【文献】
Qualcomm Incorporated,3G/Wi-Fi Seamless Offload,2010年 3月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記WWAN接続を介して前記ネットワークに接続された前記UEがWLAN接続エリアに移されたときに、前記ネットワークへのWLAN接続を確立するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記UEは、前記WWAN接続を介して前記ネットワークに接続された前記UEがWLAN接続エリアに移されたときに、前記WWAN接続またはWLAN接続への接続のオプションを有する、請求項1に記載の方法。
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記WWAN接続を介して前記ネットワークに接続された前記UEがWLAN接続エリアに移されたときに、前記ネットワークへのWLAN接続を確立するようにさらに構成される、請求項8に記載の装置。
前記UEは、前記WWAN接続を介して前記ネットワークに接続された前記UEがWLAN接続エリアに移されたときに、前記WWAN接続またはWLAN接続への接続のオプションを有する、請求項8に記載の装置。
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記WWAN接続の前記PDPコンテキストが非アクティブ化されないように前記リンガータイマーを無期限に設定するようにさらに構成される、請求項8に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面に関する下記の詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書で説明する概念が実行され得る唯一の構成を表すように意図されているわけではない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解をもたらす目的で、具体的な詳細を含んでいる。しかし、これらの概念がこれらの具体的な詳細なしに実行され得ることが、当業者には明らかであろう。場合によっては、そのような概念を曖昧にするのを回避する目的で、周知の構造および構成要素がブロック図の形式で示されている。
【0015】
上記で説明したように、公共交通機関を利用している人々が乗換駅を出発したり乗換駅に到着したりする混雑時間中にUMTS/GPRSネットワークがシグナリングスパイクに直面する可能性がある。乗り物が乗換駅に到着したときにすべてのスマートフォンがWLANに接続することになるので、シグナリングスパイクが生じ、HLOS動作に起因して、スマートフォンは3GのPDPコンテキストを終了させることになる。そしてスマートフォンは、WLANがもはや利用できないときに(すなわち、人々が乗換駅から町に出るか、または別の乗り物に乗るときに)3GのPDPコンテキストを再アクティブ化することになる。この問題に起因して、UMTS/GPRSネットワークはコアネットワークへの著しいシグナリングに直面する。この問題は、列車、バス、およびフェリーなどの乗り物が多数の人々を運ぶことが可能である場合に大きくなる。
【0016】
したがって、本装置および方法の態様は、スマートフォンがWLANカバレージエリアとWWANカバレージエリアとの間で移動するときのコアネットワークにおけるシグナリングスパイクを低減することを含む。
【0017】
図1を参照すると、一態様では、ワイヤレス通信システム100が、モバイルデバイスからネットワークに大量のデータを送信するのを容易にするように構成される。ワイヤレス通信システム100は、1つまたは複数のワイヤレスリンク125により、限定はしないが、ワイヤレスサービングノード116を含むサービングノードを介して、1つまたは複数のネットワーク112とワイヤレス通信することができる少なくとも1つのUE114を含む。1つまたは複数のワイヤレスリンク125は、限定はしないが、シグナリング無線ベアラおよび/またはデータ無線ベアラを含むことができる。ワイヤレスサービングノード116は、1つまたは複数のワイヤレスリンク125によりUE114に1つもしくは複数の信号123を送信するように構成されてもよく、かつ/またはUE114は、ワイヤレスサービングノード116に1つもしくは複数の信号124を送信することができる。一態様では、信号123および信号124は、限定はしないが、1つまたは複数のメッセージを含むことができ、たとえば、UE114からワイヤレスサービングノード116を介してネットワークにデータを送信する。
【0018】
UE114は、モバイル装置を含むことができ、本開示を通じてそのようなものとして呼ばれ得る。そのようなモバイル装置またはUE114は、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、遠隔ユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、遠隔デバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、遠隔端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または何らかの他の適切な用語で呼ばれることもある。
【0019】
さらに、限定はしないが、ワイヤレス通信システム100のワイヤレスサービングノード116を含む1つまたは複数のワイヤレスノードは、基地局またはノードB、リレー、ピアツーピアデバイス、認証、認可、課金(AAA)サーバ、モバイル交換センター(MSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)などを含むアクセスポイントなどの任意のタイプのネットワーク構成要素のうちの1つまたは複数を含むことができる。さらなる態様では、ワイヤレス通信システム100の1つまたは複数のワイヤレスサービングノードは、1つまたは複数の小規模基地局、たとえば、限定はしないが、フェムトセル、ピコセル、マイクロセル、または任意の他の小規模基地局を含むことができる。
【0020】
図2を参照すると、本装置および方法の一態様では、ワイヤレス通信システム100が、ネットワーク112とUE114との間のワイヤレス通信を含むように構成される。ワイヤレス通信システムは、何人かのユーザの間の通信をサポートするように構成され得る。
図2は、ネットワーク112がUE114と通信する方法を示している。ワイヤレス通信システム100は、ネットワーク112とUE114との間の上/下の矢印によって表されるように、ダウンリンクメッセージ送信またはアップリンクメッセージ送信のために構成され得る。
【0021】
一態様では、UE114内に呼処理構成要素140が存在する。呼処理構成要素140は、とりわけ、WWAN接続を介してネットワークに接続されたUEがWLAN接続エリアに移されたときに、UEのクライアント側HLOS IPコンテキストを放棄することが可能なHLOS IPコンテキスト放棄構成要素244を含むように構成され得る。たとえば、WWAN接続を介してネットワーク112に接続されたスマートフォン(UE114)がWLAN接続を有する乗換駅に到着したときに、スマートフォン(UE114)のクライアント側HLOS IPコンテキストが放棄されることになる。
【0022】
別の態様では、呼処理構成要素140は、WWAN接続を介してネットワークに接続されたUEがWLAN接続エリアに移されたときに、UEのPDPコンテキストを維持することが可能なPDPコンテキスト維持構成要素245を含むように構成され得る。維持され得るPDPコンテキストは、特定のUEのためのWWAN接続を定義する設定、特性、パラメータおよび/またはリソースを指し得る。実際、スマートフォン(UE114)がクライアント側HLOS IPコンテキストを放棄しているときは、スマートフォン(UE114)が乗換駅に到着したときにスマートフォン(UE114)のPDPコンテキストが維持されることにもなる。
