(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6378367
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】端末のカードトレイ防水設備及び端末
(51)【国際特許分類】
H04M 1/02 20060101AFI20180813BHJP
【FI】
H04M1/02 C
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-568924(P2016-568924)
(86)(22)【出願日】2014年7月15日
(65)【公表番号】特表2017-517207(P2017-517207A)
(43)【公表日】2017年6月22日
(86)【国際出願番号】CN2014082206
(87)【国際公開番号】WO2015176370
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2016年11月21日
(31)【優先権主張番号】201420269688.9
(32)【優先日】2014年5月23日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511207729
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ウ,リン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ビン
【審査官】
吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−335255(JP,A)
【文献】
特開平08−269992(JP,A)
【文献】
特開平09−030247(JP,A)
【文献】
特開2001−174573(JP,A)
【文献】
特開平07−175758(JP,A)
【文献】
特開2014−182920(JP,A)
【文献】
中国実用新案第201444644(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/00
1/16−1/18
G06K17/00
H01R12/00−12/91
24/00−24/86
H04M1/00−1/82
99/00
H05K5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に設けられるカードトレイ防水部材を備える端末のカードトレイ防水設備であって、
前記カードトレイ防水部材が弾性体であり、カードトレイが前記端末に取り付けられるときに、前記カードトレイ防水部材及び前記カードトレイにより締まり嵌め構造を構成し、
端末本体の側面に位置される化粧部材と、端末本体の内側に位置される端末本体構造部材とをさらに備え、
前記カードトレイ防水部材は、前記化粧部材と前記端末本体構造部材との間に位置され、
前記化粧部材及び前記カードトレイ防水部材は何れも着脱可能な部材であり、前記化粧部材及び前記カードトレイ防水部材は組み立て方式により前記端末本体構造部材に組み立てられ、
前記カードトレイ防水部材は前記カードトレイと前記端末本体構造部材との間に予め設置された隙間に充填される
端末のカードトレイ防水設備。
【請求項2】
端末に設けられるカードトレイ防水部材を備える端末のカードトレイ防水設備であって、
前記カードトレイ防水部材が弾性体であり、カードトレイが前記端末に取り付けられるときに、前記カードトレイ防水部材及び前記カードトレイにより締まり嵌め構造を構成し、
端末本体の内側に位置される端末本体構造部材をさらに備え、
前記カードトレイ防水部材は着脱不可能な部材であり、前記端末本体構造部材と一体成形され、
前記カードトレイ防水部材は前記カードトレイと前記端末本体構造部材との間に予め設置された隙間に充填される
端末のカードトレイ防水設備。
【請求項3】
前記端末本体構造部材の外側に配置され、且つ、前記端末本体構造部材と一体成形される化粧部材をさらに備える
請求項2に記載の端末のカードトレイ防水設備。
【請求項4】
端末本体の側面に位置される化粧部材をさらに備え、
前記端末本体の側面に位置される化粧部材は、着脱可能な部材であり、組み立て方式により前記端末本体構造部材に組み立てられる
請求項2に記載の端末のカードトレイ防水設備。
