(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シグナリングメッセージが、前記ユーザ機器とネットワークノードとの間の無線リンク制御(RLC)層接続の再確立に続いて、前記ネットワークノードと再同期化するための要求を含む、請求項1に記載の方法。
前記シグナリングメッセージが、前記ユーザ機器とネットワークノードとの間の無線リンク制御(RLC)層接続の再確立に続いて、前記ネットワークノードと再同期化するための要求を含む、請求項7に記載のユーザ機器。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面に関する下記の詳細な説明は、様々な構成を説明することを意図しており、本明細書で説明される概念が実行され得る唯一の構成を表すことを意図しているわけではない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解をもたらす目的で、具体的な詳細を含んでいる。しかしながら、これらの概念がこれらの具体的な詳細なしに実行され得ることが、当業者には明らかであろう。場合によっては、そのような概念を曖昧にするのを回避するために、既知の構造および構成要素がブロック図の形式で示されている。
【0013】
本開示の様々な態様は、ネットワークが、ネットワーク負荷を低減するために、SIB5またはSIB5bisを経時的に変更することによって、UEがCELL_FACH状態にある間、拡張アップリンク(EUL、高速アップリンクパケットアクセスまたはHSUPAとも称される)を有効または無効にするとき、セル更新メッセージまたは手続きをユーザ機器(UE)から配信するように構成され得る。一例によれば、ネットワークノードは、ネットワークノードが、ネットワーク負荷を低減するために、SIB5またはSIB5bisを経時的に変更することによって、CELL_FACH状態におけるEULを有効または無効にするとき、セル更新(すなわち、以下で交換可能に参照されるCELL_UPDATE)メッセージまたは手続きをUEに配信するように構成され得る。別の例によれば、UEは、セル更新を遅延させるためにランダムタイマまたはバックオフタイマを利用するように構成され得る。
【0014】
図1は、処理システム114を用いる装置100についてのハードウェア実装形態の一例を示す概念図である。本開示の様々な態様では、UE、ネットワークノード(たとえば、無線ネットワークコントローラ、すなわち、RNC、または基地局、すなわち、Node B)は、処理システム114を用いる装置100として実装され得る。すなわち、本開示の様々な態様によれば、要素または要素の一部分または要素の組合せを、1つまたは複数のプロセッサ104を含む処理システム114で実装できる。プロセッサ104の例として、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、ゲート論理回路、個別ハードウェア回路、および本開示全体にわたって説明される様々な機能を実施するように構成された他の適切なハードウェアがある。
【0015】
この例では、処理システム114は、バス102によって全般的に表されるバスアーキテクチャで実装され得る。バス102は、処理システム114の具体的な用途および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続するバスおよびブリッジを含み得る。バス102は、(プロセッサ104によって全般に表される)1つまたは複数のプロセッサ、メモリ105、および(コンピュータ可読媒体106によって全般的に表される)コンピュータ可読媒体を含む、様々な回路を互いに接続する。バス102は、タイミングソース、周辺機器、電圧調整器、および電力管理回路など、様々な他の回路を接続することもでき、これらの回路は当技術分野で既知であるのでこれ以上は説明しない。バスインターフェース108は、バス102とトランシーバ110との間にインターフェースを提供する。トランシーバ110は、送信媒体上の様々な他の装置と通信するための手段を提供する。また、装置の性質に応じて、ユーザインターフェース112(たとえば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカー、マイクロフォン、ジョイスティックなど)も設けられてよい。
【0016】
プロセッサ104は、バス102の管理、およびコンピュータ可読媒体106に記憶されたソフトウェアの実行を含む全般的な処理を受け持つ。ソフトウェアは、プロセッサ104によって実行されると、任意の特定の装置の以下で説明される様々な機能を処理システム114に実行させる。コンピュータ可読媒体106は、ソフトウェアを実行するときにプロセッサ104によって操作されるデータを記憶するために使用されてもよい。
【0017】
処理システム内の1つまたは複数のプロセッサ104は、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手続き、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。ソフトウェアはコンピュータ可読媒体106上に存在し得る。コンピュータ可読媒体106は、非一時的コンピュータ可読媒体であってよい。非一時的コンピュータ可読媒体は、例として、磁気記憶デバイス(たとえば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(たとえば、コンパクトディスク(CD)またはデジタル多目的ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(たとえば、カード、スティック、またはキードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、取り外し可能ディスク、ならびに、コンピュータがアクセスし読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を保存するための任意の他の適切な媒体を含む。また、コンピュータ可読媒体は、例として、搬送波、伝送路、ならびに、コンピュータがアクセスし読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を送信するための任意の他の適切な媒体も含み得る。コンピュータ可読媒体106は、処理システム114の中に存在してもよく、処理システム114の外に存在してもよく、または処理システム114を含む複数のエンティティにわたって分散して存在してもよい。コンピュータ可読媒体106は、コンピュータプログラム製品として具現化され得る。例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージング素材内のコンピュータ可読媒体を含み得る。当業者は、具体的な用途およびシステム全体に課せられた全体的な設計制約に応じて、本開示全体にわたって示される説明される機能を最善の形で実装する方法を認識するだろう。
【0018】
本開示全体にわたって提示される様々な概念は、広範で多様な電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格にわたって実現することができる。ここで
図2を参照すると、限定ではなく例示として、本開示の様々な態様は、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)システム200に関して示されている。UMTSネットワークは、コアネットワーク204、無線アクセスネットワーク(RAN)(たとえば、UTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)202)、およびユーザ機器(UE)210という、3つの対話するドメインを含む。UTRAN202に利用可能ないくつかのオプションの中で、この例では、図示されたUTRAN202は、電話、ビデオ、データ、メッセージング、放送、および/または他のサービスを含む様々なワイヤレスサービスを可能にするためのW-CDMAエアインターフェースを用いることができる。UTRAN202は、無線ネットワークコントローラ(RNC)206などのそれぞれの無線ネットワークコントローラ(RNC)によって各々制御される、無線ネットワークサブシステム(RNS)207などの複数の無線ネットワークサブシステム(RNS)を含み得る。ここで、UTRAN202は、示されるRNC206およびRNS207に加えて、任意の数のRNC206およびRNS207を含み得る。RNC206は、とりわけ、RNS207内の無線リソースを割り当て、再構成し、解放することを担う装置である。RNC206は、任意の適切なトランスポートネットワークを使用する、直接の物理接続、仮想ネットワークなど様々なタイプのインターフェースを介して、UTRAN202中の他のRNC(図示せず)に相互接続され得る。
【0019】
RNS207によってカバーされる地理的領域は、いくつかのセルに分割することができ、無線トランシーバ装置が各セルをサービスする。無線トランシーバ装置は、通常、UMTS用途ではNode Bと称されるが、当業者によって、基地局(BS)、送受信基地局(BTS)、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、アクセスポイント(AP)、または他の任意の適切な用語で呼ばれることもある。明瞭化のために、各RNS207に3つのNode B208が示されているが、RNS207は、任意の数のワイヤレスNode Bを含んでもよい。Node B208は、ワイヤレスアクセスポイントを任意の数のモバイル装置のためのコアネットワーク(CN)204に提供する。モバイル装置の例には、携帯電話、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、スマートブック、携帯情報端末(PDA)、衛星ラジオ、全地球測位システム(GPS)デバイス、マルチメディアデバイス、ビデオ装置、デジタルオーディオプレーヤ(たとえば、MP3プレーヤなど)、カメラ、ゲーム機、または任意の他の類似の機能デバイスなどがある。モバイル装置は、通常、UMTS用途ではユーザ機器(UE)と称されるが、当業者によって、移動局(MS)、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、遠隔ユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、遠隔デバイス、モバイル加入者局、アクセス端末(AT)、モバイル端末、ワイヤレス端末、遠隔端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または他の任意の適切な用語で呼ばれることもある。UMTSシステムでは、UE210は、ネットワークへのユーザの加入情報を含む汎用加入者識別モジュール(USIM)211をさらに含み得る。説明のために、1つのUE210がいくつかのNode B208と通信しているように示される。順方向リンクとも称されるダウンリンク(DL)は、Node B208からUE210への通信リンクを指し、逆方向リンクとも称されるアップリンク(UL)は、UE210からNode B208への通信リンクを指す。
