特許第6378135号(P6378135)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6378135
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】通信プラグ
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/24 20180101AFI20180813BHJP
   H01R 24/64 20110101ALI20180813BHJP
   H01R 13/41 20060101ALI20180813BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20180813BHJP
   H01R 43/20 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   H01R4/24
   H01R24/64
   H01R13/41
   H01R43/00 B
   H01R43/20 Z
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-103475(P2015-103475)
(22)【出願日】2015年5月21日
(65)【公開番号】特開2015-222721(P2015-222721A)
(43)【公開日】2015年12月10日
【審査請求日】2018年4月10日
(31)【優先権主張番号】62/001,747
(32)【優先日】2014年5月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/716,540
(32)【優先日】2015年5月19日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507202736
【氏名又は名称】パンドウィット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・シー・スタニスロー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ビー・ヴァービーク
(72)【発明者】
【氏名】サティシュ・アイ・パテル
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・オーヤン
【審査官】 山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−116336(JP,A)
【文献】 特開平8−250180(JP,A)
【文献】 特開2009−054578(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3127814(JP,U)
【文献】 米国特許第5727967(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/24
H01R 24/64
H01R 13/41
H01R 43/00
H01R 43/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信プラグであって、
複数のプラグコンタクトスロットを含んだプラグ筐体と、
第1の面を備えた第1の尖叉および第2の面を備えた第2の尖叉を含んだ少なくとも1つのプラグコンタクトであって、前記第1の面および前記第2の面は互いに向き合っており、且つさらに互いに平行であり、前記少なくとも1つのプラグコンタクトの各々は、前記プラグコンタクトスロットのうちの1つ内に位置付けられた、少なくとも1つのプラグコンタクトと、
前記第1の尖叉と前記第2の尖叉との間に位置付けられた支持要素と、を備えた、通信プラグ。
【請求項2】
前記支持要素は、前記第1の尖叉と前記第2の尖叉との間に位置付けられたブリッジを含んでいる、請求項1に記載の通信プラグ。
【請求項3】
前記プラグコンタクトスロットのうちの1つは、前記第1の尖叉と前記第2の尖叉との間に位置付けられた前記ブリッジを含み、これにより前記第1の面は第1側に沿って前記ブリッジに接触し、前記第2の面は第2側に沿って前記ブリッジに接触している、請求項2に記載の通信プラグ。
【請求項4】
通信システムであって、
通信機器と、
前記通信機器に接続されたパッチコードと、を含み、
