【課題を解決するための手段】
【0026】
本明細書は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態の間で変化しうる多孔質構造体、前記多孔質構造体の遠位端に近接する移動防止環、および前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブを有する胃腸装置を患者の胃腸管内に送達する送達装置であって、近位端、遠位端、および管腔を有する可撓性外側カテーテルと、近位端、遠位端、および誘導線(guide wire)を摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有し、前記外側カテーテルの管腔内に同軸配置され摺動可能に構成された可撓性内側カテーテルとを備え、前記外側カテーテルは、
前記胃腸装置を前記送達装置の遠位端から露出させるように
前記内側カテーテルを定位置に保持しつつ前記内側カテーテルに沿って近位方向に後退されるように構成される、送達装置を開示する。
【0027】
必要に応じて、前記スリーブは、一旦前記胃腸装置が送達されると前記スリーブの近位端が患者の幽門の近くに位置し、前記スリーブの遠位端が患者の十二指腸の一部に位置するような長さを有する。
【0028】
必要に応じて、前記外側カテーテルは約1.5メートルの長さを有し、前記送達装置は約3メートルの全長を有する。
【0029】
必要に応じて、前記胃腸装置の移動防止環は近位側に傾斜し、多孔質構造体の遠位部は、多孔質構造体の遠位側を向いた端部が多孔質構造体の近位端の方に向けられるように折り曲げられる。必要に応じて、移動防止環は、多孔質構造体の遠位端の周りに周状に位置する任意の湾曲した/組織を傷つけない
(atraumatic)構造である。
【0030】
必要に応じて、前記外側カテーテルは、送達中のX線造影用に遠位端にX線不透過性マーカーを備える。
【0031】
必要に応じて、前記送達装置は、前記内側カテーテルの近位端に取り付けられ、近位端、遠位端、および前記誘導線を摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有する第1のハンドルと、前記外側カテーテルの近位端に取り付けられ、近位端、遠位端、および前記内側カテーテルを摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有する第2のハンドルと、近位端、遠位端、および可変剛性を有する長さを有し、遠位球体および近位球体で構成され、前記内側カテーテルの遠位端から延びている長尺可撓性案内部材と、前記内側カテーテルの露出部分に着脱可能に取り付けられた第1の止め機構と、前記内側カテーテルの露出部分に着脱可能に取り付けられ、前記第1の止め機構の近くに位置する第2の止め機構とをさらに備え、前記胃内装置を送達する前は、前記第1のハンドルと前記第2のハンドルの間に位置する前記内側カテーテルの近位部は露出されて前記外側カテーテルによって被覆されておらず、前記外側カテーテルを後退させると、前記第1の止め機構と前記第2の止め機構は前記内側カテーテルから順に取り外されるように構成される。
【0032】
送達装置は、前記案内部材および前記外側カテーテルの前記遠位端のうちの少なくとも一つを覆う親水性被膜をさらに含んでいてよく、前記親水性被膜が活性化されると、前記親水性被膜によって前記送達装置の挿入と誘導が容易になるように構成される。
【0033】
送達装置は、前記内側カテーテルの前記管腔に流体を注入する前記第1のハンドルおよび前記外側カテーテルの前記管腔に液体を注入する第2のハンドルのうちの少なくとも一つに注入口をさらに有していてもよい。
【0034】
必要に応じて、前記近位球体は送達中に組織を傷つけないように構成され、かつX線造影用のX線不透過性マーカーを有し、前記遠位球体は組織を傷つけないボール先端形状に構成される。
【0035】
必要に応じて、前記案内部材の前記可変剛性は前記案内部材の近位端では前記外側カテーテルの前記遠位端の剛性より小さく、かつ前記案内部材の遠位端では0.035インチの誘導線の剛性とほぼ等しい。
【0036】
必要に応じて、前記第1の止め機構および第2の止め機構は、蝶ナットを用いて前記内側カテーテルを固定するプラスチックリングを備える。
【0037】
本明細書は、近位端、遠位端、および管腔を有する可撓性外側カテーテルと、近位端、遠位端、および誘導線を摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有し、前記外側カテーテルの管腔内に同軸配置され摺動可能に構成された可撓性内側カテーテルと、前記内側カテーテルの近位端に取り付けられ、近位端、遠位端、および前記誘導線を摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有する第1のハンドルと、前記外側カテーテルの近位端に取り付けられ、近位端、遠位端、および前記内側カテーテルを摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有する第2のハンドルと、前記内側カテーテルの露出部分に着脱可能に取り付けられた第1の止め機構と、前記内側カテーテルの露出部分に着脱可能に取り付けられ、前記第1の止め機構の近くに位置する第2の止め機構とを備えた送達装置を用いて、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態の間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に近接する移動防止環と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備えた胃腸装置を患者の胃腸管内に送達する方法であって、前記送達装置を誘導線
に沿って前記患者の胃腸管内で摺動させる工程と、蛍光透視法を用いて、前記可撓性外側カテーテルの前記遠位端の位置を決定し、前記送達装置の正確な位置決めを確実にする工程と、前記第1のハンドルを保持して前記内側カテーテルを定位置に保ち、かつ前記外側カテーテルを前記第1の止め機構に後退させる工程と、前記外側カテーテルの前記遠位端が患者の幽門のちょうど近くに位置するまで、送達装置全体を後退させる工程と、前記第1の止め機構を前記内側カテーテルから取り外す工程と、前記第1のハンドルを保持して前記内側カテーテルを定位置に保ち、かつ前記外側カテーテルを前記第2の止め機構に後退させる工程と、前記第2の止め機構を取り外す工程と、前記第1のハンドルを保持して前記内側カテーテルを定位置に保ち、かつ前記外側カテーテルを前記第1のハンドルに後退させる工程と、前記送達装置を前記患者から取り出す工程と、を含む方法も開示する。
【0038】
必要に応じて、前記外側カテーテルを前記第1の止め機構に後退させると、前記スリーブの一部が前記患者の胃腸管の腸の部分に送達されてその部分に位置する。
【0039】
必要に応じて、前記外側カテーテルを前記第2の止め機構に後退させると、前記スリーブの一部と前記多孔質構造体の一部が前記患者の胃腸管の胃の部分に送達されてその部分に位置する。
【0040】
必要に応じて、前記外側カテーテルを前記第1のハンドルに後退させると、前記多孔質構造体の全体が前記患者の胃腸管の胃の部分に送達されてその部分に位置する。
【0041】
必要に応じて、胃腸装置の移動防止環は近位側に傾斜し、多孔質構造体の遠位部は、多孔質構造体の遠位側を向いた端部が多孔質構造体の近位端の方に向けられるように折り曲げられる。必要に応じて、移動防止環は、多孔質構造体の遠位端の周りに周状に位置する任意の湾曲した/組織を傷つけない構造である。
【0042】
前記胃腸装置を送達する前は、前記第1のハンドルと前記第2のハンドルの間に位置する前記内側カテーテルの近位部は露出されてよく、前記外側カテーテルによって被覆されていなくてもよい。
【0043】
必要に応じて、前記送達装置は、遠位球体と近位球体を有し前記内側カテーテルの前記遠位端から延びている長尺可撓性案内部材をさらに備える。
【0044】
前記案内部材と前記外側カテーテルの前記遠位端のうちの少なくとも一つは親水性被膜を備えていてよく、前記方法は、前記送達装置を前記誘導線
に沿って摺動させる前に、前記親水性被膜を活性化する工程をさらに含んでいてもよい。
【0045】
本明細書は、胃腸装置と送達装置を備え、患者の胃腸管内に前記胃腸装置を送達する送達システムも開示する。前記胃腸装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態の間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端の近接する移動防止環と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える。前記送達装置は、近位端、遠位端、および管腔を有する可撓性外側カテーテルと、近位端、遠位端、および誘導線を摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有し、前記外側カテーテル内に同軸配置され摺動可能に構成された可撓性内側カテーテルと、前記内側カテーテルの近位端に取り付けられ、近位端、遠位端、および前記誘導線を摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有する第1のハンドルと、前記外側カテーテルの近位端に取り付けられ、近位端、遠位端、および前記内側カテーテルを摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有する第2のハンドルと、遠位球体と近位球体を有し前記内側カテーテルの遠位端から延びている長尺可撓性部材と、前記内側カテーテルの露出部分に着脱可能に取り付けられた第1の止め機構と、前記内側カテーテルの露出部分に着脱可能に取り付けられ、前記第1の止め機構の近くに位置する第2の止め機構とを備える。