【0020】
コアネットワーク204は、UTRAN202のような1つまたは複数のアクセスネットワークとインターフェースをとることができる。示されるように、コアネットワーク204は、UMTSコアネットワークである。しかしながら、当業者が認識するように、UMTSネットワーク以外のタイプのコアネットワークへのアクセスをUEに提供するために、本開示全体にわたって提示される様々な概念を、RANまたは他の適切なアクセスネットワークにおいて実装することができる。
【0021】
示されるUMTSコアネットワーク204は、回線交換(CS)領域およびパケット交換(PS)領域を含む。回線交換要素のいくつかは、モバイルサービス交換センタ(MSC)、ビジターロケーションレジスタ(VLR)、およびゲートウェイMSC(GMSC)である。パケット交換要素は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)、およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)を含む。EIR、HLR、VLR、およびAuCのようないくつかのネットワーク要素は、回線交換領域とパケット交換領域との両方によって共有され得る。
【0022】
図示の例では、コアネットワーク204は、MSC212およびGMSC214によって回線交換サービスをサポートする。いくつかの用途では、GMSC214は、メディアゲートウェイ(MGW)とも称され得る。RNC206のような1つまたは複数のRNCが、MSC212に接続され得る。MSC212は、呼セットアップ、呼ルーティング、およびUEモビリティ機能を制御する装置である。MSC212は、UEがMSC212のカバレッジエリア内にある間、加入者関連の情報を記憶するビジターロケーションレジスタ(VLR)も含む。GMSC214は、UEが回線交換ネットワーク216にアクセスするためのゲートウェイを、MSC212を通じて提供する。GMSC214は、特定のユーザが加入したサービスの詳細を反映するデータのような加入者データを記憶するホームロケーションレジスタ(HLR)215を含む。HLRは、加入者に固有の認証データを記憶する認証センタ(AuC)とも関連付けられている。特定のUEについて、呼が受信されると、GMSC214は、UEの位置を判断するためにHLR215に問い合わせ、その位置でサービスする特定のMSCに呼を転送する。
【0023】
また、示されるコアネットワーク204は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)218およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)220によって、パケット交換データサービスをサポートする。汎用パケット無線サービス(GPRS)は、標準の回線交換データサービスで可能なものより速い速度でパケットデータサービスを提供するよう設計されている。GGSN220は、パケットベースネットワーク222へのUTRAN202の接続を提供する。パケットベースネットワーク222は、インターネット、プライベートデータネットワーク、または他の任意の適切なパケットベースネットワークでもよい。GGSN220の主要機能は、UE210にパケットベースネットワーク接続を提供することである。データパケットは、MSC212が回線交換領域において実行するのと同一の機能をパケットベース領域において主に実行するSGSN218を介して、GGSN220とUE210との間で転送され得る。
【0024】
UTRANエアインターフェースは、W-CDMA規格を利用するような、スペクトラム拡散DS-CDMA(Direct-Sequence Code Division Multiple Access)システムであってよい。スペクトラム拡散DS-CDMAは、チップと称される疑似ランダムビットの列との乗算によって、ユーザデータを拡散させる。UTRAN202のW-CDMAエアインターフェースは、そのようなDS-CDMA技術に基づいており、さらに周波数分割複信(FDD)を必要とする。FDDは、Node B208とUE210との間のアップリンク(UL)およびダウンリンク(DL)に異なる搬送周波数を使用する。DS-CDMAを利用し、時分割複信(TDD)を使用するUMTSの別のエアインターフェースは、TD-SCDMAエアインターフェースである。本明細書に記載される様々な例は、W-CDMAエアインターフェースを指す場合があるが、基礎をなす原理は、TD-SCDMAエアインターフェースまたは他の任意の適切なエアインターフェースに等しく適用可能であることを、当業者は認識されよう。
【0025】
ワイヤレス電気通信システムでは、通信プロトコルアーキテクチャは、特定の用途に応じて様々な形態をとる可能性がある。たとえば、3GPPのUMTSシステムでは、シグナリングプロトコルスタックは、NAS(Non-Access Stratum)とAS(Access Stratum)とに分割される。NASは、UE210とコアネットワーク204(
図2参照)との間のシグナリング用に上位層を提供し、回線交換プロトコルおよびパケット交換プロトコルを含む場合がある。ASは、UTRAN202とUE210との間のシグナリング用に下位層を提供し、ユーザプレーンおよび制御プレーンを含む場合がある。ここで、ユーザプレーンまたはデータプレーンはユーザトラフィックを搬送し、一方、制御プレーンは制御情報(すなわち、シグナリング)を搬送する。
【0026】
図3を参照すると、第1層、第2層、および第3層の3つの層を有するASが示されている。第1層は、最下位層であり、様々な物理層の信号処理機能を実装する。第1層は、本明細書では物理層306と称される。第2層308と称されるデータリンク層は、物理層306の上にあり、物理層306を介したUE210とNode B208との間のリンクを担う。
【0027】
第3層において、RRC層316は、UE210とNode B208との間の制御プレーンのシグナリングを処理する。RRC層316は、上位層のメッセージのルーティング、ブロードキャスト機能およびページング機能の処理、無線ベアラの確立および構成などのための、いくつかの機能的なエンティティを含む。さらに、RRC層316は、アイドルモードと接続モードとの間の状態遷移を処理し、接続モード内で、いくつかのサービス状態同士の間の遷移を処理する。これらのサービス状態は、CELL_FACH、CELL_PCH、およびURA_PCH、ならびに接続状態CELL_DCHなど、スタンバイ状態を含む。様々なスタンバイ状態は、ネットワーク容量と、呼設定時間と、バッテリー時間と、データ速度との間で様々なトレードオフを提供し、これらを可能にする。
【0028】
アイドルモードで、UEは、RRC接続のセルの検索、獲得、および確立など、様々な機能を実行する。
【0029】
CELL_DCH状態で、専用物理チャネルがUEに割り振られて、UEは、セルまたはアクティブなセットレベルでそのサービングRNCによって知られる。ここで、UEは、一般に、RNC206から受信した測定制御情報に従って、測定を実行して、測定報告を送る。
【0030】
CELL_FACH状態では、いかなる専用物理チャネルもUEに割り振られず、代わりに、シグナリングメッセージと少量のユーザプレーンデータとの両方を送信するために、ランダムアクセスチャネル(RACH)および順方向アクセスチャネル(FACH)を使用することができる。この状態で、UEは、システム情報ブロック(SIB)上で送信され得るシステム情報を獲得するためにブロードキャストチャネル(BCH)を聴取することも可能である。この状態で、UEは、セル再選択を実行することができ、再選択の後、RNCがそのUEの位置を知ることができるように、Cell UpdateメッセージをRNC206に送信することができる。識別のために、MACヘッダ内のセル無線ネットワーク一時識別(C-RNTI)は、セル内でUEを互いと分離させることができる。UEがセル再選択を実行するとき、そのメッセージを受信する第1のRNCが現在のSRNCでない場合であっても、UTRAN207がCell UpdateメッセージをUEの現在のサービングRNCに経路指定することができるように、UEは、Cell Updateメッセージを送るときに、UTRAN RNTI(U-RNTI)を使用する。
【0031】
CELL_PCH状態では、ページングチャネル(PCH)の監視は間欠受信(DRX)機能を含むため、UEバッテリー消費はCELL_FACH状態よりも少ない。UEは、BCHに関するシステム情報をやはり聴取する。UEは、各セル再選択後、Cell Updateを実行せず、代わりに、URA(UTRAN Registration Area)識別をBCHから読み取り、(セル再選択の後)URAが変更された場合だけ、UEはその位置をSRNCに伝えることを除いて、URA_PCH状態はCELL_PCHと非常に類似する。
【0032】
図示されたエアインターフェースでは、L2層308はサブレイヤに分割される。制御プレーンでは、L2層308は、2つのサブレイヤ、すなわち、媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤ310および無線リンク制御(RLC)サブレイヤ312を含む。ユーザプレーンでは、L2層308は、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サブレイヤ314をさらに含む。図示されていないが、UEは、ネットワーク側のPDNゲートウェイで終端されるネットワーク層(たとえばIP層)と、接続の他端(たとえば、遠端のUE、サーバなど)で終端されるアプリケーション層とを含めて、L2層308の上にいくつかの上位層を有し得る。
