(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記射出成形ツールは、長方形のチャネルを有する金型を備え、前記プラスチックディスプレイトリムを射出成形するステップは、前記プラスチックを前記長方形のチャネルに注入するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の電子デバイスを形成する方法。
前記電子デバイス筐体は、平面に位置し、前記平面に対してゼロ以外の角度で傾斜する傾斜内表面を有し、前記プラスチックディスプレイトリムを射出成形するステップは、前記傾斜内表面上に前記プラスチックディスプレイトリムを射出成形するステップを含むことを特徴とする、請求項3に記載の電子デバイスを形成する方法。
前記電子デバイス筐体構造は、曲率半径を有する湾曲した面を備え、前記プラスチックディスプレイトリムを射出成形するステップは、前記湾曲した面上に前記プラスチックディスプレイトリムを射出成形するステップを含むことを特徴とする、請求項3に記載の電子デバイスを形成する方法。
前記個別に制御される部分は、4つの隅部分を含み、前記上型構造と前記下型構造との間に前記電子デバイス筐体構造を押しつけるステップは、前記4つの隅部分の各々を移動するステップを含むことを特徴とする、請求項7に記載の電子デバイスを形成する方法。
前記電子デバイス筐体は、平面の金属筐体を含み、前記オーバーモールドされたプラスチックディスプレイトリムは、前記平面の金属筐体の周縁部分の内表面の上に射出成形されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
前記オーバーモールドされたプラスチックディスプレイトリムは、前記ディスプレイが搭載される長方形の開口部を有する長方形のリング形状を備えることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
前記電子デバイス筐体は、平面に位置し、前記筐体の傾斜する内面が、前記平面に対してゼロ以外の角度に向いた軸に沿って位置し、前記オーバーモールドされたプラスチックディスプレイトリムは、前記傾斜する内面の上に射出成形されることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
前記電子デバイス筐体は、平面に位置し、前記電子デバイス筐体の湾曲した内面は、0.1mmより大きく5mmより小さい曲率半径により特徴づけられ、前記オーバーモールドされたプラスチックディスプレイトリムは、前記湾曲した内面の上に射出成形されることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
電子デバイスのディスプレイは、トリムを備えることができる。エラストマトリムは、ディスプレイを囲むことができ、ディスプレイが金属筐体と直接接触することにより傷つくことを防止することができる。例えば、ディスプレイトリムは、ディスプレイが、コンピューティングデバイスの金属の筐体又は他の電子デバイスの筐体構造と接触することにより、傷つくことを防止することができる。ディスプレイトリムは、筐体構造などの電子デバイス構造の上に成形されるプラスチックから、形成することができる。筐体の上にトリムを正確に載置することにより、寸法公差を向上することができ、それによって、トリムのサイズを最小化することができる。筐体に細い単独のトリム部材を取り付ける場合に、そうでなければ起こることがあり得る問題点もまた、回避することができ、それによって、組立作業を簡素化することができる。
【0014】
ディスプレイ及びディスプレイのトリムを備え得るタイプの例示的な電子デバイスが、
図1A及び
図1Bに示されている。
図1Aの電子デバイス10又は
図1Bの電子デバイス10などの電子デバイスは、ラップトップコンピュータ、組み込み型コンピュータを包含するコンピュータモニタ、タブレットコンピュータ、携帯電話、メディアプレーヤ又はその他のハンドヘルド若しくはポータブル電子デバイス、腕時計型デバイス、ペンダント型デバイス、ヘッドホン型若しくはイヤホン型デバイスなどの小さめのデバイス又はその他の着用可能な若しくはミニチュアデバイス、テレビ、組み込み型コンピュータを包含しないコンピュータディスプレイ、ゲーミングデバイス、ナビゲーションデバイス、ディスプレイを有する電子装置をキオスク又は自動車に搭載するシステムなどの組み込みシステム、2つ又はそれ以上のこれらのデバイス又はその他の電子装置の機能を実装する装置、などのコンピューティングデバイスであってもよい。
