特許第6378468号(P6378468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6378468
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】光学部材
(51)【国際特許分類】
   G02B 3/02 20060101AFI20180813BHJP
   G02B 17/08 20060101ALI20180813BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20180813BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20180813BHJP
   G09F 13/04 20060101ALN20180813BHJP
【FI】
   G02B3/02
   G02B17/08 Z
   F21V5/04 100
   F21V5/00 510
   !G09F13/04 P
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-12495(P2013-12495)
(22)【出願日】2013年1月25日
(65)【公開番号】特開2014-145790(P2014-145790A)
(43)【公開日】2014年8月14日
【審査請求日】2015年12月22日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000227364
【氏名又は名称】株式会社nittoh
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小泉 文明
【審査官】 藤岡 善行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−003460(JP,A)
【文献】 特開2012−150274(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/176103(WO,A1)
【文献】 特開平08−211269(JP,A)
【文献】 特公平4−36588(JP,B2)
【文献】 特開2012−099409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 3/02
G02B 17/08
G09F 13/04
F21V 5/00
F21V 5/04
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から照射された光が入射され、この入射された光の配光を制御して、少なくとも光源の光軸を挟んで両側に位置する表示面に向けて光を出射する光学部材において、
前記光源から照射され前記光学部材内に入射された光の一部が他の面で反射されることなく到達し、光の進行方向である照明方向の側に向けて反射すると共に、光の進行方向の後側から前側に向かうにつれて徐々に大径となる反射面と、
前記光学部材に入射された光を前記照明方向に向けて出射する出射面と、
を有し、
前記出射面には、
凹部の中心が光軸上に配置されると共に、透過する光を両側の前記表示面のうち前記照明方向の前方の端部側を含む第1照明領域および両側の前記表示面で挟まれた前記照明方向の前側部分に出射するための軸上凹部と、
前記軸上凹部の側面を構成すると共に、前記光学部材内を進行する光が臨界角を超えて入射する光を透過させずに全反射させる軸上凹部側面と、
前記軸上凹部の周囲に配置され、前記光軸から離れるに従って前記光の入射側に向かうと共に、前記軸上凹部側面で全反射した光を、両側の前記表示面のうち前記照明方向の後方の端部から前方側の第2照明領域に出射し、前記光学部材内に入射された光であって前記軸上凹部側面で全反射せずに直接入射された光を前記第1照明領域と前記第2照明領域の間の第3照明領域に出射するための傾斜面と、
が形成されていることを特徴とする光学部材。
【請求項2】
請求項1に記載の光学部材において、
前記軸上凹部の周囲に前記光軸を中心とする環状に、前記傾斜面よりも大きな曲率の曲面である環状曲面が形成されていることを特徴とする光学部材。
【請求項3】
請求項2に記載の光学部材において、
前記軸上凹部および前記環状曲面の少なくとも1つの周縁部は、曲面に形成されていることを特徴とする光学部材。
【請求項4】
請求項2または3に記載の光学部材において、
前記環状曲面は凹状の曲面であることを特徴とする光学部材。
【請求項5】
請求項2または3に記載の光学部材において、
前記環状曲面は凸状の曲面であることを特徴とする光学部材。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の光学部材は、中実な構成であることを特徴とする光学部材。
【請求項7】
請求項2に記載の光学部材において、
前記環状曲面の外側の前記傾斜面に粗面化処理が施されていることを特徴とする光学部材。
【請求項8】
請求項1から7に記載の光学部材において、
