特許第6378049号(P6378049)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6378049
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】コンバインのエンジン装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 13/04 20060101AFI20180813BHJP
   A01D 41/12 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   B60K13/04 B
   A01D41/12 E
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-227084(P2014-227084)
(22)【出願日】2014年11月7日
(65)【公開番号】特開2016-88377(P2016-88377A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】和田 俊郎
【審査官】 結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/024929(WO,A1)
【文献】 特開2014−151764(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/064853(WO,A1)
【文献】 特開2014−42477(JP,A)
【文献】 特開2014−124160(JP,A)
【文献】 特開2013−104394(JP,A)
【文献】 特開2011−230638(JP,A)
【文献】 特開2016−29895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 13/04
A01D 41/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取装置と、脱穀装置と、前記刈取装置または脱穀装置を駆動するエンジンと、前記エンジンの排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケースと、前記エンジンの排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケースを備えるコンバインにおいて、
前記エンジンを内設させるエンジンルームを備え、前記エンジンルームに隣接させて穀物タンクを配置する構造であって、前記エンジンルームの上面側に、並列状に連結した前記第1ケースと第2ケースを水平に支持させるように構成し、前記エンジンルームと穀物タンクの各上面側に亘って、前記第1ケースと第2ケースを配置したことを特徴とするコンバインのエンジン装置。
【請求項2】
前記第1ケースと第2ケースをユニット構成して、前記エンジンルームと穀物タンクの各上面側に、前記第1ケースと第2ケースを、それぞれの長手方向が左右方向に向くように配置したことを特徴とする請求項1に記載のコンバインのエンジン装置。
【請求項3】
前記第1ケースと第2ケースをユニット構成して、前記エンジンルームと穀物タンクの各上面側に、前記第1ケースと第2ケースを、それぞれの長手方向が前後方向に向くように配置したことを特徴とする請求項に記載のコンバインのエンジン装置。
【請求項4】
前記エンジンルームに隣接させて配置する穀物タンクと、前記穀物タンク内の穀粒を排出する穀粒排出コンベヤを備え、収納位置と穀粒排出位置に前記穀粒排出コンベヤを水平旋回移動可能に構成する構造であって、前記エンジンルームの上面側のうち、前記穀粒排出コンベヤの水平旋回移動範囲外の上面側に、並列状の前記第1ケースと第2ケースを配置したことを特徴とする請求項1に記載のコンバインのエンジン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に植立した穀稈を刈取って穀粒を収集するコンバイン、又は飼料用穀稈を刈取って飼料として収集する飼料コンバイン等のエンジン装置に係り、より詳しくは、エンジンの排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケースと、前記エンジンの排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケースが備えられたコンバインのエンジン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場用の農作業機としてのコンバインは、エンジンを搭載した走行機体を備え、走行機体に左右一対の走行クローラ(走行部)を装設し、左右一対の走行クローラを駆動制御して圃場等を移動する一方、圃場に植立した未刈り穀稈の株元を刈刃装置によって切断し、穀稈搬送装置によって脱穀装置にその穀稈を搬送し、脱穀装置によってその穀稈を脱穀して、穀粒を収集するように構成している。