図1Aの例示的な構成において、デバイス10はセルラー電話、メディアプレーヤ、タブレットコンピュータ、又は他のポータブルコンピューティングデバイスなどのポータブルデバイスである。
図1Bの例示的な構成において、デバイス10は、ディスプレイ及び筐体(ヒンジにより上側筐体に取り付けられ、キーボード23及びトラックパッド25を含む)を包含する上側筐体部分を備えたポータブルコンピュータなどのポータブルコンピューティングデバイスである。必要に応じて、デバイス10に関して、他の構成を使用することができる。
図1A及び
図1Bの例は、単なる例示にすぎない。
【0015】
デバイス10は、筐体12などの筐体構造に搭載されたディスプレイ14などの1つ以上のディスプレイを有してもよい。ケースと称されることもあるデバイス10の筐体12は、プラスチック、ガラス、セラミックス、炭素繊維複合材及びその他の繊維系複合材、金属(例えば、加工されたアルミニウム、ステンレス鋼又はその他の金属)、その他の材料又はこれらの材料の組合せなどの材料で形成することが可能である。筐体12の大部分又は全てが単一の構造要素(例えば、一片の加工された金属又は一片の成形プラスチック)から形成されている単一本体構造を用いてデバイス10を形成してよく、又は複数の筐体の構造(例えば、内部フレーム要素又はその他の内部筐体構造に搭載された外部筐体構造)から形成されてもよい。
【0016】
ディスプレイ14は、タッチセンサを含むタッチセンシティブディスプレイであってもよく、又はタッチに反応しなくてもよい。ディスプレイ14のタッチセンサは、容量性タッチセンサ電極のアレイ、抵抗性タッチアレイ、音響タッチ、光学式タッチ若しくは感圧式タッチ技術に基づくタッチセンサ構造又はその他の好適なタッチセンサ部品から形成してもよい。
【0017】
デバイス10のディスプレイ14には、液晶ディスプレイ(LCD)部品、又は、有機発光ダイオードディスプレイ画素、電気泳動表示画素、プラズマディスプレイ画素、その他、などの他の好適な表示画素構造から形成された表示画素が含まれる。
【0018】
ディスプレイカバー層は、ディスプレイ14の表面又はカラーフィルタ層(例えば、パターン形成カラーフィルタ要素で覆われた透明な基板から形成された層)などのディスプレイ層をカバーしてもよく、あるいは、ディスプレイのその他の部分は、ディスプレイ14内の最も外側の(又はほぼ最も外側の)層として用いてもよい。最も外側のディスプレイ層は、透明なガラス板、透明なプラスチック層又は他の透明な部材から形成することができる。必要に応じて、
図1Aのボタン16及びスピーカポート18など(例として)の部品を収容するために、開口部をディスプレイ14の最外層に形成してもよい。ボタン、コネクタポート及び他の構造もまた、筐体12の開口部を用いて、収容してもよい。
【0019】
ディスプレイ14のディスプレイカバー層及び/又は他の層は、ガラスなどの材料から形成される場合があり得る一方で、デバイス10の筐体12は、金属などの材料から形成される場合があり得る。ディスプレイ14のガラス又は他の材料と、筐体12の金属又は他の材料との間で、そうでなければ直接接触により起こり得るであろう、ディスプレイ14への損傷を防止するのを助けるために、ディスプレイ14(即ち、ディスプレイ14の長方形の外周縁)の外縁部と、筐体12の対向する内縁部との間に、プラスチック(高分子)トリムを介在させることができる。トリムは、筐体12より柔らかいプラスチック材料から形成してもよい(例えば、トリムはエラストマ高分子から形成してもよい)。トリムは、射出成形(インサート成形)技術を用いて筐体12の上に成形してもよい。トリムを形成する射出成形の使用は、厳格な寸法公差を達成するのに役立つことができ、アセンブリを簡素化することができる。これにより、トリムの大きさ、したがって、ディスプレイ14の非アクティブの境界領域の幅を最小化することができ、それによって、デバイスの美観を向上することができる。
【0020】
図1A又は
図1Bのライン20に沿って取られ、
図1A又は
図1Bの22の方向に見た、