【0023】
さらに、呼処理構成要素140は、WWAN接続を介してネットワークに接続されたUEがWLAN接続エリアに移されたときに、ネットワークへのWLAN接続を確立することが可能なWLAN接続確立構成要素251を含むように構成され得る。たとえば、スマートフォン(UE114)が乗換駅に到着したときに、スマートフォン(UE114)はWLAN接続を介したネットワーク112への接続を確立する。
【0024】
呼処理構成要素140は、PDPコンテキストの非アクティブ化を延期するために一定時間でリンガータイマー346を設定することが可能なリンガータイマー設定構成要素246を含むようにさらに構成される。また、呼処理構成要素140には、リンガータイマー346が終了したときにPDPコンテキストを非アクティブ化することが可能な非アクティブ化構成要素247も含まれる。
【0025】
リンガータイマー346がアクティブである間、UE114はWLAN接続を介してネットワーク112に接続され、UE114のPDPコンテキストは維持される。リンガータイマー346が終了したとき、UE114のPDPコンテキストは破壊され、非アクティブ化される。このようにして、UE114はWLAN接続を介してネットワーク112に接続されることになり、WWAN接続を介したネットワーク112への接続を再び確立するためには、新しいPDPコンテキストがUE114のために作成されなければならなくなる。設定される一定時間が、WLAN接続エリアにおいてUEが費やし得る平均時間よりも長くなるように、リンガータイマー346が設定され得ることに留意されたい。
【0026】
たとえば、スマートフォン(UE114)が乗換駅にあるとき、リンガータイマー346は、リンガータイマー設定構成要素246によって一定時間、たとえば20秒で設定されることになる。その20秒の間に、スマートフォン(UE114)はWLAN接続を介してネットワーク112に接続され、WWAN接続のPDPコンテキストは維持される。リンガータイマー346が20秒後に終了したとき、スマートフォン(UE114)のPDPコンテキストは非アクティブ化構成要素247によって非アクティブ化されることになり、スマートフォン(UE114)はWLAN接続を介したネットワーク112への接続を継続することになる。一方、スマートフォン(UE114)が20秒以内に乗換駅を出発する場合には、WWAN接続のPDPコンテキストが維持されているので、スマートフォン(UE114)はWWAN接続を介してネットワーク112に接続することが可能になる。
【0027】
またさらに、呼処理構成要素140は、ネットワークとのWWAN接続を確立するためにリンガータイマー346を無効にするための無効化構成要素248を随意に含む。実際、クライアントがWWAN接続を介したネットワーク112への接続の確立を必要とする場合に、UE114はリンガータイマー346を無効にするように構成され得る。たとえば、スマートフォン(UE114)が乗換駅にあるときに、スマートフォン(UE114)がネットワーク112とWWAN接続を確立することを望む場合、スマートフォン(UE114)は、無効化構成要素248によりリンガータイマー346を無効にすることが可能であり得る。
【0028】
結果として、UE114は、WWAN接続を介してネットワーク112に接続されたUE114がWLAN接続エリアに移されたときに、WWAN接続またはWLAN接続への接続のオプションを有する。
【0029】
また別の態様では、呼処理構成要素140は、複数のUEのリンガータイマー346の一定時間を、複数のUEにおける各UEの一定時間にランダムタイマー値を追加することによってランダム化するためのランダム化構成要素249を随意に含むことができ、ここでランダムタイマー値は、恒常値または基準値にランダム値を加えた値に等しい。具体的には、複数のUEにおける各UEのリンガータイマー346は、各UEのリンガータイマー346の一定時間にランダムタイマー値を追加することによってランダム化され得る。したがって、各UEのリンガータイマー346はランダムに終了する(すなわち、複数のUEからネットワーク112への接続はランダムに終了する)ので、ネットワーク112へのシグナリングスパイクは低減されることになる。
【0030】
また別の態様では、呼処理構成要素140は、複数のUEのリンガータイマー346の一定時間を、複数のUEにおける各UEの一定時間にランダムタイマー値を追加することによってランダム化するためのランダム化構成要素249を随意に含むことができる。ランダムタイマー値は、恒常値または基準値にランダム値を加えた値に等しくなり得る。したがって、各UEのリンガータイマー346はランダムに終了する(すなわち、複数のUEからネットワーク112への接続はランダムに終了する)ので、ネットワーク112へのシグナリングスパイクは低減されることになる。
【0031】
別の態様では、呼処理構成要素140は、WWAN接続のPDPコンテキストが非アクティブ化されないようにリンガータイマーを無期限に設定することが可能なリンガータイマー境界(bounding)構成要素250を随意に含むことができる。たとえば、リンガータイマーを無期限に設定すると、WWAN接続は常に維持されることになり、WWAN接続を定義する設定、特性、パラメータおよび/またはリソースのうちの1つまたは複数は維持されることになる。言い換えれば、PDPコンテキストは決して非アクティブ化されない(または常にオンにされ、常にアクティブとなる)ので、スマートフォン(UE114)は常に、WWAN接続を介してネットワーク112に接続することが可能になる。
【0032】
UMS/GPRSネットワークのシグナリング応答を改善する問題を解決する際の上記の手法は単純に、モデムで3Gの「常時オン」を実現する。言い換えれば、UEが終了を要求したとき、モデムはデータ呼を終了させず、依然としてPDPコンテキストを保持することになる。WWANのクライアント側HLOS IPコンテキストは放棄されることになるが、UE/モデムは依然として、HLOSが知ることなくPDPコンテキストを維持することが可能になる。
【0033】
たとえば、UEが長い時間にわたって乗換駅にとどまった場合、UEのPDPは非アクティブ化され、UEはWLAN接続を介してネットワークに接続する。この場合、HLOSは、クライアントがPDPコンテキストを保持していることに気づいていないことに留意されたい。したがって、HLOSが「リンガータイマー」の終了までに同じネットワークに呼を発したときには、クライアントはリンガータイマーを停止することになり、維持されているPDPコンテキストおよびクライアントが保持してきたIPへの復帰を利用することになる。一方、HLOSがリンガータイマーの終了までに呼を発しなかったときには、クライアントはPDPコンテキストを非アクティブ化することになる。
【0034】
したがって、本装置および方法の態様は、スマートフォンに起因する、WLANカバレージエリアとWWANカバレージエリアとの間で移動するときのシグナリングスパイクを低減し、それにより、ワイヤレス通信システムにおいて一貫したサービスを提供することを含む。
【0035】
図3は、例示的な方法300を示すフロー図である。354において、ワイヤレス通信システム100は、WWAN接続を介してネットワークに接続されたUEがWLAN接続エリアに移されたときに、UEのクライアント側HLOS IPコンテキストを放棄するように構成される。たとえば、WWAN接続を介してネットワーク112に接続されたスマートフォン(UE114)がWLAN接続を有する乗換駅に到着したときに、スマートフォン(UE114)のクライアント側HLOS IPコンテキストがHLOS IPコンテキスト放棄構成要素244によって放棄されることになる。