前記第1のハンドルと前記第2のハンドルの間に位置する前記内側カテーテルの近位部は
前記外側カテーテルによって
完全には被覆されておらず、前記内側カテーテルの前記遠位端は前記多孔質構造体の開口を通るようになっており、前記スリーブは前記内側カテーテルの周りに同軸状に巻き付けられており、前記外側カテーテルは、前記内側カテーテルを定位置に保持し
つつ前記内側カテーテル
に沿って近位方向に
後退可能であり、前記外側カテーテルを後退させて胃腸装置を前記送達装置の前記遠位端から露出して送達すると、前記第1の止め機構と前記第2の止め機構が前記内側カテーテルから順に取り外されるように構成される。
【0046】
前記送達システムは、前記長尺可撓性部材および前記外側カテーテルの前記遠位端のうちの少なくとも一つを覆う親水性被膜をさらに含んでいてよく、前記親水性被膜が活性化されると、親水性被膜によって前記送達装置の挿入と誘導が容易になる。
【0047】
請求項の送達システムは、前記内側カテーテルの前記管腔に流体を注入する前記第1のハンドルおよび前記外側カテーテルの前記管腔に液体を流入する第2のハンドルのうちの少なくとも一つに注入口をさらに有していてもよい。
【0048】
必要に応じて、前記送達装置はその長さに沿った可変剛性を有する。
【0049】
必要に応じて、胃腸装置の移動防止環は近位側に傾斜し、多孔質構造体の遠位部は、多孔質構造体の遠位側を向いた端部が多孔質構造体の近位端の方に向けられるように折り曲げられる。必要に応じて、移動防止環は、多孔質構造体の遠位端の周りに周状に位置する任意の湾曲した/組織を傷つけない構造である。
【0050】
本明細書は、内視鏡器具を用いて胃内装置を患者の胃腸管内に送達する送達装置であって、前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備え、前記送達装置は、近位端および遠位端を有する長尺体と、前記展開前の形態で前記長尺体の前記遠位端の外側で同軸に前記装置を収縮させる制限機構とを備える、送達装置も開示する。
【0051】
一実施形態では、送達装置は、前記送達装置を特定の位置にロックするロック機構をさらに備える。
【0052】
一実施形態では、前記遠位端は最遠位部および近位側遠位部を備え、前記最遠位部は前記近位側遠位部よりも柔軟である。
【0053】
一実施形態では、送達装置は、前記近位端に糸引っ張り口をさらに備え、前記制限機構は、前記展開前の形態で前記装置の周りに巻き付けられた糸を備える。
【0054】
一実施形態では、前記制限機構は、前記展開前の形態で前記装置を同軸に被覆するジッパー付鞘を備える。別の実施形態では、前記制限機構は、前記展開前の形態で前記装置を同軸に被覆する引き離し鞘を備える。別の実施形態では、前記制限機構は、前記展開前の形態で前記装置を同軸に被覆する引き裂き鞘を備える。
【0055】
送達装置は、近位端、遠位端を有する長尺体と、前記胃内装置の外側で同軸に摺動して、前記展開前の形態で前記胃内装置を前記送達装置の前記長尺体の前記遠位端の外側で同軸に収縮させる引き離し鞘とを備えていてもよく、また、前記胃内装置を送達させる方法は、前記収縮した胃内装置を前記展開前の形態で前記送達装置の前記長尺体の前記遠位端の外側に同軸に配置する工程と、内視鏡器具を用いて前記送達装置を患者に挿入し、前記送達装置の前記長尺体の前記遠位端を前記患者の十二指腸または空腸まで前進させる工程と、胃内装置を位置決めした時点で、前記鞘を同軸に引き離して前記鞘を前記収縮した胃内装置から取り外す作業器具を用いて、前記胃内装置を自動的に膨張させて前記展開後の形態にする工程と、前記送達装置の前記長尺体の前記遠位端を摺動させて前記膨張した胃内装置から同軸に離し、前記送達装置を前記患者から取り外す工程とを含んでいてもよい。
【0056】
必要に応じて、この方法は、前記圧縮した胃内装置に冷却部材を当て、前記鞘を取り外す過程で前記多孔質構造体が膨張するのを遅らせて前記送達装置の取り外しを容易にする工程をさらに含む。
【0057】
本明細書は、内視鏡器具を用いて胃内装置を患者の胃腸管から取り外す回収装置も開示する。ここで、前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態の間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の周りに配置された少なくとも一つの周囲収縮機構と、その近位端に回収機構と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える。前記回収装置は、近位端および遠位端ならびに内部に管腔を有する長尺体と、前記管腔内に配置され、近位端および遠位端を有する長尺金属線と、前記金属線の前記遠位端から形成され、前記少なくとも一つの周囲収縮機構の自由端および前記多孔質構造体の前記回収機構を把持する把持機構と、前記金属線の前記近位端に取り付けられたアクチュエータとを備える。
【0058】
必要に応じて、前記回収装置は、前記長尺体の前記近位端にハンドルをさらに備える。
【0059】
必要に応じて、前記アクチュエータは前記ハンドル内にある。
【0060】
一実施形態では、前記回収装置は、前記長尺体の前記遠位端に取り付けられた2つの対向する顎部を有して前記金属線の前記近位端で前記アクチュエータに作動的に連結している把持部材と、前記把持部材の前記顎部どうしの間に配置された少なくとも一つのクランプとをさらに備え、前記顎部は、前記クランプを前記少なくとも一つの周囲収縮機構の前記自由端の周りで圧縮するように構成される。
【0061】
本明細書は、送達装置を用いて胃内装置を患者の胃腸管内に送達する方法も開示する。ここで、前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態の間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備え、この方法は第1の処置で前記多孔質構造体を前記スリーブなしで展開して前記多孔質構造体を膨張させて前記展開後の形態にする工程と、第2の処置で前記スリーブを前記膨張した多孔質構造体内で展開する工程と、前記第2の処置過程で前記スリーブの近位端を前記多孔質構造体の遠位端に結合させる工程とを含む。
【0062】
必要に応じて、この方法は、前記第1の処置で前記圧縮した胃内装置に冷却部材を当て、展開中に前記多孔質構造体が膨張するのを遅らせる工程をさらに含む。
【0063】
必要に応じて、前記第1の処置は第1のカテーテルを用いて実施される。
【0064】
必要に応じて、前記第2の処置は第2のカテーテルを用いて実施される。
【0065】
本明細書は、回収装置を用いて患者の胃腸管から装置を回収する方法も開示する。前記装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の周りに配置された少なくとも一つの周囲収縮機構と、その近位端に回収機構と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える。前記回収装置は、近位端および遠位端ならびに内部に管腔を有する長尺体と、前記管腔内に配置され、近位端および遠位端を有する長尺金属線と、前記金属線の前記遠位端から形成され、前記少なくとも一つの周囲収縮機構の自由端および前記多孔質構造体の前記回収機構を把持する把持機構と、前記金属線の前記近位端に取り付けられたアクチュエータとを備える。前記方法は、内視鏡器具を用いて前記回収装置を前記患者に挿入し、前記回収装置の前記長尺体の前記遠位端を前記装置の近位端まで前進させる工程と、前記回収装置の前記把持機構を操作して前記多孔質構造体の周りに配置された前記少なくとも一つの周囲収縮機構の自由端に係合する工程と、前記回収装置の前記アクチュエータを引っ張って収縮させ、前記少なくとも一つの周囲収縮機構を自動的にロックし、それによって前記多孔質構造体を圧縮して前記展開前の形状にする工程と、前記回収装置の前記把持機構を操作して前記少なくとも一つの周囲収縮機構の前記自由端の係合を外す工程と、前記把持機構を操作して前記回収機構を前記多孔質構造体の前記近位端で係合する工程と、前記アクチュエータを引っ張って前記装置の近位部を前記回収装置の前記管腔内に引き出す工程と、前記回収装置および前記装置を前記患者から取り外す工程とを含む。
【0066】
胃内装置は、前記多孔質構造体の周りに位置する3つの周囲収縮機構を備えていてもよく、前記方法は、前記回収装置の前記把持機構を連続的に操作して前記3つの周囲収縮機構それぞれの自由端を係合する工程と、前記回収装置の前記アクチュエータを引っ張って収縮させ、前記3つの周囲収縮機構の各々を自動的にロックし、それによって前記多孔質構造体を完全に圧縮して前記展開前の形状にする工程とをさらに備えていてもよい。
【0067】
一実施形態では、この方法は、前記圧縮した装置に冷却部材を当て、前記回収装置および前記装置を取り外す過程で前記多孔質構造体が再度膨張するのを防止する工程をさらに備える。
【0068】
回収装置は、前記長尺体の前記遠位端に取り付けられた2つの対向する顎部を有して前記金属線の前記近位端で前記アクチュエータに作動的に連結している把持部材と、前記把持部材の前記顎部どうしの間に位置する少なくとも一つのクランプとをさらに備えていてもよく、前記方法は、前記回収装置の前記把持部材を操作して、前記少なくとも一つのクランプを前記圧縮した多孔質構造体に近接する前記少なくとも一つの周囲収縮機構の前記自由端に当てる工程をさらに備えていてもよい。
