(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、
図1〜
図6を参照して本実施形態におけるスロットマシン(回胴式遊技機)について説明する。
図1に示すように、スロットマシン10は、前面を開口した直方体状の本体11と、当該本体11の縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉12とを備えている。前面扉12には、遊技中(変動ゲーム中)に表示演出を行う演出表示装置14と、各種の演出効果光を発する装飾ランプLaと、音声演出を行うスピーカSpとが配設されている。
【0012】
前面扉12の前面中央に設けられた中央パネル15には、機内部を透視可能な透視窓16が設けられており、その機内部には、演出表示装置14とは別体であるドラムユニット13が配設されている。ドラムユニット13は、各種の21個の図柄が予め定められた順で印刷された透光性を有する帯状のリールシートが外周に巻装された左リール13Lと、中リール13Cと、右リール13Rとから構成されている。なお、左リール13Lと、中リール13Cと、右リール13Rが回動体となる。
【0013】
各リール(左リール13L、中リール13C、及び右リール13R)は、側方に並設されている。各リールは、各々に対応して設けられたステッピングモータにより独立して縦方向に回転及び停止するように構成されており、各リールが回転することによって透視窓16には各種図柄が連続的に変化しつつ表示(変動)される。各リールの回転が停止した場合、透視窓16には、各リールにおける複数の図柄のうち連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に停止表示される。各リールには、それらの回転位置を検出するためのリールセンサSE1,SE2,SE3(
図2に示す)がそれぞれに対応するように設けられている。具体的には、左リール13Lの回転位置を検出するためにリールセンサSE1が設けられ、中リール13Cの回転位置を検出するためにリールセンサSE2が設けられ、右リール13Rの回転位置を検出するためにリールセンサSE3が設けられている。
【0014】
また、スロットマシン10には、透視窓16から透視可能な図柄の表示領域において、停止表示される図柄の組み合わせ(導出される表示結果)を規定する複数(本実施形態では5本)の図柄停止ラインが形成されている。本実施形態では、図柄停止ラインとして、停止表示される図柄の組み合わせを入賞と判定しうる1本の入賞ラインL1(実線で示す)と、停止表示される図柄の組み合わせを入賞と判定し得ない4本の非入賞ラインL2〜L5(破線で示す)が形成されている。
【0015】
透視窓16では、各列の図柄が停止表示される図柄停止位置D1〜D9のうち、図柄停止位置D2,D5,D8によって入賞ラインL1(有効)が形成される。また、図柄停止位置D1,D4,D7によって非入賞ラインL2(無効)が形成され、図柄停止位置D3,D6,D9によって非入賞ラインL3(無効)が形成される。また、図柄停止位置D1,D5,D9によって非入賞ラインL4(無効)が形成され、図柄停止位置D3,D5,D7によって非入賞ラインL5(無効)が形成される。また、中央パネル15には、変動ゲームに関わる情報を報知する各種情報表示部17が構成されている。
【0016】
また、前面扉12には、メダル投入口18が配設されている。メダル投入口18の奥方には、メダルの通過を検知するメダルセンサSE4(
図2に示す)が配設されている。また、前面扉12には、左から順にBETボタン19とMAXBETボタン20とが設けられている。BETボタン19は、機内部で貯留記憶されているクレジットから1ベット分(1枚分)を変動ゲームのベット数(賭数)としてベットする(賭ける)際に押圧(操作)するボタンである。また、MAXBETボタン20は、1回の変動ゲームにおいて許容されるベット数の最大ベット数(本実施形態では3ベット分(3枚分))を変動ゲームのベット数としてベットする(賭ける)際に押圧(操作)するボタンである。
【0017】
また、前面扉12には、精算スイッチ21が設けられている。精算スイッチ21は、変動ゲームの開始に伴ってベットされたメダル(遊技媒体)、又は機内部に貯留記憶されているクレジットを払い戻すときに使用(操作)するスイッチである。また、精算スイッチ21の右方位置には、変動ゲームを開始する際に操作する開始操作手段としてのスタートレバー22が設けられている。そして、本実施形態では、ベット数の設定終了後にスタートレバー22を操作することにより、各リールの回転動作が開始される。
【0018】
スタートレバー22の右方位置には、遊技者により操作される停止操作手段としてのストップボタン23L,23C,23Rが設けられている。ストップボタン23L,23C,23Rは、回転しているリールを停止させるためのボタンであり、各リールに対応して3個のストップボタンがある。すなわち、ストップボタン23Lは、回転している左リール13Lを停止させるためのボタンであり、ストップボタン23Cは、回転している中リール13Cを停止させるためのボタンであり、ストップボタン23Rは、回転している右リール13Rを停止させるためのボタンである。
