【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明は、少なくとも1つの導電層を有するシートを製造するための方法を提案する。このシートは、少なくとも1つの面が前述の導電層の層又は重なり合った複数の層で少なくとも部分的に覆われた基材、特に紙製の基材を含む。該方法は:
a)少なくともプラスチックフィルム、接着防止コーティング、及び基層を有し、又はこれらによって構成されており、該プラスチックフィルムの面と該基層との間に該接着防止コーティングが挿入された多層構造を調製又は提供し;
b)該基材の面及び/又は該プラスチックフィルムの反対側に位置する該多層構造の面を接着し、該基材の前述の面を該多層構造の前述の面に当接させ、該多層構造と該基材とを直交積層させ;及び、
c)該基層から該プラスチックフィルムと該接着防止コーティングとを剥がす工程を含み、該基層が導電性材料の層である、又は:
d1)該基層上に導電性フィルムを設けること;又は、
d2)該基層に電気的特性を有する少なくとも1つのインクで印刷を行い、該基層は、この基層の全乾物重量に対して乾燥重量での比が15%大きいバインダーを基にした材料を含む印刷可能層であり、そして可能であれば該印刷済シートに熱焼き鈍し処理を行い、導電性インクの層を形成すること、からなる追加の工程により、導電層で覆われていることを特徴とする。
【0009】
該基層は、例えば導波管を形成する光学層及び/又は光電子層であってもよい。
【0010】
本特許出願では、該シートを調製するためのシートと基層とは、薄い(厚さが1mmを超えず、例えば0.5mmである)要素であり、より好ましくは柔軟、及び/又は可撓性を有する要素を意味する。
【0011】
本発明の方法は、所望の特性を有するシートを調製するために、シートの基層の特徴に応じて少なくとも3つの異なる代替実施態様を定義する。
【0012】
該基層は導電性材料を含んでもよく、又は、導電性材料中に該基層を形成してもよく、そのため、該基層自体が導電層を規定してもよい。該基層は例えば金属層で形成されてもよい。
【0013】
また、該基層は導電層で覆われるように意図されてもよく、例えば導電フィルム又は導電インクの層の導電層で覆われてもよい。この後者の場合、該基層は、電気的特性を有するインクで印刷が行われ、その後場合により焼き鈍し工程が行われる印刷可能層であり、これにより連続する導電インクの層が該基層上に形成される。電気的特性を有するインクとはナノ粒子及び/又は分子などの導電素子を含むインクであり、これらの素子が該インクで印刷された(及び、場合により焼き鈍し工程が行われた)シートに導電性を与える。
【0014】
本発明者らは、この後者の実施態様が、高い導電性を有するシートの製造を可能にすることを見出した。本発明の特定の実施態様においては、本発明の方法により、導電層の表面抵抗率が0.3Ω/sq未満、より好ましくは0.15Ω/sq未満であり、例えば約0.05Ω/sqまでの抵抗率であるシート、すなわち、良好な導電性を有するシートを得ることができる。このパラメータは「4ティップデバイス」というデバイスによって決定することができる。このパラメータを決定する方法を以下にさらに詳細に説明する。
【0015】
本発明の前述の3つの実施態様は、特に、導電性シート、すなわち、例えばエレクトロニクスに用いるという目的に十分な導電性を有するシートを製造するという点において共通である。
【0016】
これらの実施態様において、特定のパターンにしたがって該シート上に電子回路等を実現するために、レーザーアブレーションの追加工程を該導電層に対して行ってもよい。
【0017】
本発明の方法により、平滑(又は粗さが少ない)で光沢のある基層を持つ導電層を有するシートを実現することが可能になる。これにより得られる平滑度は従来の方法で製造されたシート又は紙の平滑度よりも高く、該シートをエレクトロニクスの分野において使用するのに十分である。本発明の方法によって得られるシートの粗さ(AFM)は、例えば約10nmである。
【0018】
これに加え、この基層が印刷可能である場合、印刷後、インクの光学的密度が、経時的に比較的一定に留まることが認められる。シート上でのインクの光学的密度が増加/変化するほど、インクがシートにより深く染み込み、したがってシートの表面上に残るインクが減少し、これは、インクが表面に残る非多孔質の(又は「閉じている」)シート表面とは異なり、シートの印刷面が比較的多孔質である(又は「開いている」)ことを意味する。
【0019】
プリンテッドエレクトロニクスなど、電気的特性を有するインクで基層に印刷を行うことが意図される場合、シートの間隙に染み込む一部のインクは伝導に寄与しないため、基層が可能な限り非多孔質である(すなわち可能な限り「閉じている」)ことが重要である。このため、本発明の範囲内において、印刷可能な基層は、この層の全乾物重量に対して乾燥重量で15%大きいバインダー比を有する。該バインダー比は、この層の全乾物重量に対して乾燥重量で20%大きくてもよい。例えば、この層の全乾物重量に対して乾燥重量で15%〜100%、より好ましくは20%〜100%であってもよい。この層の全乾物重量に対して乾燥重量で15%〜50%(又は20%〜50%)、より好ましくは15%〜40%(又は20%〜40%)、最も好ましくは15%〜30%(又は20%〜30%)であってもよい。基層がこの層の全乾物重量に対して乾燥重量で100%である場合、この層は顔料を含んでいない。
【0020】
プリンテッドエレクトロニクスの用途は複数存在し、このうち6つが特に主流である:
- 導電トラック、抵抗、キャパシタ、及びトランジスタを有する印刷回路;
- 太陽電池;
- スクリーン(エレクトロクロニックスクリーン又はLCD);
- メンブレンキーボード;ここで、シートを難燃性にするために、該シートに部品を含ませてもよく、又は特殊な処理を行ってもよく、該シートは、例えば、Alcan Chemicals社のBACO FRF40(登録商標)などの水酸化アルミニウムタイプの難燃剤を含んでもよい(シートの質量の30%の値のBACO FRF40(登録商標)で防火等級M1又はM2が得ることができる);澱粉に対して50%の比を有するリン/アンモニウム塩タイプのサイズプレス製品を加えてもよい;例えば、ポリリン酸アンモニウム、三酸化アンチモン、スルファミン酸アンモニウム等をベースとする他の製品を用いることもできる;
- OLED(有機発光ダイオード)は、発光材料が有機材料である発光ダイオードである;この材料中を電流が通過することで、該材料が光源になる;
- メンブレン「スイッチ」は接触による瞬間的な接続を可能にする;導電性インクは、ポリエステル又はポリカーボネートタイプの、可撓性を有する支持体上に塗工される;ドームが形成され、ボタンの能動素子が構成される;圧力によりドームが変形し、回路を閉じる;この技術は携帯電話、カメラ、制御パネル、玩具等で用いられる;及び
- スマートラベル又はチップとも称されるRFID(電波方式認識)ラベル、タグ、又はトランスポンダラベルは、無線信号を受信し、情報を含む別の無線信号を応答として送り返す機器である。
【0021】
プリンテッドエレクトロニクスを専門とする当業者は、前述のタイプの電子部品を実現するのに必要なシート又は前述の多層構造の異なる層を決定するのと同時に、本発明の方法により得られたシートにおけるこれらの層のそれぞれの配置を決定することができる。従来の技術において同様の層をプリンテッドエレクトロニクス用のプラスチックフィルム上に設けるために用いられた技術と同一の技術により、これらの異なる層を本発明のシート上に設けることができる。