また、従来、排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置がエンジンに隣接して配置され、エンジンから排気ガス浄化装置に向けて排気ガスを排出するように構成していた(例えば、特許文献1参照)。エンジンの排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケースと、前記エンジンの排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケースを設ける技術もある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−63417号公報
【特許文献2】特開2012−177233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術は、エンジンまたはラジエータなどが配置されるエンジンルーム内部に排気ガス浄化装置(第1ケース、第2ケース)を設置した場合、エンジンまたはラジエータに隣接させて排気ガス浄化装置の設置スペースを確保する必要があり、エンジンの冷却風路構造または排気ガス浄化ケース容積が制限される等の構造上の問題がある。
【0005】
そこで、本願発明は、これらの現状を検討して改善を施したコンバインのエンジン装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、刈取装置と、脱穀装置と、前記刈取装置または脱穀装置を駆動するエンジンと、前記エンジンの排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケースと、前記エンジンの排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケースを備えるコンバインにおいて、前記エンジンを内設させるエンジンルームを備え、前記エンジンルームに隣接させて穀物タンクを配置する構造であって、前記エンジンルームの上面側に、並列状に連結した前記第1ケースと第2ケースを水平に支持させるように構成し、前記エンジンルームと穀物タンクの各上面側に亘って、前記第1ケースと第2ケースを配置したものである。
【0008】
請求項に係る発明は、請求項に記載のコンバインにおいて、前記第1ケースと第2ケースをユニット構成して、前記エンジンルームと穀物タンクの各上面側に、前記第1ケースと第2ケースを、それぞれの長手方向が左右方向に向くように配置したものである。
【0009】
請求項に係る発明は、請求項に記載のコンバインにおいて、前記第1ケースと第2ケースをユニット構成して、前記エンジンルームと穀物タンクの各上面側に、前記第1ケースと第2ケースを、それぞれの長手方向が前後方向に向くように配置したものである。
【0010】
請求項に係る発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記エンジンルームに隣接させて配置する穀物タンクと、前記穀物タンク内の穀粒を排出する穀粒排出コンベヤを備え、収納位置と穀粒排出位置に前記穀粒排出コンベヤを水平旋回移動可能に構成する構造であって、前記エンジンルームの上面側のうち、前記穀粒排出コンベヤの水平旋回移動範囲外の上面側に、並列状の前記第1ケースと第2ケースを配置したものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、刈取装置と、脱穀装置と、前記刈取装置または脱穀装置を駆動するエンジンと、前記エンジンの排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケースと、前記エンジンの排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケースを備えるコンバインにおいて、前記エンジンを内設させるエンジンルームを備える構造であって、前記エンジンルームの上面側に、並列状に連結した前記第1ケースと第2ケースを水平に支持させるように構成したものであるから、前記エンジンルームなどに簡単なケース支持構造にて前記第1ケースと第2ケースを固着できると共に、前記エンジンルームなどの機枠を活用して、前記第1ケースと第2ケースのケース支持強度も容易に確保でき、前記エンジンの付設部品などと前記第1ケースまたは第2ケースとの干渉を低減でき、前記第1ケースまたは第2ケースの組立作業性やメンテナンス作業性などを向上できる。
【0012】
また、前記エンジンルームに隣接させて穀物タンクを配置する構造であって、前記エンジンルームと穀物タンクの各上面側に亘って、前記第1ケースと第2ケースを配置したものであるから、前記第1ケースと第2ケースの設置スペースを充分に確保でき、メンテナンス作業または修理作業などにおいて、前記各ケースを簡単に着脱できると共に、前記第1ケースと第2ケースの取付け間隔を簡単な組付け作業にて一定に維持でき、前記各ケース間の尿素混合管などの排気ガス配管構造を簡略化できる。