【0019】
また、前面扉12の前面における下部中央部にはメダル排出口24が形成されている。また、前面扉12の前面における下部には、メダル排出口24から排出されたメダルを受ける受皿25が配設されている。
【0020】
また、
図1に破線で示すように、スロットマシン10の本体においてドラムユニット13の下方となる位置には、スロットマシン10内部において、投入されたメダルを貯留するためのホッパー26が配置されている。このホッパー26の下方側にはメダル排出口24が位置し、図柄の組み合わせが遊技者に賞メダルを付与する予め定める賞態様(役)になった場合には、ホッパー26に貯留されたメダルがメダル排出口24へと払出されうる。前面扉12の裏面側においてメダル投入口18の下方位置には、該メダル投入口18とホッパー26とを繋ぐようにメダルセレクター27が配設されている。
【0021】
また、前面扉12には、作業者などが操作することができる設定用操作ボタンBT1が設けられている。この実施形態の設定用操作ボタンBT1は、例えば、十字キー式のボタンである。設定用操作ボタンBT1を操作することで、各種設定を行うことができる。
【0022】
次に、遊技者が遊技として変動ゲームを行うための操作や、この操作に伴う各種装置の作動状況について説明する。
変動ゲームに対するメダルの投入、又はBETボタン19或いはMAXBETボタン20の操作が可能な状態において、メダルの投入、又はBETボタン19或いはMAXBETボタン20の操作により、所定のベット数が設定される。本実施形態では、3ベットによって1本の入賞ラインが有効となり、変動ゲームの実行が許容される。
【0023】
上記のようにベット数が設定され、スタートレバー22の操作が受付可能な状態、すなわち、ゲーム開始可能な状態で遊技者がスタートレバー22の開始操作が行われると、ドラムユニット13の各リールが回転し、透視窓16には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。その後、各リールが回転して所定時間が経過すると、各ストップボタン23L,23C,23Rの操作が受付可能になる。続いて、遊技者により各ストップボタン23L,23C,23Rが操作されると、対応する各リールが停止され、対応する列の上段、中段及び下段に図柄が透視窓16に表示される。
【0024】
各リールの全てが停止されると、入賞ラインに停止表示された図柄の組み合わせが予め定めた賞態様を形成する場合に入賞となり、入賞した賞態様に応じた賞として、賞メダルの払い出し等が遊技者に付与される。
【0025】
本実施形態における1回の変動ゲームは、ベット数の設定後のスタートレバー22の開始操作を契機に開始する。そして、1回の変動ゲームは、ストップボタン23L,23C,23Rの停止操作により図柄の組み合わせが停止表示された後に、入賞ラインに停止表示された図柄の組み合わせに応じた制御(例えば、入賞した賞態様に応じた賞メダルの払い出しに関する制御)が完了したことを契機に終了する。
【0026】
次に、
図2に示すスロットマシン10の電気的構成について説明する。
スロットマシン10の本体11の内部には、主制御基板40が設けられている。主制御基板40は、各種処理を実行してその処理結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号を出力する。また、本体11の内部には、遊技状態に応じた演出制御等を実行するサブ制御基板41が設けられている。サブ制御基板41は、主制御基板40が出力した各種の制御信号を入力し、該制御信号に基づき所定の制御を実行する。
【0027】
主制御基板40は、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU40aと、主制御用CPU40aの制御プログラムを格納する主制御用ROM40bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM40cが設けられている。また、主制御用CPU40aには、ドラムユニット13を構成する各リール(左リール13L、中リール13C及び右リール13R)、リールセンサSE1〜SE3、メダルセンサSE4が接続されている。また、主制御用CPU40aには、各種情報表示部17が接続されている。また、主制御用CPU40aには、BETボタン19と、MAXBETボタン20と、精算スイッチ21と、スタートレバー22と、各ストップボタン23L,23C,23Rと、ホッパー26とが接続されている。
【0028】
主制御用CPU40aには、接続されるリールセンサSE1〜SE3から透視窓16で表示されている図柄(回転中の各リールの回転位置)に応じて位置信号が入力される。そして、主制御用CPU40aは、位置信号により各リールの回転位置及び停止位置を特定し、該位置信号に基づき各リールの回転及び停止の制御を行う。
