特許第6378165号(P6378165)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6378165
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20180813BHJP
【FI】
   G06F1/20 D
   G06F1/20 B
【請求項の数】8
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-247102(P2015-247102)
(22)【出願日】2015年12月18日
(65)【公開番号】特開2017-111709(P2017-111709A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2017年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】上田 美織
【審査官】 境 周一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−073987(JP,A)
【文献】 特開2002−221301(JP,A)
【文献】 特開2004−213503(JP,A)
【文献】 特開2005−190294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20−1/32
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体回路の温度を調整し得る装置である温度調整装置の発する音の周波数を表す値が、所定の閾値を超えなくなるように制御する温調装置制御部と、
前記半導体回路が発する熱の影響が及ぶ所の温度を計測し得る温度計測部と、
前記温度計測部が計測した温度を表す情報により、前記半導体回路を駆動する駆動電圧の値を調整する電圧制御部と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記電圧制御部は、前記温度が所定の値を超えた場合に前記駆動電圧値の低下を行う、請求項1に記載された制御装置。
【請求項3】
前記電圧制御部は、前記温度が所定の値を下回った場合に前記駆動電圧値の上昇を行う、請求項1又は2に記載された制御装置。
【請求項4】
前記電圧制御部は、前記上昇を、前記電圧制御部が中央演算処理装置を通常駆動する際に用いる駆動電圧である通常駆動電圧を上回らない範囲で行う請求項3に記載された制御装置。
【請求項5】
前記周波数を表す値を計測し、計測した前記周波数を表す値を含む情報を前記温度調整装置に送る稼動状態計測部をさらに備える、請求項1乃至請求項4のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【請求項6】
中央演算処理装置である前記半導体回路のクロック信号の周波数を制御する周波数制御部をさらに備え、前記周波数制御部は、前記駆動電圧が所定の値を下回った場合に、前記周波数を低下させる、請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【請求項7】
中央演算処理装置である半導体回路の稼動率を制御する稼動率制御部をさらに備、前記稼動率制御部は、前記駆動電圧が所定の値を下回った場合に、前記稼動率を低下させる、請求項1乃至請求項6のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【請求項8】
半導体回路の温度を調整し得る温度調整装置の発する音の周波数を表す値が、所定の閾値を超えなくなるように制御し、
前記半導体回路が発する熱の影響が及ぶ所の温度を計測し、
前記温度を表す情報により、前記半導体回路を駆動する駆動電圧の値を調整する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置を制御するための制御装置、制御方法及び制御プログラムに関し、特に、中央演算処理装置の温度を調整する温度調整装置の稼動状況を表す値を抑えるための、制御装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
発熱により温度が上昇した中央演算処理装置(以下「CPU」と記す。)の冷却に用いられる冷却ファンの駆動による騒音を抑えるための装置として、特許文献1に開示された電子機器制御システムが知られている。ここで、CPUは、Central Processing Unit、の略である。
【0003】
特許文献1に開示された電子機器制御システムは、CPUを冷却する冷却ファンの駆動によって生じる騒音量を計測する。そして、特許文献1に開示された電子機器制御システムは、前記騒音量が所定の値よりも大きい場合に、冷却ファンの駆動を抑えることにより騒音量を抑える。そして、特許文献1に開示された電子機器制御システムは、冷却ファンの駆動を抑えることによる、当該CPUの発熱による当該CPUの温度上昇を抑えるために、当該CPUの稼動率を低下させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−155206号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Intel Core(登録商標) m7−6Y75 Processor (4M Cache, up to 3.10 GHz)、[平成27年12月4日検索]、インターネット(http://ark.intel.com/ja/products/88199/Intel−Core−m7−6Y75−Processor−4M−Cache−up−to−3_10−GHz?_ga=1.217909718.1540755144.1449217402)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された電子機器制御システムは、冷却ファンの駆動によって生じる騒音量という冷却ファンの稼動状態を表す値が所定の値よりも大きい場合に、CPUの稼動率を低下させる。そのため、特許文献1に開示された電子機器制御システムは、CPUの稼動率を低下させることにより、CPUの処理スピードが低下するという課題がある。
【0007】
本発明は、冷却ファン等の、半導体回路の温度を調整し得る装置である温度調整装置の、騒音量等の稼動状態を表す値を抑えるための処理において、半導体回路の処理スピードの低下を抑えることができる、制御装置等の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の制御装置は、温度計測部と、温調装置制御部と、電圧制御部と、を備える。温調装置制御部は、半導体回路の温度を調整し得る装置である温度調整装置の稼動状態を表す値が、所定の閾値を大きくは超えることがないように制御する。温度計測部は、前記半導体回路が発する熱の影響が及ぶ所の温度を計測し得る。電圧制御部は、前記温度計測部が計測した温度を表す情報により、前記半導体回路を駆動する駆動電圧の値を調整する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の制御装置等は、半導体回路の温度を調整し得る装置である温度調整装置の稼動状態を表す値を抑えるための処理において、半導体回路の処理スピードの低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第一実施形態の制御装置の構成例を表す概念図である。
図2】冷却装置制御部が行う処理の処理フロー例を表す概念図である。
図3】電圧制御部が行う処理の処理フロー例を表す概念図である。
図4】第二実施形態の制御装置の構成例を表す概念図である。
図5】冷却装置制御部が行う処理の処理フロー例を表す概念図である。
図6】第三実施形態の制御装置の構成例を表す概念図である。
図7】電圧制御部115bが行う処理の処理フロー例を表す概念図である。
図8】周波数制御部が行う処理の処理フロー例を表す概念図である。
図9】第四実施形態の制御装置の構成例を表す概念図である。
図10】電圧制御部115cが行う処理の処理フロー例を表す概念図である。