前記パッチコードは、通信プラグに接続された通信ケーブルを含み、前記通信プラグは、複数のプラグコンタクトスロットを有するプラグ筐体を含み、少なくとも1つのプラグコンタクトは、第1の面を備えた第1の尖叉および第2の面を備えた第2の尖叉を含み、前記第1の面および前記第2の面は互いに向き合っており、且つさらに互いに平行であり、前記少なくとも1つのプラグコンタクトの各々は、前記プラグコンタクトスロットのうちの1つ内に位置付けられ、支持要素は、前記第1の尖叉と前記第2の尖叉との間に位置付けられている、通信システム。
【請求項5】
信号導体を有する通信ケーブルに対して通信プラグを終端させる方法であって、前記方法は、
前記信号導体を受容するための導体チャネルを伴ったプラグ筐体を提供するステップであって、前記プラグ筐体は、プラグコンタクトを受容するためのブリッジを伴ったプラグコンタクトスロットを有する、プラグ筐体を提供するステップと、
前記信号導体と接触させるための絶縁体貫通コンタクトを伴った前記プラグコンタクトを提供するステップであって、前記プラグコンタクトは、第1の面を備えた第1の尖叉および第2の面を備えた第2の尖叉を有し、前記第1の面および前記第2の面は互いに向き合っており、且つさらに互いに平行である、プラグコンタクトを提供するステップと、
前記ブリッジが第1の尖叉と前記第2の尖叉との間に位置付けられて、前記第1の面が第1側に沿って前記ブリッジに接触し、前記第2の面が第2側に沿って前記ブリッジに接触するように、それぞれの前記プラグコンタクトスロット内に前記プラグコンタクトを位置付けるステップと、
前記絶縁体貫通コンタクトとそれぞれの信号導体との間の電気接触を達成するように、前記プラグコンタクトを圧着するステップと、を含んでいる方法。
【請求項6】
通信プラグを製造するための方法であって、前記方法は、
複数のプラグコンタクトスロットを有するプラグ筐体を提供するステップであって、前記プラグコンタクトスロットの各々は、ブリッジを有する、プラグ筐体を提供するステップと、
第1の面を備えた第1の尖叉および第2の面を備えた第2の尖叉を有するプラグコンタクトを、前記複数のプラグコンタクトスロットの各々の中に部分的に挿入するステップであって、前記第1の面および前記第2の面は互いに向き合っており、且つさらに互いに平行であり、これにより前記ブリッジが前記第1の尖叉と前記第2の尖叉との間に位置付けられて、前記第1の面が第1側に沿って前記ブリッジに接触し、前記第2の面が第2側に沿って前記ブリッジに接触す、プラグコンタクトを複数のプラグコンタクトスロットの各々の中に部分的に挿入するステップと、を含んでいる方法。
【請求項7】
通信プラグであって、
複数のプラグコンタクトであって、前記プラグコンタクトの各々が、第1の面を備えた第1の尖叉および第2の面を備えた第2の尖叉を含み、前記第1の面および前記第2の面は互いに向き合っており、且つさらに互いに平行である、プラグコンタクトと、
複数のプラグコンタクトスロットを有するプラグ筐体であって、前記プラグコンタクトの各々は、前記プラグコンタクトスロットのうちの1つ内に位置付けられ、前記プラグ筐体は、前記第1の尖叉と前記第2の尖叉との間に位置付けられた支持要素をさらに含んだプラグ筐体と、を備えている、通信プラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年5月22日に出願された米国仮特許出願第62/001,747号明細書の利益を主張するものであり、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施形態は、概して、ネットワーク通信の分野、より具体的には、通信コネクタならびにその製造および使用の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
通信コネクタは、今日のネットワーキング環境に不可欠である。これらのコネクタは、多様な能動的および/または受動的構成要素間の相互接続性を可能にする。銅ケーブルと併せて使用されるネットワーク接続性の1つの特定の人気のある形態は、RJ45フォームファクタである。RJ45通信チャネルは、RJ45ジャックを含むことができ、通信ケーブルはそれに接続され、対応するRJ45プラグと嵌合し、かつそれに接続される別の通信ケーブルも有する。プラグおよびジャックが嵌合される時、電子データが、それを通って伝送され得る。信頼性のあるデータ伝送のために、連続性は、ジャックケーブルから、ジャックケーブルコンタクト、ならびにジャック、ジャック/プラグインターフェース、プラグコンタクト、およびプラグケーブルの残部を通じて、維持されなければならない。
