(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の外部からのデータを利用可能としたマッサージシステムは、前記各特許文献に示される構成とされており、使用者による特別な操作なしに、マッサージ機による施療を使用者の身体の状態に適したものに調整することができる。
【0007】
ところで、近年のマッサージ機においては、マッサージ機の各種操作にあたり、使用者の操作行為やその回数をなるべく少なくして、使用者のリラックス状態を損わないよう、複数のマッサージの機能をある程度まとめた形であらかじめ登録しておいたもの、すなわち、いわゆる自動コースを、簡略な操作手順で選択させて、使用者への複数種類のマッサージを連続的に実行するものが、広く用いられるようになっている。
【0008】
しかしながら、こうした自動コースを採用したとしても、近年のマッサージ機はマッサージの機能やその組合せの増大に伴って、全ての実行可能な各種マッサージを単純な一回の操作でそれぞれ実行させるのは難しい仕組みとなっている。このため、マッサージ機は、依然として操作の複雑化を回避できない状況にあり、一般的に、使用者が簡略な操作で利用できる機能や自動コースのみ使用される傾向にある。
【0009】
すなわち、使用者がマッサージ機を使用する際は、新規導入当初は物珍しさから各種のマッサージを色々と試すこともあり得るが、自動コースを選択する以外にもっと様々なマッサージを実行させようとすると、例えば階層化された操作メニューで複数回選択肢を選んではじめて、試そうとするマッサージの実行指示が行える、という状況に陥る。そして、こうした複雑な操作は使用者に敬遠されがちとなり、通常は、使用者がマッサージ機をある程度使用して、複雑な操作を要しない範囲で自分好みのマッサージの実行指示操作を把握すると、それ以外の複雑な操作に係るマッサージはほとんど実行しなくなることが多い。
【0010】
この場合、複雑な操作を要して使用者が利用しにくいマッサージは、例えそれが有効なマッサージ効果を得られるものであっても、使用者がそのマッサージをそもそも選択する可能性が低いことで、マッサージを体感してその有効性に気付く機会は生じにくく、多少面倒な操作を行ってでも利用しようとする動機を使用者に与えられる確率は極めて低い。よって、こうした有効なマッサージ効果を得られるマッサージでも、マッサージ機が製品寿命に達するまでほとんど利用されないままとなることが予想される。そして、マッサージ機の購入後、使用者がその操作の概略を把握して特定のマッサージのみ使用する段階に移行してからは、使用者が得るマッサージ効果の種類が増えないこともあって、マッサージ機に対する使用者の満足度はほとんど変化せず、仮に下がる場合はあっても、向上はほぼ期待できない。
【0011】
こうして使用者が実際にマッサージ機を活用する状況は、マッサージ機の製造販売者が想定するマッサージ機の活用状況とは異なっており、マッサージ機が使用者に多種のマッサージ機能を利用されて有効活用されることを前提に設定された商品価値に対し、使用者が実際の使用に基づいて見出した商品価値はより低いものとなってしまい、マッサージ機の製造販売者が期待する顧客満足度が得られず、使用者に例えば買い換え時における後継製品の強い購入動機を生じさせられないなど、将来にわたる販売戦略上の問題となることが否めないという課題を有していた。
【0012】
この他、マッサージ機の使用者(所有者)が、忙しさ等からマッサージ機をほとんど使わない状況に陥ることも起り得るが、使用者自身や使用者の行動を知り得る同居人以外の人、例えばマッサージ機に対するアフターサービスを行う製造販売者や保守専門業者等がそうした状況を知る機会は従来無かった。また、前記各特許文献に示したような従来のマッサージ機は、マッサージ機の置かれた状況を、使用者を含むマッサージ機の管理者に通知するような機能を特に有していなかった。
【0013】
マッサージ機の製造販売者など、アフターサービスを行う者は、ユーザ登録に基づく定期的な問い合わせに対する使用者の誠実な回答や、積極的にマッサージ機を使用する使用者からの不具合等の連絡がある以外では、使用者に渡った後のマッサージ機の状況を適切に把握できず、特に、マッサージ機をほとんど使っていない使用者の所有する、現状を知る手立てがほとんど無いマッサージ機については、使用者に使用を促すなどの助言もできず、また、定期的な使用に伴うメンテナンスや消耗部品交換等の需要も期待できず、且つそうした状況を改善することも困難であることから、マッサージ機のアフターサービスによる利益獲得を進められないという課題を有していた。
【0014】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、マッサージ機に関する情報をマッサージ機から随時取得して、マッサージ機の使用可能な各機能の使用状況を把握し、マッサージ機で使用者が使用していない有効な機能を、使用者に対し容易に選択使用可能な状態で示して、マッサージ機の様々な機能を有効活用しやすくして使用者に多様なマッサージ効果を与えられる、マッサージシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)
本発明の開示に係るマッサージ機は、使用者の使用に係る操作に基づいてマッサージを実行する施療機構を内蔵するマッサージ機と、少なくとも表示デバイス及び入力デバイスを有する提案部とを備え、当該提案部が、あらかじめ一対一の通信接続関係を設定されたマッサージ機に対しマッサージに係る所定のデータをやり取り可能とされ、且つ、提案部が、表示デバイスで、使用者による実行指示操作を受けてマッサージ機で実行可能となる、マッサージの機能、及び/又は複数のマッサージの機能を所定の順序で実行可能に一組にまとめたマッサージコースについて、それぞれ所定の表示を行うと共に、当該表示に基づくマッサージの機能及び/又はマッサージコースについての使用者による選択操作入力を入力デバイスで受入れ、入力デバイスで受入れた入力に対応するマッサージの機能及び/又はマッサージコースの実行に係る指示データを前記マッサージ機に送るようにされ、前記マッサージ機が、前記提案部から送られた指示データを受取り、指示データに基づいて、使用者により選択されたマッサージの機能及び/又はマッサージコースによるマッサージを施療機構で使用者に対し実行可能とされ、前記入力デバイスで受入れた選択操作入力に対応するマッサージの機能及び/又はマッサージコースによるマッサージを、マッサージ機が実行するのに伴い、前記提案部が、少なくとも当該実行されたマッサージの機能及び/又はマッサージコースの内容に係る履歴データを生成し、マッサージ機が起動した後で、前記提案部が、使用者が提案部を操作可能な所定のタイミングで、当該タイミングの時点までに使用者がマッサージ機で全く使用していない又は所定期間使用していない、マッサージの所定機能及び/又は所定マッサージコースについて、使用を使用者に対し提案する所定の表示を、表示デバイスの表示領域の少なくとも一部に行うと共に、表示に基づく所定機能及び/又は所定マッサージコースの選択操作入力を入力デバイスで受入れ可能とするものである。
【0016】
このように本発明の開示によれば、マッサージ機とデータをやり取り可能な提案部を介して、マッサージの機能及び/又はマッサージコースを適宜選択してマッサージ機に実行させられることに加え、こうした実行済みのマッサージの機能及び/又はマッサージコースに係る履歴データが提案部で生成され、提案部では使用者に対し、使用者が全く使用していないか所定期間使用していないマッサージの所定機能及び/又は所定マッサージコースを選択可能に表示して、それらが選択された場合にはマッサージ機が所定機能及び/又は所定マッサージコースのマッサージを実行する。これにより、使用者がマッサージ機を使用する中で、未使用又は所定期間使用していない機能やマッサージコースのマッサージを受けるきっかけを与えて、使用者が様々な機能やマッサージコースを体感し、それらがマッサージ効果の高い有効なものであることに気付けるようにし、こうした有効な機能やマッサージコースをそれまで利用してきたものに追加して利用するように使用者を導くことができ、導入したマッサージ機について使用者がおおよその使用方法を理解して日常的に使用するようになった後も、マッサージ機の与えることのできる様々なマッサージ効果を使用者に認識させて、使用者にマッサージ機を十分に活用させることができ、使用者のマッサージ機に対する満足度を高められると共に、使用者を飽きさせずマッサージ機の継続的な使用を促せる。
【0017】
(2)
また、本発明の開示に係るマッサージシステムは必要に応じて、所定のネットワークに接続され、前記マッサージ機に係る所定のデータを少なくとも記録し蓄積するサービスを実行可能な管理サーバを備え、前記提案部が、使用者の所持する携帯通信端末であり、前記履歴データを前記管理サーバに対し前記ネットワークを通じて送信可能とされ、前記管理サーバは、前記提案部から送信される履歴データを受信し、当該履歴データをマッサージ機ごとに記録、蓄積し、且つ、マッサージ機ごとに、マッサージ機が実行可能な、マッサージの機能及び/又はマッサージコースを全て記録した、所定の基礎データを有してなり、マッサージ機が起動した後で、前記提案部が、使用者が提案部を操作可能な所定のタイミングで、データ要求信号を管理サーバに送信し、管理サーバは、データ要求信号を受けたら、蓄積された履歴データを参照し、当該履歴データと前記基礎データとを比較解析し、前記所定
のタイミングの時点までに使用者がマッサージ機で全く使用していない及び/又は所定期間使用していない、マッサージの機能及び/又はマッサージコースで、なおかつ所定の判断基準に合致する、一又は複数の機能及び/又はマッサージコースを抽出し抽出された機能及び/又はマッサージコースのデータを提案部に送信し、前記提案部が、管理サーバより送信されたデータを受信し、当該データの機能及び/又はマッサージコースを、前記所定機能及び/又は所定マッサージコースとして用いるものである。
【0018】
このように本発明の開示によれば、携帯通信端末である提案部から履歴データを管理サーバに送信し、管理サーバでマッサージ機ごとの履歴データを記録蓄積するようにし、管理サーバが提案部からの要求信号を受信すると、履歴データに基づいて所定の判断基準に合う未使用又は所定期間使用していない機能やマッサージコースを抽出して、そのデータを提案部に送信し、提案部が受信したデータで示される機能やマッサージコースを操作可能に表示することにより、提案部としての携帯通信端末を通じて管理サーバに対しデータを送受信すると共に管理サーバに記録したデータを活用でき、提案部で使用者に使用者の有効活用していない機能やマッサージコースの使用を促して機能の活用を図ることができ、マッサージ機を有効活用してリラックス効果の増大に繋げられる。また、携帯通信端末をマッサージ機の操作に用いることができ、通常の携帯通信端末としての本来目的の使用で慣れた操作性をもってマッサージ機の機能等確認、及び操作も行え、使い勝手の点で優れる。
【0019】
(3)
また、本発明の開示に係るマッサージシステムは必要に応じて、前記提案部が、前記マッサージ機がマッサージ機の作動に伴って生成した、マッサージ機の作動内容に係る所定の作動記録データを、マッサージ機から受取り、当該受取った作動記録データを前記履歴データの一部とし、作動記録データを含む履歴データを前記管理サーバに対し送信可能とされるものである。
【0020】
このように本発明の開示によれば、マッサージ機でもその作動の内容に係る作動記録データを生成し、この作動記録データを提案部がいったん受取った後、履歴データの一部として管理サーバに送信し、管理サーバに蓄積することにより、管理サーバでは、蓄積された作動記録データを含む履歴データから、マッサージの作動内容に係る正確な情報を参照でき、マッサージ機の各機構部分の作動状態の評価等において、携帯通信端末からの操作に基づかないマッサージ機作動分による誤差が生じず、マッサージ機の状態をより正確に把握して、各種処理を適切に行えることとなる。
【0021】
(4)
また、本発明の開示に係るマッサージシステムは必要に応じて、前記管理サーバが、前記マッサージ機と同じ機種で使用者の異なる多数のマッサージ機の各履歴データを、記録、蓄積し、管理サーバが、データ要求信号を受けての、提案用のマッサージの機能及び/又はマッサージコースの抽出に係る前記所定の判断基準の一つとして、管理サーバが蓄積した多数のマッサージ機の履歴データの解析により求められる、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの使用実績数が、他より多いこと、を採用するものである。
【0022】
このように本発明の開示によれば、管理サーバでマッサージの機能やマッサージコースを抽出する判断基準として、管理サーバが収集し蓄積した他の多数のマッサージ機の履歴データからわかる、機能やマッサージコースの使用実績が高いか否かという点を用い、抽出の結果として提案部で使用実績の高い、多くの使用者に利用されているものを選択可能に表示することにより、多くの人が使用した実績から、マッサージ効果を得やすいと推測される機能やマッサージコースを使用者が選択利用可能として、他の多くの使用者と同様にマッサージ効果を得られることが期待でき、使用したことのない機能やマッサージコースでも、高い確率でマッサージによる優れたリラックス感を使用者に与えることが可能となり、効率のよいマッサージが可能となる。
【0023】
(5)
また、本発明の開示に係るマッサージシステムは必要に応じて、前記管理サーバが、前記マッサージ機と同じ機種で使用者の異なる多数のマッサージ機について、各マッサージ機の使用者の好むマッサージの機能及び/又はマッサージコースについて問い合わせを行い、使用者の好むマッサージの機能及び/又はマッサージコースの情報を収集し蓄積したデータを作成し、管理サーバが、データ要求信号を受けての、提案用のマッサージの機能及び/又はマッサージコースの抽出に係る前記所定の判断基準の一つとして、あらかじめ管理サーバが収集し蓄積した、多数のマッサージ機の各使用者の好むマッサージの機能及び/又はマッサージコースのデータを解析して求められる、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの人気が、他より高いこと、を採用するものである。
【0024】
このように本発明の開示によれば、管理サーバでマッサージの機能やマッサージコースを抽出する判断基準として、管理サーバが収集し蓄積した他の多数の使用者の好みについての情報からわかる、機能やマッサージコースの使用者からの人気が高いか否かという点を用い、抽出の結果として多くの使用者が好むものを提案部で選択可能に表示することにより、多くの使用者がマッサージの結果に満足し好ましいと感じた事実から、マッサージ効果が優れると推測される機能やマッサージコースを使用者が選択利用可能として、他の多くの使用者と同様に満足できるマッサージ効果を得られることが期待でき、使用したことのない機能やマッサージコースであっても、高い確率でマッサージによるリラックス感の増大が図れ、効率のよいマッサージが可能となる。
【0025】
(6)
