(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この特許文献1に開示されたブリスターパックでは、2枚のフィルムがきっちり重ね合わされてロックされるため、各フィルムを摘まみ難く、また、開封し難い。
【0006】
また、特許文献2に開示されブリスターパックでは、同一の外形形状の本体とカバーとが重なり合わされて溶着されるため、特許文献1と同様に、本体とカバーのそれぞれを摘まみ難く、開封し難い。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、包装容器および包装体を提供することである。
【0008】
また、この発明の他の目的は、簡単な構成で容易に開封できる、包装容器および包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、内容物を包装する包装容器である。第1部材は、内容物を載置する
載置部を有する。第2部材は、第1部材の
載置部を覆い、内容物を抑える
凹部を有する。第1部材および第2部材のいずれか一方に吊り下げ用の孔が形成される。吊り下げ用の孔の一部に切り欠きが設けられる。
第1部材および第2部材のうちの他方に、当該第1部材と当該第2部材の重なり状態において切り欠きと対向する位置に、当該第1部材と当該第2部材とが重ならない部分が設けられる。たとえば、孔の形状が変化されたり、孔に対向する部分の形状を変化させたり、それらの両方が変化されたりする。
第1部材と第2部材とが重ならない部分をロックしないで、当該第1部材
の載置部が当該第2部材
の凹部に嵌るように
した。したがって、重ならない部分を摘まんで、第1部材と第2部材とが嵌った状態が解除されるとともに、第2部材が第1部材を覆った状態が解除される。つまり、包装容器が開封される。
【0010】
第1の発明によれば、孔の形状や孔に対向する部分の形状を変化させるだけなので、簡単な構成で、容易に開封することができる。
また、第1の発明によれば、吊り下げ用の孔の一部に切り欠きを設け、その対応する位置に
第1部材と第2部材とが重ならない部分を設けるので、その
重ならない部分を摘まむことによって、第1部材
の載置部が第2部材
の凹部に嵌った状態を解くとともに、第2部材
の凹部が第1部材
の載置部を覆った状態を解くことができる。つまり、包装を容易に解くことができる。
【0015】
第2の発明は、第1の発明に従属し、
第1部材と第2部材とが重ならない部分は、切り欠きの方向とは異なる方向に突出する。
【0016】
第2の発明によれば、
第1部材と第2部材とが重ならない部分を摘まみ易くするので、より簡単に開封することができる。
【0017】
第3の発明は、第1または第2の発明に従属し、
第1部材と第2部材とが重ならない部分に開封方向を示すマークを設けた。
【0018】
第
3の発明によれば、開封方向を直感的に知ることができる。
【0019】
第4の発明は、内容物と当該内容物を包装する包装容器とを含む包装体であって、包装容器は、内容物を載置する
載置部を有する第1部材と、第1部材の
載置部を覆い、内容物を抑える
凹部を有する第2部材を備え、第1部材および第2部材のいずれか一方に吊り下げ用の孔を形成し、吊り下げ用の孔の一部に切り欠きを設け、
第1部材および第2部材のうちの他方に、当該第1部材と当該第2部材の重なり状態において切り欠きと対向する位置に、当該第1部材と当該第2部材とが重ならない部分を設け、第1部材と第2部材とが重ならない部分をロックしないで、当該第1部材
の載置部が当該第2部材
の凹部に嵌るよう
にした、包装体である。
【0020】
第
4の発明においても、第1の発明と同様に、簡単な構成で、容易に開封することができる。
【0021】
第5の発明は、内容物と当該内容物を包装する包装容器と当該包装容器の少なくとも一部を覆う台紙とを含む包装体であって、包装容器は、内容物を載置する
載置部を有する第1部材と、第1部材の
載置部を覆い、内容物を抑える
凹部を有する第2部材を備え、第1部材および第2部材のいずれか一方に吊り下げ用の孔を形成し、吊り下げ用の孔の一部に切り欠きを設け、
第1部材および第2部材のうちの他方に、当該第1部材と当該第2部材の重なり状態において切り欠きと対向する位置に、当該第1部材と当該第2部材とが重ならない部分を設け、第1部材と第2部材とが重ならない部分をロックしないで、当該第1部材
