(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
格闘技、接触競技またはグラップリング競技を練習するためのトレーニング機器であって、衝撃を吸収する充填材料(4、4’)で形成されたサンドバッグ(1)を備え、前記充填材料が、実質的に筒状の外被(3)の内部容積に配置され、この外被が、下端に下壁を構成する下閉鎖壁(19)を備え、上端に上閉鎖壁(6)を備える、トレーニング機器において、前記サンドバッグを地面上で支えるための水平ベースであって、地面(S)上で不動になるように適応し、上に前記サンドバッグ(1)の前記外被の前記下閉鎖壁(19)が載る水平ベース(20)と、前記下閉鎖壁(19)と前記水平ベース(20)との間の接触点の周りで前記サンドバッグ(1)を少なくとも1つの垂直平面内で回転運動させる機械的連結部であって、前記水平ベース(20)と前記サンドバッグ(1)との間で確立される機械的連結部とを備え、前記サンドバッグ(1)がさらに、直立位置に戻すための少なくとも1つの戻し手段(21、64、10)を有し、前記戻し手段(21、64、10)が、前記サンドバッグ(1)が直立している安定した初期状態および前記サンドバッグ(1)が水平になって地面に横たわっている不安定な最終状態になることが可能であり、さらに、前記トレーニング機器は、前記サンドバッグ(1)の上閉鎖壁(6)に機械的に連結する第1の要素(440)と、天井、柱または前記サンドバッグ(1)の上に広がるその他の任意の構造体に前記サンドバック(1)を保持する上方保持システム(10)と連結する第2の要素(441)とを含むトリガー要素を含み、このトリガー要素は、前記第1、第2の要素を分離しようとする機械的負荷の強度がトリガー閾値よりも低ければ前記第1、第2の要素は互いに嵌合し合ったままで前記機械的負荷による引張負荷が前記上方保持システム(10)にかかり、一方、前記機械的負荷の強度が前記トリガー閾値よりも高ければ前記第1、第2の要素は互いに分離することを特徴とする、トレーニング機器。
前記上方保持システム(10)は、中央弾性要素(40)および複数の周縁弾性要素(41)を備え、前記両要素(40)、(41)は、互いに平行で、束の状態に構成され、その端部は、互いに間隔を開けた上方プレート(42)と下方プレート(39)とに固定され、前記周縁弾性要素(41)は、個別に取り外し可能な形で前記2つのプレート(39、42)の少なくとも一方に固定されることを特徴とする、請求項7に記載のトレーニング機器。
格闘技、接触競技またはグラップリング競技を練習するためのトレーニング機器であって、衝撃を吸収する充填材料(4、4’)で形成されたサンドバッグ(1)を備え、前記充填材料が、実質的に筒状の外被(3)の内部容積に配置され、この外被が、下端に下壁を構成する下閉鎖壁(19)を備え、上端に上閉鎖壁(6)を備える、トレーニング機器において、前記サンドバッグを地面上で支えるための水平ベースであって、地面(S)上で不動になるように適応し、上に前記サンドバッグ(1)の前記外被の前記下閉鎖壁(19)が載る水平ベース(20)と、前記下閉鎖壁(19)と前記水平ベース(20)との間の接触点の周りで前記サンドバッグ(1)を少なくとも1つの垂直平面内で回転運動させる機械的連結部であって、前記水平ベース(20)と前記サンドバッグ(1)との間で確立される機械的連結部とを備え、前記サンドバッグ(1)がさらに、直立位置に戻すための少なくとも1つの戻し手段(21、64、10)を有し、前記少なくとも1つの戻し手段(21、64、10)は前記サンドバッグ(1)の下方に設けられた第1の戻し手段と前記サンドバッグ(1)の上方に設けられた第2の戻し手段(21、64、10)とを有し、前記第1、第2の戻し手段が、前記サンドバッグ(1)が直立している安定した初期状態および前記サンドバッグ(1)が水平になって地面に横たわっている不安定な最終状態になることが可能であり、さらに、天井、柱または前記サンドバッグ(1)の上に広がるその他の任意の構造体に前記サンドバック(1)を保持する上方保持システム(10)と前記戻し手段(21、64、10)の内の第2の戻し手段(64)との間には、機械的にトリガーする閾値を設定できる閾値設定手段が設けられ、該閾値未満では前記上方保持システムのみに伸張負荷がかかり、前記閾値を上回れば前記第2の戻し手段にも引っ張り負荷がかかり、前記閾値設定手段はトリガー(44)で形成され、該トリガーは、分離できる形で互いに接合した少なくとも2つの要素(440)、(441)で形成され、該要素の一方は、前記サンドバッグ(1)に機械的に連結し、前記要素のもう一方は、前記保持システム(10)および前記第2の戻し手段に機械的に連結し、前記要素(440)、(441)は、互いに機械的に離れるように適応し、前記トリガーの前記要素(440)、(441)は、両者を分離しようとする機械的負荷の強度が前記トリガー閾値よりも低ければ接合したままになり、前記機械的負荷の強度が前記トリガー閾値よりも高ければ互いに分離することを特徴とする、トレーニング機器。
前記安定手段(100)は、内チャンバ(111)を規定しているシェル(110)で形成され、前記チャンバ内には安定材料(112)が配置され、前記シェル(110)は、水平な下壁(110a)、包囲壁または側壁(110b)および水平な上壁(110c)を有し、これらの様々な壁は、前記シェルの前記内チャンバ(111)を規定することを特徴とする、請求項11に記載のトレーニング機器。
低密度でフォーム材製の前記衝撃吸収材(101)は、包囲壁(104)で形成され、該包囲壁は、前記安定手段(100)の周りに円形に広がって該安定手段と接触した状態であり、前記包囲壁は、前記安定手段(100)を受け入れるように適応した開口ハウジング(102)を規定し、前記開口ハウジング(102)の形状は、前記安定手段(100)の外面の形状と実質的に補完し合うことを特徴とする、請求項15に記載のトレーニング機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような様々なサンドバッグの欠点は、サンドバッグの重量が、全体的にまたはほとんど上部のサスペンションリングに支えられていて、このサスペンションリングを天井か柱のいずれかに強固に固定する必要があるという点である。天井に固定する場合、この天井の構造体は、バッグの重量を支えるだけでなく、とりわけ練習する人が加える打撃でバッグにかかる加速度から生じる力を支えるのに十分に強固なものでなければならない。
【0007】
公知のバッグのもう1つの欠点は、バッグが一種類の活動にしか対応しておらず、例えばラグビーやアメリカンフットボールで実施されるタックルのトレーニングには使用できない点である。その上、タックルを練習する場合、既存のバッグは自動的に起き上がれない。
【0008】
したがって、衝突を伴う競技の練習に適しているとともに、衝突および/またはグラップリングの競技にも適している多目的のサンドバッグが必要である。さらに詳細には、接触競技および/または格闘技(ボクシング、タイボクシング、レスリング、総合格闘技(MMA)など)、武道(空手、カンフー、サンボ)、護身術(クラヴ・マガ、プンチャック・シラットなど)ならびにチームでの格闘競技(ラグビー、アメリカンフットボールなど)のトレーニングに適したサンドバッグが必要である。
【0009】