【0022】
以下の情報は、概ね本発明の方法の工程a)から工程c)に関する。
【0023】
該シートの多層構造は、印刷可能シートの製造方法の実施に先立って、調製してもよい。この場合、シートの製造方法を実施するために多層構造が加えられる。
【0024】
本発明によれば、基層は「送り手」と称されるプラスチックフィルム上に調製され、この段階においてこの基層は多層構造に含まれ、その後「受け手」と称される基材上に移される。この技術によりプラスチックフィルムの平滑度を基層に移すことが可能になるため、平滑度は、使用する基材の平滑度に依存しない。したがって、本発明により、プラスチックフィルムの表面仕上げを任意の基材に移すことが可能になる。換言すれば、本発明は、任意の基材、有利には粗製紙、及び/又は比較的大きな嵩、例えば、0.9cm
3/g以上、或いは1.10cm
3/gまでの嵩を有する紙などを用いて比較的平滑なシートの製造を可能にし、かつこのように製造されるシートにプラスチックフィルムを含まない。該基材は透写紙、従来の紙、軽量紙、コート紙、カード用紙、プレコーティング紙、プラスチックのシート又はフィルム、ガラススライド又はシート、金属薄板のような金属シート、木製のスラット、布等でもよい。
【0025】
本特許出願においては、該シートの調製のためのシート及び基材は、薄い(厚みが500μmを超えない)要素であり、より好ましくは柔軟、及び/又は可撓性を有する要素を意味する。
【0026】
本発明に記載の方法の範囲において調製又は加えられた本発明の多層構造は、特に、下部プラスチックフィルム、接着防止中間コーティング、及び上部基層を含む、又はこれらから構成されている。該接着防止コーティングは該プラスチックフィルムの上面の少なくとも一部を覆い、該基層は該接着防止コーティングの上面の少なくとも一部を覆う。
【0027】
該プラスチックフィルムは、該基層を製造するための支持体として用いられる。このフィルムは、最終的な製品、すなわちシートには残らないため、該シートは再利用が可能である。該基層によって定められたシートの平滑面の表面品質は、該プラスチックフィルムの上面の表面品質に呼応するので、(該基層側に位置する)該フィルムの上面は、有利には、可能な限り平滑となる。換言すれば、該多層構造のプラスチックフィルムが平滑であるほど、得られるシートもより平滑となる。
【0028】
該プラスチックフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)をベースとするポリマー、及びセルロースをベースとする任意のポリマーのフィルムなどから選択される。一例として、該フィルムは、約12μmの厚さを有する。
【0029】
基層面側に位置する該フィルムの表面は、より好ましくは平滑であり、10,000sBekkを超えるベック平滑度を有してもよい。
【0030】
該プラスチックフィルムの厚さ、硬さ、及びガラス転移温度は、該基層の性質に対してほんの僅かな影響しか与えず、或いはその影響は皆無である。該プラスチックフィルムの平滑度又はこれに対して粗度だけが、該基層の平滑度又は粗度に対して影響を及ぼす。該プラスチックフィルムが平滑になればなるほど、該基層は平滑になる。しかし、当業者は、該プラスチックフィルムのどの性質が該基層の表面仕上げに影響を与えるものであるのかを決定できておらず、この基層に求められる最終的な平滑度に応じてこれらの性質を最適化することもできない。
【0031】
該多層構造の接着防止コーティングは、例えばグラビア印刷などの任意の技術で該プラスチックフィルム上に塗工される。該接着防止コーティングの作用は、該基層の該プラスチックフィルムに対する接着を制限することと、上記に定義された方法の工程c)における該基層からの該プラスチックフィルムの分離と剥離を促すことである。該接着防止コーティングは、この層が設けられる該プラスチックフィルムの面の平滑度と表面品質を僅かしか変更させない、或いは全く変更させない。
【0032】
該接着防止コーティングは、該コーティングを該基層から剥がす際に、該コーティングの全量が該プラスチックフィルムに接着したまま残るように、該基層よりも該プラスチックフィルムに接着することがより好ましい。
【0033】
該接着防止コーティングの厚さは5μm以下、より好ましくは1μmである。この厚さが0.1μm又は0.2μmよりも大きければ、より好ましい。該接着防止コーティングは、一種以上のシリコーン、一種以上のシロキサン、一種以上のポリシロキサン、又はこれらの誘導体、ウェルナー錯体、例えば、ステアリン酸クロムクロリド、又は、ポリエチレンワックス、プロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、アクリルポリマーなどから構成することができる。有利には、該接着防止コーティングは、PVDFを含まない。
【0034】
上に示したように、本発明の実施態様によれば、基層は導電性又は非導電性でもよく、印刷可能又は印刷可能でなくてもよい。
【0035】
好ましくは、該基層はブロッキング防止剤、及び/又は、例えばシリコーン又は類似の材料、PVDF、PP、テフロン、シリカ、窒化ホウ素など、該層の表面エネルギーを低下させることのできる製品を含まない。この種のブロッキング防止剤又は製品は、熱転写による印刷を層に対して行う際、特に基材がプリンタのリボンに接着することを防止するために必要な場合がある。したがって、本発明の基層は、熱転写による印刷が可能ではない。
【0036】
該基層は、30μm以下、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下の厚さを有することができる。その坪量は、有利には、30g/m
2以下、より好ましくは15g/m
2以下、そして最も好ましくは10g/m
2以下である。一例として、該基層は、以下の数値の組み合わせ以下である厚さと坪量を有することができる:10μm及び10g/m
2、3μm及び10g/m
2、2μm及び10g/m
2、5μm及び5g/m
2、3μm及び5g/m
2、2μm及び5g/m
2、5μm及び2g/m
2、3μm及び2g/m
2、又は2μm及び2g/m
2。
【0037】
該基層は、例えばグラビア印刷等の任意の技術により、該接着防止コーティング上に設けてもよい。
【0038】
該基層は、液体状態又は半液体状態で該接着防止コーティング上に設けてもよく、次いで、乾燥、加熱、又は電子照射或いは紫外線照射によって固化される。固化及び/又は乾燥を終えた後、該接着防止コーティングを介して該プラスチックフィルムの平滑面に当接している該基層は、該プラスチックフィルム側に位置する平滑な面を有する。
【0039】
該基層は、従って、基材上に移される前に、特に、該プラスチックフィルムによって付与されたこの層の表面仕上げの改変を回避するために、乾燥及び/又は固化される。換言すれば、該多層構造は、該基層が該基材上に移される前に調製され、該基層は、該基材上に移される間、すなわち、本発明の方法の工程b)及び工程c)を行う間、固体及び/又は乾燥状態にある。したがって、該基層の表面仕上げは、該多層構造を調製している間に行われる。
【0040】
したがって、本発明の方法では、該基層は、基材とは独立して製造される。このことは、特に、本願発明の方法を、標準的な工業用ツールで実現可能にし、これによって最適な生産速度が実現される。
【0041】
