2の連結牽引装置6のRFID10の近傍には、RFID10の情報を読み取る読取装置11が装着されている。読取装置11は、後述する制御装置14に接続されている。読取装置11は、RFID10に対して電波を送信し、この電波に対するRFID10からの応答信号を受信する。なお、読取装置11は、後述する被牽引車3のRFID16の情報も読み取ることができる。
【0022】
ホース12は、牽引車2に連結される被牽引車3にブレーキ用空気圧を送るための管路である。ホース12は牽引車2と被牽引車3との相互位置の変化があっても、その接続に支障を来たさないように十分な長さが設けてある。このブレーキ用空気圧はエアーバルブ13により制御される。ホース12と平行して、あるいはホース12に巻きつけられて、複数の電気信号線が牽引車2と被牽引車3との間に接続される。この電気信号線には、従来から利用されている被牽引車3のテール・ランプや方向指示ランプの回路のための信号のほか、各種の信号が伝送される。なお、ホース12を支持するなどの目的で、運転室の後部には、構造物19aが設けられている。
【0023】
牽引車2の運転室には、制御装置14と制御装置14の出力情報を表示する表示部15を有する。表示部15は、たとえば、ブザー、スピーカ、インジケータランプ、または液晶表示パネルなどである。
【0024】
被牽引車3は、
図3に示すように、カプラ4と連結するキングピン17を有し、キングピン17の近傍には、牽引車2が被牽引車3を連結可能であるか否かを判定するための情報が記録されたRFID16を有する。この情報の一例を挙げると、たとえば、被牽引車3の前廻り半径と後廻り半径の情報である。また、制御装置14は、牽引車2と被牽引車3とが連結されたときの連結全長が規定の長さに収まるか否かによっても牽引車2に連結可能な被牽引車3を判定する。よって、RFID16には被牽引車3のキングピン17から被牽引車3の後端部までの長さの情報を含むようにしてもよい。この長さに、牽引車2のカプラ4の中心軸から牽引車2の前端部までの長さを加えると連結全長を求めることができる。また、被牽引車3の底部には、グースネックなどの底部に段を形成する構造物19bを有する。
【0025】
RFID16は、きわめて小さなICチップで構成されるので、このICチップを所定のケースに収めて被牽引車3の底部に取り付けてある。所定のケースは、たとえば、ネジ溝を切ったボルト状であり、被牽引車3の底部に開けられたネジ穴にネジ込むようにしたり、所定のケースは、方形または円形の箱状であり、被牽引車3の底部の所定の位置にネジ止めや溶接されてもよい。
【0026】
また、RFID16に記録される情報は、たとえば、被牽引車3が工場から出荷される際に、工場側に用意されているサーバ(不図示)に蓄積されており、これを工場側に用意されている書込装置(不図示)でRFID16に書き込むようにしてもよい。
【0027】
被牽引車3は、牽引車2に連結されていない状態では、
図3に示すように、ステー18によって自立することができる。ステー18は、被牽引車3が連結車2に連結されると、被牽引車3の底部に収容される。
【0028】
次に、制御装置4の構成を
図4を参照しながら説明する。制御装置4は、
図4に示すように、連結牽引装置6が有するRFID10を読み取る連結牽引装置情報取得部20と、被牽引車3が有するRFID16を読み取る被牽引車情報取得部21と、連結牽引装置情報取得部20が取得した情報と被牽引車情報取得部21が取得した情報に基づいて被牽引車3が牽引車2に連結可能か否かを判定する連結可否判定部22と、連結可否判定部22の判定結果が否であるときには、その旨の警報を表示部24に発出する警報発出部23とを有する。
【0029】
次に、制御装置4の動作を
図5のフローチャートを参照しながら説明する。
図5のフローチャートにおけるSTARTの条件は、牽引車2のキースイッチがON状態であり、制御装置14が稼働中であるという条件である。
図5のフローチャートにおいて、STARTの条件が満たされると、処理は、ステップS1に進む。
【0030】
ステップS1において、制御装置14は、連結牽引装置情報は取得できたか否かを判定する。ステップS1において、連結牽引装置情報は取得できたと判定されると、処理は、ステップS2に進む。一方、ステップS1において、連結牽引装置情報は未だ取得できていないと判定されると、処理は、ステップS1を繰り返す。
【0031】