さらになお詳細には、衝突を伴う競技の練習には、衝突力に応じて反応する動きを調整できるサンドバッグが必要である。換言すれば、サンドバッグに可動性を持たせ、サンドバッグ固有の特徴に基づいて本質的に制御されるサンドバッグが必要であり、このような制御は、使用者が加える衝撃力に応じて調整される。使用者の全四肢(拳固、腕、肘、膝、頸骨、足、頭)による打撃トレーニング向けに設計されるとともに、あらゆる打撃の高さに向けて設計されたサンドバッグが必要であり、このようなサンドバッグであれば、(「スピードバッグ」タイプの)高速サンドバッグの利点と、(「ヘビー」バッグタイプの)重量サンドバッグの利点とを一度に同時に提供し、このどちらのサンドバッグの欠点も伴わない。このようなサンドバッグには、現実的に揺れる動きを起こすことも必要であり、これは例えば、サンドバックの揺れが逆になって、先行技術による懸垂サンドバッグの上部が固定されたままで、先行技術による懸垂サンドバッグの下部が動ける状態であるという先行技術による懸垂サンドバッグの場合にはないことである。同じように、サンドバッグをとりわけ低い天井および地面に固定しやすいサンドバッグがあることが望ましく、これは、丈夫で巨体の柱または固定点を用いる必要があるのが一般的な先行技術による重量サンドバッグとは対照的である。最後に、力を調整できる攻撃または衝撃により起こるサンドバッグの抵抗および反応に応じた動きを示すサンドバッグがあることも望ましく、これは先行技術による懸垂サンドバッグに欠けている点である。
【0010】
さらになお詳細には、衝突および/またはグラップリングの競技を練習するために、使用者が起こす衝撃力に応じて反応する動きや落下に対する耐性を調整できる、パンチング・タックル用バッグが必要である。換言すれば、衝撃力に適応した反応を示すパンチング・タックル用バッグが必要である。さらに別の言い方をすれば、パンチング・タックル用バッグにタックルした際に、このバッグが、パンチング・タックル用バッグが使用者から受ける衝撃に比例した現実的な反応を示すことが望ましく、この反応は、パンチング・タックル用バッグ固有の特徴に基づいて本質的に制御される。使用者の全四肢(拳固、腕、肘、膝、頸骨、足、頭)による垂直面および水平面への打撃トレーニング向けに設計されると同時に、パンチング・タックル用バッグが自動的に直立位置に戻るシステムを用いてパンチング・タックル用バッグを地面に投げられるようにも設計されたパンチング・タックル用バッグも必要である。ただし、このように自動的に戻ることは現実的で、使用者にとって危険性はない。パンチング・タックル用バッグの系統では、(「スピードバッグ」タイプの)高速パンチングバッグの利点と、(「ヘビー」バッグタイプの)重量パンチングバッグの利点と、このどちらのバッグの欠点も伴わないタックルバッグの利点とを一度に同時に提供し、とりわけ、パンチング・タックル用バッグの上部が揺れる動きを現実的にできるパンチング・タックル用バッグがあることが望ましく、これは、先行技術による懸垂パンチング・タックル用バッグの場合いはないことであり、先行技術での揺れは逆で、先行技術によるパンチング・タックル用バッグの上部は固定されたままで、先行技術によるパンチング・タックル用バッグの下部は動く状態である。パンチング・タックル用バッグを低い天井および地面に固定しやすいパンチング・タックル用バッグがあることも望ましく、先行技術によるパンチング・タックル用バッグではこのように固定しやすくはなく、丈夫で巨体の柱または固定点を使用せざるを得ないのが一般的である。さらに、サンドバッグが抵抗し、力を調整できる攻撃または衝撃により起こるパンチング・タックル用バッグの抵抗性および反応に応じた動きを示すパンチング・タックル用バッグがあることも望ましく、これは先行技術による懸垂パンチング・タックル用バッグに欠けている点である。最後に、地面に投げられた後にパンチング・タックル用バッグが自動的に起き上がるパンチング・タックル用バッグがあることが望ましく、それに対して先行技術によるパンチング・タックル用バッグは、手動で起こさなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このようにするために、格闘技、接触競技またはグラップリング競技を練習するための本発明によるトレーニング機器であって、衝撃を吸収する充填材料で形成されたサンドバッグを備え、充填材料が、実質的に筒状の外被の内部容積に配置され、この外被が、下端に下壁を構成する閉鎖壁を備え、上端に第2の閉鎖壁を備えるトレーニング機器は、バッグを地面上で支えるための水平ベースであって、地面上で不動になるように適応し、上にサンドバッグの外被の下壁が載る水平ベースと、少なくとも1つの垂直平面および下壁とベースとの間の接触点の周りでバッグを回転運動させる機械的連結部であって、前記支持ベースとサンドバッグとの間で確立される機械的連結部とを備え、前記サンドバッグがさらに、このサンドバッグを直立位置に戻すための少なくとも1つの手段を有し、前記手段が、バッグが直立している安定した初期状態およびバッグが水平になって地面に横たわっている不安定な最終状態になるように適応していることを特徴とする。
【0012】
本発明は、衝突を伴う競技の練習に適しているとともに、衝突および/またはグラップリングの競技にも適していることによって、上記の必要性に対処するトレーニング機器を提供して状況を改善する。このような機器は、例えば、接触競技および/または格闘技(ボクシング、タイボクシング、レスリング、総合格闘技(MMA)など)、武道(空手、カンフー、サンボなど)、護身術(クラヴ・マガ、プンチャック・シラットなど)ならびにチームでの格闘競技(ラグビー、アメリカンフットボールなど)のトレーニングに適し、このような機器のサンドバッグは、とりわけ使用者が起こす衝撃力に応じて反応する動きや落下に対する耐性を調整でき、このような機器は、地面に投げられた後にバッグが自動的に起き上がりやすく、このような機器はさらに、低い天井またはその他の任意の適切な構造体にも地面にも固定しやすい。
【0013】
さらに、サンドバッグの重量は、この時点で支持ベースによって全体的に支えられ、その結果、地面によって支えられ、天井などへの固定に対しては、抜けないように抵抗力を強化する必要がもはやない。
【0014】
本発明のもう1つの特徴によれば、バッグとベースとの間の機械的連結部は、有利には、ボールジョイントタイプのものである。このような構成により、機器のバッグは無数の垂直平面で自由に傾斜するだけでなく、バッグの長手軸周りで自由に回転運動もするようになる。
【0015】
本発明のもう1つの特徴によれば、直立位置に戻すためのその手段または1つの手段は、天井に固定するための部材を備える。
【0016】
本発明のもう1つの特徴によれば、下壁は、凸状で球状ドームを形成する。このような構成により、バッグの回転運動が容易になり、かつ、下壁をベース上で回す動きを可能にすることによってバッグが直立状態に戻るのが容易になる。
【0017】
本発明のもう1つの特徴によれば、機器は、バッグの充填材料の中に収容されている、外被の上壁から下壁まで延在する剛性中央チューブを備え、前記チューブの上開口および下開口は、上壁の貫通孔および下壁の貫通孔とそれぞれ連通し、そのまたは1つの戻し手段は、少なくとも部分的に中央チューブに収容される。
【0018】
骨組みを構成することによって、中央チューブは、サンドバッグに高さ方向の剛性を付与する。これによって、とりわけバッグの重量およびバッグが吸収する打撃によってバッグ自体が崩壊するのを防止する。
【0019】
さらに、このような構成は、少なくとも部分的に、その戻し手段または少なくとも1つの戻し手段を包囲して保護する効果を有する。
【0020】
最後に、このような構成のもう1つの利点は、バッグを硬直させることによってバッグの衝撃吸収度を下げることである。衝撃吸収機能は、本発明の場合は、とりわけバッグを直立位置に戻す手段またはその手段の1つによって提供される。