【0069】
本明細書は、内視鏡器具を用いて胃内装置を患者の胃腸管から取り外す回収装置も開示する。前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備え、前記回収装置は、近位端および遠位端ならびに内部に管腔を有する可撓性カテーテルと、前記カテーテルの前記管腔内に位置し、近位端および遠位端を有し、前記金属線の前記遠位端の一部が把持機構のとして形成される長尺金属線と、前記カテーテルの前記近位端に位置するハンドルと、近位端、遠位端、および内部に第1の管腔を有する長尺管とを備え、前記管は前記カテーテルの外側に同軸に位置し、前記把持機構は前記多孔質構造体を把持するように構成され、前記長尺管はその遠位端で前記多孔質構造体を受け入れるように構成される。
【0070】
ハンドルは、第1のハンドル部材および第2のハンドル部材を備えていてもよく、前記第1のハンドル部材および第2のハンドル部材は、前記長尺管を前記カテーテルの上で摺動させたり摺動しながら外したりできるように取り外される。必要に応じて、前記第1のハンドル部材および第2のハンドル部材は組み立てられ、ネジを用いて一つに保持される。
【0071】
長尺管は、その近位端にアダプタをさらに備えていてもよく、前記アダプタは前記第2のハンドル部材に取り付けられるように構成される。
【0072】
必要に応じて、長尺管は、この長尺管の前記遠位端に位置する膨張可能なバルーンと、この長尺管の前記近位端に位置する吹き込み口と、前記膨張可能なバルーンおよび前記吹き込み口と流体連通している別個の第2の管腔と、前記長尺管の前記遠位端に位置し、前記バルーンが収縮しているときに前記バルーンを収容するように構成された区画とをさらに備え、前記バルーンは前記吹き込み口および前記第2の管腔を介して膨張可能であり、膨張しているときの前記バルーンは、前記多孔質構造体を圧縮して展開前の形態にするのを補助するのに使用される。
【0073】
必要に応じて、長尺管は、前記長尺管の前記第1の管腔に冷流体を点滴注入するための点滴口を近位端にさらに備え、前記多孔質構造体は温度の影響を受けやすい材料からなり、前記冷流体は、前記多孔質構造体を圧縮して展開前の形態にするのを補助するのに使用される。
【0074】
カテーテルは、前記把持機構を制限する鞘をさらに備えていてもよい。
【0075】
必要に応じて、把持機構はフックを備える。
【0076】
本明細書は、回収装置を用いて胃内装置を患者の胃腸管から回収する方法も開示する。前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態の間で変化しうる多孔質構造体を備え、かつ前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブを備え、前記回収装置は、近位端および遠位端ならびに内部に管腔を有する可撓性カテーテルと、前記カテーテルの前記管腔内に位置し、近位端および遠位端を有し、前記金属線の前記遠位端の一部が把持機構のとして形成される長尺金属線と、前記カテーテルの前記近位端に位置するハンドルと、近位端、遠位端、および内部に第1の管腔を有する長尺管とを備え、前記管は前記カテーテルの外側で同軸に位置する。前記方法は、前記患者に挿入された内視鏡の動作チャネルの中に前記カテーテルを挿入する工程と、前記内視鏡の遠位端を前記患者の胃内で前記胃内装置の近くに配置する工程と、前記長尺金属線を操作して前記把持機構を前記カテーテルの前記遠位端よりも先に延ばし、前記把持機構で前記多孔質構造体を把持する工程と、前記カテーテルから前記ハンドルを取り外す工程と、前記長尺管を前記カテーテルの外側でスライドさせる工程と、前記ハンドルを取り替える工程と、前記長尺金属線を引いて前記多孔質構造体を前記長尺管内に引き入れる工程と、前記回収装置をその内部にある前記胃内装置を用いて前記患者から取り外す工程とを含む。
【0077】
長尺管は、前記長尺管の前記遠位端に位置する膨張可能なバルーンと、前記長尺管の前記近位端に位置する吹き込み口と、前記膨張可能なバルーンおよび前記吹き込み口と流体連通している別個の第2の管腔と、前記長尺管の前記遠位端に位置し、前記バルーンが収縮しているときに前記バルーンを収容するように構成された区画とをさらに備えていてもよく、前記方法は、前記バルーンを前記吹き込み口および前記第2の管腔を介して膨張する工程をさらに含んでいてもよく、前記膨張したバルーンは前記区画から延びており、前記多孔質構造体を圧縮して展開前の形態にするのを補助するのに使用される。
【0078】
必要に応じて、長尺管は、前記長尺管の前記第1の管腔に冷流体を点滴注入するための点滴口を近位端にさらに備え、前記多孔質構造体は温度の影響を受けやすい材料からなり、前記方法は、冷流体を前記第1の管腔内に点滴注入して前記多孔質構造体を圧縮して展開前の形態にするのを補助する工程をさらに含む。
【0079】
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通ってこの多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通ってこの多孔質構造体から出るようになっている。前記多孔質構造体は、実質的に球形の展開後の形状を有し、前記上部に第1群の複数の結び目(a first plurality of nodes)、前記下部に第2群の複数の結び目、および前記上部と前記下部との間の側面箇所に位置する第3群の複数の結び目を少なくとも有する金網を備える。各結び目は、前記金網の金属線に単一の支持されていない自由端または曲がり目を有する。さらに前記胃内装置は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を備え、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記金属線の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記第2群の複数の結び目に結合されている。
【0080】
必要に応じて、前記スリーブの前記近位端は前記環に結合されている。
【0081】
前記複数の結び目の各群は、10〜100個の個々の結び目を有していてもよい。必要に応じて、前記複数の結び目の各群は44個の結び目を有する。必要に応じて、前記複数の結び目の各群は36個の結び目を有する。
【0082】
多孔質構造体は所定の長さを有し、前記多孔質構造体は、前記長さに沿って様々な場所に横方向に分布した2〜60個の複数の結び目を有していてもよい。前記多孔質構造体にある結び目の総数のうち少なくとも10%は前記上部および前記下部に位置していてもよい。必要に応じて、結び目の総数の75%以下は前記複数の結び目の群のいずれか一つに位置している。
【0083】
金網は形状記憶金属で構成されていてもよい。
【0084】
金属線は所定の太さを有し、前記環の前記曲がり目は所定の曲げ半径を有し、前記多孔質構造体が圧縮されて前記展開前の形状になるにつれて前記環が遠位方向に折れ曲がったときの前記曲がり目は、曲げひずみ率によって規定されてもよく、この曲げひずみ率は、前記太さの2倍を前記半径で割ったものに100を掛けたものに等しい。必要に応じて、曲げひずみ率は0.1〜20%である。必要に応じて、曲げひずみ率は8%以下である。
【0085】
必要に応じて、前記太さは0.1〜1mmである。必要に応じて、前記曲げ半径は0.013〜20cmである。
【0086】
太さおよび曲げ半径は、前記太さの2倍が前記半径よりも小さく、この半径が前記太さの2000倍よりも小さくなるように構成されてもよい。
【0087】
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。前記多孔質構造体は、実質的に球形の展開後の形状を有し、前記上部に第1群の複数の結び目、前記下部に第2群の複数の結び目、および前記上部と前記下部との間の側面箇所に位置する第3群の複数の結び目を少なくとも有する金網を有する。各結び目は、前記金網の金属線に単一の支持されていない自由端または曲がり目を有する。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記金属線の延長部を有する。前記金属線は所定の太さを有し、前記環の前記曲がり目は所定の曲げ半径を有し、前記多孔質構造体が圧縮されて前記展開前の形状になるにつれて前記環が遠位方向に折れ曲がったときの前記曲がり目は曲げひずみ率によって規定され、この曲げひずみ率は前記太さの2倍を前記半径で割ったものに100を掛けたものに等しく、さらに、前記曲げひずみ率は0.1〜20%である。さらに前記多孔質構造体は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記第2群の複数の結び目に結合されている。
【0088】
必要に応じて、前記曲げひずみ率は8%以下である。必要に応じて、前記太さは0.1〜1mmである。必要に応じて、前記曲げ半径は0.013〜20cmである。
【0089】
太さおよび曲げ半径は、前記太さの2倍が前記半径よりも小さく、この半径が前記太さの2000倍よりも小さくなるように構成されてもよい。
【0090】