【0036】
355において、ワイヤレス通信システム100は、WWAN接続を介してネットワークに接続されたUEがWLAN接続エリアに移されたときに、UEのPDPコンテキストを維持するように構成される。たとえば、スマートフォン(UE114)がクライアント側HLOS IPコンテキストを放棄しているときは、スマートフォン(UE114)が乗換駅に到着したときにスマートフォン(UE114)のPDPコンテキストがPDPコンテキスト維持構成要素245によって維持されることにもなる。
【0037】
356において、ワイヤレス通信システム100は、一定時間でリンガータイマーを設定するように構成される。たとえば、スマートフォン(UE114)がPDPコンテキストを維持する一方でクライアント側HLOS IPコンテキストを放棄しているときは、リンガータイマー346がリンガータイマー設定構成要素246によってスマートフォン(UE114)のために設定されることになる。
【0038】
357において、ワイヤレス通信システム100は、リンガータイマーが終了したときにPDPコンテキストを非アクティブ化するように構成される。たとえば、スマートフォン(UE114)が長い時間にわたって乗換駅にとどまっている場合など、リンガータイマー346が終了したときには、スマートフォン(UE114)のPDPコンテキストは非アクティブ化構成要素247によって非アクティブ化されることになる。一態様では、たとえば、方法300を実行しているUEは、呼処理構成要素140(
図1および
図2)またはそれのそれぞれの構成要素を実行しているUE114(
図1および
図2)であり得る。
【0039】
図4のコンピュータシステム400を参照すると、一態様では、
図1および
図2のUE114および/またはワイヤレスサービングノード116は、特別にプログラムまたは構成されたコンピュータデバイス480によって表されてもよく、この特別なプログラムまたは構成は、本明細書で説明するような呼処理構成要素140を含む。たとえば、UE114(
図1および
図2)として実装する場合、コンピュータデバイス480は、特別にプログラムされたコンピュータ可読命令もしくはコード、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの何らかの組合せなどにおいて、データを計算し、UE114からワイヤレスサービングノード116を介してネットワーク112に送信するための1つまたは複数の構成要素を含むことができる。コンピュータデバイス480は、本明細書で説明する構成要素および機能のうちの1つまたは複数に関連する処理機能を実行するための、プロセッサ482を含む。プロセッサ482は、プロセッサまたはマルチコアプロセッサの単一のセットまたは複数のセットを含み得る。その上、プロセッサ482は、統合処理システムおよび/または分散処理システムとして実装されてもよい。
【0040】
コンピュータデバイス480は、プロセッサ482によって実行されているアプリケーションの本明細書で使用されるデータおよび/またはローカルバージョンを記憶するなどのためのメモリ484をさらに含む。メモリ484は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、テープ、磁気ディスク、光ディスク、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、およびそれらの任意の組合せなど、コンピュータが使用できる任意のタイプのメモリを含むことができる。
【0041】
さらに、コンピュータデバイス480は、本明細書で説明するように、ハードウェア、ソフトウェア、およびサービスを利用して、1つまたは複数の相手との通信を確立し維持することを可能にする、通信構成要素486を含む。通信構成要素486は、コンピュータデバイス480上の構成要素間の通信、ならびに、コンピュータデバイス480と、通信ネットワーク上に位置するデバイス、および/またはコンピュータデバイス480に直列またはローカルに接続されたデバイスなどの外部デバイスとの間の通信を、伝え得る。たとえば、通信構成要素486は、1つまたは複数のバスを含んでもよく、外部デバイスとのインターフェースをとるように動作可能な、送信機および受信機にそれぞれ関連付けられる送信チェーン構成要素および受信チェーン構成要素、またはトランシーバをさらに含んでもよい。たとえば、一態様では、通信構成要素486の受信機は、メモリ484の一部であり得るワイヤレスサービングノード116を介して1つまたは複数のデータを受信するように動作する。
【0042】
さらに、コンピュータデバイス480は、データ記憶装置488をさらに含んでよく、データ記憶装置488は、本明細書で説明する態様に関連して利用される情報、データベース、およびプログラムの大容量記憶を実現する、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適切な組合せであり得る。たとえば、データ記憶装置488は、プロセッサ482によって現在実行されていないアプリケーションのためのデータリポジトリであり得る。
【0043】
コンピュータデバイス480は、さらに、コンピュータデバイス480のユーザから入力を受け取るように動作可能で、ユーザへの提示のための出力を生成するようにさらに動作可能な、ユーザインターフェース構成要素489を含み得る。ユーザインターフェース構成要素489は、限定はしないが、キーボード、ナンバーパッド、マウス、タッチ感知式ディスプレイ、ナビゲーションキー、ファンクションキー、マイクロフォン、音声認識構成要素、ユーザからの入力を受け取ることが可能な任意の他の機構、またはそれらの任意の組合せを含む、1つまたは複数の入力デバイスを含み得る。さらに、ユーザインターフェース構成要素489は、限定はされないが、ディスプレイ、スピーカー、触覚フィードバック機構、プリンタ、ユーザに出力を提示することが可能な任意の他の機構、またはそれらの任意の組合せを含む1つまたは複数の出力デバイスを含み得る。
【0044】
さらに、コンピュータデバイス480は、本明細書で説明する機能を実行するように構成され得る呼処理構成要素140を含むこと、または呼処理構成要素140と通信していることがある。
【0045】
図5を参照すると、モバイルデバイスからネットワークに大量のデータを送信するための例示的なシステム590が表示されている。たとえば、システム590は、
図1および
図2のUE114内に少なくとも部分的に存在し得る。システム590は、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組合せ(たとえば、ファームウェア)によって実施される機能を表す機能ブロックであり得る、機能ブロックを含むものとして表されていることを諒解されたい。たとえば、システム590は、
図4のプロセッサ482、メモリ484、通信構成要素486、およびデータ記憶装置488を介して、たとえば、メモリ484および/またはデータ記憶装置488によって記憶されたソフトウェアを実行するプロセッサ482によって実施され得る。
【0046】
例示的なシステム590は、連携して動作することができる電気的構成要素の論理グルーピング591を含む。たとえば、論理グルーピング591は、WWAN接続を介してネットワークに接続されたUEがWLAN接続エリアに移されたときに、UEのクライアント側HLOS IPコンテキストを放棄する電気的構成要素594を含むことができる。一態様では、電気的構成要素594は、HLOS IPコンテキスト放棄構成要素244(
図2)を含むことができる。
【0047】
さらに、論理グルーピング591は、WWAN接続を介してネットワークに接続されたUEがWLAN接続エリアに移されたときに、UEのPDPコンテキストを維持するための電気的構成要素595を含むことができる。一態様では、電気的構成要素595は、PDPコンテキスト維持構成要素245(