また、本発明に係るマッサージシステムは必要に応じて、前記管理サーバが、データ要求信号を受けての、提案用のマッサージの機能及び/又はマッサージコースの抽出に係る前記所定の判断基準の一つとして、前記マッサージ機の履歴データを参照し、当該履歴データと前記基礎データとを比較して求められる、データ要求信号受信時点の直前での、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの使用されていない期間がより長いこと、を採用するものである。
【0026】
このように本発明の開示によれば、管理サーバでマッサージの機能やマッサージコースを抽出する判断基準として、管理サーバが収集し蓄積したマッサージ機の履歴データからわかる、機能やマッサージコースの、直前で使用していない期間が長いか否かという点を用い、抽出の結果として直前での不使用期間のより長いものを提案部で選択可能に表示することにより、全く使用していないか、最近使用者による使用の機会が減ったものの有効な機能やマッサージコースを示して、その活用を促すことができ、使用期間全体としては使用が少ないが最近活用することの増えた機能を誤って表示し、結果として真に現状で使用していないものが排除される不具合を回避して、使用していなかった優れた機能を再認識させて使用を促すことができ、ほぼ使用していない機能で有効なものを選択しやすくし、マッサージ機の有効活用を図って、導入してから長い時間が経過している場合でも使用者のマッサージ機に対する満足感を高められる。
【0027】
(7)
また、本発明に係るマッサージシステムは必要に応じて、前記管理サーバが、前記マッサージ機が実行可能な、全てのマッサージの機能及び/又はマッサージコースごとの、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの人への実行の影響を、さらに人の体調の違いごとに記録、蓄積したデータを保有し、前記管理サーバが、データ要求信号を受けての、提案用のマッサージの機能及び/又はマッサージコースの抽出に係る前記所定の判断基準の一つとして、要求信号送信元の提案部における所定のプログラムの実行により、あらかじめ使用者から得られた使用者の体調に係る情報を、提案部より送信させて受取り、前記情報に基づく使用者の体調と、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの実行による影響に係る前記データの解析により求められる、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの使用者の体調との適合性が、他より高いこと、を採用するものである。
【0028】
このように本発明の開示によれば、管理サーバでマッサージの機能やマッサージコースを抽出する判断基準として、提案部が情報として取得した使用者の体調と、マッサージ機の機能やマッサージコースごとのマッサージ効果との関係からわかる、機能やマッサージコースの体調との適合性が高いか否かという点を用い、抽出の結果として使用者の体調に合うものを提案部で選択可能に表示することにより、未使用又は所定期間不使用ながら、使用者の体調に合ったマッサージの機能やマッサージコースを提案して、使用者が選択しやすいようにし、使用者が提案の機能やマッサージコースを選択してマッサージ機でのマッサージを実行した場合に、体調に合致したマッサージで高いマッサージ効果を期待でき、継続的な使用の動機を生じさせ、ほとんど活用されていない使用者に合った機能やマッサージコースの利用機会を増やすことに繋げられ、マッサージ機のより一層の有効活用が図れる。
【0029】
(8)
また、本発明に係るマッサージシステムは必要に応じて、前記管理サーバが、前記マッサージ機が実行可能な、全てのマッサージの機能及び/又はマッサージコースごとに、疲労状態にある人体各部に対するマッサージの機能及び/又はマッサージコースの実行の影響を記録、蓄積したデータを保有し、前記管理サーバが、データ要求信号を受けての、提案用のマッサージの機能及び/又はマッサージコースの抽出に係る前記所定の判断基準の一つとして、要求信号送信元の提案部における所定のプログラムの実行により自動的に記録蓄積された疲労判定用の使用者自身に係る情報を提案部から送信させて受取り、前記使用者自身に係る情報から使用者の疲労状態を予測し、当該予測した疲労状態と、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの実行による影響に係るデータの解析により求めた、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの使用者の疲労回復への関連性が、他より強いこと、を採用するものである。
【0030】
このように本発明の開示によれば、提案部に記録蓄積された疲労判定用の使用者自身に係る情報から管理サーバで使用者の疲労状態を予測し、この予測した疲労状態と、マッサージ機の機能やマッサージコースごとのマッサージ効果との関係からわかる、機能やマッサージコースの疲労回復への関連性が強いか否かという点を、管理サーバでマッサージの機能やマッサージコースを抽出する判断基準として用い、抽出の結果として使用者の疲労回復に繋がるものを提案部で選択可能とすることにより、未使用又は所定期間不使用ながら、使用者の疲労状態と適合性の高いマッサージの機能やマッサージコースを提案して、使用者が選択しやすいようにし、使用者が提案の機能やマッサージコースを選択してマッサージ機でのマッサージを実行した場合に、疲労状態に対応したマッサージで高い疲労解消効果を期待でき、得られる満足感に基づいて継続的な使用の動機を生じさせ、ほとんど活用されていなかった有効な機能やマッサージコースの利用機会を増やすことに繋がることとなる。
【0031】
(9)
また、本発明の開示に係るマッサージシステムは必要に応じて、前記提案部が、前記履歴データを記録、蓄積するようにされると共に、使用者に使用されるマッサージ機が実行可能なマッサージの機能及び/又はマッサージコースを、全て記録した所定の基礎データを有し、且つ、提案部が、マッサージの前記所定機能及び/又は所定マッサージコースとして、蓄積された履歴データを参照し、当該履歴データと前記基礎データとを比較し、前記所定
のタイミングの時点までに使用者がマッサージ機で全く使用していない又は所定期間使用していない、マッサージの機能及び/又はマッサージコースで、なおかつ所定の判断基準に合致する、一又は複数のマッサージ機能及び/又はマッサージコースを抽出するものである。
【0032】
このように本発明の開示によれば、提案部にマッサージ機の履歴データを蓄積するようにし、この履歴データに基づいて、提案部が所定の判断基準に合う未使用又は所定期間使用していない機能やマッサージコースを抽出して、その機能やマッサージコースを操作可能に表示することにより、提案部に蓄積した履歴データを用いて、提案部で使用者に有効活用していない機能やマッサージコースを示して、使用者に有効活用していない機能の使用を促して、確実に使用者に機能の活用を図ることができ、マッサージ機を有効活用してリラックス効果の増大に繋げられる。
【0033】
(10)
また、本発明の開示に係るマッサージシステムは必要に応じて、所定のネットワークに接続され、マッサージ機に係る所定のデータを少なくとも記録し蓄積するサービスを実行可能な管理サーバを備え、前記提案部が、使用者の所持する携帯通信端末であり、所定のネットワークを通じて前記管理サーバとの間でデータ送受信可能とされ、マッサージ機が起動した後で、前記提案部が、使用者が提案部を操作可能な所定のタイミングで、データ要求信号を管理サーバに送信し、管理サーバは、データ要求信号を受けたら、提案部でのマッサージの前記所定機能及び/又は所定マッサージコースの抽出における前記所定の判断基準となるデータを生成し、当該データを携帯通信端末に送信し、提案部が、管理サーバより送信されたデータを受信し、当該データに基づく判断基準に合致する、使用者が全く使用していない又は所定期間使用していないマッサージの機能及び/又はマッサージコースを、前記所定機能及び/又は所定マッサージコースとして抽出するものである。
【0034】
このように本発明の開示によれば、携帯通信端末である提案部とネットワーク接続された管理サーバとの間でデータを送受信可能とし、管理サーバが提案部からの要求信号を受信すると、提案部での処理に用いる判断基準のデータを提案部に送信し、データに基づく判断基準に合った未使用又は所定期間使用していない機能やマッサージコースを提案部で抽出して、表示及び選択操作可能とすることにより、管理サーバのデータを用いて提案部で使用者に適した基準で抽出された機能やマッサージコースをマッサージ機で実行して、使用者が未体験かほとんど体験してないマッサージ効果を与えられることとなり、マッサージ機を有効活用してリラックス効果の増大に繋げられる。また、携帯通信端末をマッサージ機の操作に用いることができ、通常の携帯通信端末としての本来目的の使用で慣れた操作性をもってマッサージ機の操作も行え、使い勝手の点で優れる。
【0035】
(11)
また、本発明に係るマッサージシステムは必要に応じて、前記管理サーバは、マッサージ機ごとに記録、蓄積した履歴データを所定時間間隔で参照して、使用者によるマッサージ機の使用が、あらかじめ設定された所定期間を超えてなされていない、又は、一定期間内での使用頻度があらかじめ設定された下限値未満であるマッサージ機について、当該マッサージ機の使用者の提案部に、使用者にマッサージ機の使用を促す所定のメッセージデータを送信し、提案部は、管理サーバからの送信データのメッセ−ジを、表示デバイスに表示する、及び/又は提案部の音声出力手段から音声出力するものである。
【0036】
このように本発明の開示によれば、マッサージ機の履歴データから、使用者によるマッサージ機の使用がほとんどされていないことが判明した場合、管理サーバからマッサージ機の使用者の提案部に、使用者に対しマッサージ機の使用を提案する所定のメッセージデータを送信して、使用者の提案部にメッセ−ジの表示等を行わせることにより、マッサージ機の使用がほとんどなされていない場合に、使用者に適切に使用を喚起することができ、使用者が再度マッサージ機を使用する可能性を大きく高められ、マッサージ機の有効活用に繋げられる。
【0037】
(12)
また、本発明に係るマッサージシステムは必要に応じて、前記管理サーバは、マッサージ機ごとに記録、蓄積した履歴データを所定時間間隔で参照して、使用者によるマッサージ機の使用が、あらかじめ設定された所定期間を超えてなされていない、又は、一定期間内での使用頻度があらかじめ設定された下限値未満であるマッサージ機について、当該マッサージ機の使用者のメールアドレスに対し、使用者にマッサージ機の使用を促す内容のメール送信を実行するものである。
【0038】
このように本発明の開示によれば、マッサージ機の履歴データから、使用者によるマッサージ機の使用がほとんどされていないことが判明した場合、管理サーバからマッサージ機の使用者のメールアドレスに対し、使用者に対しマッサージ機の使用を提案するメッセージを含む内容のメール送信を実行し、使用者が自らの携帯通信端末でメール受信を行って、メール内容としてメッセージを確認可能とすることにより、マッサージ機の使用がほとんどなされていない場合に、使用者に適切に使用を喚起する内容を使用者に伝えるのに、既存のメール送受信手順を使用でき、メッセージ送信に専用のプログラムを用いずに済むことから、システムの構築コストを抑えられる。
【0039】
(13)
また、本発明に係るマッサージシステムは必要に応じて、前記管理サーバは、マッサージ機ごとに記録、蓄積した履歴データを所定時間間隔で参照して、使用者によるマッサージ機の使用が、あらかじめ設定された所定期間を超えてなされていない、又は、一定期間内での使用頻度があらかじめ設定された下限値未満であるマッサージ機について、当該マッサージ機の使用者についてあらかじめ登録された、使用者と親しい関係者のメールアドレスに対し、当該関係者が使用者に対しマッサージ機の使用を促す働きかけをするように関係者に依頼する内容のメール送信を実行するものである。
【0040】
このように本発明の開示によれば、マッサージ機の履歴データから、使用者によるマッサージ機の使用がほとんどされていないことが判明した場合、管理サーバから、マッサージ機の使用者ではなく、この使用者についてあらかじめ登録された、使用者と親しい関係者のメールアドレスを宛先とし、且つ、メール内容を、この関係者が使用者に対しマッサージ機の使用を促す働きかけをするように関係者に依頼する内容として、メール送信を実行することにより、使用者が親しい関係者からマッサージ機の使用を促された場合、その親しい関係上、関係者の働きかけを無視しにくいことに伴い、使用者にはより強い使用の動機付けをすることができ、より確実にマッサージ機を使用する状況に使用者を至らせて、マッサージ機の有効活用が図れる。
【0041】
(14)
また、本発明に係るマッサージシステムは必要に応じて、前記提案部が、管理サーバから送信された新たなマッサージの機能及び/又はマッサージコースに関する所定のデータを受信すると、表示デバイスでの使用者が選択可能な機能及び/又はマッサージコースに関する表示に、前記受信したデータの新たなマッサージの機能及び/又はマッサージコースを表示可能とし、且つ、入力デバイスで、使用者による前記新たなマッサージの機能及び/又はマッサージコースの選択操作入力を受入れ可能とすると共に、前記受信したデータに含まれるマッサージ実行制御用のデータをマッサージ機に送信し、前記マッサージ機は、提案部から送信されたマッサージ実行制御用のデータを受信して、前記施療機構の制御用に登録し、提案部の入力デバイスで使用者に選択操作された前記新たなマッサージの機能及び/又はマッサージコースでのマッサージを実行可能とするものである。
【0042】
このように本発明の開示によれば、管理サーバから送信された新たなマッサージの機能やマッサージコースに関するデータを、提案部で受信すると、受信したデータに基づく新たなマッサージの機能やマッサージコースを表示デバイスで表示可能で、且つ、入力デバイスで新たなマッサージの機能やマッサージコースの選択操作入力を受入れ可能となることに加え、新たなマッサージ実行制御用のデータを提案部からマッサージ機に送信して登録し、新たなマッサージの機能やマッサージコースに対応するマッサージの実行が指示された際には、実行制御用データに基づいてマッサージ機でマッサージを実行できることにより、提案部で受取った新しいデータが加わることに伴い、マッサージコースをはじめとするマッサージ内容設定の改良、追加など、機能の向上が図れ、新たなマッサージ内容も含めて、使用者に対し効果の高いマッサージを実行できる。また、管理サーバからのデータを受信するだけで、使用者の提案部やマッサージ機に対する複雑な操作なしにマッサージ内容を更新でき、所望のデータの送信で使用者に適したマッサージを付与可能な状態を容易に得ることができ、さらに使用者のマッサージ機に対する満足度を高められる。
【0043】
(15)
また、本発明に係るマッサージシステムは必要に応じて、前記管理サーバが、マッサージ機におけるマッサージの各機能及び/又はマッサージコースを、実行の際のマッサージ機各部による使用者の支持状態と一体として取り扱い、使用者の支持状態を変えて実行されるものについて、基礎データ中でそれぞれ異なるものとして記録するようにし、管理サーバが、データ要求信号を受けたら、蓄積された履歴データを参照し、当該履歴データと前記基礎データとを比較解析し、前記所定