前記光学部材は、前記光学部材の周囲に壁部を有することを特徴とする光学部材。
【請求項9】
長尺状の空間の一端側に配置された光源と、前記光源から照射された光が入射され、この入射された光の配光を制御して出射すると共に、少なくとも光源の光軸を挟んで両側に位置する表示面に向けて光を出射する光学部材とを備える看板において、
前記光学部材は、
前記光源から照射され前記光学部材内に入射された光の一部が他の面で反射されることなく到達し、光の進行方向である照明方向の側に向けて反射すると共に、光の進行方向の後側から前側に向かうにつれて徐々に大径となる反射面と、
前記光学部材に入射された光を前記照明方向に向けて出射する出射面と、
を有し、
前記出射面には、
凹部の中心が光軸上に配置されると共に、透過する光を両側の前記表示面のうち前記照明方向の前方の端部側を含む第1照明領域および両側の前記表示面で挟まれた前記照明方向の前側部分に出射するための軸上凹部と、
前記軸上凹部の側面を構成すると共に、前記光学部材内を進行する光が臨界角を超えて入射する光を透過させずに全反射させる軸上凹部側面と、
前記軸上凹部の周囲に配置され、前記光軸から離れるに従って前記光の入射側に向かうと共に、前記軸上凹部側面で全反射した光を、両側の前記表示面のうち前記照明方向の後方の端部から前方側の第2照明領域に出射し、前記光学部材内に入射された光であって前記軸上凹部側面で全反射せずに直接入射された光を前記第1照明領域と前記第2照明領域の間の第3照明領域に出射するための傾斜面と、
が形成されていることを特徴とする看板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、光源の光軸を挟んで2つの表示面が対向して配置される構成の看板が知られている。かかる構成の看板においては、2つの表示面の間の一端側に光源が配置され、各表示面が斜め方向から照明される構成となっている。一方、光源から照射された光の配光を制御する光学部材として、たとえば、特許文献1から3の構成のものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−356512号公報
【特許文献2】特開2010−107844号公報
【特許文献3】特開平4−36588号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、互いに対向して配置される各被照明面を斜め方向から照射したとき、従来の光学部材では、各被照明面を光源に近い側から遠い側まで均一な照度で照明することが難しいという問題がある。すなわち、光源の光軸の周囲に複数備えられる各被照明面について、光源に近い側から遠い側まで均一な照度で照明することが難しい。
【0005】
そこで、本発明は、光源の光軸の周囲について、光源に近い側から遠い側に亘って照度の均一化を図ることができる配光を得易い光学部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、光源から照射された光が入射され、この入射された光の配光を制御して、少なくとも光源の光軸を挟んで両側に位置する表示面に向けて光を出射する光学部材において、光源から照射され光学部材内に入射された光の一部が他の面で反射されることなく到達し、光の進行方向である照明方向の側に向けて反射すると共に、光の進行方向の後側から前側に向かうにつれて徐々に大径となる反射面と、光学部材に入射された光を照明方向に向けて出射する出射面と、を有し、出射面には、凹部の中心が光軸上に配置されると共に、透過する光を両側の表示面のうち照明方向の前方の端部側を含む第1照明領域および両側の表示面で挟まれた照明方向の前側部分に出射するための軸上凹部と、軸上凹部の側面を構成すると共に、光学部材内を進行する光が臨界角を超えて入射する光を透過させずに全反射させる軸上凹部側面と、軸上凹部の周囲に配置され、光軸から離れるに従って光の入射側に向かうと共に、軸上凹部側面で全反射した光を、両側の表示面のうち照明方向の後方の端部から前方側の第2照明領域に出射し、光学部材内に入射された光であって軸上凹部側面で全反射せずに直接入射された光を第1照明領域と第2照明領域の間の第3照明領域に出射するための傾斜面と、が形成されていることとする。
【0007】
また、本発明の光学部材は、軸上凹部の周囲に光軸を中心とする環状に、傾斜面よりも大きな曲率の曲面である環状曲面が形成されていることが好ましい。
【0008】
また、本発明の光学部材は、軸上凹部および環状曲面の少なくとも1つの周縁部は、曲面に形成されていることが好ましい。
【0009】
また、本発明の光学部材は、環状曲面は凹状の曲面であることが好ましい。
【0010】
また、本発明の光学部材は、環状曲面は凸状の曲面であることが好ましい。
【0011】
また、本発明の光学部材は、中実な構成であることが好ましい。
【0012】
また、本発明の光学部材は、環状曲面の外側の傾斜面に粗面化処理が施されていることが好ましい。
【0013】