【0029】
また、主制御用CPU40aには、接続されるメダルセンサSE4から該メダルセンサSE4でメダルを検知する毎に、メダルを検知したことを示すメダル検知信号が入力される。また、主制御用CPU40aには、接続されるBETボタン19、MAXBETボタン20、精算スイッチ21、スタートレバー22及びストップボタン23L,23C,23Rが操作されると、各ボタンが操作されたことを示す各種操作信号が入力される。
【0030】
また、主制御用CPU40aは、各種抽選で用いる各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、主制御用ROM40bには、メイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM40bには、当選役を決定するための当選役決定テーブルが記憶されている。なお、当選役決定テーブルは、スロットマシン10の設定値に応じて複数用意されている。また、主制御用RAM40cには、スロットマシン10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)される。
【0031】
サブ制御基板41は、制御動作を所定の手順で実行するサブ制御用CPU41aと、サブ制御用CPU41aの制御プログラムを格納するサブ制御用ROM41bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができるサブ制御用RAM41cが設けられている。そして、サブ制御用CPU41aには、演出表示装置14、スピーカSp、装飾ランプLaが接続されている。また、サブ制御用CPU41aには、設定用操作ボタンBT1が接続されており、設定用操作ボタンBT1が操作されるとその旨(操作態様)を検知可能に構成されている。
【0032】
サブ制御用CPU41aは、各種抽選で用いる各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、サブ制御用ROM41bには、サブ制御プログラムが記憶されている。また、サブ制御用ROM41bには、演出表示装置14の表示演出態様が示される表示演出パターンや、スピーカSpの音声出力態様が示される音声演出パターンや、装飾ランプLaの発光態様が示される発光演出パターンが記憶されている。また、サブ制御用RAM41cには、スロットマシン10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)される。
【0033】
以下、主制御用CPU40aがメイン制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
主制御用CPU40aは、各種操作信号を入力すると、各種操作信号に定める所定の制御を実行する。そして、主制御用CPU40aは、各種操作信号の入力や各種制御により、各種情報表示部17の表示制御をその都度実行する。
【0034】
そして、主制御用CPU40aは、メダル投入口18よりメダルが投入される、又はBETボタン19或いはMAXBETボタン20の操作信号を入力するとベット数を設定し、所定のベット数が設定されたときに、ゲーム開始可能な状態を生起する。
【0035】
続いて、主制御用CPU40aは、ゲーム開始可能な状態において、スタートレバー22の操作信号を入力すると、役抽選を行う。この役抽選において、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cから当選役決定乱数の値を取得し、主制御用ROM40bに記憶されている当選役決定テーブルにおいて、取得した値が各当選役の値の範囲に属しているか否かを判定し、当選役を決定する。そして、主制御用CPU40aは、当選役を決定すると、当選役の種類を示す役情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに記憶(設定)する。
【0036】
また、主制御用CPU40aは、遊技者によるスタートレバー22の操作を検出したタイミング(役抽選等の所定の処理を行った後)で、変動ゲームの開始を指示する制御コマンドとともに、役抽選の抽選結果を示す制御コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。
【0037】
続いて、主制御用CPU40aは、遊技者の操作に基づくストップボタン23L,23C,23Rの各種操作信号を入力すると、各種操作信号に対応するリールを停止させるための制御(停止制御)を行う。また、主制御用CPU40aは、各リールに対応するリールセンサSE1〜SE3からの位置信号により、各リールの変動又は停止の情報を特定する。なお、主制御用CPU40aは、ストップボタン23L,23C,23Rからの各種操作信号が入力されるまでの間、回転中のリールについて停止制御を行わないで回転動作を維持させる。
【0038】