のタイミングの直近の所定期間内で実行したマッサージの機能及び/又はマッサージコースとは共通であり使用者の支持状態については全く使用していないもので、なお且つ所定の判断基準に合致する、一又は複数の機能及び/又はマッサージコース並びに使用者の支持状態を抽出し、抽出された機能及び/又はマッサージコース並びに使用者の支持状態のデータを前記提案部に送信し、提案部が、管理サーバより送信されたデータを受信し、当該データに含まれる機能及び/又はマッサージコース並びに使用者の支持状態を、前記所定機能及び/又は所定マッサージコースとして、使用を使用者に対し提案する所定の表示を、表示デバイスで行うと共に、表示に基づく所定機能及び/又は所定マッサージコース並びに使用者の支持状態の選択操作入力を入力デバイスで受入れ可能とし、管理サーバが、提案用のマッサージの機能及び/又はマッサージコース並びに使用者支持状態、の抽出に係る前記所定の判断基準の一つとして、使用者の支持状態とマッサージの機能及び/又はマッサージコースに基づくマッサージ効果との関連を解析して求められる、使用者の支持状態に基づくマッサージ効果が、他より大きいこと、を採用し、提案部が、管理サーバからの送信データに含まれる、提案用の機能及び/又はマッサージコース並びに使用者の支持状態、の使用を使用者に対し提案する所定の表示として、少なくとも、提案対象の使用者支持状態がマッサージ効果を以前より大きく生じさせられる点を示す内容を含むものである。
【0044】
このように本発明の開示によれば、管理サーバでマッサージの各機能及び/又はマッサージコースをマッサージ機各部による使用者の支持状態と一体として取り扱うようにし、マッサージ機の履歴データからわかる、直近所定期間内で使用した機能やマッサージコースとは共通するが使用者支持状態は未使用のもので、且つ使用者の支持状態に基づくマッサージ効果がより大きくなるものを抽出して、提案部で選択可能に表示することにより、以前使用したことのある機能やマッサージコースを、よりマッサージ効果を発揮させられることが望める使用者支持状態と組合わせて提案して、その活用を促すことができ、本来の効果が得にくい状態で使用した機能やマッサージコースについて、使用の結果使用者がよくない印象を抱いて、そのままでは不使用につながる状況でも、より大きい効果を見込める支持状態で再使用するきっかけを与えて、本来の優れたマッサージ効果をあらためて使用者に気付かせて使用に繋げることができ、マッサージ機のさらなる活用が図れると共に、使用者の満足度を高められる。
【0045】
(16)
また、本発明に係るマッサージシステムは必要に応じて、前記管理サーバが、マッサージ機の履歴データを解析し抽出したマッサージ機各機構部位ごとの作動回数をそれぞれ集計して使用開始時からの全作動回数を取得し、所定機構部位の全作動回数が機構部位ごとにあらかじめ設定された制限回数に達した場合には、使用者に対し注意を喚起するメッセージのデータを提案部に送信し、提案部が、受信したデータに基づいて、表示デバイスで使用者に対するメッセージを表示するものである。
【0046】
このように本発明の開示によれば、管理サーバでマッサージ機の履歴データから抽出できるマッサージ機各機構部位ごとの作動回数をそれぞれ集計して、使用開始時からの全作動回数を取得し、この全作動回数が機構部位ごとにあらかじめ設定された制限回数に達した場合に、使用者に対するメッセージのデータを提案部に送信すると共に、これを受信した提案部が、データに基づいて表示デバイスでメッセージを表示して、使用者に対し注意を喚起することにより、使用者がマッサージ機に機構部位の破損による不具合が生じる前に、マッサージ機の状況を把握してマッサージ機の使用中止や修理依頼等の対応が可能となり、使用者の安全を確保できると共に、使用者のマッサージ機に対する満足度を高められ、マッサージ機のライフサイクル全体にわたる価値の向上が図れる。
【0047】
(17)
また、本発明に係るマッサージシステムは必要に応じて、前記管理サーバが、マッサージ機の履歴データを解析してマッサージ機の使用者による連続使用時間を取得し、使用時間があらかじめ設定された制限時間を超えた場合には、使用者に対し注意を喚起するメッセージのデータを提案部に送信し、提案部が、受信したデータに基づいて、表示デバイスで使用者に対するメッセージを表示するものである。
【0048】
このように本発明の開示によれば、管理サーバでマッサージ機の履歴データに含まれるマッサージ機の稼動時間を取得し、使用者に対する一回のマッサージ実行時間が、あらかじめ設定された制限時間を超えた場合には、使用者に対するメッセージのデータを使用者の提案部に送信すると共に、これを受信した提案部が、データに基づいて表示デバイスでメッセージを表示して、使用者に過剰な使用状態である旨の注意を喚起することにより、使用者の注意を喚起してマッサージ機の過剰使用を抑えるように使用者に促せることとなり、長時間にわたるマッサージで却って使用者の身体に悪影響が及ぶようになる事態を未然に防止でき、使用者はマッサージ機の正しい使用による適切なマッサージ効果を確実に得られる。
【発明を実施するための形態】
【0050】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るマッサージシステムを前記
図1ないし
図9に基づいて説明する。本実施形態においては、着座した使用者の身体を支えつつ施療を実行する椅子状のマッサージ機を用いる例について説明する。
【0051】
前記各図において本実施形態に係るマッサージシステム1は、使用者の使用に係る操作に基づいてマッサージを実行する複数の施療機構、及び、各施療機構でのマッサージ実行を制御する制御部40を内蔵するマッサージ機10と、このマッサージ機10に対しマッサージに係る所定のデータをやり取り可能とされる前記提案部としての携帯通信端末80と、コンピュータネットワークを介して携帯通信端末80に対しデータ送受信可能とされ、マッサージ機10に係る所定のデータを記録し蓄積する管理サーバ90とを備える構成である。
【0052】
このうち、前記マッサージ機10は、床面上に載置されて椅子全体を安定的に支持する基台部11と、この基台部11の上方で使用者の臀部を支える座部12と、この座部12の後側で使用者の背中を支える背もたれ部13と、座部12の左右両側で使用者の肘や前腕部を支える肘掛部14と、座部12の前側で使用者の脚を支える脚支持部15と、マッサージ動作に係る各種操作入力を受付ける操作部30と、搭載されている複数の施療機構によるマッサージ動作を操作入力や記録情報等の内容に基づいて制御する制御部40とを備える構成である。
【0053】
前記マッサージ機10の基台部11は、マッサージ機設置面としての床面に載置され、椅子各部をなす前記座部12、背もたれ部13、肘掛部14、及び脚支持部15を一体に取付けられてこれらを支持するものである。
【0054】
また、前記座部12は、基台部11に対し座面の傾斜角度を調整可能として取付けられ、座面にて使用者の臀部や太腿部を支えつつ内蔵の施療機構でマッサージを実行するものである。この座部12の施療機構としては、空気の給排で動作する臀部用エアセル71、及び太腿用エアセル72を備える構成である。これらエアセルを空気の給排で動作させるエアポンプ70が座部12下側のスペースに配設される。
【0055】
前記背もたれ部13は、人の背中形状に合せた表面形状とされて前記基台部11及び座部12に対し傾斜角度を調整可能として配設され、その内部に、マッサージを実行する施療機構を備える構成である。
【0056】
背もたれ部13内部には、揉み、叩き等の刺激を使用者に与える施療子としての左右一対の揉み玉51とこれを動作させる駆動機構部60が一体となったメカユニット50と、このメカユニット50を背もたれ部13上下方向に移動可能に支持しつつ、背もたれ部の各部を内部から支える枠状の背もたれ部フレーム13aと、前記エアポンプ70による空気の給排で動作する背中用エアセル73及び腰用エアセル74とがそれぞれ配設される構成である。このうちメカユニット50、背中用エアセル73、及び腰用エアセル74が、それぞれマッサージを実行する施療機構をなす。
【0057】
なお、この背もたれ部13の左右両側部には、使用者に面する内面側にエアセル等の施療機構を設けた一対の側壁部を突出配設して、使用者の上腕部等に対して側方からマッサージを行えるようにすることもできる。
【0058】
前記背もたれ部フレーム13aは、メカユニット50を背もたれ部13上下方向に移動可能とし、且つ他方向への動きは拘束して支持する左右一対のガイドフレーム13b間に、複数の横フレームを横方向に掛渡して一体に連結して、略梯子状のフレーム構造とされるものである。
【0059】
前記肘掛部14は、座部12の両側に配設され、背もたれ部13がリクライニング角度を変化させたり、座部12が傾動した場合でも、使用者の前腕を安定的に支持するよう形成される構成である。この肘掛部14にも、前記エアポンプ70による空気の給排で動作するエアセルを配設して、使用者の前腕部に対しマッサージを行える構成としてかまわない。
【0060】
前記脚支持部15は、座部12の前側に位置し、座部12前端付近を中心として傾動可能に配設されるものである。この脚支持部15にも、前記エアポンプ70による空気の給排で動作する脚用エアセルや、上下に移動しつつ脚を押圧するローラ等の施療機構を配設するようにしてかまわない。
【0061】
前記操作部30は、マッサージ機に対する各種操作入力を受付ける多数のスイッチや表示部を備え、マッサージ機10の側部におけるスタンド31に着脱自在に設置され、操作入力に応じた指示データを制御部40に送信するものである。なお、操作部30のスイッチや表示部の位置を使用者にとって最適位置とするために、スタンド31の位置は調整可能となっている。
【0062】
前記制御部40は、あらかじめ使用者の身体各部位置検出を実行して得られた検出結果に基づいて、施療機構やマッサージ機の他の各可動部分を使用者に対応した状態に調整すると共に、施療機構や他の各可動部分に対し、携帯通信端末80又は操作部30の操作や、あらかじめ記録設定されたマッサージ内容、また前記検出結果の情報に基づいて、適切なマッサージの実行のための制御を行うものである。
【0063】
この制御部40は、そのハードウェア構成として、CPUや記憶部、入出力インターフェース等を備えるコンピュータとなっており、記憶部に格納されるプログラムにより、コンピュータを制御部40として動作させる仕組みである。この制御部40をなすコンピュータは、CPUや記憶部、ROM等を一体的に形成されたマイクロコンピュータとしてもかまわない。
【0064】
この制御部40をなすコンピュータのユニットは、座部12直下等の本体部20内部の所定のスペースに配設され、操作部30と通信可能な状態とされると共に、メカユニット50の各種モータや、座部12や背もたれ部13、脚支持部15を傾動させる各アクチュエータ、エアポンプ70とそれぞれ電気的に接続され、使用者の身体各部位置検出の際にはあらかじめ設定された位置検出用プログラムに基づく制御信号出力により、また、マッサージ実行の際には設定されたマッサージのデータに基づく制御信号出力により、これらの各機構の作動を制御する。
【0065】
加えて、制御部40は、メカユニット50や各アクチュエータの変位量を出力するエンコーダ等の信号出力手段とも電気的に接続されており、メカユニット50の状態や、座部12、背もたれ部13、及び脚支持部15の傾斜等の状態を把握しつつ、モータやアクチュエータ等の機構の作動制御を行うこととなる。
【0066】
制御部40は、操作部30や携帯通信端末80で使用者により選択指示された、マッサージの基本的な機能や、複数のマッサージの機能を所定の順序で自動実行可能に一組にまとめたマッサージコースについて、操作部30や携帯通信端末80からの指示データに基づいて、使用者に選択された機能やマッサージコースのデータを制御部40の記憶部から読み出し、データに基づく制御信号を出力して、各施療機構、具体的には、メカユニット50及び/又はエアポンプ70を作動させ、メカユニット50の揉み玉51によるメカマッサージ及び/又はエアセルマッサージによって、使用者の選択したマッサージの機能やマッサージコースによるマッサージを、使用者に対し実行可能としている。
【0067】
この他、制御部40は、公知のマッサージ機と同様に、マッサージに先立つ使用者の身体各部位置検出として、メカユニット50を制御し、メカユニット50を背もたれ部13における初期位置からガイドフレーム13bに沿って移動させ、揉み玉51を使用者に沿って動かす過程で、背もたれ部13にもたれた使用者側からの揉み玉51に対する圧力の変化や揉み玉51の傾き変化等を順次取得し、この情報に基づいて、使用者の肩位置、背骨のライン、腰位置を検出することもできる。
【0068】
制御部40は、より詳細には、マッサージの機能やマッサージコースといったマッサージ内容に係るデータを格納する記憶部41と、携帯通信端末80の送信したデータを受信すると共に携帯通信端末80へデータを送信する通信手段42とを有し、操作部30や携帯通信端末80で受付けた使用者の操作に対応するマッサージの基本的な機能や自動のマッサージコースのデータを記憶部41から読み出し、データに基づく制御信号を出力して、各施療機構を作動させる仕組みである。
さらに、制御部40は、携帯通信端末80から送信されたマッサージ内容に係る更新用データを通信手段42で受信し、記憶部41に格納するデータの更新制御を行う。
【0069】
前記記憶部41は、マッサージ内容に係るデータ、詳細には、揉み玉51による「揉み」、「叩き」、「指圧」などの基本のマッサージの機能に関するデータ、及び、複数の基本のマッサージの機能を順次実行可能に組合わせたマッサージコースのデータを格納するものである。
【0070】
この記憶部41のデータを、制御部40が参照して、携帯通信端末80からの操作指示入力に基づき、制御部40が記憶部41のデータの中から、入力に対応する、すなわち選択されたマッサージの各機能や、マッサージコースの制御データを読出し、これらをマッサージ機の各施療機構に出力することでマッサージを実行可能としている。
【0071】
また、記憶部41は、通信手段42で受信された携帯通信端末80からの新たなマッサージ内容に係るデータ、例えば、複数の基本的なマッサージの機能を組合わせて生成された既存のものと異なる新規のマッサージコースのデータを記録されることとなる。携帯通信端末80の送信する新たなマッサージ内容に係るデータは、ネットワーク100を通じて管理サーバ90から携帯通信端末80にダウンロードしたものの他、例えば、使用者が携帯通信端末80での入力編集により複数の基本的なマッサージの機能を適宜組み合わせて作成した、新規のマッサージコースのようなデータであってもよい。
【0072】
携帯通信端末80でマッサージ機のデータ更新用のプログラムを実行し、マッサージ内容に係るデータがマッサージ機10に向けて送信されている場合、送信されたマッサージ内容に係るデータを通信手段42で受信すると、制御部40は、受信したデータと記憶部41に既に格納されているデータとを比較し、格納されているデータより通信手段42で受信したデータが新しい場合には、記憶部41のデータを通信手段42で受信したデータに置換えて更新する。