シートの基層は、約900s又は1000sを超えるベック平滑度、より好ましくは2000sを超えるベック平滑度、そして最も好ましくは5000sを超えるベック平滑度を有することができる。
【0042】
この基層は、70%を超える光沢度、より好ましくは80%を超える光沢度を有することができ、該光沢度は、例えば75で、TAPPI(登録商標)T480 om-92法を用いて測定される。この光沢度は、プラスチックフィルムを含む樹脂塗工印画紙の光沢度と同等であるか、又はこれを超えてもよい。
【0043】
該多層構造は、該プラスチックフィルムとは反対側で該基層に設けられた少なくとも1つの増設層を含むことができ、この増設層、又は該プラスチックフィルムから最も離間した増設層の自由面は、工程b)において該基材の前述の面に接着及び当接されるよう意図される。
【0044】
1つ又は複数の該増設層は、機能性又は非機能性であってもよい。一例として、該増設層を、絶縁体(誘電体)とすることができ、或いは該増設層は、(気体、例えば、酸素、液体、例えば、水、油脂などに対する)バリアを形成することもできる。
【0045】
該シートは、金属フィルム、及び/又はポリウレタン(PU)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、酢酸ビニルエチレン共重合体(EVAC)、セルロースナノファイバ、又は金属をベースとするバリア層を含んでもよく、該バリア層が該基材と該基層との間に位置する。PVAをベースとする層は特に気体に対するバリアを形成するのに適し、PUをベースとする層は特に水蒸気に対するバリアを形成するのに適している。
【0046】
導電層はバリア層として機能することができ、この導電層は該シートの外層を形成するか、又は、それとは逆に、該シートの2層間に挟まれる。該導電層は、真空蒸着させた金属層、又は金属フィルム(例えば、アルミニウム等)であり、直交積層により追加及び固定することができる。
【0047】
該増設層又は各増設層はそれぞれN型ドープ、P型ドープ又はドープされていない半導体材料(P3HT-ポリ(3-ヘキシルチオフェン)等)の層、絶縁体材料(PVP等)の層、金属層(金、銀、アルミニウム等)、導電性ポリマー(PEDOT:PSS-ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン:ポリ(スチレンスルホン酸塩)等)の層であってもよい。
【0048】
該多層構造が単一の増設層を有する場合、後者は基層の上面、すなわち該多層構造のプラスチックフィルムの反対側に位置する基層の面、又は該基層の下に、設けてもよい。
【0049】
この増設層はどのような性質のものでもよい。該多層構造が2以上の増設層を有する場合、これらの増設層は相互に重ね合わされ、前述の基層の上面に設けられる。 1つ又は複数の増設層を基層上に設けるのに用いる技術は、前述のタイプであってもよく、又は他のいずれのタイプであってもよい。
【0050】
したがって、該多層構造は、前述の3要素(プラスチックフィルム、接着防止コーティング、及び基層)に加えて、1つ又は複数の増設層を該基層上に含むことができる。該多層構造は、さらに、該プラスチックフィルムから最も離間した層(すなわち、該基層、又は該増設層、若しくは増設層)を覆う接着剤の層又はフィルムを含むことができる。
【0051】
本発明の方法の工程b)は、該基層を受けることを意図した該基材の面、又はプラスチックフィルムの反対側に位置する該多層構造の面を接着して、これらの面を互いに当接させて固定することからなる。
【0052】
該基材は、紙、透写紙、カード用紙、コート紙又はプレコーティング紙、プラスチックのシート又はフィルム、ガラススライド又はシート、金属シートなどの金属性のシート、薄い木製のスラット、布等から選択することができる。該紙は、0.9cm
3/g以上、さらに1.1cm
3/g以上の嵩、より好ましくは、1.2cm
3/g以上の嵩、最も好ましくは、1.3cm
3/g以上の嵩、より具体的には1.4cm
3/g以上の嵩、さらには1.5cm
3/g以上の嵩という比較的大きな嵩を有することができる。
【0053】
本発明の方法は、従来技術では不可能であった大きな嵩と平滑度の両方を有するシートの実現を可能にする。特に、従来技術では、大きな嵩と良好な表面品質を兼ね備えたシートを作ることは不可能であった。嵩の大きな基材は、安価な材料から作ることができる。紙の場合、使用する木材パルプは、セルロースファイバー、バインダー、及び澱粉などの少量の充填剤及び/又は添加物を含むことができる。
【0054】
本発明の特定の実施態様において、本発明の方法は、該基紙の嵩の、約2%〜5%程度の若干の減少をもたらす。
【0055】
本発明の方法の工程b)では、コーティングされる基材の面、又は該多層構造の基層若しくは増設層の自由面が適切な接着剤で接着される。
【0056】
別の態様では、該基材及び該多層構造の前述の2つの面は同時に接着される、或いは順番に接着される。有利には、該多層構造の基層又は増設層の自由面のみが接着される。
【0057】
接着は、前述の1つ又は複数の面に接着剤の層を塗工することからなり、例えばグラビア印刷などの任意の技術を用いる。該接着剤として、感熱式、非感熱式、UV架橋型、又は化学反応型のものがあり得る。該接着剤は、液状又は非液状の形態で、前述の面又は前述の面の各々に塗工することができる(例えば、熱接着フィルムの場合)。例えば、該接着剤は、以下のポリマー:アクリル、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、スチレンブタジエン、酢酸ビニル、ポリアミド、ニトロセルロース又はその他のセルロース、ポリビニルアルコール、又は澱粉から選択される。塗工された接着剤の層又はこの各層はそれぞれ10μm以下、より好ましくは3μm以下の厚さを有してもよい。接着剤は、有利には、溶媒を含む又は溶媒を含まない、単一成分又は二成分ポリウレタン接着剤である。
【0058】
本発明の特定の実施態様において、該接着剤は、多層構造が調製されている間に、前述の該多層構造の面に塗工される。次いで、該接着剤は、該多層構造の一部を一体的に形成する。該接着剤は、該多層構造が(受け手の)基材に対して当接している間に、加熱することによって活性化される層である感熱式活性化接着剤層によって形成することができる。
【0059】
該接着剤の性質及び(該フィルム上、及び/又は該基材/紙上での)接着プロセスは、該シートの最終的な表面仕上げに大きな影響を与えることがある。例えば、該接着剤を均質に塗工して、基材と基層との間に間隙が形成されることを防止することが重要である。
【0060】
塗工する接着剤の均質性に関して、局所的に接着剤の過不足が生じると、最終シートに表面粗さが出現してしまうため、これを防止するため、接着剤は均質に塗工することが好ましい。有利には、該接着剤が、適切な表面張力と流動性とを有し、該支持体(フィルム又は基材)の全面に拡散する。
【0061】
該接着剤のコーティング方法も重要である。不均質性が最小限である塗膜を製造するコーティング方法には、例えばグラビア印刷(リバースロール又は接触コーティング)が好ましい。該コーティング方法は、より好ましくは、基材の間隙又は表面の凹凸を可能な限り埋めるものが選択される。例えば、紙が、約20μmの平均表面粗さ(例えば、Sa)を有している場合には、間隙を埋めるために、少なくとも10μmの厚さの接着剤を塗工することが好ましい。後者の粗さが大きい場合には、好ましくは、接着剤の塗工は、該基材に対して行われる。紙への塗工が十分でない場合、該紙の表面と基層との間に間隙が形成されてしまう。印刷の際に、これらの間隙は、圧力が加われば陥没してしまい、或いは牽引力が加われば剥離してしまい、該紙の弱点となってしまう。