【0013】
請求項に係る発明によれば、前記第1ケースと第2ケースをユニット構成して、前記エンジンルームと穀物タンクの各上面側に、前記第1ケースと第2ケースを、それぞれの長手方向が左右方向に向くように配置したものであるから、前記第1ケースと第2ケースをベースフレーム(ケース固定体)に固着して単一部品ユニット構成し、組立工程のうち最終付近の組立工程で、前記各ケースを簡単に組付けることができると共に、尿素水の加水分解にてアンモニアを形成する尿素混合管を設ける場合、前記第1ケースと第2ケースの連結長さを長尺に形成することなく、尿素水の加水分解にてアンモニアを形成するのに必要な長さに尿素混合管の長さを形成でき、前記各ケースの前後幅及び左右幅をコンパクトに形成できる。
【0014】
請求項に係る発明によれば、前記第1ケースと第2ケースをユニット構成して、前記エンジンルームと穀物タンクの各上面側に、前記第1ケースと第2ケースを、それぞれの長手方向が前後方向に向くように配置したものであるから、前記第1ケースと第2ケースをベースフレーム(ケース固定体)に固着して単一部品ユニット構成し、組立工程のうち最終付近の組立工程で、前記各ケースを簡単に組付けることができると共に、尿素水の加水分解にてアンモニアを形成する尿素混合管を設ける場合、前記第1ケースと第2ケースの連結長さを長尺に形成することなく、尿素水の加水分解にてアンモニアを形成するのに必要な長さに尿素混合管の長さを形成でき、前記各ケースの前後幅及び左右幅をコンパクトに形成できる。
【0015】
請求項に係る発明によれば、前記エンジンルームに隣接させて配置する穀物タンクと、前記穀物タンク内の穀粒を排出する穀粒排出コンベヤを備え、収納位置と穀粒排出位置に前記穀粒排出コンベヤを水平旋回移動可能に構成する構造であって、前記エンジンルームの上面側のうち、前記穀粒排出コンベヤの水平旋回移動範囲外の上面側に、並列状の前記第1ケースと第2ケースを配置したものであるから、前記第1ケースまたは第2ケースに干渉させることなく前記穀粒排出コンベヤを水平旋回移動でき、前記穀物タンク内の穀粒排出作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態の普通型コンバインの左側面図である。
図2】同平面図である。
図3】穀物タンクとエンジンルーム部を後方側から視た斜視図である。
図4】エンジン部を後方側から視た斜視図である。
図5】エンジンルーム部の正面説明図である。
図6】第1ケースと第2ケース設置部の平面説明図である。
図7】第2実施形態を示す普通型コンバインの左側面図である。
図8】同平面図である。
図9】穀物タンクとエンジンルーム部を後方側から視た斜視図である。
図10】エンジン部を後方側から視た斜視図である。
図11】エンジンルーム部の正面説明図である。
図12】第3実施形態を示す第1ケースと第2ケース設置部の平面説明図である。
図13】エンジンルーム部の側面説明図である。
図14】普通型コンバイン後部の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図1図2を参照して、普通型コンバインの全体構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。図1図2に示す如く、走行部としての左右一対の走行クローラ2にて支持された走行機体1を備える。走行機体1の前部には、穀稈を刈取りながら取込む刈取装置3が、単動式の昇降用油圧シリンダ4によって刈取回動支点軸4a回りに昇降調節可能に装着されている。走行機体1には、扱胴6を有する脱穀装置5と、該脱穀装置5から取出された穀粒を貯留する穀物タンク7とが横並び状に搭載される。なお、脱穀装置5が走行機体1の前進方向左側に、穀物タンク7が走行機体1の前進方向右側に配置される。走行機体1の後部に旋回可能な穀粒排出コンベヤ8を設け、穀粒排出コンベヤ8の籾投げ口9を上下左右に移動させ、穀物タンク7の内部の穀粒が、穀粒排出コンベヤ8の籾投げ口9からトラックの荷台またはコンテナ等に排出するように構成している。
【0018】
また、刈取装置3の右側方で、穀物タンク7の前側方には、運転キャビン10を設けている。運転キャビン10内には、操縦ハンドル11と、運転座席12と、主変速レバー43と、副変速レバー44と、脱穀クラッチ及び刈取クラッチを入り切り操作する作業クラッチレバー45とを配置している。なお、運転キャビン10には、オペレータが搭乗するステップと、操縦ハンドル11を設けたハンドルコラム46と、前記各レバー43,44,45を設けたレバーコラム47とが配置されている。穀物タンク7の後方の走行機体1上には、動力源としてのディーゼルエンジン14が配置されている。
【0019】