図2)を含むことができる。
【0048】
追加の態様では、論理グルーピング591は、一定時間でリンガータイマーを設定するための電気的構成要素596を含むことができる。一態様では、電気的構成要素596は、リンガータイマー設定構成要素246(
図2)を含むことができる。
【0049】
論理グルーピング591は、リンガータイマーが終了したときにPDPコンテキストを非アクティブ化するための電気的構成要素597を含むことができる。一態様では、電気的構成要素597は、非アクティブ化構成要素247(
図2)を含むことができる。
【0050】
電気的構成要素594〜597は、
図2における1つまたは複数の構成要素に対応することができ、そのような構成要素は、別個の物理的構成要素、プロセッサ482(
図4)によって実施される構成要素、またはそれらの組合せとすることができる。
【0051】
さらに、システム590は、電気的構成要素594〜597に関連付けられた機能を実行するための命令を保持すること、電気的構成要素594〜597によって使用または取得されるデータを記憶することなどを行うメモリ598を含むことができる。電気的構成要素594〜597は、メモリ598の外部にあるものとして示されているが、これらの電気的構成要素のうちの1つまたは複数は、メモリ598内に存在し得ることを理解されたい。一例では、電気的構成要素594〜597は、少なくとも1つのプロセッサを含むことができ、または、各電気的構成要素594〜597は、少なくとも1つのプロセッサの対応するモジュールとすることができる。さらに、追加または代替の例では、電気的構成要素594〜597は、コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品とすることができ、各電気的構成要素594〜597は、対応するコードとすることができる。
【0052】
図6は、処理システム614を使用する装置600のハードウェア実装の一例を示すブロック図である。装置600は、たとえば、ワイヤレス通信システム100(
図1および
図2)ならびに/または限定はしないが、HLOS IPコンテキスト放棄構成要素244、PDPコンテキスト維持構成要素245、リンガータイマー設定構成要素246、および非アクティブ化構成要素247などの上述の構成要素を実装する呼処理構成要素140(
図1および
図2)を含むように構成され得る。この例では、処理システム614は、バス602によって全般的に表されるバスアーキテクチャで実装され得る。バス602は、処理システム614の具体的な用途および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続するバスおよびブリッジを含み得る。バス602は、プロセッサ604によって概略的に表される1つまたは複数のプロセッサ、およびコンピュータ可読媒体606によって概略的に表されるコンピュータ可読媒体を含む様々な回路を互いにリンクさせる。バス602は、タイミングソース、周辺機器、電圧調整器、および電力管理回路など、様々な他の回路をリンクさせることもでき、これらの回路は当技術分野でよく知られており、したがって、これ以上は説明しない。バスインターフェース608は、バス602とトランシーバ610との間にインターフェースを提供する。トランシーバ610は、送信媒体上の様々な他の装置と通信するための手段を提供する。また、装置の性質に応じて、ユーザインターフェース612(たとえば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカー、マイクロフォン、ジョイスティックなど)が設けられてもよい。
【0053】
プロセッサ604は、バス602の管理、およびコンピュータ可読媒体606上に記憶されたソフトウェアの実行を含む全般的な処理を受け持つ。ソフトウェアは、プロセッサ604によって実行されると、任意の特定の装置の以下で説明される様々な機能を処理システム614に実行させる。コンピュータ可読媒体606は、ソフトウェアを実行するときにプロセッサ604によって操作されるデータを記憶するために使用されてもよい。
【0054】
一態様では、プロセッサ604、コンピュータ可読媒体606、または両方の組合せは、本明細書で説明するように呼処理構成要素140(
図1)の機能を実行するように構成されるか、あるいは特別にプログラムされ得る。
【0055】
本開示全体にわたって提示される様々な概念は、広範な電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格にわたって実装され得る。
【0056】
図7を参照すると、限定されるものではないが、例として、本開示の態様は、W-CDMAエアインターフェースを使用するUMTSシステム700を参照して示される。UMTSネットワークは、コアネットワーク(CN)704、UMTS Terrestrial Radio Access Network(UTRAN)702、およびユーザ機器(UE)710の3つの相互作用する領域を含む。UE710は、たとえば、限定はしないが、HLOS IPコンテキスト放棄構成要素244、PDPコンテキスト維持構成要素245、リンガータイマー設定構成要素246、および非アクティブ化構成要素247などの上述の構成要素を実装する呼処理構成要素140(
図1および
図2)を含むように構成され得る。この例では、UTRAN702は、電話、ビデオ、データ、メッセージング、ブロードキャスト、および/または他のサービスを含む様々なワイヤレスサービスを提供する。UTRAN702は、無線ネットワークコントローラ(RNC)706などのそれぞれのRNCによって各々制御される、無線ネットワークサブシステム(RNS)707などの複数のRNSを含み得る。ここで、UTRAN702は、本明細書で説明するRNC706およびRNS707に加えて、任意の数のRNC706およびRNS707を含むことができる。RNC706は、とりわけ、RNS707内の無線リソースの割り当て、再構成、および解放を担う装置である。RNC706は、任意の適切なトランスポートネットワークを使用する、直接の物理接続、仮想ネットワークなど様々なタイプのインターフェースを介して、UTRAN702中の他のRNC(図示せず)に相互接続され得る。
【0057】
UE710とNodeB708との間の通信は、物理(PHY)層および媒体アクセス制御(MAC)層を含むものと見なされ得る。さらに、それぞれのNodeB708によるUE710とRNC706との間の通信は、無線リソース制御(RRC)層を含むものと見なされ得る。本明細書では、PHY層は、層1と見なされ、MAC層は、層2と見なされ、RRC層は、層3と見なされ得る。以下、情報は、参照により本明細書に組み込まれるRRC Protocol Specification、3GPP TS 25.331 v9.1.0に述べられている用語を使用する。
【0058】