【0062】
有利には、該基材及び/又は該基層に塗工された該接着剤の厚さは、該基材の平均表面粗さ(例えば、Ra又はSa)の少なくとも半分と同等である。本発明の実施態様において、該接着剤は、工程b)において、該基材の少なくとも一方の面に塗工され、塗工された該接着剤の層の厚みは、該基材の面の平均粗さの少なくとも半分と同等であり、より好ましくは該平均粗さと同等である。
【0063】
該接着剤は、水性基剤又は溶媒基剤、或いは溶媒を含まず、二成分又は単一成分でもよい。
【0064】
該接着剤は、該基層(又は増設層)を該基材上に固定することを可能にし、及び、該当する場合は、該基材表面の凸凹の埋め合わせも可能にする。該接着剤は、特にコーティングされる該基材の面の窪みを埋め、これによりこの面を平坦にすることができるが、該基材の性質、例えば、嵩などには影響を及ぼさない。
【0065】
該シートの基材は、以下にさらに詳細に説明するように、該シートの熱拡散率を増加させる、及び/又は該シートの湿潤強度を増加させる、及び/又は該シートを難燃性にするように意図された充填剤を含んでもよい。
【0066】
そして、本発明の方法の工程b)は、該基材の前述の面を、該多層構造の前述の面に当接させ、両者を積層又は直交積層させることからなる。そして、該基層の一方の側が該基材と該接着剤(及び該当する場合は、1つ又は複数の増設層)との間に挟まれ、他方の側が該プラスチックフィルムと該接着防止コーティングとの間に挟まれる。
【0067】
該基材を該多層構造上に接着させるのに用いる接着剤が熱接着剤タイプである場合、該多層構造への該基材の当接は、例えば50℃〜200℃程度の所定の温度の熱い状態で行われる。又は、多層構造への基材の当接及び接着は、常温で行われる。
【0068】
該基層を該基材上に良好に接着させるためには、接着剤を介した状態で、圧力を加えることが必要である。
【0069】
しかしながら、当接及び接着の際に用いる温度及び/又は圧力は、該基層の特性、特にプラスチックフィルム側に位置する面の表面仕上げを変質させてはならない。例えば、基層は、高温に曝されても軟化してはならず、これは、そのような軟化が該プラスチックフィルム側に位置する面の表面品質の変化及び/又は劣化を招く可能性があるためである。
【0070】
次に、本発明の方法の工程c)は、該基層(及び、該当する場合は、該多層構造の前述した1つ又は複数の増設層)が該基材に残るように該基層及び該基材から該プラスチックフィルムを剥がすことからなる。このようにして、該基層、及び、該当する場合は、1つ又は複数の該増設層は、「送り手」と称される該多層構造のプラスチックフィルムから「受け手」と称される基材へと移される。
【0071】
該方法は、フィルムを剥がす前に、該接着剤を直交積層又は成熟させる工程をさらに含んでもよい。
【0072】
上に説明した通り、該接着防止コーティングの全量が好ましくは該プラスチックフィルム上に残り、その後、該プラスチックフィルムを剥がす際に、該基層から剥がされる。したがって、該多層構造においてプラスチックフィルム側に位置する該基層の面が露出する。
【0073】
該基材及び該多層構造が連続ストリップの形状を有する場合、下記の手順にしたがって、該多層構造の基層が、本発明の方法の工程b)及び工程c)において、該基材へと移すことができる。
【0074】
該多層構造及び該基材の積層又は直交積層は、これら2つの要素を、反対方向に回転する、2つの隣接かつ平行した機械的ローラーの間に通すことで行うことができる。得られる製造物の厚みは、特に該ローラー間の距離に対応する。一旦該接着剤が乾燥又は固化すると、該シートが別の機械的ローラーによって動かされている間に、該シートから該プラスチックフィルムが剥がされる。
【0075】
或いは、該多層構造又は該基材のいずれかを接着し、該接着材を乾燥させ、その後所定の温度及び圧力を与えてこれら2つの要素を互いに当接させてもよい。
【0076】
該方法はさらに、工程b)に先駆けて、基材の前述の面を、1種以上の熱可塑性ポリマー(少なくとも1つのポリスチレン、ポリウレタン、アクリルなど)、又は顔料(カオリン、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタンなど、及びこれらの混合物など)と少なくとも1つのバインダー(アクリルベース、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、スチレンブタジエン、酢酸ビニル、ポリアミド、ニトロセルロース又はその他のセルロース、澱粉、又はPVAなど)との混合物を含む、少なくとも1つの平滑層でプレコーティングすることを含んでもよい。
【0077】
このプレコーティングされた基材の面は、その平滑度を増加させるために、工程b)に先駆けて、さらにカレンダー仕上げをしてもよい。
【0078】
導電性フィルムを設ける工程d1)に関して、このフィルムは金属、導電性ポリマー又は他の導電性材料で形成可能である。このフィルムはシートから独立して製造が可能であり、その後、例えば接着により、該シートの基層上に追加する又は固定することができる。又は、このフィルムは、該シートの基層上の元の場所に形成される。
【0079】
以下の情報は工程d2)に関するものであり、これに従って基層の印刷が可能である。
【0080】
印刷可能層とは、任意の印刷技術により印刷が可能な層であり、特にオフセット、インクジェット、レーザー、ヘリオグラフィ、フレキソ、スクリーン印刷、乾式トナー、液状トナー、電子写真術、リソグラフィー等による印刷が可能な層である。印刷可能層はバインダーを含み、さらに顔料を含んでもよい。
【0081】
本発明の特徴によれば、基層に印刷を施しても、後者の構造的変化を招くことはなく、特に後者の状態又は様相に変化(例えば、固体状態から液体状態へ移行し、また固体状態に戻るなど)が生じることはない。
【0082】
多層構造の基層が印刷可能層である場合は、印刷可能なワニス、紙コーティングなどから選択することができる。
【0083】
本特許出願において、印刷可能なワニスとは、アクリルポリマー、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、スチレンブタジエン、酢酸ビニル、ポリアミド、ニトロセルロース又はその他のセルロース、ポリビニルアルコール、澱粉などをベースとする物質を指す。一般的に、この物質は、液体の形態で塗工され、乾燥/加熱、又は紫外線(UV)照射、又は電子照射によって固化される。
【0084】
紙コーティング又はコーティング組成物は、バインダー及び可能であれば顔料を含む組成物を意味する。印刷可能な基層のバインダーは、主バインダーと、可能であれば副バインダーとを含んでもよい。
【0085】
本特許出願において、主バインダーとは、該層において他のバインダーに対して多数を占めるバインダーを意味し、特に副バインダーに対して多数を占めるバインダーを意味する。
【0086】