なお、連結牽引装置6は、いったん牽引車2に装着されると、その後は、頻繁に変更されるものではないので、制御装置14は、初回取得した連結牽引装置情報をユーザによりリセットされるまで記憶しておくようにしてもよい。
【0032】
ステップS2において、制御装置14は、被牽引車情報は取得済できたか否かを判定する。ステップS2において、被牽引車情報は取得できたと判定されると、処理は、ステップS3に進む。一方、ステップS2において、被牽引車情報は未だ取得できていないと判定されると、処理は、ステップS2を繰り返す。
【0033】
ステップS3において、制御装置14の連結可否判定部23は、牽引車2と被牽引車3とは連結が可能であるか否かを判定する。ステップS3において、牽引車2と被牽引車3とは連結が可能であると判定されると、処理は、ステップS4に進む。一方、ステップS3において、牽引車2と被牽引車3とは連結が不可であると判定されると、処理は、ステップS5に進む。
【0034】
なお、ステップS3では、たとえば、連結牽引装置情報から取得した牽引車2の前廻り半径Fr1および後廻り半径Br1および被牽引車情報から取得した被牽引車3の前廻り半径Fr2および後廻り半径Br2にしたがって、
前廻り半径Fr1>前廻り半径Fr2
後廻り半径Br
1<後廻り半径Br
2
であれば連結可能と判定し、そうでなければ連結不可能と判定する。さらに、連結牽引装置情報および被牽引車情報から牽引車2と被牽引車3とを連結した際の連結全長を計算し、連結全長が規定よりも小さければ連結可能と判定し、そうでなければ連結不可能と判定する。連結全長の計算は、前述したように、被牽引車3のキングピン17から被牽引車3の後端部までの長さに、牽引車2のカプラ4の中心軸から牽引車2の前端部までの長さを加えると連結全長を求めることができる。ここで、牽引車2のカプラ4の中心軸から牽引車2の前端部までの長さの情報は、連結可否判定部23が予め記憶しておいてもよいし、この情報についても連結牽引装置情報に含まれるようにしてもよい。
【0035】
ステップS4において、制御装置14の警報発出部24は、表示部15に連結可能を表示して処理を終了する(END)。
【0036】
ステップS5において、制御装置14の警報発出部24は、表示部15に対して連結不可を警報する。ステップS7において、連結不可を警報すると、処理を終了する(END)。
【0037】
なお、ステップS5における連結不可の警報は、たとえば、表示部15がブザーやスピーカであれば警報音を送出する。または、表示部15がスピーカであれば「連結不可能です。」などと音声信号を送出する。また、表示部15が表示パネルであれば表示画面上に「連結不可」などの文字を目立つように大きく点滅させるなどして表示する。表示部15がインジケータランプであれば赤色などの目立つ色で点滅させる。表示部15がブザーまたはスピーカ、表示パネル、またはインジケータランプのいずれか複数または全部を有する場合には、上記の表示方法を併用してもよい。さらに、表示部14が無線信号の送信機能を有する場合には、警報発出の旨を無線信号として遠隔地にある管理者に通知するようにしてもよい。
【0038】
また、ステップS4における連結可能の表示は、上述の警報表示に比べて緊急性は無いので目立たなくてよい。たとえば、表示部15がブザーやスピーカであれば短くトーン信号を送出する。また、表示部15がスピーカであれば「連結可能です。」などと音声信号を送出する。また、表示部15が表示パネルであれば表示画面上に「連結可能」などの文字を表示する。表示部15がインジケータランプであれば緑色などの色を点灯させる。表示部15がブザーまたはスピーカ、表示パネル、またはインジケータランプのいずれか複数または全部を有する場合には、上記の表示方法を併用してもよい。さらに、表示部14が無線信号の送信機能を有する場合には、連結可能の旨を無線信号として遠隔地にある管理者に通知するようにしてもよい。
【0039】
このように、制御装置14は、連結牽引装置6が有するRFIDから情報を取得する連結牽引装置情報取得ステップ(
図5のステップS1)と、被牽引車3が有するRFIDから情報を取得する被牽引車情報取得ステップ(
図5のステップS2)と、連結牽引装置情報取得ステップ(ステップS1)の処理により取得した情報と被牽引車情報取得ステップ(ステップS2)の処理により取得した情報とに基づいて被牽引車3が牽引車2に連結可能か否かを判定する連結可否判定ステップ(
