特許第6378230号(P6378230)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6378230
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/08 20060101AFI20180813BHJP
   H03K 17/687 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   H03K17/08 C
   H03K17/687 A
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-51326(P2016-51326)
(22)【出願日】2016年3月15日
(65)【公開番号】特開2017-168986(P2017-168986A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2017年8月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】千坂 純一
【審査官】 及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−139404(JP,A)
【文献】 特開2010−004093(JP,A)
【文献】 特開2011−185802(JP,A)
【文献】 特開2008−147755(JP,A)
【文献】 特開2011−091694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 17/00−17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート端子とソース端子との間に接続された第1スイッチ素子と、
前記第1スイッチ素子のゲートと接地端子との間に接続され、前記第1スイッチ素子をオンとオフとに切り替える第2スイッチ素子と、
一端が前記接地端子に接続されているとともに、第1抵抗素子及び第2抵抗素子を介して電源端子に接続され、他端が前記第1スイッチ素子の前記ゲートへ接続され、前記接地端子の電位と前記第2スイッチ素子の状態とに基づいて、前記第1スイッチ素子の前記ゲートを昇圧するキャパシタと、
を備え、
前記第2スイッチ素子において、ゲートが前記第1抵抗素子を介して前記電源端子に接続されるとともに前記第2抵抗素子を介して前記接地端子に接続され、ドレインが前記第1スイッチ素子の前記ゲートに接続され、ソースが前記接地端子および前記キャパシタの前記一端に接続された、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
負荷に接続された出力MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタを制御する半導体装置では、接地端子の電位が基準電位から電気的なオープン状態に変化すると、出力MOSトランジスタをオフさせることができない誤動作が起こり得る。
【0003】
そこで、出力MOSトランジスタのゲートとソースとの間に補助MOSトランジスタを接続した半導体装置が知られている。この半導体装置では、接地端子が電気的なオープン状態になると、この補助MOSトランジスタがオンすることによって、出力MOSトランジスタがオフする。
【0004】
しかし、接地端子の電気的なオープン状態によって、接地端子の電位が電源電圧まで上昇すると、補助MOSトランジスタをオンさせるのが困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−199401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、接地端子の電位変化に起因する誤動作を起こりにくくすることができる半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態によれば、半導体装置は、ゲート端子とソース端子との間に接続された第1スイッチ素子と、
第1スイッチ素子のゲートとソース端子との間、または第1スイッチ素子のゲートと接地端子との間に接続され、第1スイッチ素子をオンとオフとに切り替える第2スイッチ素子と、
一端が電源端子と接地端子との間に接続され、他端が第1スイッチ素子のゲートへ接続され、接地端子の電位と第2スイッチ素子の状態とに基づいて、第1スイッチ素子のゲートを昇圧するキャパシタと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る半導体装置の概略的な構成を示す回路図である。
図2】第1実施形態に係る半導体装置の動作を示す波形図である。
図3】第2実施形態に係る半導体装置の概略的な構成を示す回路図である。
図4】第2実施形態に係る半導体装置の動作を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置の概略的な構成を示す回路図である。本実施形態に係る半導体装置1は、出力スイッチ素子に相当するMOSトランジスタM10を制御する。ここで、まず、MOSトランジスタM10について説明する。
【0011】
MOSトランジスタM10は、例えば、NチャネルのMOS型のゲート構造を有するN型MOSトランジスタを用いて構成される。MOSトランジスタM10において、ゲートは、半導体装置1のゲート端子31に接続され、ドレインは、電源(不図示)に接続され、ソースは半導体装置1のソース端子32および負荷R100に接続されている。この負荷R100は、例えば車両のヘッドランプに相当する。この場合、MOSトランジスタM10がオンすると、ヘッドランプは点灯し、反対にMOSトランジスタM10がオフすると、ヘッドランプは消灯する。