RNS707によってカバーされる地理的領域は、いくつかのセルに分けることができ、無線トランシーバ装置が各セルにサービスする。無線トランシーバ装置は、通常、UMTS適用例ではNodeBと呼ばれるが、当業者によって、基地局(BS)、送受信基地局(BTS)、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、アクセスポイント(AP)、または何らかの他の適切な用語で呼ばれることもある。明快にするために、各RNS707に3つのNodeB708が示されているが、RNS707は、任意の数のワイヤレスNodeBを含んでもよい。NodeB708は、ワイヤレスアクセスポイントを任意の数のモバイル装置のためのCN704に提供する。モバイル装置の例には、携帯電話、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、スマートブック、携帯情報端末(PDA)、衛星ラジオ、全地球測位システム(GPS)デバイス、マルチメディアデバイス、ビデオ装置、デジタルオーディオプレーヤ(たとえば、MP3プレーヤなど)、カメラ、ゲーム機、または任意の他の類似の機能デバイスなどがある。UE710は、通常、UMTS適用例ではUEと呼ばれるが、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、遠隔ユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、遠隔デバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、遠隔端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれることもある。UMTSシステムでは、UE710は、ネットワークへのユーザの加入情報を含む汎用加入者識別モジュール(USIM)711をさらに含み得る。説明のために、1つのUE710がいくつかのNodeB708と通信しているように示される。順方向リンクとも呼ばれるダウンリンク(DL)は、NodeB708からUE710への通信リンクを指し、逆方向リンクとも呼ばれるアップリンク(UL)は、UE710からNodeB708への通信リンクを指す。
【0059】
CN704は、UTRAN702など1つまたは複数のアクセスネットワークとインターフェースをとる。図示のように、CN704は、GSM(登録商標)コアネットワークである。しかしながら、当業者が認識するように、GSM(登録商標)ネットワーク以外のタイプのCNへのアクセスをUEに提供するために、本開示全体にわたって提示される様々な概念を、RANまたは他の適切なアクセスネットワークにおいて実装することができる。
【0060】
CN704は、回線交換(CS)領域およびパケット交換(PS)領域を含む。回線交換要素のいくつかは、モバイルサービス交換センター(MSC)、ビジターロケーションレジスタ(VLR)、およびゲートウェイMSCである。パケット交換要素は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)、およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)を含む。EIR、HLR、VLR、およびAuCのようないくつかのネットワーク要素は、回線交換領域とパケット交換領域の両方によって共有され得る。図示の例では、CN704は、MSC712およびGMSC714によって回線交換サービスをサポートする。いくつかの用途では、GMSC714は、メディアゲートウェイ(MGW)とも呼ばれ得る。RNC706のような1つまたは複数のRNCが、MSC712に接続され得る。MSC712は、呼設定、呼ルーティング、およびUEモビリティ機能を制御する装置である。MSC712は、UEがMSC712のカバレッジエリア内にある間に加入者関連の情報を格納するVLRも含む。GMSC714は、UEが回線交換ネットワーク716にアクセスするためのゲートウェイを、MSC712を通じて提供する。GMSC714は、特定のユーザが加入したサービスの詳細を反映するデータのような加入者データを格納するホームロケーションレジスタ(HLR)715を含む。HLRは、加入者に固有の認証データを格納する認証センター(AuC)とも関連付けられている。特定のUEについて、呼が受信されると、GMSC714は、UEの位置を判断するためにHLR715に問い合わせ、その位置でサービスする特定のMSCに呼を転送する。
【0061】
CN704はまた、サービングGPRSサポートノード(SGSN)718およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)720によって、パケットデータサービスをサポートする。汎用パケット無線サービスを表すGPRSは、標準の回線交換データサービスで可能なものよりも速い速度でパケットデータサービスを提供するよう設計されている。GGSN720は、パケットベースネットワーク722へのUTRAN702の接続を提供する。パケットベースネットワーク722は、インターネット、プライベートデータネットワーク、または何らかの他の適切なパケットベースネットワークでもよい。GGSN720の一次機能は、UE710にパケットベースネットワーク接続を提供することである。データパケットは、MSC712が回線交換領域において実行するのと同じ機能をパケットベース領域において主に実行するSGSN718を介して、GGSN720とUE710との間で転送され得る。
【0062】
UMTSのエアインターフェースは、スペクトラム拡散直接シーケンス符号分割多元接続(DS-CDMA)システムを利用してよい。スペクトラム拡散DS-CDMAは、チップと呼ばれる一連の疑似ランダムビットとの乗算によって、ユーザデータを拡散させる。UMTSの「広帯域」W-CDMAエアインターフェースは、そのような直接シーケンススペクトラム拡散技術に基づいており、さらに周波数分割複信(FDD)を必要とする。FDDは、NodeB708とUE710との間のULおよびDLに異なるキャリア周波数を使用する。DS-CDMAを利用し、時分割複信(TDD)を使用するUMTSの別のエアインターフェースは、TD-SCDMAエアインターフェースである。本明細書で説明される様々な例は、W-CDMAエアインターフェースを指し得るが、基礎をなす原理はTD-SCDMAエアインターフェースに等しく適用可能であり得ることを、当業者は理解するだろう。
【0063】
HSPAエアインターフェースは、スループットの向上および遅延の低減を支援する、3G/W-CDMAエアインターフェースに対する一連の拡張を含む。前のリリースに対する他の修正には、HSPAが、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)、チャネル送信の共有、ならびに適応変調および適応符号化を利用する。HSPAを定義する規格は、HSDPA(高速ダウンリンクパケットアクセス)およびHSUPA(高速アップリンクパケットアクセス、拡張アップリンクまたはEULとも呼ばれる)を含む。
【0064】
HSDPAは、高速ダウンリンク共有チャネル(HS-DSCH)を、トランスポートチャネルとして利用する。HS-DSCHは、高速物理ダウンリンク共有チャネル(HS-PDSCH)、高速共有制御チャネル(HS-SCCH)、および高速専用物理制御チャネル(HS-DPCCH)という、3つの物理チャネルによって実装される。
【0065】
これらの物理チャネルの中でも、HS-DPCCHは、対応するパケット送信の復号が成功したかどうかを示すための、HARQ ACK/NACKシグナリングをアップリンクで搬送する。つまり、ダウンリンクに関して、UE710は、ダウンリンク上のパケットを正常に復号したかどうかを示すために、HS-DPCCHを通じてフィードバックをノードB708に与える。
【0066】
HS-DPCCHはさらに、変調方式と符号化方式の選択、およびプリコーディングの重みの選択に関して、ノードB708が正しい決定を行うのを支援するための、UE710からのフィードバックシグナリングを含み、このフィードバックシグナリングはCQIおよびPCIを含む。
【0067】
「HSPA Evolved」またはHSPA+は、MIMOおよび64-QAMを含むHSPA規格の進化形であり、スループットの増大およびパフォーマンスの向上を可能にする。つまり、本開示のある態様では、ノードB708および/またはUE710は、MIMO技術をサポートする複数のアンテナを有し得る。MIMO技術の使用により、ノードB708は空間領域を活用して、空間多重化、ビームフォーミング、および送信ダイバーシティをサポートすることができる。
【0068】