【0033】
PDCPサブレイヤ314は、異なる無線ベアラと論理チャネルとの間の多重化を行う。また、PDCPサブレイヤ314は、無線送信のオーバーヘッドを低減する上位層のデータパケットのヘッダ圧縮、データパケットの暗号化によるセキュリティ、および、Node B間のUE向けのハンドオーバーサポートを実現する。
【0034】
RLCサブレイヤ312は、一般に、(肯定応答および再送信処理がエラー訂正に使用され得る)確認型モード(AM)、非確認型モード(UM)、およびデータ転送用の透過型モードをサポートし、上位層のデータパケットのセグメント化およびリアセンブリ、ならびにMAC層でのハイブリッド自動再送要求(HARQ)による順序の乱れた受信を補償するデータパケットの並べ替えを実現する。確認型モードでは、RNCおよびUEなどのRLCピアエンティティは、とりわけ、RLC Data PDU、RLC Status PDU、およびRLC Reset PDUを含む、様々なRLCプロトコルデータユニット(PDU)を交換することができる。本開示では、「パケット」という用語は、ピアエンティティ間で交換される任意のPDUを指す場合がある。
【0035】
MACサブレイヤ310は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化を行う。また、MACサブレイヤ310は、1つのセルの中の様々な無線リソース(たとえばリソースブロック)の複数のUEへの割振りを担う。また、MACサブレイヤ310は、HARQ動作を担う。
【0036】
UTRAN202は、本開示によって利用され得るRANの一例である。次に
図4を参照すると、限定ではなく例示として、UTRANアーキテクチャにおけるRAN400の簡略化された概略図が示されている。システムは、セル402、404、および406を含む複数のセルラー領域(セル)を含み、セルの各々は、1つまたは複数のセクタを含むことができる。セルは、(たとえばカバレージエリアによって)地理的に定義することができ、かつ/または、周波数、スクランブリングコードなどに従って定義することもできる。すなわち、図示された地理的に定義されたセル402、404、および406は、各々、たとえば異なるスクランブリングコードを利用することによって、複数のセルにさらに分割することができる。たとえば、セル404aは、第1のスクランブリングコードを利用することができ、セル404bは、同一の地理的領域にあり同一のNode B444によってサービスされる間、第2のスクランブリングコードを利用することによって区別され得る。
【0037】
セクタに分割されたセルでは、セル内の複数のセクタは、アンテナのグループによって形成することができ、各アンテナがセルの一部にあるUEとの通信を担う。たとえば、セル402では、アンテナグループ412、414、および416は、各々異なるセクタに対応することができる。セル404では、アンテナグループ418、420、および422は、各々異なるセクタに対応することができる。セル406では、アンテナグループ424、426、および428は、各々異なるセクタに対応することができる。
【0038】
セル402、404、および406は、各セル402、404、または406の1つまたは複数のセクタと通信中であり得る、いくつかのUEを含む場合がある。たとえば、UE430および432は、Node B442と通信していてもよく、UE434および436は、Node B444と通信していてもよく、UE438および440は、Node B446と通信していてもよい。ここで、各Node B442、444、および446は、それぞれのセル402、404、および406の中のすべてのUE430、432、434、436、438、および440のために、コアネットワーク204(
図2参照)へのアクセスポイントを提供するように構成され得る。
【0039】
ソースセルとの呼の間、または任意の他の時間に、UE436は、ソースセルの様々なパラメータならびに近隣セルの様々なパラメータを監視することができる。さらに、これらのパラメータの品質に応じて、UE436は、近隣セルのうちの1つまたは複数との通信を維持し得る。この時間の間、UE436は、Active Set、すなわちUE436が同時に接続されるセルのリストを維持することができる(すなわち、ダウンリンク専用物理チャネルDPCHまたは部分ダウンリンク専用物理チャネルF-DPCHをUE436に現在割り当てているUTRANセルは、Active Setを構成することができる)。
【0040】
図5は、例示的なUE550と通信している例示的なNode B510のブロック図であり、Node B510は
図2のNode B208であってよく、UE550は
図2のUE210であってよい。ダウンリンク通信では、送信プロセッサ520は、データソース512からデータを受信し、コントローラ/プロセッサ540から制御信号を受信することができる。送信プロセッサ520は、参照信号(たとえばパイロット信号)とともに、データ信号および制御信号のための様々な信号処理機能を提供する。たとえば、送信プロセッサ520は、誤り検出のための巡回冗長検査(CRC)コード、順方向誤り訂正(FEC)を支援するための符号化およびインターリービング、様々な変調方式(たとえば、二位相偏移変調(BPSK)、四位相偏移変調(QPSK)、M-位相偏移変調(M-PSK)、M-直角位相振幅変調(M-QAM)など)に基づいた信号配列へのマッピング、直交可変拡散率(OVSF)による拡散、および、一連のシンボルを生成するためのスクランブリングコードとの乗算を提供することができる。送信プロセッサ520のための符号化方式、変調方式、拡散方式および/またはスクランブリング方式を決定するために、チャネルプロセッサ544からのチャネル推定が、コントローラ/プロセッサ540によって使われ得る。これらのチャネル推定は、UE550によって送信される参照信号から、またはUE550からのフィードバックから、導出され得る。送信プロセッサ520によって生成されたシンボルは、フレーム構造を作成するために、送信フレームプロセッサ530に提供される。送信フレームプロセッサ530は、コントローラ/プロセッサ540からの情報とシンボルとを多重化することによって、このフレーム構造を作成し、一連のフレームが得られる。次いでこのフレームは送信機532に提供され、送信機532は、アンテナ534を通じたワイヤレス媒体によるダウンリンク送信のために、増幅、フィルタリング、およびフレームのキャリア上への変調を含む、様々な信号調整機能を提供する。アンテナ534は、たとえば、ビームステアリング双方向適応アンテナアレイまたは他の同様のビーム技術を含む、1つまたは複数のアンテナを含み得る。
【0041】
UE550において、受信機554は、アンテナ552を通じてダウンリンク送信を受信し、その送信を処理してキャリア上へ変調されている情報を回復する。受信機554によって回復された情報は、受信フレームプロセッサ560に提供され、受信フレームプロセッサ560は、各フレームを解析し、フレームからの情報をチャネルプロセッサ594に提供し、データ信号、制御信号、および参照信号を受信プロセッサ570に提供する。受信プロセッサ570は次いで、Node B510中の送信プロセッサ520によって実行される処理の逆を実行する。より具体的には、受信プロセッサ570は、シンボルを逆スクランブルおよび逆拡散し、次いで変調方式に基づいて、Node B510によって送信された、最も可能性の高い信号配列点を求める。これらの軟判定は、チャネルプロセッサ594によって計算されるチャネル推定に基づき得る。そして軟判定は、データ信号、制御信号、および参照信号を回復するために、復号されてデインターリーブされる。そして、フレームの復号が成功したかどうか判断するために、CRCコードが確認される。次いで、復号に成功したフレームによって搬送されるデータがデータシンク572に提供され、データシンク572は、UE550および/または様々なユーザインターフェース(たとえばディスプレイ)において実行されているアプリケーションを表す。復号に成功したフレームが搬送する制御信号は、コントローラ/プロセッサ590に提供される。受信プロセッサ570によるフレームの復号が失敗すると、コントローラ/プロセッサ590は、確認応答(ACK)プロトコルおよび/または否定応答(NACK)プロトコルを用いて、そうしたフレームの再送信要求をサポートすることもできる。
【0042】
アップリンクでは、データソース578からのデータおよびコントローラ/プロセッサ590からの制御信号が、送信プロセッサ580に提供される。データソース578は、UE550で実行されているアプリケーションおよび様々なユーザインターフェース(たとえばキーボード)を表し得る。Node B510によるダウンリンク送信に関して説明される機能と同様に、送信プロセッサ580は、CRCコード、FECを支援するための符号化およびインターリービング、信号配列へのマッピング、OVSFによる拡散、および、一連のシンボルを生成するためのスクランブリングを含む、様々な信号処理機能を提供する。Node B510によって送信される参照信号から、または、Node B510によって送信されるミッドアンブル中に含まれるフィードバックから、チャネルプロセッサ594によって導出されるチャネル推定が、適切な符号化方式、変調方式、拡散方式、および/またはスクランブリング方式を選択するために、使われ得る。送信プロセッサ580によって生成されたシンボルは、フレーム構造を作成するために、送信フレームプロセッサ582に提供される。送信フレームプロセッサ582は、コントローラ/プロセッサ590からの情報とシンボルとを多重化することによって、このフレーム構造を作成し、一連のフレームが得られる。次いでこのフレームは送信機556に提供され、送信機556は、アンテナ552を通じたワイヤレス媒体によるアップリンク送信のために、増幅、フィルタリング、およびフレームのキャリア上への変調を含む、様々な信号調整機能を提供する。
【0043】