【0012】
次に、本実施形態に係る半導体装置1の構成について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る半導体装置1は、第1駆動回路11と、第2駆動回路12と、第3駆動回路13と、制御回路14と、を備える。
【0013】
第1駆動回路11および第2駆動回路12は、ゲート端子31にそれぞれ接続されている。第1駆動回路11は、制御回路14の制御に基づいて、MOSトランジスタM10をオンさせる。第2駆動回路12は、制御回路14の制御に基づいて、MOSトランジスタM10をオフさせる。
【0014】
第3駆動回路13は、MOSトランジスタM1と、MOSトランジスタM2と、抵抗素子R1〜R4と、キャパシタC1と、トランジスタQ1と、ツェナーダイオードZ1と、を有する。MOSトランジスタM1は第1スイッチ素子に相当し、MOSトランジスタM2は第2スイッチ素子に相当する。また、抵抗素子R1は第1抵抗素子に相当し、抵抗素子R2は第2抵抗素子に相当する。
【0015】
MOSトランジスタM1は、MOSトランジスタM10と同様に、例えば、N型MOSトランジスタを用いて構成される。MOSトランジスタM1は、上述したMOSトランジスタM10のゲートとの接続端子であるゲート端子31と、当該MOSトランジスタM10のソースとの接続端子であるソース端子32との間に接続されている。具体的には、ドレインがゲート端子31に接続され、ソースがソース端子32に接続されている。MOSトランジスタM1は、接地端子33の電位が基準電位のときにオフし、接地端子33の電位が電気的なオープン状態のときにオンする。
【0016】
MOSトランジスタM2も、MOSトランジスタM10と同様に、例えば、N型MOSトランジスタを用いて構成される。MOSトランジスタM2において、ゲートは、抵抗素子R1を介して電源端子34に接続されるとともに抵抗素子R2を介して接地端子33に接続されている。ドレインは、抵抗素子R4を介してMOSトランジスタM1のゲートに接続されている。ソースは、接地端子33に接続されている。MOSトランジスタM2のゲートとソースとの間における電圧は、電源端子34と接地端子33との間に直列に接続された抵抗素子R1と抵抗素子R2との分圧比によって設定される。この分圧比は、接地端子33の電位が基準電位であるときにMOSトランジスタM2が常時オンするように設定される。
【0017】
キャパシタC1の一端は、接地端子33に接続されているとともに、抵抗素子R1、R2を介して電源端子34に接続されている。キャパシタC1の他端は、抵抗素子R3およびトランジスタQ1に接続されている。キャパシタC1は、接地端子33の電位が電気的なオープン状態になったとき、MOSトランジスタM1のゲート電位を、電源電圧VDDに相当する電源端子34の電位よりも高い電位に昇圧する。
【0018】
トランジスタQ1は、電源端子34とキャパシタC1の他端との間に接続されているPNP型トランジスタである。このトランジスタQ1では、ベースとコレクタとがショートされている。そのため、トランジスタQ1は、電源端子34に接続されるアノードと、キャパシタC1の他端に接続されるカソードと、を有するダイオードに相当する。トランジスタQ1は、上記キャパシタC1の昇圧動作によって電流が電源端子34へ逆流することを防ぐ。
【0019】
ツェナーダイオードZ1は、MOSトランジスタM1のゲートとソースとの間に接続されている。ツェナーダイオードZ1は、MOSトランジスタM1のゲートとソースとの間における電圧を一定に保つことによって、MOSトランジスタM1のオン状態を安定させる。
【0020】
制御回路14は、接地端子33の電位が基準電位であるときに、制御端子35から入力される入力信号に基づいて、第1駆動回路11および第2駆動回路12を制御する。
【0021】
以下、本実施形態に係る半導体装置1の動作について説明する。ここでは、図1および図2を参照して、上述した第3駆動回路13の動作を中心に説明する。
【0022】
図2は、第1実施形態に係る半導体装置1の動作を示す波形図である。図2は、VIN、接地端子33、ノードa、VGS(M2)、およびVGS(M1)のそれぞれについて、接地端子33の電位が基準電位であるときの波形と、接地端子33の電位が電気的なオープン状態であるときの波形と、を示す。
【0023】
VINは、入力端子35に入力される入力信号の電圧波形を示す。ノードaは、図1に示すように、キャパシタC1の他端側の電圧波形を示す。VGS(M1)は、MOSトランジスタM1のゲートとソースとの間における電圧波形を示す。VGS(M2)は、図1に示すように、ノードdとノードcとの間の電圧に相当する。VGS(M10)は、MOSトランジスタM10のゲートとソースとの間における電圧波形を示す。
【0024】
接地端子33の電位が基準電位であるとき、接地端子33は、半導体装置1を用いるシステムのグランド(System GND)に、例えばハーネスで接続されている。このとき、第3駆動回路13では、電源端子34から入力された入力電流が抵抗素子R1および抵抗素子R2を流れる。これにより、MOSトランジスタM2のゲート電圧が上昇して、MOSトランジスタM2はオンする。
【0025】