該主バインダーは有利にはスチレンブタジエン共重合体(XSB)及び/又はスチレンアクリレート共重合体(SA)などの合成ラテックスである。該バインダーは、XSBの割合を55%から80%の間とし、SAの割合を20%から45%の間としたXSB及びSAなどの2つのラテックスの組み合わせを含んでもよく(該割合は、これらのバインダーの全乾燥重量に対する乾燥重量での割合)、XSBを60%から70%とし、SAを30%から40%の間としてもよい(該割合は、これらのバインダーの全乾燥重量に対する乾燥重量での割合)。該基層は、アクリルをベースとするバインダー、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、スチレンブタジエン、酢酸ビニル、ポリアミド、ニトロセルロース又はその他のセルロース、ポリビニルアルコール、澱粉、又は後者の混合物を含んでもよい。
【0087】
該副バインダーはエチレン共重合体-アクリル酸(EAA)をベースとする接着促進剤であればより好ましい。この副バインダーは、該基層の光沢を増加させることを可能にし、HPインジゴタイプの液状トナーインクなど特定のインクの該基層上での粘着状態を向上させる。
【0088】
該顔料は、紙コーティングにおけるバインダーに対して大部分を占めてもよい。該顔料は、例えば、2μm environ以下、さらには1μm以下で、例えば約0.5μmの平均サイズ又は平均直径を有する。該顔料は、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタン、タルク、シリカ、マイカ、真珠光沢粒子、プラスチック顔料(ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、スチレン-アクリル等を含む顔料で、例えば、Rohm&Haas社のRopaque Ultra-E顔料)、金属性顔料(銀、銅等を含む顔料で、例えば、Rondot S.A.社のBrookprint Sparkle Silver顔料)、及びこれらの混合物から選択することができる。有利にはこれらは炭酸カルシウムである。
【0089】
該基層で(バインダー及び/又は顔料として)用いられるプラスチック材料は、砕けやすく、再利用時に木製パルプを汚染しない。これに対し、該プラスチックフィルムは、該木製パルプの懸濁液に戻してもなお凝集性を維持し、フィルターを目詰まりさせてしまう。この点に関して、水溶性バインダー(澱粉、ポリビニルアルコール(PVA)など)は再利用の際に水中で分散するため、特に有利である。
【0090】
さらに、該紙コーティングは、分散剤、及び/又は、流動性改質剤、及び/又は、染料、及び/又は、展着剤又は表面剤、及び/又は、導電性添加剤を含んでもよい。この該導電性添加剤は、該シートの表面抵抗率を小さくするために用いることができる。
【0091】
印刷可能層は、互いに重なり合った2つ以上の下層から作ることができ、各下層は印刷可能であり、前述のタイプのもの(印刷可能なワニス、紙コーティングなど)から選択される。
【0092】
有利には、シートの基材を形成する紙が透写紙である場合、該方法によって得られるシートが一定の透明度を有するように、印刷可能な基層が、透明度、及び該層の全乾物重量に対して乾燥重量で30%よりも大きいバインダー比を有する。透写紙の使用は、シートを介した照射エネルギーの通過及び回収を可能にするのに特に有利であり、したがって光電池又は太陽電池の実現に特に適している。透写紙の透明度はその坪量に特に依存し、例えば、62g/m
2の透写紙の場合に約60%〜70%であり、175g/m
2の透写紙の場合に40%〜50%である。
【0093】
インクは、例えば、ナノ粒子又は金属ミクロ粒子(銀、銅等)を含み、カーボンのナノ粒子又はミクロ粒子、及び/又は少なくとも1つの導電性ポリマー(PEDOT/PSS等)を含んでもよい。
【0094】
該金属粒子は粉末状でもよい。したがって、該粒子が基層上に塗工された際に、該粒子間に隙間が生じる。焼き鈍しの工程により、ナノ粒子を一体的に融合又は焼結させることができるため、これにより電流が該粒子間を通過することが可能になる。設置された該導電層は、例えば1μm以下の厚さを有し、これは300nm以下としてもよく、例えば約30nmである。この比較的薄い厚さにより、シートに良好な伝導性を持たせることができる。特に、基層が高い平滑度を有することで、薄いインクの層が表面上に連続して残るため、該基層上に厚い導電層を設ける必要はない。金の層を、厚さ20nm〜100nmで、例えば30nm〜40nm environの厚さで設けても良い。
【0095】
焼き鈍しは、炉(例えば、150℃〜200℃の温度で、約5分〜10分)、ホットプレート、光子炉又は赤外線乾燥器内で行うことができる。該光子炉(例えば、NovaCentrix社のPulseForge(登録商標)3300デバイス)は、インクの導電性粒子の、より好ましくはスクリーン印刷により基層に塗工されたインクの導電性粒子の効果的な焼結を可能にする。該導電性粒子は銀、銅、又は種々の合金などの粒子である。これは、例えば100℃以上の温度で行われ、好ましくは120℃以上、最も好ましくは150℃以上の温度で行われ、これにより、インクの導電性材料又は粒子が良好な凝集性を有し、層がより良好な導電性を有するため、該シートが150℃〜170℃で良好な熱安定性を有し、非常に有利である。従来技術によるプラスチックフィルム(PET、PEN等)は通常120℃〜140℃で分解が始まるため、そのような焼き鈍し温度を適用することができない。焼き鈍し時間は5分以下であり、例えば2分〜3分である。焼き鈍しを行う間、シートの寸法の変化が制限されるように、牽引力で(例えば軸又は2つの直交軸に沿って)該シートを保持して、焼き鈍しを行ってもよい。通常、焼き鈍し又はそのような処理の間、シートは良好な熱及び寸法安定性を示す。
【0096】
本発明の方法はさらに以下の工程のうち1つ又は複数の工程を含んでもよい。
- 工程d2)よりも前に、シートの熱前処理を実行して、該シートに含まれる水分を少なくとも一部除去する;紙は水重量の約5%を含むことができる;該熱前処理は、シートからの水分の除去を可能にし、印刷及び焼き鈍しが行われた該シートは実質的に水分を含まない;これにより、焼き鈍しの際に、このシートの紙に含まれる水分の蒸発によるリップリング及びシートの変形のリスクを抑えることができる;
- フォトリソグラフィー又はレーザーアブレーションを介して、シートの導電層の所定の領域を剥がす工程;
- 工程d2)を少なくとも一度繰り返し、各回の工程d2)と、この工程に続いて行われる工程d2)とは、その間に該シートの初期湿度を実質的に回復させるように意図した、該シートを休ませる中間工程で隔てられる工程;及び
- 工程d2)に先立って、該基層のプラズマ処理を行うことからなる工程を行う;この処理により、該基層の表面仕上げを改変してその疎水性を高めることができ、これによりインクが拡散して基層を過度に濡らしてしまうことを防止する(これは層上のパターン印刷の精度及び解像度を向上することにもなる);有利には、該基層のフッ素プラズマ処理(SF
6)を行う。
【0097】
該方法はさらに、シートと共に、少なくとも1つの抵抗体、キャパシタ、トランジスタ、RFIDチップ、アンテナ、論理回路、メンブレンスイッチ(SWITCH)、光電池、バッテリー、エネルギーを回収するための手段、バックライトシステム、有機又は無機発光ダイオード(OLED)などの固体照明又は表示のための手段、センサー、メンブレンキーボード、又はこれらの部品の任意の組み合わせを実現することからなる工程を含む。
【0098】
該方法はさらに以下の特徴を有する:
(i)工程a)で調製された多層構造において、該基層が前述のプラスチックフィルムの面の表面よりも小さい表面上で延伸し、及び/又は