図1に示す如く、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム21を配置している。トラックフレーム21には、走行クローラ2にディーゼルエンジン14の動力を伝える駆動スプロケット22と、走行クローラ2のテンションを維持するテンションローラ23と、走行クローラ2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ24と、走行クローラ2の非接地側を保持する前後の中間ローラ25とを設けている。駆動スプロケット22によって走行クローラ2の前側を支持し、テンションローラ23によって走行クローラ2の後側を支持し、トラックローラ24によって走行クローラ2の接地側を支持し、中間ローラ25によって走行クローラ2の非接地側を支持する。
【0020】
図1図2に示す如く、刈取装置3は、脱穀装置5前部の扱口5aに連通したフィーダハウス51と、フィーダハウス51の前端に連設された横長バケット状の穀物ヘッダー52とを備える。穀物ヘッダー52内に掻込みオーガ53を回転可能に軸支する。掻込みオーガ53の前部上方にタインバー付き掻込みリール54を配置する。穀物ヘッダー52の前部にバリカン状の刈刃55を配置する。穀物ヘッダー52前部の左右両側に左右の分草体56を突設する。また、フィーダハウス51に供給コンベヤ57を内設する。なお、フィーダハウス51の下面部と走行機体1の前端部とが昇降用油圧シリンダ4を介して連結され、刈取回動支点軸4a(刈取入力軸である供給コンベヤ57軸)を昇降支点として、刈取装置3が昇降用油圧シリンダ4にて昇降動する。
【0021】
上記の構成により、左右の分草体56間の未刈り穀稈の穂先側が掻込みリール54にて掻込まれ、未刈り穀稈の稈側が刈刃55にて刈取られ、掻込みオーガ53の回転駆動によって、穀物ヘッダー52の左右幅の中央部寄りのフィーダハウス51入口付近に刈取穀稈が集められる。穀物ヘッダー52の刈取穀稈の全量は、供給コンベヤ57によって搬送され、脱穀装置5の扱口5aに投入されるように構成している。
【0022】
また、図1図2に示す如く、フィーダハウス51の前部に左右傾斜調節支点軸58を介して穀物ヘッダー52を左右傾斜調節可能に連結している。穀物ヘッダー52を左右傾斜調節支点軸58回りに回動させる左右傾斜調節用油圧ローリングシリンダ59を備え、穀物ヘッダー52の左右方向の傾斜角度をローリングシリンダ59にて調節して、穀物ヘッダー52、刈刃55、及び掻込みリール54を圃場面に対して水平に支持する。
【0023】
また、図1図2に示す如く、脱穀装置5の扱室内に扱胴6を回転可能に設ける。走行機体1の前後方向に延長させた扱胴軸71に扱胴6を軸支する。扱胴6の下方側には、穀粒を漏下させる受網74を張設する。なお、扱胴6前部の外周面には、螺旋状のスクリュー羽根状の取込み羽根が半径方向外向きに突設されている。
【0024】
上記の構成により、扱口5aから投入された刈取穀稈は、扱胴6の回転にて走行機体1の後方に向けて搬送されながら、扱胴6と受網74との間などにて混練されて脱穀される。受網74の網目よりも小さい穀粒等の脱穀物は受網74から漏下する。受網74から漏下しない藁屑等は、扱胴6の搬送作用によって、脱穀装置5後部の排塵口73から圃場に排出される。
【0025】
加えて、扱胴6の上方側には、扱室内の脱穀物の搬送速度を調節する複数の送塵弁(図示省略)を回動可能に枢着する。前記送塵弁の角度調整によって、扱室内の脱穀物の搬送速度(滞留時間)を、刈取穀稈の品種や性状に応じて調節できる。一方、脱穀装置5の下方に配置された穀粒選別機構75として、グレンパン、チャフシーブ、グレンシーブ、及びストローラック等を有する比重選別用の揺動選別盤76を備えている。
【0026】
また、穀粒選別機構75として、揺動選別盤76に選別風を供給する風選別用の唐箕ファン77等を備えている。扱胴6にて脱穀されて受網74から漏下した脱穀物は、揺動選別盤76の比重選別作用と唐箕ファン77の風選別作用とにより、穀粒(精粒等の一番物)、穀粒と藁の混合物(枝梗付き穀粒等の二番物)、及び藁屑等に選別されて取出されるように構成する。
【0027】
揺動選別盤76の下側方には、穀粒選別機構75として、一番コンベヤ機構78及び二番コンベヤ機構79を備える。揺動選別盤76及び唐箕ファン77の選別によって、揺動選別盤76から落下した穀粒(一番物)は、一番コンベヤ機構78及び揚穀コンベヤ80によって穀物タンク7に収集される。穀粒と藁の混合物(二番物)は、二番コンベヤ機構79及び二番還元コンベヤ81等を介して扱胴6の脱穀始端側に戻され、扱胴6によって再脱穀される。藁屑等は、走行機体1後部の排塵口73から圃場に排出されるように構成する。
【0028】