MOSトランジスタM2がオンすることによって、MOSトランジスタM1のゲート電位に相当するノードdの電位が下がるので、MOSトランジスタM1はオフする。MOSトランジスタM1がオフすることによって、MOSトランジスタM10のゲート電位は、MOSトランジスタM1から影響を受けない。そのため、MOSトランジスタM10は、入力信号VINに基づいて正常にオンおよびオフする。
【0026】
また、MOSトランジスタM2がオンすることによって、キャパシタC1の他端の電位に相当するノードaの電位も下がるので、キャパシタC1の昇圧動作は行われない。
【0027】
接地端子33と、上記システムのグランドとの接続が解除されると、接地端子33の電位は、基準電位から電気的なオープン状態に変化する。接地端子33の電位変化によって、電源端子34から抵抗素子R1および抵抗素子R2に流れる電流経路がなくなる。これにより、キャパシタC1の一端の電位に相当するノードbの電位が、電源電圧VDDに相当する電源端子34の電位まで上昇する。
【0028】
ノードbの電位上昇によって、MOSトランジスタM2のゲートとソースとの間における電位差がほぼ0Vとなり、MOSトランジスタM2はオフする。このとき、ノードaの電位は、キャパシタC1によって、概ね2VDD−Vbe(Q1)まで昇圧される(図2の点線領域T1参照)。ここで、Vbe(Q1)は、トランジスタQ1のベースとエミッタとの間における電圧である。
【0029】
ノードaの電位上昇に伴って、MOSトランジスタM1のゲート電位も同様に電源電圧VDDよりも高い電位に上昇する。一方、MOSトランジスタM1のソース電位は、MOSトランジスタM10がオン状態のときに電源電圧VDD付近まで上昇している。このとき、MOSトランジスタM1のゲート電位は、上記のように電源電圧VDDよりも高いので、MOSトランジスタM1のゲートとソースとの間にしきい値電圧よりも高い電圧が発生すると、MOSトランジスタM1はオンする。その結果、MOSトランジスタM10のゲートとソースとの間における電圧が下がり、MOSトランジスタM10はオフする。
【0030】
その後、MOSトランジスタM1のゲート電位は、キャパシタC1と抵抗素子R3、R4との時定数によって、VDD−Vbe(Q1)まで下がっていく。このとき、MOSトランジスタM1のゲートとソース間における電圧VGS(M1)は、ツェナーダイオードD1によって、ツェナー電圧VZに保持される。ツェナー電圧VZが、上記しきい値よりも高いと、MOSトランジスタM1のオン状態が安定するので、MOSトランジスタM10のオフ状態も安定する。
【0031】
以上説明した本実施形態によれば、接地端子33が電気的なオープン状態になると、MOSトランジスタM2がオフするとともに、キャパシタC1が電源電圧VDDよりも高い電圧をMOSトランジスタM1のゲートへ印加する。そのため、MOSトランジスタM1のゲートとソースとの間に電圧が発生するので、MOSトランジスタM1がオンしやすくなる。MOSトランジスタM1がオンすると、ゲート端子31とソース端子32との電位差がほぼなくなる。
【0032】
ゲート端子31にはMOSトランジスタM10のゲートが接続され、ソース端子32にはMOSトランジスタM10のソースが接続されているので、MOSトランジスタM10は、オフする。これにより、接地端子33の電位が基準電位から電気的なオープン状態に変化しても、MOSトランジスタM10がオフできなくなるという不具合を起こりにくくすることができる。
【0033】
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係る半導体装置の概略的な構成を示す回路図である。図3に示すように、本実施形態に係る半導体装置2は、第1駆動回路11と、第2駆動回路12と、第3駆動回路13aと、制御回路14aと、を備える。
【0034】
第1駆動回路11および第2駆動回路12は第1実施形態と同様なので、説明を省略し、以下に第3駆動回路13aおよび制御回路14aを説明する。ただし、第1実施と同様の構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0035】
第3駆動回路13aは、電流源回路20と、MOSトランジスタM1〜M3と、抵抗素子R11〜R14と、キャパシタC1と、トランジスタQ1と、ツェナーダイオードZ1と、を有する。MOSトランジスタM3は、第3スイッチ素子に相当する。
【0036】
電流源回路20は、トランジスタQ11とトランジスタQ12と、を有する。トランジスタQ11は第4スイッチ素子に相当し、トランジスタQ12は第5スイッチ素子に相当する。トランジスタQ11とトランジスタQ12は、ベースが互いに接続されたカレントミラー回路を構成している。本実施形態では、トランジスタQ11、Q12は、PNP型トランジスタであるが、PチャネルのMOS型のゲート構造を有するP型MOSトランジスタであってもよい。
【0037】
トランジスタQ11において、エミッタは電源端子34に接続され、コレクタは、ベースに接続されるとともに、抵抗素子R13を介してMOSトランジスタM3のドレインにも接続されている。
【0038】
トランジスタQ12において、エミッタは電源端子34に接続され、コレクタはMOSトランジスタM2のゲートに接続されているとともに、抵抗素子R14を介してソース端子32にも接続されている。
【0039】
MOSトランジスタM2は、MOSトランジスタM1のゲートとソース端子32との間に接続されている。MOSトランジスタM2がオンすると、第1実施形態と同様に、MOSトランジスタM1はオフする。