また、本発明の光学部材は、光学部材の周囲に壁部を有することが好ましい。また、別の観点の看板の本発明は、長尺状の空間の一端側に配置された光源と、光源から照射された光が入射され、この入射された光の配光を制御して出射すると共に、少なくとも光源の光軸を挟んで両側に位置する表示面に向けて光を出射する光学部材とを備える看板において、光学部材は、光源から照射され光学部材内に入射された光の一部が他の面で反射されることなく到達し、光の進行方向である照明方向の側に向けて反射すると共に、光の進行方向の後側から前側に向かうにつれて徐々に大径となる反射面と、光学部材に入射された光を照明方向に向けて出射する出射面と、を有し、出射面には、凹部の中心が光軸上に配置されると共に、透過する光を両側の表示面のうち照明方向の前方の端部側を含む第1照明領域および両側の表示面で挟まれた照明方向の前側部分に出射するための軸上凹部と、軸上凹部の側面を構成すると共に、光学部材内を進行する光が臨界角を超えて入射する光を透過させずに全反射させる軸上凹部側面と、軸上凹部の周囲に配置され、光軸から離れるに従って光の入射側に向かうと共に、軸上凹部側面で全反射した光を、両側の表示面のうち照明方向の後方の端部から前方側の第2照明領域に出射し、光学部材内に入射された光であって軸上凹部側面で全反射せずに直接入射された光を第1照明領域と第2照明領域の間の第3照明領域に出射するための傾斜面と、が形成されていることとする。


【発明の効果】
【0014】
本発明による光学部材によれば、光源の光軸の周囲について、光源に近い側から遠い側に亘って照度の均一化を図ることができる配光を得易い光学部材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態に係る光学部材の光軸を含む面における断面の構成を示す図である。
図2図1に示す光学部材を用いる看板の構成を示す断図面である。
図3】光学部材の集光レンズ面から光学部材に入射し出射面から出射する光の光路を例示する図である。
図4】光学部材の集光レンズ面から光学部材に入射し出射面から出射する光が看板の表示面を照明する照明範囲を示す図である。
図5】光学部材の内周側面から光学部材に入射し出射面から出射する光の光路を例示する図である。
図6】光学部材の内周側面から光学部材に入射し出射面から出射する光が看板の表示面を照明する照明範囲を示す図である。
図7】光学部材の軸上凹部の周縁部を拡大して示す図である。
図8】光学部材の反射面を凹面鏡にて構成した実施の形態の構成を示す図である。
図9】光学部材の周囲に側壁を備えた実施の形態の構成を示す図である。
図10】光学部材の環状曲面の他の形態を示す図である。
図11】光学部材の軸上凹部の他の形態を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係る光学部材1の構成について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る光学部材1について、光軸Xを含む面における構成を示す断面図である。光学部材1は、光軸Xを回転軸として、図1に示す断面を回転させた形状を呈している。図1において、矢印Fの方向が、光学部材1の照明方向であり、図示外の被照明面が位置する方向となる。以下の説明において、矢印Fの方向を光の進行方向あるいは前方(前側)、その反対方向を後方(後側)と記載することとする。また、光軸Xに向かう(近づく)方向を内側、光軸Xから離れる方向を外側として記載することとする。なお、図1および他の図2から図9において、部材の断面を示す部分であっても図を判り易くするため、断面を示すハッチングを省略することとする。
【0018】
図2は、照明光源用の光学部材として光学部材1を用いた看板100の光軸Xを含む面における断面の概略の構成を示す。看板100は、光学部材1の光軸Xの両側に被照明面となる表示面101,102が配置され、表示面101と表示面102との間の空間103の周囲には、空間103を囲む枠体104が配置されている。光源200および光学部材1は、空間103の一端側に配置される。
【0019】
したがって、光学部材1から出射した光は、光軸Xの両側に配置される表示面101,102を斜め方向(表示面101,102の後方)から照明する。看板100は、表示面101,102が出来るだけ均一な照度で照明されればよく、枠体104については、必ずしもその必要はない。したがって、光学部材1は、以下に説明するように、光源200から出射された光をできるだけ均一な照度で表示面101,102に照射できるように構成されている。
【0020】
光学部材1は、たとえばLED(Light Emitting Diode)により構成される光源200から照射された光が入射され、この入射した光の配光を制御して、図示外の被照明面に向けて出射する機能を有する。光学部材1は、光源200から照射され光学部材1内に入射された光の一部を照明方向Fの側に向けて反射する反射面2と、光学部材1内に入射された光を照明方向Fの側に向けて出射する出射面3とを有する。出射面3には、軸上凹部4と、環状凹部5と、凸状傾斜面6と、凸状傾斜面7とが形成されている。
【0021】