図1Aのデバイス10又は
図1Bのデバイス10などの例示的な電子デバイスの側面断面図は、
図2に示されている。
図2に示すように、ディスプレイトリム24は筐体12の内表面26の上に成形することができる。内表面26は、筐体12の外周縁に沿った内向きの周辺棚部を形成することができる。ディスプレイ14は、外側ディスプレイ層30及び内側ディスプレイ層32を含んでもよい。ディスプレイ層30などのディスプレイ層、又はディスプレイ14の他の層は、トリム24により、支持することができる。この構成において、トリム24は、ディスプレイ14への損傷を防止するのを助けるために、ディスプレイ14の外縁部と筐体12の対向する内表面との間に介在してもよい。
【0021】
ディスプレイ14の外側ディスプレイ層30は、透明なガラス又はプラスチックの層とすることができる。例えば、ディスプレイ層30は、ディスプレイカバーガラス層又は他のディスプレイカバー層とすることができる。層32は、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、プラズマディスプレイ、電気泳動ディスプレイ又は他のディスプレイを形成してもよい。例えば、層32は、カラーフィルタ層と薄膜トランジスタ層との間に介在し対向する上下の偏光子間に挟まれた液晶材料の層などの、液晶ディスプレイ層を含んでもよい。必要に応じて、カラーフィルタ層又は薄膜トランジスタ層は、ディスプレイカバー層30の代わりに使用することができる。ディスプレイ14がディスプレイカバー層を有するディスプレイ14の構成は、一例として、本明細書で時折記載される。
【0022】
デバイス10は、基板34などの1つ以上の基板の上に搭載された内部部品36を含んでもよい。内部部品36は、集積回路、センサ、スイッチ、コネクタ及び他の電子部品を含んでもよい。基板34は、プリント配線板又は他の基板とすることができる。例えば、基板34は、ガラス繊維充填エポキシなどの材料から形成されたリジッドプリント配線板とすることができる。あるいは、シート状のポリイミド、又は他のフレキシブル高分子の層から形成されたフレックス回路などのフレキシブルプリント配線板、とすることができる。
【0023】
図2の例の表面26は、成形されたトリム24を支持するL字状の棚部を形成する。ディスプレイ14がデバイス10に搭載されるとき、ディスプレイカバー層30の下部周縁面40は、トリム24の面43に載置され、外縁面38は、トリム24の面28に対向して載置される。必要に応じて、トリム24及び筐体12の他の形状及び構成を使用してもよい。
図2の例示的な構成は、単なる例示にすぎない。
【0024】
トリム24は、
図3の斜視図のツール42などの射出成形ツールを用いて、形成してもよい。ツール44は、リザーバ44などの、プラスチックペレット又は他のプラスチック材料のリザーバを有してもよい。プラスチックは、例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリアミド又は他の熱可塑性エラストマなどの熱可塑性エラストマ(TPE)であってもよい。リザーバ44は、プラスチックペレットを、融解用のヒータ46に提供するために、使用することができる。ヒータ46は、プラスチックペレットの温度を、融解温度を越えるまで(例えば、250℃より高い温度に)、上げてもよい。融解したプラスチックは、管48を通って、上型50などのプラスチック成形構造内のチャネルの中に、押し込むことができる(一例として)。
【0025】
上型50は、下型54と結合することができる。上型50及び下型54などのプラスチック射出成形金型構造は、金型構造の一部を互いに、及び加工物52に、位置合わせするのを助けるために、例示的なピン56及び嵌合開口部58などの位置合わせ機構を備えることができる。例えば、ピン56は、上型50を下型54に位置合わせするのを助けるために、使用することができる。
【0026】