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。前記多孔質構造体は、実質的に球形の展開後の形状を有し、前記上部に第1群の複数の結び目、前記下部に第2群の複数の結び目、および前記上部と前記下部との間の側面箇所に位置する第3群の複数の結び目を少なくとも有する金網を有する。各結び目は、前記金網の金属線に単一の支持されていない自由端または曲がり目を有する。各群の複数の結び目はそれぞれ44個以下の個々の結び目を有する。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記金属線の延長部を有する。前記金属線は所定の太さを有し、前記環の前記曲がり目は所定の曲げ半径を有し、前記多孔質構造体が圧縮されて前記展開前の形状になるにつれて前記環が遠位方向に折れ曲がったときの前記曲がり目は曲げひずみ率によって規定され、この曲げひずみ率は前記太さの2倍を前記半径で割ったものに100を掛けたものに等しく、さらに、前記曲げひずみ率は0.1〜20%である。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記第2群の複数の結び目に結合されている。
【0091】
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記スリーブは、第1の長さを有する展開前の形状と、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有する展開後の形状とを有し、スリーブが前記展開後の形状であるときに、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合している。前記スリーブは、前記展開後の形状であるときに前記スリーブを支持するように構成された、前記長尺体に沿って延びる少なくとも一つの螺旋状金属線をさらに備え、前記螺旋状金属線は、前記金属線の太さおよび前記金属線のピッチによって規定されるひずみ率を有し、さらに、前記ピッチは、前記スリーブの長手軸に沿った同じ平面内にある前記金属線に沿った任意の2点の間の距離によって規定される。
【0092】
螺旋状金属線は形状記憶金属で構成されてもよい。必要に応じて、形状記憶金属はニチノールである。
【0093】
螺旋状金属線は、スリーブが圧縮されて展開前の形状に折り曲がるにつれて圧縮されたとき、0.1〜20%のひずみ率を有していてもよい。必要に応じて、螺旋状金属線は、スリーブが圧縮されて展開前の形状に折り曲がるにつれて圧縮されたとき、8%以下のひずみ率を有する。ピッチは5〜150mmであってもよい。必要に応じて、ピッチは60mmである。
【0094】
スリーブは、1cm〜120cmの長さを有していてもよく、組織を傷つけずに患者の幽門に出入りするように構成されてもよい。
【0095】
スリーブは、実質的に漏斗状であってもよく、前記スリーブが前記近位端から前記遠位端に延びるにつれて短くなる直径を有していてもよい。
【0096】
必要に応じて、前記スリーブの近位部は漏斗状であり、前記スリーブの前記近位端は前記スリーブ本体の任意の他の部分に沿った直径よりも大きい直径を有し、前記近位端の直径は前記スリーブ本体が遠位側に延びるにつれて徐々に小さくなる。
【0097】
必要に応じて、前記スリーブ本体の遠位部は、前記遠位部を強化し、かつ前記展開後の形状であるときに前記スリーブ本体を長尺形状に維持するように構成された2つ以上の層を有する。
【0098】
必要に応じて、スリーブは近位部および遠位部を備え、前記近位部は前記スリーブの前記近位端から前記スリーブ本体上の移動点まで延びており、前記遠位部は前記移動点から前記スリーブの前記遠位端まで延びており、さらに、前記近位部は漏斗状であり、前記近位部が前記スリーブの前記近位端から前記移動点まで延びるにつれて小さくなる直径を有する。引き続き必要に応じて、前記遠位部は漏斗状であり、前記遠位部が前記移動点から前記スリーブの前記遠位端に延びるにつれて小さくなる直径を有する。あるいは、前記遠位部は筒状であり、前記遠位部が前記移動点から前記スリーブの前記遠位端まで一定のままの直径を有する。必要に応じて、前記遠位部の直径は、前記遠位部が前記移動点から前記スリーブの前記遠位端に延びるにつれて大きくなる。
【0099】
スリーブは、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)、ポリエチレン(polyethylene、PE)、低密度ポリエチレン(low-densitypolyethylene、LDPE)、高密度ポリエチレン(high-densitypolyethylene、HDPE)、および超高分子量ポリエチレン(ultra-high-molecular-weightpolyethylene、UHMWPE)のうちの一つまたはこれらの組み合わせからなる少なくとも一つの層で構成されてもよい。必要に応じて、スリーブは、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、および超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)のうちの一つまたはこれらの組み合わせからなる少なくとも二つの層を有し、前記層の間に位置する少なくとも一つの金属線の支持体をさらに備える。
【0100】
必要に応じて、胃内装置は、前記スリーブの前記遠位端に取り付けられて前記遠位端が身体組織を傷つけなくするように構成された部材をさらに備え、前記部材は、筒状本体、近位端、遠位端、および内部の管腔を有し、前記部材は両端が開口し、前記部材の前記管腔は前記スリーブ内部と流体連通し、さらに、前記部材の外面は溝および前記溝内に位置する環状要素を備え、前記部材は、前記スリーブの一部を前記溝内かつ前記環状要素の下に配置することによって前記スリーブに取り付けられる。
【0101】
必要に応じて、前記部材は、前記外面から延びるフランジをさらに備え、前記フランジは、前記スリーブの前記遠位端の自由端を覆う。あるいは、前記部材は、前記環状要素および溝の外側に位置する熱収縮管をさらに備える。引き続き必要に応じて、前記スリーブの遠位端は、前記スリーブの前記遠位端の自由端が前記スリーブ内部の中に位置した状態になるように前記環状要素の下に折り曲げられる。
【0102】
必要に応じて、胃内装置は、前記スリーブの前記遠位端から延びる少なくとも一つの尾部をさらに備え、前記尾部は、前記スリーブを遠位方向に引いて前記スリーブを患者の胃腸管内で的確な向きにするのを補助するように構成される。
【0103】
前記スリーブの遠位部は複数のスリーブ房部を備えていてもよく、前記房部は前記スリーブの前記遠位端にある要素に取り付られ、さらに前記要素は、前記スリーブを遠位方向に引いて前記スリーブを患者の胃腸管内で的確な向きにするのを補助するように構成される。必要に応じて、房部および遠位要素は落下傘状である。
【0104】
前記スリーブの遠位端は複数の縫い目を有していてもよく、各縫い目は近位端および遠位端を有し、前記縫い目の前記近位端は前記スリーブの前記遠位端に取り付けられ、前記縫い目の前記遠位端は、前記スリーブを遠位方向に引いて前記スリーブを患者の胃腸管内で的確な向きにするのを補助するように構成された要素に取り付けられる。必要に応じて、房部および遠位要素は落下傘状である。
【0105】
前記スリーブの遠位端は複数の縫い目を有していてもよく、各縫い目は近位端および遠位端を有し、前記縫い目の前記近位端は前記スリーブの前記遠位端に取り付けられ、前記縫い目の前記遠位端は、それぞれが個々の要素に取り付られ、それぞれの個々の要素は、前記スリーブを遠位方向に引いて前記スリーブを患者の胃腸管内で的確な向きにするのを補助するように構成される。
【0106】
必要に応じて、前記スリーブはスリーブ自体の周りで少なくとも一回前記スリーブの長手軸に沿って折り曲げられて前記スリーブに追加構造を提供する。
【0107】
スリーブは、前記スリーブの長手軸に沿って延びる少なくとも一つのチャネルを備えていてもよく、前記少なくとも一つのチャネルは支持要素を受け入れて前記スリーブに追加構造を提供する。
【0108】
前記スリーブの少なくとも一部は、前記スリーブに追加構造を提供するために交互になった溝部と隆起部からなる波形構造を有していてもよい。
【0109】
前記スリーブの少なくとも一部は、前記スリーブに追加構造を提供するために編組構造に構成された可撓金属線を備えていてもよい。
【0110】
スリーブは、前記スリーブの長手軸に沿って延びる少なくとも一つのチャネルを備えていてもよく、前記少なくとも一つのチャネルは、前記スリーブに追加構造を提供するために流体を受け入れるように構成される。
【0111】
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記スリーブは、第1の長さを有する展開前の形状と、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有する展開後の形状とを有し、スリーブが前記展開後の形状であるときに、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合している。前記スリーブは、前記展開後の形状であるときに前記スリーブを支持するように構成された、前記長尺体に沿って延びる3つの螺旋状金属線をさらに備え、前記螺旋状金属線は、前記個々の金属線の太さおよび前記個々の金属線の個々のピッチによって規定されるひずみ率を有し、さらに、前記個々のピッチは、前記スリーブの長手軸に沿った同じ平面内にある前記個々の金属線に沿った任意の2点の間の距離によって規定される。
【0112】
各々の前記螺旋状金属線は形状記憶金属で構成されてもよい。必要に応じて、形状記憶金属はニチノールである。
【0113】
各々の前記螺旋状金属線は、スリーブが圧縮されて展開前の形状に折り曲がるにつれて圧縮されたとき、0.1〜20%の個別のひずみ率を有していてもよい。必要に応じて、各々の螺旋状金属線は、スリーブが圧縮されて展開前の形状に折り曲がるにつれて圧縮されたとき、8%以下の個別のひずみ率を有する。