【請求項5】
前記カードトレイ防水部材は、シリコーンゴム防水素子又はゴム防水素子を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の端末のカードトレイ防水設備。
【請求項6】
前記カードトレイは、メモリカード、加入者識別モジュールSIMカード、又は、汎用加入者識別モジュールUSIMカードを収納する引出しであり、
前記化粧部材には、前記引出しに対応する空隙が設けられ、
前記引出しは、前記空隙を介して端末本体に挿入され、前記カードトレイ防水部材とともに組み立てられる
請求項1、3、4のいずれか1項に記載の端末のカードトレイ防水設備。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の端末のカードトレイ防水設備を備える端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水技術に関し、特に、端末のカードトレイ防水設備及び端末に関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明の発明者は、本願発明の実施例に係る技術的案を実現する過程において、従来技術に少なくとも以下のような技術的問題が存在することを見つけた。即ち、
【0003】
端末は、例えば、携帯電話、ノートパソコン、タブレット、MP5等、種類が多いが、それらの共通点として、いずれの端末内にも各種のデータを記憶するためのメモリカードが内装されている。端末が携帯電話である場合、メモリカードに加え、携帯電話の通信要求に応じて、加入者識別モジュール(SIM:Subscriber Identity Module)カードや、汎用加入者識別モジュール(USIM:Universal Subscriber Identity Module)カード等も設置されている。
【0004】
以下、携帯電話のSIMカード及びメモリカードを例として説明を行なう。現在、携帯電話において数多くのハードウェアを積み重ねる競争が日増しに激しくなるにつれて、それぞれのメーカは携帯電話のボディの薄型化を目的としており、「電池の着脱不可能」、「電池ケースの開け不可能」、及び「SIMカード及びメモリカード外装用引出し」を要求する設計傾向が現れている。しかしながら、このような設計傾向を満たす携帯電話の場合、SIMカード及びメモリカードの防水設計を実現するためには、携帯電話本体のボディ側面に大きな防水用栓を設計しなければならない。
図1に示すように、ボディ11、防水用栓12、SIMカード13、及びSIMカードのホルダ14を備え、SIMカードのホルダ14がボディ内部のマザーボードに設けられる。
図1から容易に見つけるように、防水用栓12は、ボディ11の外側に設置されて、携帯電話のボディ内側に配置されるSIM13及びそのSIMカードのホルダ14を塞ぐように構成される。
図2は、
図1に示す防水用栓を適用した組み立て構造図であり、ボディ11の外側に回転可能に配置される防水用栓12を開けて、SIMカード13をSIMカードのホルダ14に直接に装入し、そして、防水用栓12で塞ぐことによって、防水効果を奏することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術は、上記の防水効果を奏するために、防水用栓を比較的に大きく設計しなければならないので、携帯電話全体の厚さに大きく影響し、上記の「電池の着脱不可能」、「電池ケースの開け不可能」、及び「SIMカード及びメモリカード外装用引出し」を要求する設計傾向を満たすことができないという技術的問題が存在する。しかしながら、この技術的問題に関して、係る技術には効果的な解決対策が提示されていなかった。
【0006】
上記問題に鑑みて、本発明は、端末の設計厚さに影響せず、端末をより軽く且つ薄く設計することができ、少なくとも上記の「電池の着脱不可能」、「電池ケースの開け不可能」、及び「SIMカード及びメモリカード外装用引出し」を要求する設計傾向を満たすことができる端末のカードトレイ防水設備及び端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る技術的案は以下のとおりである。
本発明に係る端末のカードトレイ防水設備は、カードトレイに合わせて組み立てられるカードトレイ防水部材を備える端末のカードトレイ防水設備であって、