射出成形動作の間に、加工物52などの加工物は、金型の中に収容することができる。例えば、金型50及び金型54が連結するときに、加工物52は、上型50及び/又は下型54の内部の空洞内に収容することができる。加工物52は、例えば、筐体12としてもよい。上型50及び下型54は、射出成形動作の間に、加工物52を定位置に保持するために、加工物52(即ち、筐体12)の表面に対して、押しつけることができる。加熱されて融解したプラスチックが、リザーバ44から金型内に流入するにつれて、筐体12の上に、トリム24を直接形成することができる。これによって、トリム24が筐体12に付着する(例えば、化学結合を形成することにより)のを助けることができる。成形金型は、トリム24を形成するプラスチックを冷却するのを助けるために、ヒータ46の温度に対して、比較的低い温度に保持してもよい。例えば、成形金型構造は、約30℃の温度に保持してもよい。
【0027】
図4は、
図4の射出成形ツール42の金型構造の例示的なセットの斜視図である。ツール42は、上型50及び下型54などの、嵌合する上下の射出成形金型を有することができる。金型50は、1つ以上の金属部材から形成してもよく、金型54は1つ以上の金属部材から形成してもよい。必要に応じて、各金型の分離した部分は、コンピュータ制御の位置決め装置を用いて、独立して位置付けることができる。
【0028】
射出成形の間に、融解したプラスチックの流れを抑制するシールを形成するために、コンピュータ制御の位置決め装置(アクチュエータ)を用いて、金型50及び金型54を形成する金属部材又は他の構造を、筐体12又は他の加工物の表面に対して、押しつけることができる。
図4の例に示すように、上型50の下面62は、チャネル60などのチャネルを備えてもよい。チャネル60は、筐体12の外周縁の長方形の外形に合致する長方形のリング状の溝の外形を有することができる。融解したプラスチックは、成形の間に、チャネル60に流入することができる。
【0029】
射出成形動作の間に、チャネル60の、熱可塑性エラストマ又は他の射出成形プラスチックは、筐体12上のトリム24などの射出成形プラスチックトリムを形成するために、使用することができる。
図5は、チャネル60が、トリム24を形成するとき、成形されたプラスチックの注入に対応するために、局所拡大部分60’などの局所拡大部分を有する様子について示す、上型50の
図4に関するトリムチャネル60の一部の平面図である。金型50の長方形のリング状のチャネル60は、局所拡大部分60’などの1つ以上の局所拡大部分(例えば、1つ以上の局所拡大部分60’、2以上の局所拡大部分60’、その他)を備えてもよい。
【0030】
図6は、トリム24及び筐体12が筐体12の内表面で嵌合する傾斜面70を備えた構成における、デバイス10の一部分の側面断面図である。筐体12は、水平軸64(
図6の向きの)に平行に沿った平面の形状を有してもよい。この構成において、筐体12の平面の外形は、水平面に位置してもよい。
【0031】
斜めの軸72は、筐体12の水平軸64及び水平面に対して、ゼロ以外の角度Aに向いてもよい。筐体12の内縁部の一部(即ち、領域70における筐体12の長方形の外周縁のまわりに沿った長方形の端部)は、傾斜した軸72に沿った平面に位置してもよい。トリム24は、同様に、領域70に傾斜した端部を有してもよい。その結果、筐体12の内表面70は、筐体12を包含する水平面に対して、ゼロ以外の角度で傾斜することになり、水平軸64に対して、ゼロ以外の軸で傾斜することになる。
【0032】
軸72に沿った領域70の長さは、トリム24の上で水平向きの下面の長さより長いことになる。したがって、
図6に示されるタイプのトリム24の傾斜した下面構成は、トリム24と筐体12との間の接触領域70の表面積を増加させるのを助けることができる。軸72のゼロ以外の角度Aにより与えられる領域70の向上した表面積は、トリム24を筐体12に強固に取り付けることを助ける、大きな結合表面を生成することができる。トリム24は、成形されたトリム24を筐体12に取り付けることを助けるために、上部筐体端部表面66の内縁部68上に延在する上部リップ部分を有してもよい。
【0033】
図7の例示的な構成において、トリム24及び筐体12の領域70は、最小曲率半径Rminより大きく、最大曲率半径Rmaxより小さい曲率半径Rを有する、滑らかな湾曲した面形状により、特徴づけられる。最小曲率半径Rminは、例えば、10mm、5mm、1mm、0.5mm、0.1mm、0.1mm未満、又は他の好適な寸法であってもよい。最大曲率半径Rmaxは、0.1mm、0.5mm、1mm、5mm、10mm、10mmより大きな、又は他の好適な寸法であってもよい。曲率半径Rがあまり小さくないようにすることにより、トリム24の応力を最小化することができる。筐体12の内表面の垂直と水平部分間の直角曲りを、コンパクトに形成することができるように、曲率半径Rは、あまり大きくないことが望ましい。