次に、図3図6を参照して、ディーゼルエンジン14と、排気ガス浄化装置としての第1ケース61(ディーゼルパティキュレートフィルタ、DPF)と第2ケース62(選択触媒還元、SCR)並びにその取付け構造について説明する。ディーゼルエンジン14の排気ガス中の粒子状物質を除去するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)としての第1ケース61と、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の窒素酸化物質を除去する尿素選択触媒還元(SCR)システムとしての第2ケース62を備える。図6に示すように、第1ケース61には、酸化触媒65と、スートフィルタ66が内設されている。第2ケース62には、尿素選択触媒還元用のSCR触媒68と、酸化触媒69が内設されている。
【0029】
また、第1ケース61は、入口側ケース63と、出口側ケース64を有している。入口側ケース63の内部に、二酸化窒素(NO2)を生成する白金等のディーゼル酸化触媒65を配置している。入口側ケース63と出口側ケース64の内部に、捕集した粒子状物質(PM)を比較的低温で連続的に酸化除去するハニカム構造のスートフィルタ66を配置している。入口側ケース63及び出口側ケース64内で排気ガスの移動方向に直列に配置したディーゼル酸化触媒65とスートフィルタ66によって、ディーゼルエンジン14の排気ガス中の粒子状物質(PM)の除去に加え、排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を低減する。一方、第2ケース62内で排気ガスの移動方向に直列にSCR触媒68と酸化触媒69を配置している。第2ケース62内のSCR触媒68と酸化触媒69にて窒素酸化物質(NOx)を低減するように構成している。
【0030】
さらに、図3図6に示す如く、第1ケース61と第2ケース62は、機体左右方向に長く延びた長尺円筒形状に構成している。第1ケース61の筒形状両側(排気ガス移動方向一端側と同他端側)には、排気ガスを取入れるDPF入口管34と、排気ガスを排出するDPF出口管35を設けている。同様に、第2ケース29の両側(排気ガス移動方向一端側と同他端側)には、排気ガスを取入れるSCR入口管36と、排気ガスを排出するSCR出口管37を設けている。
【0031】
また、図3図5に示す如く、ディーゼルエンジン14の排気ガス出口(排気マニホールド)に、ディーゼルエンジン1に空気を強制的に送り込む過給機38を配置している。過給機38の排気ガス出口側に排気連結管40を介してDPF入口管34を連通させ、ディーゼルエンジン1の排気ガスを第1ケース61内に導入する一方、DPF出口管35にSCR入口管36を接続させる尿素混合管39を備え、第1ケース28から尿素混合管39を介して第2ケース29内に排気ガスを導入するように構成している。加えて、過給機38の排気ガス出口側と排気連結管40は、折曲げ及び伸縮可能な蛇腹状連結パイプ41にて接続され、過給機38側のエンジン14振動が排気連結管40側に伝達されないように構成している。
【0032】
一方、DPF出口管35と、尿素混合管39の尿素水噴射部39aは、パイプフランジ42にて着脱可能にボルト締結している。入口側ケース63と出口側ケース64は、複数組の厚板状中間フランジ体88のボルト締結にて着脱可能に連結し、出口側ケース64を分離してスートフィルタ66の分解メンテナンスを実行可能に構成している。また、SCR出口管37にテールパイプ87を連結して、機体上側方に向けてテールパイプ87の排気ガス出口を開設するものであり、ディーゼルエンジン14(各気筒)の排気ガスは、過給機38から第1ケース61内に導入され、第1ケース61から尿素混合管39に移動し、後述する尿素水タンク131内の尿素水が排気ガスに混合されてから、その排気ガスが第2ケース62内に導入され、テールパイプ87から機外に放出されるように構成している。
【0033】
上記の構成により、ディーゼルエンジン14の排気ガス中に含まれた粒子状物質(PM)は、第1ケース61内のスートフィルタ66に捕集されて、二酸化窒素(NO2)によって連続的に酸化除去される。ディーゼルエンジン14の排気ガス中の粒状物質(PM)の除去に加え、ディーゼルエンジン14の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)の含有量が低減される。次いで、尿素混合管39の内部で、ディーゼルエンジン14からの排気ガスに、尿素水噴射部39aの尿素水噴射ノズル体から尿素水が噴射され、加水分解にて生成されたアンモニアが混合された第2ケース62内の排気ガスは、尿素選択触媒還元用のSCR触媒68、酸化触媒69にて窒素酸化物質(NOx)の含有量が低減される。第1ケース61と第2ケース62にてディーゼルエンジン14の排気ガスが浄化されて、テールパイプ87から機外に放出される。
【0034】