続いて、主制御用CPU40aは、各リールの全てを停止させて図柄の組み合わせを停止表示させると入賞判定を行う。この入賞判定において、主制御用CPU40aは、各リールの停止に伴って入力する位置信号から入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせを特定し、主制御用RAM40cに記憶されている役情報(当選役)に対応する図柄の組み合わせが入賞ライン上に停止表示されているかを判定する。
【0039】
そして、主制御用CPU40aは、入賞判定で入賞と判定する場合、該入賞と判定した賞態様に応じて、遊技状態を移行させる制御や賞メダルを払い出す制御などを行う。
次に、サブ制御用CPU41aがサブ制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
【0040】
サブ制御用CPU41aは、各種制御コマンドを入力すると、該コマンドに指示される内容に基づいて各種演出を実行させるように演出表示装置14の表示内容、スピーカSpの音声出力内容、装飾ランプLaの発光態様を制御する。また、サブ制御用CPU41aは、各リールの停止状況も特定可能なことから、この停止状況から入賞役を特定することもでき、入賞役に基づき、各種演出を実行させることができる。
【0041】
そして、本実施形態では、各種エラーを検知することが可能に構成されている。そして、検知されたエラーのエラー履歴は、サブ制御基板41のサブ制御用RAM41cに記憶されるようになっている。
【0042】
例えば、
図3に示すように、各種エラーには、例えば、遊技機への電源断後、電源が復帰したときに発生する電源断復帰エラーが存在する。また、表示図柄が異常であることを示す表示図柄異常エラーが存在する。また、ホッパー26内のメダルが満杯であることを示すオーバーフローエラーが存在する。また、ホッパー26内のメダルが空であることを示すメダル空エラーが存在する。また、ホッパー26内でメダルが詰まっていることを示すメダル詰まりエラーが存在する。また、メダルの払い出しに異常があることを示すメダル払出異常エラーが存在する。また、メダル投入口18の奥において、メダルが滞留していることを示すメダル滞留エラーが存在する。また、メダルが不正にメダル投入口18を通過して、メダルセンサSE4に検知されたことを示すメダル不正通過エラーが存在する。
【0043】
これらのエラーは、主制御基板40の主制御用CPU40aが検出センサや条件判定などを利用して検知するように構成されており、主制御用CPU40aがこれらのエラーを検知した場合、当該エラーの種類及び検知時を示すエラーコマンドをサブ制御基板41に出力するように構成されている。
【0044】
また、エラーには、主制御基板40とサブ制御基板41の間で、通信ができないことを示す通信エラーが存在する。また、主制御基板40から制御コマンドを正しく取得できないことを示すコマンドエラーが存在する。また、前面扉12が開放していることを示すドアオープンエラーが存在する。また、前面扉12が閉鎖されていることを示すドアクローズエラーが存在する。また、電源が供給されたことを示す電源ONエラーが存在する。また、電源が遮断されたことを示す電源OFFエラーが存在する。また、演出用の可動体を動作させることができないことを示す可動体エラーが存在する。また、タッチパネルが正常に反応しないことを示すタッチパネルエラーが存在する。なお、演出表示装置14は、タッチパネルとなっており、タッチすると検知することが可能となっている。
【0045】
これらのエラーは、サブ制御基板41のサブ制御用CPU41aが検出センサや条件判定などを利用して検知するように構成されている。以上により、主制御用CPU40a又はサブ制御用CPU41aは、遊技機に生じる各種エラーを検知するエラー検知手段となる。
【0046】
そして、サブ制御基板41のサブ制御用CPU41aは、主制御用CPU40aからエラーコマンドを入力した場合、若しくは、エラーを検知した場合、そのエラーの種類及び検知時を特定し、その履歴をエラー履歴としてサブ制御用RAM41cに記憶する。これにより、サブ制御用RAM41cは、検知したエラーのエラー履歴を記憶するエラー記憶手段となる。
【0047】
次に、エラー履歴の表示方法について説明する。
エラー履歴を確認する作業者(例えば、スロットマシン10の管理者)は、最初に、
図1に示す前面扉12の施錠装置32を操作し、施錠装置32を解錠させることによって前面扉12を開放させる。前面扉12を開放させると、本体11に収容されている設定用操作手段としての設定器33を操作できる状態となる。そして、作業者は、設定用の鍵を設定器33の鍵穴34に差し込み、ON操作する。これにより、スロットマシン10は、エラー履歴の確認を行うことができる状態に遷移する。なお、このとき、当該スロットマシン10の設定値を変更できる状態及び確認できる状態にもなる。すなわち、設定用の鍵を設定器33の鍵穴34に差し込み、ON操作した状態で、図示しない設定値を変更するための設定用ボタンを操作することにより、設定値を変更することができる。なお、設定用ボタンは、スロットマシン10内部に存在し、前面扉12を開放しない限り、操作できないように構成されている。