多入力多出力(MIMO)は、マルチアンテナ技術、すなわち複数の送信アンテナ(チャネルへの複数の入力)および複数の受信アンテナ(チャネルからの複数の出力)を指す際に一般に使用される用語である。MIMOシステムは一般にデータ伝送パフォーマンスを高め、ダイバーシティ利得がマルチパスフェージングを低減させて伝送品質を高めること、および空間多重化利得がデータスループットを向上させることを可能にする。
【0069】
空間多重化を使用して、同じ周波数で同時に様々なデータストリームを送信することができる。データストリームを単一のUE710に送信してデータレートを上げること、または複数のUE710に送信して全体的なシステム容量を拡大することができる。これは、各データストリームを空間的にプリコーディングし、次いで空間的にプリコーディングされた各ストリームをダウンリンクで異なる送信アンテナを介して送信することによって達成される。空間的にプリコーディングされたデータストリームは、様々な空間シグネチャを伴いUE710に到着し、これによりUE710の各々は、当該UE710に向けられた1つまたは複数のデータストリームを回復することができる。アップリンク上では、各UE710は、1つまたは複数の空間的にプリコーディングされたデータストリームを送信することができ、これによりノードB708は空間的にプリコーディングされた各データストリームのソースを識別することができる。
【0070】
空間多重化は、チャネル状態が良好なときに使用できる。チャネル状態がさほど好ましくないときは、ビームフォーミングを使用して送信エネルギーを1つもしくは複数の方向に集中させること、またはチャネルの特性に基づいて送信を改善することができる。これは、複数のアンテナを介して送信するデータストリームを空間的にプリコーディングすることによって達成できる。セルの端において良好なカバレージを達成するために、シングルストリームビームフォーミング伝送を送信ダイバーシティと組み合わせて使用できる。
【0071】
一般に、n個の送信アンテナを利用するMIMOシステムの場合、同じチャネル化コードを利用して同じキャリアでn個のトランスポートブロックが同時に送信され得る。n個の送信アンテナで送られる異なるトランスポートブロックは、互いに同じまたは異なる変調方式および符号化方式を有し得ることに留意されたい。
【0072】
一方、単入力多出力(SIMO)は一般に、単一の送信アンテナ(チャネルへの単一の入力)および複数の受信アンテナ(チャネルからの複数の出力)を利用するシステムを指す。それによって、SIMOシステムでは、単一のトランスポートブロックがそれぞれのキャリアで送られ得る。
【0073】
図8を参照すると、UTRANアーキテクチャのアクセスネットワーク800が示されている。多元接続ワイヤレス通信システムは、セル802、804、および806を含む複数のセルラー領域(セル)を含み、セルの各々は、1つまたは複数のセクタを含み得る。複数のセクタはアンテナのグループによって形成されてよく、各々のアンテナがセルの一部にあるUEとの通信を担う。たとえば、セル802において、アンテナグループ812、814、および816は、各々異なるセクタに対応し得る。セル804において、アンテナグループ818、820、および822は、各々異なるセクタに対応する。セル806において、アンテナグループ824、826、および828は、各々異なるセクタに対応する。セル802、804、および806は、各セル802、804、または806の1つまたは複数のセクタと通信していてもよい、いくつかのワイヤレス通信デバイス、たとえばユーザ機器またはUEを含み得る。たとえば、UE830および832は、NodeB842と通信していてもよく、UE834および836は、NodeB844と通信していてもよく、UE838および840は、NodeB846と通信していてもよい。ここで、各NodeB842、844、846は、それぞれのセル802、804、および806の中のすべてのUE830、832、834、836、838、840のために、CN804(
図4参照)へのアクセスポイントを提供するように構成される。NodeB842、844、846およびUE830、832、834、836、838、840はそれぞれ、たとえば、限定はしないが、HLOS IPコンテキスト放棄構成要素244、PDPコンテキスト維持構成要素245、リンガータイマー設定構成要素246、および非アクティブ化構成要素247などの上述の構成要素を実装する呼処理構成要素140(
図1および
図2)を含むように構成され得る。
【0074】
UE834がセル804における図示された位置からセル806に移動するとき、サービングセル変更(SCC)またはハンドオーバが生じて、UE834との通信が、ソースセルと呼ばれ得るセル804からターゲットセルと呼ばれ得るセル806に移行することがある。UE834において、それぞれのセルに対応するNodeBにおいて、無線ネットワークコントローラ206(
図7参照)において、またはワイヤレスネットワークにおける別の適切なノードにおいて、ハンドオーバプロシージャの管理が生じ得る。たとえば、ソースセル804との呼の間、または任意の他の時間において、UE834は、ソースセル804の様々なパラメータ、ならびに、セル806、および802のような近隣セルの様々なパラメータを監視することができる。さらに、これらのパラメータの品質に応じて、UE834は、近隣セルの1つまたは複数との通信を保つことができる。この期間において、UE834は、UE834が同時に接続されるセルのリストであるアクティブセットを保持することができる(すなわち、ダウンリンク専用物理チャネルDPCHまたはフラクショナルダウンリンク専用物理チャネルF-DPCHをUE834に現在割り当てているUTRAセルが、アクティブセットを構成し得る)。
【0075】
アクセスネットワーク800によって用いられる変調方式および多元接続方式は、導入されている特定の電気通信規格に応じて異なり得る。例として、規格は、Evolution-Data Optimized(EV-DO)またはUltra Mobile Broadband(UMB)を含み得る。EV-DOおよびUMBは、CDMA2000規格ファミリーの一部として第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)によって公表されたエアインターフェース規格であり、CDMAを用いて移動局にブロードバンドインターネットアクセスを提供する。規格は代替的に、広帯域CDMA(W-CDMA)およびTD-SCDMAなどのCDMAの他の変形態を用いるUniversal Terrestrial Radio Access(UTRA)、TDMAを用いるGlobal System for Mobile Communications(GSM(登録商標))、ならびにOFDMAを用いるEvolved UTRA(E-UTRA)、Ultra Mobile Broadband(UMB)、およびFlash-OFDMであり得る。CDMA2000およびUMBは、3GPP2団体による文書に記述されている。実際の利用されるワイヤレス通信規格、多元接続技術は、具体的な用途およびシステム全体に課される設計制約に依存する。
【0076】
無線プロトコルアーキテクチャは、具体的な用途に応じて様々な形態をとり得る。ここでHSPAシステムに関する一例を、
図9を参照して提示する。
【0077】
図9は、ユーザ機器(UE)またはノードB/基地局のユーザプレーン902および制御プレーン904の無線プロトコルアーキテクチャ900の一例を示す概念図である。たとえば、アーキテクチャ900は、ネットワーク112内のエンティティおよび/またはUE114(
図1および