図11】稼動率制御部117cが行う処理の処理フロー例を表す概念図である。
図12】本発明の制御装置の最小限の構成を表す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第一実施形態>
第一実施形態は、冷却装置による騒音量を抑えるための処理として、CPUの駆動電圧を下げる処理を行う制御装置に関する実施形態である。
[構成と動作]
図1は、第一実施形態の制御装置の例である制御装置101aの構成を表す概念図である。図1には、CPU190a及び冷却装置113aも併せて表してある。冷却装置113aは、CPU190aを冷却する動作を行う。冷却装置113aは、例えば、CPU190aを冷却するファンである。
【0012】
制御装置101aは、冷却装置制御部114aと、電圧制御部115aと、温度計測部111aと、音量計測部112aと、を備える。
【0013】
音量計測部112aは、冷却装置113aが稼動(冷却動作)により発生する音の音量を計測する。音量計測部112aは、計測した音量LSを表す情報を、冷却装置制御部114aに送る。
【0014】
音量計測部112aとしては、広く市販されている騒音測定器等を用いることができる。
【0015】
温度計測部111aは、CPU190aが発生する熱の影響がある所の温度を計測する。そして、温度計測部111aは、計測した計測温度LTを表す情報を、冷却装置制御部114a及び電圧制御部115aに送る。
【0016】
冷却装置制御部114aは、温度計測部111aが冷却装置制御部114aに送った計測温度LTが、予め設定された第一の温度閾値LTth1を超えなくなるように、冷却装置113aがCPU190aを冷却する冷却能力を制御する。例えば、冷却装置113aがファンである場合には、冷却装置制御部114aは、ファンの回転数を、ファンのモータに供給する電流の値を変えることにより調整する。
【0017】
冷却装置制御部114aは、また、音量計測部112aが冷却装置制御部114aに送った音量値が、予め設定された音量閾値LSthより大きいかを判定する。そして、冷却装置制御部114aは、音量計測部112aが冷却装置制御部114aに送った音量が、予め設定された音量閾値LSthより大きいと判定した場合は、冷却装置113aの稼動状態(冷却動作のレベル)を下げる。そして、冷却装置制御部114aは、温度計測部111aが送る計測温度LTが第一の温度閾値LTth1より小さくならない限り、音量計測部112aが送る音量が音量閾値と等しい冷却装置113aの冷却動作のレベルを維持する。
【0018】
一方、電圧制御部115aは、温度計測部111が電圧制御部115aに送った温度が第二の温度閾値LTth2より高いかを判定する。第二の温度閾値LTth2の値は、前述の第一の温度閾値LTth1以上の値である。そして、電圧制御部115aは、温度計測部111が電圧制御部115aに送った計測温度が第一の温度閾値LTth1より高いと判定した場合には、CPU190aを駆動する電圧を下げる。
[処理フロー]
図1に表した制御装置101aにおいて、冷却装置制御部114aは下記図2に表した処理を、電圧制御部115は下記図3に表した処理を、それぞれ行う。
【0019】
図2は、冷却装置制御部114aが行う処理の処理フロー例を表す概念図である。
【0020】
まず、冷却装置制御部114aは、S101の処理として、時刻t=0を設定し、タイマーを作動させる。
【0021】
次に、冷却装置制御部114aは、S102の処理として、時刻tがΔTを経過したかを判定する。ここで、冷却装置制御部114aは、予め設定された時間ΔTを、図示しない記録部に記録する等により保持しているものとする。時間ΔTは、冷却装置制御部114aが冷却装置113aの稼動状態を切り替える時刻の間隔の時間である。また、冷却装置制御部114aは図示しないタイマーを利用することができるものとする。
【0022】
冷却装置制御部114aは、S102の処理により、時刻tがΔTを経過したと判定した場合は、S103の処理を行う。
【0023】
一方、冷却装置制御部114aは、S102の処理により、時刻tがΔTを経過したと判定しなかった場合は、S102の処理を再度行う。
【0024】
冷却装置制御部114aは、S103の処理を行う場合は、S103の処理として、S103の処理を行う時点において冷却装置制御部114aが保持している最新の計測温度LTを特定する。ここで、温度計測部111aは、温度を計測し、計測した計測温度LTを表す情報を、ある間隔で、冷却装置制御部114aに送っているものとする。また、冷却装置制御部114aは、温度計測部111aが冷却装置制御部114aに送った計測温度LTのうちの最新の計測温度LTを保持しているものとする。そして、特定した計測温度LTが、予め設定された第一の温度閾値LTth1より高いかを判定する。
【0025】
冷却装置制御部114aは、S103の処理により、計測温度LTが第一の温度閾値LTth1より高いことを判定した場合は、S104の処理を行う。
【0026】
一方、冷却装置制御部114aは、S103の処理により、計測温度LTが第一の温度閾値LTth1より高いことを判定しなかった場合は、S106の処理を行う。
【0027】
冷却装置制御部114aは、S104の処理を行う場合には、S104の処理として、冷却装置113aの稼動状態を所定の分だけ上げる処理を行う。冷却装置113aの稼動状態を上げる処理は、冷却装置113aがファンである場合には、例えば、ファンを駆動するモータに供給する駆動電流を所定の値だけ増加させる処理である。駆動電流を所定の値だけ増加させることにより、増加した駆動電流分だけファンは高速で回転し、ファンはより高い冷却能力を発揮する。すなわち、駆動電流を所定の値だけ増加させることにより、増加した駆動電流分だけファンの稼動状態は上がる。
【0028】
そして、冷却装置制御部114aは、S105の処理として、冷却装置制御部114aが保持している最新の計測音量LSが予め設定された音量閾値LSthより大きいかを判定する。ここで、音量計測部112aは音量を計測し、計測音量LSを表す情報を、所定の間隔で、冷却装置制御部114aに送っているものとする。また、冷却装置制御部114aは、音量計測部112aが冷却装置制御部114aに送った計測音量LTのうちの最新の計測音量LSを保持するものとする。また、冷却装置制御部101aは、予め設定された音量閾値LSthを、図示しない記録部に記録する等により保持しているものとする。
【0029】
冷却装置制御部114aは、S105の処理により、計測音量LSが音量閾値LSthより大きいことを判定した場合は、S107の処理を行う。
【0030】
一方、冷却装置制御部114aは、S105の処理により、計測音量LSが音量閾値LSthより大きいことを判定しなかった場合は、S108の処理を行う。
【0031】
冷却装置制御部114aは、S106の処理を行う場合には、S106の処理により、計測温度LTが第一の温度閾値LTth1より低いかを判定する。冷却装置制御部101aは、予め設定された第一の温度閾値LTth1を、図示しない記録部に記録する等により保持しているものとする。
【0032】
冷却装置制御部114aは、S106の処理により、計測温度LTが第一の温度閾値LTth1より低いことを判定した場合は、S107の処理を行う。
【0033】
一方、冷却装置制御部114aは、S106の処理により、計測温度LTが第一の温度閾値LTth1より低いことを判定しなかった場合は、S108の処理を行う。
【0034】
冷却装置制御部114aは、S107の処理を行う場合は、S107の処理として、冷却装置113aの稼動状態を下げる。冷却装置113aがファンである場合には、冷却装置制御部114aは、例えば、ファンのモータに供給する電流の値を所定の値だけ下げる処理を行う。
【0035】
そして、冷却装置制御部114aは、S108の処理を行う。
【0036】
冷却装置制御部114aは、S108の処理を行う場合には、S108の処理として、図2に表した処理を終了するかを判定する。
【0037】