【0073】
前記通信手段42は、携帯通信端末80から送信されたマッサージの実行指示に係るデータやマッサージ内容に係る更新用データを受信するものである。携帯通信端末80との通信は、ケーブルを介した直接接続による通信、あるいは、例えばIEEE 802.11シリーズやIEEE 802.15シリーズの規格方式等による無線通信として行われる。
【0074】
前記携帯通信端末80は、表示デバイス81及び入力デバイス82を備え、携帯電話網及び/又はデータ通信網と接続して通信する機能を有する携帯電話やいわゆるスマートフォン、PDA(携帯情報端末)などの公知の装置であり、このうち、端末上でアプリケーションプログラムを実行可能であり、且つ、携帯電話網及び/又はデータ通信網への接続用の無線通信手段83とは別の、マッサージ機10の通信手段42と直接無線通信又は有線接続で通信する通信接続手段84と、マッサージ機10の施療内容に係るデータを保持可能な記憶手段85とを有するものである。この携帯通信端末80は、タッチパネル式の表示デバイス81を有して、表示デバイスが入力デバイス82を兼ねる構成である。
【0075】
携帯通信端末80は、マッサージ機操作用のプログラムの実行により、表示デバイス81で使用者の選択可能なマッサージ機10での複数通りのマッサージ内容、具体的にはマッサージの機能やマッサージコース、を表す所定の表示を行うと共に、この表示に基づく使用者のマッサージ実行の指示操作入力を入力デバイス82で受付け、入力デバイス82で受付けた入力に対応する内容でのマッサージの実行指示に係るデータをマッサージ機10に送信し、さらに使用者の選択したマッサージ内容を、選択されたことが明示される状態で表示デバイス81に表示する各機能を有しており、操作部30同様にマッサージ機10の操作が行えるものである。この他、マッサージ内容や使用者の体格や好みに合わせたマッサージ機10各部の傾斜角や位置の調整、マッサージ強度の設定等も行える仕組みである。
【0076】
携帯通信端末80が、マッサージの実行指示に係るデータをマッサージ機10に送信すると、マッサージ機10の制御部40がマッサージ機10の各施療機構を作動させて、携帯通信端末80で実行を指示された内容のマッサージをマッサージ機10で使用者に対し行うことができる。
【0077】
そして、こうした携帯通信端末80での操作に基づいて、マッサージを実行させる等、使用者がマッサージ機10を使用した場合、携帯通信端末80はマッサージ機10の稼動状態を示す履歴データを生成し、この履歴データを無線通信手段83で管理サーバ90に向け送信する(
図3参照)。この携帯情報端末80が生成、送信する履歴データは、携帯通信端末80からマッサージ機10へ向けての、マッサージの機能やマッサージコースといった形式でのマッサージ実行指示や、マッサージ機各部(背もたれ部や座部、脚支持部等)の傾斜角や位置の調整指示に基づいて、制御の対象物がどのタイミングでどれだけ動くか、どのくらいの時間作動するか、といったマッサージ機の稼動内容に係るデータであり、指示内容と継続時間を解析すれば、マッサージ機10のモータやベアリング等の機構部分をどれだけ作動させたかも判別可能となるものである。
【0078】
また、携帯通信端末80は、マッサージ機操作用のプログラムを実行させて、使用者が携帯通信端末80を操作しようとする所定のタイミングで、このタイミングの時点までに使用者がマッサージ機10で全く使用していないか、あるいは所定期間使用していない、マッサージの所定の機能やマッサージコースについて、その使用を使用者に対し提案する表示を、表示デバイス81の表示領域に、使用者が選択可能な選択肢の一又は複数として、選択操作対象の他の機能やマッサージコースの表示と並べて実行する仕組みである(
図5参照)。この表示と共に、提案の表示に基づく使用者の前記機能やマッサージコースの選択操作入力を、入力デバイス82で受入れ可能としている。入力デバイス82で提案対象のマッサージの機能やマッサージコースに対する選択指示入力を受け付けた場合でも、操作対象の他の機能やマッサージコースが選ばれる際と同様に、入力に対応する内容でのマッサージの実行指示に係るデータがマッサージ機10に送信されると共に、選択された提案対象の機能やマッサージコースが、表示デバイス81に他と識別可能に表示されることとなる。
【0079】
前記提案のより詳細な過程について説明すると、まず、携帯通信端末80が、使用者が携帯通信端末80を操作しようとする前記所定のタイミングで、提案用のデータ要求信号を管理サーバ90に送信することとなる。管理サーバ90は、このデータ要求信号を受信すると、使用者がマッサージ機で全く使用していないか、あるいは所定期間使用していない、マッサージの機能やマッサージコースで、なお且つ所定の判断基準に合致するものを抽出し、この抽出された機能やマッサージコースのデータを携帯通信端末80に送信する。
【0080】
そして、携帯通信端末80が、管理サーバ90より送信された、抽出された機能やマッサージコースのデータを受信し、このデータに基づく機能やマッサージコースを提案対象として、その使用を使用者に対し提案する表示を実行する仕組みとなっている。
【0081】
この他、携帯通信端末80は、マッサージ機データ更新用のプログラムの実行により、マッサージ機10のマッサージ内容に係る更新用データを、作成、編集、及び/又は外部のネットワーク100経由で管理サーバ90からダウンロードする機能、並びに、作成、編集、及び/又はダウンロードされたデータを、マッサージ機10の制御部40へ送信する機能を有する。また、携帯通信端末80は、他のプログラムの実行により、携帯通信端末80の記憶手段85に記録されたデータや、管理サーバ90から送信されるデータに基づいて、マッサージ機10の操作についての案内、解説機能を有すると共に、管理サーバ90からの告知、案内情報や問い合わせ等のデータを受信して表示し、また使用者の入力した返答等の情報を管理サーバ90に送信することができる仕組みである。
【0082】
なお、表示デバイス81でのマッサージ内容を表す表示には、前記作成、編集、及び/又はダウンロードされたデータで示されるマッサージ内容を表す表示が含まれており、入力デバイス82で、前記作成、編集、及び/又はダウンロードされたデータで示されるマッサージ内容を選択してマッサージの実行指示が可能である。
【0083】
携帯通信端末80は、マッサージ機データ更新用のプログラムを実行した場合、管理サーバ90にアクセスして、管理サーバ90が提供するマッサージ内容に係る更新用データを無線通信手段83を通じてダウンロードする。そして、ダウンロードしたデータに基づいて記憶手段85に格納されるデータの更新を行う。
【0084】
具体的には、携帯通信端末80は、管理サーバ90にダウンロード可能な状態で格納されている、マッサージ内容に係る更新用データの属性情報をまず無線通信手段83を通じて取得する。属性情報が携帯通信端末80の無線通信手段83で受信されると、携帯通信端末80は、受信した属性情報と記憶手段85に既に格納されているデータの属性情報とを比較し、格納されているデータより管理サーバ90側の更新用データが新しい場合には、管理サーバ90から更新用データをダウンロードし、記憶手段85のデータをダウンロードした更新用データに置換えて更新する。また、携帯通信端末80は、属性情報に対応する更新対象のデータが記憶手段85にそもそも存在しない場合にも、管理サーバ90から更新用データをダウンロードし、ダウンロードしたものを新たなマッサージ内容に係るデータとして記憶手段85に保存する。
【0085】
また、携帯通信端末80は、表示デバイス81でのマッサージ内容を表す表示に関し、記憶手段85の更新された、又は新たに保存されたデータに基づく表示を表示デバイス81に実行させる。さらに、携帯通信端末80は、記憶手段85の更新された、又は新たに保存されたデータを、使用者の操作を受けて、このデータに対応するマッサージ内容でのマッサージ実行を指示する信号が送出される際、又はより以前の時点で、マッサージ機10の制御部40に送信する。これにより、制御部40のデータも更新されるか、新たに保存されて、新たなマッサージ内容でのマッサージ実行を指示する信号に対応してマッサージ機10の各駆動機構を作動させ、マッサージを実行することができる。
【0086】
さらに、携帯通信端末80で更新用データをダウンロードする他に、使用者は、マッサージ機データ更新用のプログラムを実行し、携帯通信端末80の記憶手段85に既に格納されているマッサージ内容に係るデータを参考にして新たなデータを作成したり、既存のデータを編集して新たなデータとすることもできる。こうしたデータも、携帯通信端末80からマッサージ機10に送信して制御部40のデータに追加することができる。そして、このような使用者が作成、編集した独自のマッサージコース等のマッサージ内容に係るデータは、携帯通信端末80から管理サーバ90にも送信され、他の多数の使用者に提供されるマッサージ内容に係る更新用データの参考情報として使用されたり、そのままマッサージ内容に係る更新用データとして提供される場合がある。
【0087】
なお、携帯通信端末80が端末ごとに識別可能な固有の情報を有していることに基づき、管理サーバ90に、あらかじめマッサージ機10の履歴データとそのマッサージ機10を利用する使用者の携帯通信端末80の識別情報を対応付けて記録し、管理サーバ90において、データをやり取りする携帯通信端末80の情報とあらかじめ記録されている情報とを比較照合して、使用者とその使用するマッサージ機を識別し、機能提供にあたり登録された使用者に対応するマッサージ機の履歴データを参照するようにすることもできる。
【0088】
前記管理サーバ90は、所定のネットワーク100に接続され、マッサージ機10に係る所定のデータを少なくとも記録し蓄積するサービスを実行可能なサーバとされる構成である。
なお、本実施形態をはじめとする本願で使用する「サーバ」の語は、必ずしも単独の装置を意味するものでなく、複数の装置がネットワーク接続されて協動して、携帯通信端末側で要求する一又は複数のサービスを一体として提供する装置群である場合も包含する。
【0089】
この管理サーバ90は、携帯通信端末80からネットワーク100を通じて送信されるマッサージ機10の履歴データを受信し、この履歴データをマッサージ機10ごとに記録、蓄積する仕組みである。加えて、管理サーバ90は、マッサージ機10ごとに、マッサージ機が実行可能なマッサージの機能やマッサージコースを全て記録した基礎データを有するものである。
【0090】
また、管理サーバ90は、同じ機種のマッサージ機ながら、使用者の異なる多数のマッサージ機に対応する履歴データを、マッサージ機ごとにそれぞれ記録、蓄積しており(
図7参照)、多数のマッサージ機の履歴データを参照可能となっている。
【0091】
この他にも、管理サーバ90は、同じ機種で使用者の異なる多数のマッサージ機について、各マッサージ機の使用者の好むマッサージの機能やマッサージコースについて問い合わせを行って、使用者の好みのマッサージの機能やマッサージコースの情報を大量に収集し蓄積したデータや、各マッサージ機が実行可能な全てのマッサージの機能やマッサージコースごとに、そのマッサージの機能やマッサージコースの実行が人に与える影響等について記録したデータを保有しており、携帯通信端末80で提案するマッサージの機能やマッサージコースを抽出するための材料として利用可能としている。
【0092】
そして、管理サーバ90は、携帯通信端末80における提案に先立ち、携帯通信端末80からのデータ要求信号を受信して、使用者がマッサージ機で全く使用していないか、あるいは所定期間使用していない、マッサージの機能やマッサージコースのうち、所定の判断基準に合致するものを抽出して、この抽出された機能やマッサージコースのデータを携帯通信端末80に送る処理を実行することとなる。
【0093】
詳細には、管理サーバ90は、携帯通信端末80から送信されるデータ要求信号を受信すると、管理サーバ90に記録、蓄積された履歴データを参照し、この履歴データと基礎データとを比較解析し、前記所定
のタイミングの時点までに使用者がマッサージ機10で全く使用していないか、あるいは所定期間使用していない、マッサージの機能やマッサージコースで、なお且つ前記所定の判断基準に合致する、一又は複数の機能やマッサージコースを抽出し、抽出された機能やマッサージコースのデータを、携帯通信端末80に向け送信する仕組みである。
【0094】
管理サーバ90が、提案用のマッサージの機能やマッサージコースの抽出の際には、マッサージ機で全く使用していないか、あるいは所定期間使用していない、マッサージの機能やマッサージコースであるという条件と共に、所定の判断基準に合致する点も必須としている。この判断基準は、例えば、管理サーバ90があらかじめ収集し蓄積した、多数の使用者の履歴データの解析により求められる、マッサージの機能やマッサージコースの使用実績数が他より多いことや、多数の使用者がそれぞれ好みのものとして挙げたマッサージの機能やマッサージコースのデータを解析して求められる、マッサージの機能やマッサージコースの人気が他より高いこと、管理サーバ90で履歴データと基礎データとを比較して求められる、直近の所定期間内での、マッサージの機能やマッサージコースの使用頻度が他より少ないこと、といった条件が採用されることとなる。
【0095】
次に、本実施形態に係るマッサージシステムでのマッサージ機の使用状態について説明する。前提として、マッサージ機10の主電源スイッチが入とされて、マッサージ機10が電源投入状態となっていると共に、携帯通信端末80とマッサージ機10が有線で通信する場合は、携帯通信端末80とマッサージ機10が通信用ケーブルで相互接続され、携帯通信端末80とマッサージ機10が無線で通信する場合は、携帯通信端末80への操作であらかじめマッサージ機10との一対一の通信接続関係を設定して、接続関係が確立されたものとする。
【0096】
そして、マッサージ機10に対して使用者が正しい姿勢で着座し、マッサージ開始前の準備動作が制御部40により実行されて、マッサージ機10が使用者によるマッサージコース等のマッサージ内容指示の入力を待つだけの状態にあるものとする。
【0097】
(最初の使用機会)
まず、使用者が携帯通信端末80を操作してマッサージ機操作用のプログラムを起動させ実行し、マッサージ機10を携帯通信端末80で操作可能な状態になると、携帯通信端末80は、提案用のデータ要求信号を管理サーバ90に送信する(
図4参照)。
【0098】
管理サーバ90は、データ要求信号を受けたら、この信号に含まれる固有情報から携帯通信端末80に対応する使用者及びマッサージ機を識別し、マッサージ機ごとに蓄積された履歴データを探索する。ここで、購入直後など、使用者がマッサージ機10を初めて使用する場合には、管理サーバ90にこのマッサージ機の履歴データが存在していないので、新たにこのマッサージ機を提案実行対象として登録して、内容が空の履歴データを作成すると共に、マッサージ機の固有情報に基づいて製品の出荷時仕様データベースから、このマッサージ機の基礎データを作成し登録する。こうして管理サーバ90にマッサージ機ごとの履歴データ及び基礎データが格納された状態となる。
【0099】