【0114】
各々の前記螺旋状金属線の個々のピッチは5〜150mmであってもよい。
【0115】
必要に応じて、各々の前記螺旋状金属線の個々のピッチは60mmである。
【0116】
必要に応じて、各々の前記金属線は、前記スリーブの長手軸に沿った同じ平面内にある2つの隣接する金属線に沿った任意の2点の間の距離であると規定される、隣接する金属線とのピッチを有し、前記隣接する金属線とのピッチは20mmである。
【0117】
必要に応じて、前記スリーブの近位部は漏斗状であり、前記スリーブの前記近位端は前記スリーブ本体の任意の他の部分に沿った直径よりも大きい直径を有し、前記近位端の直径は前記スリーブ本体が遠位側に延びるにつれて徐々に小さくなる。
【0118】
必要に応じて、前記スリーブ本体の遠位部は、前記遠位部を強化し、かつ前記展開後の形状であるときに前記スリーブ本体を長尺形状に維持するように構成された2つ以上の層を有する。
【0119】
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記スリーブは、第1の長さを有する展開前の形状と、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有する展開後の形状とを有し、スリーブが前記展開後の形状であるときに、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合している。前記スリーブは、前記展開後の形状であるときに前記スリーブを支持するように構成された、前記長尺体に沿って延びる少なくとも一つの螺旋状金属線をさらに備え、前記螺旋状金属線は、前記金属線の太さおよび前記金属線のピッチによって規定されるひずみ率を有し、前記スリーブは、前記ひずみ率が20%を超えないように少なくとも5回スリーブ自体に重ねて折り曲がることができる。さらに、前記ピッチは、前記スリーブの長手軸に沿った同じ平面内にある前記金属線に沿った任意の2点の間の距離で規定される。
【0120】
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。前記多孔質構造体は、実質的に球形の展開後の形状を有し、前記上部に第1群の複数の結び目、前記下部に第2群の複数の結び目、および前記上部と前記下部との間の側面箇所に位置する第3群の複数の結び目を少なくとも有する金網を有する。各結び目は、前記金網の金属線に単一の支持されていない自由端または曲がり目を有する。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記金属線の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記第2群の複数の結び目に結合されており、前記第2群の複数の結び目にある結び目総数の少なくとも一部分は、縫い目によって前記スリーブの前記近位端に結合されている。
【0121】
前記第2群の複数の結び目にある前記結び目総数の前記一部分の各結び目は、各結び目の最も遠位側の位置で前記スリーブの前記近位端に縫合されてもよい。必要に応じて、前記第2群の複数の結び目にある前記結び目総数の一部分は、前記第2群の複数の結び目内に前記結び目をすべて含んでいる。必要に応じて、前記第2群の複数の結び目にある前記結び目総数の一部分は、前記第2群の複数の結び目内にそれ以外の全結び目を含んでいる。
【0122】
縫い目は、前記金網と前記スリーブとの間で何らかの相対的な動きが可能なようにゆるめに作られてもよい。
【0123】
前記第2群の複数の結び目にある前記結び目総数の前記一部分分の前記結び目の各々に前記スリーブを結合している各縫い目は、結び目を一つのみ有していてもよい。
【0124】
前記金網の金属線は少なくとも2つの端部を有していてよく、前記端部は金属管を用いて一つに束ねられ圧着(クリンプ)される。
【0125】
前記金網の金属線は少なくとも2つの端部を有していてもよく、前記端部を折り返して前記金属線上で輪を作って組織を傷つけない金属線端部を形成するか、前記端部を外向きに輪を作って前記スリーブへの取付点を形成する。
【0126】
スリーブは、支持用の金属線を備えていてもよく、前記金属線は少なくとも2つの端部を有していてもよく、前記端部を折り返して前記金属線上で輪を作って組織を傷つけない金属線端部を形成するか、前記端部で外向きに輪を作って前記金網に結合する取付点を形成するか、前記端部を用いて本装置を圧縮する過程で前記スリーブを引っ張る。
【0127】
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。前記多孔質構造体は、実質的に球形の展開後の形状を有し、前記上部に第1群の複数の結び目、前記下部に第2群の複数の結び目、および前記上部と前記下部との間の側面箇所に位置する第3群の複数の結び目を少なくとも有する金網を有する。各結び目は、前記金網の金属線に単一の支持されていない自由端または曲がり目を有する。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記金属線の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記第2群の複数の結び目に結合されており、各結び目に近接する前記金属線の一部分は、隣接する結び目に近接する金属線の別の一部分と交差して交点を形成し、前記多孔質構造体の前記下部にある前記交点の総数の少なくとも一部分は、縫い目によって前記スリーブの前記近位端に結合されている。
【0128】
必要に応じて、前記多孔質構造体の前記下部にある前記交点の前記総数の一部分は、前記多孔質構造体の前記下部に近接する前記交点をすべて含む。必要に応じて、前記多孔質構造体の前記下部にある前記交点の前記総数の一部分は、前記多孔質構造体の前記下部に近接するそれ以外の全交点を含む。
【0129】
縫い目は、前記金網と前記スリーブとの間で何らかの相対的な動きが可能なようにゆるめに作られてもよい。
【0130】
前記多孔質構造体の前記下部に近接する交点の前記総数の前記一部分の前記交点の各々に前記スリーブを結合している各縫い目は、結び目を一つのみ有していてもよい。
【0131】
前記金網の金属線は少なくとも2つの端部を有していてよく、前記端部は金属管を用いて一つに束ねられ圧着(クリンプ)される。
【0132】
前記金網の金属線は少なくとも2つの端部を有していてもよく、前記端部を折り返して前記金属線上で輪を作って組織を傷つけない金属線端部を形成するか、前記端部を外向きに輪を作って前記スリーブへの取付点を形成する。
【0133】
スリーブは、支持用の金属線を備えていてもよく、前記金属線は少なくとも2つの端部を有していてもよく、前記端部を折り返して前記金属線上で輪を作って組織を傷つけない金属線端部を形成するか、前記端部で外向きに輪を作って前記金網に結合する取付点を形成するか、前記端部を用いて本装置を圧縮する過程で前記スリーブを引っ張る。
【0134】
本明細書は、胃内装置を圧縮して展開前に送達装置に搭載する方法も開示する。前記胃内装置は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。前記多孔質構造体は、実質的に球形の展開後の形状を有し、前記上部に第1群の複数の結び目、前記下部に第2群の複数の結び目、および前記上部と前記下部との間の側面箇所に位置する第3群の複数の結び目を少なくとも有する金網を有する。各結び目は、前記金網の金属線に単一の支持されていない自由端または曲がり目を有する。さらに前記多孔質構造体は、多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記金属線の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記第2群の複数の結び目に結合されており、前記第2群の複数の結び目にある結び目総数の少なくとも一部分は、縫い目によって前記スリーブの前記近位端に結合されている。前記方法は、前記多孔質構造体の中心長手軸の周りで前記金網を圧縮する工程と、前記スリーブの前記遠位端を引っ張り、前記環が実質的に直線状になるように前記環の前記曲がり目を下向きに湾曲させる工程とを含む。
【0135】
縫い目は、前記金網と前記スリーブとの間で何らかの相対的な動きが可能なようにゆるめに作られてもよい。
【0136】
スリーブは、支持用の金属線を備えていてもよく、前記金属線は少なくとも2つの端部を有していてもよく、前記端部を折り返して前記金属線上で輪を作って組織を傷つけない金属線端部を形成するか、前記端部で外向きに輪を作って前記金網に結合する取付点を形成するか、前記端部を用いて本装置を圧縮する過程で前記スリーブを引っ張る。
【0137】
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記スリーブは、第1の長さを有する展開前の形状と、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有する展開後の形状とを有し、スリーブが前記展開後の形状であるときに、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合している。前記スリーブは所定の摩擦係数を有し、それによって前記スリーブを少なくともスリーブ自体に重ねて折り曲げ、展開装置の一部分の周りに巻き付け、展開過程で引いたり押したりでき、前記スリーブに構造上の損傷を与えることなく完全に展開できる。
【0138】
摩擦係数は0.01〜0.30であってもよい。必要に応じて、摩擦係数は0.10以下である。