冷却装置制御部114aは、S108の処理により、図2に表した処理を終了することを判定した場合には、図2に表した処理を終了する。冷却装置制御部114aは、例えば、図示しない外部からの終了指示が入力された場合に、図2に表した処理を終了することを判定する。あるいは、冷却装置制御部114aは、予め設定された条件に合う場合に、図2に表した処理を終了することを判定してもよい。
【0038】
冷却装置制御部114aは、S108の処理により、図2に表した処理を終了することを判定しなかった場合は、前述のS101の処理を行う。
【0039】
図3は、電圧制御部115aが行う処理の処理フローを表す概念図である。 なお、図3に表した処理は以下を前提とする。すなわち、図1に表したCPU190aは、通常は、通常駆動電圧Vにより駆動されている。しかしながら、通常駆動電圧Vの値は、多少の電圧変動があってもCPU190aを駆動できるように、ある程度余裕を持って設定された値である。すなわち、CPU190aは、CPU190aを駆動できる駆動電圧の最低値である最低駆動電圧Vminと、CPU190aを駆動できる駆動電圧の最大値である最大駆動電圧Vmaxとの間の値の駆動電圧により駆動することができる。
【0040】
まず、電圧制御部115aは、S120の処理として、電圧制御部115aは、CPU113aを駆動する駆動電圧Vを、通常駆動電圧Vに設定する。
【0041】
次に、電圧制御部115aは、時刻t=0を設定する。そして、電圧制御部115aは、タイマーの作動を開始させる。ここで、電圧制御部115aは、図示しないタイマーを利用することができるものとする。
【0042】
次に、電圧制御部115aは、S122の処理として、電圧制御部115aは、時間ΔTが経過したかを判定する。ここで、電圧制御部115aは、予め設定された時間ΔTを、図示しない記録部に記録する等により保持しているものとする。ここで、時間ΔTは、電圧制御部115aがCPU190aの駆動電圧のレベルを切り替える時刻の間隔の時間である。
【0043】
電圧制御部115aは、S122の処理により、時間ΔTが経過したことを判定した場合はS123の処理を行う。
【0044】
一方、電圧制御部115aは、S122の処理により、時間ΔTが経過したことを判定しなかった場合は、S121の処理を再度行う。
【0045】
電圧制御部115aは、S123の処理を行う場合は、S123の処理として、計測温度LTが温度閾値LTth2より高いかを判定する。ここで、温度計測部111aは温度を計測し、計測した計測温度LTを表す情報を、ある間隔で、電圧制御部115aに送っているものとする。また、電圧制御部115aは、温度計測部111aが冷却装置制御部114aに送った計測温度LTmのうちの最新の計測温度LTを保持しているものとする。
【0046】
電圧制御部115aは、S123の処理により、計測温度LTが温度閾値LTth2より高いことを判定した場合は、S124の処理を行う。
【0047】
一方、電圧制御部115aは、S123の処理により、計測温度LTが温度閾値LTth2より高いことを判定しなかった場合は、S126の処理を行う。
【0048】
電圧制御部115aは、S124の処理を行う場合は、S124の処理として、駆動電圧Vの値をΔV下げる。ここで、ΔVの値は、予め定めておくものとする。電圧制御部115aは、ΔVの値を、図示しない記録部に記録する等により保持しているものとする。
【0049】
そして、電圧制御部115aは、S125の処理として、駆動電圧Vが最低駆動電圧Vminより大きいかを判定する。ここで、電圧制御部115aは、最新の駆動電圧Vの値を、図示しない記録部に記録する等により保持しているものとする。
【0050】
電圧制御部115aは、S125の処理により、駆動電圧Vが最低駆動電圧Vminより大きいことを判定した場合は、S128の処理を行う。
【0051】
一方、電圧制御部115aは、S125の処理により、駆動電圧Vが最低駆動電圧Vminより大きいことを判定しなかった場合は、S129の処理を行う。
【0052】
電圧制御部115aは、S126の処理を行う場合には、S126の処理として、駆動電圧Vが通常駆動電圧Vより小さいかを判定する。
【0053】
電圧制御部115aは、S126の処理により、駆動電圧Vが通常駆動電圧Vより小さいことを判定した場合は、S127の処理を行う。
【0054】
一方、電圧制御部115aは、S126の処理により、駆動電圧Vが通常駆動電圧Vより小さいことを判定しなかった場合は、前述のS120の処理を行う。
【0055】
電圧制御部115aは、S127の処理を行う場合には、S127の処理として、駆動電圧VをΔVだけ上昇させる。ここで、ΔVの値は、予め定めておくものとする。電圧制御部115aは、ΔVの値を、図示しない記録部に記録する等により保持しているものとする。
【0056】
そして、電圧制御部115aは、前述のS121の処理を行う。
【0057】
電圧制御部115aは、S128の処理を行う場合には、S128の処理として、図3に表した処理を終了するかの判定を行う。
【0058】
電圧制御部115aは、S128の処理により、図3に表した処理を終了することを判定した場合には、図3に表した処理を終了する。電圧制御部115aは、例えば、図示しない外部からの終了指示が入力された場合に、図3に表した処理を終了することを判定する。あるいは、電圧制御部115aは、予め設定しておいた条件に合う場合に、図3に表した処理を終了することを判定してもよい。
【0059】
電圧制御部115aは、S129の処理を行う場合には、S129の処理として、CPU190aの駆動を停止する。電圧制御部115aは、CPU190aの駆動を停止する前に、CPU190aを安全に停止するために必要と判定する処理を行なっても構わない。
【0060】
そして、電圧制御部115aは、図3に表す処理を終了する。
【0061】
制御装置101aは、CPU190aの発熱の影響により温度計測部112aが計測する温度が上昇しても、冷却装置113aが発する稼動音の音量が音量閾値LSthを超えなくなるように、冷却装置113aを制御する。冷却装置113aが発する稼動音の音量が音量閾値LSthを超えなくなるように冷却装置113aを制御した結果、CPU190aの発熱の影響により温度計測部112aが計測する温度が第一の温度閾値LTth1を超える場合があり得る。そこで、制御装置101aは、温度計測部112aが計測する温度が第一の温度閾値LTth1を超える場合には、CPU190aを駆動する駆動電圧を所定の範囲内で低下させ、CPU190aの発熱を抑える。CPUの駆動電圧を低下させると、駆動電圧の影響が及ぶCPUを構成する所定の回路に印加される電圧が低下する。印加される電圧の低下により、CPUを構成する所定の回路を流れる電流値も低下するので、CPUの消費電力は低下する。
【0062】
また、CPUは駆動電圧が下がっても処理スピードは低下しない。CPUの処理動作は、CPUを構成する各素子の電圧値の切り替えの組合せである。そして、電圧の切り替えに要するスピードは、駆動電圧の低下により切り替えるべき電圧値が低下したとしても、低下しないからである。
【0063】
従い、制御装置101aは、処理スピードを低下させることなしに、発熱量を抑えることができる。
[効果]
第一実施形態の制御装置は、CPUの発熱の影響により観測温度が上昇した場合に、CPUを冷却するために稼動する冷却装置が発する音の音量が所定の音量閾値を超えなくなるように、冷却装置を制御する。そのため、CPUの発熱の影響により観測温度が上昇しても、冷却装置が発する音の音量は音量閾値の近傍にとどまる。そして、冷却装置が発する音の音量が閾値近傍にある場合において、CPUの発熱により温度が閾値を超えた場合に、CPUを駆動する駆動電圧を低下させ、CPUの発熱を抑える。CPUは、駆動電圧が下がることにより処理スピードが低下しない。従い、制御装置は、処理スピードを低下させることなしに、発熱量を抑えることができる。
【0064】
すなわち、第一実施形態の制御装置は、冷却装置の稼動状態を表す値を抑えるための処理において、CPUの処理スピードの低下を抑えることができる。
【0065】