次いで、図3図5に示す如く、穀物タンク7後方の走行機体1上に機体フレームとしてのエンジンルームフレーム91を立設し、エンジンルームフレーム91にてエンジンルーム92を形成している。走行機体1上面側にディーゼルエンジン14を載置し、エンジンルーム92内部の下方側にディーゼルエンジン14を内設すると共に、エンジンルーム92内部のうちディーゼルエンジン14の上側方に水冷用ラジエータ93及び冷却ファン94などの冷却部品を内設する。即ち、ディーゼルエンジン14と、ディーゼルエンジン14の水冷用ラジエータ93などの冷却部品とを、縦長形状のエンジンルーム92内部に上下二段構造に配置している。冷却ファン94にてラジエータ43などの冷却部品に向けてコンバイン機体の右側外方から外気を取込む一方、脱穀装置5側に向けてラジエータ43などの冷却部品部の暖気を冷却ファン94にて排出させるように構成している。
【0035】
また、ディーゼルエンジン14と冷却部品の右側と背面側と上面側がエンジンルームフレーム91にて囲まれ、ディーゼルエンジン14の冷却ファン15と前記ラジエータ43などの冷却ファン94にて、エンジンルームフレーム91の右側外方からエンジンルーム92内部に冷却用外気を取込む一方、ディーゼルエンジン14とラジエータ43を冷却した後の暖気が、エンジンルームフレーム91(エンジンルーム92)に隣接した作業部としての脱穀装置5右側に向けて排出されるように構成している。
【0036】
図3図4に示す如く、尿素混合管39内部の排気ガス中に尿素水溶液を供給する尿素水タンク131を備えると共に、エンジンルーム92の後部左側(脱穀装置5右側寄り)のエンジンルームフレーム91にタンク支持体132を取付け、タンク支持体132に尿素水タンク131を載置するものであり、尿素水タンク131内の尿素水溶液を圧送する尿素水噴射ポンプ(図示省略)と、前記尿素水噴射ポンプを駆動する電動モータ(図示省略)などを備え、尿素混合管39の尿素水噴射部39aに尿素水タンク131内の尿素水溶液を供給し、尿素水噴射部39aに設ける尿素水噴射弁体(図示省略)から尿素混合管39内部に尿素水溶液を噴霧するように構成している。尿素混合管39内に供給された尿素水の加水分解にてアンモニアが生成され、第1ケース61から第2ケース62に至る排気ガス中に混合されるように構成している。
【0037】
図3に示す如く、穀粒排出コンベヤ8は、籾投げ口9が先端側に配置された横送りコンベヤ8aと、横送りコンベヤ8aの基端側を連結させる縦送りコンベヤ8bを有する。エンジンルームフレーム91を利用して、エンジンルーム92の後面外側に縦送りコンベヤ8bを立設させている。また、エンジンルーム92後面外側の走行機体1上面にエンジン14始動用のバッテリ16を搭載している。縦送りコンベヤ8bの下端側の側方で、バッテリ16の上方に、タンク支持体132を介して尿素水タンク131を配置させている。したがって、エンジンルームフレーム91にてタンク支持体132を高剛性に支持でき、尿素水タンク131の支持強度を容易に確保できる。エンジンルーム92内のエンジン冷却風にて尿素水タンク131が加温され、尿素水タンク131内の尿素水温度を容易に保持できる。走行機体1最後部の上面に尿素水タンク131を配設でき、エンジンルーム92を囲むカバーの開閉などにて、尿素水タンク131への尿素水の供給またはメンテナンス作業などを実行できる。
【0038】
次いで、図1図4図6に示す如く、脱穀装置5に隣接した穀物タンク7の後部上面側に浄化装置設置凹部7aを形成し、エンジンルームフレーム91の前側上部から浄化装置設置凹部7aに向けて搭載台フレーム体95を延設させる。即ち、エンジンルーム92上面側と、それに隣接する穀物タンク7上面側の間に搭載台フレーム95を配置している。また、ケース固定体96に締結バンド97にて排気ガス浄化装置としての第1ケース28と第2ケース29を固着させ、第1ケース61と第2ケース62と尿素混合管39をケース固定体96にて平行に固定支持し、排気ガス浄化ユニット体99を構成している。ケース固定体96にて並列状に連結された第1ケース61と第2ケース62を、前後に支持させて、第1ケース61と第2ケース62間の上側に尿素混合管39を配置するものであり、左右に長尺な円筒状の第1ケース61と第2ケース62間で、各ケース61,62の上側方に、左右に長尺な円筒状の尿素混合管39を平行に延設している。
【0039】
上記の構成により、エンジンルーム92上面側の高位置に搭載台フレーム95を配置して、排気ガス浄化装置(第1ケース61と第2ケース62)の設置スペースを容易に確保できるから、エンジンルーム92容積または第1ケース61(第2ケース62)容積が制限されることがない。なお、排気ガス浄化ユニット体99に差圧センサ111を設け、スートフィルタ66の詰り状況を差圧センサ111にて検出するように構成している。
【0040】
また、第1ケース61と第2ケース62と尿素混合管39を含む排気ガス浄化装置の上面高さを、穀物タンク7上面高さよりも低く形成し、穀粒排出コンベヤ8の移動軌跡よりも低い位置に、搭載台フレーム95を介して第1ケース61と第2ケース62を含む排気ガス浄化ユニット体99を配置したものであり、第1ケース61と第2ケース62に供給される排気ガスの温度が低下しない(自己再生能力が低減しない)範囲内で、ディーゼルエンジン14から離間させた位置に第1ケース61と第2ケース62の設置部を形成できる。