【0034】
図8は、トリム24及び筐体12の領域70が、曲率半径R(RminとRmaxとの間)を備えると同時に、領域70の延在する部分を、傾斜した軸72に沿ってもまた、向き付けることができる様子を示している。他の構成は、必要に応じて、筐体12及びトリム24に使用することができる。
図6〜
図8に示される構成は、単なる例示にすぎない。
【0035】
図9は、射出成形ツール42の部分の斜視図である。
図9に示すように、射出成形ツール42は、上型50及び下型54(
図9に示さず)に対する加工物52(例えば、筐体12)の水平位置の制御を助けるために、コンピュータ制御の位置決め装置(アクチュエータ)を用いてもよい。例えば、コンピュータ制御の位置決め装置74は、加工物52の端部80を、78の方向に押圧するスライド部材76を用いてもよく、対向するコンピュータ制御の位置決め装置82は、加工物52の端部88を、86の方向に押圧するスライド部材84を用いてもよい。コンピュータ制御の位置決め装置98は、加工物52の面102を、104の方向に押圧するスライド部材100を用いてもよく、対向するコンピュータ制御の位置決め装置90は、加工物52の端部94を、96の方向に押圧するスライド部材92を用いてもよい。必要に応じて、より多くの位置決め装置又はより少ない位置決め装置を、射出成形ツール42に用いることができる。例えば、加工物52の4つの隅のそれぞれにおいて、垂直位置決め装置を使用することができ、垂直と水平(横方向)の位置決め装置の組合せは、加工物52その他の位置を調節するために使用することができる。加工物52の水平位置を調節するために、水平位置決め装置の2組の対向するペアが使用される
図9の構成は、単なる例示にすぎない。
【0036】
図10は、射出成形ツール42の位置決め装置が、部材114及び116上の直線状のギア付き表面106及び歯車110上の湾曲したギア付き表面108、などのギア付き表面を有することができる様子を示す図である。歯車110は、軸112のまわりに回転することができる。歯車110に取り付けられたモーター又は線形アクチュエータ120などの線形アクチュエータは、部材116に対して部材114を移動するのに使用することができ、それによって、射出成形ツール42内のスライド部材又は他の構造を、加工物52に対して移動する(例えば、
図9参照)ことができる。
【0037】
筐体12は、角箱の形状又は他の好適な形状を有することができる。例えば、筐体12は湾曲した隅、1つ以上の湾曲した縁又は他の形状を備えた角箱形状、を有してもよい。
図11は、射出成形ツール42が、分割された下型を有し得る様子を示す、射出成形装置42の平面図である。
図11に示すように、下型54は、中心金型部分54−5を有し、この上に、定位置に加工物52(筐体12)を保持するための真空孔を有する。下型54は更に、4つの隅部分54−1、54−2、54−3及び54−4を有してもよい。金型54の各部分の垂直位置(
図11のページへの出入りの方向)は、下型54の表面が筐体12の外形に従うようにするのを助けるために、独立して制御することができる。筐体12が湾曲した外面を有する構成において、下型部分54−1、54−2、54−3、54−4及び54−5は、筐体12の外側の湾曲した表面に合致する、湾曲した嵌合面を有することができる。これにより、下型54は、筐体12の下部表面に、上向きに垂直に圧力をかけることができると同時に、トリム24用のプラスチックを射出成形するときに、上型50が封止部を形成するために下に垂直に圧力を印加するので、筐体12(即ち、加工物52)へのいかなる損傷をも防止することができる。
【0038】
ライン122に沿って取られ、124の方向に見た、
図11のツール42の端部の側面断面図は、
図12に示されている。