【0004】
1つのタイプのプラグコンタクトは、絶縁体貫通コンタクト(IPC)であり、これは、プラグがケーブルに対して終端される時、典型的に2つ、またはそれ以上のIPC貫通尖叉でプラグケーブルの絶縁体を貫通する。2つの尖叉の先端は、互いから縦方向に変位され、かつ横方向に互いに対してわずかに変位される。理想的には、2つの尖叉は、それらが金属導体のいずれかの側上で接触するように、それぞれの導体絶縁体を貫通し、かつ導体コンタクトに対する信頼性のあるIPCを確実にするように、尖叉間で金属導体を捕捉し、信頼性は、衝撃、振動、プラグ/ジャック嵌合サイクル、および他の装荷の存在下で維持される。一部のIPCは、比較的剛性であり得る、比較的短い貫通尖叉長さを有し得、この剛性は、プラグの終端中に問題をもたらし得る。例えば、IPCおよびケーブル導体は、終端中に互いから離れて捻じるように付勢され得、ケーブル導体が、主にIPC尖叉のそれらの角部において、対応するIPCの尖叉に接触することをもたらす。IPCの捻じれはまた、プラグ筐体くし状部を変形させ、ジャックコンタクトの自由な移動に重要であるクリアランスを低減させ得る。別の実施例において、終端中に必要とされ得る増加した圧着力は、導体トンネルの縁部に導体を付勢し、同時に、トンネル縁部において、導体絶縁体を押し出し得る。
【0005】
尖叉長さを効果的に増加させるスロット付きIPC設計は、IPCの尖叉の剛性を低減させ得る。しかしながら、かかる設計は、それら自身の課題を有する。例えば、尖叉の増加した長さおよびスロットは、それらの間の間隙をもたらし得る。比較的長い尖叉を伴うIPCがプラグ筐体に縫い込まれる時、IPCの尖叉間のスロット間隙は、各尖叉が、スロットに向かって変形することを可能にし、それにより、プラグ筐体の中へのIPC保持に重要な干渉ばめは、排除され得る。これは、IPCが、終端前に、プラグ筐体から緩むことをもたらし得る。さらに、尖叉の延長した長さは、IPCを構造的に弱化させ得る。このため、改善された通信プラグ、その種々の構成要素、およびそれと関連付けられる方法に対する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,811,445号明細書
【特許文献2】米国特許第5,727,962号明細書
【特許文献3】米国特許第8,702,444号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の少なくとも一部の実施形態は、通信プラグ、その種々の構成要素、およびそれと関連付けられる方法を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態において、本発明は、複数のプラグコンタクトスロットを伴うプラグ筐体と、少なくとも2つの尖叉を伴う少なくとも1つのプラグコンタクトとを含む、通信プラグである。少なくとも1つのプラグコンタクトは、プラグコンタクトスロットのうちの1つ内に位置付けられ、プラグコンタクトスロットのうちの1つは、少なくとも2つの尖叉間に位置付けられるブリッジを有する。
【0009】
本発明の別の実施形態は、複数のプラグコンタクトスロットを伴うプラグ筐体を有する通信プラグを含む。プラグは、プラグコンタクトスロットのうちの1つ内に位置付けられる、少なくとも2つの尖叉を伴う、少なくとも1つのプラグコンタクトをさらに有する。支持要素は、少なくとも2つの尖叉間に位置付けられる。
【0010】
本発明の別の実施形態は、パッチコードに接続される通信機器を有する通信システムを含む。
パッチコードは、通信プラグに接続される通信ケーブルを含み、通信プラグは、複数のプラグコンタクトスロットを伴うプラグ筐体を有する。プラグは、プラグコンタクトスロットのうちの1つ内に位置付けられる、少なくとも2つの尖叉を伴う、少なくとも1つのプラグコンタクトをさらに有する。支持要素は、少なくとも2つの尖叉間に位置付けられる。
【0011】
別の実施形態において、本発明は、信号導体を有する通信ケーブルに対して通信プラグを終端させる方法であり、該方法は、(1)信号導体を受容するための導体チャネルを伴うプラグ筐体を提供するステップであって、プラグ筐体は、プラグコンタクトを受容するためのブリッジを伴うプラグコンタクトスロットを有する、ステップと、(2)信号導体と接触させるための絶縁体貫通コンタクトを伴うプラグコンタクトを提供するステップであって、プラグコンタクトは、少なくとも2つの尖叉を有する、ステップと、(3)ブリッジが少なくとも2つの尖叉間に位置付けられるように、それぞれのプラグコンタクトスロット内にプラグコンタクトを位置付けるステップと、(4)絶縁体貫通コンタクトとそれぞれの信号導体との間の電気接触を達成するように、プラグコンタクトを圧着するステップと、を含む。
