特許第6378477号(P6378477)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6378477-燃焼器燃料を加熱するシステム及び方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6378477
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】燃焼器燃料を加熱するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/224 20060101AFI20180813BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   F02C7/224
   F02C7/00 B
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-208698(P2013-208698)
(22)【出願日】2013年10月4日
(65)【公開番号】特開2014-80974(P2014-80974A)
(43)【公開日】2014年5月8日
【審査請求日】2016年9月23日
(31)【優先権主張番号】13/651,813
(32)【優先日】2012年10月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ダーガパラサド・ジャナパニーディ
(72)【発明者】
【氏名】コリー・フレドリック・レンド
(72)【発明者】
【氏名】ディーン・マシュー・エリクソン
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ラッセル・ビルトン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ・レニー・ポンペイ
【審査官】 北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−228678(JP,A)
【文献】 特開平07−269371(JP,A)
【文献】 米国特許第05413879(US,A)
【文献】 特開2010−101319(JP,A)
【文献】 特開平10−205355(JP,A)
【文献】 特開2006−083742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/224
F02C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気供給接続を有するタービン排気プレナムと、
前記排気供給接続の下流側に配置された混合プレナムと、
前記混合プレナムの下流側の熱交換器であって、前記混合プレナムと流体連通する排気入口、排気出口、燃料入口、及び燃料出口を有する熱交換器と、
前記熱交換器の前記排気出口の下流側に配置されたブロワと、
前記ブロワの下流側の再循環入口接続、及び前記混合プレナムと流体接続する再循環出口接続を有する排気再循環プレナムと、
を備え、
前記混合プレナムは、前記再循環出口接続の下流側、かつ熱交換器入口の上流側の複数のバッフルを有する、
燃焼器燃料を加熱するシステム。
【請求項2】
前記再循環入口接続に前記ブロワの下流側に配置された三方弁をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記排気再循環プレナム内で、前記混合プレナムの上流側、かつ前記ブロワの下流側に配置されたスロットル弁をさらに含む、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ブロワと前記タービン排気プレナムとの間に排気戻し接続をさらに含んでいる請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記ブロワと前記排気戻し接続との間に排気戻し弁をさらに含んでいる請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記熱交換器への前記燃料入口の上流側の燃料迂回路入口と、前記熱交換器の前記燃料出口の下流側の燃料迂回路出口とを有する燃料迂回プレナムをさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記燃料迂回プレナムの下流側に配置されたウォッベ指数センサをさらに含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
圧縮機と、
前記圧縮機の下流側の燃焼器と、
前記燃焼器の下流側のタービンと、
前記タービンの下流側のタービン排気プレナムと、
請求項1から7のいずれかに記載のシステムと、