図12に示すように、下型部分54−5は、筐体12の中心の下に、間隙130のような長方形の間隙を形成する中央のくぼみを有してもよい。間隙130により、筐体12に損傷を与えることを防止するために、下型54の中央上面と筐体12の外表面との間に、クリアランスが提供され得る。筐体12の端部に沿った金型部分54−5の上部表面は、筐体12の外側の湾曲した形状に合致する湾曲した形状を有してもよい。位置決め装置126などの水平位置決め装置は、下型54及び上型50に対する筐体12の水平位置を調節するために、使用することができる。例えば、水平位置決め装置126は、筐体12の左端を、128の方向に押圧してもよい。そして、3つの他の水平位置決め装置は、筐体12がツール42内で、中央又は中央以外に配置されることを可能にするために、筐体12の3つの他の端部を押圧してもよい。マシンビジョン又は他の検知技術は、金型50及び54、並びに加工物52の位置に関する情報を、射出成形ツール42内の位置決め装置に提供するために、使用することができる。
【0039】
上型50は、チャネル60などのチャネルを有してもよい。射出成形動作の間に、融解したプラスチックは、トリム24を形成するために、チャネル60に注入することができる。射出成形プロセスの一部として、トリム24は、筐体12の嵌合面と化学結合を形成してもよい。コンピュータ制御の位置決め装置によって、金型に対して、筐体12を位置合わせしながら、筐体12の上にトリム24を直接形成する射出成形技術の使用により、所望の厳格な寸法公差を満足する小さな寸法で、更に、トリム24を形成することができる。
【0040】
射出成形プラスチックディスプレイトリムを有する電子デバイスの形成に関与する例示的なステップのフローチャートが、
図13に示されている。
【0041】
ステップ132で、筐体12は、下型54の中に位置付けられてもよい。
図9の、コンピュータ制御のスライド部材76、92、82及び100などの心出しスライド部材、又は他の水平位置決め装置は、ツール42内で、筐体12を中心におくために、使用することができる。それによって、下型54に対して、筐体12を水平方向の正確な位置に、位置付けることができる。
【0042】
ステップ136では、筐体12及び下型54の最上部の上に、上型50を降ろすことができる。
図3のピン56及び孔58などの位置合わせ機構は、上型50及びチャネル60を、筐体12に対して位置合わせするために、互いに係合することができる。
【0043】
ステップ138では、下型部分54−1、54−2、54−3、54−4及び54−5に結合された、独立したコンピュータ制御の垂直移動位置決め装置などの下型位置決め装置は、下型をロードし、それによって、上部及び下型を共に押圧するために、筐体12の下部表面に対して、垂直上方に移動することができる。これによって、筐体12と封止部を形成することができる。
【0044】
ステップ140では、融解したプラスチックを、ヒータ46から上型50のチャネル60に注入することができ、それによって、筐体12の上にトリム24をオーバーモールドすることができる。トリム24は、長方形のリング形状を有することができるか、又は他の好適な形状を有することができる(例えば、トリム24は複数のトリムセグメントに分割することができ、直線状の及び/又は湾曲したトリム部分、その他を有することができる)。
【0045】
ステップ142では、上型50は、筐体12から除去することができる。
【0046】
ステップ144で、ツール42の水平位置決め装置(例えば、
図9参照)は、水平に外へ移動することにより、解除することができる。
【0047】
ステップ146では、筐体12及び一体成形のトリム24は、射出成形ツール42から除去することができる。トリム24は、筐体12に取り付けられ、長方形開口部(ディスプレイ14の外側の側面寸法に合致する寸法を有する)を囲む。ディスプレイ14は、トリム24及びディスプレイ14の中央の長方形の開口部に搭載することができる(例えば、圧入を用いて、接着剤を用いて、接着剤を用いないで、及び/又は他の組立技術を用いて)。筐体12、ディスプレイ14、及び、
図2の部品36及び基板34などの他の部品は、共に組み立ててもよく、それによって、完成した電子デバイスを形成することができる。
【0048】
一実施形態によれば、射出成形ツールを用いて、電子デバイスの電子デバイス筐体構造の上に、プラスチックディスプレイトリムを射出成形するステップと、プラスチックディスプレイトリムにディスプレイを搭載するステップと、を含む、電子デバイスを形成する方法が提供される。
【0049】