アップリンク送信は、UE550において受信機能に関して説明されたのと同様の方式で、Node B510において処理される。受信機535は、アンテナ534を通じてアップリンク送信を受信し、その送信を処理してキャリア上へ変調されている情報を回復する。受信機535によって回復された情報は、受信フレームプロセッサ536に提供され、受信フレームプロセッサ536は、各フレームを解析し、フレームからの情報をチャネルプロセッサ544に提供し、データ信号、制御信号、および参照信号を受信プロセッサ538に提供する。受信プロセッサ538は、UE550中の送信プロセッサ580によって実行される処理の逆を実行する。次いで、復号に成功したフレームによって搬送されるデータ信号および制御信号が、データシンク539およびコントローラ/プロセッサにそれぞれ提供され得る。フレームの一部が、受信プロセッサによる復号に失敗すると、コントローラ/プロセッサ540は、確認応答(ACK)プロトコルおよび/または否定応答(NACK)プロトコルを用いて、そうしたフレームの再送信要求をサポートすることもできる。
【0044】
コントローラ/プロセッサ540および590は、それぞれNode B510およびUE550における動作を指示するために使われ得る。たとえば、コントローラ/プロセッサ540および590は、タイミング、周辺インターフェース、電圧調整、電力管理、および他の制御機能を含む、様々な機能を提供することができる。メモリ542および592のコンピュータ可読媒体は、それぞれ、Node B510およびUE550のためのデータおよびソフトウェアを記憶することができる。Node B510におけるスケジューラ/プロセッサ546は、リソースをUEに割り当て、UEのダウンリンク送信および/またはアップリンク送信をスケジューリングするために、使われ得る。
【0045】
高速パケットアクセス(HSPA)エアインターフェースは、ユーザに対してスループットの向上および待ち時間の低減を可能にする、UE550とNode B510との間の3G/W-CDMAエアインターフェースに対する一連の拡張を含む。前の規格に対する他の修正の中でも、HSPAは、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)、共有チャネル送信、ならびに適応変調符号化を利用する。HSPAを定義する規格は、HSDPA(高速ダウンリンクパケットアクセス)およびHSUPA(拡張アップリンクまたはEULとも称される高速アップリンクパケットアクセス)を含む。
【0046】
たとえば、3GPP規格ファミリのリリース5では、HSDPAが導入された。HSDPAは、いくつかのUEによって共有され得る高速ダウンリンク共有チャネル(HS-DSCH)を、そのトランスポートチャネルとして利用する。HS-DSCHは、高速物理ダウンリンク共有チャネル(HS-PDSCH)、高速共有制御チャネル(HS-SCCH)、および高速専用物理制御チャネル(HS-DPCCH)という、3つの物理チャネルによって実装される。
【0047】
HS-SCCHは、HS-DSCHの送信に関連するダウンリンク制御情報を搬送するために利用され得る、物理チャネルである。ここで、HS-DSCHは、1つまたは複数のHS-SCCHに関連付けられ得る。UEは、いつHS-DSCHからそのデータを読み取るべきかを決定するため、および、割り当てられる物理チャネルにおいて使用される変調方式を決定するために、HS-SCCHを継続的に監視し得る。
【0048】
HS-PDSCHは、いくつかのUEによって共有され得、かつ高速ダウンリンクに対するダウンリンクデータを搬送し得る、物理チャネルである。HS-PDSCHは、4位相シフトキーイング(QPSK)、16-直交振幅変調(16-QAM)、およびマルチコード送信をサポートし得る。
【0049】
HS-DPCCHは、そのスケジューリングアルゴリズムにおいてNode Bを支援するためにUEからのフィードバックを搬送し得る、アップリンク物理チャネルである。フィードバックは、チャネル品質インジケータ(CQI)と、前のHS-DSCH送信の肯定応答または否定応答(ACK/NAK)とを含み得る。
【0050】
3GPPのリリース6の仕様は、EUL(Enhanced Uplink)またはHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)と称される、アップリンクの拡張を導入した。HSUPAは、E-DCH(EUL Dedicated Channel)をトランスポートチャネルとして利用する。E-DCHは、リリース99のDCHとともに、アップリンクで送信される。DCHの制御部分、すなわちDPCCHは、パイロットビットおよびダウンリンク電力制御命令をアップリンク送信で搬送する。
【0051】
E-DCHは、E-DPDCH(E-DCH Dedicated Physical Data Channel)およびE-DPCCH(E-DCH Dedicated Physical Control Channel)を含む物理チャネルによって実装される。加えて、HSUPAは、E-HICH(E-DCH HARQ Indicator Channel)、E-AGCH(E-DCH Absolute Grant Channel)、およびE-RGCH(E-DCH Relative Grant Channel)を含む、追加の物理チャネルを利用する。
【0052】
UEとネットワークノードとの間の典型的なセル更新手続き - 拡張アップリンク機能をオンにする
図6は、複数のUE602とRNC604などのネットワークノードとの間の典型的なセル更新手続きを示す呼フロー
図600である。特定の実装形態では、UE602は、装置100(
図1参照)、UE210(
図2参照)、またはUE550(
図5参照)と同一であってよく、RNC604は、先に説明したような、RNC206(
図2参照)と同一であってよい。
【0053】
すなわち、リリース8規格で導入される、EULまたはHSUPAの1つのオプションの機能は、UEが、CELL_FACH状態にある間、高速アップリンク通信のためにE-DCHを利用することを実現する。この機能は、本明細書において、以下でHS-RACH機能と称されるが、任意の適切な技術を使用することが可能である。一般に、本開示は、UEが、CELL_FACH状態を含むが、これに限定されない任意のスタンバイ状態にある間に利用するために、高速アップリンクチャネルを可能にすることができる任意の機能に関する。
【0054】
現在の規格では、ネットワークがHS-RACH機能をサポートする場合、ネットワークは、「Common E-DCHシステム情報」と称される、ある種のIE(Information Element)を、たとえば、SIB5またはSIB5bis中でブロードキャストすることによって、HS-RACH機能の可用性を制御することができる。このようにして、このIEの存在または不在を検出することによって、UEは、ネットワークがHS-RACH機能が可能であるかどうかを判断することができる。
【0055】
UEの観点から、SIB5またはSIB5bis中のCommon E-DCHシステム情報IEの存在が変化した(すなわち、IEがブロードキャストされたシステム情報ブロック内に出現したか、またはそこから消失した)場合、UEは、HS-RACH可能セルから非HS-RACH可能セルに、あるいはその逆のいずれかにセル変更が発生したと考えることができる。これは、結果として、以下で説明するように、ネットワークの性能低下をもたらし得る。
【0056】
図6に示すように、UE1〜UEnとラベル付けされた複数のUE602の中からの1つまたは複数のUEは、セル再選択606を実行することができ、この再選択の後、セル更新メッセージをRNC604に送信すること(608)ができる。応答して、RNC604は、Common E-DCHシステム情報IEを含むブロードキャストメッセージ610をUE602に送信することができる。ここで、612において、このIEの存在を検出することによって、UE602はネットワークがHS-RACHをサポートすることを理解することができる。ネットワークがHS-RACHをサポートすることをUEが理解すると、UE、UE1〜UEnの各々は、そのCommon E-DCHシステム情報IE内に含まれた構成情報に従って再構成され得る。次に、HS-RACH機能がオフであるとき、UEはE-RNTI(E-DCH Radio Network Temporary Identifier)を有さないことになるため、高速アップリンク送信のためにE-DCHリソースを使用することを可能にするために、UE602の各々はE-RNTIの獲得を試みることができる。
【0057】
E-RNTIを獲得するために、UE602は、各々、ネットワークからそのそれぞれのE-RNTIの獲得を試みるために、RNC604とCELL_UPDATEメッセージまたは手続きを開始することができる。UEがE-RNTIをすでに有する場合、その特定のUEはE-DCHリソースを利用したアップリンク送信の準備を整えている可能性があり、したがって、そのUEに関して、いかなるCELL_UPDATEも必要とされないことになる。
【0058】
CELL_UPDATEメッセージまたは手続きを開始するために、各UEは、UEがHS-RACHをサポートすることを示すシグナリングメッセージ(たとえば、RRCメッセージ)614をRNC604に送信することができる。616で、RNC604は、HS-RACH機能がオフであることを判断することができ、それに応じて、HS-RACH機能をオンにするために、SIB5またはSIB5bis変更618をUE602にブロードキャストすることができる。応答して、620で、UE(UE1〜UEn)は、HS-RACH機能をオンにすることができ、次いで、E-RNTIを獲得するために、CELL_UPDATEメッセージをRNC604に同時に送ること(622)ができる。
【0059】
しかしながら、すべてのUEがこの更新を同時に要求することは、多数のUEがCELL_UPDATEメッセージを同時にトリガして、ネットワークに送る可能性があるため、特に、ピーク時の間、深刻なシステム性能低下を引き起こす可能性があるか、またはネットワークを遮断する可能性すらある。より重要なことに、すべての利用可能なプリアンブルシグネチャがCELL_UPDATEメッセージを送ること622を試みる複数のUEによって占有される可能性があるため、高優先度の緊急呼がネットワークにアクセスできない可能性がある。このシステム性能低下は、典型的には、オペレータがネットワーク容量を拡張するために新しいハードウェアに十分に投資しないという結果であり得る。
【0060】