の載置部が当該第2部材
の凹部に嵌るよう
にした、包装体である。
【0022】
第
5の発明においても、第1の発明と同様に、簡単な構成で、容易に開封することができる。
【0023】
第6の発明は、第5の発明に従属し、台紙は
、第1部材
と第2部材とが重ならない部分を覆う。
【0024】
第6の発明によれば、台紙は
、第1部材
と第2部材とが重ならない部分を覆うので、包装体を輸送中や店頭に並べている状態で、意図せずに開封されてしまうのを防止することができる。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、孔の形状や孔に対向する部分の形状を変化させるだけなので、簡単な構成で、容易に開封することができる。
【0026】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1および
図2を参照して、この発明の一実施例である包装容器10は、第1部材12および第2部材14を含み、第1部材12および第2部材14は折れ線Lの位置で連結されて一体的に設けられる。ただし、第1部材12および第2部材14は別個独立に設けるようにしてもよい。
【0029】
なお、
図2は、
図1に示す開いた状態の包装容器10をひっくり返した図である。
【0030】
第1部材12および第2部材14は、透明の樹脂で形成され、第2部材14を第1部材12に被せるように合わせた(閉じた)状態で、2つの内容物22、24(
図4および
図5参照)などを収納する。また、第1部材12および第2部材14は、それぞれ、背面側に凹部120、140が形成され、したがって、前方に突出している。
【0031】
なお、第1部材12および第2部材14は透明の樹脂で形成されるため、実際には、背後に現れる線も見えるが、
図1および
図2では、背後に現れる線については省略してある。
【0032】
図1および
図2に示すように、第2部材14の凹部140で第1部材12の少なくとも一部(突出した部分)を覆うように、包装容器10を折れ線Lで折り曲げて閉じると、
図3(A)および
図3(B)に示すように、第1部材12の突出した部分(載置部122)が第2部材14の凹部140に嵌る。ただし、
図3(A)は包装容器10を閉じた状態を正面から見た図であり、
図3(B)は
図3(A)のIIIB−IIIB断面図を示す。
【0033】
図3(A)に示すように、この明細書においては、包装容器10を正面から見た場合の折れ線Lに並行な方向を横方向といい、これに垂直な方向を縦方向ということにする。また、横方向のいずれか一方をいう場合には、包装容器10を正面から見た場合において、左方向または右方向という。さらに、縦方向のいずれか一方をいう場合には、包装容器10を正面から見た場合において、上方向または下方向という。
【0034】
したがって、
図1および
図2では、第1部材12と第2部材14とを開いた状態であるため、折れ線Lから垂直に遠ざかる方向が第1部材12および第2部材14の上方向であり、折れ線Lに垂直に向かう方向が第1部材12および第2部材14の下方向である。
【0035】
また、
図3(B)に示すように、包装容器10を閉じた状態において、突出している側を前方(正面側)といい、凹部120、140が設けられる側を後方(背面側)という。
【0036】
なお、
図1および
図2では、包装容器10を開いているため、第1部材12と第2部材14では、正面側および背面側が逆になっている。
【0037】
また、
図2に示すように、第1部材12の凹部120は、深さ(高さ)の異なる部分を含み、略四角形状の底面120aを有している。つまり、凹部120は、凹凸を有する底面120aおよび平面で形成される4つの側面120bを有し、底面120aおよび4つの側面120bのそれぞれの接合部分は曲面にされる。底面120aには、後述する模造品200の凸部206aを受け入れる溝1202が設けられ、凸部206bを受け入れる溝1204が設けられ、そして、凸部206cを受け入れる溝1206が設けられる(
図14−
図16参照)。
【0038】
さらに、
図1に示すように、第2部材14の凹部140は、第1部材12の凹部120の最大深さと同程度の一定の深さ(高さ)を有する。したがって、この凹部140は、平面で形成される底面140aおよび平面で形成される4つの側面140bを有し、底面140aおよび4つの側面140bのそれぞれの接合部分は曲面にされる。