【0012】
なお別の実施形態において、本発明は、通信プラグを製造するための方法であり、該方法は、(1)複数のプラグコンタクトスロットを有するプラグ筐体を提供するステップであって、プラグコンタクトスロットの各々は、ブリッジを有する、ステップと、(2)ブリッジが少なくとも2つの尖叉間に位置付けられるように、少なくとも2つの尖叉を有するプラグコンタクトを、複数のプラグコンタクトスロットの各々の中に部分的に挿入するステップと、を含む。
【0013】
なお別の実施形態において、本発明は、複数のプラグコンタクトを伴う通信プラグを含み、プラグコンタクトの各々は、少なくとも2つの尖叉を有する。通信プラグは、複数のプラグコンタクトスロットを伴うプラグ筐体をさらに含み、プラグコンタクトの各々は、前記プラグコンタクトスロットのうちの1つ内に位置付けられる。プラグ筐体は、少なくとも2つの尖叉間に位置付けられる支持要素をさらに含む。
【0014】
本発明のこれらおよび他の特性、態様、および利点は、以下の図面、説明、および後に続き得る任意の請求項を参照して、より良好に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に従う、通信システムを例解する。
図2】本発明の実施形態に従う、通信プラグの分解図を例解する。
図3】詳細と共に、図2のプラグのプラグ筐体を例解する。
図4】終端されていない状態にある図2のプラグを例解する。
図5図4に示されるプラグの一部分の図4の切断線5−5に沿って採られる断面図を例解する。
図6】終端された状態にある図2のプラグを例解する。
図7図6に示されるプラグの一部分の図6の切断線7−7に沿って採られる断面図を例解する。
図8】本発明の別の実施形態に従う、終端されたプラグの一部分の断面図を例解する。
図9】本発明の別の実施形態に従う、プラグの断片的な断面図を例解する。
図10図9のIPCの側面図を例解する。
図11】本発明の別の実施形態に従う、プラグの断片的な断面図を例解する。
図12】本発明の別の実施形態に従う、プラグの断片的な断面図を例解する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の例示的な実施形態が、通信システム10を示す図1に例解され、これは、ジャック18および対応するRJ45プラグ20を伴った、パッチパネル14を含む。それぞれのケーブル12は、プラグ20およびジャック18に対して終端する。一度プラグ20がジャック18と嵌合すると、データは、これらのコネクタを通じて流れることができる。通信システム10は、パッチパネルを有するとして図1に例解されるが、代替的な実施形態は、他の能動的または受動的機器を含むことができる。受動的機器の例としては、モジュラパッチパネル、パンチダウンパッチパネル、カプラパッチパネル、壁ジャック等であり得るが、これらに限定されない。能動的機器の例としては、イーサネットスイッチ(登録商標)、ルータ、サーバ、物理層管理システム、ならびにデータセンタおよび電気通信室において見出され得るようなパワー・オーバ・イーサネット機器(登録商標);セキュリティデバイス(カメラおよび他のセンサ等)ならびにドアアクセス機器;ならびに電話、コンピュータ、ファックス機、プリンタ、およびワークステーションエリアにおいて見出され得るような他の周辺機器であり得るが、これらに限定されない。通信システム10は、キャビネット、ラック、ケーブル管理およびオーバヘッドルーティングシステム、ならびに他のかかる機器をさらに含むことができる。
【0017】
ジャック18は、モジュラジャックとして示されるが、それらはまた、パンチダウンまたは他のタイプのジャックでもあり得る。さらに、図1に示されるシステム10は、適用可能な規格に準拠するプラグ、ジャック、ケーブル、および機器の適切な選択によって、CAT5E、CAT6、CAT6A、CAT7、CAT7A、CAT8、または他のカテゴリの通信システム規格に対して構成され得る。
【0018】