別の実施形態によれば、プラスチックディスプレイトリムを射出成形するステップは、プラスチックディスプレイトリム用のプラスチックを形成する熱可塑性エラストマ材料を融解するステップを含む。
【0050】
別の実施形態によれば、射出成形ツールは、長方形のチャネルを有する金型を備え、プラスチックディスプレイトリムを射出成形するステップは、プラスチックを長方形のチャネルに注入するステップを含む。
【0051】
別の実施形態によれば、電子デバイス筐体は、平面に位置し、その平面に対してゼロ以外の角度で傾斜する傾斜内表面を有し、プラスチックディスプレイトリムを射出成形するステップは、傾斜内表面上にプラスチックディスプレイトリムを射出成形するステップを含む。
【0052】
別の実施形態によれば、電子デバイス筐体構造は、曲率半径を有する湾曲した面を備え、プラスチックディスプレイトリムを射出成形するステップは、その湾曲した面上にプラスチックディスプレイトリムを射出成形するステップを含む。
【0053】
別の実施形態によれば、曲率半径は0.1mmより大きく、5mmより小さい。
【0054】
別の実施形態によれば、射出成形ツールは、上型構造及び下型構造を備え、本方法は、上型構造と下型構造との間に電子デバイス筐体構造を押しつけるステップを含む。
【0055】
別の実施形態によれば、本方法は、コンピュータ制御の位置決め装置を用いて、電子デバイス筐体構造を、下型構造に対して、水平方向に位置付けるステップを含む。
【0056】
別の実施形態によれば、下型構造は、複数の個別に制御される部分を含み、上型構造と下型構造との間に電子デバイス筐体構造を押しつけるステップは、個別に制御される部分の各々を、電子デバイス筐体構造に対して移動するステップを含む。
【0057】
別の実施形態によれば、個別に制御される部分は、4つの隅部分を含み、上型構造と下型構造との間に電子デバイス筐体構造を押しつけるステップは、4つの隅部分の各々を移動するステップを含む。
【0058】
一実施形態によれば、電子デバイス筐体と、電子デバイス筐体の上に射出成形されるオーバーモールドされたプラスチックディスプレイトリムと、プラスチックディスプレイトリム内のディスプレイと、を含む装置が提供される。
【0059】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、プラスチックディスプレイトリム内に搭載される長方形のディスプレイカバーガラスを含む。
【0060】
別の実施形態によれば、電子デバイス筐体は、平面の金属筐体を含み、オーバーモールドされたプラスチックディスプレイトリムは、平面の金属筐体の周縁部分の内表面の上に射出成形される。
【0061】
別の実施形態によれば、オーバーモールドされたプラスチックディスプレイトリムは、ディスプレイが搭載される長方形の開口部を有する長方形のリング形状を備える。
【0062】
別の実施形態によれば、電子デバイス筐体は、平面に位置し、筐体の傾斜する内面が、その平面に対してゼロ以外の角度に向いた軸に沿って位置し、オーバーモールドされたプラスチックディスプレイトリムは、傾斜する内面の上に射出成形される。
【0063】
別の実施形態によれば、電子デバイス筐体は、平面に位置し、電子デバイス筐体の湾曲した内面は、0.1mmより大きく5mmより小さい曲率半径により特徴づけられ、オーバーモールドされたプラスチックディスプレイトリムは、湾曲した内面の上に射出成形される。
【0064】
別の実施形態によれば、本装置は、プリント配線と、プリント配線の上に搭載された電気部品と、を含み、そのプリント配線及び電気部品は、電子デバイス筐体とディスプレイとの間に位置する。
【0065】
一実施形態によれば、金属のコンピューティングデバイス筐体構造と、金属のコンピューティングデバイス筐体構造の上に直接成形されるプラスチックトリムと、を含む装置が提供される。
【0066】
別の実施形態によれば、本装置は、プラスチックトリム内に搭載されたディスプレイ層を含む。
【0067】
別の実施形態によれば、ディスプレイ層は、長方形のガラス層を含む。
【0068】
上述の内容は単なる例示にすぎず、説明された実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者によってさまざまな修正を行うことができる。上述の実施形態は、個々に又は任意の組合せで実行することができる。