図5のステップS3)と、連結可否判定ステップ(S3)の判定結果が否であるときには、その旨の警報を発出する警報発出ステップ(
図5のS5)と、を有するので、牽引車2に連結可能な被牽引車3を容易に確認することができる。
【0040】
上述した牽引車2および被牽引車3の実際の運用方法の一例を以下に説明する。たとえば、牽引車2の運転者が複数の被牽引車3が並ぶ荷役場に到着すると、その中から運転者が運搬する予定の被牽引車3を従来どおりの方法で選択する。続いて、運転者は、選択した被牽引車3に牽引車2を連結する。ここで、運転者が被牽引車3を誤って選択していた場合には、連結不可能の警報表示がなされる。一方、運転者が被牽引車3を正しく選択していた場合には、連結可能の表示がなされる。連結不可能の警報表示がなされた場合には、運転者は、再度、連結する被牽引車3を選択して連結をやり直す。このようにして、連結可能の表示がなされると、運転者は、連結車を出発させる。
【0041】
これにより、牽引車2に被牽引車3を連結する際の運転者によるヒューマンエラーを無くすことができる。また、運転者にとっては、自分のチェックの他に、重ねてチェックを受けることができるので、安心感を得ることができる。
【0042】
(その他の実施の形態)
上述の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り様々に変更が可能である。たとえば、
図6に示すように、連結牽引装置6をスライド型連結牽引装置6aとすることができる。スライド型連結牽引装置6aでは、カプラ4aは、
図6に示すように、牽引車2の直進進行方向に沿う方向(図中、左右方向で、以下では前後方向という。)に沿って位置を変更可能な位置調整機構5aの上に設置される。カプラ4aは、少なくとも牽引車2のピッチング方向に所定の角度の範囲内で自由に動くように位置調整機構5a上に設置される。カプラ4aおよび位置調整機構5aは、
図2のカプラ4および基板5と同じ位置に設定されているが、上部構造を説明するために、90度だけ転換した形で、その上面構造図を示す。スライド型連結牽引装置6aによれば、カプラ4aの位置が変更可能であるので、被牽引車3の様々な車種に対応が可能である。
【0043】
スライド型連結牽引装置6aは、
図6に示すように、平面的な位置調整機構5aの上に設けられた一対のレール7に沿って、カプラ4aが牽引車2の前後方向に、所定の範囲でスライドできるように構成されている。カプラ4aは、図外の被牽引車3の連結部としてのキングピンが挿入される。そして、カプラ4aには、そのスライド位置を固定するための機構が設けられている。これはカプラ4a側に設けられた一対のロック部8が空気圧シリンダ9によりその外方向に突出し、前後方向の適当な位置でレール7の凸凹に嵌合する機構に形成されている。
【0044】
空気圧シリンダ9は、
図6の上面構造図でみると、カプラ4aの裏面に配置されている。これは上から見えない位置にあるので、本来破線で描くところであるが、
図6では説明を分かり易くするためにこれを破線ではなく実線により描いてある。この空気圧シリンダ9には、不図示のエアーバルブを介して不図示のエアタンクから空気圧が送られる。空気圧シリンダ9に空気圧が送られると、ロック部8がレール7から外れ、カプラ4aは、レール7に沿ってスライドが可能になる。一方、空気圧シリンダ9の空気圧がなくなると図外のスプリング力により、ロック部8は、レール7に噛み合い、カプラ4aは、レール7上に固定される。なお、スライド型連結牽引装置6aは、一般的に広く知られているものであり、
図6に例示したもの以外の構造であってもよい。
【0045】
このようなスライド型連結牽引装置6aを用いると、カプラ4aの位置が移動可能であるため、カプラオフセットが可変になる。カプラオフセットが変更される毎に、RFID10には、変更されたカプラオフセットの情報を書き込むようにすることが好ましい。あるいは、カプラ4aの位置情報を取得するセンサを位置調整機構5a上に設け、カプラオフセットの情報を自動的に制御装置14が取得できるようにし、カプラ4aの位置が変更される毎に、予め取得している連結牽引装置情報の内容を制御装置14が補正するようにしてもよい。
【0046】
また、たとえば、RFID10,16に替えてRFID10,16に記録されているものと同等の情報が記録されたバーコードを備えてもよい。この場合、読取装置11は、バーコードの読取装置になる。