【0021】
本発明のもう1つの特徴によれば、そのまたはその第1の戻し手段は、チューブの下領域にあるこのチューブの装着点と支持ベースにある装着点との間に、張力をかけた状態で取り付けられた弾性部材で構成される。
【0022】
このような構成により、直立位置に戻るほか、バッグが支持ベース上で擦れるのを防止する。
【0023】
また、本発明によるもう1つの実施形態によれば、第1の戻し手段は、バッグの下部で中央チューブの周りに設置されたバラスト重量で形成され、この特徴に加えて、下壁は半球容積を規定し、バラスト重量の重心は、サンドバッグを形成するために、半球容積の水平な赤道部分の中心よりも下にある。
【0024】
このような構成により、第1の戻し手段を実現するために摩耗するおそれのあるあらゆる要素の使用を回避する。
【0025】
本発明のもう1つの特徴によれば、その第2の戻し手段は、ケーブル形態の可撓性の細長い要素で形成され、一方の端部はサンドバッグの中央チューブに取り付けられた装着点に固定され、バッグの外部にあるもう一方の端部は、天井などの構造体に固定されるように適応した部材に機械的に連結し、前記ケーブルは、装着部材と前記バッグとの間の距離を短縮しようとしてこのケーブルを初期状態に持って行こうとする力を受ける。
【0026】
このような構成は、バッグの上端で、前記バッグを直立位置に戻そうとする回転モーメントを起こせる径方向の力をかける類のものである。
【0027】
本発明のもう1つの特徴によれば、チューブ内にあるケーブルの装着点は、前記チューブに取り付けられた戻しバネを有する巻き取り器のドラムであり、このチューブの下部か上部のいずれかにある。
【0028】
このような構成では、ケーブルは、非伸縮性材料で作製されてよい。
【0029】
また、本発明のもう1つの特徴によれば、ケーブルは、少なくとも部分的に弾性変形し、一方の端部がチューブの上部で固定され、下方プーリーの滑車に巻き付けられ、このプーリーのヨークは、チューブの下部に固定して取り付けられる。
【0030】
このような構成により、バッグを地面に置けるように、弾性変形する比較的長い部分を有するケーブルを使用できる。そのため、このようなバッグは、タックルのトレーニングに使用できるものである。
【0031】
本発明のもう1つの特徴によれば、ケーブルは、少なくとも1つの上方プーリーの滑車に巻き付けられて、この上方プーリーのヨークがチューブの上部に固定して取り付けられ、かつ、少なくとも1つの下方プーリーの滑車に巻き付けられて、この下方プーリーのヨークがチューブの下部に固定して取り付けられる。このような構成により、より長いケーブルを使用できる。
【0032】
本発明のもう1つの特徴によれば、第2の弾性戻し手段の下方プーリーのヨークは、中央チューブに固定されるが、このようにする代わりに、本発明のもう1つの特徴によれば、第1の戻し手段は、弾性部材の形態で、第2の弾性戻し手段の下方プーリーに固定され、この第2のプーリーは、中央チューブに固定されずに取り付けられる。
【0033】
この構成にすることよって、2つの弾性戻し手段は、互いに直接連結して両手段の効果を合わせている。さらに第2の手段は、この時点で複滑車として構成される。
【0034】
本発明のもう1つの特徴によれば、縦方向に弾性変形する上方保持システムが設けられ、このシステムは、天井への装着部材とケーブルの該当する方の端部との間に機械的に配置される。
【0035】
この上方保持システムは、バッグを直立位置に戻すのにも関わり、これに加えて、受けた打撃に対してバッグがさらに一層反応するように仕向ける効果を有する。打撃の衝撃を吸収する機能は、このシステムにもよっても得られる。
【0036】
本発明のもう1つの特徴によれば、上方保持システムは、中央弾性要素および複数の周縁弾性要素を備え、前記両要素は、互いに平行で、束の状態に構成され、その端部は、互いに間隔を開けた上方プレートと下方プレートとに固定され、前記周縁弾性要素は、個別に取り外し可能な形で前記2つのプレートの少なくとも一方に固定される。
【0037】
このような構成により、保持システムの硬さを調整できる。
【0038】
本発明のもう1つの特徴によれば、上方保持システムと第2の戻し手段との間には、機械的にトリガーする閾値を設定できる手段が設けられ、バッグに回転負荷がかかった際に、この閾値未満では上方保持システムのみに伸張負荷がかかり、この閾値を上回れば第2の戻し手段にも伸張負荷がかかる。
【0039】
したがって、バッグの回転が特定の度合い以上になると、上方保持システムによってかかる戻し作用が抑制され、その後この戻し作用は第2の戻し手段によってかけられる。これらの構成にすることにより、この時点で、対戦相手の体の反応を再現することが可能になる。
【0040】
本発明のもう1つの特徴によれば、機械的にトリガーする閾値を設定するように適応した手段は、バッグの上壁に固定されるかこの上壁の一部を形成している磁化金属製の壁と、この磁化壁と磁力により接触している磁石とで形成され、前記磁石は、連結器によって上方保持システムに固定され、第2の弾性戻し手段のケーブルは、該当する方の端部が前記磁石に固定されている。トリガー閾値は、磁石とこれに結合している金属壁との間の磁気引力によって決まる。このトリガー閾値を調整するために、本発明のもう1つの特徴によれば、磁石とこれに結合している壁との間には、適切な厚みの磁気材料製シムが設けられる。
【0041】
本発明のもう1つの特徴によれば、磁石は、突起ロッドを備え、このロッドの自由端は上方保持システムに固定され、前記ロッドが磁石上に形成する突起は、レバーアームを形成するために高さ調整可能なものであり、これによって機械的にトリガーする閾値も調整する。
【0042】
ロッドの突起部分はレバーアームを形成し、このレバーアームの長さは、バッグが垂直線に対して傾斜した位置にある際に磁石にかかる回転モーメントの値を決定し、このモーメントの値は、上方保持システムがロッドに印加する力が径方向の構成要素にかかる強度の値によっても決まる。
【0043】
本発明のその他の利点、目的および特徴は、添付の図面を参照して非限定的に挙げた好適な実施形態の説明文を読めば明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図示したように、格闘技、接触競技またはグラップリング競技を練習するための本発明によるトレーニング機器は、サンドバッグ1と、地面Sの上で不動になるように適応して地面に載っている水平ベース20とを備え、地面にはサンドバッグ1の底が載り、サンドバッグ1の全重量は、地面に載っているこのベース20によって支えられている。ベース20とバッグ1との間には、好ましくはボールジョイントタイプの機械的な連結が確立され、これによってバッグ1は、少なくとも1つの垂直平面内で回転でき、かつバッグの底とベース20との間の接触点の周りで回転できる。本発明による機器は、さらに、バッグ1を直立位置に戻す下方戻し手段21を備え、この戻し手段、つまりバッグの下部に作用する第1の戻し手段21は、バッグ1が直立している安定した初期状態と、バッグ1が水平で地面に横たわっている不安定な最終状態とに対して動作するように適応している。
【0046】
サンドバッグ1は、全体的に筒状であり、革などの交換可能な天然皮革、またはプラスチック材、とりわけナイロンなど合成皮革からなる外被2を備えている。外被2は、第1の立体回転軸A1に沿って規定されたチューブとして形成される。
【0047】