本実施の形態に示す光学部材1は、全体が中実な構成であり、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂あるいはガラスなどの透明な材料(レンズ素材)にて形成されている。光学部材1は、光軸X上に配置される光源200から照射された光を入射面8にて光学部材1内に取り込み、取り込んだ光の一部については、反射面2にて出射面3に向けて反射し、他の一部の光については、直接出射面3から前方に向けて出射させることができるように構成されている。なお、光源200は、LEDの他に、たとえば、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp:冷陰極蛍光管)、電球(たとえば白熱電球)や蛍光灯などを用いることができる。
【0022】
(入射面8)
光学部材1は、全体として、後方に曲面を向けた鐘形状を呈し、鐘形の頂点部分を含む位置に、後方に向けて開口される開口部9を有する凹部10が形成されている。凹部10の内部の空間は、開口部9から前方に向かって凹み、後方から前方に向かって直径が小さくなる略円錐台を呈している。凹部10の底面は、凸面が後方に向く集光レンズ面11として形成されている。また、凹部10の内周側面12は光軸Xを囲むように配置されている。つまり、入射面8は、集光レンズ面11および内周側面12を有し、光源200から照射された光の一部は集光レンズ面11から光学部材1内に入射し、他の一部の光は内周側面12から光学部材1内に入射する。
【0023】
(反射面2)
反射面2は、光軸X上に曲率中心を有すると共に変曲点を有しない曲線が光軸Xを中心に回転させられた回転体の面形状を呈し、光学部材1の外側面を構成する。反射面2は、内周側面12から光学部材1内に入射した光を、出射面3に向けて全反射することができる面形状に構成されている。本実施の形態における光学部材1は中実であり、反射面2は光学部材1と空気との境界面である。したがって、内周側面12から光学部材1内に入射し、反射面2に臨界角を超えて入射した光は反射面2で全反射する。
【0024】
(出射面3)
出射面3には、軸上凹部4と、環状凹部5と、凸状傾斜面6と、凸状傾斜面7とが形成されている。
【0025】
軸上凹部4は、光軸Xを含む部分に形成され、前方から後方に向かって凹む凹部であり、軸上凹部4の内面は、光軸X上に曲率中心が配置される曲面に形成されている。軸上凹部4の内側は空気である。したがって、光学部材1内から軸上凹部4の側面である軸上凹部側面13に臨界角を超えて入射した光は、軸上凹部側面13を透過せず外側に光路を曲げられて全反射させられる。
【0026】
環状凹部5は、軸上凹部4の外側に、光軸Xを中心とする環状に配置されている。環状凹部5は、前方から後方に向かって凹む凹部であり、凹部の内面は、内面よりも前側に曲率中心が配置される曲面に形成されている。環状凹部5は、凸状傾斜面6および凸状傾斜面7よりも大きな曲率の曲面の凹部であり、軸上凹部4の周囲に光軸Xを中心として環状に配置されている環状曲面の1形態である。
【0027】
軸上凹部4と環状凹部5との間は、凸状傾斜面6により接続されている。凸状傾斜面6は、前方に凸面を向ける曲面であって、内側から外側に向かうにしたがって後方に傾斜する斜面である。
【0028】
環状凹部5の外側には凸状傾斜面7が配置されている。凸状傾斜面7は、前方に凸面を向ける曲面であって、内側から外側に向かうにしたがって後方に傾斜する斜面である。
【0029】
(照明光の光路、照明範囲)
図3は、光源200から出射した光のうち、凹部10の集光レンズ面11から光学部材1内に入射し出射面3から出射する光の光路の例を示す。図4は、光源200から出射した光のうち、凹部10の集光レンズ面11から光学部材1に入射し、出射面3から看板100内に出射される照明光の照明範囲の概略を示す図である。図5は、光源200から出射した光のうち、凹部10の内周側面12から光学部材1内に入射し出射面3から出射する光の光路の例を示す。図6は、光源200から出射した光のうち、凹部10の内周側面12から光学部材1に入射し、出射面3から看板100内に出射される照明光の照明範囲の概略を示す図である。
【0030】
光学部材からは、光軸Xに対称の配光で照明光が出射する。図3から図6においては、光路と照明範囲の描画を判り易くするため、中心が光軸Xと重なる照明光以外については、光学部材の光軸Xの一方側から出射する照明光について光路と照明範囲を描画している。図4に示す照明光S2は、中心が光軸Xと重なる照明光であり、図3の光線L3,L4は、照明光S2の光の光路である。したがって、照明光2と光線L3,L4については、光軸Xの両側について描画されている。
【0031】
光学部材1は、光源200から出射され光学部材1に入射した光を、図3から図6に示す配光で照明光を出射できるように、集光レンズ面11、内周側面12、反射面2および出射面3等が構成されている。
【0032】
(光線L1から光線L6)
図3に示すように、光源200から照射され、凹部10の集光レンズ面11から光学部材1内に進入した光は、全体として、出射面3の軸上凹部4および凸状傾斜面6に入射する。