現在の仕様によれば、ネットワークは、CELL_FACHにあるEULに関して最高で32個までのE-DCHリソースを開放することができる。結果として、CELL_DCH用に利用可能なリソースが削減される。したがって、ネットワークは、ピーク時の間に、HS-RACH機能をオフにして、すべての利用可能なリソースがCELL_DCH状態でだけ使用されることを可能にし得る。
【0061】
類似の問題は、ネットワークが、「Common E-DCHシステム情報」IEをSIB5またはSIB5bis中に含めないことによって、HS-RACH機能をオフにするときにも発生し得る。この場合、UE602は、そのRLCエンティティを再確立し、次いで、セル更新手続きを開始する必要があり得る。
【0062】
したがって、これらのおよび他の課題に対処するために、本開示の1つまたは複数の態様は、ネットワークが、そのような潜在的に多数のUEがCell Updateを同時に要求することによる性能低下を低減または防止することができるような形で、HS-RACH機能をより効率的に提供することを可能にする。
【0063】
拡張アップリンク機能をオンにする - バックオフタイマ
たとえば、
図7は、複数のUE702がネットワークノード704とのセル更新を遅延させるために、ランダム化バックオフタイマを利用することができる、本開示のいくつかの態様による例示的なプロセスを示す呼フロー
図700である。特定の実装形態では、UE702は、装置100(
図1参照)、UE210(
図2参照)、またはUE550(
図5参照)と同一であってよく、RNC704は、先に説明したような、RNC206(
図2参照)と同一であってよい。
【0064】
先に説明したように、ネットワークがHS-RACH機能をサポートする場合、ネットワークは、Common E-DCHシステム情報IEを、たとえば、SIB5またはSIB5bis中でブロードキャストすることによって、HS-RACH機能の可用性を制御することができる。このIEの存在または不在を検出することによって、UEは、ネットワークがHS-RACH機能が可能であるかどうかを判断することができる。UEの観点から、SIB5またはSIB5bis中のCommon E-DCHシステム情報IEの存在が変化した(すなわち、IEがブロードキャストされたシステム情報ブロック内に出現したか、またはそこから消失した)場合、UEは、HS-RACH可能セルから非HS-RACH可能セルに、あるいはその逆のいずれかにセル変更が発生したと考えることができる。
【0065】
図7に示すように、このIEの存在を検出することによって、UE1〜UEnとラベル付された複数のUE702はネットワークがHS-RACHをサポートすることを理解することができる。ネットワークがHS-RACHをサポートすることをUEが理解すると、UE、UE1〜UEnの各々は、そのCommon E-DCHシステム情報IE内に含まれた構成情報に従って再構成され得る。次に、HS-RACH機能がオフであるとき、UEはE-RNTIを有さないことになるため、高速アップリンク送信のためにE-DCHリソースを使用することを可能にするために、UE702の各々はE-RNTIの獲得を試みることができる。
【0066】
E-RNTIを獲得するために、UEは、各々、ネットワークからそのそれぞれのE-RNTIの獲得を試みるために、RNC704とCELL_UPDATEメッセージまたは手続きを開始することができる。UEがE-RNTIをすでに有する場合、その特定のUEはE-DCHリソースを利用した高速アップリンク送信の準備を整えている可能性があり、したがって、そのUEに関して、いかなるCELL_UPDATEも必要とされないことになる。
【0067】
CELL_UPDATEメッセージまたは手続きを開始するために、各UEは、UEがHS-RACHをサポートすることを示すRRCメッセージ706をRNC704に送信することができる。708で、RNC704は、HS-RACH機能がオフであることを判断することができ、それに応じて、HS-RACH機能をオンにするために、SIB5変更710をUE702にブロードキャストすることができる。応答して、712で、UE(UE1〜UEn)はHS-RACH機能をオンにすることができる。
【0068】
ここで、本開示の一態様によれば、714で、UE702はバックオフタイマをオンにすることができる。本開示のさらなる態様では、複数のUE、UE1〜UEnの中の任意の2つのUEがそのそれぞれのバックオフタイマに関して同一の値を利用する可能性がないように、バックオフタイマに関連付けられた時間は乱数値であり得る。ここで、バックオフタイマは、RNC704が大量のセル更新を同時に受信しないように、セル更新を遅延させるために利用され得る。したがって、UE702は互いに対して異なるタイミングを有することになり、更新は時間の点で比較的均等に分散され得る。すなわち、本明細書で説明する、ランダム化バックオフタイマを利用することによって、RNC704は、CELL_UPDATEメッセージを異なる時間に受信することができる。
【0069】
すなわち、本開示の一態様では、各UE702は、そのそれぞれのバックオフタイマの満了時に、E-RNTIを獲得するためにCELL_UPDATEメッセージをRNC704に送信することができる。一例によれば、第1のUE(UE1)に関連付けられた第1のバックオフタイマの満了716は、UE1が、E-RNTIを獲得するために、CELL_UPDATEメッセージ718をRNC704に送信することをトリガし得る。第n番目のUE(UEn)に関連付けられた第2のバックオフタイマの満了720は、UEnが、E-RNTIを獲得するために、CELL_UPDATEメッセージ722をRNC704に送信することをトリガし得る。
【0070】
拡張アップリンク機能をオンにする - 異なる時間
図8は、ネットワークノードが、異なる時間にUEの異なるセットに関してSIB5またはSIB5bis更新をスケジュールするように構成され得る、本開示のいくつかの態様による例示的なプロセスを示す呼フロー
図800である。本明細書で説明するセル更新手続きは、複数のUE802と、ネットワークノード、たとえば、RNC804との間で発生し得る。特定の実装形態では、UE802は、装置100(
図1参照)、UE210(
図2参照)、またはUE550(
図5参照)と同一であってよく、RNC804は、先に説明したような、RNC206(
図2参照)と同一であってよい。
【0071】
先に説明したように、ネットワークがHS-RACH機能をサポートする場合、ネットワークは、Common E-DCHシステム情報IEを、たとえば、SIB5またはSIB5bis中でブロードキャストすることによって、HS-RACH機能の可用性を制御することができる。このIEの存在または不在を検出することによって、UE802は、ネットワークがHS-RACH機能が可能であるかどうかを判断することができる。UEの観点から、SIB5またはSIB5bis中のCommon E-DCHシステム情報IEの存在が変化した(すなわち、IEがブロードキャストされたシステム情報ブロック内に出現したか、またはそこから消失した)場合、UEは、HS-RACH可能セルから非HS-RACH可能セルに、あるいはその逆のいずれかにセル変更が発生したと考えることができる。
【0072】
図8に示すように、このIEの存在を検出することによって、UE1〜UEnとラベル付された複数のUE802はネットワークがHS-RACHをサポートすることを理解することができる。ネットワークがHS-RACHをサポートすることをUEが理解すると、UE、UE1〜UEnの各々は、そのCommon E-DCHシステム情報IE内に含まれた構成情報に従って再構成され得る。次に、HS-RACH機能がオフであるとき、UEはE-RNTIを有さないことになるため、高速アップリンク送信のためにE-DCHリソースを使用することを可能にするために、UE802の各々はE-RNTIの獲得を試みることができる。
【0073】
E-RNTIを獲得するために、UE802は、各々、ネットワークからそのそれぞれのE-RNTIの獲得を試みるために、RNC804とCELL_UPDATEメッセージまたは手続きを開始することができる。UEがE-RNTIをすでに有する場合、その特定のUEはE-DCHリソースを利用した高速アップリンク送信の準備を整えている可能性があり、したがって、そのUEに関して、いかなるCELL_UPDATEも必要とされないことになる。
【0074】
CELL_UPDATEメッセージまたは手続きを開始するために、各UEは、UEがHS-RACHをサポートすることを示すRRCメッセージ806をRNC804に送信することができる。808で、RNC804は、HS-RACH機能がオフであることを判断することができ、本開示の態様では、それに応じて、HS-RACH機能をオンにする(810)ために、SIB5またはSIB5bis変更810を異なる時点においてUEの異なるセットにブロードキャストすることができる。異なる時点においてUEの異なるセットを更新することによって、RNC804は異なる時間にCELL_UPDATEメッセージを受信するため、RNC804はネットワーク内で利用可能なリソースの削減を低減または防止することができる。本開示の様々な態様では、SIB5またはSIB5bis変更が送信される先である各UEセットは、任意の適切な数のUE、たとえば、1つまたは複数のUEを含み得る。
【0075】
一例によれば、RNC804は、HS-RACH機能をオンにするために、第1のSIB5変更810を第1のUE(UE1)に、またはUEの第1のセットに送ることができる。それに応じて、812で、UE1は、次いで、HS-RACH機能をオンにすることができる。814で、RNC804は、次いで、HS-RACH機能をオンにするために、第2のSIB5変更を第2のUE(UEn)に、またはUEの第2のセットに送ることができる。それに応じて、816で、UEnは、次いで、HS-RACH機能をオンにすることができる。
【0076】
応答して、各UEまたはUEのセットは、E-RNTIを獲得するために、CELL_UPDATEメッセージをRNC804に送ることができる。すなわち、SIB5変更をRNC804から受信することは、UE1が、E-RNTIを獲得するために、CELL_UPDATE818をRNC804に送ることをトリガし得る。同様に、SIB5変更をRNC804から受信することは、UEnが、E-RNTIを獲得するために、CELL_UPDATE820をRNC804に送ることをトリガし得る。