以上説明した第一実施形態の制御装置の説明においては、冷却装置の稼動により生じる音の音量を所定の値に抑える制御装置についての説明を行った。しかしながら、本発明の制御装置が抑える対象は、音ではない振動であっても構わない。また、本発明の制御装置が抑える対象の振動は空気の振動に限定されない。さらには、振動を表す値は、冷却装置の稼動状態を表す値の一例である。さらには、本発明の制御装置が抑える対象は、音や振動の大きさではなく、音や振動の、周波数等の質であっても構わない。本発明の制御装置が抑える対象は、音や振動の大きさや質を含む、冷却装置の稼動状態を表す値である。
<第二実施形態>
冷却装置が発する音の音量と、冷却装置制御部が冷却装置に供給する電力、電圧又は電流(「電力等」という。)との関係が予め求められている場合もあり得る。例えば、冷却装置がファンであり、冷却装置制御部がファンのモータに供給する電力により、冷却装置の稼動状態であるファンの回転数を制御し、音が主にファンの動作音であるような場合である。冷却装置が発する音の音量と、冷却装置制御部が冷却装置に供給する電力等との関係が予め求められている場合は、冷却装置制御部が冷却装置に供給する電力等が所定の値を超えなくなるように、冷却装置を制御することもできる。そして、冷却装置制御部が冷却装置に供給する電力等が所定の値を超えなくなるように冷却装置を制御する場合には、図1に表した音量計測部112aのような音量計測部は省略することができる。
[構成と動作]
図4は、音量計測部を備えない制御装置の例である制御装置101nの構成を表す概念図である。図4には、CPU190a及び冷却装置113aも併せて表してある。冷却装置113aは、CPU190aを冷却する動作(稼動)を行う。冷却装置113aは、例えば、CPU190aを冷却するファンである。
【0066】
制御装置101nは、冷却装置制御部114nと、電圧制御部115aと、温度計測部111aと、を備える。
【0067】
温度計測部111aは、CPU190aが発生する熱の影響がある範囲の温度を計測する。そして、温度計測部111aは、計測した計測温度LTを表す情報を、冷却装置制御部114n及び電圧制御部115aに送る。
【0068】
冷却装置制御部114nは、温度計測部111aが冷却装置制御部114nに送った計測温度LTが、予め設定された第一の温度閾値LTth1を超えなくなるように、冷却装置113aの稼動を制御する。例えば、冷却装置113aがファンである場合には、冷却装置制御部114nは、ファンの回転数を、ファンのモータに流す電流を変えることにより、ファンの稼動を調整する。
【0069】
冷却装置制御部114nは、また、冷却装置制御部114nが冷却装置113aに供給している電流値Iが、予め設定された電流閾値Ithより大きいかを判定する。そして、冷却装置制御部114nは、冷却装置113aに供給している電流値Iが、電流閾値Ithより大きいと判定した場合は電流値Iを下げ、電流値Iが電流閾値Ithを超えなくなるように制御する。
【0070】
電圧制御部115aの説明は、図1に表した電圧制御部115aの説明と同じであるので、省略する。
[処理フロー]
図4に表した制御装置101nにおいては、冷却装置制御部114nは下記図5に表した処理を、電圧制御部115は前述の図3に表した処理を、それぞれ行う。
【0071】
図5は、冷却装置制御部114nが行う処理の処理フローを表す概念図である。
【0072】
まず、S101nにおいて、冷却装置制御部114nは、時刻t=0を設定し、タイマーを作動させる。ここで、冷却装置制御部114nは図示しないタイマーを利用することができるものとする。
【0073】
次に、S102nにおいて、冷却装置制御部114nは、時刻tがΔTを経過したかを判定する。ここで、冷却装置制御部114nは、予め設定された時間ΔTを、図示しない記録部に記録する等により保持しているものとする。時間ΔTは、冷却装置制御部114nが冷却装置113aの稼動状態を切り替える時刻の間隔の時間である。
【0074】
冷却装置制御部114nは、S102nの処理により時刻tがΔTを経過したと判定した場合は、S103nの処理を行う。
【0075】
一方、冷却装置制御部114nは、S102nの処理により時刻tがΔTを経過したと判定しなかった場合は、S102nの処理を再度行う。
【0076】
冷却装置制御部114nは、S103nの処理を行う場合は、S103nの処理を行う時点において冷却装置制御部114nが保持している最新の計測温度LTを特定する。ここで、温度計測部111aは温度を計測し、計測した計測温度LTを表す情報を、ある間隔で、冷却装置制御部114nに送っているものとする。また、冷却装置制御部114nは、温度計測部111aが冷却装置制御部114nに送った計測温度LTのうち、少なくとも最新の計測温度LTを保持しているものとする。そして、特定した計測温度LTが、予め設定された第一の温度閾値LTth1より高いかを判定する。
【0077】
冷却装置制御部114nは、S103nの処理により、計測温度LTが第一の温度閾値LTth1より高いことを判定した場合は、S104nの処理を行う。
【0078】
一方、冷却装置制御部114nは、S103nの処理により、計測温度LTが第一の温度閾値LTth1より高いことを判定しなかった場合は、S106nの処理を行う。
【0079】
冷却装置制御部114nは、S104nの処理を行う場合には、S104nの処理として、冷却装置113aの動作レベル(稼動状態)を上げる処理を行う。冷却装置113aの動作レベル(稼動状態)を上げる処理は、冷却装置113aがファンである場合には、例えば、ファンを駆動するモータに供給される駆動電流を所定の値だけ増加させる処理である。
【0080】
そして、冷却装置制御部114nは、S105nの処理として、冷却装置制御部114nが冷却装置113aに供給する電流Iが予め設定された電流閾値Ithより大きいかを判定する。ここで、冷却装置制御部101nは、予め設定された前述の電流閾値Ithを、図示しない記録部に記録する等により保持しているものとする。
【0081】
冷却装置制御部114nは、S105nの処理により電流Iが電流閾値Ithより大きいことを判定した場合は、S107nの処理を行う。
【0082】
一方、冷却装置制御部114nは、S105nの処理により、電流Iが電流閾値Ithより大きいことを判定しなかった場合は、S108nの処理を行う。
【0083】
冷却装置制御部114nは、S106nの処理を行う場合には、S106nの処理により、計測温度LTが第一の温度閾値LTth1より低いかを判定する。
【0084】
冷却装置制御部114nは、S106nの処理により、計測温度LTが第一の温度閾値LTth1より低いことを判定した場合は、S107nの処理を行う。
【0085】
一方、冷却装置制御部114nは、S106nの処理により、計測温度LTが第一の温度閾値LTth1より低いことを判定しなかった場合は、S108nの処理を行う。
【0086】
冷却装置制御部114nは、S107nの処理を行う場合は、S107nの処理として、冷却装置113aの動作レベル(稼動状態)を下げる。冷却装置113aがファンである場合には、冷却装置制御部114nは、例えば、ファンのモータに供給する電流の値をΔIだけ下げる処理を行う。ここで、冷却装置制御部114nは、ΔIの値を、図示しない記録部に記録する等により、保持しているものとする。
【0087】
そして、冷却装置制御部114nは、S108nの処理を行う。
【0088】
冷却装置制御部114nは、S108nの処理を行う場合には、S108nの処理として、図5に表した処理を終了するかを判定する。
【0089】
冷却装置制御部114nは、S108nの処理として、図5に表した処理を終了することを判定した場合には、図5に表した処理を終了する。冷却装置制御部114nは、例えば、図示しない外部からの終了指示が入力された場合に、図5に表した処理を終了することを判定する。あるいは、冷却装置制御部114nは、例えば、予め設定しておいた条件に合う場合に、図5に表した処理を終了することを判定してもよい。
【0090】
冷却装置制御部114nは、S108nの処理として、図5に表した処理を終了することを判定しなかった場合は、前述のS101nの処理を行う。
【0091】
