特許第6378142号(P6378142)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6378142
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】フリップフロップ回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 3/037 20060101AFI20180813BHJP
   G06F 1/04 20060101ALI20180813BHJP
   G06F 1/32 20060101ALI20180813BHJP
   H03K 19/00 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   H03K3/037 B
   G06F1/04 576
   G06F1/32 Z
   H03K19/00 210
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-137247(P2015-137247)
(22)【出願日】2015年7月8日
(65)【公開番号】特開2017-22500(P2017-22500A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2017年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(72)【発明者】
【氏名】田中 康規
(72)【発明者】
【氏名】菊地 直人
(72)【発明者】
【氏名】平川 菜津美
(72)【発明者】
【氏名】高山 伸一
(72)【発明者】
【氏名】増見 純也
【審査官】 緒方 寿彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−535031(JP,A)
【文献】 特開2011−054980(JP,A)
【文献】 特開2009−060560(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0058486(US,A1)
【文献】 特開2011−171916(JP,A)
【文献】 特表2016−514419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K3/00−3/22
H03K3/26−3/36
H03K19/00−19/096
G06F1/26−1/32
G06F1/04−1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電源に接続されるマスターラッチと、
前記第1の電源の遮断時も供給が継続される第2の電源に接続され、前記マスターラッチの出力が入力されるデータ入力端とクロック信号の入力端とを備える論理ゲート回路を有するスレーブラッチと、
リテンション信号によりデータ保持が指示されたときに、前記データ入力端のレベルを前記論理ゲート回路が前記クロック信号に対して不活性となるレベルに固定するレベル固定部と
を備えることを特徴とするフリップフロップ回路。
【請求項2】
前記論理ゲート回路が、前記データ入力端を備えるAND論理を有し、
前記レベル固定部が、前記データ入力端と接地端子との間に接続され、前記リテンション信号がゲート端子へ入力される第1のMOSトランジスタを有し、前記リテンション信号によりデータ保持が指示されたときに、前記第1のMOSトランジスタがオンして前記データ入力端を低レベルに固定する
ことを特徴とする請求項1に記載のフリップフロップ回路。
【請求項3】
前記論理ゲート回路が、前記データ入力端を備えるOR論理を有し、
前記レベル固定部が、前記データ入力端と前記第2の電源との間に接続され、前記リテンション信号がゲート端子へ入力される第1のMOSトランジスタを有し、前記リテンション信号によりデータ保持が指示されたときに、前記第1のMOSトランジスタがオンして、前記データ入力端を高レベルに固定する
ことを特徴とする請求項1に記載のフリップフロップ回路。
【請求項4】
前記マスターラッチと前記第1の電源との間に接続され、前記リテンション信号がゲート端子へ入力される第2のMOSトランジスタをさらに備え、前記リテンション信号によりデータ保持が指示されたときに、前記第2のMOSトランジスタがオフする
ことを特徴とする請求項2に記載のフリップフロップ回路。
【請求項5】
前記マスターラッチと前記接地端子との間に接続され、前記リテンション信号がゲート端子へ入力される第2のMOSトランジスタをさらに備え、前記リテンション信号によりデータ保持が指示されたときに、前記第2のMOSトランジスタがオフする
ことを特徴とする請求項3に記載のフリップフロップ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、フリップフロップ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
LSIの低消費電力化のために、動作休止中の回路への電源の供給を遮断することが行われる。その場合、フリップフロップ回路には、電源遮断時でもデータを保持し、電源復帰後に電源遮断前のデータを出力する、リテンション機能付きフリップフロップ回路が用いられる。
【0003】