【0139】
スリーブは所定の外面を有し、前記外面は艶消面であってもよい。前記スリーブの外面に粒子状物質を施してもよい。必要に応じて、粒子状物質はコーンスターチである。必要に応じて、粒子状物質は生体適合性粉末である。
【0140】
スリーブは、スリーブ自体に重ねて少なくとも2回折り曲げられてもよい。
【0141】
本明細書は、胃内装置を患者の胃腸管に送達する方法も開示する。前記胃内装置は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記スリーブは、第1の長さを有する展開前の形状と、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有する展開後の形状とを有し、スリーブが前記展開後の形状であるときに、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合している。前記スリーブは所定の摩擦係数を有し、それによって前記スリーブを少なくともスリーブ自体に重ねて折り曲げ、展開装置の一部分の周りに巻き付け、展開過程で前後に引き、前記スリーブに構造上の損傷を与えることなく完全に展開できる。前記方法は、前記多孔質構造体を送達装置に搭載する工程と、前記スリーブをスリーブ自体に重ねて折り曲げる工程と、前記折り曲げたスリーブを前記送達装置の一部分の周りに巻き付ける工程と、前記多孔質構造体および前記スリーブを備えている前記送達装置を前記患者の前記胃腸管内に挿入する工程と、前記送達装置を操作して前記スリーブを完全に展開させる工程と、前記送達装置をさらに操作して前記多孔質構造体を完全に展開させる工程と、前記送達装置を前記患者から取り外す工程とを含む。
【0142】
摩擦係数は0.01〜0.30であってもよい。
【0143】
この方法は、前記スリーブをスリーブ自体に重ねて折り曲げる前に前記スリーブの外面に粒子状物質を施す工程をさらに備えていてもよい。必要に応じて、粒子状物質はコーンスターチである。必要に応じて、粒子状物質は生体適合性粉末である。
【0144】
スリーブは、スリーブ自体に重ねて少なくとも2回折り曲げられてもよい。
【0145】
本明細書は、胃内装置を患者の胃腸管に送達する方法も開示する。前記胃内装置は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記スリーブは、第1の長さを有する展開前の形状と、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有する展開後の形状とを有し、スリーブが前記展開後の形状であるときに、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合している。前記スリーブは所定の摩擦係数を有し、それによって前記スリーブを少なくともスリーブ自体に重ねて折り曲げ、展開装置の一部分の周りに巻き付け、展開過程で引いたり押したりでき、前記スリーブに構造上の損傷を与えることなく完全に展開できる。前記方法は、前記多孔質構造体を送達装置に搭載する工程と、前記スリーブをスリーブ自体に重ねて折り曲げる工程と、前記折り曲げたスリーブを前記送達装置の一部分の周りに巻き付ける工程と、前記多孔質構造体および前記スリーブを備えている前記送達装置を前記患者の前記胃腸管内に挿入する工程と、前記送達装置を操作して前記スリーブを部分的に展開させ、前記スリーブを前記送達装置から完全に解放するが前記折り曲げた状態から一部のみを広げる工程と、前記送達装置をさらに操作して前記多孔質構造体を完全に展開させる工程と、前記送達装置を前記患者から取り外す工程と、蠕動作用で腸が前記スリーブの上で収縮することによって前記スリーブを完全に広げる工程とを含む。
【0146】
前記摩擦係数は0.01〜0.30であってもよい。
【0147】
この方法は、前記スリーブをスリーブ自体に重ねて折り曲げる前に前記スリーブの外面に粒子状物質を施す工程をさらに含んでいてもよい。必要に応じて、粒子状物質はコーンスターチである。必要に応じて、粒子状物質は生体適合性粉末である。
【0148】
スリーブは、スリーブ自体に重ねて少なくとも2回折り曲げられてもよい。
【0149】
本明細書は、胃内装置を患者の胃腸管内に送達する送達装置であって、前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える、送達装置も開示する。前記送達装置は、近位端および遠位端、ならびに内部に長尺体管腔を有する可撓性長尺体であって、前記遠位端に開口、および前記近位端に取り付けられた第1のハンドルを備える、長尺体と、同軸に位置し、前記長尺体の管腔内で長手方向に可動式の可撓性プランジャ部材であって、近位端、遠位端、および内部にプランジャ管腔を備え、前記遠位端に先端部および前記近位端に取り付けられた第2のハンドルを備える、プランジャと、同軸に位置し、前記プランジャ管腔内で長手方向に可動式の可撓性長尺ロッドであって、近位端および遠位端を有し、前記遠位端の近くに位置する第1の球体および前記遠位端に位置する第2の球体を備え、前記第1の球体が前記第2の球体の直径よりも大きい直径を有し、前記近位端に取り付けられた第3のハンドルをさらに備える、ロッドと、第1の端部および第2の端部を有する引っ張り機構であって、前記第1の端部は前記胃内装置の前記スリーブに取り付けられ、前記第2の端部は前記第1の球体と前記第2の球体との間の位置で前記ロッドに取り外し可能に結合している、引っ張り機構とを備え、前記胃内装置は送達用に前記送達装置内に搭載され、その結果、前記多孔質構造体は前記長尺体の管腔内で前記プランジャ先端部の遠位側かつ前記スリーブの近位側に位置し、前記ロッドは前記多孔質構造体内で少なくとも2つの開口を通り、前記少なくとも2つの開口は前記多孔質構造体の長手中心軸沿いにあるのではなく、前記スリーブは、前記長尺体の管腔内で前記多孔質構造体の遠位側かつ前記第1の球体の近位側に位置し、前記スリーブはスリーブ自体に重ねて折り曲げられた後に前記ロッドの一部分の周りに巻き付けられ、さらに前記スリーブは、前記引っ張り機構の前記第1の端部に取り付けられる。
【0150】
送達装置は、前記先端部と前記第2のハンドルとの間で前記プランジャ上に位置するストッパをさらに備えていてもよい。
【0151】
必要に応じて、前記引っ張り機構は生物分解性であり、縫い糸すなわちフックを備える。あるいは、前記引っ張り機構は生物分解性ではなく、ループエンドになっている縫い糸を備える。
【0152】
必要に応じて、前記スリーブは、環状、円錐状または傘状の圧迫装置で圧迫される。
【0153】
必要に応じて、前記プランジャの前記先端部は、複数のフィンを備える網保持部材を備え、前記多孔質構造体の近位部は、前記プランジャが近位方向に動くと前記フィンが前記多孔質構造体を近位方向に動かすように前記フィンの上に位置する。
【0154】
スリーブは、前記ロッドの周りに巻き付けられる前にスリーブ自体に重ねて2〜10回折り曲げられてもよい。
【0155】
送達装置は、前記長尺体の前記遠位端に膨張可能なバルーンと、前記長尺体の前記近位端に入口と、前記長尺体に沿って延び前記バルーンおよび前記入口と流体連通しているチャネルとをさらに備えていてもよく、前記入口および前記チャネルを用いて前記バルーンを膨張し、前記膨張したバルーンを使用して前記送達装置を前記患者の前記胃腸管内に固定する。
【0156】
必要に応じて、送達装置は、送達中の展開力を軽減する水流機構または注流機構をさらに備える。
【0157】
長尺体は、所定の長さを有し、前記長さは可変剛性を有していてもよい。必要に応じて、この長さは少なくとも3つの領域を有し、最も遠位側の領域が中心の遠位領域よりも柔軟であり、中心の遠位領域は遠位側から最も離れた領域よりも柔軟である。
【0158】
長尺体は編組カテーテルを備えていてもよい。
【0159】
長尺体の遠位端、プランジャ、およびロッドは、組織を傷つけないように構成されてもよい。 本発明は、胃内装置を患者の胃腸管内に送達する送達装置であって、前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える送達装置も開示する。前記送達装置は、近位端および遠位端、ならびに内部に長尺体管腔を有し、前記遠位端に開口、および前記近位端に取り付けられた作動機構を備える可撓性長尺体と、同軸に位置し、前記長尺体の管腔内で長手方向に可動式で、近位端、遠位端、および内部にプランジャ管腔を備え、前記遠位端に先端部を有し、前記近位端は前記作動機構に作動的に取り付けられる、可撓性プランジャ部材と、前記作動機構に取り付けられ、動作すると前記作動機構を前記プランジャを前記長尺体の長手方向に沿って前後に動かすように構成されたアクチュエータハンドルおよびアクチュエータトリガと、同軸に位置し、前記プランジャ管腔内で長手方向に可動式で、近位端および遠位端を備え、前記遠位端の近くに位置する第1の球体および前記遠位端に位置する第2の球体を備え、前記第1の球体が前記第2の球体の直径よりも大きい直径を有し、前記近位端に取り付けられたロッドハンドルをさらに備える可撓性長尺ロッドと、前記胃内装置の前記スリーブに取り付けられる第1の端部および前記第1の球体と前記第2の球体との間の位置で前記ロッドに取り外し可能に結合している第2の端部を有する引っ張り機構とを備え、前記胃内装置は送達用に前記送達装置内に搭載され、その結果、前記多孔質構造体は前記長尺体の管腔内で前記プランジャ先端部の遠位側かつ前記スリーブの近位側に位置し、前記ロッドは前記多孔質構造体内で少なくとも2つの開口を通り、前記少なくとも2つの開口は前記多孔質構造体の長手中心軸沿いにあるのではなく、前記スリーブは、前記長尺体の管腔内で前記多孔質構造体の遠位側かつ前記第1の球体の近位側に位置し、前記スリーブはスリーブ自体に重ねて折り曲げられた後に前記ロッドの一部分の周りに巻き付けられ、さらに前記スリーブは、前記引っ張り機構の前記第1の端部に取り付けられる。