を備える、ガス・タービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、燃焼器燃料を加熱するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス・タービンは、産業用運転及び商用運転に広く用いられている。典型的なガス・タービンは、入口部、圧縮機部、燃焼部、タービン部、及び排気部を含んでいる。入口部は作動流体(例えば空気)を浄化して調整し、この作動流体を圧縮機部へ供給する。圧縮機部は作動流体の圧力を高めて、圧縮された作動流体を燃焼部へ供給する。燃焼部は燃料を圧縮された作動流体と混合してこの混合物に点火し、高温及び高圧を有する燃焼ガスを生成する。燃焼ガスはタービン部に流入し、ここで膨張して仕事を生成する。例えば、タービン部での燃焼ガスの膨張によって、発電機に接続されたシャフトを回転させて、電気を起こすことができる。
【発明の概要】
【0003】
燃焼部に供給される燃料は、液体燃料、気体燃料、又は液体燃料と気体燃料との組み合わせであってよい。燃焼に先立って燃料を加熱すると、一般に燃焼の効率を高めると共に、窒素酸化物(NOx)の望ましくない放出を減少させることができる。加えて、タービン部から出る燃焼ガスは一般的には、かなりの残留熱を有しており、この熱を環境への排出に先立って引き出すと、ガス・タービンの全体的な効率をさらに高めることができる。結果として、タービン部を出た燃焼ガスを用いて燃料を加熱するシステム及び方法があると有用である。
【0004】
本発明の観点及び利点は、以下の記載において記述され、又は記載から明らかな場合があり、又は発明の実施を通じて習得され得る。
【0005】
本発明の一実施形態は、燃焼器燃料を加熱するシステムであって、このシステムは、タービン排気プレナムと、該タービン排気プレナムの下流側の熱交換器とを含んでいる。熱交換器は、排気入口、排気出口、燃料入口、及び燃料出口を有している。排気再循環プレナムが、排気出口の下流側の再循環入口接続、及び排気入口の上流側の再循環出口接続を有している。このシステムはさらに、排気出口から排気再循環プレナムへの再循環排気流を制御する手段を含んでいる。
【0006】
本発明のもう一つの実施形態は、燃焼器燃料を加熱するシステムであって、このシステムは、タービン排気プレナムと、該タービン排気プレナムの下流側の熱交換器とを含んでいる。熱交換器は、排気入口、排気出口、燃料入口、及び燃料出口を有している。排気再循環プレナムが、排気出口の下流側の再循環入口接続、及び排気入口の上流側の再循環出口接続を有しており、混合プレナムが、バッフルを設けられて再循環出口接続に位置している。
【0007】
さらにもう一つの実施形態では、ガス・タービンが、圧縮機、圧縮機の下流側の燃焼器、及び燃焼器の下流側のタービンを含んでいる。タービン排気プレナムが、タービンの下流側に位置し、熱交換器が、タービン排気プレナムの下流側に位置している。熱交換器は、排気入口、排気出口、燃料入口、及び燃料出口を有している。排気再循環プレナムが、排気出口の下流側の再循環入口接続、及び排気入口の上流側の再循環出口接続を有している。ガス・タービンはさらに、排気出口から排気再循環プレナムへの再循環排気流を制御する手段を含んでいる。
【0008】
当業者は、本明細書を吟味すればかかる実施形態の特徴及び観点他をさらに十分に認められよう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の最良の態様を含めた本発明の完全で且つ実施可能な当業者に対する開示が、添付図面の参照を含めて本明細書の残部にさらに具体的に記述される。
図1】本発明の範囲内のガス・タービンの一例のブロック図である。
図2】本発明の第一の実施形態による燃焼器燃料を加熱するシステムのブロック図である。
図3】本発明の第二の実施形態による燃焼器燃料を加熱するシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施形態を詳細に参照し、これらの実施形態の1又は複数の実例を添付図面に示す。詳細な説明は、数値指示及び文字指示を用いて図面の各特徴を参照する。図面及び記載における類似した又は同様の指示は、本発明の類似した又は同様の部材を参照するために用いられている。本書で用いられる「第一」、「第二」及び「第三」との用語は、一つの構成要素を他の構成要素と識別するために互換的に用いられる場合があり、個々の構成要素の位置又は重要性を意味するものではない。加えて、「上流」及び「下流」との用語は、流体の経路における構成要素の相対的な位置を指す。例えば、流体が構成要素Aから構成要素Bへ流れる場合には、構成要素Aは構成要素Bの上流側に位置する。反対に、構成要素Bが構成要素Aからの流体の流れを受ける場合には、構成要素Bは構成要素Aの下流側に位置する。
【0011】
各々の例は、発明の制限のためではなく発明の説明のために掲げられている。実際に、本発明の範囲又は要旨から逸脱することなく本発明に改変及び変形を施し得ることは当業者には明らかとなろう。例えば、一実施形態の一部として図示され又は記載される各特徴を他の実施形態に対して用いて、さらに他の実施形態を得てもよい。このように、本発明は、特許請求の範囲及び均等構成の範囲内にあるような改変及び変形を網羅するものとする。