【0039】
また、上述したように、第1部材12の背面側に凹部120を設けることにより、その前面側は突出し、これによって、
図1に示すように、内容物22、24(
図4および
図5参照)を載置するための載置部122が形成される。
【0040】
載置部122は、2つの載置領域124および載置領域126を有している。載置領域124は、内容物22を載せる平面の台座124aと、内容物22の一部を受容する溝124b、124cを有している。溝124bは、載置領域124の上側の端部に、横方向に延びて形成される。また、溝124cは、載置領域124の下側の端部に、横方向に延びて形成される。載置領域126は、内容物24を載せる平面の台座126aと、この台座126aの内側であり、背面側に窪む平面を有する凹部126bを有している。なお、台座124aの平面および台座126aの平面は面一ないし略面一に形成される。
【0041】
また、載置部122には、横方向に延びる凸部(凸条)128、130および132が設けられる。凸部128は、載置領域124と載置領域126の間に設けられる。ただし、この実施例では、凸部128は、後述するゲーム装置100のヒンジ106の縦方向の幅と同程度の幅を有している。また、凸部130は、載置領域124の上側に設けられる。そして、凸部132は、載置領域126の下側に設けられる。凸部130、載置領域124、凸部128、載置領域126および凸部132は、この順番で下方向に並んでいる。
【0042】
なお、この実施例では、凸部128は、ゲーム装置100のヒンジ106の縦方向の幅と同程度の幅に設定してあるが、これに限定される必要はない。後述するように、包装容器10の凹部120には、ゲーム装置100の模造品200が装着されるため、凸部128の幅は、この模造品200の設計に応じて適宜変更される。したがって、凸部128の縦方向の幅は、ゲーム装置100のヒンジ106の縦方向の幅と同じに設定されたり、そのヒンジ106の縦方向の幅よりも狭く設定たり、そのヒンジ106の縦方向の幅よりも広く設定されたりする。
【0043】
凸部128、130、132の前面(
図1では上向きの面)は面一ないし略面一に形成され、台座124aおよび台座126aの平面よりも前方に突出している。また、
図3(A)および(B)に示すように、第1部材12および第2部材14を折り畳むと、たとえば、凸部128、130および132の前面は、凹部140の底面140aに当るまたは近接する。ただし、載置領域124および載置領域126においては、台座124aおよび126aと、底面140aとの間に収納部(空間)が形成される。
【0044】
また、
図1および
図2に示すように、第1部材12の上端部の中央には、孔134が設けられる。孔134は、什器や陳列棚に設けられたフックに引っかけるための横長のフック孔134aと、当該フック孔134aの一部を下方に切り欠いた切り欠き孔134bによって構成される。つまり、切り欠き孔134bは、フック孔134aの周縁に設けられる。
【0045】
さらに、
図1および
図2に示すように、第2部材14の上端部の中央であり、第1部材12と第2部材14を重ねた場合に、当該第1部材12に設けられた切り欠き孔134bに対向する位置に、包装容器10を開封するための摘まみ部142が設けられる。つまり、
図3(A)に示すように、包装容器10を閉じた状態において、第1部材12および第2部材14では、フック孔134aの周縁において重なっていない部分が設けられる。
【0046】
また、摘まみ部142は、第2部材14の上辺の一部を上方向に突出させた部分を含む。具体的には、摘まみ部142は、第2部材14のうち、ユーザが指で当該第2部材14を摘まんだり、当該第2部材14に指をかけたりする部分であり、上記の切り欠き孔134bの大きさおよび形状と同程度の部分ないし範囲である。また、摘まみ部142は、一部を繰り抜いた孔142aを含む。この実施例では、孔142aは頂角が下方を向く三角形の形状を有している。
【0047】
なお、この実施例では、第1部材12において、フック孔134aの一部を切り欠いて切り欠き孔134bを設けるとともに、第2部材14の切り欠き孔134bに対向する位置に摘まみ部142を設けるようにしたが、これに限定される必要はない。