外皮2は、規定された立体形状をサンドバッグ1に与える材料、とりわけ筒状にする材料でできた内被3を収容している。このような材料の1つが、例えば可撓性樹脂などである。内被3は、第1の立体回転軸A1と一致する第2の立体回転軸A2に沿って規定されたチューブとして形成される。内被3は、少なくとも1つの筒状衝撃吸収材ブロック4を収容し、このブロックは充填材を形成し、第2の立体回転軸A2と一致する第3の立体回転軸A3に沿って規定される。筒状衝撃吸収材ブロック4は、使用者がサンドバッグ1に打撃を加えた後に元の形に戻すために、好ましくは、胞状材料、例えばフォーム材など、弾性変形してとりわけ衝撃強さが高い材料で構成される。フォーム材の密度は、適切な重量と可動性と反応性との間で良好な妥協点をサンドバッグ1に施すために選定したものである。
【0048】
好適な実施形態によれば、筒状衝撃吸収材ブロック4は、第3の立体回転軸A3に沿って互いに積み重ねた複数の別個の筒状衝撃吸収材ブロック4’で構成される。
【0049】
このようにする代わりに、充填材は、例えば加圧した空気などの流体で構成されてもよく、その場合バッグ1は、その流体用にシールされた膨張可能な入れ物で構成される。
【0050】
筒状衝撃吸収材ブロック4は中央チューブ5を収容し、このチューブは、破損するリスクなしに屈曲できるように、弾性変形することが好ましい。このチューブも同じく、第3の回転軸A3と一致する第4の立体回転軸A4に沿って規定された筒状の形である。例えば金属製であるこの剛性の中央チューブは、このチューブの上端および下端それぞれに、軸方向の開口を構成する口を備えている。バッグを直立位置に戻すその戻し手段または各々の戻し手段は、少なくとも部分的にチューブ5内に収容され、このチューブに直接または機械的連結を介して固定される。したがって、バッグをしかるべき位置に戻す力は、バッグの骨組みに吸収される。
【0051】
サンドバッグ1、さらに詳細には内被は、上閉鎖壁6と、その反対側でバッグの底を構成する下閉鎖壁19とを備えている。チューブ5は、上壁6から下壁19まで延在し、好ましくは下壁に固定され、該両壁とともにバッグの骨組みを構成する。上閉鎖壁6は、第4の回転軸A4に対して垂直な円盤平面P1にある。上壁6は、その周縁に上方孔7を有し、これは、該上方孔7および外被2の上方周縁8にある中央孔7’に上方リングを通すためのものである。これらの配置は、サンドバッグ1を容易に組み立てられ、サンドバッグ1へのメンテナンス作業を迅速に行えることが狙いである。
【0052】
1つの実施形態によれば、
図3に示したように、上閉鎖壁6は円盤である。この壁6の中心領域は、好ましくは、チューブ5の上端に何らかの公知の手段で直接固定されるか、あるいは、
図3に見られる固定リング9の形状をした第1の装着部材をバッグの外部に受け入れることができる固定要素を介して固定される。この実施形態によれば、固定要素は、例えば肩部があってねじを切ったブッシュで、そのねじを切った部分が上壁6を貫通している中心孔にまず嵌合し、その後、チューブ5の上部のねじを切った部分に嵌合する。通し孔の直径は、チューブ5の内径に等しくてよい。ねじを切ったブッシュをねじ締めすると、このブッシュの肩部は壁6の上面に当接する。このように、この壁6は、チューブの上端とねじを切ったブッシュの肩部との間で締め付けられる。このブッシュと結合しているリング9は、案内・保持シャフトを有していてよく、このリングのシャフトは、ブッシュを貫通している軸方向の孔に回転しながら嵌合する。このシャフトは、ブッシュよりも長く、ブッシュの孔の外側にある自由端で、リング9が該ブッシュに対して並進移動しないようにする保持リングを受け入れる。このリング9には、直立位置に戻すための手段を固定でき、さらに、天井や柱など、バッグの上に広がっている構造体に取り付けられた第2の装着部材に固定できる。
【0053】
もう1つの実施形態によれば、
図4に示したように、上閉鎖壁6は、円形閉鎖プレート12と、この円形プレート12を覆ってこの円形プレートに固定される上方閉鎖円板11とで形成される。閉鎖プレート12は閉鎖孔17も有し、この閉鎖孔は、前記上方リングを通し、閉鎖プレート12と外被2と上方閉鎖円盤6とを互いにつなぎ合わせるためのものである。上方閉鎖円板11は、ねじ14によって閉鎖プレート12に固定される。これらのねじのねじを切った軸部は、上方円板12を貫通孔15に嵌合し、ねじを切った軸部は、閉鎖プレート12を貫通しているねじ用にねじを切った孔16にも嵌合する。
【0054】
最後に、上方円板11および閉鎖プレート12はそれぞれ、両者を貫通している中心孔18、18’を有し、この孔は、戻し手段の案内部材75(
図11)、この場合はケーブル64を通すためのものであり、バッグを直立位置に戻すためのこの手段を、これ以降では第2の戻し手段と呼び、この手段については以下に説明する。1つの実施形態によれば、案内部材75は、
図16にさらに詳細に示したように、チューブ5の上部に取り付けられる。
【0055】
バッグの底を構成している壁19は、第4の立体回転軸A4と一致する回転軸A6を有する。
【0056】
この壁19は、中央チューブ5を固定した状態で受け入れる。
【0057】
第1の実施形態によれば、
図5に示したように、下壁19は凸状で、球状ドームの形状をしていて、この球状ドームは半球であってよい。
【0058】
地面に載っているベース20は、少なくとも1つのねじ23を用いて、あるいは何らかの他の同様の固定手段を用いて、地面Sに取り付けられてよい。この支持ベース20は、薄型の金属プレートまたはフォーム材製の衝撃吸収マットで形成されてよい。また、支持ベース20は、地面に固定されずに、バラスト重量を用いて地面に対する固定位置に保持される。この場合、支持ベース20は、有利には、バラスト重量を受け入れる箱の上壁を構成する。このバラスト重量は、水、砂または密度が十分なその他の充填材料で構成されてよい。当業者に公知のその他の任意の手段を用いて支持ベースを地面に対して不動にしてよい。例えば、地面に載っているこのベースの表面は、滑り止めするように構成されてよい。
【0059】
このようにする代わりに、ベース20は、金属プレートの形態またはマットの形態で、バラスト重量を構成するためにそれ自体が十分重くてよい。
【0060】
前述したように、バッグ1は、直立位置に戻す下方戻し手段21、すなわち第1の戻し手段を具備し、この戻し手段は、バッグの下部に作用する。
【0061】
第1の実施形態によれば、そのまたはその第1の戻し手段21は、バッグの骨組みに固定されるとともに、地面への支持ベース20に固定される。この戻し手段21は、弾性部材で構成され、この弾性部材は、チューブの下領域または上領域でこのチューブ5にある装着点と、支持ベース20にある装着点との間で、張力がかかった状態で取り付けられる。したがって、この戻し手段21は、下壁の通し孔36に通すことによってこの下壁19を貫通する。この通し孔36は、チューブ5の下方の口と連通する。
【0062】
第1の実施形態によれば、
図6および