【0033】
集光レンズ面11から光学部材1内に進入した光の一部は、たとえば、光線L1,L2のように、軸上凹部側面13に臨界角を超えて入射し、軸上凹部側面13で外側に向けて全反射される。軸上凹部側面13で外側に向けて全反射された光線L1,L2は、凸状傾斜面6で更に外側に向けて屈折された状態で出射する。
【0034】
また、集光レンズ面11から光学部材1内に進入した光の他の一部は、たとえば、光線L3,L4のように、軸上凹部側面13に臨界角未満で入射し、軸上凹部側面13を透過して前方に出射する。
【0035】
さらに、集光レンズ面11から光学部材1内に進入した光のその他一部は、たとえば、光線L5,L6のように、集光レンズ面11から直接凸状傾斜面6に入射し、凸状傾斜面6を透過して前方に出射する。
【0036】
光線L1,L2は、図4に示すように、主に表示面101,102の照明領域T1(第2照明領域に対応)を照明する照明光S1の光線を代表的に示す光線である。照明領域T1は、概ね、表示面101,102の後方の端部から表示面101,102の前後方向中程までの間の照明領域である。また、光線L3,L4は、図4に示すように、表示面101,102の照明領域T5(第1照明領域に対応)と照明領域T2を照明する照明光S2の光線を代表的に示す光線である。照明領域T2は、看板100の枠体104の前側部分である。光線L5,L6は、図4に示すように、主に照明領域T3(第3照明領域に対応)を照明する照明光S3の光線を代表的に示す光線である。照明領域T3は、概ね、表示面101,102の前後方向中程の照明領域である。照明領域T3の後側の領域と照明領域T1の前側の領域は重なりを有している。
【0037】
(光線L7からL12)
図5に示すように、光源200から照射され、凹部10の内周側面12から光学部材1内に進入した光は、全体として、反射面2で全反射される。そして、反射面2で全反射された光は、全体として、環状凹部5と、その内周側の凸状傾斜面6と、環状凹部5の外周に配置される凸状傾斜面7とに入射する。
【0038】
凹部10の内周側面12から光学部材1内に進入し反射面2で全反射された光の一部は、たとえば、光線L7,L8のように、環状凹部5を透過し前方に出射する。
【0039】
また、凹部10の内周側面12から光学部材1内に進入し反射面2で全反射された光の他の一部は、たとえば、光線L9,L10のように、凸状傾斜面6から前方に出射する。
【0040】
さらに、凹部10の内周側面12から光学部材1内に進入し反射面2で全反射された光のその他の一部は、たとえば、光線L11,L12のように、凸状傾斜面7から前方に出射する。
【0041】
光線L7,L8は、図6に示すように、照明領域T2および表示面101,102の照明領域T4を主に照明する照明光S4の光線を代表的に示す光線である。照明領域T4は照明領域T1の前側領域から表示面101,102の前端に掛けての照明領域である。光線L9,L10は、図6に示すように、主に表示面101,102の照明領域T5を照明する照明光S5の光線を代表的に示す光線である。照明領域T5は、概ね、表示面101,102の前方の端部から照明領域T3の前側領域に重なる照明領域である。光線L11,L12は、図6に示すように、主に照明領域T2および照明領域T5を照明する照明光S6の光線を代表的に示す光線である。
【0042】
(照明光S1)
軸上凹部4および凸状傾斜部6は、集光レンズ面11から光学部材1内に進入した光の一部を、光線L1,L2のように、軸上凹部側面13で全反射させると共に凸状傾斜部6で外側に屈折させ照明領域T1に照射できるように曲率等が設定されている。出射面3に軸上凹部4を設けることで、光線L1,L2のように、軸上凹部側面13で外側に向けて全反射される光を照射し易くなる。さらに、光学部材1においては、軸上凹部側面13で外側に向けて全反射された光線L1,L2は、凸状傾斜面6でさらに外側に向けて屈折され凸状傾斜面6から出射される。
【0043】
したがって、光学部材1は、光源200から出射した光を光学部材1の外側の比較的近く(後方より)に照射することができる。すなわち、光学部材1を用いることで、光源200から出射した光を、表示面101,102の光学部材1に近い側(後端側)である照明領域T1に照射することができる。
【0044】
凸状傾斜面6は、光軸X側から外側に向かうに従って後方に向かう傾斜面となっている。つまり、凸状傾斜面6は、光線L1,L2のように軸上凹部側面13で全反射し、凸状傾斜面6に入射する光線に対して入射角が小さくなるように構成されている。凸状傾斜面6をこのように構成することで、軸上凹部側面13で全反射した光が凸状傾斜面6で後方に向けて全反射してしまう光の量を少なくできる。すなわち、軸上凹部側面13で全反射した光が凸状傾斜面6から出射する割合を増やすことができ、照明領域T1の照度の向上を図ることができる。
【0045】
(照明光S2)
軸上凹部4は凹面であり、凹レンズの機能を有する。軸上凹部4は、集光レンズ面11から光学部材1内に進入した光のうち、光線L3,L4のように軸上凹部側面13に臨界角未満で入射した光を、収束を抑えて出射させ照明領域T2,T5に照射できるように曲率等が設定されている。