【0048】
たとえば、切り欠き孔134bを設けずに、フック孔134aの縦方向の幅を広げるようにしてもよいし、摘まみ部142の突出させた部分の突出量を大きくするようにしてもよい。これらはいずれか一方が採用されてもよいし、両方が採用されてもよい。
【0049】
また、この実施例では、摘まみ部142は、上方向に突出しているが、これに限定される必要はなく、切り欠き孔134bの切り欠き方向とは異なる方向に突出していればよい。
【0050】
図4および
図5は、
図1−
図3に示した包装容器10の内容物22、24の一例を示す。
図4(A)は内容物22の正面図であり、
図4(B)は内容物22の右側面図であり、
図4(C)は内容物22の上面図であり、そして、
図4(D)は内容物22の下面図である。なお、左側面は右側面を左右対称にしただけであるため、左側面の図は省略してある。
【0051】
図4(A)、(B)および(D)に示すように、内容物22は、横長の平板で形成される本体22aを有している。また、
図4(B)、(C)および(D)に示すように、内容物22には、その平板の長手方向の両端部を折り曲げて形成した側板22bが本体22aと一体的に設けられる。さらに、
図4(A)−(D)に示すように、内容物22には、本体22aの短手方向の一方端部であり、本体22aの厚みに相当する段差を有して短手方向に延びる横長の突起22cが本体22aに一体的に設けられる。
【0052】
また、
図5(A)は内容物24の正面図であり、
図5(B)は内容物24の右側面図であり、
図5(C)は内容物24の上面図であり、そして、
図5(D)は内容物24の下面図である。なお、左側面は右側面を左右対称にしただけであるため、左側面の図は省略してある。
【0053】
図5(A)、(B)および(D)に示すように、内容物24は、横長の平板で形成される本体24aを有している。また、
図5(B)、(C)および(D)に示すように、内容物24には、その平板の長手方向の両端部を折り曲げて形成した側板24bが本体24aと一体的に設けられる。
【0054】
なお、この実施例では、内容物22および内容物24の平板は同じまたはほぼ同じ厚みであり、この厚みは、上記の凸部128、130および132が台座124aおよび126aよりも突出している量とほぼ一致する。
【0055】
また、この実施例では、内容物22および内容物24は、
図6(A)および(B)に示すような外観を有するゲーム装置100の筐体(本体)の一部を構成するカバーである。このゲーム装置100は開閉可能に構成される。
図6(A)はゲーム装置100を開いた状態の正面を斜め上方から見た斜視図であり、
図6(B)はゲーム装置100を開いた状態の背面を斜め上方から見た斜視図である。
【0056】
図6(A)に示すように、ゲーム装置100は、第1筐体102および第2筐体104を含み、第1筐体102と第2筐体104とがヒンジ106で回動可能に連結される。したがって、ゲーム装置100の本体は、第1筐体102、第2筐体104およびヒンジ106で構成される。
【0057】
図6(A)に示すように、第1筐体102の正面側のほぼ中央には、第1LCD110が設けられる。また、第1筐体102には、第1LCD110の左右に、第1筐体102の内部に設けられるスピーカからの音を出すための孔102aが設けられる。
【0058】
また、
図6(A)に示すように、第2筐体104の正面側のほぼ中央には、第2LCD112が設けられる。また、第2筐体104には、第2LCD112の左側に十字キー114が設けられ、第2LCD112の右側に4つの押しボタン116が設けられる。
【0059】
また、
図6(B)に示すように、筐体102の背面側の一部には、着脱可能なカバー1020が装着され、筐体104の背面側の一部には、着脱可能なカバー1040が装着される。カバー1020およびカバー1040は、両面テープなどで貼り付けてよいし、ねじ孔を設けて、ねじ止めしてもよい。このカバー1020に代えて、内容物22を装着することができ、カバー1040に代えて、内容物24を装着することができる。
【0060】
なお、
図6(A)および
図6(B)に示したゲーム装置100の構成は一例であり、限定されるべきではない。たとえば、第2LCD112に代えて、または、第2LCD112上にタッチパネルを設けてもよい。
【0061】