前記カードトレイ防水部材が弾性体であり、前記カードトレイ防水部材、及びカードトレイが合わさって組み立てられるときに、前記カードトレイ防水部材及び前記カードトレイにより締まり嵌め構造を構成する。
【0008】
好ましくは、前記防水設備は、端末本体の側面に位置される化粧部材と、端末本体の内側に位置される端末本体構造体とをさらに備え、
前記カードトレイ防水部材は、前記化粧部材と前記端末本体構造部材との間に位置され、
前記化粧部材及び前記カードトレイ防水部材は何れも着脱可能な部材であり、前記化粧部材及び前記カードトレイ防水部材は組み立て方式により前記端末本体構造部材に組み立てられ、
前記カードトレイ防水部材は前記カードトレイと前記端末本体構造体との間に予め設置された隙間に充填される。
【0009】
好ましくは、前記防水設備は、端末本体の内側に位置される端末本体構造体をさらに備え、
前記カードトレイ防水部材は着脱不可能な部材であり、前記端末本体構造体と一体成形され、
前記カードトレイ防水部材は前記カードトレイと前記端末本体構造体との間に予め設置された隙間に充填される。
【0010】
好ましくは、前記防水設備は、前記端末本体構造体の外側に配置され、且つ、前記端末本体構造体と一体成形される化粧部材をさらに備える。
【0011】
好ましくは、前記防水設備は、端末本体の側面に位置される化粧部材をさらに備え、
前記端末本体の側面に位置される化粧部材は着脱可能な部材であり、組み立て方式により前記端末本体構造体に組み立てられる。
【0012】
好ましくは、前記カードトレイ防水部材は、シリコーンゴム防水素子又はゴム防水素子を含む。
【0013】
好ましくは、前記カードトレイは、メモリカード、加入者識別モジュールSIMカード、又は、汎用加入者識別モジュールUSIMカードを収納する引出しであり、
前記化粧部材には、前記引出しに対応する空隙が設けられ、
前記引出しは、前記空隙を介して端末本体に挿入され、前記カードトレイ防水部材とともに組み立てられる。
【0014】
本発明に係る端末は、上記の実施形態のいずれかの防水設備を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るカードトレイ防水設備は、カードトレイに合わせて組み立てられるカードトレイ防水部材を備え、前記カードトレイ防水部材が弾性体であり、前記カードトレイ防水部材、及びカードトレイが合わさって組み立てられるときに、前記カードトレイ防水部材及び前記カードトレイにより締まり嵌め構造を構成する。このような締まり嵌め構造によれば、防水効果が奏することができ、端末の設計厚さに影響しない。よって、端末をより軽く且つ薄く設計でき、少なくとも上記の「電池の着脱不可能」、「電池ケースの開け不可能」、及び「SIMカード及びメモリカード外装用引出し」を要求する設計傾向を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1a】従来技術に係るSIMカード防水用栓の構造を示す模式図である。
【
図1b】従来技術において
図1に示す防水用栓を適用した組み立て外観構造を示す模式図である。
【
図2a】本発明の実施例の組み立て前の外観の構造図である。
【
図2b】本発明の実施例の組み立て後の外観の構造図である。
【
図3a】本発明の実施例における第1の形態に対応する防水構造分解を示す模式図である。
【
図3b】本発明の実施例における第1の形態に対応する防水構造分解を示す模式図である。
【
図3c】本発明の実施例における第1の形態に対応する防水構造分解を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施例における第1の形態に対応する締まり嵌め構造による防水原理を示す模式図である。
【
図5a】本発明の実施例における第2の形態に対応する防水構造分解を示す模式図である。
【
図5b】本発明の実施例における第2の形態に対応する防水構造分解を示す模式図である。
【
図6】本発明の実施例における第2の形態に対応する締まり嵌め構造による防水原理を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付図面を参照して技術的案の実施に対してより詳細に説明する。
【0018】
本発明の実施例に係る防水設備は、引出し型USIMカード/SIMカード及びメモリカードのカードトレイに適用できるだけでなく、メモリカードを備えるノートパソコン、タブレット、MP5等の端末にも適用できる。