【0046】
つまり、光学部材1は、集光レンズ面11から光学部材1内に入射し軸上凹部4を透過する光を、光線L3,L4のように、軸上凹部側面13で収束を抑えられた状態で出射させ照明領域T2,T5に照射させることができる。光学部材1は、集光レンズ面11から光学部材1内に入射し軸上凹部4を透過する光を、照明領域T5に照射させることができる。また、照明領域T2に対しても照射される。
【0047】
(照明光S3)
凸状傾斜面6は凸面であり、凸レンズの機能を有する。凸状傾斜面6は、集光レンズ面11から光学部材1内に進入した光のうち、光線L5,L6のように集光レンズ面11から直接凸状傾斜面6に入射した光を、発散を抑えて照明領域T3に照射することができるように曲率等が設定されている。
【0048】
つまり、光学部材1は、集光レンズ面11から光学部材1内に入射し凸状傾斜面6を透過する光を、光線L5,L6のように、凸状傾斜面6で発散を抑えられた状態で出射させ照明領域T3に照射させることができる。光線L5,L6は、凸状傾斜面6を透過させられることで照明領域T1よりも前方の照明領域T3に照射される。
【0049】
(照明光S4)
環状凹部5は凹面であり、凹レンズの機能を有する。環状凹部5は、内周側面12から光学部材1内に進入し反射面2で全反射された光の一部を、光線L7,L8のように発散された光として出射させ照明領域T2および照明領域T4を照明できるように曲率等が設定されている。
【0050】
つまり、光学部材1は、内周側面12から光学部材1内に進入し反射面2で全反射された光を、光線L7,L8のように環状凹部5で発散された光として出射させ、照明領域T2および照明領域T4に照射させることができる。
【0051】
(照明光S5)
凸状傾斜面6は凸面であり、凸レンズの機能を有する。凸状傾斜面6は、内周側面12から光学部材1内に進入し反射面2で全反射された光の一部を、光線L9,L10のように発散を抑えた状態で出射させ照明領域T5を照明することができるように曲率等が設定されている。
【0052】
つまり、光学部材1は、内周側面12から光学部材1内に進入し反射面2で全反射された光を、光線L9,L10のように発散を抑えた状態で出射させ、照明領域T5に照射させることができる。
【0053】
(照明光S6)
凸状傾斜面7は凸面であり、凸レンズの機能を有する。凸状傾斜面7は、内周側面12から光学部材1内に進入し反射面2で全反射された光の一部を光線L11,L12のように、一旦空間103内で収束させた後、発散状態とさせて照明領域T2および照明領域T5を照明することができるように曲率等が設定されている。
【0054】
つまり、光学部材1は、内周側面12から光学部材1内に進入し反射面2で全反射された光を、光線L11,L12のように、一旦空間103内で収束した後発散状態とし、照明領域T2および照明領域T5に照射させることができる。
【0055】
照明領域T2自体は表示面101,102でないため照明する必要はない。しかしながら、照明領域T2を照明することで、照明領域T2で反射した光により表示面101,102の照明領域T5を照明することができる。照明領域T5は、光源200から遠いため照度が落ち易い。したがって、照明領域T2で反射した光により表示面101,102の照明領域T5を照明することで、表示面101,102の照度の均一化を図ることができる。
【0056】
照明領域T2、すなわち、枠体104の内側の面(空間103側の面)を粗面化処理し、照明領域T2で光が拡散するように反射させることで表示面101,102の照度の均一化をより好適に図ることができる。
【0057】
光源200から離れるほど被照明面の照度は低下する。そこで、光学部材1は、光源200からの距離が照明領域T1よりも遠方の照明領域T3を主に照明光S3については、照明領域T1,T2,T4を照明する照明光S1,S2,S4に比べて大きな光量で光が出射されるように構成されている。また、光学部材1は、光源200からの距離が照明領域T1よりも遠方の照明領域T5を主に照明する照明光S5についても、照明領域T1,T2,T4を照明する照明光S1,S2,S4に比べて大きな光量で光が出射されるように構成されている。
【0058】
照明領域T1は、照明領域T3,T5に比べて光源200に近い。したがって、光学部材1は、照明領域T1を主に照明する照明光S1については、照明領域T3,T5を照明する照明光S3,S5に比べて少ない光量で光が出射するように構成することで、照明領域T1の照度が照明領域T3,T5の照度よりも極端に大きくなることを防止できる。
【0059】
照明領域T2は、表示面101,102の照明に直接関与しない。したがって、光学部材1は、照明領域T2,T5を照明する照明光S2のうち照明領域T2を照明する照明光については、照明光S1,S4,S6を照明する光に比べて少ない光量で光が出射されるように構成されている。なお、光学部材1から出射する照明光S1からS6の光量は上述した構成に限定されるものではない。照明光S1からS6の光量は、照明光S1からS6の照明領域の光源200からの距離や位置関係等に応じて、表示面101,102の照度が均一になるように適宜に調整することが好ましい。