【0012】
本発明の様々な実施形態は、燃焼器燃料を加熱するシステム及び方法を含んでいる。このシステムは一般的には、タービン排気プレナムの下流側の熱交換器であって、タービン排ガスが残留熱を燃焼器燃料に伝達することを可能にする熱交換器を含んでいる。このシステムはさらに、排気再循環プレナム、混合プレナム、及び/又はタービン排ガスが熱交換器に入るのに先立ってタービン排ガスを減温するように熱交換器からの再循環排気流を制御する手段を含み得る。本発明の特定の実施形態はガス・タービンの文脈で一般に記載され図示され得るが、当業者は本書の教示から、本発明の各実施形態は他の任意のターボ機械と共に用いられることができ、特許請求の範囲に特に記載されていない限り本発明はガス・タービンに限定されないことを容易に認められよう。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による電力を発生するのに用いられるガス・タービン10の一例の作用ブロック図を掲げる。図示のように、ガス・タービン10は一般的には入口部12を含んでおり、入口部12は、ガス・タービン10に流入する作動流体(例えば空気)14を精製しまた他の方法で調整するための一連のフィルタ、冷却コイル、湿分分離器、及び/又は他装置を含み得る。作動流体14は圧縮機16に流入し、圧縮機16は作動流体14に運動エネルギを累進的に与えて、高エネルギを与えられた状態の圧縮された作動流体18を生成する。圧縮された作動流体18は、1又は複数の燃焼器20に流入し、ここで燃料22と混合した後に燃焼して、高温及び高圧を有する燃焼ガス24を生成する。燃焼ガス24はタービン部のタービン26を流れて仕事を生成する。例えば、タービン26の運転が、圧縮された作動流体18を生成する圧縮機16を駆動するように、シャフト28がタービン26を圧縮機16に接続していてよい。代替的に又は加えて、シャフト28はタービン26を、電気を発生するための発電機30に接続していてもよい。タービン26からの排ガス32が、タービン26をタービン26の下流側の排気スタック36に接続し得るタービン排気プレナム34を流れる。排気スタック36は、例えば環境への放出に先立って排ガス32を浄化すると共に排ガス32から追加の熱を抽出する廃熱回収蒸気発生器(図示されていない)を含み得る。
【0014】
燃焼器20に供給される燃料22は、当業者に公知の任意の入手可能な燃料を含み得る。可能な燃料22としては、例えば高炉ガス、コークス炉ガス、天然ガス、メタン、気化型液化天然ガス(LNG)、水素、合成ガス、ブタン、プロパン、オレフィン、ディーゼル、石油留分等、及びこれらの組み合わせがある。一般的には、燃焼に先立って液体燃料を加熱すると、圧縮された作動流体18との混合が強化されて、より希薄な(lean)燃料空気混合物のさらに完全な燃焼が可能になる。図2は、本発明の第一の実施形態による燃焼器燃料22を加熱するシステム40のブロック図を掲げる。図1及び図2に示すように、システム40は排気プレナム34及び/又は排気スタック36に接続していてよく、排ガス32の一部を分流して熱交換器42に通し、排気プレナム34及び/又は排気スタック36に戻すことができる。明確に述べると、システム40は、排気プレナム34に接続される排気供給接続44と、排気プレナム34に接続される排気戻し接続46とを含んでいてよく、各々の接続44、46に、対応する排ガス供給弁及び戻し弁48、50を設けて排気プレナム34及び/又は排気スタック36から分流される排ガス32の量を制御し又は調節する。排ガス供給弁及び戻し弁48、50はグローブ弁、ゲート弁、蝶形弁、ボール弁、ダンパ、又は流体の流れを交互に許し若しくは妨げる当技術分野で公知の他の可変オリフィスの任意の形式のものであってよい。
【0015】
熱交換器42は一般的には、排気入口52、排気出口54、燃料入口56、及び燃料出口58を含んでいる。システム40に設けられているブロワ60が、排ガス32が排気入口52から熱交換器42を通って排気出口54へ流れ得るように、熱交換器42に跨がる排ガス32の差圧を増強させ得る。特定の実施形態では、ブロワ60は、排ガス32の流量及び/又は熱交換器42に跨がる差圧を調節するために可変の速度を有し得る。燃料供給システム62からの燃料22も同様に、熱交換器42を通って燃料入口56から燃料出口58へ流れ得る。この態様で、熱交換器42は、残留熱を排ガス32から燃料22へ伝達して、燃料22を望ましい温度に加熱することができる。
【0016】