(ii)該多層構造と該基材とが、工程b)において、前述のシートの表面よりも小さい表面に直交積層され、及び/又は
(iii)工程c)において剥がされたプラスチックフィルムが、その長さ及び幅の少なくとも一方の寸法が該シートの前述の面の対応する寸法よりも小さく、及び/又は
(iv)工程c)で得られたシートが裁断され、そして、該シートの少なくとも1つの面が、該面の残余の部分よりも平滑度の高い領域を少なくとも1つ含み、この領域が、該基層により形成され、該シートの基材上で該面の表面よりも小さい表面上で延伸する平滑な外層を含むように、このシートから少なくとも1つの切片が別のシートの基材に接着される。
【0099】
該方法は、工程a)と工程b)との間に、多層構造を裁断する工程を含んでもよい。
【0100】
好ましくは、工程b)において、該多層構造の少なくとも1つの切片が該基材に直交積層され、そして、工程c)において、該プラスチックフィルムと該接着防止コーティングとが前記接着された切片から剥がされ、該切片が例えば数メートルの長さを有するストリップの形状である。
【0101】
好ましくは、工程b)において、該多層構造の該基材上への設置が、前述の領域に圧力を加えるように意図されたスタンププレス方法により、又は工程b)において使用する感熱タイプの接着剤を柔らかくすることのできるホットフォイルスタンププレス方法により行われる。
【0102】
好ましくは、工程a)において調製された該多層構造のプラスチックフィルムの長さ及び幅の少なくとも一方の寸法が該シートの前述の面の対応する寸法よりも小さい。
【0103】
好ましくは、該シートが、抄紙機、例えばこの抄紙機の最終乾燥工程部分において、オンラインで実現される、又は紙裁断機もしくは紙仕上げ機において、オフラインで実現される。
【0104】
該方法は、工程c)に先駆けて、該プラスチックフィルムの反対側に位置する該多層構造の面に導電性インクで印刷を行う、又はこの面に導電性コーティングを塗工する工程を含んでもよい。
【0105】
好ましくは、工程a)の間、該プラスチックフィルムに塗工された該接着防止コーティングが、導電性インクで印刷が行われる、又は導電性コーティングで覆われる。
【0106】
有利には、前述の(iv)の場合、裁断される該シート又該切片は、別のシートの基材に接着される前に、導電性インクで印刷が行われる、又は導電性コーティングで覆われる。
【0107】
本発明は、さらに、導電性製品を製造する方法に関し、該方法が、特に基層の印刷を行う工程、及び/又はフォトリソグラフィー又はレーザーアブレーションを介して導電層の所定の領域を剥がす工程を実施することによって、シートによって、より好ましくは上に説明した方法で得たシートによって、少なくとも1つの抵抗体、キャパシタ、トランジスタ、RFIDチップ、アンテナ、論理回路、メンブレンスイッチ(SWITCH)、光電池、バッテリー、エネルギーを回収するための手段、バックライトシステム、有機又は無機発光ダイオード(OLED)などの固体照明又は表示のための手段、センサー、メンブレンキーボード、又はこれらの部品の任意の組み合わせを実現する。
【0108】
本発明は、さらに導電性製品に関し、該製品がシート、より好ましくは上に説明した方法で得たシートを含み、特に基層の印刷を行う工程、及び/又はフォトリソグラフィー又はレーザーアブレーションを介して導電層の所定の領域を剥がす工程を実施することによって、該シートが、少なくとも1つの抵抗体、キャパシタ、トランジスタ、RFIDチップ、アンテナ、論理回路、メンブレンスイッチ(SWITCH)、光電池、バッテリー、エネルギーを回収するための手段、バックライトシステム、有機又は無機発光ダイオード(OLED)などの固体照明又は表示のための手段、センサー、メンブレンキーボード、又はこれらの部品の任意の組み合わせを有する製品に変換される。
【0109】
前述の場合、各シートの処理面の全体が、該プラスチックフィルムを剥がすように意図された該多層構造で覆われる。これにより、多量のプラスチックフィルム、多量の接着防止コーティング及び多量の接着剤を用いることができるため、最終製品のコストが増加する。
【0110】
このコストの増加に起因して、該方法を特定の用途にのみ限定して、他の用途に用いないということも可能である。さらに、紙を積層する工程は、特に該多層構造の寸法のために、抄紙機で製造された後の紙を処理するように意図された特別な機械、すなわちオフラインを必要とする。
【0111】
本発明の他の態様は、特にこの問題に対する簡単、効果的かつ経済的な解決策を提供することを目的とする。
【0112】
この目的のため、本発明はシートを製造するための方法を提案する。このシートの少なくとも1つの面は、該面の残余の部分よりも平滑度の高い領域を少なくとも1つ含む。この領域は、該面の表面よりも小さい表面上で、該シートの基材上で延伸する平滑な外層を含む。該方法は:
a)少なくともプラスチックフィルム、接着防止コーティング、及び基層を有し、又はこれらによって構成されており、該プラスチックフィルムの面と該基層との間に該接着防止コーティングが挿入された多層構造を調製又は提供する工程;
b)該基材の面及び/又は該プラスチックフィルムの反対側に位置する該多層構造の面を接着し、該基材の前述の面を該多層構造の前述の面に当接させ、該多層構造と該基材とを直交積層させる工程;及び
c)該平滑な外層を定義する該基層から該プラスチックフィルムと該接着防止コーティングとを剥がす工程を含み、
(i)工程a)において調製された該多層構造において、該基層が該プラスチックフィルムの前述の面の表面よりも小さい表面上で延伸し;
(ii)該多層構造と該基材とが、工程b)において、該シートの前述の表面よりも小さい表面上に直交積層され;
(iii)工程c)において剥がされた該プラスチックフィルムの長さ及び幅の少なくとも一方の寸法が該シートの前述の面の対応する寸法よりも小さく;及び/又は
(iv)工程c)で得られた該シートが裁断され、そして、該シートの少なくとも1つの切片が、別のシートの基材に接着されることを特徴とする。
【0113】
本特許出願において、シートの(面の)領域とは、該シートの(面の)一部のみを意味する。該領域は例えばその長さ及び幅のうち少なくとも一方の寸法が、該シートにおいて対応する寸法よりも小さい。該領域は例えばストリップの形状を有し、該シートの縦エッジの1つに沿って延伸してもよい。該領域は、該シートの(面の)表面の50%未満、より好ましくは20%未満、最も好ましくは10%未満に相当する表面を占めてもよい。
【0114】
本発明によると、シートの基材の面の一部のみが、前述の平滑な外層で覆われている。これにより、従来技術において用いられるよりも少量でのプラスチックフィルム、接着防止コーティング及び/又は接着剤の使用が可能になり、したがって、該シートの製造コストを抑え、経済的な理由から従来技術においては検討が不可能であった複数の用途を検討することができるため、特に有利である。
【0115】
紙を製造するという特定の場合において、この紙の製造方法の適用に伴う追加のコストは比較的低く、これによりこの紙の複数の異なる用途での使用を検討することが可能になる。
【0116】
前述の外層は、領域に比較的高い平滑度を与え、この平滑度はシートの残余の部分、すなわちこの層を含まないシートの他の部分の平滑度よりも高い。この平滑度は、該多層構造のプラスチックフィルムの平滑度によって生じ、使用する基材の平滑度に依存しない。例として、前述の領域又はこの各領域はそれぞれ900sよりも大きい(より好ましくは1000sよりも大きく、最も好ましくは2000sよりも大きい)ベック平滑度を有し、シートの残余の部分は、900sよりも小さい(より好ましくは500sよりも小さく、最も好ましくは200sよりも小さい)ベック平滑度を有する。