【0041】
しかも、搭載台フレーム95の上方側を大きく開放して、チェンブロックまたはホイストなどの荷役機器に重量部品である第1ケース61または第2ケース62などを吊下げて組付けることができ、単一部品としてユニット構成した排気ガス浄化ユニット体99(第1ケース61または第2ケース62など)の取付けまたは取外し等の作業を簡単に実行できる。また、ディーゼルエンジン14が停止したときに第1ケース61と第2ケース62などの温度を速やかに下降させることができる。即ち、第1ケース61と第2ケース62などの排気ガス浄化ユニット体99の側方または上方を機外に向けて大きく開放できるから、ディーゼルエンジン14を停止させたときに、第1ケース61または第2ケース62などの放熱作用にて周辺の空気が高温になるのを防止でき、低耐熱性の部品(ハーネス等)が損傷する等の弊害を低減できる。
【0042】
さらに、図3図4図6に示す如く、ディーゼルエンジン14に外気を供給するエアクリーナ123と、エアクリーナ123に外気を取込むプリクリーナ124を備える。エンジンルーム92の上面のうち、排気ガス浄化ユニット体99後側方の上面にプリクリーナ124を配置すると共に、エンジンルーム92の左側上部にエアクリーナ123を配置し、プリクリーナ124に給気管125を介してエアクリーナ123を接続させている。プリクリーナ124からエアクリーナ123を介してディーゼルエンジン14の吸気マニホールドに燃焼用空気を取込むように構成している。
【0043】
エンジンルーム92の上面側空間に排気ガス浄化装置(第1ケース61または第2ケース62)とプリクリーナ124をコンパクトに支持でき、第1ケース61または第2ケース62などの排気ガス浄化ユニット体99を所定温度に簡単に維持できると共に、冷却ファン94の排風にてエアクリーナ123が不適切に高温になるのを防止できる。
【0044】
図1図6に示す如く、第1ケース61と第2ケース62をユニット構成して、エンジンルーム92と穀物タンク7の各上面側に、第1ケース61と第2ケース62を左右方向に向けて配置している。したがって、第1ケース61と第2ケース62をベースフレーム(ケース固定体96)に固着して単一部品ユニット構成し、組立工程のうち最終付近の組立工程で、前記各ケース61,62を簡単に組付けることができると共に、尿素水の加水分解にてアンモニアを形成する尿素混合管39を設ける場合、第1ケース61と第2ケース62の連結長さを長尺に形成することなく、尿素水の加水分解にてアンモニアを形成するのに必要な長さに尿素混合管39の長さを形成でき、前記各ケース61,62の前後幅及び左右幅をコンパクトに形成できる。
【0045】
図2に示す如く、エンジンルーム92に隣接させて配置する穀物タンク7と、穀物タンク7内の穀粒を排出する穀粒排出コンベヤ8を備え、収納位置と穀粒排出位置に穀粒排出コンベヤ8を水平旋回移動可能に構成する構造であって、エンジンルーム92の上面側のうち、穀粒排出コンベヤ8の水平旋回移動範囲外の上面側に、並列状の第1ケース61と第2ケース62を配置している。即ち、脱穀装置5上面の実線で示す収納位置と、穀物タンク7機外側方の仮想線で示す穀粒排出位置(最大旋回角度位置)との間に、穀粒排出コンベヤ8を水平旋回移動させて、穀物タンク7内の穀粒を排出する穀粒排出作業を実行するものであり、実線で示す収納位置と仮想線で示す穀粒排出位置(最大旋回角度位置)を除く穀粒排出コンベヤ8の水平旋回移動範囲外に、第1ケース61と第2ケース62を設置している。したがって、第1ケース61または第2ケース62に穀粒排出コンベヤ8を干渉させることなく、実線で示す収納位置と仮想線で示す穀粒排出位置の間で、穀粒排出コンベヤ8を水平旋回移動でき、穀物タンク7内の穀粒排出作業性を向上できる。
【0046】
図7図11は、第2実施形態を示す排気ガス浄化装置(第1ケース61または第2ケース62)取付け部の説明図である。図3などに示す第1実施形態では、長尺な円筒状の第1ケース61と第2ケース62と尿素混合管39を、左右方向に向けて支持したが、図7図11に示す第2実施形態は、ケース固定体96にて並列状に連結された第1ケース61と第2ケース62を、左右に支持させて、第1ケース61と第2ケース62間の上側に尿素混合管39を配置するものであり、前後に長尺な円筒状の第1ケース61と第2ケース62間で、各ケース61,62の上側方に、前後に長尺な円筒状の尿素混合管39を平行に延設している。
【0047】
図7図11に示す如く、エンジンルーム92上面の後側方向に向けてテールパイプ87の排気ガス出口が開口されると共に、エンジンルーム92上面から脱穀装置5上面方向に給気管125を延設させ、脱穀装置5上面方向に延設させた給気管125に入口端部にプリクリーナ124を支持させる。即ち、収納位置に支持された穀粒排出コンベヤ8を挟んで、エンジンルーム92上面側に排気ガス浄化ユニット体99を配置する一方、脱穀装置5上面側にプリクリーナ124を配置させ、脱穀装置5及びエンジンルーム92などの上部空間を活用して、穀粒排出コンベヤ8周りに排気ガス浄化ユニット体99とプリクリーナ124をコンパクトに設置可能に構成している。