図2)など、ネットワークエンティティおよび/またはUEに含まれ得る。UEおよびノードBの無線プロトコルアーキテクチャ900は、層1 906、層2 908、および層3 910という3つの層で示される。層1 906は最下層であり、様々な物理層の信号処理機能を実装する。したがって、層1 906は物理層907を含む。層2(L2層)908は、物理層907の上にあり、物理層907を通じたUEとノードBとの間のリンクを担う。層3(L3層)910は、無線リソース制御(RRC)サブレイヤ916を含む。RRCサブレイヤ916は、UEとUTRANとの間の層3の制御プレーンシグナリングを処理する。
【0078】
ユーザプレーンでは、L2層908は、媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤ909、無線リンク制御(RLC)サブレイヤ911、およびパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サブレイヤ913を含み、これらはネットワーク側のノードBで終端する。示されないが、UEは、ネットワーク側のPDNゲートウェイで終端するネットワーク層(たとえばIP層)と、接続の他の端部(たとえば、遠端のUE、サーバなど)で終端するアプリケーション層とを含めて、L2層908より上にいくつかの上位層を有し得る。
【0079】
PDCPサブレイヤ913は、異なる無線ベアラと論理チャネルとの間の多重化を行う。PDCPサブレイヤ913はまた、無線送信のオーバーヘッドを低減するための上位層データパケットのヘッダ圧縮、データパケットの暗号化によるセキュリティ、および、ノードB間のUEのハンドオーバのサポートを実現する。RLCサブレイヤ911は、上位層のデータパケットのセグメント化および再構築、失われたデータパケットの再送信、ならびに、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)による順序の狂った受信を補償するためのデータパケットの再順序付けを行う。MACサブレイヤ909は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化を行う。MACサブレイヤ909はまた、1つのセルの中の様々な無線リソース(たとえばリソースブロック)の複数のUEへの割り当てを担う。MACサブレイヤ909はまた、HARQ動作も担う。
【0080】
図10は、UE1050と通信しているNodeB1010を含む通信システム1000のブロック図であり、
図1で記述した態様によれば、NodeB1010はネットワーク112内のエンティティであってもよく、UE1050はUE114であってもよい。ダウンリンク通信では、送信プロセッサ1020は、データ源1012からデータを受信し、コントローラ/プロセッサ1040から制御信号を受信することができる。送信プロセッサ1020は、参照信号(たとえばパイロット信号)とともに、データ信号および制御信号のための様々な信号処理機能を提供する。たとえば、送信プロセッサ1020は、誤り検出のための巡回冗長検査(CRC)コード、順方向誤り訂正(FEC)を支援するための符号化およびインターリービング、様々な変調方式(たとえば、二位相偏移変調(BPSK)、四位相偏移変調(QPSK)、M-位相偏移変調(M-PSK)、M-直角位相振幅変調(M-QAM)など)に基づいた信号配列へのマッピング、直交可変拡散率(OVSF)による拡散、および、一連のシンボルを生成するためのスクランブリングコードとの乗算を、提供することができる。送信プロセッサ1020のための、符号化方式、変調方式、拡散方式および/またはスクランブリング方式を決定するために、チャネルプロセッサ1044からのチャネル推定が、コントローラ/プロセッサ1040によって使われ得る。これらのチャネル推定は、UE1050によって送信される参照信号から、またはUE1050からのフィードバックから、導出され得る。送信プロセッサ1020によって生成されたシンボルは、フレーム構造を作成するために、送信フレームプロセッサ1030に与えられる。送信フレームプロセッサ1030は、コントローラ/プロセッサ1040からの情報とシンボルとを多重化することによって、このフレーム構造を作成し、一連のフレームが得られる。次いでこのフレームは送信機1032に与えられ、送信機1032は、アンテナ1034を通じたワイヤレス媒体によるダウンリンク送信のために、増幅、フィルタリング、およびフレームのキャリア上への変調を含む、様々な信号調整機能を提供する。アンテナ1034は、たとえば、ビームステアリング双方向適応アンテナアレイまたは他の同様のビーム技術を含む、1つまたは複数のアンテナを含み得る。
【0081】
UE1050において、受信機1054は、アンテナ1052を通じてダウンリンク送信を受信し、その送信を処理してキャリア上へ変調されている情報を回復する。受信機1054によって回復された情報は、受信フレームプロセッサ1060に与えられ、受信フレームプロセッサ1060は、各フレームを解析し、フレームからの情報をチャネルプロセッサ1094に提供し、データ信号、制御信号、および参照信号を受信プロセッサ1070に提供する。受信プロセッサ1070は次いで、NodeB1010中の送信プロセッサ1020によって実行される処理の逆を実行する。より具体的には、受信プロセッサ1070は、シンボルを逆スクランブルおよび逆拡散し、次いで変調方式に基づいて、NodeB1010によって送信された、最も可能性の高い信号配列点を求める。これらの軟判定は、チャネルプロセッサ1094によって計算されるチャネル推定に基づき得る。そして軟判定は、データ信号、制御信号、および参照信号を回復するために、復号されてデインターリーブされる。そして、フレームの復号が成功したかどうか判断するために、CRCコードが確認される。次いで、復号に成功したフレームによって搬送されるデータがデータシンク1072に与えられ、データシンク1072は、UE1050および/または様々なユーザインターフェース(たとえばディスプレイ)において実行されているアプリケーションを表す。復号に成功したフレームが搬送する制御信号は、コントローラ/プロセッサ1090に与えられる。受信プロセッサ1070によるフレームの復号が失敗すると、コントローラ/プロセッサ1090は、確認応答(ACK)プロトコルおよび/または否定応答(NACK)プロトコルを用いて、そうしたフレームの再送信要求をサポートすることもできる。
【0082】
アップリンクでは、データ源1078からのデータおよびコントローラ/プロセッサ1090からの制御信号が、送信プロセッサ1080に与えられる。データ源1078は、UE1050で実行されているアプリケーションおよび様々なユーザインターフェース(たとえばキーボード)を表し得る。NodeB1010によるダウンリンク送信に関して説明する機能と同様に、送信プロセッサ1080は、CRCコード、FECを支援するための符号化およびインターリービング、信号配列へのマッピング、OVSFによる拡散、および、一連のシンボルを生成するためのスクランブリングを含む、様々な信号処理機能を提供する。NodeB1010によって送信される参照信号から、または、NodeB1010によって送信されるミッドアンブル中に含まれるフィードバックから、チャネルプロセッサ1094によって導出されるチャネル推定が、適切な符号化方式、変調方式、拡散方式、および/またはスクランブリング方式を選択するために、使われ得る。送信プロセッサ1080によって生成されたシンボルは、フレーム構造を作成するために、送信フレームプロセッサ1082に与えられる。送信フレームプロセッサ1082は、コントローラ/プロセッサ1090からの情報とシンボルとを多重化することによって、このフレーム構造を作成し、一連のフレームが得られる。次いでこのフレームは送信機1056に与えられ、送信機1056は、アンテナ1052を通じたワイヤレス媒体によるアップリンク送信のために、増幅、フィルタリング、およびフレームのキャリア上への変調を含む、様々な信号調整機能を提供する。
【0083】