【0117】
さらに、該基層は、磁気特性(特に、自己インダクタンス、コイル及びアンテナを実現する場合の強磁性)又は、他の特性、特にバリア特性(基層をアルミニウムフィルムに関連付けることができる、又は基層がアルミニウムフィルムに近い特性を有することができる)、その外観を変化させる特性(基層が色彩、反射性などを有することができる)、光電子又は光学的特性(基層が導波管を形成することができる)、及び/又はセキュリティ機能(基層がマイクロ印刷、ホログラム、虹色等を含むことができる)を有することができる。
【0118】
さらに、該シートの平滑な基層で覆われていない部分は従来リサイクル可能であるため、本発明のシートはリサイクルの観点から明確な利点を有する。該シートの平滑な部分は、該シートの残余の部分から独立してリサイクルして、該シートに含まれる導電性材料を回収できるように、剥離させる又は裁断することができる。
【0119】
該多層構造は、1つ以上の層、すなわち、接着防止コーティングと基層との間に挿入された1つ又は複数の他の層を含むことができる。多層構造の場合、最初の層の平滑度が後続の層に伝わるという利点がある。これは、紙の熱安定性が、広い表面に亘って実現されるシステムの光学的及び電気的品質を与える安定したスタックを可能にするという点において一層興味深い(一連の焼き鈍し温度が高いがために、伝導性に優れるので、長距離に亘る充填剤のロスが少ない)。
【0120】
透明導電層の場合(PEDOT:例えばPSSタイプ)、熱焼き鈍しは、伝導性を得るための唯一の方法ではあるが(透明度のため、フラッシュ焼結は使用できない)、多層システムの場合、通常この層は基材に設けられるものの最後の1つである。したがって、本発明の超平滑な紙は、塗工する透明導電性ポリマーの量を抑えることを可能にする。
【0121】
本発明の方法の前述の第1の場合(i)において、工程a)において調製された多層構造で、基層が前述のプラスチックフィルムの面の表面よりも小さい表面上で延伸する。したがって、該基層は該プラスチックフィルムの一部のみを覆う。 該基層と該プラスチックフィルムとの間に挟まれた該接着防止コーティングは、該プラスチックフィルムの全量又は該フィルムの一部のみを覆う。有利には、該基層は、該プラスチックフィルムの一部のみを覆う該接着防止コーティングの全量を実質的に覆う。該基層は、シート上に形成された平滑度の大きい領域の形状及び寸法に類似した形状及び寸法を有してもよい。
【0122】
該方法の前述の第2の場合(ii)において、該多層構造及びシートの基材は工程b)において該シートの表面よりも小さい表面上に直交積層される。接着剤は、該多層構造の一部にのみ、及び/又は該シートの基材の一部にのみ塗工してもよい。接着された部分は、該シート上に形成された平滑度の大きい領域の形状及び寸法に類似した形状及び寸法を有してもよい。
【0123】
(i)及び(ii)の場合を組み合わせてもよい。この場合、該基層は、工程a)において調製された該多層構造のプラスチックフィルムにおける表面よりも小さい表面上で延伸し、該多層構造及び該シートの基材は、工程b)において、該シートの表面よりも小さい表面上で直交積層される。
【0124】
該方法の前述の(iii)の場合、工程c)において剥がした該プラスチックフィルムは、その長さ及び幅のうち少なくとも一方の寸法が該シートの前述の面の対応する寸法よりも小さい。
【0125】
(i)及び(iii)の場合を組み合わせてもよい。該基層は工程a)において調製された該多層構造のプラスチックフィルムの表面よりも小さい表面上で延伸し、工程c)において剥がされたプラスチックフィルムはシートよりも小さい。
【0126】
(ii)及び(iii)の場合を組み合わせてもよい。該多層構造及び該シートの基材が、工程b)において、該シートの表面よりも小さい表面上で直交積層され、工程c)において剥がされたプラスチックフィルムは該シートよりも小さい。
【0127】
最後に、(i)、(ii)及び(iii)の場合を組み合わせてもよい。この場合、該基層は工程a)において調製された該多層構造のプラスチックフィルムの表面よりも小さい表面上で延伸し、該多層構造及び該シートの基材が、工程b)において、該シートの表面よりも小さい表面上で直交積層され、工程c)において剥がされたプラスチックフィルムは該シートよりも小さい。
【0128】
該方法の前述の(iv)の場合、工程c)で得られたシートは裁断され、そしてこのシートから少なくとも1つの切片が別のシートの基材上に接着される。この特定の場合と前述の場合とを組み合わせてもよい。
【0129】
シートが紙製の基材を含む場合、本発明は、一方でこの紙の所定の位置に平滑度の大きい領域を設けることを可能にし、他方で、例えば情報の表示のため、特に、該紙が印刷可能であれば情報を印刷するため、該シートの残余の部分を残すことができ、特に有利である。
【0130】
本発明はさらに任意の種類の基材において用いることができる。本発明は、グラフィックアート、レターヘッド、封筒、ポストイット(登録商標)、セキュア紙等に用いることができる。
【0131】
これに加え、本発明のシートは、抄紙機、例えばこの抄紙機の最終乾燥工程部分において、オンラインで実現することができる、又は紙裁断機もしくは紙仕上げ機において、オフラインで実現することができるという利点を有する。
【0132】
該方法は、工程a)と工程b)との間に多層構造を裁断する工程を含んでもよい。工程b)において該多層構造の1つ又は複数の切片を該基材に接着し、工程c)においてプラスチックフィルムと接着防止コーティングとを接着した切片又は各切片から剥がしてもよい。
【0133】
該切片又は各切片は、例えば、数メートルの長さを有するストリップの形状を有してもよい。この細長い形状の切片を、(毎秒数百メートル位以内のスピードで)ローラーに巻きつけ、該ローラーから取り外すことも可能であり、これは製紙業において特に有利である。該多層構造が、特にプラスチックフィルムが存在しているために、十分な耐性を有し、このような巻きつけと取り外しとが可能である。
【0134】
基材への多層構造の設置は、前述の領域又は各領域に圧力を加えるように意図されたスタンププレス方法により、又は工程b)において使用する感熱タイプの接着剤を柔らかくするように意図されたホットフォイルスタンププレス方法により行われる。
【0135】
工程a)において調製された該多層構造のプラスチックフィルムは、より好ましくはその長さ及び幅のうち少なくとも一方の寸法が該シートの前述の面の対応する寸法よりも小さい。
【0136】
該方法は、工程c)に先駆けて、該プラスチックフィルムの反対側に位置する前記多層構造の面に導電性インクで印刷を行う、又はこの面に導電性コーティングを塗工する工程を含む。このように、該基層が該シートの基材上に移される前に、多層構造が導電性を得る。該層又は該導電性コーティングは該プラスチックフィルムの反対側に位置する多層構造の面に位置するため、該基層の面に位置することができる。工程c)において、この面は該シートの基材に接着される。この場合、該導電層(コーティング又はインク)は、この導電層の上部で延伸する基層により保護される。前述の印刷又は塗工は、上述した多層構造の裁断よりも前に行ってよい。
【0137】