【0019】
本発明の実施例に係る端末のカードトレイ防水設備は、カードトレイに合わせて組み立てられるカードトレイ防水部材を備える。前記カードトレイ防水部材は弾性体であり、前記カードトレイ防水部材、及びカードトレイが合わさって組み立てられるときに、前記カードトレイ防水部材及び前記カードトレイは締まり嵌め構造を構成する。
【0020】
好ましくは、本発明の実施例は具体的に以下のような2つの形態を含む。
第1の形態
【0021】
前記防水設備は、さらに端末本体の側面に位置される化粧部材、及び端末本体の内側に位置される端末本体構造体を備える。
【0022】
ここで、前記カードトレイ防水部材は、前記化粧部材と前記端末本体構造部材との間に位置される。前記化粧部材及び前記カードトレイ防水部材は何れも着脱可能な部材であり、前記化粧部材及び前記カードトレイ防水部材は組み立て方式により前記端末本体構造部材に組み立てられる。前記カードトレイ防水部材は、前記カードトレイと前記端末本体構造体との間に予め設置された隙間に充填される。
第2の形態
【0023】
1)前記防水設備は、端末本体の内側に位置される端末本体構造体をさらに備える。前記端末本体構造体の外側には、前記端末本体構造体と一体成形した化粧部材が設置される。前記カードトレイ防水部材は前記カードトレイと前記端末本体構造体との間に予め設置された隙間に充填される。
【0024】
ここで、化粧部材は必須的な部品ではなく、本形態は当該化粧部材を用いなくてもよい。
【0025】
ここで、前記カードトレイ防水部材は着脱不可能な部材であり、前記端末本体構造体と一体成形される。
【0026】
2)前記防水設備は、端末本体の内側に位置される端末本体構造体、及び端末本体の側面に位置される化粧部材をさらに備える。
【0027】
ここで、前記端末本体の側面に位置される化粧部材は着脱可能な部材であり、組み立て方式により前記端末本体構造体に組み立てられる。前記カードトレイ防水部材は着脱不可能な部材であり、前記端末本体構造体と一体成形する。前記カードトレイ防水部材は、前記カードトレイと前記端末本体構造体との間の予め設置された隙間に充填される。
【0028】
ここで、化粧部材は必須的な部品ではなく、本形態は当該化粧部材を用いなくてもよい。
【0029】
好ましくは、本発明の実施例の好ましい一実施形態において、前記カードトレイ防水部材は、シリコーンゴム防水素子又はゴム防水素子を備え、可塑性を有する弾性体であればよい。
【0030】
好ましくは、本発明の実施例の好ましい一実施形態において、前記カードトレイはメモリカード、加入者識別モジュールSIMカード、又は、汎用加入者識別モジュールUSIMカードを収納する引出しであり、前記化粧部材には、前記引出しに対応する空隙が設置され、前記引出しは前記空隙を介して端末本体に挿入されて前記カードトレイ防水部材と組み立てられる。
【0031】
本発明の実施例に係る端末は、上記に記載のいずれの防水設備を備える。
【0032】
以下、端末が携帯電話であることを例として、本発明の実施例についてより詳しく説明する。
【0033】
現在の、端末の設計厚さに影響せず、端末をより軽く且つ薄くに構成させ、少なくとも上記の「電池の着脱不可能」、「電池ケースの開け不可能」、及び「SIMカード及びメモリカード外装用引出し」を要求する設計傾向を満たす新規のカードトレイ防水構造を設計するために、カードトレイがSIMカード/USIMカード又はメモリカード引出しである場合、本発明の実施例に係る上記のカードトレイ防水設備は、携帯電話のSIMカード/USIMカード又はメモリカード引出しの防水設備として使用されてもよく、携帯電話全体の外形及びサイズに影響しないまま、SIMカード/USIMカード又はメモリカードを水から保護する防水保護を確実に実現することができる。
【0034】
カードトレイ防水部材がシリコーンゴム素子であることを例として、本発明の実施例が用いる原理は、主に、シリコーンゴム素子、及びSIMカード/USIMカード又はメモリカードの引出しがマッチングされて使用される際の、締まり嵌め構造を利用して、防水目的を実現することができ、携帯電話の設計厚さを増加することがない。本発明の実施例は、簡単に言うと、組み立て式による実現形態と、一体成形式による実現形態との2つの実現形態を含む。組み立て式とは、組み立て方式によりシリコーンゴム素子を携帯電話本体構造部材に組み立てることである。また、一体成形式とは、軟質ゴム成形プロセスによりシリコーンゴム素子を携帯電話本体構造部材に直接一体成形させることである。