この後、管理サーバ90は、履歴データと、同じマッサージ機に対応する基礎データとを比較解析し、その時点までに使用者がマッサージ機で全く使用していないか、所定期間使用していないマッサージの機能やマッサージコース、この場合は、最初の使用で履歴データの内容が無い関係上、そのマッサージ機におけるマッサージの全ての機能及びマッサージコース、の中から、マッサージ機の最初の使用時に対応する判断基準として与えられる、最初の提案として具体的に設定された一又は複数の機能やマッサージコースに一致する、マッサージ機における所定の機能やマッサージコースを抽出する。そして、管理サーバ90は、抽出された機能やマッサージコースのデータを、携帯通信端末80に送信する(
図4参照)。
【0100】
携帯通信端末80は、管理サーバ90より送信されたデータを受信し、このデータに含まれる機能やマッサージコースを、提案対象として、その使用を使用者に対し提案する所定の表示を、表示デバイス81の表示領域の一部に行うと共に、表示に基づく機能やマッサージコースの選択操作入力を入力デバイス82で受入れ可能とする。この時、通常の操作用表示として、マッサージ機で実行可能な他の機能やマッサージコースについても、一部を表示デバイス81により表示すると共に、表示したそれらの機能やマッサージコースの選択操作入力についても、入力デバイス81で受入れ可能とする(
図5参照)。
【0101】
こうして、携帯通信端末80から、使用者がまだマッサージ機でのマッサージを使用していない状態で、お勧めの機能等を提案でき、操作に慣れない使用者を迷わせず、後のマッサージによるリラックス効果を損なうようなこともなく、使用者はスムーズに効果の高いマッサージを選んで受けることができる。
【0102】
使用者がマッサージの機能やマッサージコースを決定して携帯通信端末80を操作し、携帯通信端末80が、この表示に基づくマッサージの機能やマッサージコースについての使用者による選択操作入力を入力デバイス82で受入れると、表示デバイス81で、選択したマッサージの機能やマッサージコースの表示部分に選択したことを示す所定の表示を行うと共に、入力デバイス82で受入れた入力に対応するマッサージの機能やマッサージコースの実行に係る指示データをマッサージ機10に送信する。
【0103】
マッサージ機10は、携帯通信端末80から送られた指示データを受取り、指示データに基づく制御部40による制御下で、使用者により選択されたマッサージの機能やマッサージコースによるマッサージを、対応する一又は複数の施療機構を作動させることで、使用者に対し実行する(
図5参照)。このマッサージが終了すると、制御部40からマッサージの終了を示す信号が携帯通信端末80に送られ、携帯通信端末80は、操作用プログラムの起動時と同様の、マッサージ機10を携帯通信端末80で操作可能な状態に再び移行する。
【0104】
こうしてマッサージ機10でマッサージが実行されると、携帯通信端末80で、マッサージ機10の稼動状態を示す履歴データが生成され、この履歴データを無線通信手段83で管理サーバ90に向け送信する。そして、管理サーバ90は、送信された履歴データを受信し、この履歴データを既存の上記マッサージ機用の履歴データに追加、融合する形式で記録する(
図3参照)。
【0105】
次の使用機会以降は、管理サーバ90は、データ要求信号を受けたら、マッサージ機ごとの履歴データを探索し、使用によりマッサージ機の履歴データが蓄積され存在していることから、そのままマッサージ機の履歴データを参照し、この履歴データと、同じマッサージ機に対応する基礎データとを比較解析し、その時点までに使用者がマッサージ機で全く使用していないか、所定期間使用していないマッサージの機能やマッサージコースを選び出し、さらにその中から、所定の判断基準に合致する機能やマッサージコースを抽出することとなる。
【0106】
そして、前記同様に、管理サーバ90が、抽出された機能やマッサージコースのデータを、携帯通信端末80に送信し、携帯通信端末80が、この送信されたデータに基づく機能やマッサージコースを、提案対象として、その使用を使用者に対し提案する所定の表示を通常の操作用表示と合わせて実行し、次いで使用者による選択操作入力を受けて、選択されたマッサージの機能やマッサージコースの実行に係る指示データをマッサージ機10に送信する。マッサージ機10は、携帯通信端末80から送られた指示データに基づく制御により、使用者の選択したマッサージの機能やマッサージコースによるマッサージを実行する。
【0107】
マッサージ機10でマッサージが実行されると、マッサージ機の稼動内容に係る履歴データが携帯通信端末80から管理サーバ90に送信され、管理サーバ90が、この履歴データをマッサージ機ごとに記録することとなる。
以上の過程が繰り返されることで、管理サーバ90にマッサージ機ごとの履歴データが蓄積されていく。
【0108】
(使用開始から一ないし数ヶ月経過後の使用機会)
続いて、使用者が、マッサージ機を例えば一ないし数ヶ月にわたり定期的な使用を続けた後など、管理サーバ90にマッサージ機の履歴データがある程度蓄積された状況の場合について説明する。使用者がマッサージ機10使用のために、携帯通信端末80を操作しようとすると、上記の場合と同様、携帯通信端末80がデータ要求信号を管理サーバ90に送信する(
図6参照)。
【0109】
管理サーバ90は、データ要求信号を受けたら、前記同様、マッサージ機ごとの履歴データを探索し、使用によりマッサージ機の履歴データが蓄積され存在していることから、使用者のマッサージ機の履歴データを参照する。管理サーバ90は、マッサージ機の履歴データと、同じマッサージ機に対応する基礎データとを比較解析し、その時点までに使用者がマッサージ機で全く使用していないか、所定期間使用していないマッサージの機能やマッサージコース、この場合は、特に未使用の機能やマッサージコース、を選び出し、さらにその中から、ある程度マッサージ機の使用を経た状況に対応する所定の判断基準に合致する、マッサージ機における所定の機能やマッサージコースを抽出する。
【0110】
前記判断基準としては、例えば、管理サーバ90が収集し蓄積した使用者の異なる他の多数のマッサージ機の履歴データ(
図7参照)の解析により求めた、マッサージの機能やマッサージコースの使用実績がより高いことや、同様に管理サーバ90が収集し蓄積した、他の多数の使用者がそれぞれ好むマッサージの機能やマッサージコースとして挙げたもののデータを解析して求められる、マッサージの機能やマッサージコースの人気がより高いこと、などが挙げられる。
【0111】
また、同じマッサージ機の履歴データの解析により求めた、直前のマッサージの対象部位に対し、マッサージ効果を集中させるために、マッサージの機能やマッサージコースの対象部位が直前のマッサージの対象部位により近いこと、あるいは、同じマッサージ機の履歴データの解析により求めた、直前のマッサージの対象部位に対し、使用者の身体全体でマッサージ効果のバランスをとるために、マッサージの機能やマッサージコースの対象部位が直前のマッサージの対象部位からより遠いこと、なども挙げられる。
【0112】
管理サーバ90が、こうした判断基準の一又は複数に合致するマッサージの機能やマッサージコースを抽出したら、この抽出された機能やマッサージコースのデータを、携帯通信端末80に送信する(
図6参照)。
【0113】
これ以降の過程は、上記の使用者がマッサージ機10を初めて使用する場合と同様であり、携帯通信端末80が、管理サーバ90より送信されたデータを受信し、このデータに基づく機能やマッサージコースを、提案対象として、その使用を使用者に対し提案する所定の表示を、他の機能やマッサージコースの通常の操作用表示と合わせて、表示デバイス81により行う(
図5参照)。またこの時、表示された提案対象を含む各機能やマッサージコースの選択操作入力を入力デバイス82で受入れ可能とする。
【0114】
そして、携帯通信端末80が、表示に基づくマッサージの機能やマッサージコースについての使用者による選択操作入力を入力デバイス82で受入れると、前記同様、使用者の選択を示す所定の表示を行うと共に、選択操作入力に対応するマッサージの機能やマッサージコースの実行に係る指示データをマッサージ機10に送信する。マッサージ機10は、携帯通信端末80から送られた指示データを受取り、指示データに基づく制御により、使用者の選択したマッサージの機能やマッサージコースによるマッサージを使用者に対し実行する。
【0115】
このように、使用者が存在に気付かずに未使用となっている機能やマッサージコースを提案して利用しやすくすることで、使用者がそうした機能やマッサージコースのマッサージを実行してマッサージ効果を体感する機会が著しく増大し、使用者が提案された機能やマッサージコースを気に入って継続的に使用する可能性が高まることとなり、マッサージ機の一層の有効活用が図れ、様々なマッサージ効果を体感することで使用者の満足度を大きくすることができる。
【0116】
そして、特に、前記判断基準として、管理サーバ90が収集し蓄積した使用者の異なる他の多数のマッサージ機の履歴データの解析により求めた、マッサージの機能やマッサージコースの使用実績がより高いこと、を採用して、これに合致するマッサージの機能やマッサージコースを提案の対象として携帯通信端末80に送信し(
図8参照)、携帯通信端末80でこの提案のマッサージの機能やマッサージコースを選択可能に表示して、使用者がこれを選んでマッサージ機10に実行させた場合、この提案の機能やマッサージコースによるマッサージはその使用実績に基づいて、他の多くの使用者が使用した際と同様に確実なマッサージ効果を得られることが期待でき、この使用者が使用したことのない機能やマッサージコースでも、高い確率でマッサージによる優れたリラックス感を使用者に与えることが可能となり、効率のよいマッサージが可能となる。
【0117】
また、前記判断基準として、管理サーバ90が収集し蓄積した、他の多数の使用者がそれぞれ好むマッサージの機能やマッサージコースとして挙げたもののデータを解析して求められる、マッサージの機能やマッサージコースの人気がより高いこと、を採用して、これに合致するマッサージの機能やマッサージコースを提案の対象とし、携帯通信端末80でこの提案のマッサージの機能やマッサージコースを選択可能に表示して、使用者がこれを選んでマッサージ機10に実行させた場合、多くの使用者がマッサージの結果に実際に満足し好ましく感じた機能やマッサージコースによるマッサージで、他の多くの使用者と同様に満足できるマッサージ効果を得られることが期待でき、この使用者が使用したことのない機能やマッサージコースであっても、高い確率で優れたリラックス感を得られるマッサージを受けられ、新たな満足感を獲得させてマッサージ機のさらなる活用を促せることとなる。
【0118】
マッサージ機10でマッサージが実行されると、マッサージ機の稼動内容に係る履歴データが携帯通信端末80から管理サーバ90に送信され(
図3参照)、管理サーバ90が、この履歴データをマッサージ機ごとに記録することとなる。
【0119】
(長期にわたり使用した後の使用機会)
さらに、使用者が、三ヶ月を大きく越えるような長期にわたってマッサージ機を利用している場合について説明する。前記同様に、使用者がマッサージ機10を使用するために携帯通信端末80を操作すると、携帯通信端末80がデータ要求信号を管理サーバ90に送信する(
図9参照)。
【0120】
管理サーバ90は、データ要求信号を受けたら、マッサージ機ごとの履歴データを探索し、使用によりマッサージ機の履歴データが十分に蓄積され存在していることから、探索で使用者のマッサージ機の履歴データを取得する。管理サーバ90は、得られたマッサージ機の履歴データと、同じマッサージ機に対応する基礎データとを比較解析し、その時点までに使用者がマッサージ機で未だ使用していないか、所定期間使用していないマッサージの機能やマッサージコースの中から、長期にわたるマッサージ機の使用を経た状況に対応する所定の判断基準に合致する、マッサージ機における所定の機能やマッサージコースを抽出する。
【0121】
前記判断基準としては、まず第一に、管理サーバ90が収集し蓄積した同じ使用者のマッサージ機の履歴データを解析して求めた、データ要求信号受信時点の直前での、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの使用されていない期間がより長いこと、が挙げられる。
この他の判断基準としては、前記同様、マッサージの機能やマッサージコースの使用実績がより高いことや、マッサージの機能やマッサージコースの人気がより高いこと、などを採用できる。
【0122】
管理サーバ90が、こうした判断基準の一又は複数に合致するマッサージの機能やマッサージコースを抽出したら、この抽出された機能やマッサージコースのデータを、携帯通信端末80に送信する(
図9参照)。
【0123】
これ以降の過程は、上記の使用者がマッサージ機10を初めて使用する場合や、使用者がマッサージ機をしばらく使用してマッサージ機の履歴データがある程度蓄積されている場合と同様であり、携帯通信端末80が、管理サーバ90より送信されたデータを受信し、このデータに基づく機能やマッサージコースを、提案対象として、その使用を使用者に対し提案する所定の表示を、他の機能やマッサージコースの通常の操作用表示と合わせて、表示デバイス81により行う(
図5参照)。またこの時、表示された提案対象を含む各機能やマッサージコースの選択操作入力を入力デバイス82で受入れ可能とする。
【0124】
そして、携帯通信端末80が、表示に基づくマッサージの機能やマッサージコースについての使用者による選択操作入力を入力デバイス82で受入れると、前記同様、選択操作入力に対応するマッサージの機能やマッサージコースの実行に係る指示データをマッサージ機10に送信する。マッサージ機10は、携帯通信端末80から送られた指示データを受取り、指示データに基づく制御により、使用者の選択したマッサージの機能やマッサージコースによるマッサージを使用者に対し実行する。
【0125】
このように、マッサージ機において直前の所定期間使用していない機能やマッサージコースを、携帯通信端末80で提案表示して使用者に利用しやすくすることで、最近使用の機会が減ったもののマッサージ効果の優れた機能やマッサージコースについて、あらためてその使用を促すことができると共に、マッサージ機の使用期間全体としては使用頻度が少ないものの、最近使用することが増えて、使用者が積極的に選択使用する可能性が高く、特に提案の必要もない機能やマッサージコースを誤って提案対象として、結果的に他の機能等の提案機会を減らしてしまうようなことが無くなる。そのため、マッサージ機が実際に使用される中で真にしばらく使用していない機能やマッサージコースのマッサージを使用者が選択実行しやすくなり、様々なマッサージ効果をあらためて体感する機会を増やして、使用が長期にわたっても引き続きマッサージ機の有効活用が図れ、新鮮なマッサージ効果を体感させて使用者の満足度をさらに高められる。
【0126】
マッサージ機10でマッサージが実行されると、マッサージ機の稼動内容に係る履歴データが携帯通信端末80から管理サーバ90に送信され、管理サーバ90が、この履歴データをマッサージ機ごとに記録することとなる(
図3参照)。
【0127】