【0048】
図12図14は、第3実施形態を示す排気ガス浄化装置(第1ケース61または第2ケース62)取付け部の説明図である。図6などに示す第1実施形態では、第1ケース61と第2ケース62と尿素混合管39と、プリクリーナ124を、エンジンルーム92上面側に支持させる構造である。また、図8などに示す第2実施形態では、第1ケース61と第2ケース62と尿素混合管39を、エンジンルーム92上面側に支持させ、脱穀装置5上面側にプリクリーナ124を支持させる構造である。それらに対して、図12図14に示す第3実施形態では、脱穀装置5上面と、エンジンルーム92左側面と、収納位置(収穫作業姿勢)の穀粒排出コンベヤ8下面の間に形成される空間に、プリクリーナ124を配置すると共に、エンジンルーム92の上面のうち、収納位置の穀粒排出コンベヤ8基部に近接した上面に、排気ガス浄化ユニット体99(第1ケース61と第2ケース62)を取付けている。
【0049】
即ち、第3実施形態では、エンジンルーム92の上面側に排気ガス浄化ユニット体99の大部分を配置させ、エンジンルーム92上面側から穀物タンク7側に突出する排気ガス浄化ユニット体99の飛出し寸法を可及的に縮小できるから、第1実施形態または第2実施形態のように、浄化装置設置凹部7aを穀物タンク7の後部上面側に形成する必要がなくなる。したがって、第1実施形態または第2実施形態に比べ、第3実施形態では、穀物タンク7の穀物収納容積を大きく形成できる。また、収納位置の穀粒排出コンベヤ8下面高さよりもプリクリーナ124の上面高さを低く形成するから、収納位置または機外側方の穀粒排出位置のいずれに穀粒排出コンベヤ8を移動させても、穀粒排出コンベヤ8がプリクリーナ124に衝突することがなく、穀物タンク7の穀粒排出作業において、機体内外に穀粒排出コンベヤ8を容易に旋回移動できる。
【0050】
図1図14に示す如く、刈取装置3と、脱穀装置5と、刈取装置3または脱穀装置5を駆動するディーゼルエンジン14と、ディーゼルエンジン14の排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケース61と、ディーゼルエンジン14の排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケース62を備えるコンバインにおいて、ディーゼルエンジン14を内設させるエンジンルーム92を備える構造であって、エンジンルーム92の上面側に、並列状に連結した第1ケース61と第2ケース62を水平に支持させるように構成している。したがって、エンジンルーム92などに簡単なケース支持構造にて第1ケース61と第2ケース62を固着できると共に、エンジンルーム92などの機枠を活用して、第1ケース61と第2ケース62のケース支持強度も容易に確保でき、ディーゼルエンジン14の付設部品などと第1ケース61または第2ケース62との干渉を低減でき、第1ケース61または第2ケース62の組立作業性やメンテナンス作業性などを向上できる。
【0051】
図1図11に示す如く、エンジンルーム92に隣接させて穀物タンク7を配置する構造であって、エンジンルーム92と穀物タンク7の各上面側に亘って、第1ケース61と第2ケース62を配置している。したがって、第1ケース61と第2ケース62の設置スペースを充分に確保でき、メンテナンス作業または修理作業などにおいて、前記各ケース61,62を簡単に着脱できると共に、第1ケース61と第2ケース62の取付け間隔を簡単な組付け作業にて一定に維持でき、前記各ケース61,62間の尿素混合管39などの排気ガス配管構造を簡略化できる。
【0052】
図7図11に示す如く、第1ケース61と第2ケース62をユニット構成して、エンジンルーム92と穀物タンク7の各上面側に、前記第1ケース61と第2ケース62を前後方向に向けて配置している。したがって、第1ケース61と第2ケース62をベースフレーム(ケース固定体96)に固着して単一部品ユニット構成し、組立工程のうち最終付近の組立工程で、前記各ケース61,62を簡単に組付けることができると共に、尿素水の加水分解にてアンモニアを形成する尿素混合管39を設ける場合、第1ケース61と第2ケース62の連結長さを長尺に形成することなく、尿素水の加水分解にてアンモニアを形成するのに必要な長さに尿素混合管39の長さを形成でき、前記各ケース61,62の前後幅及び左右幅をコンパクトに形成できる。
【符号の説明】
【0053】
3 刈取装置
5 脱穀装置
7 穀物タンク
8 穀粒排出コンベヤ
14 ディーゼルエンジン
61 第1ケース
62 第2ケース
92 エンジンルーム
図1
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