【0048】
主制御基板40の主制御用CPU40aには、設定器33がON操作された場合に当該設定器33からON操作を示す操作信号が入力される。設定器33の操作信号を入力した主制御用CPU40aは、当該操作信号をサブ制御基板41のサブ制御用CPU41aに出力する。これにより、サブ制御用CPU41aは、設定器33がON操作されたことを認識することができる。
【0049】
設定器33のON操作後、作業者によって前面扉12に配置されている設定用操作ボタンBT1が操作されると、サブ制御用CPU41aには、設定用操作ボタンBT1から操作信号が入力される。すると、サブ制御用CPU41aは、演出表示装置14に作業者が実行できる事項を示したメニュー画面を表示させる。
【0050】
図4は、メニュー画面35の一例を示す。
メニュー画面35には、例えば時刻設定を指示する項目や各種履歴情報の参照を指示する項目などが示されている。また、エラー履歴の表示に関する項目36(エラー履歴)は、メニュー画面35に示されている。また、設定値の履歴に関する項目37(設定値の履歴)は、メニュー画面35に示されている。そして、作業者は、設定用操作ボタンBT1を操作することにより、メニュー画面35から項目を選択することができる。
【0051】
ここで、設定値の履歴に関する項目37が選択されると、それまで設定されてきた設定値の履歴を表示するための画面が表示される。すなわち、設定用の鍵を設定器33の鍵穴34に差し込み、ON操作した状態で、設定値の履歴に関する項目37が選択されると、設定値の履歴(現在の設定値も含む)を確認することができる。
【0052】
ここで、エラー履歴の表示に関する項目36が選択されると、エラー履歴を表示する画面が表示される。
図5に示すように、エラー履歴は、予め決められた表示ページ毎に表示されるように構成されており、1つの表示ページにおいて表示可能なエラーの個数は、予め上限が決められている。そして、上限を越えた分は、次の表示ページにて表示されるように構成されており、遊技店の作業者(管理者)は、設定用操作ボタンBT1を操作することにより、任意に各表示ページを表示させることができるように構成されている。すなわち、エラー履歴は、1つの表示画面上に表示可能なエラーの上限数が予め決められた表示ページ毎に表示されるように構成されていると共に、検知されているエラー数が当該上限数を超えている場合には、複数の表示ページに亘って表示されるようになっている。
【0053】
また、各表示ページでは、検知順に従って、上から順番に検知されたエラーが整列されている。すなわち、エラー履歴が演出表示装置14に表示される場合、検知されて記憶されたエラーが検知順に整列されて表示画面上に表示されるように構成されている。各エラーの項目には、エラーの種類と、検知時が表示される。また、画面の上にあるエラーほど、新しく検知されたものとなっている。また、エラーが新たに検知された場合には、最新の表示ページの最上段に追加される。この際、いずれの表示ページが表示されていたとしても、演出表示装置14は、最新の表示ページを表示して、最新のエラーを表示するようになっている。すなわち、サブ制御用CPU41aは、エラー履歴を表示させている最中に、新たなエラーを検知した場合、エラー履歴を更新して、現在表示されている前記表示画面上に当該新たなエラーを表示させるようになっている。より詳しくは、サブ制御用CPU41aは、エラー履歴を表示させている最中に、新たなエラーを検知してエラー履歴が更新された場合、いずれの表示ページが表示されているときでも、当該新たなエラーが加えられた最新の表示ページを表示させるようになっている。
【0054】
遊技店の作業者(管理者)は、エラー履歴を見ることにより、検知されたエラーの回数、検知時、種類を知ることができ、これに基づき、遊技機の故障や不正の有無などを発見することができる。これにより、サブ制御用CPU41aが、エラー履歴を表示手段としての演出表示装置14に表示させる表示制御手段となる。
【0055】
次に、エラー履歴を表示させているときに、エラーが発生した場合における処理について説明する。
図6(a)に示すように、エラー履歴を、演出表示装置14に表示させ、いずれかの表示ページが表示されている際、ドアオープンエラーを検知した場合、サブ制御用CPU41aは、当該エラーをエラー履歴に追加し、サブ制御用RAM41cの記憶内容を更新する。このとき、ドアクローズエラーを検知した場合、サブ制御用CPU41aは、当該エラーをエラー履歴に新たに追加し、サブ制御用RAM41cの記憶内容を更新する。
【0056】
そして、
図6(b)に示すように、サブ制御用CPU41aは、いずれの表示ページが表示されている場合であっても、最新のエラーであるドアクローズエラーが追加された最新の表示ページを演出表示装置14に表示させる。これにより、最新の表示ページの最上段に追加されたドアクローズエラーを、遊技店の作業者(管理者)に認識させることができる。