制御装置101nは、CPU190aの発熱の影響により温度計測部112aが計測する温度が上昇しても、冷却装置113aに供給する電流Iが電流閾値Ithを超えなくなるように、冷却装置113aを制御する。冷却装置113aに供給する電流Iが電流閾値Ithを超えなくなるように冷却装置113aを制御した結果、CPU190aの発熱の影響により温度計測部112aが計測する温度が第一の温度閾値LTth1を超える場合があり得る。そこで、制御装置101aは、温度計測部112aが計測する温度が第一の温度閾値LTth1を超える場合には、CPU190aを駆動する駆動電圧を所定の範囲内で低下させ、CPU190aの発熱を抑える。CPUは一般的に駆動電圧が下がっても処理スピードは低下しない。従い、制御装置101aは、処理スピードを低下させることなしに、発熱量を抑えることができる。
[効果]
第二実施形態の制御装置は、冷却装置に供給する電力等の値を、所定の閾値を超えなくなるように制御する。その結果、CPUの発熱の影響で測定温度が上昇しても、冷却装置に供給する電力等の値は、閾値近傍にとどまる。そして、冷却装置に供給する電力等の値が閾値近傍にある場合において、CPUの発熱の影響で測定温度が温度閾値を超えた場合に、CPUを駆動する駆動電圧を低下させ、CPUの発熱を抑える。CPUは、駆動電圧が下がっても処理スピードは低下しない。そのため、制御装置は、処理スピードを低下させることなしに、発熱量を抑えることができる。
【0092】
すなわち、第一実施形態の制御装置は、冷却装置の稼動状態を表す値を抑えるための処理において、CPUの処理スピードの低下を抑えることができる。
<第三実施形態>
第三実施形態は、CPUの発熱を抑えるためにCPUの駆動電圧を低下させた結果としてCPUの駆動電圧が下限に達する前に、CPUのクロック信号の周波数を低下させる制御装置に関する実施形態である。なお、第三実施形態において用いられるCPUは、外部からCPUに送る制御信号によりCPUのクロック信号の周波数を変更できるCPUであることを前提とする。例えば、非特許文献1に開示されたCPUは周波数が可変であることが知られている。
[構成と動作]
図6は、第三実施形態の制御装置の例である制御装置101bの構成を表す概念図である。図6には、CPU190b及び冷却装置113aも併せて表してある。冷却装置113aは、CPU190bを冷却する動作(稼動)を行う。冷却装置113aは、例えば、CPU190bを冷却するファンである。CPU190bは、外部からCPU190bに送る制御信号により、CPU190bのクロック信号の周波数を、高周波数と低周波数との二段階に変更できるCPUである。CPU190bのクロック信号の周波数は通常の動作状態においては高周波数である。
【0093】
制御装置101bは、冷却装置制御部114aと、電圧制御部115bと、周波数制御部116bと、温度計測部111aと、音量計測部112aと、を備える。
【0094】
冷却装置制御部114a、電圧制御部115b、温度計測部111a及び音量計測部112aの説明は、下記の説明を除いて、図1を参照して説明した冷却装置101aについての説明と同じである。ただし、制御装置101aについての説明において、制御装置101aは制御装置101bと、CPU190aはCPU190bと、電圧制御部115aは電圧制御部115bと、それぞれ読み替える。また、以下の説明と制御装置101aについての説明とが矛盾する場合は、以下の説明を優先する。
【0095】
電圧制御部115bは、駆動電圧Vが予め設定された電圧閾値Vth1を下回る場合は、周波数制御部116bに第一の通知信号を送る。ここで、電圧閾値Vth1は、図3の説明における1bの項で述べた通常駆動電圧Vと最低駆動電圧Vminとの間の値である。通常駆動電圧V及び最低駆動電圧Vminは先に説明し他通りである。
【0096】
また、電圧制御部115bは、駆動電圧Vが電圧閾値Vth1を上回る場合は、周波数制御部116bに第二の通知信号を送る。
【0097】
第一の通知信号及び第二の通知信号のいずれかは無信号である場合もあり得る。
【0098】
周波数制御部116bは、電圧制御部115bが周波数制御部116bに送った第一の通知信号を受けた場合には、CPU190bに対し、低周波数のクロック信号を選択する指示を表す信号である第一選択信号を送る。
【0099】
周波数制御部116bは、電圧制御部115bが周波数制御部116bに送った第二の通知信号を受けた場合には、CPU190bに対し、高周波数のクロック信号を選択する指示を表す信号である第二選択信号を送る。
【0100】
第一の通知信号及び第二の通知信号のいずれかが無信号である場合に、無信号を受けることは、信号を受けないことと同義である。
【0101】
また、第一選択信号と第二選択信号とのいずれかは無信号である場合もあり得る。
【0102】
クロック信号の周波数が高周波数であるCPU190bは、周波数制御部116bがCPU190bに送った第一選択信号を受けた場合には、高周波数のクロック信号を低周波数のクロック信号に切り替える。また、クロック信号の周波数が低周波数であるCPU190bは、第一選択信号を受けた場合には、低周波数のクロック信号を維持する。
【0103】
クロック信号の周波数が高周波数であるCPU190bは、周波数制御部116bがCPU190bに送った第二選択信号を受けた場合には、高周波数のクロック信号を維持する。また、クロック信号の周波数が低周波数であるCPU190bは、第二選択信号を受けた場合には、低周波数のクロック信号を高周波数のクロック信号に切り替える。
【0104】
第一選択信号及び第二選択信号のいずれかが無信号である場合に、無信号を受けることは、信号を受けないことと同義である。
【0105】
以上の説明においては、CPU190bが切り替えることのできるクロック周波数が2段階の場合について説明した。しかしながら、CPU190bが切り替えることのできるクロック周波数が3段階以上であることもあり得る。そして、CPU190bが切り替えることができるクロック周波数が3段階以上である場合は、周波数制御部116bが送る選択信号は、CPU190bがクロック周波数を3段階以上切り替える動作に対応する内容であっても構わない。
[処理フロー]
冷却装置制御部114aが行う処理の処理フローの説明は、図2に表した冷却装置制御部114aが行う処理例の処理フローの説明と同じであるので、省略する。
【0106】
図7は、図6に表した電圧制御部115bが行う処理の処理フロー例を表す概念図である。
【0107】
図7に表した処理フローは、S201、S202及びS203を除いて図3に表した処理フローと同じである。
【0108】
従い、図7に表した処理フローにおける、S201、S202及びS203以外の処理の説明、及び、処理の前提についての説明は、図6に表した処理フローの説明と同じであるので、省略する。ただし、図6に表した処理フローについての説明において、制御装置101aは制御装置101bと、CPU190aはCPU190bと、電圧制御部115aは電圧制御部115bと、それぞれ読み替える。また、以下の説明と図6に表した処理フローについての説明とが矛盾する場合は、以下の説明を優先する。
【0109】
S124の処理の次に、電圧制御部115bは、S201の処理として、駆動電圧Vが電圧閾値Vth1より小さいかを判定する。
【0110】
電圧制御部115bは、S201の処理により、駆動電圧Vが電圧閾値Vth1より小さいことを判定した場合は、S202の処理を行う。
【0111】
電圧制御部115bは、S201の処理により、駆動電圧Vが電圧閾値Vth1より小さいことを判定しなかった場合は、S203の処理を行う。
【0112】
電圧制御部115bは、S202の処理を行う場合には、S202の処理として、周波数制御部116bに第一の通知信号を送る。
【0113】
そして、電圧制御部115bは、S125の処理を行う。
【0114】
電圧制御部115bは、S203の処理を行う場合には、S203の処理として、周波数制御部116bに第二の通知信号を送る。
【0115】
そして、電圧制御部115bは、S125の処理を行う。
【0116】
図8は、周波数制御部116bが行う処理例の処理フローを表す概念図である。