図7に示したように、第1の戻し手段21は、保持器を形成する主シリンダ24を備え、この主シリンダは、中央チューブ5の下部に取り付けられる。この主シリンダは、巻きバネの形態である第1の戻し部材25と、巻きバネ25と支持ベース20との間に機械的連結を提供するケーブル26の形態である可撓性連結器とを受け入れる。主シリンダ24は、第4の回転軸A4と一致する第5の回転軸A5を有する。第1の戻し部材25および第1のケーブル26は、地面への支持ベース20にある第1の固定点27と、主シリンダを閉鎖する上プラグ30にある第2の固定点28との間で、合わせてひと続きに取り付けられる。上プラグ30および主シリンダの下部に嵌合するケーブル案内プラグ29の目的は、主シリンダ24の内部の主空間31を封鎖することであり、この主空間31は、とりわけ戻し部材25を受け入れる。ケーブル案内プラグ29は、第1のケーブル26を通すためにこのプラグを貫通する孔29’を有する。ケーブル案内プラグ29は、主シリンダ24およびバッグ1の下壁19に取り付けられる。上プラグ30は、主シリンダ24に取り付けられる。第2の固定点28は、さらに詳細には、上プラグ30の貫通孔で自由回転するアンカーねじ33にある。主シリンダ24は、その周縁にロック用の溝34を有し、この溝は、主シリンダ24とこれらの図には示していないチューブ5とを互いに固定するロックねじの一方の端部を受け入れる。これらの配置は、サンドバッグ1にタックルした際に第1のケーブル26が孔29’を通って移動できて、支持ベース20に対して傾斜させることができ、その後に第1の戻し部材25が第1のケーブル26を最初の位置、すなわち主シリンダ24の内部に戻そうとするようになっている配置である。
【0063】
もう1つの実施形態によれば、
図8に示したように、第1の戻し手段21は、弾性リング21aで構成された細長い弾性要素で形成され、弾性リングはチューブ5の直径に沿ったロッド50に固定され、ロッドはチューブの径方向の貫通孔に嵌合する。この弾性リング210は、直径沿いのロッドの反対側で、地面に載っているベース20に弾性リングを装着する連結器21bを受けるか、このようにする代わりに、直接地面に固定される。この弾性リングまたは連結器21bは、下壁19の貫通孔36に嵌合する。
【0064】
また、細長い弾性要素21aは、巻きバネの形態を取り、チューブ5に固定されるとともに、ベース20にも固定され、このバネは、下壁19の貫通孔36に嵌合する。この細長い要素は、弾性ケーブルで構成されてよい。
【0065】
さらなる実施形態によれば、
図9に示したように、第1の戻し手段21は、ベース20に固定されるとともに、下壁19に規定された凹部に取り付けられた要素にも固定され、この要素は、下方の個々の筒状ブロック4’で構成される可能性があり、これは本発明では限定されない。この点に関して、この筒状ブロック4’はこの場合、適切な密度のフォーム材製ブロックまたは第1の戻し手段21の圧縮作用に耐えるのに十分な剛性を有するその他の任意の材料で構成される。この場合、この下方の個々のブロック4’は、下壁19にある孔36の軸沿いの線を貫通する孔を有し、前記通し孔に前記第1の戻し手段を受け入れ、この第1の戻し手段は、本質的に弾性ケーブルまたは巻きバネで構成される。このケーブルまたはバネの下端は、任意の公知の手段によってベース20に固定される。このケーブルまたはバネの上端は回転機構に固定され、この回転機構は、下方の基本ブロック4’の上面を押圧するプレートに保持される。このような回転機構は、それ自体が公知のもので、バッグ1を軸A1〜A4周りに戻し手段21に対して回転させることができ、これによって前記戻し手段21にかかる何らかのねじれ負荷を防止する。
【0066】
もう1つの実施形態によれば、
図10に示したように、第1の戻し手段21は、バッグの下部で中央チューブ5の周りに設置されたバラスト重量で形成される。下閉鎖壁19または下壁の外面は、さらに詳細には半球状で、同じく半球状の内側容積を規定し、この容積内にバラスト重量が入れられる。バラスト重量の重心は、サンドバッグを形成するために、半球容積の赤道部分の中心の下にある。この実施形態によれば、下壁19には戻し手段21を通る貫通孔が一切ない。また、戻し手段のバラスト重量は弾性連結器に結合し、この連結器は、ベース20に固定されるとともにチューブ5に固定される。この場合、壁19は、弾性連結器が通る孔36を備える。
【0067】
これは本発明では限定されないが、本発明による機器は、有利には、バッグ1の骨組みに機械的に連結した上方戻し手段または第2の戻し手段を備える。この上方戻し手段は、バッグ1に取り付けられた第1の装着部材に固定され、さらに詳細には前記バッグの骨組みに固定され、天井、柱またはバッグの上に広がるその他の任意の構造体に取り付けられた第2の装着部材に機械的に連結するように適応している。この第2の戻し手段は、第2の装着部材に機械的に直接連結されるか、あるいは、とりわけ前記第2の戻し手段と前記第2の固定部材との間に機械的連結を提供する要素を介して連結されてよい。
【0068】
1つの実施形態によれば、この第2の戻し手段は、本質的にケーブル64の形態である細長い可撓性要素で形成され、少なくとも部分的にチューブ5に収容され、第1の装着部材と第2の装着部材との間の距離を短縮しようとするとともに前記バッグをその初期状態、すなわち直立位置に戻そうとする内側または外側の力を受ける。
【0069】
図示していない第1の実施形態によれば、ケーブル64は、弾性で、全体的にバッグの外部にある。この状況では、このケーブル64の一方の端部は、
図3に見られる固定リング9に固定される。ケーブルは、このリング9を介して中央チューブ5に取り付けられる。ケーブルのもう一方の端部は、第2の固定部材に直接連結されるか、あるいは前述したように、前記ケーブル64と前記第2の固定手段との間に機械的連結を提供する要素を介して連結される。
【0070】
もう1つの実施形態によれば、
図12〜
図18に示したように、ケーブル64をバッグに装着するための部材は、チューブ5の内部に位置していて、前述したように、前記ケーブルは、チューブ5の上部に具備された案内部材75に嵌合し、この案内部材は、上方円板11および上閉鎖壁6の閉鎖プレート12の貫通孔18および18’に嵌合する。
【0071】
筒状ブッシュ形態の案内部材75(
図11)は、ケーブル64を通すための軸方向の孔76を有する。案内部材は、例えば中央チューブ5、さらに正確にはチューブの上部にあるねじ山に取り付けるためのねじ山77を有する。
【0072】
好適な実施形態によれば、この案内部材75は、上部に支持フランジ78を有し、このフランジはチューブ5の上端に載る。さらに、このフランジ78は、閉鎖プレート12にねじ締めされてよい。このようにする代わりに、フランジ78は、上方円板11の上面に載り、この円板にねじ締めされる。これらの配置は、チューブ5を不動にし、チューブを上閉鎖壁6に固定するものである。通し孔76の上エッジおよび下エッジはそれぞれ面取り部分を有するか丸く加工されて、ケーブルを摩耗しやすい鋭利なエッジができるのを防止する。通し孔18および18’にも同じ配置を再現できる。
【0073】
1つの実施形態によれば、
図12、
図13、
図14に示したように、ケーブル64は、非伸縮性で、ケーブル64をバッグに装着する部材、つまり第1のバッグ装着部材は、チューブ5の中に収容されてこのチューブに固定される。この装着部材は、戻しバネを備えた巻き取り器のドラム62であり、前記チューブ5の中に取り付けられてこのチューブに固定される。さらに正確には、巻き取り器は、チューブ5に固定されたケーシング61を備え、このケーシング内でドラム62は、ケーシングが保持するアクスル65を中心に回転するように取り付けられる。戻しバネ63は、螺旋状の板バネの形態をしている。
【0074】
バネ63は、アクスル65とドラム62との間に取り付けられ、ドラムに戻しトルクをかけて、ドラムを角度のついた最初の位置に向かせる。さらに正確には、アクスル65の一方の端部に巻き付けられて固定された戻しバネは、アクスルのもう一方の端部でドラム62に固定される。
【0075】
巻き取り器は、チューブ5の上部に取り付けられてもよいし、あるいは、代替実施形態では、第1の戻し手段21のすぐ上の下部に取り付けられてもよい。
【0076】
もう1つの実施形態によれば、