熱交換器42に入る燃料22の温度は、周囲温度よりも高くても低くても、又は周囲温度と等しくてもよく、排気プレナム34を流れる排ガス32の温度は1,100°F以上であってもよい。この大きい温度差のため、熱交換器42に望ましくない熱応力が生じ得る。図2に示すように、システム40は、排気入口52に入る排ガス32の温度を低下させるために排気再循環プレナム64の形態の減温器(attemperator)を含み得る。再循環入口接続66が、排気出口54の下流側で排気出口54と排ガス戻し接続46との間に位置している。再循環出口接続68が、排気入口52の上流側で排気入口52と排気供給接続44との間に位置している。システム40はさらに、排気出口54から排気再循環プレナム64への再循環排気流70を制御する手段を含み得る。この手段の作用は、排気出口54から流出して排気再循環プレナム64に入る再循環排気流70の量を制御し又は調節することである。排気出口54から排気再循環プレナム64への再循環排気流70を制御する構造は、システムにおける流体の流れを調節する当業者に公知の1又は複数の制御弁、スロットル弁、ダンパ、及び/又はセンサの任意の組み合わせを含み得る。例えば、図2に示す特定の実施形態では、排気出口54から排気再循環プレナム64への再循環排気流70を制御する構造は、排気再循環プレナム64に設けられたスロットル弁72である。スロットル弁72は、グローブ弁、ゲート弁、蝶形弁、ボール弁、ダンパ、又は流体の流れを制御する当技術分野で公知の他の可変オリフィスであってよい。代替的に又は加えて、排ガス供給弁及び/又は戻し弁48、50の1又は複数が、排気プレナム34及び/又は排気スタック36から分流される排ガス32であって排気再循環プレナム64に流すのに利用可能であり得る排ガス32の量を制御し又は調節することを支援し得る。
【0017】
図2に示すように、システム40はさらに、再循環出口接続68に混合プレナム80を含み得る。混合プレナム80は、チェンバ、タンク、又は他の適当な容積であってよく、1又は複数のバッフル82を内部に且つ/又は当該混合プレナム80の下流側に備えて、排気プレナム34及び/又は排気スタック36から流れてくる相対的に高温の排ガス32と、再循環プレナム64を流れる相対的に低温の再循環排気流70との間の混合を強化する。この態様で、排気再循環プレナム64及び/又は混合プレナム80の組み合わせは、排ガス32が熱交換器42の排気入口52に到達する前に排ガス32の温度を減温して、熱交換器42に跨がる熱応力を低減することができる。加えて、排気再循環プレナム64及び/又は混合プレナム80はまた、排ガス32を、気体燃料に関連する自己発火温度未満及び液体燃料に関連するコークス化温度未満の温度に保つことができる。
【0018】
図2の左側を参照して述べると、燃料22は燃料供給システム62から熱交換器42の燃料入口及び出口56、58を流れて、熱交換器42を流れる排ガス32から残留熱を取り出す。燃料22の形式、ガス燃料の場合には燃料22に関連するウォッベ(Wobbe)指数、及び/又は液体燃料の場合には燃料22の粘度が、燃焼を強化するのに燃料22に望ましい温度を決定するのに用いられ得る因子である。図2に示すように、燃料迂回プレナム90が、燃料22に望ましい温度を達成するように燃料22の一部が熱交換器42を迂回することを可能にしている。燃料迂回プレナム90は、熱交換器42への燃料入口56の上流側の燃料迂回路入口92と、熱交換器42からの燃料出口58の下流側の燃料迂回路出口94とを含み得る。
【0019】
システム40はさらに、燃料迂回プレナム90への迂回燃料流96を制御する手段を含み得る。この手段の作用は、燃料迂回プレナム90に入る迂回燃料流96の量を制御し又は調節することである。燃料迂回プレナム90への迂回燃料流96を制御する構造は、システムにおいて流体の流れを調節するための当業者に公知の1又は複数の制御弁、スロットル弁、及び/又はセンサの任意の組み合わせを含み得る。例えば、図2に示す特定の実施形態では、燃料迂回プレナム90への迂回燃料流96を制御する構造は燃料迂回路入口92の三方弁98である。三方弁98は、グローブ弁、ゲート弁、蝶形弁、ボール弁、又は流体の流れを1本の流路から2本の流路に分割し若しくは分配する当技術分野で公知の他の可変オリフィスの組み合わせを含み得る。代替的な実施形態では、燃料迂回プレナム90への迂回燃料流96を制御する構造は、燃料迂回プレナム90において燃料入口56の上流側及び/又は燃料出口58の下流側に別個のスロットル弁を含み得る。
【0020】
図2に示す様々な排ガス弁48、50、72、三方弁98、及び/又はブロワ60速度は、手動で操作されても遠隔で操作されてもよい。例えば、1又は複数の温度センサ100、ウォッベ指数メータ102、熱量計、粘度計、及び/又は他のセンサが、システム40の様々な位置での排ガス32温度及び燃料22特性を反映した信号104を与えることができる。制御器106が信号104を受け取って、燃料22に望ましい温度及び/又はウォッベ指数を達成するために様々な排ガス弁48、50、72、三方弁98の配置、及び/又はブロワ60速度を遠隔制御する1又は複数の制御信号108を発生することができる。制御器106の技術的効果は、排ガス32温度及び燃料22特性を反映する信号104を予め決められた条件(例えば燃料温度及び排ガス流等)に対して比較して、様々な弁64、66、68、98及びブロワ60速度を操作する制御信号108を発生することである。