このように、本実施形態に係るマッサージシステムは、マッサージ機10とデータをやり取り可能な提案部としての携帯通信端末80を介して、マッサージの機能やマッサージコースを適宜選択してマッサージ機10に実行させられることに加え、携帯通信端末80では使用者に対し、使用者が全く使用していないか所定期間使用していないマッサージの所定の機能やマッサージコースを選択可能に表示して、それらが選択された場合にはマッサージ機10が所定の機能やマッサージコースのマッサージを実行する。これにより、使用者がマッサージ機10を使用する中で、未使用又は所定期間使用していない機能やマッサージコースのマッサージを受けるきっかけを与えて、使用者が様々な機能やマッサージコースを体感し、それらがマッサージ効果の高い有効なものであることに気付けるようにし、こうした有効な機能やマッサージコースをそれまで利用してきたものに追加して利用するように使用者を導くことができ、導入したマッサージ機10について使用者がおおよその使用方法を理解して日常的に使用するようになった後も、マッサージ機10の与えることのできる様々なマッサージ効果を使用者に認識させて、使用者にマッサージ機10を十分に活用させることができ、使用者のマッサージ機10に対する満足度を高められると共に、使用者を飽きさせずマッサージ機10の継続的な使用を促せる。
【0128】
なお、前記実施形態に係るマッサージシステムにおいて、管理サーバ90がマッサージ機の履歴データに基づいて選び出した未使用又は所定期間使用していないマッサージの機能やマッサージコースの中から、さらに提案対象を抽出するための判断基準として、他の多数のマッサージ機での機能やマッサージコースの使用実績がより高いこと、を用いる場合に、使用実績は、管理サーバ90が収集し蓄積した使用者の異なる他の多数のマッサージ機の履歴データの解析により求めており、他のマッサージ機の履歴データは特に取捨選択することなく利用して使用実績を求めるようにしているが、これに限らず、管理サーバ90で、他のマッサージ機の履歴データを、一旦提案を行おうとするマッサージ機の履歴データと比較検証し、使用したマッサージの機能及び/又はマッサージコースの重複が所定数以上であれば、他のマッサージ機の履歴データを使用実績の集計対象とする構成とすることもできる。このように、使用した機能及び/又はマッサージコースがある程度重複する、すなわち利用傾向が類似するマッサージ機の履歴データを用いた使用実績を求め、これを基準として提案対象の機能及び/又はマッサージコースを抽出するようにすることで、使用者の使用する確率が比較的高いと予想できるマッサージの機能及び/又はマッサージコースを抽出して提案でき、使用者が提案されたものを選択実行した場合に満足感を得て継続的に使用する動機に繋げられる可能性を高められ、マッサージの有効活用がより確実なものとなる。
【0129】
この場合、使用者の使用状況(マッサージ機の履歴データの蓄積量)に応じて、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの重複する数の下限値を調整する、例えば、マッサージ機を使用して間もなくの時期は下限値を下げる、ようにするのが望ましい。
【0130】
また、前記実施形態に係るマッサージシステムにおいては、管理サーバ90で提案対象となるマッサージの機能やマッサージコースを抽出しようとする際に、最初の使用機会である場合には、あらかじめ最初の提案として具体的に設定されたマッサージの機能やマッサージコースをそのまま抽出する構成としているが、これに限らず、他の多数の使用者のマッサージ機の履歴データが十分に収集、蓄積されているなど、前記所定の判断基準を利用できる場合には、最初の使用機会でも、特別な抽出プロセスを用いずに、マッサージ機で全く使用していないマッサージの機能やマッサージコースの中から、他の多くのマッサージ機での使用実績の多さなどの所定の判断基準に合致するものを抽出するという、より後の使用機会と同様のプロセスで、提案対象となるマッサージの機能やマッサージコースを抽出するようにしてもよく、管理サーバ90で使用機会の違いに関わりなく同様の処理を行えることで、より簡易でコストを抑えたシステムとすることができる。
【0131】
この他、最初の使用機会に管理サーバ90で提案対象となるマッサージの機能やマッサージコースを抽出する場合で、より後の使用機会と同様に履歴データを探索、参照した上で、履歴データの有無から最初の使用機会であることを判別して、それ以降の処理を行う構成としているが、これに限らず、履歴データの送信の有無から最初の使用機会か否かを判別できる携帯通信端末80で、最初の使用機会の判定を実行するようにし、携帯通信端末80から最初の使用機会であることを要求信号と共に管理サーバ90側に通知する構成とすることもでき、管理サーバ90で履歴データを参照する手順を省略して、すぐに以降の処理を実行することができ、速やかに提案対象の機能やマッサージコースを抽出して携帯通信端末80に送信できることとなる。
【0132】
また、前記実施形態に係るマッサージシステムにおいては、管理サーバ90で履歴データと基礎データとを比較解析し、マッサージ機で全く使用していないか、所定期間使用していないマッサージの機能やマッサージコースであって、さらに所定の判断基準に合致する、マッサージの所定の機能やマッサージコースを抽出して、携帯通信端末80での提案対象とする構成としているが、これに限られるものではなく、マッサージの機能のみ、又は、マッサージコースのみを特に選別して携帯通信端末80で提案させるようにすることもできる。
【0133】
そして、管理サーバ90で特に未使用のマッサージの機能のみを抽出しようとする場合に、マッサージコースにも着目し、全ての機能のうち、マッサージ機でのマッサージに使用されたことのあるマッサージコースを構成する機能を除いた残りの機能で、なお且つ機能のみでの使用もなされていないものを抽出するのが好ましい。この場合、マッサージコースを含めてマッサージ機で使用者に対し未だ実行されていないマッサージの機能を新たに体感させるきっかけを与えて、使用者に機能を体感させてそのマッサージ効果を気付かせることができ、使用者が気に入った場合には、次の使用機会でその機能だけでなくその機能を含んだマッサージコースについてもマッサージ機で使用する可能性が高まり、マッサージ機をより一層有効活用できることとなる。
【0134】
また、前記実施形態に係るマッサージシステムにおいては、携帯通信端末80が、提案対象の機能やマッサージコースの使用を使用者に対し提案する所定の表示を、他の機能やマッサージコースの通常の操作用表示と合わせて、表示デバイス81に表示し、この表示に基づくマッサージの機能やマッサージコースについての使用者による選択操作入力を受けると、マッサージ機10で使用者の選択したマッサージの機能やマッサージコースによるマッサージを実行させる一方で、選択結果の検証や活用は特に行わない構成としているが、これに限らず、携帯通信端末80での使用者の選択操作の結果をそのまま携帯通信端末80で利用したり、選択結果についての情報を携帯通信端末80から管理サーバ90に送信させ、管理サーバ90でその情報を後の提案対象の抽出等のための判断材料となるデータとして記録して利用するようにしてもよい。
【0135】
具体的には、表示デバイス81に表示したマッサージの機能やマッサージコースのうち、使用を提案したものを使用者が選んだ場合、携帯通信端末80は、そのマッサージの機能やマッサージコースの実行が終了した後に、その提案したマッサージの機能やマッサージコースにより得られたマッサージ効果が、使用者にとって満足のいくものであったか否かを問い合わせる表示を表示デバイス81で行う。同時に、表示した問い合わせに対する回答の選択操作入力について、入力デバイス81で受入れ可能とする。
【0136】
そして、使用者が問い合わせの表示に対し、回答の入力を行ったら、携帯通信端末80は、使用を提案したものを使用者が選んだこと、並びに前記回答の内容を管理サーバ90に送信する(
図10参照)。管理サーバ90は提案したマッサージの機能やマッサージコースが使用者に受け入れられた点、並びにその機能やマッサージコースが使用者に満足感を与えたか否かについてを、提案対象の抽出等のための判断材料のデータとして、マッサージ機ごとに記録する。そして、管理サーバ90は、提案したマッサージの機能やマッサージコースが、使用者に一旦受け入れられて実行されたものの、マッサージが満足のいくものでなかったという回答が得られている場合は、そのマッサージの機能やマッサージコースについて、少なくとも所定期間は提案対象には採用しないものとしてまとめたデータに記録し、参照利用する。
【0137】
一方、携帯通信端末80は、表示デバイス81に表示したマッサージの機能やマッサージコースのうち、使用を提案したものを使用者が選ばなかった場合には、その旨を示す情報を管理サーバ90に送信する。管理サーバ90は提案したマッサージの機能やマッサージコースが使用者に選ばれなかった事実を、機能やマッサージコースごとにまとめてデータとして記録する。
【0138】
また、携帯通信端末80は、最近利用したマッサージの機能やマッサージコースを、表示デバイス81に優先的に表示し、且つ表示に合わせて入力デバイス82で選択可能とする機能を有する場合には、提案したマッサージの機能やマッサージコースが、使用者に受け入れられて実行されると共に、そのマッサージを満足とする回答が得られたものであれば、マッサージ実行後、そのまま最近利用したものとして優先表示の対象とする。逆に、提案したマッサージの機能やマッサージコースが、使用者に受け入れられて実行されたものの、そのマッサージを不満足とする回答が得られたものであれば、マッサージ実行後、最近利用したものとしての優先表示の対象とはしないようにする。
【0139】
この他、上記の選択結果の記録に基づいて、提案対象のマッサージの機能やマッサージコースを抽出する際の判断基準の一つとして、同じマッサージ機で、以前の近い時期に提案されて実行に至ったものの、使用者にマッサージが不満足であるとされた、マッサージの機能やマッサージコースとは一致しないことや、同じマッサージ機で、以前の近い時期に提案されたものの使用者に選択されなかったマッサージの機能やマッサージコースとは一致しないこと、などを採用するようにしてもよい。
【0140】
(本発明の第2の実施形態)
前記第1の実施形態に係るマッサージシステムにおいては、マッサージ機の稼動内容に係る履歴データを携帯通信端末80が管理サーバ90に送信し、履歴データを管理サーバ90で記録蓄積する構成としているが、これに限らず、第2の実施形態として、
図11及び
図12に示すように、提案部としての携帯通信端末80が、マッサージ機10の稼動内容に係る履歴データを生成したら、この履歴データを、携帯通信端末80のデータ記録部86に記録、蓄積するようにし、合わせて、携帯通信端末80が、マッサージ機10が実行可能なマッサージの機能及び/又はマッサージコースを、全て記録した基礎データを有するようにして、使用者がマッサージ機10を使おうとする所定のタイミングで、携帯通信端末80がマッサージ機10に対応する履歴データと記録データとを比較解析し、前記所定
のタイミングの時点までに使用者がマッサージ機で全く使用していないか、所定期間使用していないマッサージの機能及び/又はマッサージコースであり、なおかつ所定の判断基準に合致する、所定の一又は複数のマッサージ機能及び/又はマッサージコースを抽出する構成とすることもできる。この例では、この抽出した機能及び/又はマッサージコースを提案対象として、そのまま携帯通信端末80がその使用を使用者に対し提案する所定の表示を、表示デバイス81の表示領域の一部に行うと共に、表示に基づく機能及び/又はマッサージコースの選択操作入力を入力デバイス82で受入れ可能とすることとなる。
【0141】
この場合でも、携帯通信端末80とネットワーク100を介してデータをやり取りできる管理サーバ90を設け、使用者がマッサージ機10を使おうとする所定のタイミングで、携帯通信端末80がデータ要求信号を管理サーバ90に送信するのに対応させて、データ要求信号を受けた管理サーバ90が、前記所定の判断基準となるデータを生成し、このデータを携帯通信端末80に送信して、携帯通信端末80でこのデータに基づく判断基準を用いるようにすることで(
図12参照)、前記実施形態と同様に、全く使用していないか、所定期間使用していないマッサージの機能及び/又はマッサージコースの中で、判断基準に合った特別な特徴を有するものを提案対象とすることができ、提案に沿って、使用者がこうした機能及び/又はマッサージコースのマッサージを実行して優れたマッサージ効果を体感する機会が増大し、使用者が提案された機能及び/又はマッサージコースを気に入って継続的に使用する可能性が高まることとなり、前記実施形態同様、マッサージ機の一層の有効活用が図れ、様々なマッサージ効果を体感することで使用者の満足度を大きくすることができる。
【0142】
前記判断基準としては、前記第1の実施形態同様、管理サーバ90が収集し蓄積した使用者の異なる他の多数のマッサージ機の履歴データの解析により求めた、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの使用実績がより高いことや、同様に管理サーバ90が収集し蓄積した、他の多数の使用者がそれぞれ好むマッサージの機能及び/又はマッサージコースとして挙げたもののデータを解析して求められる、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの人気がより高いこと、などが挙げられる。
【0143】
この他、携帯通信端末80のデータ記録部を、携帯通信端末80に内蔵される記憶手段85の一部、又は別途内蔵される所定の記憶手段とするのに代えて、ネットワークを経由した外部のいわゆるオンラインストレージサービスを行う記録領域提供手段とする構成とすることもでき、携帯通信端末80の記憶手段の容量に関わりなく履歴データを記録蓄積でき、履歴データが増大しても携帯通信端末80の取扱い性に影響が及ぶこともない。
【0144】
なお、前記第1及び第2の各実施形態に係るマッサージシステムにおいては、提案部として携帯通信端末80を用いる構成としているが、これに限らず、提案部がマッサージ機の操作部(リモコン)であってもよい。その場合、操作部がマッサージ機に対し外付けとなっている構造や、マッサージ機表面に一体化されている構造のいずれでもかまわない。すなわち、外見的には、提案機能を有するマッサージ機が直接ネットワークに接続される形態もとり得ることとなる。
【0145】
(本発明の第3の実施形態)
前記第1及び第2の各実施形態に係るマッサージシステムにおいて、管理サーバ90又は携帯通信端末80が、マッサージ機10の履歴データに基づいて選び出した未使用又は所定期間使用していないマッサージの機能及び/又はマッサージコースの中から、さらに提案対象を抽出するための判断基準は、マッサージ機の履歴データなど、管理サーバ90の保有するデータに基づいて設定されたものを採用する構成としているが、この他、第3の実施形態として、
図13ないし
図16に示すように、管理サーバ90以外から得た情報、例えば、携帯通信端末80から得た情報も用いて、判断基準を設定する構成とすることもできる。
【0146】
この場合の判断基準としては、例えば、マッサージ機10に対応する携帯通信端末80における問診用プログラムの実行により、あらかじめ収集した使用者の体調に係る情報を、管理サーバ90が携帯通信端末80から送信させて受取り(