例示的なプラグ20のより詳細な図が図2に示される。プラグ20は、プラグコンタクト22と、プラグ筐体24と、ロードバー26と、導体分割器27と、張力解放カラー28と、ブート29と、を含む。ロードバー26、導体分割器27、張力解放カラー28、およびブート29は、任意の構成要素であり、「MODULAR CABLE TERMINATION PLUG」と題し、その全体として参照により本明細書に組み込まれる、CAVENEY ET AL.の特許文献1に説明されたものと同じまたは類似であり得ることに留意されたい。他の実施形態において、本発明は、「MODULAR PLUG CONNECTOR」と題する、CAVENEY ET AL.の特許文献2、および「COMMUNICATION PLUG WITH IMPROVED CABLE MANAGER」と題する、MARANTO ET AL.の特許文献3(これらの両方は、その全体として参照により本明細書に組み込まれる)に説明される通信プラグにおいて実装することができる。
【0019】
プラグ筐体24は、8つのプラグIPC22を受容するように構成される、図3に示されるような8つの垂直のスロット32を含むことができる。代替的な実施形態は、より多いまたはより少ないスロット32を有し得る。スロット32は、その中に少なくとも部分的に位置付けられた、水平なブリッジ34といった支持要素を含む。好ましくは、各ブリッジ34は、それぞれのスロット32の中心、およびプラグ筐体24の外表面の下に位置付けられる。
【0020】
ブリッジ34は、複数の目的を果たすことができる。例えば、ブリッジ34は、プラグコンタクトをプラグ筐体24内にそれらの終端されていない状態で保持するのに役立つ。図4は、その終端されていない状態にあるプラグ20を示し、プラグコンタクト22は、通信ケーブルの導体にまだ終端されていない。プラグコンタクト22がプラグ筐体24内に着座されている際のそれらのより詳細な断面図が、図5に示される。
【0021】
この図は、ブリッジ34を伴う8つのIPCスロット32のうちの1つを示し、プラグコンタクト尖叉36および37(スロット付きプラグコンタクト22の一部である)の位置は、終端されていない位置にある。スロット付きプラグコンタクト22は、それらの間の摩擦干渉により、プラグ筐体24内に保持される。特に、プラグコンタクト22がそれらの終端されていない状態に装着される時、スロット付きコンタクト22の表面42および43(プラグ筐体24の)と表面52および53(それぞれ、尖叉36および37の)との間の圧入接触が存在する。同様に、スロット付きコンタクト22の表面44および45(ブリッジ34の)と表面54および55(それぞれ、尖叉36および37の)との間の圧入接触が存在する。ブリッジ34は、尖叉36および37によって創出されるスロットのためのスペーサとして作用する。これは、互いに向かう尖叉36および37の望ましくない圧潰を防止するのに役立ち、それにより、尖叉の種々の表面とプラグ筐体との間の圧入接触を保持する。
【0022】
ブリッジ特性34の別の利点は、プラグ終端中に明白である。図6は、その終端された状態にあるプラグ20を示し、ケーブル導体は図から省略されており、図7は、ブリッジ34を伴う8つのIPCスロット32のうちの1つの断面図を示し、プラグコンタクト尖叉36および37の位置は、終端された位置にある。
【0023】
プラグコンタクト22は、ブリッジ特性34上で圧入され、ブリッジ34の表面44および45を、それぞれ、IPC尖叉36および37の表面54および55に圧入接触させる。先で説明されるように、ブリッジ34は、IPCの2つの尖叉間のスペーサとして作用し、終端中のそれらの圧潰の可能性を防止する。さらに、ブリッジ34は、尖叉をそれらの非圧潰形態に保持するのに役立つため、尖叉表面64、65、66、および67は、プラグ筐体表面62および68との圧入接触を保持することができる。プラグ筐体24とプラグコンタクト22との間の全体的な摩擦干渉は、プラグコンタクト22を、それらの適切な終端された位置に保持するのに役立つ。
【0024】
加えて、ブリッジ24は、プラグコンタクト22を、それらの適切な終端された位置へ、及びその中に誘導し保持するのに役立つことができる。特に、ブリッジ34の表面46は、プラグコンタクト22の表面56と接触すること、および前記プラグコンタクトのための止め具として作用することによって、コンタクト22が、プラグ筐体24の中へ過度に遠くに付勢されることを防止することができる。これは、プラグ終端中に付与される増加した圧着力と関連付けられる、先に記載される問題を防止または低減するのに役立つことができる。