【0117】
周波数制御部116bは、まず、S211の処理により、第二選択信号をCPU190bに送る。
【0118】
次に、周波数制御部116bは、S212の処理により、図8に表した処理を終了するかを判定する。
【0119】
周波数制御部116bは、S212の処理により、図8に表した処理を終了することを判定した場合は、図8に表した処理を終了する。周波数制御部116bは、例えば、図示しない外部からの終了指示が入力された場合に、図8に表した処理を終了することを判定する。あるいは、周波数制御部116bは、予め設定しておいた条件に合う場合に、図8に表した処理を終了することを判定してもよい。
【0120】
一方、周波数制御部116bは、S212の処理により、図8に表した処理を終了することを判定しなかった場合は、S213の処理を行う。
【0121】
周波数制御部116bは、S213の処理を行う場合には、S213の処理として、電圧制御部115bから通知信号を受けたかを判定する。
【0122】
周波数制御部116bは、S213の処理により、通知信号を受けたことを判定した場合には、S214の処理を行う。
【0123】
一方、周波数制御部116bは、S213の処理により、通知信号を受けたことを判定しなかった場合には、前述のS212の処理を行う。
【0124】
周波数制御部116bは、S214の処理を行う場合には、S214の処理として、受けた通知信号が第一の通知信号であるかを判定する。
【0125】
周波数制御部116bは、S214の処理により、受けた通知信号が第一の通知信号であるかとを判定した場合は、S216の処理を行う。
【0126】
一方、周波数制御部116bは、S214の処理により、受けた通知信号が第一の通知信号であるかとを判定しなかった場合は、S215の処理を行う。
【0127】
周波数制御部116bは、S216の処理を行う場合には、S216の処理として、第一選択信号をCPU190bに送る。
【0128】
周波数制御部116bは、S215の処理を行う場合には、S215の処理として、受けた通知信号が第二の通知信号かを判定する。
【0129】
周波数制御部116bは、S215の処理により、受けた通知信号が第二の通知信号であると判定した場合は、前述のS211の処理を行う。
【0130】
一方、周波数制御部116bは、S215の処理により、受けた通知信号が第二の通知信号であると判定しなかった場合は、前述のS212の処理を行う。
【0131】
図6に表した制御装置101bは、冷却装置113aの冷却動作(稼動)を強めた結果として、冷却装置113aの稼動により発生する音の音量が上限に達した場合には、まず、CPU190bを駆動する駆動電圧を下げる。そして、駆動電圧が電圧閾値より下がった場合に、CPU190bのクロック信号の周波数を下げる。
【0132】
そのため、制御装置101bが行う動作には、CPU190bの駆動電圧は下げ、CPU190bのクロック信号の周波数は下げない動作が存在する。CPU190bは、駆動電圧は下がってもクロック信号の周波数は下がらない場合は、処理スピードは低下しない。従い、制御装置101bは、冷却装置の稼動によって生じる音の音量を抑えるための処理において、CPUの処理スピードの低下を抑えることができる。
【0133】
制御装置101bは、さらに、駆動電圧が、CPU190bを駆動可能な最低駆動電圧Vminよりは高い電圧値である電圧閾値Vth1を下回った場合には、CPU190bのクロック信号の周波数を下げる。すなわち、制御装置101bは、CPU190bのクロック信号の周波数を下げることにより、CPU190bの消費電力及び発熱量を抑える。そのため、制御装置101bは、図1に表した制御装置101aと比較して、最低駆動電圧Vminに到達する確率を低下させ、かつ、最低駆動電圧Vminに到達するまでのCPU190bの稼動時間を長くすることができる。
[効果]
第三実施形態の制御装置は、冷却装置の冷却動作(稼動)を強めた結果として、冷却装置の稼動により発生する音の音量が上限に達した場合には、まず、CPUを駆動する駆動電圧を下げる。そして、駆動電圧が所定の電圧閾値より下がった場合に、CPUのクロック信号の周波数を下げる。
【0134】
そのため、第三実施形態の制御装置が行う動作には、CPUの駆動電圧は下げ、CPUのクロック信号の周波数は下げない動作が存在する。CPUは、駆動電圧は下がってもクロック信号の周波数は下がらない場合は、処理スピードは低下しない。従い、第三実施形態の制御装置は、冷却装置の稼動によって生じる音の音量を抑えるための処理において、CPUの処理スピードの低下を抑えることができる。
【0135】
第三実施形態の制御装置は、さらに、駆動電圧が、CPUが駆動できなくなる駆動電圧である最低駆動電圧よりは高い電圧値である電圧閾値を下回った場合には、CPUのクロック信号の周波数を下げる。すなわち、第三実施形態の制御装置は、CPUのクロック信号の周波数を下げることにより、CPUの消費電力及び発熱量を抑える。そのため、第三実施形態の制御装置は、第一実施形態の制御装置と比較して、最低駆動電圧に到達する確率を低下させ、かつ、最低駆動電圧に到達するまでのCPUの稼動時間を長くすることができる。
<第四実施形態>
第四実施形態は、CPUの駆動電圧の低下が限界に達する前にCPUの稼動率を低下させる制御装置に関する実施形態である。
【0136】
図9は、第四実施形態の制御装置の例である制御装置101cの構成を表す概念図である。図9には、CPU190c及び冷却装置113aも併せて表してある。冷却装置113aは、CPU190cを冷却する動作(稼動)を行う。冷却装置113aは、例えば、CPU190cを冷却するファンである。CPU190cは、外部からCPU190cに送る制御信号により、CPU190cの稼動率の上限を変更できるCPUである。CPU190cの稼動率の上限は通常は設定可能な最高値に設定される。
【0137】
制御装置101cは、冷却装置制御部114aと、電圧制御部115cと、稼動率制御部117cと、温度計測部111aと、音量計測部112aと、を備える。
【0138】
冷却装置制御部114a、電圧制御部115c、温度計測部111a及び音量計測部112aの説明は、下記の説明を除いて、図1を参照して説明した冷却装置101aについての説明と同じである。ただし、冷却装置101aについての説明において、制御装置101aは制御装置101cと、CPU190aはCPU190cと、電圧制御部115aは電圧制御部115cと、それぞれ読み替える。また、以下の説明と冷却装置101aについての説明とが矛盾する場合は、以下の説明を優先する。
【0139】
電圧制御部115cは、駆動電圧Vが予め設定された電圧閾値Vth2を下回る場合は、稼動率制御部117cに第三の通知信号を送る。ここで、電圧閾値Vth2は、図3の説明における1bの項で述べた通常駆動電圧Vと最低駆動電圧Vminとの間の値である。
【0140】
また、電圧制御部115cは、駆動電圧Vが電圧閾値Vth2を上回る場合は、稼動率制御部117cに第四の通知信号を送る。
【0141】
第三の通知信号及び第四の通知信号のいずれかは無信号である場合もあり得る。
【0142】
稼動率制御部117cは、電圧制御部115cが稼動率制御部117cに送った第一の通知信号を受けた場合には、CPU190cの稼動率の上限をP倍にする。ここで、Pは1より小さい正の数である。
【0143】
稼動率制御部117cは、電圧制御部115cが稼動率制御部117cに送った第二の通知信号を受けた場合には、CPU190cの稼動率の上限を1/P倍にする。
【0144】
稼動率制御部117cによるCPU190cの稼動率の変更は、特許文献1にも開示され一般によく知られているBMCを用いることにより行うことができる。ここで、BMCは、baseboard management controllerをいう。
[処理フロー]
冷却装置制御部114aが行う処理の処理フローの説明は、図2に表した冷却装置制御部114aが行う処理例の処理フローの説明と同じであるので、省略する。
【0145】
図10は、図9に表した電圧制御部115cが行う処理の処理フロー例を表す概念図である。
【0146】