図13参照)、この情報に基づく使用者の体調とマッサージの機能及び/又はマッサージコースによるマッサージ効果との関係の解析により求めた、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの、使用者の体調との適合性が高いこと、が挙げられる。
【0147】
この場合、使用されていなかったものの、使用者の体調に合ったマッサージの機能及び/又はマッサージコースを提案して(
図14参照)、使用者が選択しやすいようにし、使用者が提案の機能及び/又はマッサージコースを選択してマッサージ機でのマッサージを実行した場合に、体調に合致したマッサージで高いマッサージ効果を期待でき、継続的な使用の動機を生じさせ、ほとんど活用されていない使用者に合った機能及び/又はマッサージコースの利用機会を増やすことに繋げられ、マッサージ機のより一層の有効活用が図れる。
【0148】
また、この他、判断基準として、例えば、マッサージ機10に対応する携帯通信端末80における所定のプログラムの実行により、あらかじめ自動的に記録蓄積された疲労判定用の使用者自身に係る情報を、管理サーバ90が携帯通信端末80から送信させて受取り、この使用者自身に係る情報から使用者の疲労状態を予測し、この予測した疲労状態とマッサージの機能及び/又はマッサージコースに基づくマッサージ効果との関係の解析により求めた、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの、使用者の疲労状態との適合性が高いこと、も採用できる。
【0149】
この場合の、疲労判定用の使用者自身に係る情報は、例えば、携帯通信端末80に内蔵された、又は外付けされたセンサ機能とこれを用いるプログラムにより取得された、所定時間内で歩いた歩数(
図15参照)、心拍数、血圧などの、使用者の状態を示す情報や、携帯通信端末80で撮像される使用者の表情に係る画像情報、携帯通信端末80で録音される使用者の音声情報、などがある。
【0150】
こうした使用者の疲労につながる行動量を示す情報や、使用者本人の疲労状態に応じて内容が変化する情報を、マッサージ機使用前に携帯通信端末80で収集し、さらに情報を管理サーバ90で処理する(
図15参照)ことで、使用者の疲労状態を高精度に予測でき、この予測した疲労状態と適合性の高いマッサージの機能及び/又はマッサージコースを抽出して提案対象として使用者に提示する(
図16参照)ことで、使用者が提案の機能及び/又はマッサージコースを選択してマッサージ機でのマッサージを実行した場合に、疲労状態に対応したマッサージで高い疲労解消効果を期待でき、得られる満足感に基づいて継続的な使用の動機を生じさせ、ほとんど活用されていなかった有効な機能及び/又はマッサージコースの利用機会を増やすことに繋がることとなる。
【0151】
また別の例として、携帯通信端末80での対話型プログラムにより判明した、体格や体力等の使用者の身体に係る情報や、使用者のマッサージの機能に対する好みやマッサージを優先実行したい部位等の付加情報を、携帯通信端末80を通じて管理サーバ90が取得し、前記判断基準の一つとして、こうした情報とマッサージの機能及び/又はマッサージコースに基づくマッサージ効果との関係の解析により求めた、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの、使用者への適応度が高いこと、を採用して、使用者に適したマッサージの機能及び/又はマッサージコースを抽出して提案対象として使用者に提示するようにすることもできる。この場合も、使用者が提案されたマッサージの機能及び/又はマッサージコースを選択して、マッサージを実行させると、使用者の好みに合った未活用の優れたマッサージを体感させて、使用者にその有効性を認識させられ、以降のマッサージ機の利用機会を確実に増やせることとなる。
【0152】
さらに、携帯通信端末80における所定のプログラムの実行により、自動的に追跡し取得される、検索やウェブサイトへの書込みの際に入力されたキーワードなどの使用者のコミュニケーションに係る情報を、携帯通信端末80を通じて管理サーバ90が取得し、前記判断基準の一つとして、こうした使用者のコミュニケーションに係る情報から使用者の嗜好や性格を予測し、この予測した使用者の嗜好や性格とマッサージの機能及び/又はマッサージコースに基づくマッサージ効果との関係の解析により求めた、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの、使用者への適応度が高いこと、を採用して、使用者に適したマッサージの機能及び/又はマッサージコースを抽出して提案対象として使用者に提示するようにすることもできる。この場合も、使用者が提案されたマッサージの機能及び/又はマッサージコースを選択して、マッサージを実行させると、使用者の嗜好や性格に対応した未活用の優れたマッサージを体感させて、使用者にその有効性を認識させられ、以降のマッサージ機のより一層の活用が図れる。
【0153】
(本発明の第4の実施形態)
前記第1の実施形態に係るマッサージシステムにおいては、起動したマッサージ機10を携帯通信端末80を用いて操作し利用しようとする所定のタイミングで、その時点までにマッサージ機10で全く使用していない又は所定期間使用していない、マッサージの所定機能及び/又は所定マッサージコースについて、その使用を、携帯通信端末80の表示デバイス81による表示で使用者に対し提案する構成としているが、この他、第4の実施形態として、
図17に示すように、マッサージ機そのものが使用者にあまり使用されていないような状況に対応して、管理サーバ90が、マッサージ機ごとに記録、蓄積した履歴データを所定時間間隔で参照して、使用者によるマッサージ機の使用が、あらかじめ設定された所定期間を超えてなされていない、又は、一定期間内での使用頻度があらかじめ設定された下限値未満であるマッサージ機について、このマッサージ機の使用者の携帯通信端末80に、使用者に対しマッサージ機の使用を提案する所定のメッセージデータを送信すると共に、携帯通信端末80が、管理サーバ90からの送信データのメッセ−ジの表示を、表示デバイス81に行わせ、この表示デバイス81によるメッセージ表示で使用者に対しマッサージ機10の使用を提案する構成とすることもできる。
【0154】
この場合、表示するメッセージは、マッサージ機の使用を直接的に訴えるものだけでなく、間接的なメッセージ、例えば、「肩(又は首、腰、背中、脚、など)に疲れ、こりが出ていませんか?」と問いかけるような、暗にマッサージ機の使用を促すようにするものでもよい。そして、メッセージは表示だけでなく、携帯通信端末80の音声出力手段を用いて音声として伝えるようにしてもよい。こうして、マッサージ機の使用があまりなされていない場合に、使用者に適切に使用を喚起することで、使用者が再度マッサージ機を使用する可能性を大きく高められ、マッサージ機の有効活用に繋げられる。
【0155】
このようなマッサージ機の使用を提案するためのメッセージの伝達は、携帯通信端末80での標準的な文字表示や読み上げ音声による以外に、こうしたメッセ−ジを、マッサージ機を擬人化した非実在キャラクターや、許諾を得た著名キャラクターなどが発するものとして、表示デバイス18にユニークなグラフィカルデザインを伴って表示したり、携帯通信端末80の音声出力手段から特徴的なキャラクターボイスで音声出力を行うようにしてもよい。
【0156】
また、メッセージデータを管理サーバ90から直接携帯通信端末80に送信して、メッセージを携帯通信端末80から出力させる方法に限られるものではなく、これに代えて、管理サーバ90が、使用されていないマッサージ機10の使用者のメールアドレスに対し、使用者に対しマッサージ機の使用を提案するメッセージを含む内容のメール送信を実行し、使用者が携帯通信端末80でメール受信を行って、携帯通信端末80でメール内容としてメッセージを出力させる構成とすることもでき、同じ内容を使用者に伝えるのに既存のメール送受信手順を使用でき、メッセージ送信に専用のプログラムを用いずに済むことから、システムの構築コストを抑えられる。なお、こうした使用者宛のメールでメッセージを伝える以外に、携帯通信端末80を介して使用者が頻繁に利用する、ネットワーク経由の情報サービス(例えば、ソーシャルネットワーキングサービスなど)を通じて、使用者個人宛のメッセージを送るようにして使用を促すようにしてもよい。
【0157】
この他に、管理サーバ90から送信するメールの宛先を、直接使用者ではなく、このマッサージ機の使用者についてあらかじめ登録された、使用者と親しい関係者(例えば、子、孫など)のメールアドレスとし、またメール内容も、この関係者が使用者に対しマッサージ機の使用を促す働きかけをするように関係者に依頼する内容として、メール送信を実行するようにしてもよく、使用者が親しい関係者からマッサージ機の使用を促された場合、その親しい関係上、関係者の働きかけを無視しにくいことで、使用者にはより強い使用の動機付けをすることができ、より確実にマッサージ機を使用する状況に使用者を至らせて、マッサージ機の有効活用が図れる。
【0158】
加えて、マッサージ機の使用していない範囲がより限定的な場合にも同様のシステム構成が適用でき、例えば、管理サーバが、マッサージ機ごとに記録、蓄積した履歴データを所定時間間隔で参照して、マッサージ機での使用者の所定身体部位を対象とするマッサージの機能及び/又はマッサージコースの利用が、あらかじめ設定された所定期間を超えてなされていないマッサージ機について、このマッサージ機の使用者の携帯通信端末80に、使用者にこの所定身体部位の状態について問い合わせたり、より直接的に所定身体部位へのマッサージを勧める、所定のメッセージ(例えば、「肩(又は首、腰、背中、脚、など)の調子はどうですか?」といったもの)のデータを送信すると共に、携帯通信端末80が、管理サーバ90からの送信データのメッセ−ジの表示を、表示デバイス81に行わせ、この表示デバイス81によるメッセージ表示で、使用者に対しマッサージ機10による使用者の所定身体部位を対象とするマッサージの実行を促す構成とすることもできる。
【0159】
(本発明の第5の実施形態)
前記第1の実施形態に係るマッサージシステムにおいては、マッサージ機10で全く使用していない又は所定期間使用していない、マッサージの所定機能や所定マッサージコースの使用の提案にあたって、これらに基づきマッサージを実行する際のマッサージ機各部による使用者の支持状態の違いについては、特に考慮せずに、機能やマッサージコースを使用者に対し提案する構成としているが、この他、第5の実施形態として、管理サーバ90が、マッサージ機10におけるマッサージの各機能及び/又はマッサージコースを、実行の際のマッサージ機10各部による使用者の支持状態と一体として取り扱い、使用者の支持状態を変えて実行されるものについて、履歴データ中でそれぞれ異なるものとして記録するようにし、管理サーバ90がデータ要求信号を受けたら、蓄積された履歴データを参照し、履歴データと基礎データとを比較解析して、直近所定期間内で実行したマッサージの機能及び/又はマッサージコースとは共通であり使用者の支持状態については全く使用していないもので、なお且つ使用者の支持状態に基づくマッサージ効果がより大きくなる、機能及び/又はマッサージコース並びに使用者の支持状態を抽出し、この抽出された機能及び/又はマッサージコース並びに使用者の支持状態の使用を、携帯通信端末80が使用者に対し提案する構成とすることもできる。
【0160】
この場合、管理サーバ90で、直近所定期間内で使用した機能やマッサージコースとは共通するが、マッサージ機各部による使用者支持状態、具体的には、マッサージ機各部(背もたれ部、座部、脚支持部など)の傾斜角や位置等を調整した所定の支持形態で使用者を支持する状態、は以前の使用がなく、且つこの使用者の支持状態に基づくマッサージ効果が以前よりも大きくなるようなものを提案することから、本来の効果が得にくい支持状態で以前使用した機能やマッサージコースについて、使用の結果使用者がよくない印象を抱いて、そのままでは今後の不使用につながる状況でも、より大きい効果を見込めるように各部を調整した支持状態で、あらためて使用するきっかけを与えて、本来の優れたマッサージ効果をあらためて使用者に気付かせて使用に繋げることが可能となり、マッサージ機10のさらなる活用が図れると共に、使用者の満足度を高められる。
【0161】
なお、本実施形態における携帯通信端末80の表示デバイス81での提案表示においては、使用者の誤解を招かず、使用者に選択されやすくするために、提案対象の使用者支持状態が、マッサージ効果を以前使用された支持状態より大きく生じさせられるものである点、具体的には、例えば、より気持ちよく快適になること、よりコリがほぐれること、より疲れがとれることなど、を明記して表示するようにしている(
図18参照)。
【0162】
この他、機能やマッサージコースについての提案と、マッサージ機各部による使用者の支持状態に係る提案を分けて、後者を、事前に設定されたマッサージを実行させようとする使用者の支持状態、具体的には、マッサージ機各部の傾斜角や位置に対し、これと異なる、その時点ではマッサージを実行させようとしていない別の傾斜角や位置を目標値として、携帯通信端末80で提案する表示を行うと共に選択入力可能とする構成とすることもできる。すなわち、管理サーバ90が、マッサージ機各部の傾斜角調整及び位置調整における調整結果の最適値を設定して携帯通信端末80に送信すると共に、携帯通信端末80が、マッサージ機10の新たな使用機会で、マッサージ機10から受け取る傾斜角調整及び位置調整の調整結果と前記最適値とを比較検証し、調整結果が最適値から外れている場合には、このマッサージ各部の傾斜角調整及び位置調整について、最適値を調整目標とする新たな調整を使用者に提案する表示を行うこととなる。
【0163】
より詳細には、管理サーバ90は、マッサージ機10の履歴データに含まれる、使用機会ごとの使用者によるマッサージ機各部の傾斜角調整及び位置調整における調整結果を解析し、複数の使用機会での各調整結果が、所定数以上同様のものとなった場合に、この同様の値となった調整結果を使用者にとっての最適値として記録し、この最適値のデータを提案部としての携帯通信端末80に送信する。
【0164】
そして、携帯通信端末80は、マッサージ機10の新たな使用機会で、所定のマッサージの機能及び/又はマッサージコースの実行を入力デバイス82を通じて指示されると、管理サーバ90からの送信データを受信して取得した前記最適値と、マッサージ機10から新たに受け取る調整結果とを比較検証し、マッサージ機10の調整結果が最適値から外れている場合には、表示デバイス81で、マッサージ各部の傾斜角調整及び位置調整について、最適値をより好ましい調整目標とする新たな調整を使用者に提案する表示を行う。
【0165】
これにより、使用者がいつも使い慣れている調整状態、すなわち調整結果が最適値に至った状態であるかどうかを使用者が知ることができるため、効率よくマッサージ機各部の傾斜角調整及び位置調整が行え、調整に手間取ってマッサージによるリラックス感が損なわれるような事態を回避でき、マッサージ機に対する満足度のさらなる向上が図れる。
【0166】