図15〜
図18に示したように、第2の戻し手段のケーブル64は、ケーブルの全長にわたって、またはケーブルの一部にわたって弾性である。この実施形態によれば、ケーブル64の一方の端部は、チューブ5の内部にあり、前記チューブ5の上部に固定され、下方プーリー80の滑車に巻き付けられ、このプーリーのヨークは、チューブの下部に固定して取り付けられる(
図16、17)。
【0077】
代替実施形態によれば(
図18)、ケーブル64は、チューブ5の上部に取り付けられた少なくとも1つの上方プーリー81の滑車に巻き付けられ、上方プーリーのヨークは、この上方プーリーに固定されるとともに、少なくとも1つの下方プーリー82の滑車に固定され、この下方プーリーのヨークは、チューブ5の下部に固定して取り付けられる。
【0078】
前述した実施形態によれば、第2の弾性戻し手段の下方プーリー80、82のヨークは、中央チューブ5に固定されるが、一変形実施形態では、第1の戻し手段は、弾性部材の形態で、第2の弾性戻し手段の下方プーリー80、82に固定され、この第2のプーリーは、中央チューブ5内で並進移動するように取り付けられる。
【0079】
ケーブル64の該当する方の端部は、第2の固定手段に直接固定されてもよいし、またはこのようにする代わりに、天井への装着部材つまり第2の装着部材と、第2の戻し手段つまり上方戻し手段のケーブル64の該当する方の端部との間には、上方保持システム10が機械的に介在していて、このシステムは長手方向に弾性変形する。この上方保持システム10は、ケーブル64と第2の固定部材との間に、機械的な連結要素、または前述した機械的な連結要素のうちの1つを構成する。この上方保持システム10は、戻し手段としての役割も果たし、ケーブル64の作用を補完し、かつ/または補正する。上方保持システムは、上方戻し手段として用いることもでき、ケーブル64および戻し要素はこの上方保持システムに結合していない。この上方保持システム10は、このシステムを第2の装着部材に固定するためのリングを備えている。明らかにこの場合ケーブルは、第2の装着部材に直接連結されず、代わりに上方保持システム10を介して第2の装着部材に連結される。
【0080】
第1の実施形態によれば、
図1、
図2、
図12、
図19、
図20に示したように、上方保持システム10は、ケーブル40の形態をした中心弾性要素と、ケーブル41の形態をした複数の周縁弾性要素とを備えている。図からわかるように、これらの様々な要素40、41は、互いに平行で、束の状態に構成され、その端部は、互いに間隔を開けた上方プレート42と下方プレート39とに固定される。周縁の弾性部材41は、有利には、上方保持システムの硬さを調整できるように、個別に取り外し可能な形で2つのプレートの少なくとも一方に固定される。
図19に示した実施形態によれば、周縁要素41は、個別に取り外し可能な形で下方プレート39に固定される。このようにするために、各要素41の下部は拡大部410を有し、下方プレート39は、周縁に開口する径方向スロット390を有する。各周縁要素41は、該当する径方向スロットに嵌合することによってプレート39に固定され、拡大部410は、プレート39の下面に当接する。各要素41の拡大部を収容するために、プレートの下面は、該当する径方向スロット390と連通する一連のくぼんだ印を備えていてよい。
【0081】
図20からわかるように、下方プレート39は、ケーブル64の該当する方の端部の固定リング53を具備している。この固定リング53は、プレート39の下にあり、径方向のジャーナルを備え、このジャーナルを介して固定リングは、プレート39の中央ハウジングに取り付けられたボールベアリング54の内レースに嵌合する。
【0082】
上方プレート42は、このプレートを第2の固定部材に固定するためのリング59を有する。
【0083】
第2の実施形態によれば、
図15、
図16、
図21に示したように、この上方保持システム10は、巻きバネ70で構成され、連結アセンブリ72を備え、この連結アセンブリには、ケーブル64の該当する方の端部が固定されるとともに、巻きバネ70の下端が固定される。この保持システムはさらに回転機構71を備え、この回転機構は、巻きバネの上端に固定され、第2の固定部材に固定されるように適応している。回転機構71は、サンドバッグ1自体を360°回転させる。回転機構71は、シャックルとジャーナルを備えるジャーナル・シャックルで構成されることが好ましい。
【0084】
上方保持システム10とバッグの骨組みとの間には、有利には、機械的にトリガーする閾値を設定するように適応した手段が配置されていて、この閾値未満では、上方保持システム10は堆積物の骨組みに固定され、この閾値を上回ると、前記保持システム10の下端は骨組みから外れる。
【0085】
この手段は、トリガー44で構成され(
図22、
図23、
図24)、このトリガーは、分離できる形で互いに接合している少なくとも2つの要素440、441で形成され、このうちの第1の要素440はバッグ1の骨組みに機械的に連結し、第2の要素441は保持システム10に連結し、前記両要素は、互いに機械的に引き離されるように適応している。これらのトリガー要素は、この両要素を分離しようとする機械的負荷の強度がトリガー閾値よりも低ければ互いに嵌合し合ったままであり、一方、前記機械的負荷の強度がトリガー閾値よりも高ければ互いに分離する。
【0086】
第1の実施形態によれば、バッグは2つの上方保持手段を備え、同手段のうちの一方はケーブル64を備え、もう一方は上方保持手段10で構成される。この実施形態によれば、ケーブル64は、トリガーの第2の要素441に固定される。したがって、トリガー閾値未満では上方保持手段10のみに伸張負荷がかかり、一方、この値を上回れば、トリガー44の2つの要素440、441は互いに分離し、ケーブル64にも引っ張り負荷がかかる。
【0087】
もう1つの実施形態による、
図25に示したように、バッグは、上方保持手段、すなわち上方保持手段10を1つのみ備え、トリガーの第2の要素は、前記保持手段10の下端のみを固定した形で受け入れる。この実施形態によれば、トリガー閾値を超えると、上方保持手段10は突然にバッグ1から分離する。
【0088】
図22、
図2および
図24に示したような実施形態によれば、トリガー441の第1の要素440は、例えば鋼鉄などの磁化材料で構成されてよい壁で形成されるか、磁化壁または磁石で形成される。この第1の要素440は、バッグ1の上壁6に固定されるか、この上壁の一部を形成する。第2の要素441は、第1の要素440に磁気によって連結した磁石で構成され、前記磁石441は、上方保持システム10の下端に固定される。
【0089】
磁石441はこのほかにも、剛性ロッド443の形態をした突起レバーを備え、この突起レバーの自由端に上方保持システム10が直接固定されるか、可撓性連結器442を介して固定される。前記ロッドまたはレバーが磁石441上に形成する突起は、有利には、調整可能なレバーアームを形成するために、高さ調整が可能なものである。このようにするために、ロッド443は、ねじが切ってあり、磁石441のねじ穴にねじ締めされる。ロッド442のねじを締めたり弛めたりすることで、前記ロッドの突起部分が形成するレバーアームの長さを調整する。
【0090】
トリガーの2の要素440、441の間の磁気引力は、例えば適切な厚みの磁気材料でできた1つ以上のシム444を挿入して調整できる。このシムまたはこれらのシムは、磁石441と磁化壁440との間に設置される。
【0091】