リテンション機能付きフリップフロップ回路は、フリップフロップ回路を構成するマスターラッチとスレーブラッチを別電源で動作させる。電源遮断時は、マスターラッチの電源のみを遮断し、スレーブラッチへの電源の供給は継続する。これにより、電源遮断時もスレーブラッチにデータが保持される。
【0004】
従来、このリテンション機能付きフリップフロップ回路のスレーブラッチは、データを保持するループ回路中に、トランスミッションゲートやクロックドインバータなどのクロック信号により動作するスイッチを含んでいる。そのため、電源遮断時もクロック信号生成回路へは電源を供給し、クロック信号を出力し続ける必要がある。
【0005】
この場合、クロック信号は固定レベルであるが、クロック信号生成回路が、クロックツリーを構成するなど回路規模が大きいときは、電源遮断時のリーク電流が増大するなどの問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2007−535031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、電源遮断時にクロック信号を供給しなくてもデータを保持することのできるフリップフロップ回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態のフリップフロップ回路は、マスターラッチと、スレーブラッチと、レベル固定部とを備える。マスターラッチは、第1の電源に接続される。スレーブラッチは、前記第1の電源の遮断時も供給が継続される第2の電源に接続され、前記マスターラッチの出力が入力されるデータ入力端とクロック信号の入力端とを備える論理ゲート回路を有する。レベル固定部は、リテンション信号によりデータ保持が指示されたときに、前記データ入力端のレベルを前記論理ゲート回路が前記クロック信号に対して不活性となるレベルに固定する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態のフリップフロップ回路の構成の例を示す回路図。
図2図1に示すフリップフロップ回路の動作の例を示す波形図。
図3】第1の実施形態のフリップフロップ回路の別の構成の例を示す回路図。
図4図3に示すフリップフロップ回路の動作の例を示す波形図。
図5】第2の実施形態のフリップフロップ回路の構成の例を示す回路図。
図6】第2の実施形態のフリップフロップ回路の別の構成の例を示す回路図。
図7】各実施形態のフリップフロップ回路のマスターラッチの構成の例を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図中、同一または相当部分には同一の符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のフリップフロップ回路の構成の例を示す回路図である。
【0012】
本実施形態のフリップフロップ回路は、第1の電源VDD1に接続されるマスターラッチ1と、第1の電源VDD1の遮断時も供給が継続される第2の電源VDD2に接続され、マスターラッチの出力Aが入力されるデータ入力端DI1とクロック信号CKの入力端とを備えるAND−NOR型論理ゲート回路ANR21およびマスターラッチの出力Bが入力されるデータ入力端DI2とクロック信号CKの入力端とを備えるAND−NOR型論理ゲート回路ANR22を有するスレーブラッチ2と、リテンション信号RETによりデータ保持が指示されたときに、スレーブラッチ2のデータ入力端DI1、DI2のレベルをAND−NOR型論理ゲート回路ANR21、ANR22がクロック信号CKに対して不活性となるレベルに固定するレベル固定部3と、を備える。
【0013】
マスターラッチ1は、例えばLSIの動作休止中に電源の供給が遮断される第1の電源VDD1に接続されている。マスターラッチ1は、クロック信号CKがL(低)レベルのときにデータ入力Dの値(信号レベル)を取り込み、クロック信号CKがH(高)レベルの間、その値を保持する。このマスターラッチ1からは2つの出力A、Bが出力される。出力Aと出力Bは、信号極性が反転関係にある。
【0014】
一方、スレーブラッチ2は、第1の電源VDD1の遮断時も供給が継続される第2の電源VDD2に接続されている。
【0015】
本実施形態のスレーブラッチ2は、2つのAND−NOR型論理ゲート回路ANR21とANR22が、たすき掛け接続されている。
【0016】
論理ゲート回路ANR21のANDゲートが、マスターラッチ1の出力Aが入力されるデータ入力端DI1とクロック信号CKの入力端とを備える。論理ゲート回路ANR22のANDゲートが、マスターラッチ1の出力Bが入力されるデータ入力端DI2とクロック信号CKの入力端とを備える。
【0017】
これらのANDゲートは、データ入力端DI1、DI2がLレベルになると、クロック信号CKのレベルに無関係に、出力がLレベルになる。すなわち、これらのANDゲートは、データ入力端DI1、DI2がLレベルになると、クロック信号CKに対して不活性となる。
【0018】
論理ゲート回路ANR21の出力Eは論理ゲート回路ANR22のNORゲートへ入力され、論理ゲート回路ANR22の出力Fは論理ゲート回路ANR21のNORゲートへ入力される。論理ゲート回路ANR21の出力Eは、インバータIV21で反転されて出力Qとして出力される。
【0019】