たとえば、内容物22および内容物24には、所定の色が付されたり、所定の模様や所定のキャラクタ(アニメキャラクタやゲームキャラクタ)が付されたり(描画されたり)する。ただし、内容物22および内容物24に付される色は同一であってよいし、異なっていてもよい。また、内容物22および内容物24には異なる種類のキャラクタが描画されてよいし、それぞれに描画された内容を合わせて、1つの大きなキャラクタが表現されたり、1つの模様や絵が表現されたりしてもよい。
【0062】
また、通常のゲーム装置100では、本体、すなわち、筐体102、筐体104およびヒンジ106には所定の色が付されている。したがって、上述したように、カバー1020およびカバー1040を、内容物22および内容物24に交換することにより、筐体102および筐体104の一部の色や模様を変えたり、筐体102および筐体104の少なくとも一方に所望のキャラクタを付したりすることができる。つまり、筐体102および筐体104の一部を着せ替えすることができる。ただし、カバー1020およびカバー1040の色と同じ色の内容物22および内容物24に単に交換することもできる。
【0063】
このようなカバー1020に相当する内容物22と、カバー1040に相当する内容物24が包装容器10に収納(包装)される。
図7、
図8(A)および
図8(B)に示すように、内容物22は載置領域124の台座124aに載置され、内容物24は載置領域126の台座126aに載置される。
【0064】
図7は包装容器10の載置部122に内容物22および内容物24を載せる途中の状態を示す斜視図である。また、
図8(A)は包装容器10の載置部122に内容物22および内容物24を載せた状態を正面から見た図であり、
図8(B)は
図8(A)の右側面図である。
【0065】
図8(A)および
図8(B)に示すように、内容物22に設けられた突起22cは、載置領域124に形成された溝124bに受容される。したがって、内容物22の下面(内側の面)を載置領域124の台座124aに当接させることができる。また、内容物24の下面(内側の面)を載置領域126の台座126aに当接させることができる。
【0066】
また、凹部126によって、内容物24の背面側には、当該内容物24を収納する収納部とは異なる収納部(空間)が形成され、この収納部に内容物22および内容物24の取扱説明書などが収納される。
【0067】
ただし、内容物22は突起22cを下方向に向けて載置領域124に載置することもできる。かかる場合には、突起22cは溝124cに受容される。このように、内容物22を上下のいずれの方向にでも載置可能にするのは、たとえば、内容物22および内容物24が収納された包装容器10を陳列した際に、内容物22および内容物24の表面に記載されたキャラクタ等の向きをその提供者ないし発売元の所望の向きに設定するためである。
【0068】
そして、第2部材14が第1部材12の一部を覆うように、折り返し線Lで折り返すことにより、
図9(A)およびそのIXB−IXB断面図である
図9(B)に示すように、内容物22および内容物24を載置した載置部122が第2部材14に設けられた凹部140に嵌まる。したがって、凹部140の底面140aが内容物22および内容物24の表面に当接または近接し、内容物22および内容物24は包装容器10に収納(封止)される。
【0069】
なお、内容物22および内容物24、すなわちカバーを収納した包装容器10は、包装体(カバー包装体)と呼ぶことができる。
【0070】
また、第1部材12と第2部材14の重なり状態をロックする機構を設けたり、第1部材12と第2部材14が当接する部分を溶着ないし接着したりしてもよい。
【0071】
さらに、内容物22および内容物24が収納された包装容器10は、
図10に示すような台紙50に貼り付けられる。これは、第2部材14が第1部材12を覆う状態が容易に離脱されるのを防止したり、内容物22および内容物24の商品名等を表示したりするためである。
【0072】
なお、上記のカバーを収納した包装容器10を台紙50に貼り付けた(台紙50で覆った)もの(後述する台紙付き包装容器60)を包装体と呼んでもよい。
【0073】
図10に示すように、台紙50は、不透明な紙(厚紙)用いた表紙52および裏表紙54を含み、表紙52と裏表紙54は折れ線M1の位置で連結されて一体的に形成される。ただし、