【0057】
なお、エラー履歴を表示させている状態で、ドアクローズエラーを検知する状況というのは、設定器33に鍵が差し込まれた状況で、前面扉12が開閉されたことに等しい。このため、ドアクローズエラーを、遊技店の作業者(管理者)に認識させることにより、スロットマシン10の本体11内部に設定値の変更にも利用できる鍵を取り残したまま前面扉12が閉鎖されることを防止できる。
【0058】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)サブ制御用CPU41aは、エラー履歴を表示させている最中に、主制御用CPU40a又はサブ制御用CPU41aが新たなエラーを検知した場合、エラー履歴を更新して、現在表示されている表示画面上に当該新たなエラーを表示させる。これにより、作業者(管理者)は、エラー履歴を表示されている最中に、エラーが発生した場合、設定用操作ボタンBT1を利用して、表示画面を切替えることなく、新たなエラーの発生を知り、また、その種類を知ることができる。このため、エラー履歴の確認が容易となり、作業を効率的に行うことができる。
【0059】
(2)サブ制御用CPU41aは、エラー履歴を表示させている最中に、エラー履歴が更新された場合、いずれの表示ページが表示されているときでも、当該新たなエラーが加えられた最新の表示ページを表示させる。これにより、作業者(管理者)は、エラー履歴を表示されている最中に、エラーが発生した場合、設定用操作ボタンBT1を操作して、表示ページを変更する手間をかけることなく、新たなエラーの発生を知り、また、その種類を知ることができる。このため、エラー履歴の確認が容易となり、作業を効率的に行うことができる。
【0060】
(3)遊技演出が実行される表示領域が広い演出表示装置14にエラー履歴が表示されるため、エラーが発生した場合にはすぐに発見することができる。
(4)設定器33に設定用の鍵が差し込まれたまま、前面扉12が開放又は閉鎖された場合(ドアオープンエラー又はドアクローズエラーが検知された場合)、その旨を表示させることができる。このため、作業者(管理者)は、設定値を変更する為に使用される設定用の鍵が本体11内部に取り残された場合、そのことをすぐに発見することができ、取り残されたまま作業を終了することを防止できる。すなわち、設定用の鍵をなくすことを防止できる。
【0061】
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、設定器33に鍵が差し込まれている間、エラー履歴が演出表示装置14に表示され続けるようにしてもよい。これにより、設定器33に鍵が差し込まれている場合、遊技演出が実行されない又はされにくくなり、鍵が本体11内部に取り残されていることを容易に発見することができる。
【0062】
・上記実施形態において、設定用操作ボタンBT1は、スロットマシン10の本体11の内部と外部のいずれに設けられていても良い。また、他のボタン(例えば、ストップボタン23L,23C,23R)によって代用されても良い。
【0063】
・上記実施形態において、エラー履歴の表示態様及び記憶態様は任意に変更しても良い。例えば、1画面上に全てのエラーを表示させても良い。また、表示画面をスクロールすることによりエラーを順次表示させるようにしても良い。また、所定数以上は、消去しても良い。また、検知時が所定期間以上経過したエラーを消去しても良い。
【0064】
・上記実施形態において、演出表示装置14がエラー履歴を表示させていたが、これ以外の表示手段がエラー履歴を表示させても良い。例えば、スロットマシン10に接続されるホールコンピュータにエラー履歴を表示させるようにしても良い。
【0065】
・上記実施形態において、設定値の履歴を確認できなくても良い。
・上記実施形態において、設定用の鍵を設定器33の鍵穴34に差し込み、ON操作した状態でなくても、設定値を確認できるようにしても良い。例えば、設定用ボタンの設定状況により現在の設定値を確認できるようにしても良い。
【0066】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)上記遊技機において、遊技機の本体内部には、遊技機の設定変更を許可する設定用操作手段が備えられ、前記設定用操作手段に設定用の鍵が差し込まれ、操作されたときに、遊技機の設定変更が許可されるように構成されていると共に、前記表示制御手段が前記エラー履歴を表示させることができるように構成されており、前記表示制御手段は、前記エラー履歴を表示させている最中に、前記エラー検知手段が、遊技機の本体に備えられた扉が開放又は閉鎖されたことを契機にエラーを検知した場合、前記表示画面上に現在表示されているエラー履歴を更新して、当該新たなエラーを表示させるようにしてもよい。
【0067】
(ロ)上記遊技機において、前記設定用操作手段に設定用の鍵が差し込まれている間、エラー履歴が前記表示手段に表示され続けるようにしてもよい。