【0060】
(本実施の形態の主な効果)
本実施の形態に係る光学部材1は、光源200から照射された光が入射され、この入射された光の配光を制御して出射するものであり、光源200から照射され光学部材1内に入射された光の一部を照明方向(前方)の側に向けて反射する反射面2と、光学部材1に入射された光を照明方向の側に向けて出射する出射面3とを有する。出射面3は、凹部の中心が光軸X上に配置される軸上凹部4と、軸上凹部4の周囲に配置され、光軸Xを中心に環状に形成される環状凹部5とを有する。
【0061】
光学部材1は上述のように出射面3に軸上凹部4と環状凹部5を備えることで、出射面3から出射する照明光の発散する角度を大きくすることができ、光軸Xの両側に配置される被照明面である表示面101,102の光源200に近い側を広い範囲で照射することができる。
【0062】
また、光学部材1は、軸上凹部4と環状凹部5との間に、光軸Xから離れるに従って光の入射側(後方)に向かう傾斜面として凸状傾斜面6を有する。
【0063】
光学部材1をこのように構成することで、たとえば、照明光S1からS6として示すように、表示面101,102の光源200に近い側から遠い側に亘って均一な照度で照明することができる。
【0064】
上述の光学部材1において、軸上凹部4の周縁部4A、環状凹部5の内側の周縁部5A、および環状凹部5の外側の周縁部5Bの少なくとも1つ周縁部は、曲面に形成されていることが好ましい。周縁部4A,5A,5Bは、出射面3の曲がり方向が変わる変曲部である。図7は、周縁部4Aを拡大して示すもでの、軸上凹部側面13と凸状傾斜面6との境界部である周縁部4Aが曲面に形成されている。周縁部4A,5A,5Bが曲面に形成されていることで、表示面101,102に照明光のゴーストが発生することを抑えることができる。
【0065】
上述の光学部材1において、光学部材1は透明な材料にて形成され、全体が中実な構成となっている。つまり、反射面2の内側は中実であり、反射面2は光学部材1と空気との境界面に構成されている。光学部材1は、たとえば図8に示すように、反射面2の部分を内側に空間20が形成される凹面鏡21にて構成し、凹面鏡21の前方の開口部22に、出射面3が形成されるレンズ体23を配置する構成としてもよい。しかし、係る構成とした場合に比べ、図1に示すように光学部材1を中実な構成とした場合には、反射面2を出射面3の外周縁まで配置し易くなり、反射面2の面積を広くでき、出射面3からの出射光量の増加を図ることができる。
【0066】
光学部材1は、図9に示すように、光学部材1の外周に壁部としての側壁30を備える構成としてもよい。側壁30を備えることで、照明光のゴーストが表示面101,102に発生することを抑えることができる。側壁30の前後方向の長さや配置はゴーストの発生位置により適宜に設定する。
【0067】
図9に示す側壁30は、光学部材1の外周を囲むように構成されているが、側壁30は表示面101,102に照明光のゴーストの発生を防止するものなので、少なくとも光学部材1と表示面101,102との間に配置されていればよい。また、図9に示す側壁30は、光学部材1と一体成形されているが、光学部材1と別体としてもよい。側壁30は透明であっても、ゴーストの発生の抑制に効果があり、また、側壁30に遮光処理を施すことで、より効果的にゴーストの発生を防止できる。
【0068】
光学部材1は、環状凹部5の外側に配置される周面である凸状傾斜面7に粗面化処理を施した構成としてもよい。係る構成とした場合には、凸状傾斜面7を透過する光が粗面により拡散され、表示面101,102より光学部材1に近い領域を照明することができ、表示面101,102の照度の均一化を図り易くなる。また、出射面3は、全面に亘って粗面化処理を施す構成としてもよい。
【0069】
上述の実施の形態では、光軸Xを挟んで対向して配置される表示面101,102を照明する場合に光学部材1を用いる例を示している。しかしながら、光学部材1は、上述のように対向する2つの被照明面を照明する場合に使用されることに限らない。たとえば、光軸Xの周囲の3方あるいは4方さらにはそれ以上の方向に被照明面が配置される場合であっても光学部材1を用いて照明することで、各被照明面の照度の均一化を図ることができる。また、光軸Xの一方側に被照明面が配置される場合であっても光学部材1を用いて照明することで、各被照明面の照度の均一化を図ることができる。また、光軸Xの周囲を円筒状に囲むように被照明面が配置される場合であっても光学部材1を用いて照明することで、各被照明面の照度の均一化を図ることができる。
【0070】
また、上述の実施の形態では、凸状傾斜面6,7は、前方に凸面を向ける曲面としているが平面であってもよい。しかしながら、前方に凸面を向ける曲面とすることで、凸状傾斜面6,7で全反射して光学部材1に戻される光りの量の低下させ、出射面3からの出射量の向上を図ることができる。また、集光作用を持たせることもできる。