バッグが2つの上方戻し手段を具備していて、そのうちの一方が上方保持手段で形成され、もう一方がケーブル64を備えている場合、このケーブルは、それ自体が公知の回転連結部を介して、ケーブルの端部を第1の要素440すなわち磁石に固定される。
【0092】
もう1つの実施形態によれば、
図23に示したように、磁石の形態をした第1の要素440は、バッグ1の上壁6に固定され、第1の要素の上に第2の要素441を有し、第2の要素は管状で、例えば鋼鉄などの磁化材料、または磁気材料で作製されるか、あるいは磁石である。この第2の要素441はねじ山445を有し、このねじ山に管状要素443がねじ締めされてレバーを形成する。このようにするために、管状要素は適切なねじ山を有する。レバー443を第2の要素にねじ締めすることで、レバー443の突起部分が形成するレバーアームの値をトリガーの第2の要素441に対して調整し、それによってトリガー閾値を調整する。磁石440と第2の要素441との間の磁気引力は、適切な厚みの非磁性シムを少なくとも1つ挿入することで調整できる。
【0093】
前述したように、バッグが2つの上方戻し手段を具備していて、そのうちの一方が上方保持手段で形成され、もう一方がケーブル64を備えている場合、このもう一方の保持手段は、それ自体が公知の回転連結部50’を介して、ケーブル64の端部を第2の要素441すなわち磁石に固定される。この回転機構によって、ケーブル64にねじれ負荷を一切かけることなくサンドバッグ1自体を360°回転させることができる。
【0094】
最後に、レバー443は、中心部50にケーブルガイド49も備えている。レバーを貫通しているこのケーブルガイドは、第1の要素440の中心点45と上方保持システム10との間に機械的連結を提供する連結器用の通路を構成する。
【0095】
もう1つの好適な実施形態によれば(
図24)、トリガーの第1の要素および第2の要素440、441はそれぞれ、例えばアルミニウム、またはその他の任意の非磁性材料でできた適切な取付台に配置された複数の磁石440a、441aで形成される。
【0096】
それぞれの取付台は、2つの大きな平面を有する分厚い円盤の形態で、支持面である一方の面は、トリガーのもう一方の要素の取付台の大きな支持面と接触するように適応している。取付台には、大きな支持面から筒状のめくら穴が設けられる。筒状磁石440a、441aは、孔の寸法に等しい寸法であり、取付台の支持面と同一平面になるように孔にしっかりと嵌合する。各磁石440a、441aの極は、それぞれ2つの平坦な端部面に相当する。トリガー44の各要素440、441の磁石440a、441aは、前記2つの要素440、441どうしの間に相互の磁気引力を生み出すために、他方の要素の磁石の反対側に配置される。このような構成の利点は、2つの要素440、441が互いに引きつけ合う際に自動的に中心に戻る点にある。
【0097】
図25および
図26は、本発明によるバッグ1のその他の実施形態を示している。下閉鎖壁19は円盤の形態であり、この円盤に内被および外被2、3が固定される。
【0098】
図25からわかるように、バッグ1の下部は、好ましくは高密度のフォーム材製で、実質的に球の一部の形態である周縁カバー100aの形態である安定手段100と、周縁カバーを構成しているフォーム材に埋め込まれたバラスト重量105とを備える。このバラスト重量は、有利には、サンドバッグを形成するために分厚い鋳鉄製の円盤で構成される。この鋳鉄製のバラスト重量105は、下閉鎖壁19にねじ締めされる。バラスト重量は、軸方向にねじを切った貫通孔も有し、この孔に、第1の戻し手段21の通路となる管状ガイドスリーブ190がねじ締めされる。
【0099】
図26は、本発明によるサンドバッグのもう1つの実施形態の分解図である。バッグの下部は、ここでも安定手段100を備えていることがわかる。この安定手段100は、この実施形態によれば、内チャンバ111を規定している剛性シェル110で形成され、このチャンバ内には、固体、顆粒または液状の安定材料112が配置される。
【0100】
シェル110は、水平な下壁110a、包囲壁または側壁110bおよび水平な上壁110cを有し、これらの様々な壁は、シェルの内チャンバ111を規定している。バッグ1の下壁19は、シェル110の上壁110cに載る。
【0101】
シェル110の内チャンバ111は、有利には、安定材料を受け入れるための開口を上部に有する。この上部の開口は、密閉して閉鎖させるための閉鎖カバーが付いている。そのためこの閉鎖カバーは、シェル110の上壁110Cを構成する。
【0102】
カバーの上壁110Cは、好ましくは、安定手段100を構成しているシェル110の上部開口にあるねじ山にねじ締めされる。
【0103】
図26の主題である実施形態によれば、バッグの下部は、この下部を保護して安定手段100に固定するためのスカート120を備えている。この保護スカート120は、可撓性材料で作製され、バッグの下部を包囲し、スカートの上部は、例えば前記バッグに縫い付けられる。この保護スカート120は、下に向かって広がり、スカートを安定手段100に固定する手段をスカートの下縁に沿って有する。実施形態では、この固定手段は、スカート120の下縁に沿って形成されたへり121と、このへり内をスライドする引き紐122と、シェル110の包囲壁110bの上部に形成された連続溝113とで構成され、前記溝は、スカート120の小穴121を受け入れる。したがって、スカート120の下部は、この溝113の中で引き紐を絞ることによって安定手段100に固定される。引き紐を用いて固定する作用はスカート120をぴんと張るためであり、これによってバッグの下壁19の張りがシェル110の上壁110cに押しつけられる点に注意されたい。
【0104】
充填フォーム材123は、有利には、スカート120とバッグ1の下部との間に配置されてよい。この充填フォーム材は、機械的に負荷をかけて変形させることができ、機械的な負荷を止めると直ちに元の形状に戻せるように、弾性変形する。このような構成では、スカートが受けるおそれのある衝撃を吸収でき、これによってバッグの下部に対する保護を強化できる。
【0105】
図示した実施形態によれば、スカート120は、円錐台形の容積を規定し、この容積の大きい方の底面は、前記スカートの下縁と一致する。
【0106】
1つの実施形態によれば、安定手段は、この安定手段の垂直な対象軸に沿って完全に貫通する垂直な穿孔部を有して、第1の弾性戻し手段21の通路となる。実施形態では、この穿孔部は、シェル110の下壁110aを通ってこの下壁の中心を通る第1の孔と、シェル110の内部にある第1の垂直チューブ114で、第1の通し孔と一直線に軸沿いに下壁110aに固定されているチューブの内孔と、シェル110の上壁110cを通りこの壁の中心を通る第2の孔115とで構成される。この第2の孔115は、好ましくは、第2の孔115と並んで軸沿いにシェル110の上壁110cに固定された第2の垂直チューブ116の内孔からシェル110の中まで延在し、この第2の垂直チューブ116は、第1のチューブ114と嵌合するように協働する。第1のチューブの下部は、有利には、管状ガイドスリーブ190を受け入れ、第1の戻し手段21はこのガイドスリーブの中を通る。
【0107】
図26の主題である実施形態によれば、シェルは、実質的に円錐台形の容積を規定し、この容積の小さい方の底面は、シェルの下壁110aと一致する。
【0108】
両方の実施形態によれば、安定手段100はこのほか、衝撃吸収材101に回転式に取り付けられ、この衝撃吸収材は、ベース20に固定されるか設置され、あるいはこのようにする代わりに、地面自体に設定される。この衝撃吸収材101は、安定手段100の周囲に配置され、この安定手段と接触した状態である。この衝撃吸収材101は、低密度のフォーム材で作製される。このフォーム材は、機械的に負荷をかけて変形させることができ、この機械的な負荷を止めると直ちに元の形状に戻せるように、弾性変形する。