【0160】
送達装置は、前記先端部と前記作動装置との間で前記プランジャ上に位置するストッパをさらに備えていてもよい。
【0161】
必要に応じて、前記引っ張り機構は生物分解性であり、縫い糸すなわちフックを備える。あるいは、前記引っ張り機構は生物分解性ではなく、ループエンドになっている縫い糸を備える。
【0162】
必要に応じて、前記スリーブは、環状、円錐状または傘状の圧迫装置で圧迫される。
【0163】
必要に応じて、前記プランジャの前記先端部は、複数のフィンを備える網保持部材を備え、前記多孔質構造体の近位部は、前記プランジャが近位方向に動くと前記フィンが前記多孔質構造体を近位方向に動かすように前記フィンの上に位置する。
【0164】
スリーブは、前記ロッドの周りに巻き付けられる前にスリーブ自体に重ねて2〜10回折り曲げられてもよい。
【0165】
送達装置は、前記長尺体の前記遠位端に膨張可能なバルーンと、前記長尺体の前記近位端に入口と、前記長尺体に沿って延び前記バルーンおよび前記入口と流体連通しているチャネルとをさらに備えていてもよく、前記入口および前記チャネルを用いて前記バルーンを膨張し、前記膨張したバルーンを使用して前記送達装置を前記患者の前記胃腸管内に固定する。
【0166】
必要に応じて、送達装置は、送達中の展開力を軽減する水流機構または注流機構をさらに備える。
長尺体は編組カテーテルを備えていてもよい。
【0167】
本明細書は、胃内装置を患者の胃腸管内に送達する方法も開示する。前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える。前記送達装置は、近位端および遠位端、ならびに内部に長尺体管腔を有し、前記遠位端に開口、および前記近位端に取り付けられた第1のハンドルを備える可撓性長尺体と、同軸に位置し、前記長尺体の管腔内で長手方向に可動式で、近位端、遠位端、および内部にプランジャ管腔を備え、前記遠位端に先端部および前記近位端に取り付けられた第2のハンドルを備える可撓性プランジャと、同軸に位置し、前記プランジャ管腔内で長手方向に可動式で、近位端および遠位端を有し、前記遠位端の近くに位置する第1の球体および前記遠位端に位置する第2の球体を備え、前記第1の球体が前記第2の球体の直径よりも大きい直径を有し、前記近位端に取り付けられた第3のハンドルをさらに備える可撓性長尺ロッドと、第1の端部および第2の端部を有し、前記第1の端部は前記胃内装置の前記スリーブに取り付けられ、前記第2の端部は前記第1の球体と前記第2の球体との間の位置で前記ロッドに取り外し可能に結合している引っ張り機構とを備え、前記胃内装置は送達用に前記送達装置内に搭載され、その結果、前記多孔質構造体は前記長尺体の管腔内で前記プランジャ先端部の遠位側かつ前記スリーブの近位側に位置し、前記ロッドは前記多孔質構造体内で少なくとも2つの開口を通り、前記少なくとも2つの開口は前記多孔質構造体の長手中心軸沿いにあるのではなく、前記スリーブは、前記長尺体の管腔内で前記多孔質構造体の遠位側かつ前記第1の球体の近位側に位置し、前記スリーブはスリーブ自体に重ねて折り曲げられた後に前記ロッドの一部分の周りに巻き付けられ、さらに前記スリーブは、前記引っ張り機構の前記第1の端部に取り付けられる。前記方法は、前記送達装置を誘導線
に沿って前記患者の前記胃腸管内に摺動させる工程と、第1のハンドルを用いて前記長尺体の遠位端を患者の十二指腸内に配置する工程と、第2のハンドルを押してスリーブが前記長尺体から押し出されるまでプランジャ部材を押し込む工程と、第3のハンドルを押してスリーブが完全に展開されるまでロッドをプランジャ管腔内で前進させる工程と、前記送達装置を引き戻して長尺体の遠位端を患者の胃内に再び配置する工程と、第1のハンドルを引き戻し第2のハンドルをそのまま保持し、プランジャを定位置に維持して金網構造体を解放する工程と、送達装置を患者から取り外す工程とを含む。
【0168】
送達装置は、前記先端部と前記第2のハンドルとの間で前記プランジャ上に位置するストッパをさらに備えていてもよく、前記ストッパは、一旦前記スリーブが前記長尺体から押し出されると前記プランジャがさらに遠位側へ動くのを停止するように構成される。
【0169】
送達装置は、前記長尺体の前記遠位端に膨張可能なバルーンと、前記長尺体の前記近位端に入口と、前記長尺体に沿って延び前記バルーンおよび前記入口と流体連通しているチャネルとをさらに備えていてもよく、前記方法は、前記入口および前記チャネルを用いて前記バルーンを膨張させて送達装置を前記患者の胃腸管内に固定させる工程をさらに含んでいてもよい。
【0170】
本明細書は、胃内装置を患者の胃腸管内に送達する送達装置であって、前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える、送達装置も開示する。前記送達装置は、近位端および遠位端、ならびに内部に長尺体管腔を有し、前記遠位端に開口および前記近位端に取り付けられた第1のハンドルを備える可撓性長尺体と、同軸に位置し、前記長尺体の管腔内で長手方向に可動式の可撓性長尺ロッドとを備える。この長尺体は、近位端および遠位端を有し、前記遠位端の近くに位置する第1の球体および前記遠位端に位置する第2の球体を備え、前記第1の球体は、前記第2の球体の直径よりも大きい直径を有し、前記近位端に取り付けられた第2のハンドルをさらに備える。さらに、前記送達装置は、前記可撓性長尺ロッドの近位部の外側で同軸に位置し、かつ前記可撓性長尺ロッドとともに長手方向に移動可能で、近位端および遠位端を有し、前記遠位端に先端部を有し、前記近位端で前記第2のハンドルに取り付けられる可撓性プランジャ部材と、前記胃内装置の前記スリーブに取り付けられる第1の端部および前記第1の球体と前記第2の球体との間の位置で前記ロッドに取り外し可能に結合している第2の端部を有する引っ張り機構とを備え、前記胃内装置は送達用に前記送達装置内に搭載され、その結果、前記多孔質構造体は前記長尺体の管腔内で前記プランジャ先端部の遠位側かつ前記スリーブの近位側に位置し、前記ロッドは前記多孔質構造体内で少なくとも2つの開口を通り、前記少なくとも2つの開口は前記多孔質構造体の長手中心軸沿いにあるのではなく、前記スリーブは、前記長尺体の管腔内で前記多孔質構造体の遠位側かつ前記第1の球体の近位側に位置し、前記スリーブはスリーブ自体に重ねて折り曲げられた後に前記ロッドの一部分の周りに巻き付けられ、さらに前記スリーブは、前記引っ張り機構の前記第1の端部に取り付けられる。
【0171】
引っ張り機構は生物分解性であってもよく、縫い糸すなわちフックを備える。あるいは、前記引っ張り機構は生物分解性ではなく、ループエンドになっている縫い糸を備える。
【0172】
スリーブは、環状、円錐状または傘状の圧迫装置で圧迫されてもよい。
【0173】
必要に応じて、前記プランジャの前記先端部は、複数のフィンを備える網保持部材を備え、前記多孔質構造体の近位部は、前記プランジャが近位方向に動くと前記フィンが前記多孔質構造体を近位方向に動かすように前記フィンの上に位置する。
【0174】
必要に応じて、前記スリーブは、前記ロッドの周りに巻き付けられる前にスリーブ自体に重ねて2〜10回折り曲げられる。
【0175】
必要に応じて、送達装置は、前記長尺体の前記遠位端に膨張可能なバルーンと、前記長尺体の前記近位端に入口と、前記長尺体に沿って延び前記バルーンおよび前記入口と流体連通しているチャネルとをさらに備え、前記入口および前記チャネルを用いて前記バルーンを膨張し、前記膨張したバルーンを使用して前記送達装置を前記患者の前記胃腸管内に固定する。
【0176】
必要に応じて、送達装置は、送達中の展開力を軽減する水流機構または注流機構をさらに備える。
【0177】
長尺体は所定の長さを有していてもよく、前記長さは可変剛性を有する。
【0178】
長尺体は少なくとも3つの領域を有していてもよく、最も遠位側の領域が中心の遠位領域よりも柔軟であり、中心の遠位領域は遠位側から最も離れた領域よりも柔軟である。
【0179】
長尺体は編組カテーテルを備えていてもよい。
【0180】
長尺体の遠位端、プランジャ、およびロッドは、組織を傷つけないように構成されてもよい。 本明細書は、胃内装置を患者の胃腸管内に送達する方法も開示する。前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える。前記送達装置は、近位端および遠位端、ならびに内部に長尺体管腔を有し、前記遠位端に開口、および前記近位端に取り付けられた第1のハンドルを備える可撓性長尺体と、同軸に位置し、前記長尺体の管腔内で長手方向に可動式で、近位端および遠位端を有し、前記遠位端の近くに位置する第1の球体および前記遠位端に位置する第2の球体を備え、前記第1の球体は、前記第2の球体の直径よりも大きい直径を有し、前記近位端に取り付けられた第2のハンドルをさらに備える可撓性長尺ロッドと、前記可撓性長尺ロッドの近位部の外側で同軸に位置し、かつ前記可撓性長尺ロッドとともに長手方向に移動可能で、近位端および遠位端を有し、前記遠位端に先端部を有し、前記近位端で前記第2のハンドルに取り付けられる可撓性プランジャ部材と、前記胃内装置の前記スリーブに取り付けられる第1の端部および前記第1の球体と前記第2の球体との間の位置で前記ロッドに取り外し可能に結合している第2の端部を有する引っ張り機構とを備え、前記胃内装置は送達用に前記送達装置内に搭載され、その結果、前記多孔質構造体は前記長尺体の管腔内で前記プランジャ先端部の遠位側かつ前記スリーブの近位側に位置し、前記ロッドは前記多孔質構造体内で少なくとも2つの開口を通り、前記少なくとも2つの開口は前記多孔質構造体の長手中心軸沿いにあるのではなく、前記スリーブは、前記長尺体の管腔内で前記多孔質構造体の遠位側かつ前記第1の球体の近位側に位置し、前記スリーブはスリーブ自体に重ねて折り曲げられた後に前記ロッドの一部分の周りに巻き付けられ、さらに前記スリーブは、前記引っ張り機構の前記第1の端部に取り付けられる。前記方法は、前記送達装置を誘導線