【0077】
一例によれば、2つのタイプのページング、すなわち、Type IおよびType IIをUMTS内で使用することができる。本開示の一態様では、特定のタイプのページングは、UEの特定のセットにアドレス指定可能であり、そのメッセージから、UEのその特定のセットはSIB5またはSIB5bisが変更されたことを理解することができる。いくつかの例では、このSIB変更インジケータは、ブロードキャストチャネル上で送信され得るが、このインジケータは、Type Iページングを介して送信され得る。したがって、Type Iページングを受信する第1のセット内のUEだけが、そのシステム情報が変更されたことを知ることになる。
【0078】
別の例によれば、UEの異なるグループまたはセットはUMTSに関する規格で定義可能であり、RNC804はE-RNTIを一度に1つのセットに送信することができる。この例では、SIB変更インジケータはUEの特定のセット向けの特別なページングタイプメッセージ内にあり得る。したがって、UEは、SIB5またはSIB5bis自体ではなく、SIB5またはSIB5bisが変更されたこと、たとえば、HS-RACH機能がオンにされていることを示すことができるSIB変更インジケータを調べている場合がある。
【0079】
拡張アップリンク機能をオンにする - RLC層は送信すべきデータを有する
本開示のさらなる態様では、UEは、CELL_FACHにある高速アップリンク(たとえば、E-DCH)を利用する送信のためのデータの準備が整えられるまで、セル更新要求の送信を遅延させるように構成され得る。このようにして、以下でさらに詳細に説明するように、SIB5またはSIB5bis変更によってトリガされ得るセル更新要求のUE送信のタイミングは経時的に分散され得る。
【0080】
たとえば、
図9は、CELL_FACH状態の(UE1〜UEnとラベル付けされた)複数のUE902が、SIB5またはSIB5bis中の変更を読み取ることができ、応答して、それぞれのUEのRLC層が送信すべきアップリンクデータを有するときだけ、RNC904とセル更新手続きを開始することができる、本開示のいくつかの態様による例示的なプロセスを示す呼フロー
図900である。特定の実装形態では、UE902は、装置100(
図1参照)、UE210(
図2参照)、またはUE550(
図5参照)と同一であってよく、RNC904は、先に説明したような、RNC206(
図2参照)と同一であってよい。
【0081】
先に説明したように、ネットワークがHS-RACH機能をサポートする場合、ネットワークは、Common E-DCHシステム情報IEを、たとえば、SIB5またはSIB5bis中でブロードキャストすることによって、HS-RACH機能の可用性を制御することができる。このIEの存在または不在を検出することによって、UEは、ネットワークがHS-RACH機能が可能であるかどうかを判断することができる。UEの観点から、SIB5またはSIB5bis中のCommon E-DCHシステム情報IEの存在が変化した(すなわち、IEがブロードキャストされたシステム情報ブロック内に出現したか、またはそこから消失した)場合、UEは、HS-RACH可能セルから非HS-RACH可能セルに、あるいはその逆のいずれかにセル変更が発生したと考えることができる。
【0082】
特定の実装形態では、UEがセル更新メッセージまたは手続きを即時に開始するのではなく、SIB5またはSIB5bis中の変更を読み取るとき、UEは、上位層(たとえば、RLC層)が送信する/送るべきアップリンクデータを有するまで、セル更新メッセージまたは手続きの開始を保持することができる。したがって、複数のUEはデータを送信するために異なるタイミングを有し得るため、更新はより均等に分散され得る。したがって、UEが送るべきRLCデータを有するとき、UEは、E-RNTIの獲得を試みることができる。
【0083】
図9に示すように、Common E-DCHシステム情報IEの存在を検出することによって、UE1〜UEnとラベル付された複数のUE902はネットワークがHS-RACHをサポートすることを理解することができる。ネットワークがHS-RACHをサポートするとUE902が判断すると、UE、UE1〜UEnの各々は、そのCommon E-DCHシステム情報IE内に含まれた構成情報に従って再構成され得る。次に、HS-RACH機能がオフであるとき、UEはE-RNTIを有さないことになるため、高速アップリンク送信のためにE-DCHリソースを使用することを可能にするために、UEの各々はE-RNTIの獲得を試みることができる。
【0084】
E-RNTIを獲得するために、UEは、各々、ネットワークからのそのそれぞれのE-RNTIの獲得を試みるために、RNC904とCELL_UPDATEメッセージまたは手続きを開始することができる。UEがE-RNTIをすでに有する場合、その特定のUEはE-DCHリソースを利用した高速アップリンク送信の準備を整えている可能性があり、したがって、そのUEに関して、いかなるセル更新も必要とされないことになる。
【0085】
CELL_UPDATEメッセージまたは手続きを開始するために、UEは、UEがHS-RACHをサポートすることを示すRRCメッセージ906をRNC904に送信することができる。908で、RNC904は、HS-RACH機能がオフであることを判断することができ、それに応じて、HS-RACH機能をオンにするために、SIB5変更910をUE902にブロードキャストすることができる。応答して、912で、UE(UE1〜UEn)はHS-RACH機能をオンにすることができる。
【0086】
ここで、本開示の一態によれば、各UE902は、その特定のUEが送信すべきアップリンクデータを有する(たとえば、UEがDCCHまたはDTCHなど、アップリンクデータチャネル上で送信する準備を整えているデータを有するとき)まで、セル更新メッセージまたは手続きを保留することができる。ここで、たとえば、UEにおいて、RLC層は、1つまたは複数のデータパケットが送信する準備を整えていることを判断することが可能であり得、それに応じて、このデータが送信する準備を整えるまで、UEがCell Updateの送信を遅延することができるように、そのような情報を利用可能にするように構成され得る。たとえば、914で、第1のUE(たとえば、UE1)が送信すべきアップリンクデータを有するとき、UE1は、E-RNTIを獲得するために、セル更新メッセージをRNC904に送信することができる。同様に、複数のUE902のうちの任意の他のUEが送信すべきアップリンクデータを有するとき、916で、そのUEは、次いで、E-RNTIを獲得するために、セル更新メッセージをRNC904に送ることができる。UEが送信するためのアップリンクデータを有するとき、セル更新メッセージを送ることによって、RNC904は異なる時間にセル更新メッセージを受信するため、UE902はネットワーク内で利用可能なリソースの削減を低減または防止することができる。
【0087】
UEとネットワークノードとの間の典型的なセル更新手続き - 拡張アップリンク機能をオフにする
図10は、複数のUE1002とRNC1004などのネットワークノードとの間の典型的なセル更新手続きを示す呼フロー
図1000である。特定の実装形態では、UE1002は、装置100(
図1参照)、UE210(
図2参照)、またはUE550(
図5参照)と同一であってよく、RNC1004は、先に説明したような、RNC206(
図2参照)と同一であってよい。
【0088】
現在の規格では、ネットワークがHS-RACH機能をサポートする場合、ネットワークは、Common E-DCHシステム情報IEを、たとえば、SIB5またはSIB5bis中でブロードキャストすることによって、HS-RACH機能の可用性を制御することができる。このようにして、このIEの存在または不在を検出することによって、UEは、ネットワークがHS-RACH機能が可能であるかどうかを判断することができる。
【0089】
UEの観点から、SIB5またはSIB5bis中のCommon E-DCHシステム情報IEの存在が変化した(すなわち、IEがブロードキャストされたシステム情報ブロック内に出現したか、またはそこから消失した)場合、UEは、HS-RACH可能セルから非HS-RACH可能セルに、あるいはその逆のいずれかにセル変更が発生したと考えることができる。これは、結果として、以下で説明するように、ネットワークの性能低下をもたらし得る。
【0090】
図10に示すように、このIEの存在を検出することによって、UE1〜UEnとラベル付けされた複数のUE1002はネットワークがHS-RACHをサポートすることを理解することができる。そのネットワークがHS-RACHをサポートすることをUEが理解すると、UE、UE1〜UEnの各々は、UEがHS-RACHをサポートすることをRNC1004に示すRRCメッセージ1006を送信することができる。しかしながら、HS-RACH機能が現在オンである、いくつかの実装形態では、1008で、RNC1004は、たとえば、UE1002とRNC1004との間にRLC接続を再確立するためにRLC再確立が望ましいことを判断することができる。そのようなRLC再確立が望ましいとき、RNC1004は、HS-RACH機能をオフにする(1010)ために、SIB5変更1010をUE1002に送信することができる。1012で、UE1002は、次いで、HS-RACH機能をオフにすることができ、1014で、RLC再確立後、各々、ネットワークと再同期化するために、CELL_UPDATEメッセージをRNC1004に同時に送信することができる。
【0091】
しかしながら、先に説明し、
図6に示した問題のシナリオの場合のように、この場合、1016で、すべてのUEがこの更新を同時に要求することは、多数のUEがCELL_UPDATEメッセージを同時にトリガして、ネットワークに送る可能性があるため、特にピーク時の間、深刻なシステム性能低下を引き起こす可能性があるか、またはネットワークを遮断する可能性すらある。より重要なことに、すべての利用可能なプリアンブルシグネチャがCELL_UPDATEメッセージを送る(1014)ことを試みる複数のUEによって占有される可能性があるため、高優先度の緊急呼がネットワークにアクセスできない可能性がある。先に説明したように、システム性能低下は、典型的には、オペレータがネットワーク容量を拡張するために新しいハードウェアに投資しないことの結果であり得る。