図10(
図11−
図13、
図15および
図16も同じ。)では、斑点を付すことにより、台紙50が不透明であることを示してある。
【0074】
また、表紙52と裏表紙54は同様の形状を有し、折れ線M1を中心としてほぼ線対称に形成される。ただし、裏表紙54には、内容物22および内容物24が収納された包装容器10を台紙50に両面テープやのりで貼り付けるための3つの領域56a、56b、56cが折れ線M2、M3、M4の位置で連結される。
【0075】
さらに、表紙52の中央には第2部材14の凹部140の底面140aと同じ形状で、この底面140aよりも少し大きい繰り抜き孔52aが設けられる。また、繰り抜き孔52aと折れ線M1との間にフック孔134aとほぼ同じ形状およびほぼ同じ大きさの繰り抜き孔52bが設けられる。同様に、裏表紙54には、繰り抜き孔54aおよび繰り抜き孔54bが設けられる。繰り抜き孔54aは、表紙52および裏表紙54を折れ線M1で折り返した場合に、繰り抜き孔52aと重なる位置および大きさで形成される。また、繰り抜き孔54bは、表紙52および裏表紙54を折れ線M1で折り返した場合に、繰り抜き孔52bと重なる位置および大きさで形成される。
【0076】
繰り抜き孔52aおよび繰り抜き孔54aは、包装容器10に収納される内容物22および内容物24を見せるとともに、包装容器10に装着される模造品200(
図14参照)を当該包装容器10を通して見せるために設けられる。
【0077】
また、繰り抜き孔52bおよび繰り抜き孔54bは、フック孔134aを塞がないように設けられる。ただし、切り欠き孔134bおよび摘まみ部142、すなわちフック孔134aの周縁に設けられる第1部材12と第2部材14が重ならない部分は、台紙50で覆われる。このため、台紙50に貼り付けられた包装容器10は、輸送中(搬送中)および陳列されている場合において、意図せずに開封されるのを防止される。
【0078】
図11に示すように、裏表紙54の上に、内容物22および内容物24を収納した包装容器10が載置され、
図12に示すように、領域56a、56bおよび56cの各々が、折れ線M2、M3およびM4で折り返されるとともに、包装容器10の第2部材14の凹部140が設けられていない部分に貼り付けられる。そして、
図12の矢印で示すように、表紙52は、折れ線M1で折り返され、領域56a、56bおよび56cに貼り付けられる。したがって、
図13に示すように、内容物22および内容物24を収納した包装容器10が台紙50に貼り付けられる(包まれる)。以下、この状態の包装容器10を、「台紙付き包装容器60」ということにする。
【0079】
なお、
図13(
図15および
図16も同様)では、台紙付き包装容器60を分かり易く示すために、包装容器10に収納した内容物22、24および第2部材14の背後に見える第1部材12の線についても実線で示してある。
【0080】
台紙付き包装容器60では、包装容器10自体は透明であり、凸部128、130、132は、内容物22、内容物24および台紙50によって覆われていない。したがって、台紙付き包装容器60を正面から見た場合に(正面視で)、凸部128、130、132が設けられる部分を通して、台紙付き包装容器60の背後を見ることができる。同様に、第1部材12の凹部120の側面120bおよび第2部材14の凹部140の側面140bも何ら覆われていないため、台紙付き包装容器60を横から見た場合には(側面視で)、それらの側面120bおよび側面140bを通して、台紙付き包装容器60の反対側を見ることができる。
【0081】
このような台紙付き包装容器60は、販売店の什器や陳列棚に設けられたフックに掛けるなどして、陳列される。したがって、通常、ユーザがゲーム装置100のカバー1020、1040の交換(着せ替え)を検討する場合には、内容物22および内容物24を台紙付き包装容器60から取り出して、ゲーム装置100に合わせてみる必要がある。
【0082】
しかし、購入前においては、通常、台紙付き包装容器60から内容物22および内容物24を取り出して、ユーザが所有するゲーム装置100に合わせることは出来ない。したがって、たとえば、各色のゲーム装置100について、内容物22および内容物24に着せ替えた見本を用意しておくことが考えられるが、ゲーム装置100の色(筐体102、104およびヒンジ106の色)は複数種類存在し、また、内容物22および内容物24も複数種類用意(提供)されるため、上記のような見本をすべての組み合わせについて用意することは困難である。