図10に表した処理フローは、S301、S302及びS303を除いて図3に表した処理フローと同じである。
【0147】
従い、図10に表した処理フローにおける、S301、S302及びS303以外の処理の説明、及び、処理の前提についての説明は、図6に表した処理フローの説明と同じであるので、省略する。ただし、図10に表した処理フローについての説明において、制御装置101aは制御装置101cと、CPU190aはCPU190cと、電圧制御部115aは電圧制御部115cと、それぞれ読み替える。また、以下の説明と図6に表した処理フローについての説明とが矛盾する場合は、以下の説明を優先する。
【0148】
S124の処理の次に、電圧制御部115cは、S301の処理として、駆動電圧Vが電圧閾値Vth2より小さいかを判定する。
【0149】
電圧制御部115cは、S301の処理により、駆動電圧Vが電圧閾値Vth2より小さいことを判定した場合は、S302の処理を行う。
【0150】
電圧制御部115cは、S301の処理により、駆動電圧Vが電圧閾値Vth2より小さいことを判定しなかった場合は、S303の処理を行う。
【0151】
電圧制御部115cは、S202の処理を行う場合には、S202の処理として、稼動率制御部117cに第三の通知信号を送る。
【0152】
そして、電圧制御部115cは、S125の処理を行う。
【0153】
電圧制御部115cは、S303の処理を行う場合には、S303の処理として、稼動率制御部117cに第四の通知信号を送る。
【0154】
そして、電圧制御部115cは、S125の処理を行う。
【0155】
図11は、稼動率制御部117cが行う処理例の処理フローを表す概念図である。
【0156】
稼動率制御部117cは、まず、S311の処理により、CPU190cの稼動率の上限を設定可能な最大値に設定する。
【0157】
次に、稼動率制御部117cは、S312の処理により、図11に表した処理を終了するかを判定する。
【0158】
稼動率制御部117cは、S312の処理により、図11に表した処理を終了することを判定した場合は、図11に表した処理を終了する。稼動率制御部117cは、例えば、図示しない外部からの終了指示が入力された場合に、図11に表した処理を終了することを判定する。あるいは、稼動率制御部117cは、予め設定しておいた条件に合う場合に、図11に表した処理を終了することを判定してもよい。
【0159】
一方、稼動率制御部117cは、S312の処理により、図11に表した処理を終了することを判定しなかった場合は、S313の処理を行う。
【0160】
稼動率制御部117cは、S313の処理を行う場合には、S313の処理として、電圧制御部115cから通知信号を受けたかを判定する。
【0161】
稼動率制御部117cは、S313の処理により、電圧制御部115cから通知信号を受けたことを判定した場合には、S314の処理を行う。
【0162】
一方、稼動率制御部117cは、S313の処理により、電圧制御部115cから通知信号を受けたことを判定しなかった場合には、前述のS312の処理を行う。
【0163】
稼動率制御部117cは、S314の処理を行う場合には、S314の処理として、受けた通知信号が第三の通知信号であるかを判定する。
【0164】
稼動率制御部117cは、S314の処理により、受けた通知信号が第三の通知信号であるかとを判定した場合は、S316の処理を行う。
【0165】
一方、稼動率制御部117cは、S314の処理により、受けた通知信号が第三の通知信号であるかとを判定しなかった場合は、S315の処理を行う。
【0166】
稼動率制御部117cは、S316の処理を行う場合には、S316の処理として、CPU190Cを稼動するCPU190cの稼動率の上限をX倍にする。ここで、Xは、図11に表した処理に先立ち予め定められた1より小さい正の値である。
【0167】
稼動率制御部117cは、S315の処理を行う場合には、S315の処理として、受けた通知信号が第四の通知信号かを判定する。
【0168】
稼動率制御部117cは、S315の処理により、受けた通知信号が第四の通知信号であると判定した場合は、S317の処理を行う。
【0169】
一方、稼動率制御部117cは、S315の処理により、受けた通知信号が第四の通知信号であると判定しなかった場合は、前述のS312の処理を行う。
【0170】
稼動率制御部117cは、S317の処理を行う場合には、S317の処理として、CPU190cの稼動率の上限を1/X倍した値が、CPU190cの稼動率の上限の設定可能な最大値を超えないかを判定する。
【0171】
稼動率制御部117cは、S317の処理により、CPU190cの稼動率の上限を1/X倍した値が、設定可能なCPU190cの稼動率の上限の設定可能な最大値を超えないことを判定した場合は、S318の処理を行う。
【0172】
一方、稼動率制御部117cは、S317の処理により、CPU190cの稼動率の上限を1/X倍した値が、CPU190cの稼動率の上限の設定可能な最大値を超えないことを判定しなかった場合は、前述のS312の処理を行う。
【0173】
稼動率制御部117cは、S318の処理を行う場合には、S318の処理として、CPU190cの稼動率の上限を1/X倍する。
【0174】
そして、稼動率制御部117cは、前述のS312の処理を行う。
【0175】
図9に表した制御装置101cは、冷却装置113aの冷却動作(稼動)を強めた結果として、冷却装置113aの稼動により発生する音の音量が上限に達した場合には、まず、CPU190cを駆動する駆動電圧を下げる。そして、駆動電圧が電圧閾値Vth2を下回った場合に、CPU190cの稼動率を下げる。
【0176】
そのため、制御装置101cが行う動作には、CPU190cの駆動電圧は下げ、CPU190cの稼動率は下げない動作が存在する。CPU190cは、駆動電圧は下がっても稼動率は下がらない場合は、処理スピードは低下しない。従い、制御装置101cは、冷却装置の稼動によって生じる音の音量を抑えるための処理において、CPUの処理スピードの低下を抑えることができる。
【0177】
制御装置101cは、さらに、駆動電圧が、CPU190cを駆動可能な最低駆動電圧Vminよりは高い電圧値である電圧閾値Vth2を下回った場合には、CPU190cの稼動率を下げる。すなわち、制御装置101cは、CPU190cの稼動率を下げることにより、CPU190cの消費電力及び発熱量を抑える。そのため、制御装置101cは、図1に表した制御装置101aと比較して、最低駆動電圧Vminに到達する確率を低下させ、かつ、最低駆動電圧Vminに到達するまでのCPU190cの稼動時間を長くすることができる。
【0178】
なお、第四実施形態の制御装置の上記説明においては、駆動電圧が所定の値を下回った時に、第三実施形態の制御装置のようにCPUのクロック信号の周波数を低下させることについては言及していない。しかしながら、第四実施形態の制御装置は、駆動電圧が所定の値を下回った時に、稼動率を下げる動作と、CPUのクロック信号の周波数を低下させる動作とを組み合わせた動作を行っても構わない。
[効果]
第四実施形態の制御装置は、冷却装置の冷却動作(稼動)を強めた結果として、冷却装置の稼動により発生する音の音量が上限に達した場合には、まず、CPUを駆動する駆動電圧を下げる。そして、駆動電圧が電圧閾値より下がった場合に、CPUの稼動率を下げる。
【0179】
そのため、第四実施形態の制御装置が行う動作には、CPUの駆動電圧は下げ、CPUの稼動率は下げない動作が存在する。CPUは、駆動電圧は下がっても稼動率は下がらない場合は、処理スピードは低下しない。従い、第四実施形態の制御装置は、冷却装置の稼動によって生じる音の音量を抑えるための処理において、CPUの処理スピードの低下を抑えることができる。
【0180】
第四実施形態の制御装置は、さらに、駆動電圧が、CPUが駆動できなくなる駆動電圧である最低駆動電圧よりは高い電圧値である電圧閾値を下回った場合には、CPUの稼動率を下げる。すなわち、第四実施形態の制御装置は、CPUの稼動率を下げることにより、CPUの消費電力及び発熱量を抑える。そのため、第四実施形態の制御装置は、第一実施形態の制御装置と比較して、最低駆動電圧に到達する確率を低下させ、かつ、最低駆動電圧に到達するまでのCPUの稼動時間を長くすることができる。