【0092】
現在の仕様によれば、ネットワークは、CELL_FACHにあるEULに関して最高で32個までのE-DCHリソースを開放することができる。結果として、CELL_DCH用に利用可能なリソースが削減される。したがって、ネットワークは、ピーク時の間、HS-RACH機能をオフにして、すべての利用可能なリソースがCELL_DCH状態でだけ使用されることを可能にし得る。
【0093】
したがって、これらのおよび他の課題に対処するために、本開示の1つまたは複数の態様は、ネットワークが、そのような潜在的に多数のUEが、RLC再確立の後、ネットワークと再同期化するために、Cell Updateを同時に要求することによる性能低下を低減または防止することができるような形で、HS-RACH機能をより効率的に提供することを可能にする。
【0094】
拡張アップリンク機能をオフにする - ランダムタイマ
たとえば、
図11は、複数のUE1102がネットワークノード1104とのセル更新を遅延させるために、ランダム化バックオフタイマを利用することができる、本開示のいくつかの態様による例示的なプロセスを示す呼フロー
図1100である。特定の実装形態では、UE1102は、装置100(
図1参照)、UE210(
図2参照)、またはUE550(
図5参照)と同一であってよく、RNC1104は、先に説明したような、RNC206(
図2参照)と同一であってよい。
【0095】
先に説明したように、ネットワークがHS-RACH機能をサポートする場合、ネットワークは、Common E-DCHシステム情報IEを、たとえば、SIB5またはSIB5bis中でブロードキャストすることによって、HS-RACH機能の可用性を制御することができる。このIEの存在または不在を検出することによって、UEは、ネットワークがHS-RACH機能が可能であるかどうかを判断することができる。UEの観点から、SIB5またはSIB5bis中のCommon E-DCHシステム情報IEの存在が変化した(すなわち、IEがブロードキャストされたシステム情報ブロック内に出現したか、またはそこから消失した)場合、UEは、HS-RACH可能セルから非HS-RACH可能セルに、あるいはその逆のいずれかにセル変更が発生したと考えることができる。
【0096】
図11に示すように、このIEの存在を検出することによって、UE1〜UEnとラベル付けされた複数のUE1102はネットワークがHS-RACHをサポートすることを理解することができる。そのネットワークがHS-RACHをサポートするとUE1102が判断すると、UE、UE1〜UEnの各々は、UEがHS-RACHをサポートすることを示すRRCメッセージ1106をRNC1104に送信することができる。しかしながら、HS-RACH機能が現在オンである、いくつかの実装形態では、1108で、RNC1104は、たとえば、UE1102とRNC1104との間にRLC接続を再確立するために、RLC再確立が望ましいことを判断することができる。そのようなRLC再確立が望ましいとき、RNC1104は、HS-RACH機能をオフにする(1110)ために、SIB5変更1110をUE1102に送信することができる。1112で、UE1102は、次いで、HS-RACH機能をオフにすることができる。
【0097】
本開示の一態様では、1114で、UE1102は、各々、ランダム化バックオフタイマをオンにすることができる。本開示のさらなる態様では、複数のUE、UE1〜UEnの中の任意の2つのUEがそのそれぞれのバックオフタイマに関して同一の値を利用する可能性がないように、バックオフタイマに関連付けられた時間は乱数値であり得る。ここで、バックオフタイマは、RNC1104が大量のセル更新を同時に受信しないように、セル更新を遅延させるために利用され得る。したがって、UE1102は互いに対して異なるタイミングを有することになり、更新は時間の点で比較的均等に分散され得る。すなわち、本明細書で説明する、ランダム化バックオフタイマを利用することによって、RNC1104は、CELL_UPDATEメッセージを異なる時間に受信することができる。
【0098】
すなわち、本開示の一態様では、各UE1102は、RLC再確立後、ネットワークと再同期化するために、そのそれぞれのバックオフタイマの満了時に、CELL_UPDATEメッセージをRNC1104に送信することができる。一例によれば、第1のUE(UE1)に関連付けられた第1のバックオフタイマの満了1116は、UE1が、RLC再確立後、ネットワークと再同期化するために、CELL_UPDATEメッセージ1118をRNC1104に送信することをトリガし得る。第n番目のUE(UEn)1120に関連付けられた第2のバックオフタイマの満了1120は、UEnが、RLC再確立後、ネットワークと再同期化するために、CELL_UPDATEメッセージ1122をRNC1104に送信することをトリガし得る。
【0099】
拡張アップリンク機能をオフにする - 異なる時間
図12は、ネットワークノードが、異なる時間にUE1202の異なるセットに関してSIB5またはSIB5bis更新をスケジュールするように構成され得る、本開示のいくつかの態様による例示的なプロセスを示す呼フロー
図1200である。本明細書で説明するセル更新手続きは、複数のUE1202と、ネットワークノード、たとえば、RNC1204との間で発生し得る。特定の実装形態では、UE1202は、装置100(
図1参照)、UE210(
図2参照)、またはUE550(
図5参照)と同一であってよく、RNC1204は、先に説明したような、RNC206(
図2参照)と同一であってよい。
【0100】
先に説明したように、ネットワークがHS-RACH機能をサポートする場合、ネットワークは、Common E-DCHシステム情報IEを、たとえば、SIB5またはSIB5bis中でブロードキャストすることによって、HS-RACH機能の可用性を制御することができる。このIEの存在または不在を検出することによって、UEは、ネットワークがHS-RACH機能が可能であるかどうかを判断することができる。UEの観点から、SIB5またはSIB5bis中のCommon E-DCHシステム情報IEの存在が変化した(すなわち、IEがブロードキャストされたシステム情報ブロック内に出現したか、またはそこから消失した)場合、UEは、HS-RACH可能セルから非HS-RACH可能セルに、あるいはその逆のいずれかにセル変更が発生したと考えることができる。
【0101】
図12に示すように、このIEの存在を検出することによって、UE1〜UEnとラベル付された複数のUE1202はネットワークがHS-RACHをサポートすることを理解することができる。そのネットワークがHS-RACHをサポートすることをUEが理解すると、UE、UE1〜UEnの各々は、UEがHS-RACHをサポートすることを示すRRCメッセージ1206をRNC1204に送信することができる。しかしながら、HS-RACH機能が現在オンである、いくつかの実装形態では、1208で、RNC1204は、たとえば、UE1202とRNC1204との間にRLC接続を再確立するために、RLC再確立が望ましいことを判断することができる。そのようなRLC再確立が望ましいとき、RNC1204は、HS-RACH機能をオフにするために、SIB5変更1210をUE1202に送信することができる。
【0102】
本開示の態様によれば、1214で、ネットワークは、利用可能なリソースの削減を低減または防止するために異なる時点においてUEの異なるセットを更新することができる。したがって、RNC1204は、HS-RACHをオフにするために、第1のSIB5変更1210を第1のUE(UE1)に、またはUEの第1のセットに送ることができる。次に、RNC1204は、HS-RACH機能をオフにするために、第2のSIB5変更1212を第2のUE(UEn)に、またはUEの第2のセットに送ることができる。
【0103】
第1のUE(たとえば、UE1)がSIB5またはSIB5bis中に変更が存在することを検出するとき、第1のUEは、次いで、RLC再確立の後、ネットワークと再同期化するために、CELL_UPDATEメッセージまたは手続きをRNC1204に送信する(1214)ことができる。同様に、第2のUEがSIB5またはSIB5bis内の変更を読み取るとき、第2のUEは、次いで、RLC再確立の後、ネットワークと再同期化するために、CELL_UPDATEメッセージまたは手続きをRNC1204に送信する(1216)ことができる。
【0104】
拡張アップリンク機能をオフにする - RLC層は送信すべきデータを有する
図13は、CELL_FACHにある(UE1〜UEnとラベル付けされた)複数のUE1302が、それぞれのUEのRLC層が送信すべきアップリンクデータを有するときだけ、RLC再確立後、RNC1304とセル更新メッセージまたは手続きを開始することができる、本開示のいくつかの態様による例示的なプロセスを示す呼フロー
図1300である。したがって、UEがCELL_UPDATEメッセージまたは手続きを即時に開始するのではなく、SIB5またはSIB5bis中の変更を検出するとき、UEは、上位層(たとえば、RLC層)が送信する/送るべきアップリンクデータを有するまで、CELL_UPDATEメッセージまたは手続きの開始を保留することができる。したがって、複数のUEはデータを送信するために異なるタイミングを有し得るため、更新はより均等に分散され得る。したがって、UEが送るべきRLCデータを有するとき、それはUEがセル更新メッセージをRNC1304に送信するときだけである。特定の実装形態では、UE1302は、装置100(
図1参照)、UE210(
図2参照)、またはUE550(
図5参照)と同一であってよく、RNC1304は、先に説明したような、RNC206(
図2参照)と同一であってよい。
【0105】
先に説明したように、ネットワークがHS-RACH機能をサポートする場合、ネットワークは、Common E-DCHシステム情報IEをSIB5またはSIB5bis中でブロードキャストすることによって、HS-RACH機能の可用性を制御することができる。このIEの存在または不在を検出することによって、UEは、ネットワークがHS-RACH機能が可能であるかどうかを判断することができる。UEの観点から、SIB5またはSIB5bis中のCommon E-DCHシステム情報IEの存在が変化した(すなわち、IEがブロードキャストされたシステム情報ブロック内に出現したか、またはそこから消失した)場合、UEは、HS-RACH可能セルから非HS-RACH可能セルに、あるいはその逆のいずれかにセル変更が発生したと考えることができる。