【0071】
また、上述の実施の形態では、環状凹部5を環状曲面の1形態とする例を示したが、光学部材1は、図10に示すように、環状曲面を環状凸部40とする構成としてもよい。
【0072】
環状凸部40は、凸状傾斜面6および凸状傾斜面7よりも大きな曲率の曲面の凸部であり、軸上凹部4の周囲に光軸Xを中心として環状に配置されている。環状凸部40には、凹部10の内周側面12から光学部材1内に進入し反射面2で全反射された光の一部が入射し、たとえば、光線L13,L14のように、環状凸部40を透過し前方に出射する。光線L13,L14は、一旦空間103内で収束させれた後、発散状態とさせ環状凹部5と同様に、照明領域T2および照明領域T4を照明することができるように曲率等が設定されている。
【0073】
つまり、環状凸部40を有する光学部材1は、内周側面12から光学部材1内に進入し反射面2で全反射された光を、光線L13,L14のように、一旦空間103内で収束した後発散状態とし、照明領域T2および照明領域T4に照射させることができる。
【0074】
なお、図10に示す光学部材1は、環状曲面が環状凸部40であることを除き、図1から図9を参照して説明した光学部材1と同様の構成である。同一の符号を付しその説明を省略する。
【0075】
上述の光学部材1において、軸上凹部4の周縁部4A、環状凸部40の内側の周縁部40A、および環状凸部40の外側の周縁部40Bの少なくとも1つ周縁部は、曲面に形成されていることが好ましい。出射面3が周縁部4A,40A,40Bにおいて曲率の変化が不連続とならないように、周縁部4A,40A,40Bを曲面に形成することで、表示面101,102に照明光のゴーストが発生することを抑えることができる。
【0076】
また、上述の実施の形態では、軸上凹部4の底面は後方に凹んだ凹曲面となっている。しかしながら、図11に示すように、軸上凹部4の底面を、光軸Xに直交する平面である平面部4Bに形成してもよい。このように軸上凹部4の底面を平面部4Bとした場合には、軸上凹部4の底面を凹曲面とした場合に比べて、この部分を透過する光の発散を抑えることができる。つまり照明光S2の発散角度を狭くすることができる。そのため、照明光S2の照明領域T5の前方側の領域の照度を高めることができる。したがって、たとえば、看板100が前後に長くなった場合に、表示面101,102の前端側にも照明光を配光させ易くなる。
【0077】
なお、図11に示す光学部材1は、軸上凹部4の底面が平面部4Bであることを除き、図1から図9を参照して説明した光学部材1と同様の構成である。同一の符号を付しその説明を省略する。
【0078】
また、上述の実施の形態では、軸上凹部4の底面を前方に突出した凸曲面としてもよい。このように軸上凹部4の底面を凸曲面とした場合には、軸上凹部4の底面を凹曲面または平面部4Bとした場合に比べて、照明光S2の発散をより抑えることができる。そのため、照明光S2の照明領域T5の前方側の領域の照度を一層高めることができる。したがって、たとえば、看板100が前後に長くなった場合に、表示面101,102の前端側に照明光をより配光させ易くなる。
【0079】
以上のように、軸上凹部4の底面の形状を凹面、平面、曲面とすることで照明光S2の配光角度を適宜に変えることができ、照明領域T5照度分布を変えることができる。軸上凹部4の底面の形状を凹面とするとで照明光S2の配光角度が広くなり照明領域T5を後方に広げることができる。逆に、軸上凹部4の底面の形状を凸面とするとで明光S2の配光角度が狭くなり照明領域T5を前方に移動させたり照明領域T5の前方側の照度を向上させることができる。
【0080】
また、上述の実施の形態では、凹部10の底面は集光レンズ11として構成されているが、平面としたり前方に凹む凹曲面としてもよい。
【0081】
また、光学部材1に、たとえば、特開2010−97088、特開2010−123309等に開示される光散乱粒子を混合し、その混合量や混合の分布を調整することで光学部材1から出射する光の配光角度や照度分布を変える構成を備えてもよい。
【0082】
上述の光学部材1において、軸上凹部4の周縁部4A、環状凸部40の内側の周縁部40A、および環状凸部40の外側の周縁部40Bの少なくとも1つ周縁部は、曲面に形成されていることが好ましい。出射面3が周縁部4A,40A,40Bにおいて曲率の変化が不連続とならないように、周縁部4A,40A,40Bを曲面に形成することで、表示面101,102に照明光のゴーストが発生することを抑えることができる。
【符号の説明】
【0083】
X ・・・ 光軸
1 ・・・ 光学部材
2 ・・・ 反射面
3 ・・・ 出射面
4 ・・・ 軸上凹部
4A,5A,5B ・・・ 周縁部
5 ・・・ 環状凹部(環状曲面)
6 ・・・ 凸状傾斜面(傾斜面)
30 ・・・ 壁部
40 ・・・ 環状凸部(環状曲面)
40A,40B ・・・ 周縁部
200 ・・・ 光源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11