【0109】
衝撃吸収材101は、円形に広がっている包囲壁104で形成される。この包囲壁104は、安定手段100を受け入れるための開口ハウジング102を規定する。このハウジング102の形状は、好ましくは、安定手段のカバーまたはシェルの形状と実質的に補完し合う。この包囲壁104は、下方支持面および上縁を有する。この包囲壁104の水平に測定した際の厚みは、好ましくは支持面から上縁に向かって薄くなる。このような構成は、バッグ1が回転する動きに起因する包囲壁104上部の弾性変形を起こしやすくするとともに、この動きを緩和して、打撃を吸収したことによってバッグが地面に落下するのを防ぐようにする性質のものである。
【0110】
衝撃吸収材101の包囲壁104は、好ましくは開リングを形成し、このリングは2つの逆向きの端部が互いに対面する方向を向いている。この実施形態では、衝撃吸収材101は、前記2つの端部を合わせて、このようにして形成されたリングを閉じるストラップの形態をした接合要素を備える。各ストラップは、有利には、「ベルクロ」の商標で知られる類の自己把持型のストリップで構成される。各ストラップの2つの端部の一方は、衝撃吸収材101の2つの端部領域の一方に縫い付けられ、この端部を固定するために、衝撃吸収材のもう一方の端部領域に縫い付けられた自己把持型要素と協働するように適応している。衝撃吸収材101が開リング形態であるというこの構成により、この衝撃吸収材を安定手段100の周囲に容易かつ迅速に密着させることができ、バッグ1または前記安定手段100のいずれかを操作する必要がない。
【0111】
記載したような衝撃吸収材101は、好ましくは、低密度のフォーム材を保護するための表皮106を有する。この保護表皮106は、サイズを校正した排出孔107を有する(
図29)。サイズを校正したこれらの孔107により、衝撃吸収材101が圧縮された際に、フォーム材の細孔に含まれている空気を逃がすことができる。このような構成により、内部の空気圧が高くなりすぎて衝撃吸収材101が破裂するのを防ぐ。孔のサイズを校正しているため、衝撃吸収材の緩衝機能を強化することも可能である。緩衝作用を調整するために、サイズを校正した各孔に閉鎖部材を結合してよい。この部材は、「ベルクロ」の商標で知られているもののような自己把持型ストリップで構成されてよい。
【0112】
図28からわかるように、衝撃吸収材101は、有利には、安定手段100の上面を覆ってその上に載るように適応した上リップ103を有する。このような構成は、衝撃吸収材101および安定手段100を互いに対して保持する。
【0113】
図25および
図26に示したような第1の戻し手段21は、弾性部材210ならびに非伸縮性の上連結器および下連結器214a、214bを備え、両連結器は、弾性部材の上および下にそれぞれ固定される。連結器214bの下部は管状スリーブ190に嵌合し、場合によってはねじを切った管状ブッシュに嵌合し、この管状ブッシュは、盲ねじ、または地面に載っているベース20をまっすぐ貫通して延びているねじ山にねじ締めされるように適応している。下連結器214bは、保持ピン212を介してねじを切ったブッシュに固定される(
図25)。このようにするために、下連結器214bはその下部で、直径を貫通している孔を有する固定具211を受け入れ、この固定具は、ねじを切ったブッシュの下で保持ピン212を受け入れる。弾性部材210は張力がかかった状態であるため、保持ピン212は、ねじを切ったブッシュの下面を押圧する。このような構成により、地面に載っているベース20にバッグを固定するのを容易にできる。このようにするために、弾性部材210は弛められ、ピンは、ねじを切ったブッシュの下で固定具211に挿入される。このねじを切ったブッシュは、バッグの下壁19からは独立していて、そのため、ベースのねじ山にねじ締めでき、バッグを操作する必要がない。このようにする代わりに、下連結器210bをループ状のストラップに固定してもよく、このストラップは両端をプレートに固定され、プレートは、ベース20の下に配置されるようになっている。そのため、ループ状のストラップは、ベース20の貫通孔に嵌合する。また、プレートは地面固定される。
【0114】
連結器214aは、好ましくはスイベル213を介して弾性部材210に固定される。この連結器214aは、弾性部材210に張力を与えるのに使用できるもので、好ましくは上壁6に固定され、上壁6の貫通孔に嵌合し、この壁の上では、ストッパーを形成するケーブルクリップを受け入れる。弾性部材210には張力がかかるため、ケーブルクリップは、バッグ1の上壁6の上面に載る。このようにする代わりに、上壁6の貫通孔は、バッグの長手軸の中央にある縮小領域と、この縮小領域に隣接する拡大領域とを有するように構成される。このような構成では、張力をかける連結器214aは、一連の等間隔の結び目215を有するか、または、壁6の貫通孔の拡大領域を自由にスライドする厚みが増したその他の部分を有する。孔のサイズが縮小した領域の直径は、連結器214aの直径よりもわずかに大きいが、1つ1つの結び目が形成している厚みの増した部分の直径よりも遙かに小さい。したがって、張力をかけるために連結器214aは、縮小領域に嵌合し、上壁のすぐ上にある結び目215は、弾性部材210に張力がかかることによって、通し孔の縮小領域の縁に載るようになる。
【0115】
したがって、このようなバッグは第2の戻し手段なしで使用できるが、
図25、
図26、
図27に示したような変形実施形態によれば、様々な実施形態で前述したような上方保持システム10のみで形成された第2の戻し手段が設けられる。この保持システム10は、バッグの例えば
図1および
図3に見られるリング9に直接固定されてよいが、好適な実施形態によれば、この保持システム10は、様々な実施形態で前述したようなトリガー44を用いてバッグ1に固定される。
【0116】
図26および
図27から、トリガー44の要素440は、バッグの上部に固定された方向変換可能な取付台に固定されていて、この取付台によってトリガーの向きを力の印加方向に設定できることがわかる。この取付台は、有利には、一連の水平ストラップ446で構成され、このストラップは弾性であってよく、十字に配置され、端部がバッグの上部、とりわけ外被2の上部に固定される。要素440は、任意の公知の手段でストラップの交差点に固定される。
【0117】
もう1つの実施形態によれば、上方保持システム10の弾性部材は、弾性変形して湾曲する合成材料製の外装10a内に配置される。この外装10aは、天井や柱などの構造体にしっかりと固定されるように適応した上方プレート10bにしっかりと固定される。このような構成により、トリガーの要素441をバッグの軸に据えることができる。
【0118】
ベース20は、有利には、それ自体が重みとなるマットで構成されてよい。
【0119】
バッグは、様々な形態を取ってよく、筒状であってもよいし、マネキン形状を仮定してもよい。
【0120】
非限定的に、安定手段の質量は50kgから60kgであるのに対し、バッグの質量は8kgから15kgである。
【0121】
記載したバッグは、複数の弾性ストラップの下端を外被2の上部に固定して、天井や柱などの構造体に固定してもよい。
【0122】
当然ながら、本発明には、以下の特許請求の範囲に規定した通りの本発明の範囲を逸脱しない限り、同等の技術分野から得られるあらゆる構成および変形例を受け入れてよい。