【0035】
なお、組み立て式による形態の場合、携帯電話全体の最外部に、1つの化粧部材をさらに設置しなければならない。これに対して、一体成形式による形態の場合、化粧部材に対して特に要求がなく、化粧部材があってもなくてもよい。化粧部材がある場合、該化粧部材は、携帯電話本体構造部材と一体成形されて、着脱不可能な部材になってもよく、また、携帯電話本体構造部材に組み立てられて着脱可能な部材になってもよい。
【0036】
本発明の実施例に係る前記カードトレイ防水部材がシリコーンゴム防水素子であり、前記端末が携帯電話であり、前記端末本体構造体が携帯電話本体構造体であり、前記化粧部材が携帯電話本体構造体の化粧部材である場合、添付図面を参照して上記の2つの形態のそれぞれについて以下のように説明する。
【0037】
図2a、及び
図2bはそれぞれ本発明の実施例の組み立て前後の外観を示す図である。
図2aに示すように、カードトレイ21は携帯電話本体のボディ側面から直接に携帯電話本体に挿入されて、
図2bに示すような組み立て後の構造になる。本発明の実施例を用いて携帯電話のために設計される該防水構造は、携帯電話全体の外観又はサイズに影響がなく、通常の引出し型SIMカード/USIMカード又はメモリカードのカードトレイの組み立てと違いがなく、このような組み立て前後の形態は第1及び第2の形態に適用できる。
【0038】
図3aは、上記第1の形態に係る組み立て方式により携帯電話本体にシリコーンゴム防水素子を実装してなる防水設備を示す。
図3aに示すように、携帯電話本体構造部材31と、メモリカード32と、メモリカード収納用引出し33と、携帯電話本体構造部材の外側に位置される化粧部材34とを備える。
【0039】
なお、SIMカード/USIMカード又はメモリカードの防水保護設備を実現するための、SIMカード/USIMカードの引出し、及びメモリカードの引出しの防水形態が完全に同じであるので、例を挙げて説明を行なうとき、説明の簡単化のために、以下の説明はメモリカードの引出しの防水形態のみについて説明を行い、贅言を省略する。
【0040】
図3b〜3cは、断面図から第1の形態の各部材の相対位置関係を分析する図である。
図3b〜3cに示すように、各部材は、シリコーンゴム防水素子30と、携帯電話本体構造部材31と、化粧部材34とを備える。シリコーンゴム防水素子30は、化粧部材34と携帯電話本体構造部材31との間に配置される。シリコーンゴム防水素子30、及び化粧部材34はいずれも着脱可能な部材であり、化粧部材34及びシリコーンゴム防水素子30は組み立て方式により携帯電話本体構造部材31に組み立てられる。
【0041】
ここで、
図3b〜3cに示すように、メモリカード32、メモリカード収納用引出し33、携帯電話マザーボード35、及びメモリカードのホルダ36をさらに備え、メモリカードのホルダ36が携帯電話マザーボード35に貼り付けられる。
【0042】
組み立ての順序に応じて、上記各部材の組み立てを説明すると、携帯電話本体構造部材31に、シリコーンゴム防水素子を組み立てるための携帯電話本体構造部材の特徴部分111が設計され、携帯電話本体構造部材31に設計される該特徴部分がシリコーンゴム防水素子30にマッチングされ、防水接着剤又はグルーを用いて、携帯電話本体構造部材31にシリコーンゴム防水素子30を固定し、そして、化粧部材34を携帯電話本体構造部材31に固定すると、シリコーンゴム防水素子30の内側はグルーで携帯電話本体構造部材31に固定され、シリコーンゴム防水素子30の外側には化粧部材34が配置され、化粧部材34がシリコーンゴム防水素子30を携帯電話本体構造部材31に押し付けることで、シリコーンゴム防水素子30の両側はいずれもよく固定される。メモリカード32を収納した、メモリカード収納用引出し33を挿入するとき、メモリカードはメモリカード引出しに対する位置決め機能を有し、メモリカードのホルダ36とよく接触することによって、携帯電話がメモリカードを識別し得る。
【0043】
図4は、本発明の実施例に係る第1の形態に対応する締まり嵌め構造の防水原理を示す模式図である。