本書で用いられる場合に、制御器106は、マイクロプロセッサ、回路、又は他のプログラム済み論理回路の任意の組み合わせを含んでいてよく、如何なる特定のハードウェア・アーキテクチャ又はハードウェア構成にも限定されない。本書に記載されるシステム及び方法の各実施形態は、望まれる作用範囲を提供するように任意の適当な態様で構成された1又は複数の汎用若しくはカスタマイズ済み制御器106によって具現化され得る。制御器106は、本書の主題を補完するもの又は本書の主題に無関係なものを問わず付加的な作用範囲を与えるように構成され得る。例えば、1又は複数の制御器106は、コンピュータ可読の形態に翻訳されたソフトウェア命令にアクセスすることにより所載の作用範囲を提供するように構成され得る。ソフトウェアが用いられるときには、任意の適当なプログラム言語、スクリプト言語若しくは他の形式の言語、又は言語の組み合わせを用いて、本書に含まれる教示を具現化することができる。しかしながら、ソフトウェアを排他的に用いる必要はなく、又は全く用いなくてもよい。例えば、必要とされる付加的な詳細な議論なしに当業者には理解されるように、本書に記載され開示されるシステム及び方法の幾つかの実施形態はまた、ハードウェア実装型論理によって具現化されてもよいし、限定しないが特定応用向け回路を含めた他の回路によって具現化されてもよい。言うまでもなく、コンピュータで実行されるソフトウェア及びハードウェア実装型論理、又は他の回路の様々な組み合わせも適当であり得る。
【0021】
図3は、本発明の第二の実施形態による燃焼器燃料を加熱するシステムのブロック図40を掲げる。このシステムもやはり、図1及び図2に示す実施形態に関して前述したような熱交換器42、排気供給接続44、ブロワ60、排気再循環プレナム64、混合プレナム80、及び燃料迂回プレナム90を含んでいる。しかしながら、この特定の実施形態では、排気出口54から排気再循環プレナム64への再循環排気流70を制御する手段のための構造は、再循環入口接続66における三方弁110である。加えて、排気再循環プレナム64に分流されない排ガス32は、図1及び図2に示すようにタービン排気プレナム34又は排気スタック36に戻されるのではなく、単に環境に排出又は放出され得る。結果として、ブロワ60は、排気再循環プレナム64と直列に配置されることができ、当該ブロワ60の所要寸法を実質的に縮小させる。
【0022】
図1図3に示す実施形態はまた、排ガス32からの残留熱を回収することにより効率を高める燃焼器燃料22を加熱する方法を提供することができる。この方法は、例えば、タービン排気プレナム34又はタービン・スタック36に排ガス32を流すステップと、タービン排気プレナム34の下流側の熱交換器42を通るように排ガス32の少なくとも一部を分流させるステップとを含み得る。この方法はさらに、排ガス32の一部を排気再循環プレナム64に流すステップと、熱交換器42に到達する排ガス32を減温するように排気再循環プレナム64への再循環排気流70を制御し又は調節するステップとを含み得る。代替的に又は加えて、この方法は、再循環出口68に設けられた混合プレナム80において排ガス32を再循環排気流70と混合するステップを含み得る。特定の実施形態では、熱交換器42を出る排ガス32はタービン排気プレナム34及び/又はタービン・スタック36に戻されてもよいし、環境に直接放出されてもよい。加えて、この方法は、燃料42の一部を燃料迂回プレナム90に通して熱交換器42を回避して迂回させるステップを含み得る。
【0023】
この書面の記載は、最適な態様を含めて発明を開示し、また任意の装置又はシステムを製造して利用すること及び任意の組み込まれた方法を実行することを含めてあらゆる当業者が発明を実施することを可能にするように実例を用いている。特許付与可能な発明の範囲は特許請求の範囲によって画定されており、当業者に想到される他の実例を含み得る。かかる他の実例は、特許請求の範囲の書字言語に相違しない構造要素を含む場合、又は特許請求の範囲の書字言語と非実質的な相違を有する等価な構造要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0024】
10:ガス・タービン
12:入口部
14:作動流体
16:圧縮機
18:圧縮された作動流体
20:燃焼器
22:燃料
24:燃焼ガス
26:タービン
28:シャフト
30:発電器
32:排ガス
34:排気プレナム
36:排気スタック
40:システム
42:熱交換器
44:排気供給接続
46:排気戻し接続
48:排ガス供給弁
50:排ガス戻し弁
52:排気入口
54:排気出口
56:燃料入口
58:燃料出口
60:ブロワ
62:燃料スキッド
64:排気再循環プレナム
66:再循環入口接続
68:再循環出口接続
70:再循環排気流
72:再循環スロットル弁
80:混合プレナム
82:バッフル
90:燃料迂回プレナム
92:燃料迂回路入口
94:燃料迂回路出口
96:迂回燃料流
98:三方弁
100:温度センサ
102:ウォッベ指数センサ
104:信号
106:制御器
108:制御信号
110:三方弁
図1
図2
図3