【0040】
MOSトランジスタM3において、ゲートは制御回路14aに接続され、ドレインは抵抗素子R13を介してトランジスタQ11に接続され、ソースは接地端子R33に接続されている。MOSトランジスタM3がオンすると、電流が電流源回路20からMOSトランジスタM2に供給されてMOSトランジスタM2がオンする。反対に、MOSトランジスタM3がオフすると、電流が電流源回路20からMOSトランジスタM2に供給されなくなってMOSトランジスタM2はオフする。このように、MOSトランジスタM3は、電流源回路20とMOSトランジスタM2とを導通状態にするか否か切り替える。
【0041】
制御回路14aは、接地端子33の電位が基準電位であるときに、第1駆動回路11および第2駆動回路12に加えて、MOSトランジスタM3も制御する。
【0042】
以下、本実施形態に係る半導体装置1の動作について説明する。ここでは、図3および図4を参照して、上述した第3駆動回路13aと制御回路14aの動作を中心に説明する。
【0043】
図4は、第2実施形態に係る半導体装置2の動作を示す波形図である。図4も、図2と同様に、VIN、接地端子33、ノードa、VGS(M2)、およびVGS(M1)のそれぞれについて、接地端子33の電位が基準電位であるときの波形と、接地端子33の電位が電気的なオープン状態であるときの波形と、を示す。
【0044】
本実施形態では、接地端子33の電位が基準電位であるとき、制御回路14aは、MOSトランジスタM10をオンさせるときにMOSトランジスタM3もオンさせる。MOSトランジスタM3がオンすることによって、電流源回路20では、電流I1がトランジスタQ11から出力されるとともに、電流I2がトランジスタQ12から出力される。
【0045】
上記電流I2によって、MOSトランジスタM2はオンする。このとき、電流I2を電流I1よりも大きくすることによって、MOSトランジスタM2のゲートとソースとの間に電圧が安定して印加されるので、MOSトランジスタM2は、より確実にオンする。
【0046】
MOSトランジスタM2がオンすることによって、MOSトランジスタM1のゲートとソースとの間における電圧VGS(M1)は、下がる(図4の点線領域T2参照)。そのため、MOSトランジスタトランジスタM1はオフする。
【0047】
その後、制御回路14aは、MOSトランジスタM10をオフさせるときにMOSトランジスタM3をオフさせる。MOSトランジスタM3がオフすることによって、MOSトランジスタM2もオフする。これにより、MOSトランジスタM1の電圧VGS(M1)が上昇するので、MOSトランジスタM1はオンする(図4の点線領域T3参照)。
【0048】
また、接地端子33の電位が、基準電位から電気的なオープン状態に変化すると、制御回路14aが、MOSトランジスタM3を制御できなるとともに、MOSトランジスタM3のソース電位が上昇してMOSトランジスタM3はオフ状態になる。
【0049】
MOSトランジスタM3がオフすることによって、電流が、電流源回路20からMOSトランジスタM2に供給されなくなる。そのため、MOSトランジスタM2も、MOSトランジスタM3と同様にオフ状態となる。そのため、第1実施形態と同様に、キャパシタC1によって、MOSトランジスタM1のゲート電位が、電源電圧VDDよりも高い電位に上昇するので、MOSトランジスタM1のゲートとソースとの間に電圧が発生する(図4の点線領域T1参照)。これにより、MOSトランジスタM1はオンする。その結果、MOSトランジスタM10のゲートとソースとの間における電圧が下がり、MOSトランジスタM10はオフする。
【0050】
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、接地端子33が電気的なオープン状態になると、キャパシタC1が電源電圧VDDよりも高い電圧をMOSトランジスタM1のゲートへ印加するので、MOSトランジスタM1がオンしやすくなり、MOSトランジスタM10はオフしやすくなる。これにより、接地端子33の電位が電気的なオープン状態のとき、MOSトランジスタM10がオフできなくなるという不具合を起こりにくくすることができる。
【0051】
また、本実施形態では、接地端子33の電位が基準電位である通常状態のとき、MOSトランジスタM10がオン状態のとき、制御部回路14aがMOSトランジスタM3をオンさせることによって、MOSトランジスタM1がオフする。これにより、通常状態のとき、MOSトランジスタM1が誤ってオンすることによってMOSトランジスタM10がオンできなくなるという不具合を起こりにくくすることができる。
【0052】
さらに、電流源回路20を用いて、MOSトランジスタM3に供給する電流を調整することによって、MOSトランジスタM3のオン状態が安定すると、MOSトランジスタM1のオフ状態が安定し、MOSトランジスタM10がオンできなくなるという不具合をさらに起こりにくくすることができる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
1,2 半導体装置、20 電流源回路、31 ゲート端子、32 ソース端子、33 接地端子、34 電源端子、C1 キャパシタ、M1 第1スイッチ素子、M2 第2スイッチ素子、M3 第3スイッチ素子、Q11 第4スイッチ素子、Q12 第5スイッチ素子、R1 第1抵抗素子、R2 第2抵抗素子
図1
図2
図3
図4