工程a)の間、前記プラスチックフィルムに塗工された該接着防止コーティングが、導電性インクで印刷が行われる、又は導電性コーティングで覆われる。その後、工程a)において、該基層はインク又はコーティング上に直接設けられる。
【0138】
前述の(iv)の場合、該基層は、より好ましくは、基材又は薄いシート上に移される。裁断される前記シート又前記切片は、前記別のシートの基材に接着される前に、導電性インクで印刷されてもよい、又は導電性コーティングで覆われてもよい。
【0139】
シート又は該シートの基材を接着防止コーティングで覆って、又はプラスチックフィルムから形成して、基層を転移させる前に裁断してもよい。
【0140】
本発明の方法はさらに湿気に対する抵抗力を増す目的のためにシートに処理を施す工程を含んでもよい。該シートに対し、例えば、湿潤状態における該シートの劣化を防ぐ湿潤強度剤によるWS(Wet Strength:湿潤強度)処理を行ってもよい。ポリアミドアミン-エピクロロヒドリンがシートに湿潤強度特性を与えることは知られている。例えば、該シート中の1%のKymene(登録商標)617(Hercules社)が、乾燥状態に対して、湿潤状態における15%の牽引力に対する抵抗力を有することを可能にする。
【0141】
また、本発明は上に説明した方法により得られるシートに関する。このシートの少なくとも1面が、該面の残余の部分よりも平滑度の高い領域を少なくとも1つ含む。この領域は、該面の表面よりも小さい表面上で延伸する平滑な外層を含む。該平滑な外層は導電性である又は導電層で覆われている。該導電層は、抵抗体、キャパシタ、トランジスタ、RFIDチップ、アンテナ、論理回路、メンブレンスイッチ(SWITCH)、光電池、バッテリー、エネルギーを回収するための手段、バックライトシステム、有機又は無機発光ダイオード(OLED)などの固体照明又は表示のための手段、メンブレンキーボード、及びセンサーのうち少なくとも1つの要素を定義する、又はこれらの部品の少なくとも1つと接続されている。該シートの両面はこのタイプの領域を少なくとも1つ含む。
【0142】
該シートは、少なくとも2つの前述のタイプの領域を含んでもよく、これらの領域の導電層は、例えばシート中に含まれる導体により、互いに電気的に接続可能である。
【0143】
これらの導電層は異なる電子的機能及び/又は特性を有してもよい。
【0144】
該領域又は各領域はそれぞれ該シートの前述の面の表面の50%未満、より好ましくは20%未満、最も好ましくは10%未満に相当する表面を占めてもよい。
【0145】
該シートは例えば紙製の基材を含む。
【0146】
該導電層又は各導電層はそれぞれ国際公開公報第2012/031096号に記載されたようなマイクロメートルサイズのダイオードを複数含んでもよい(又はこのダイオードでコーティングされてもよい)。
【0147】
本発明はさらに、上に説明した方法により得ることのできるシートに関する。このシートの少なくとも1面が、該面の残余の部分よりも平滑度の高い領域を少なくとも1つ含む。この領域は、該面の表面よりも小さい表面上で延伸する平滑な外層を含む。該平滑な外層は、例えば導波管を形成する光学及び/又は光電子層で覆われている。
【0148】
さらに、該領域は少なくとも1つの導電層を含み、該導電層はより好ましくは電流により電力の供給を受けた際に光学層に対して光ビームを放射するよう意図されたマイクロダイオードで覆われている。
【0149】
本発明はさらに導波管などの光学層を有するシートを製造する方法に関し、該方法は以下の工程を含む:
a)少なくともプラスチックフィルム、接着防止コーティング、及び基層を有し、又はこれらによって構成されており、該プラスチックフィルムの面と該基層との間に該接着防止コーティングが挿入された多層構造を調製又は提供する工程;
b)該基材の面及び/又は該プラスチックフィルムの反対側に位置する該多層構造の面を接着し、該基材の前述の面を該多層構造の前述の面に当接させ、該多層構造と該基材とを直交積層させる工程;及び
c)該基層から該プラスチックフィルムと該接着防止コーティングとを剥がす工程、ここで光学層が該基層に設けられることを特徴をする。
【0150】
該光学層は、例えばコーティングなど任意の適切な技術により該基層に設けることができる。該光学層は例えば1つ又は複数のポリマーを含む。
【0151】
本発明は特に導波管などの光学層を有するシートを製造するのに有利である。例えば電磁波又は光波などの導波を行うように意図されたポリマーの層の支持体として、該基層を用いることができる。この層中を伝達する波は、該基層と該ポリマー層との間の極めて平滑かつ平坦なインタフェースに反射して、これによりポリマー層内での伝達が可能になる。
【0152】
本特許出願において、光学層とは光学的特性を有する層を意味し、特に、該層が露出される光線の少なくとも一部を反射、吸収及び/又は拡散できる層を意味する。光学層は、例えば、導波管を形成することができ、また、1つ又は複数の材料から形成することができる。
【0153】
本実施態様は、前述の特徴、特に平滑度の大きい領域をシート上に1つのみ作成すること、及び該シート上に導電層を設けることに関する特徴の各々、又は全て若しくは一部と組み合わせることができる。
【0154】
特定の場合において、該シートは前述のタイプであり、光学層を含み、このシートの基層は導電層である、又は導電層で覆われている。光学層及び導電層が延伸する領域は独立していてもよいし、少なくとも部分的に重なり合う、又は互いに接続してもよい。
【0155】
本発明のシートはさらにその基材内部、基材上、又は複数の層のうちの1つの層(基層、導電層、光学層等)上に強磁性材料の粒子を含んでもよい。これらの粒子により該シートの透磁率を変化させることができ、該シートに適用される磁界を局所的又は全域的に変化させるという機能を該シートに持たせることができる。これにより、例えば、特定の波をフィルタリングする特性をシートに持たせることができる。シートにコイルが含まれる場合、後者はその透磁率を増加させるために、鉄製の芯/核、コバルト、又はニッケルを含んでもよく、これにより例えば該シートの他のコイルとの結合が向上する。
【0156】
本発明のシートはさらに、熱拡散率を増加させる手段を含む、又は熱拡散率を増加させる処理が行われ、後者は特にシートの、熱を伝導させるキャパシティ(熱伝導率)及び熱を蓄えるキャパシティに依存する(熱容量)。シートが電子機器に関連付けられるよう意図されたものである場合、該機器の動作中に生じる熱を発散させることができるように、該シートが良好な熱拡散率を有することが好ましい。
【0157】
熱の発散は表面又は全体から行ってもよい。該シートの表面上での良好な熱の発散を可能にするため、例えば該基層の下又は支持体を形成する紙の上で、アルミニウムフィルムを該シートと一体的に設けてもよい。アルミニウムフィルムは約15μmの厚さを有してもよい。全体で熱を発散させるため、紙の支持体の材料中にこの紙の熱伝導率を上げるように意図された特定の充填剤を含んでもよい。これらの充填剤は、ダイヤモンドのナノ粒子、ファイバー若しくはカーボンブラック、又は、例えばAl
2O
3、AlN、MgO
2、ZnO、BN、SiN
4、SiC及びSiO
2などの酸化物、窒化物及び炭化物であってもよい。
【0158】
添付した図面を参照しつつ、以下の非限定的な、実施例による詳細を勘案することによって、本発明の理解を深めることができ、及び本発明のその他の詳細な内容、特徴及び利点についてもより明らかになる。