に沿って前記患者の前記胃腸管内に摺動させる工程と、第1のハンドルを用いて前記長尺体の遠位端を患者の十二指腸内に配置する工程と、第2のハンドルを押してスリーブが完全に展開されるまでプランジャ部材およびロッドを押し込む工程と、前記送達装置を引き戻して長尺体の遠位端を患者の胃内に再び配置する工程と、第1のハンドルを引き戻し第2のハンドルをそのまま保持し、プランジャおよびロッドを定位置に維持して金網構造体を解放する工程と、送達装置を患者から取り外す工程とを含む。
【0181】
必要に応じて、前記送達装置は、前記先端部と前記第2のハンドルとの間で前記プランジャ上に位置するストッパをさらに備え、前記ストッパは、一旦前記スリーブが前記長尺体から押し出されると前記プランジャおよびロッドがさらに遠位側へ動くのを停止するように構成される。
【0182】
必要に応じて、前記送達装置は、前記長尺体の前記遠位端に膨張可能なバルーンと、前記長尺体の前記近位端に入口と、前記長尺体に沿って延び前記バルーンおよび前記入口と流体連通しているチャネルとをさらに備え、前記方法は、前記入口および前記チャネルを用いて前記バルーンを膨張させて送達装置を前記患者の胃腸管内に固定させる工程をさらに含む。
【0183】
本明細書は、胃内装置を送達する送達システムも開示する。前記送達システムは、近位端および遠位端を有し、長さに沿って可変剛性を有する外側カテーテルと、外側カテーテルの内部に同軸に位置し、近位端、組織を傷つけない遠位端、およびガイド装置を受け入れる管腔を有する可撓性内側カテーテルとを備え、前記胃内装置は内側カテーテルと外側カテーテルとの間の空間に位置し、前記内側カテーテルは、少なくとも5cmの長さを有する可撓性延長部を遠位端に有し、この延長部は前記外側カテーテルの前記遠位端の先に延びている。
【0184】
必要に応じて、ガイド装置は誘導線である。あるいは、ガイド装置は送達部全体に亘る内視鏡(endoscope for over the scope delivery)である。
【0185】
組織を傷つけない遠位端はボール状先端部であってもよい。
【0186】
前記内側カテーテルはその長さに沿って可変剛性を有していてもよい。
【0187】
必要に応じて、前記可撓性延長部は、近位端および遠位端を有し、かつその長さに沿って可変剛性を有し、この剛性は、前記遠位端にある誘導線の剛性と前記近位端にある前記内側カテーテルの剛性とで異なる。
【0188】
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。前記多孔質構造体は、実質的に球形の展開後の形状を有する金網を有する。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記金属線の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記環に結合されており、スリーブは、患者の幽門を遮断することなく前記幽門に断続的に係合するように設計され、食物が胃からスリーブの前記管腔を通って小腸に入るようになっている。
【0189】
本明細書は、胃内装置を患者の胃腸管に送達するシステムも開示する。このシステムは、第1の管腔を有する多孔質網構造体と、両端が前記多孔質網構造体に取り付けられ第2の管腔を有するスリーブと、外側カテーテルおよび内側カテーテルを備える同軸カテーテルシステムとを備え、送達前に前記多孔質網構造体および前記スリーブは、前記外側カテーテルと内側カテーテルの間の空間に向けて圧迫され、外側カテーテルは胃内装置の大部分に及び、内側カテーテルは網構造体の大部分の第1の管腔の内部を通るがスリーブの大部分の第2の管腔の外部を通る。
【0190】
必要に応じて、前記内側カテーテルは、作動時に内側カテーテルがスリーブを同軸カテーテルシステムから押し出し、その後スリーブから取り外されて胃内装置を胃腸管に送達するように、前記内側カテーテルの遠位端で機能できるようにスリーブに取り付けられる。
【0191】
本明細書は、患者の体重減少を促進するシステムも開示する。前記システムは、胃内装置、送達装置、および回収装置を備え、前記胃内装置は、患者の胃腸管内で一時的に展開されるように構成される。前記胃内装置は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記多孔質構造体の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合されており、一旦前記胃内装置が前記患者の胃腸管内で展開されると、前記胃内装置の少なくとも一部分は、前記患者の生体構造のどの部分にも物理的に取り付けられることなく前記患者の前記胃腸管と常時物理的に接触した状態になる。
【0192】
物理的接触は、小腸の蠕動作用で前記胃内装置の前記スリーブを前記小腸内に引っ張ることで起きてもよい。
【0193】
前記胃内装置の一部分は前記多孔質構造体の一部分を含んでいてもよく、前記患者の前記胃腸管の前記一部分は幽門近くに胃の一部分を含んでいてもよい。必要に応じて、前記胃の一部分は前記胃の前記胃排出領域を含んでいてもよく、前記胃内装置は前記領域を閉塞しない。
【0194】
前記胃内装置の一部分は前記スリーブの一部分を含んでいてもよく、前記患者の前記胃腸管の前記一部分は幽門の一部分を含んでいてもよい。
【0195】
前記胃内装置の一部分は前記スリーブの一部分を含んでいてもよく、前記患者の前記胃腸管前記一部分は十二指腸の一部分を含んでいてもよい。
【0196】
胃内装置は、この胃内装置自体を通して食物を誘導してもよく、それによって食物を前記患者の胃から前記患者の小腸へ移動させ、前記食物の移動を遮断することがない。必要に応じて、前記患者の胃から前記患者の小腸へ移動する食物の少なくとも10%、好ましくは50%は前記胃内装置を通過する。
【0197】
胃内装置は、前記患者の幽門の一定かつ実質的に完全なバイパスを提供し得る。必要に応じて、胃内装置は、前記患者の幽門および十二指腸の一定かつ実質的に完全なバイパスを提供する。
【0198】
本明細書は、患者の体重減少を促進するシステムも開示する。前記システムは、胃内装置、送達装置、および回収装置を備え、前記胃内装置は、患者の胃腸管内で一時的に展開するように構成される。前記胃内装置は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記多孔質構造体の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合されており、一旦前記胃内装置が前記患者の胃腸管内で展開されると、前記多孔質構造体は、前記患者の胃の内部で胃の一部分と物理的に接触する位置になり、前記スリーブは、前記胃内装置が前記患者の幽門の一定かつ実質的に完全なバイパスを提供するように前記患者の幽門および十二指腸の内部に位置し、前記患者が消化した食物は前記幽門のどの部分とも物理的に接触できない。
【0199】
前記胃の前記一部分との物理的接触は、小腸の蠕動作用で前記胃内装置の前記スリーブを前記小腸内に引っ張ることで起きてもよい。
【0200】
胃内装置は、この胃内装置自体を通して食物を誘導してもよく、それによって食物を前記患者の胃から前記患者の小腸へ移動させ、前記食物の移動を遮断することがない。必要に応じて、前記患者の胃から前記患者の小腸へ移動する食物の少なくとも10%、好ましくは50%は前記胃内装置を通過する。
【0201】
必要に応じて、胃内装置は前記患者の生体構造のどの部分にも物理的に取り付けられない。
【0202】
本明細書は、患者の体重減少を促進するシステムも開示する。前記システムは、胃内装置、送達装置、および回収装置を備え、前記胃内装置は、患者の胃腸管内で一時的に展開するように構成される。前記胃内装置は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記多孔質構造体の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合されており、一旦前記胃内装置が前記患者の胃腸管内で展開されると、前記多孔質構造体は、前記患者の胃の内部で胃の一部分と物理的に接触する位置になり、前記スリーブは、前記胃内装置が前記患者の十二指腸の一定かつ実質的に完全なバイパスを提供するように前記患者の幽門および十二指腸の内部に位置し、前記患者が消化した食物は前記十二指腸のどの部分とも物理的に接触できない。
【0203】
前記胃の前記一部分とのシステムの物理的接触は、小腸の蠕動作用で前記胃内装置の前記スリーブを前記小腸内に引っ張ることで起きてもよい。
【0204】
胃内装置は、この胃内装置自体を通して食物を誘導してもよく、それによって食物を前記患者の胃から前記患者の小腸へ移動させ、前記食物の移動を遮断することがない。必要に応じて、前記患者の胃から前記患者の小腸へ移動する食物の少なくとも10%、好ましくは50%は前記胃内装置を通過する。
【0205】
必要に応じて、胃内装置は前記患者の生体構造のどの部分にも物理的に取り付けられない。
【0206】
本発明の上記の実施形態およびその他の実施形態を、以下の図面および詳細な説明によりさらに深く説明する。