【0106】
図13に示すように、Common E-DCHシステム情報IEの存在を検出することによって、UE1〜UEnとラベル付された複数のUE1302はネットワークがHS-RACHをサポートすることを理解することができる。そのネットワークがHS-RACHをサポートするとUE1302が判断すると、UE、UE1〜UEnの各々は、UEがHS-RACHをサポートすることをRNC1304に示すRRCメッセージ1306を送信することができる。しかしながら、HS-RACH機能が現在オンである、いくつかの実装形態では、1308で、RNC1304は、たとえば、UE1302とRLCとの間にRLC接続を再確立するために、RLC再確立が望ましいことを判断することができる。RLC再確立が望ましいとき、1310で、RNC1304は、HS-RACH機能をオフにするために、SIB5変更をUE1302に送信することができる。1312で、次いで、UEはHS-RACH機能をオフにすることができる。
【0107】
ここで、本開示の一態様によれば、各UE1302は、特定のUEが送信すべきアップリンクデータを有するときまで、セル更新メッセージまたは手続きの開始を保留することができる。たとえば、1314で、第1のUE(たとえば、UE1)が送信すべきアップリンクデータを有するとき、UE1は、RLC再確立後、ネットワークと再同期化するために、CELL_UPDATEメッセージまたは手続きをRNC1004に送信することができる。
【0108】
第2のUE(たとえば、UEn)がSIB5またはSIB5bis中に変更が存在することを読み取るとき、1316で、第2のUEは、RLC再確立の後、ネットワークと再同期化するために、CELL_UPDATEメッセージまたは手続きをRNC1304に送信することができる。UEが送信すべきアップリンクデータを有するときだけ、セル更新メッセージを送信することによって、RNC1304は異なる時間にセル更新メッセージを受信するため、UE1302はネットワーク内で利用可能なリソースの削減を低減または防止することができる。
【0109】
本開示の態様のうちのいくつかをさらに示すために、
図14および
図15は、本開示のいくつかの態様による、ネットワークノードに対するセル更新を遅延させる目的でバックオフタイマを利用するために、UE上で動作可能なワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【0110】
次に
図14を参照すると、本開示の1つまたは複数の態様では、UEが、先に説明したCELL_FACH状態など、スタンバイ状態にある間、プロセス1400が動作し得る。ステップ1402で、このスタンバイ状態で動作する間、UEは、EUL機能をオンまたはオフにするように構成されたIE(たとえば、Common E-DCHシステム情報IE)を含むブロードキャストメッセージをネットワークから受信することができる。すなわち、本開示の一様では、HS-RACH機能は、このIEを含む、たとえば、SIB5またはSIB5bis上のブロードキャストメッセージによって制御され得る。ステップ1404で、UEは、Common E-DCHシステム情報IEの値が変更されたことを検出することができる。
【0111】
ブロードキャストメッセージを受信した後、SIB5またはSIB5bis中の変更を検出することに応答して、ステップ1406で、受信したCommon E-DCHシステム情報IE内に含まれた情報に従って、EUL機能をオンまたはオフにするようにUEを再構成することができる。
【0112】
UEが再構成されると、ステップ1408で、UEはバックオフタイマを開始することができる。ここで、バックオフタイマの値は、任意の適切な乱数または疑似乱数生成アルゴリズムに従って設定可能であるか、または所定のスケジュールに従って選択可能である。このようにして、ランダム化バックオフタイマの満了までセル更新メッセージの送信を保留することによって、セル内のUE間のバックオフタイマ満了のタイミングは時間の点で分散可能であり、それに応じて、セル内の多数のUEがセル更新を同時に要求するシナリオを低減または回避することができる。すなわち、第1のバックオフタイマの満了後、ステップ1410で、UEはセル更新メッセージをRNCに送信することができる。
【0113】
このようにして、RNCは、そのそれぞれのバックオフタイマの満了時に、CELL_UPDATEメッセージをセル内のすべてのUEから受信することができ、この受信は時間の点で分散され得る。たとえば、第1のUEのバックオフタイマとは異なる別のバックオフタイマを有する第2のUEは、第2のCELL_UPDATEメッセージをRNCに送信することができる。第1のCELL_UPDATEメッセージは第2のCELL_UPDATEメッセージの前に送信され得るが、これは、単なる例であり、CELL_UPDATEメッセージは、UE用のバックオフタイマが満了になるとすぐに送信され得る。
【0114】
次に
図15を参照すると、本開示の1つまたは複数の態様では、UEが、先に説明したCELL_FACH状態など、スタンバイ状態にある間、プロセス1500が動作し得る。ステップ1502で、このスタンバイ状態で動作する間、UEは、EUL機能をオンまたはオフにするように構成されたIE(たとえば、Common E-DCHシステム情報IE)を含むブロードキャストメッセージをネットワークから受信することができる。すなわち、本開示の一様では、HS-RACH機能は、このIEを含む、たとえば、SIB5またはSIB5bis上のブロードキャストメッセージによって制御され得る。ステップ1504で、UEは、Common E-DCHシステム情報IEの値が変更されたことを検出することができる。
【0115】
ブロードキャストメッセージを受信した後、SIB5またはSIB5bis中の変更を検出することに応答して、ステップ1506で、受信したCommon E-DCHシステム情報IE内に含まれた情報に従って、EUL機能をオンまたはオフにするようにUEを再構成することができる。
UEが再構成されると、ステップ1508で、UEは、1つまたは複数のアップリンクデータパケットがデータチャネル上で送信する準備を整えているかどうかを判断することができる。整えていない場合、UEは、Cell Updateメッセージの送信を保留することができる。しかしながら。データが送信する準備を整えている場合、ステップ1510で、UEはCell Updateメッセージを送信することができる。
【0116】
W-CDMAシステムを参照して、電気通信システムのいくつかの態様を示してきた。当業者が容易に諒解するように、本開示全体にわたって説明される様々な態様は、他の通信システム、ネットワークアーキテクチャおよび通信規格に拡張され得る。
【0117】
例として、様々な態様は、TD-SCDMAおよびTD-CDMAなど、他のUMTSシステムに拡張され得る。また、様々な態様は、(FDD、TDD、またはこれら両方のモードの)LTE(Long Term Evolution)、(FDD、TDD、またはこれら両方のモードの)LTE-A(LTE-Advanced)、CDMA2000、EV-DO(Evolution-Data Optimized)、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Ultra-Wideband(UWB)、Bluetooth(登録商標)、および/または他の適切なシステムを利用する、システムに拡張され得る。実際の利用される電気通信規格、ネットワークアーキテクチャ、および/または通信規格は、具体的な用途およびシステム全体に課される設計制約に依存する。
【0118】
開示された方法におけるステップの特定の順序または階層は、例示的なプロセスを説明したものであることを理解されたい。設計上の選好に基づいて、方法におけるステップの特定の順序または階層は再構成可能であることを理解されたい。添付の特許請求の範囲に記載された方法の発明の請求項は、様々なステップの要素を例示的な順序で提示したものであり、それらの請求項に特に記載されていない限り、提示された特定の順序または階層に限定されるものではない。
【0119】
上記の説明は、本明細書で説明される様々な態様を当業者が実施できるようにするために提供された。これらの態様への様々な変更は当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義した一般的原理は他の態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は本明細書で示す態様に限定されるよう意図されているわけではなく、特許請求の範囲の文言と整合するすべての範囲を許容するように意図されており、単数の要素への言及は、そのように明記されていない限り、「ただ1つの」ではなく、「1つまたは複数の」を意味するよう意図されている。別段に明記されていない限り、「いくつかの」という用語は「1つまたは複数の」を意味する。項目の列挙「…のうちの少なくとも1つ」という語句は、単一の要素を含め、それらの項目の任意の組合せを意味する。たとえば、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、「a」、「b」、「c」、「aおよびb」、「aおよびc」、「bおよびc」、「a、b、およびc」を含むことが意図されている。当業者が知っているか、後に知ることになる、本開示全体にわたって説明された様々な態様の要素と構造的かつ機能的に同等のものはすべて、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲によって包含されることが意図される。また、本明細書で開示する内容は、そのような開示が特許請求の範囲で明記されているか否かに関わりなく、公に供することは意図されていない。請求項中のいかなる要素も、「…のための手段」という語句を使用して要素が明記されている場合、または方法クレームで「…のためのステップ」という語句を使用して要素が記載されている場合を除き、米国特許法第112条第6項の規定に基づき解釈されることはない。