アップリンク送信は、UE1050において受信機機能に関して説明されたのと同様の方式で、NodeB1010において処理される。受信機1035は、アンテナ1034を通じてアップリンク送信を受信し、その送信を処理してキャリア上へ変調されている情報を回復する。受信機1035によって回復された情報は、受信フレームプロセッサ1036に与えられ、受信フレームプロセッサ1036は、各フレームを解析し、フレームからの情報をチャネルプロセッサ1044に提供し、データ信号、制御信号、および参照信号を受信プロセッサ1038に提供する。受信プロセッサ1038は、UE1050中の送信プロセッサ1080によって実行される処理の逆を実行する。次いで、復号に成功したフレームによって搬送されるデータ信号および制御信号が、データシンク1039およびコントローラ/プロセッサにそれぞれ与えられ得る。フレームの一部が、受信プロセッサによる復号に失敗すると、コントローラ/プロセッサ1040は、確認応答(ACK)プロトコルおよび/または否定応答(NACK)プロトコルを用いて、そうしたフレームの再送信要求をサポートすることもできる。
【0084】
コントローラ/プロセッサ1040および1090は、それぞれNodeB1010およびUE1050における動作を指示するために使われ得る。たとえば、コントローラ/プロセッサ1040および1090は、タイミング、周辺インターフェース、電圧調整、電力管理、および他の制御機能を含む、様々な機能を提供することができる。メモリ1042および1092のコンピュータ可読媒体は、それぞれ、NodeB1010およびUE1050のためのデータおよびソフトウェアを記憶することができる。NodeB1010におけるスケジューラ/プロセッサ1046は、リソースをUEに割り振り、UEのダウンリンク送信および/またはアップリンク送信をスケジューリングするために、使われ得る。
【0085】
W-CDMAシステムを参照して、電気通信システムのいくつかの態様を示してきた。当業者が容易に諒解するように、本開示全体にわたって説明する様々な態様は、他の電気通信システム、ネットワークアーキテクチャおよび通信規格に拡張され得る。
【0086】
例として、様々な態様は、他のUMTS、たとえばTD-SCDMA、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、高速パケットアクセスプラス(HSPA+)およびTD-CDMAに拡張され得る。様々な態様はまた、Long Term Evolution(LTE)(FDD、TDD、またはこれら両方のモードによる)、LTE-Advanced(LTE-A)(FDD、TDD、またはこれら両方のモードによる)、CDMA2000、Evolution-Data Optimized(EV-DO)、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Ultra-Wideband(UWB)、Bluetooth(登録商標)、および/または他の適切なシステムを利用するシステムに拡張され得る。実際の利用される電気通信規格、ネットワークアーキテクチャ、および/または通信規格は、具体的な用途およびシステム全体に課される設計制約に依存する。
【0087】
本開示の様々な態様によれば、要素または要素の一部分または要素の組合せを、1つまたは複数のプロセッサを含む「処理システム」またはプロセッサ(
図4または
図6)で実装できる。プロセッサの例として、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、状態機械、ゲート論理回路、個別ハードウェア回路、および本開示全体にわたって説明する様々な機能を実施するように構成された他の適切なハードウェアがある。処理システム内の1つまたは複数のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。ソフトウェアはコンピュータ可読媒体606(
図6)上に存在し得る。コンピュータ可読媒体606(
図6)は、非一時的コンピュータ可読媒体であってよい。非一時的コンピュータ可読媒体は、例として、磁気記憶デバイス(たとえば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(たとえば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多目的ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(たとえば、カード、スティック、キードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、取り外し可能ディスク、ならびに、コンピュータがアクセスし読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を記憶するための任意の他の適切な媒体を含む。また、コンピュータ可読媒体は、例として、搬送波、伝送路、ならびに、コンピュータがアクセスし読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を送信するための任意の他の適切な媒体も含み得る。コンピュータ可読媒体は、処理システムの中に存在してもよく、処理システムの外に存在してもよく、または処理システムを含む複数のエンティティに分散してもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム製品として具現化され得る。例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料内のコンピュータ可読媒体を含み得る。当業者は、具体的な用途およびシステム全体に課される全体的な設計制約に応じて、本開示全体にわたって示される説明する機能を最善の形で実装する方法を認識するだろう。
【0088】
開示した方法におけるステップの特定の順序または階層は例示的なプロセスを示していることを理解されたい。設計上の選好に基づいて、方法におけるステップの特定の順序または階層は再構成可能であることを理解されたい。添付の方法クレームは、サンプル的順序で様々なステップの要素を提示しており、クレーム内で明記していない限り、提示した特定の順序または階層に限定されるように意図されているわけではない。
【0089】
上記の説明は、本明細書で説明する様々な態様を当業者が実施できるようにするために与えられる。これらの態様への様々な変更は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義した一般的原理は他の態様に適用され得る。したがって、請求項は本明細書で示す態様に限定されるよう意図されているわけではなく、請求項の文言と整合するすべての範囲を許容するように意図されており、単数の要素への言及は、そのように明記されていない限り、「唯一無二の」ではなく、「1つまたは複数の」を意味するよう意図されている。別段に明記されていない限り、「いくつかの」という用語は「1つまたは複数の」を意味する。項目の列挙「のうちの少なくとも1つ」という語句は、単一の要素を含め、それらの項目の任意の組合せを意味する。たとえば、「a、bまたはcのうちの少なくとも1つ」は、「a」、「b」、「c」、「aおよびb」、「aおよびc」、「bおよびc」、「a、bおよびc」を含むことが意図されている。当業者が知っているか、後に知ることになる、本開示全体にわたって説明した様々な態様の要素と構造的かつ機能的に同等のものはすべて、参照により本明細書に明確に組み込まれ、請求項によって包含されることが意図される。また、本明細書で開示する内容は、そのような開示が請求項で明記されているか否かにかかわりなく、公に供することは意図されていない。請求項のいかなる要素も、「のための手段」という語句を使用して要素が明記されている場合、または方法クレームで「のためのステップ」という語句を使用して要素が記載されている場合を除き、米国特許法第112条第6項の規定に基づき解釈されることはない。