図4に示すように、メモリカード収納用引出し33が組み立てられた後、メモリカード収納用引出し33は、シリコーンゴム防水素子30に形成される第1の締まり嵌め防水部分131と締まり嵌めを実現することができる。
図4は断面図のみを示すが、該締まり嵌めはメモリカード収納用引出し33の周りを密着して保護する。即ち、シリコーンゴム防水素子30とメモリカード収納用引出し33との締まり嵌めは一周に渡って構成される。
【0044】
第1の形態による有益な効果は以下のとおりである。即ち、化粧部材付の携帯電話本体構造部材の携帯電話全体の厚さに対する柔軟性を利用して、有限の空間に、空間に対する要求があまり厳しくないシリコーンゴム防水素子を装着し、且つ、化粧部材でシリコーンゴム防水素子を十分に固定することで、確実な防水機能を実現し、シリコーンゴム防水素子及びメモリカード収納用引出しによる締まり嵌め構造で両者を組み立てるときの締まり嵌めを実現して、よりよい防水機能を実現できる。
【0045】
図5aは、上記第2の形態に係る軟質ゴム一体成形プロセスを用いてシリコーンゴム防水素子を携帯電話本体構造部材に直接成形させてカードトレイに対する防水効果を奏することを示し、同様に通常の携帯電話と相違がない。
図5aに示すように、携帯電話本体構造部材31と、メモリカード32と、メモリカード収納用引出し33とを備える。好ましくは、携帯電話本体構造部材の外側に配置される化粧部材34(図示せず)をさらに備え、化粧部材34及び携帯電話本体構造部材31が一体成形されてもよいし、組み立てられる構成であってもよい。
【0046】
図5bは断面分解図である。シリコーンゴム成形プロセスを用いてシリコーンゴム防水素子30を携帯電話本体構造部材31に直接一体成形させる。ここで、シリコーンゴム成形プロセスは、シリコーンゴム射出成形又はシリコーンゴム油圧成形を含むがこれに限定されない。
【0047】
シリコーンゴム防水素子を携帯電話本体構造部材に直接に一体成形させるので、第1の形態を用いる場合に比べ、第2の形態による防水実現案がより簡単になる。
【0048】
図6は、本発明の実施例に係る第2の形態に対応する締まり嵌め構造の防水原理を示す模式図である。メモリカード収納用引出し33が組み立てられた後、上記第1の形態と同様に、メモリカード収納用引出し33は、シリコーンゴム防水素子30に形成される第2の締まり嵌め防水部分132と締まり嵌めを実現することができる。
図6は断面図のみを示すが、該締まり嵌めはメモリカード収納用引出し33の周りを密着して保護する。即ち、シリコーンゴム防水素子30とメモリカード収納用引出し33との締まり嵌めは一周に渡って構成される。
【0049】
第2の形態による有益な効果は以下のとおりである。即ち、シリコーンゴム一体成形プロセスにおけるシリコーンゴムの肉厚に対する要求が小さいメリットを十分に利用して、メモリカードの引出しと携帯電話本体構造部材との間に予め設置される隙間を、シリコーンゴム防水素子により充填することによって、携帯電話の防水機能を実現する。
【0050】
以上は、本発明の好ましい実施例だけであり、本発明の保護範囲を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明に係るカードトレイ防水設備は、カードトレイに合わせて組み立てられるカードトレイ防水部材を備え、前記カードトレイ防水部材が弾性体であり、前記カードトレイ防水部材、及びカードトレイが合わさって組み立てられるときに、前記カードトレイ防水部材及び前記カードトレイにより締まり嵌め構造を構成する。このような締まり嵌め構造によれば、防水効果が奏することができ、端末の設計厚さに影響しない。よって、端末をより軽く且つ薄く設計でき、少なくとも上記の「電池の着脱不可能」、「電池ケースの開け不可能」、及び「SIMカード及びメモリカード外装用引出し」を要求する設計傾向を満たすことができる。
【符号の説明】
【0052】
11 ボディ
12 防水用栓
13 SIMカード
14 SIMカードのホルダ
21 カードトレイ
30 シリコーンゴム防水素子
31 携帯電話本体構造体
32 メモリカード
33 メモリカード収納用引出し
34 化粧部材
35 携帯電話マザーボード
36 メモリカードのホルダ
111 携帯電話本体構造部材に設置されシリコーンゴム防水素子を組み立てるための特徴部分
131 第1の形態に対応の第1の締まり嵌め防水部分
132 第2の形態に対応の第2の締まり嵌め防水部分