スレーブラッチ2は、データ入力端DI1をS(セット)信号入力端子、データ入力端DI2をR(リセット)信号入力端子とする、クロック同期型のSR型ラッチである。
【0020】
レベル固定部3は、スレーブラッチ2のデータ入力端DI1と接地端子との間に接続されたMOSトランジスタM31と、スレーブラッチ2のデータ入力端DI2と接地端子との間に接続されたMOSトランジスタM32と、を有する。MOSトランジスタM31、M32のゲート端子へはリテンション信号が入力される。このMOSトランジスタM31、M32には、Nチャネル型MOSトランジスタが用いられる。
【0021】
リテンション信号は、第2の電源VDD2に接続された回路により生成されており、第1の電源VDD1の遮断時も出力され続ける。
【0022】
本実施形態では、リテンション信号RETは、通常動作時は‘0’とされ、データ保持を指示するときは‘1’とされる。
【0023】
リテンション信号RETが‘0’のとき、MOSトランジスタM31、M32はオフしているので、スレーブラッチ2のデータ入力端DI1、DI2へは、マスターラッチ1の出力A、Bがそのまま入力される。したがって、スレーブラッチ2は、クロック信号CKがHレベルのときにマスターラッチ1の出力Aの値を出力Qへ出力し、クロック信号CKがLレベルの間、その値を保持する。
【0024】
一方、リテンション信号RETが‘1’になると、レベル固定部3は、MOSトランジスタM31、M32がオンし、スレーブラッチ2のデータ入力端DI1、DI2をともにLレベルとする。
【0025】
データ入力端DI1、DI2がともにLレベルとなると、スレーブラッチ2は、SR型ラッチのS信号とR信号がともにLレベルとなることにより、クロック信号CKの信号レベルに無関係に、データ保持状態となる。
【0026】
これにより、第1の電源VDD1を遮断する直前にリテンション信号RETを‘1’にして、そのまま‘1’を保持しておくと、第1の電源VDD1の遮断中、クロック信号CKを入力しなくても、スレーブラッチ2に、第1の電源VDD1の遮断前のデータを保持しておくことができる。
【0027】
図2に、クロック信号CKを生成する回路が第1の電源VDD1で動作しているとしたときの、本実施形態のフリップフロップ回路の動作の例を波形図で示す。図2(a)は、クロック信号CKがHレベルのときに第1の電源VDD1が遮断されたときの動作の例であり、図2(b)は、クロック信号CKがLレベルのときに第1の電源VDD1が遮断されたときの動作の例である。
【0028】
図2(a)に示すように、スレーブラッチ2のデータ入力端DI1がHレベル、データ入力端DI2がLレベルのときにクロック信号CKが立ち上がると、これに同期して、スレーブラッチ2の出力Qは、Hレベルとなる。
【0029】
このとき、リテンション信号RETが‘0’から‘1’へ変化すると、データ入力端DI1、入力端DI2は、ともにLレベルとなる。これにより、スレーブラッチ2はデータ保持状態となり、出力Qは、Hレベルが保持される。
【0030】
その後、第1の電源VDD1が遮断されると、これに伴ってクロック信号CKの供給も途絶える。しかし、リテンション信号RETは‘1’が継続されるので、スレーブラッチ2は、第1の電源VDD1遮断前のデータを保持し続ける。
【0031】
これに対して、図2(b)に示すように、クロック信号CKがLレベルのときに第1の電源VDD1が遮断される場合、スレーブラッチ2は、クロック信号CKが立ち下がった時点で既にデータ保持状態となっている。したがって、リテンション信号RETが‘0’から‘1’へ変化した後も、このデータ保持状態が継続される。
【0032】
このような本実施形態によれば、第1の電源VDD1の遮断時も供給が継続される第2の電源VDD2にスレーブラッチ2を接続し、リテンション信号RETがデータ保持を指示するときに、レベル固定部3が、マスターラッチ1の出力A、Bが入力されるスレーブラッチ2のデータ入力端DI1、入力端DI2のレベルを固定することにより、クロック信号CKに無関係にスレーブラッチ2をデータ保持状態にすることができる。
【0033】
これにより、第1の電源VDD1の遮断時にスレーブラッチ2へクロック信号CKを供給する必要がなく、第1の電源VDD1の遮断時にクロック信号CKを生成する回路の電源も遮断することができる。
【0034】
(第1の実施形態の回路構成の別の例)
図3は、第1の実施形態のフリップフロップ回路の別の構成の例を示す回路図である。図3に示す例では、スレーブラッチ2Aが、2つのOR−NAND型論理ゲート回路ONA21とONA22がたすき掛け接続された、クロック同期型のSR型ラッチとなっている。この場合、図1に示した回路とは、S信号、R信号およびクロック信号CKのアクティブレベルが反対極性となる。
【0035】
そこで、リテンション信号RETがデータ保持を指示するときにスレーブラッチ2Aのデータ入力端DI1、入力端DI2をHレベルに固定するために、レベル固定部3は、データ入力端DI1と第2の電源VDD2との間に接続されたMOSトランジスタM31と、データ入力端DI2と第2の電源VDD2との間に接続されたMOSトランジスタM32と、を有する。
【0036】
このMOSトランジスタM31、M32には、Pチャネル型MOSトランジスタが用いられる。そのため、リテンション信号RETも極性反転し、通常動作時は‘1’とされ、データ保持を指示するときは‘0’とされる。
【0037】