【0181】
なお、図12は、本発明の制御装置の最小限の構成である制御装置101xを表す概念図である。
【0182】
制御装置101xは、温度計測部111xと、温調装置制御部114xと、電圧制御部115xと、を備える。
【0183】
温調装置制御部114xは、図示しない半導体回路の温度を調整し得る装置である図示しない温度調整装置の稼動状態を表す値が、所定の閾値を大きく超えることがないように制御する。
【0184】
温度計測部111xは、前記半導体回路が発する熱の影響が及ぶ所の温度を計測し得る。
【0185】
電圧制御部115xは、前記温度計測部が計測した温度を表す情報により、前記半導体回路を駆動する駆動電圧の値を調整する。
【0186】
制御装置101xは、上記構成により、[発明の効果]の項に記載した効果を奏する。
【0187】
以上、好ましい実施形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することができる。
【0188】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記述され得るが、以下には限られない。
【0189】
(付記A1)
半導体回路の温度を調整し得る装置である温度調整装置の稼動状態を表す値が、所定の閾値を超えなくなるように制御する温調装置制御部と、
前記半導体回路が発する熱の影響が及ぶ所の温度を計測し得る温度計測部と、
前記温度計測部が計測した温度を表す情報により、前記半導体回路を駆動する駆動電圧の値を調整する電圧制御部と、
を備える、制御装置。
【0190】
(付記A1.1)
前記半導体回路が中央演算処理装置である、付記A1に記載された制御装置。
【0191】
(付記A2)
前記電圧制御部は、前記温度が所定の値を超えた場合に前記駆動電圧値の低下を行う、付記A1に記載された制御装置。
【0192】
(付記A3)
前記電圧制御部は、前記低下を、前記駆動電圧が前記半導体回路が作動しなくなる最低の駆動電圧値を下回らない範囲で行う、付記A1又は付記A2に記載された制御装置。
【0193】
(付記A4)
前記電圧制御部は、前記稼動状態を表す値が前記閾値近傍にある場合に、前記電圧制御部が前記駆動電圧の値を調整する、付記A1乃至付記A3のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【0194】
(付記A5)
前記電圧制御部は、前記温度が所定の値を下回った場合に前記駆動電圧値の上昇を行う、付記A1乃至付記A4のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【0195】
(付記A6)
前記電圧制御部は、前記上昇を、前記電圧制御部が半導体回路を通常駆動する際に用いる駆動電圧である通常駆動電圧を上回らない範囲で行う付記A1乃至付記A5のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【0196】
(付記A7)
前記稼動状態を表す値が、温度調整装置制御部が温度調整装置制御部を制御する電力値である、付記A1乃至付記A6のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【0197】
(付記A8)
前記稼動状態を表す値が、温度調整装置制御部が温度調整装置制御部を制御する電圧値である、付記A1乃至付記A6のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【0198】
(付記A9)
前記稼動状態を表す値が、温度調整装置制御部が温度調整装置制御部を制御する電流値である、付記A1乃至付記A6のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【0199】
(付記A10)
前記稼動状態を表す現象を表す値が、前記温度調整装置が発する振動の大きさを表す値である、付記A1乃至付記A9のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【0200】
(付記A11)
前記振動が気体の振動である、付記A10に記載された制御装置。
【0201】
(付記A12)
前記振動が空気の振動である、付記A10に記載された制御装置。
【0202】
(付記A13)
前記稼動状態を表す値が、前記温度調整装置が発する音の音量を表す値である、付記A1乃至付記A9のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【0203】
(付記A14)
前記稼動状態を表す値が、前記温度調整装置が発する音の質を表す値である、付記A1乃至付記A9のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【0204】
(付記A15)
前記稼動状態を表す値が、前記温度調整装置が発する音の周波数を表す値である、付記A1乃至付記A9のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【0205】
(付記A16)
前記稼動状態を表す値を計測し、計測した前記稼動状態を表す値を含む情報を前記温度調整装置に送る稼動状態計測部をさらに備える、付記A1乃至付記A15のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【0206】
(付記A17)
前記稼動状態計測部が、前記温度調整装置が発する音の音量を表す値を計測する音量計測部である、付記A16に記載された制御装置。
【0207】
(付記A18)
前記中央演算処理装置のクロック信号の周波数を制御する周波数制御部をさらに備える、付記A2乃至付記A17(付記A2の引用部分に限る。)のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【0208】
(付記A19)
前記周波数制御部は、前記駆動電圧が所定の値を下回った場合に、前記周波数を低下させる、付記A18に記載された制御装置。
【0209】
(付記A20)
前記周波数制御部は、前記温度が所定の値を下回った場合に、前記周波数を上昇させる、付記A18又は付記A19に記載された制御装置。
【0210】
(付記A21)
前記中央演算処理装置の稼動率を制御する稼動率制御部をさらに備える、付記A2乃至付記A20(付記A2の引用部分に限る。)のうちのいずれか一に記載された制御装置。
【0211】
(付記A22)
前記稼動率制御部は、前記駆動電圧が所定の値を下回った場合に、前記稼動率を低下させる、付記A21に記載された制御装置。
【0212】
(付記A23)
前記稼動率制御部は、前記温度が所定の値を下回った場合に、前記稼動率を上昇させる、付記A21又は付記22に記載された制御装置。
【0213】
(付記B1)
半導体回路の温度を調整し得る温度調整装置の稼動状態を表す値が、所定の閾値を超えなくなるように制御し、
前記半導体回路が発する熱の影響が及ぶ所の温度を計測し、
前記温度を表す情報により、前記半導体回路を駆動する駆動電圧の値を調整する、
制御方法。
【0214】
(付記C1)
半導体回路の温度を調整し得る温度調整装置の稼動状態を表す値が、所定の閾値を超えなくなるように制御する処理と、
前記半導体回路が発する熱の影響が及ぶ所の温度を計測する処理と、
前記温度を表す情報により、前記半導体回路を駆動する駆動電圧の値を調整する処理と、
を含む処理をコンピュータに実行させる制御プログラム。
【符号の説明】
【0215】
101a、101b、101c、101n、101x 制御装置
111a、111x 温度計測部
112a 音量計測部
113a 冷却装置
114a、114n 冷却装置制御部
114x 温調装置制御部
115a、115b、115c、115x 電圧制御部
116b 周波数制御部
117c 稼動率制御部
190a、190b、190c CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12