【0025】
本発明に従うプラグ21の代替的な実施形態が、図8に示される。図8は、それが、ブリッジ34を伴う8つのIPCスロット32のうちの1つの断面図であり、プラグコンタクト尖叉36および37の位置が、終端された位置にあるという点において、図7と同様である。しかしながら、図8の実施形態はまた、ブリッジ特性74といった支持要素を伴うロードバー72を含む。ブリッジ74の機能性は、スロット付きコンタクト22の保持を改善し、かつ終端プロセス中の尖叉36および37の圧潰に対する追加の保護を提供するのに役立つことができるという点において、ブリッジ34のそれと同様である。これは、それぞれ、ロードバーブリッジ特性74の表面78および79と、尖叉36および37の表面54および55との間の付加された圧入接触によって達成される。
【0026】
ここで、図7および8と同様の断面図である図9を参照すると、本発明に従う別の実施形態において、IPC80を採用するプラグを示し、ここでは、IPC80は、尖叉が十分な強度を有する、ならびに/または尖叉が圧潰すること、および終端の前にプラグ筐体から崩壊し落下することを防止する十分な材料が存在するように、全く材料を取り去らない、または最小量の材料を取り去る、剪断もしくはレーザ切断部82を含む。切断部82の縁部の近接性は、本実施形態において支持要素を提供する。切断部82を生成するための他の方法としては、ワイヤ放電加工(EDM)、電解加工(ECM)、および水ジェット切断、または少なくとも部分的に材料除去を最小化するように設計される同様の方法が挙げられる。図10は、切断部82の2つの剪断面がどのように同じ平面内にあるかのIPC80の側面図である。IPC22、84、および90は、図10に示されるものと同様の側面図を有することができる。尖叉の先端は、平坦なランド部を有することができ、かかるランド部は、0.001〜0.002インチ(0.0254〜0.0508ミリメートル)の範囲内であり得るか、または先端は、尖化され得るか、丸みをつけられ得るか、または別様に構成され得る。
【0027】
本発明に従う別の実施形態において(図7および図8と同様の断面図である図11を参照されたい)、IPC84を採用するプラグは、切断部86および解放孔88を含む。解放孔88は、切断深度制御を提供し、かつ切断部86の均一の長さを保証するのに役立つための製造補助である、穿孔された、または他の孔であり得る。
【0028】
ここで、図7および8と同様の断面図である図12を参照すると、本発明に従う別の実施形態におけるIPC90を採用するプラグを示し、ここで、IPC90は、2つの尖叉94、96間のスロット92を含み、尖叉94、96のうちの少なくとも1つは、それぞれ印圧された表面98、100の形態の支持要素を含む。印圧加工された表面98、100は、ワークピースが十分に高い応力に供されて、材料の表面上で塑性流動を誘導する、精密スタンピングの形態である、印圧動作を使用して形成することができる。
【0029】
本発明をいくつかの実施形態に関して説明してきたが、これらの実施形態は、非限定的であり(それらが、例示的であるとして標識されているかどうかにかかわらず)、本発明の範囲内にある、改変、置換、および同等物が存在する。さらに、説明される実施形態は、相互排他的であるとして解釈されるべきではなく、代りに、かかる組み合わせが許容される場合、潜在的に組み合わせ可能であるとして理解されるべきである。さらに、説明もしくは特許請求される、または特許請求され得る、いずれの方法も、いずれの具体的なステップの順序にも限定されるべきではなく、代りに、かかる順序が許容可能である場合、いずれの順序も包含すると理解されるべきである。また、本発明の方法および装置を実装する多くの代替的な方法が存在するということにも留意されたい。したがって、以下に続き得る請求項が、本発明の真の精神および範囲内にあるような全てのかかる改変、置換、および同等物を含むとして解釈されることが意図される。
【符号の説明】
【0030】
10 ・・・通信システム
12 ・・・ケーブル
14 ・・・パッチパネル
18 ・・・ジャック
20 ・・・プラグ
22 ・・・プラグコンタクト
24 ・・・プラグ筐体
26 ・・・ロードバー
27 ・・・導体分割器
28 ・・・張力解放カラー
29 ・・・ブート
32 ・・・スロット
34 ・・・ブリッジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12