また、クロック信号CKは、インバータIVで反転させてスレーブラッチ2Aへ入力される。
【0038】
図4は、図3に示すフリップフロップ回路の動作の例を示す波形図である。図4(a)は、クロック信号CKがHレベルのときに第1の電源VDD1が遮断されたときの動作の例であり、図4(b)は、クロック信号CKがLレベルのときに第1の電源VDD1が遮断されたときの動作の例である。
【0039】
図4に示すように、図3に示すフリップフロップ回路では、リテンション信号RETが‘1’から‘0’へ変化すると、スレーブラッチ2Aのデータ入力端DI1、入力端DI2は、Hレベルに固定される。これにより、スレーブラッチ2Aはデータ保持状態となり、第1の電源VDD1が遮断された後も、そのデータを保持し続ける。
【0040】
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態のフリップフロップ回路の場合、通常動作からデータ保持状態へ移行するとき、マスターラッチ1の電源である第1の電源VDD1が遮断するまで、レベル固定部3(3A)を構成するMOSトランジスタM31、M32を介して、第1の電源VDD1から接地端子へ貫通電流が流れることがある。そこで、本実施形態では、通常動作からデータ保持状態への移行時に貫通電流が流れることを防止することができるフリップフロップ回路の例を示す。
【0041】
図5は、第2の実施形態のフリップフロップ回路の構成の例を示す回路図である。
【0042】
図5に示すフリップフロップ回路は、図1に示す第1の実施形態のフリップフロップ回路に対して、マスターラッチ1と第1の電源VDD1との間に接続され、リテンション信号RETがゲート端子へ入力されるMOSトランジスM41を追加したものである。
【0043】
このMOSトランジスM41は、Pチャネル型MOSトランジスタである。したがって、リテンション信号RETが‘1’のとき、MOSトランジスM41はオフする。
【0044】
図5に示す例では、通常動作からデータ保持状態へ移行のため、リテンション信号RETが‘0’から‘1’へ変化すると、レベル固定部3のMOSトランジスタM31、M32がオンするのに連動して、MOSトランジスM41がオフする。これにより、第1の電源VDD1と接地端子との間の電流経路が遮断される。
【0045】
図6は、第2の実施形態のフリップフロップ回路の別の構成の例を示す回路図である。
【0046】
図6に示すフリップフロップ回路は、図3に示す第1の実施形態のフリップフロップ回路に対して、マスターラッチ1と接地端子との間に接続され、リテンション信号RETがゲート端子へ入力されるMOSトランジスM42を追加したものである。
【0047】
このMOSトランジスM42は、Nチャネル型MOSトランジスタである。したがって、リテンション信号RETが‘0’のとき、MOSトランジスM42はオフする。
【0048】
図6に示す例では、通常動作からデータ保持状態へ移行のため、リテンション信号RETが‘1’から‘0’へ変化すると、レベル固定部3AのMOSトランジスタM31、M32がオンするのに連動して、MOSトランジスM42がオフする。これにより、第1の電源VDD1と接地端子との間の電流経路が遮断される。
【0049】
このような本実施形態によれば、通常動作からデータ保持状態への移行時に、第1の電源VDD1から接地端子へ貫通電流が流れることを防止することができる。
【0050】
(マスターラッチ1の回路構成の例)
図7に、マスターラッチ1の回路構成の例を示す。
【0051】
図7(a)および図7(b)は、スレーブラッチ2、2Aと同様、クロック同期型のSR型ラッチでマスターラッチ1を構成した例である。
【0052】
図7(a)では、AND−NOR型論理ゲート回路ANR11とANR12が、たすき掛けに接続されている。ANR11とANR12のそれぞれのANDゲートには、クロック信号CKをインバータIV12により反転させた信号が入力される。
【0053】
図7(b)では、OR−NAND型論理ゲート回路ONA11とONA12がたすき掛けに接続されている。ONA11とONA12のそれぞれのORゲートには、クロック信号CKが入力される。
【0054】
これに対して、図7(c)は、クロックドインバータを用いてマスターラッチ1を構成した例である。図7(c)に示す例では、反転クロック信号CKNに同期するクロックインバータCIV11にデータ信号Dが入力され、インバータIV11とクロック信号CKに同期するクロックインバータCIV12により、クロックインバータCIV11の出力を保持するループ回路が形成されている。
【0055】
なお、マスターラッチ1の回路構成は、図7に示した例に限られるものではなく、どのような構成であってもよい。
【0056】
以上説明した少なくとも1つの実施形態のフリップフロップ回路によれば、電源遮断時にクロック信号を供給しなくてもデータを保持することができる。
【0057】
また、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1 マスターラッチ
2、2A スレーブラッチ
3、3A レベル固定部
ANR21、ANR22 AND−NOR型論理ゲート回路
ONA21、ONA22 OR−NAND型論理ゲート回路
M31、M32、M41、M42 MOSトランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7