なお、管理サーバ90で取得されて携帯通信端末80で使用者に提案される前記調整目標の値は、使用者の調整結果に基づく最適値に代えて、マッサージの機能及び/又はマッサージコースごとにあらかじめ設定された、これら機能及び/又はマッサージコースで最もマッサージ効果を発揮させられる、マッサージ機各部の傾斜角度及び位置の最適範囲とすることもできる。
【0167】
また、携帯通信端末80が、使用者にマッサージの機能及び/又はマッサージコースの実行を入力デバイス81を通じて指示された際に、マッサージの機能及び/又はマッサージコースごとにあらかじめ設定された、マッサージ機10各部の傾斜角及び位置の最適範囲と、マッサージ機10から受け取った実際の調整結果を比較検証し、マッサージ機10の調整結果が最適範囲から外れている場合には、携帯通信端末80が、マッサージ機各部の傾斜角度及び位置について最適範囲に収まる状態をより好ましい調整目標として、マッサージの機能及び/又はマッサージコースの実行前に、新たな調整を使用者に提案する表示を行うようにすることもできる。
【0168】
(本発明の第6の実施形態)
前記第1の実施形態に係るマッサージシステムにおいては、マッサージ機の履歴データを、携帯通信端末80で使用者に対しマッサージ使用を提案する際の提案対象となる未使用又は所定期間使用していない所定のマッサージの機能及び/又はマッサージコースを抽出するために使用する構成としているが、これに限らず、第6の実施形態として、履歴データから必要な情報を取り出してマッサージ機10の状態やそのサポートタイミングの把握に利用する構成とすることもできる。
【0169】
マッサージ機の保守等のサービス提供者としては、マッサージ機におけるモータ等の機構部位の状態をメンテナンス用の情報として把握したい要求があり、そのためには、ネットワークを介して各マッサージ機の稼動履歴に係る最新の情報を集中的に取得管理することがサービス提供の観点からは望ましいという事情がある。こうした中、携帯通信端末80からの操作でマッサージ機がマッサージを実行するごとに、携帯通信端末80から管理サーバ90に履歴データが自動的に送信され、管理サーバ90に履歴データが記録、蓄積されることから、この履歴データからサービス提供に必要な情報を取得するようにすれば、使用者にマッサージ機の現在の状態に係る情報を自ら送信させるような煩わしい手間をかけさせることもなく、管理サーバ90でマッサージ機各部の状態を把握してメンテナンス等の対応が可能となり、効率的なサービス提供が図れることとなる。
【0170】
具体的には、例えば、管理サーバ90が、マッサージ機10の履歴データで示されるマッサージ機各部の稼働状況から推定した、マッサージ機の各機構部位、具体的には、モータやベアリング、歯車、カムなど、の作動回数をそれぞれ集計して、各部位ごとの使用開始時からの全作動回数を取得し、所定機構部位の全作動回数が機構部位ごとにあらかじめ設定された制限回数(いわゆる設計寿命)に達した場合には、使用者に対しマッサージ機がこうした機構部位の破損のおそれに伴い危険状態である旨を通知するメッセージのデータを携帯通信端末80に送信すると共に、これを受信した携帯通信端末80が、データに基づいて表示デバイス81で使用者に対する上記のメッセージを表示する構成とすることもできる(
図19参照)。またこの時、必要に応じて、携帯通信端末80は、マッサージ機10を停止させる指示情報をマッサージ機10に送信して、マッサージ機10を安全に停止させる制御を行うようにすることもできる。なお、管理サーバ90は、前記メッセージのデータを携帯通信端末80に送信する代わりに、使用者のメールアドレスに前記メッセージ内容のメール送信を行うようにすることもできる。
【0171】
この他、管理サーバ90は、使用者に対するメッセージのデータを使用者の携帯通信端末80に送信するのと同時に、又は使用者への送信に代えて、この所定機構部位の全作動回数が制限回数に達したマッサージ機をあらかじめ保守対象として割り当てられている保守担当者に対し、マッサージ機が危険状態である旨を通知するメッセージのデータを保守担当者の携帯通信端末に送信するようにし、これに対応して、保守担当者の携帯通信端末が、受信したデータに基づいて、端末の表示部分に保守担当者に対するメッセージを表示、又は端末から音声出力する構成とすることもできる。この場合、保守担当者が、マッサージ機に前記所定機構部位の破損による不具合が生じる前に、マッサージ機の状況を把握して保守対応可能となり、使用者の安全を確保できると共に、適切な対応に基づいて顧客満足度を高められ、製品のライフサイクル全体にわたる価値の向上に繋げられる。
【0172】
このように管理サーバ10で、作動回数が制限回数に達したことを判定して、所定の対応を実行することに加えて、マッサージ機10の通常のエラー通知(不具合によりマッサージ機がエラー状態にあると自ら判定して、その表示等を行い、必要に応じて停止状態に移行するもの)を、携帯通信端末80を通じて管理サーバ90に送信し、管理サーバ90でマッサージ機ごとのエラー管理を行うようにすることもできる。
【0173】
さらに、こうしたマッサージ機の不具合を未然に防ぐ点以外に、管理サーバ90が、マッサージ機10から携帯通信端末80を介して継続的に送られてくる履歴データに含まれるマッサージ機10の稼動時間を取得し、使用者に対する一回のマッサージ実行時間が、あらかじめ設定された制限時間(例えば30分)を超えた場合には、使用者に対し、過剰使用状態である旨を通知し注意を喚起するメッセージのデータを使用者の携帯通信端末80に送信すると共に、これを受信した携帯通信端末80が、データに基づいて、表示デバイス81で使用者に対するメッセージを表示する構成とすることもできる。この時も、必要に応じて、携帯通信端末80が、マッサージ機10を停止させる指示情報をマッサージ機10に送信して、マッサージ機10を安全に停止させる制御を行うようにすることもできる。
【0174】
また、管理サーバ90が、所定時間間隔で、マッサージ機10の履歴データに含まれるマッサージ機各部の稼働時間を使用開始時から積算して、使用者の一回のマッサージ機使用時間が、あらかじめ設定された制限時間(例えば30分)を超えている場合には、使用者の過剰使用状態であると判定し、使用者の携帯通信端末80に対し過剰使用状態の危険性を示すと共に適正使用を促すメッセージのデータを送信したり、使用者のメールアドレスに前記メッセージ内容のメール送信を行う構成とすることもできる。
【0175】
このようにして、使用者の注意を喚起してマッサージ機の過剰使用を抑えるようにすることで、長時間にわたるマッサージで却って使用者の身体に悪影響が及ぶようになる事態を未然に防止でき、使用者はマッサージ機の正しい使用による適切なマッサージ効果を確実に得られることとなる。
【0176】
また、これとは別に、管理サーバ90が、マッサージ機10の履歴データに含まれるマッサージ機各部の作動時間を、使用当日の使用開始時から積算して、所定時間あたり、及び/又は一日あたりの作動頻度を求め、マッサージ機の所定箇所における作動頻度が、あらかじめ設定された上限値を超えた場合や、履歴データから判別できる、使用した機能やマッサージコースが同一人の使用であると認定できない程度にばらつきがあると判定した場合には、マッサージ機が使用者個人による断続的な使用ではなく業務用に連続、多数回使用されていると判定し、使用者の携帯通信端末80に対し本来の家庭使用目的外の使用を警告するメッセージのデータを送信すると共に、これを受信した携帯通信端末80が、データに基づいて、表示デバイス81で使用者に対する上記メッセージを表示する構成とすることもできる。この場合、使用者が不適正な使用を止めるように仕向けることで、マッサージ機の過大な損耗とそれに伴う保守コストの発生を抑えられる。これに加えて、管理サーバ90に、マッサージ機について業務用に使用されていると判定したことを記録するようにし、保守担当者が自らの端末から管理サーバ90にマッサージ機についての情報を問い合わせた際に、記録された情報に基づいて、保守担当者の端末に、このマッサージ機については家庭用ではなく業務用の保守対応を行う旨を送信するようにすれば、保守担当者の保守対応において正当な費用回収が可能となり、不正使用による損害を抑えられる。
【0177】
(本発明の第7の実施形態)
前記第1の実施形態に係るマッサージシステムにおいて、マッサージ機に係る履歴データは携帯通信端末80で生成され、この履歴データは、携帯通信端末80から指示され実行されたマッサージの機能やマッサージコースの内容をはじめとする、携帯通信端末80からの操作指示に基づくマッサージ機の稼動内容に係るデータであり、例えばマッサージ機10の操作部30のみを通じた操作に基づくマッサージ機の作動に係るデータなど、マッサージ機側のみで発生する情報を含まないものとなっているが、この他、第7の実施形態として、マッサージ機10の制御部40が、マッサージ機10の作動に伴い、マッサージ機10の作動内容に係る所定の作動記録データを生成し、この作動記録データを提案部である携帯通信端末80に通信手段42を通じて送信し、携帯通信端末80はこの作動記録データを受取り、この受取った作動記録データを履歴データの一部とする構成とすることもできる。
【0178】
作動記録データは、具体的には、制御部40が操作部30や携帯通信端末80からの、マッサージの機能やマッサージコースといった形式でのマッサージ実行指示や、マッサージ機各部(背もたれ部や座部、脚支持部等)の傾斜角や位置の調整指示等に基づいて作動させた、マッサージ機の各機構部位、例えば、モータやベアリング、歯車、カムなどが、どのタイミングでどれだけ動いたか、どのくらいの時間作動したか、といった記録のデータである。
【0179】
この作動記録データとしては、データ量を抑えて取扱いを容易にするために、メンテナンス用の情報として有用となる、モータの作動時間の情報のみに絞り込んでもよい。その場合、データ量が小さいため、生成されたデータを制御部40の記憶部41にそのまま保存し、必要に応じ記憶部41から読み出して携帯通信端末80に送信することが可能となる。作動記録データを一旦記憶部41に保存できることで、マッサージ機10と携帯通信端末80とが通信できない期間が生じたとしても、通信可能な時にデータを欠落無く送信して問題なくデータ内容を利用できる。
【0180】
この場合、携帯通信端末80からは、作動記録データを含む履歴データが管理サーバ90に対し送信され(
図20参照)、管理サーバ90は前記第1の実施形態同様、受信した履歴データをマッサージ機ごとの履歴データに追加、融合する形式で記録し、蓄積する。管理サーバ90では作動記録データを含んだ履歴データから正確な作動時間等の情報を参照でき、作動時間の評価等において携帯通信端末80からの操作に基づかないマッサージ機作動分による誤差が生じず、マッサージ機10の状態をより正確に把握できることとなる。
【0181】
マッサージ機の保守等のサービス提供者としては、マッサージ機からその稼動履歴に係る最新の且つ正確な情報をネットワークを介してそのまま取得することが、マッサージ機への適切なタイミングでのメンテナンスを可能にし、マッサージ機の不具合を防止して稼動の維持を図り、マッサージ機としての一定の品質の確保に繋がる、という点で望ましい。
【0182】
ただし、マッサージ機を直接ネットワーク接続してデータ通信可能としたり、マッサージ機で生成した、携帯通信端末80以外からの操作指示に基づくものを含むマッサージ機の全ての稼動履歴に係る情報を、通信経路の状態によらず欠落無く送信するために一時保存する記憶領域を確保したりするのに用いる、新たなハードウェアをマッサージ機に付加することは、コスト面で実現困難であり、加えて、使用者にマッサージ機からそうした情報を発信するための新たな操作を行わせることも難しい、という事情がある。
【0183】
これに対し、上記したようにマッサージ機にマッサージを実行させるのに伴って、マッサージ機側で作動記録データとしてモータの作動時間の情報を生成し、必要に応じて記憶部41に保存しつつ、携帯通信端末80に送信し、携帯通信端末80から履歴データの一部として管理サーバ90に送信し、データを管理サーバ90に参照可能に蓄積するようにしていることで、サービス提供者は管理サーバ90にその履歴データを利用した各処理を行わせることができ、マッサージ機のコスト増を抑え、使用者に負担をかけずに、管理サーバ90で正確な作動時間の情報を得てモータの寿命等を適切に判断でき、メンテナンス等の確実な対応が図れる。
【0184】
具体例としては、管理サーバ90が、履歴データからマッサージ機10の所定のモータの作動回数を集計して、使用開始時からの全作動回数や一日あたりの作動回数を取得し、こうした作動回数があらかじめ設定された制限回数に達した場合には、マッサージ機の特定部位の破損のおそれを通知したり、故障に繋がる過剰使用を警告する等のメッセージ送付を、マッサージ機の使用者や保守担当者のメールアドレスに対するメール送信の形で実行する他、ネットワーク経由の情報サービスを通じて、使用者や保守担当者宛に前記メッセージを送ることとなる。
【0185】
上記のように履歴データを管理サーバ90に送信し、また、管理サーバ90からの通知を使用者等に伝える携帯通信端末としては、プログラムを実行してマッサージ機を操作可能なものであれば、携帯通信端末は必ずしも提案機能を有する提案部ではないものでもかまわない。その場合でも前記同様に携帯通信端末からの操作を行えることでマッサージ機の使い勝手を向上させられると共に、マッサージ機について適切な通知を使用者等に対し行うことで、使用者の安全と適切なマッサージ機の管理状態が確保でき、製品のライフサイクル全体にわたる価値の向上に繋げられる。
【0186】
この他、マッサージ機10でマッサージを実行させると、携帯通信端末80では履歴データを生成する一方、マッサージ機10では作動記録データを生成する構成に代えて、マッサージ機10の稼動内容に係る履歴データを全てマッサージ機10の制御部40で生成し、この履歴データをマッサージ機10から携帯通信端末80に送信し、この履歴データを受取った携帯通信端末80が、履歴データを管理サーバ90に向け送信する構成とすることもできる。
【0187】
この場合、制御部40が生成、送信する履歴データは、制御部40が操作部30や携帯通信端末80からの、マッサージの機能やマッサージコースといった形式でのマッサージ実行指示や、マッサージ機各部(背もたれ部や座部、脚支持部等)の傾斜角や位置の調整指示を受けて、制御の対象物をどのタイミングでどれだけ動かしたか、どのくらいの時間作動させたか、といった記録のデータである。管理サーバ90では、このデータから、携帯情報端末80から判別できない操作部30の操作によるマッサージ機の稼動内容も把握できる。また管理サーバ90では、データ中の各指示内容と作動継続時間を解析すれば、マッサージ機10のモータやベアリング等の機構部分をどれだけ作動させたかも判別可能となる。
【0188】
ただし、マッサージ機10と携帯通信端末80との間で通信を行う関係から、携帯通信端末80が電源断等でデータ受信できない場合のデータの欠落を防止するために、マッサージ機10の記憶部を、履歴データを保存可能となる十分な記憶容量を有するものとし、携帯通信端末80がマッサージ機と通信可能な所定の時点に、保存した履歴データを携帯通信端末80に送信するようにしておくことが望ましい。