【0083】
そこで、この実施例では、ゲーム装置100の一部を模した模造品200を用意し、当該模造品200を台紙付き包装容器60に装着することにより、ゲーム装置100を着せ替えた場合の外観を容易に知ることができるようにしてある。たとえば、模造品200は、ゲーム装置100の筐体102、104およびヒンジ106の色と同じ色が付され、ゲーム装置100の色毎に用意される。
【0084】
たとえば、模造品200は、樹脂で形成され、
図14(A)、(B)および(C)に示すように、平板202を含む。ただし、
図14(A)は、模造品200を正面から見た図であり、
図14(B)は
図14(A)のXIVB-XIVB断面図であり、
図14(C)は模造品200を斜め上方から見た斜視図である。
【0085】
なお、
図14(A)および
図14(C)(
図15および
図16(A)および
図16(B)も同じ)では、模造品200に所定の色が付されていることを斜線を付して示してある。
【0086】
この平板202の長手方向の一方端部には、フック204が形成される。また、模造品200は、凸部206a、凸部206bおよび凸部206cを含み、凸部206a、凸部206bおよび凸部206cは、それぞれ、第1部材12に形成された凹部120の底面120aに形成される溝1202、1204および1206に収まる(嵌まる)大きさ(幅および長さ)および間隔で、平板202の表面に形成される。
【0087】
凸部206aは、ゲーム装置100の第1筐体102のうち、カバー1020で覆われる部分を除く部分(上端部)に相当する。凸部206bは、ゲーム装置100の第1筐体102と第2筐体104を連結するヒンジ106の部分に相当する。凸部206cは、ゲーム装置100の第2筐体104のうち、カバー1040で覆われる部分を除く部分(下端部)に相当する。
【0088】
図6(A)および(B)に示したように、ゲーム装置100では、第1筐体102と第2筐体104とはヒンジ106で連結されているため、カバー1020の表面とカバー1040の表面は同一面に設けられていないが、台紙付き包装容器60では、内容物22および内容物24は面一ないし略面一で収納されるため、凸部206a、206b、206cの高さは同じにされる。
【0089】
たとえば、ユーザは自身のゲーム装置100の色と同じ色の模造品200を選び、
図15に示すように、選んだ模造品200を台紙付き包装容器60の裏面側から装着する。すると、
図16(A)および
図16(B)に示すように、凸部206a、206b、206cが凹部120に嵌まる。
【0090】
ただし、
図16(A)は、模造品200を台紙付き包装容器60に装着した状態を正面から見た図である。また、
図16(B)は
図16(A)のXVIB-XVIB断面図である。
【0091】
図16(B)から良く分かるように、模造品200の凸部206aが溝1202に嵌まり、模造品200の凸部206bが溝1204に嵌まり、そして、模造品200の凸部206cが溝1206に嵌まる。
【0092】
したがって、凸部206a、206b、206cの表面ないし前面(突出した面)が、内容物22および内容物24の表面とほぼ面一となる。このため、ユーザは、ゲーム装置100に内容物22および内容物24を装着した場合と同様の外観を容易に知ることができる。具体的には、模造品200が装着された台紙付き包装容器60を正面から見ることにより、内容物22および内容物24を装着したゲーム装置10を開いた状態を背面から見た外観を知ることができる。また、模造品200が装着された台紙付き包装容器60を側面から見ることにより、内容物22および内容物24を装着したゲーム装置10を開いた状態を側面から見た外観を知ることができる。さらに、模造品200が装着された台紙付き包装容器60を斜め方向から見ることにより、内容物22および内容物24を装着したゲーム装置10を開いた状態の背面側を斜め方向から見た外観を知ることができる。
【0093】
このようにして、ユーザは自身が所有するゲーム装置100の色と同じ色の模造品200を選択し、種類の異なる内容物22および内容物24を収納した台紙付き包装容器60の各々に選択した模造品200を順次装着することにより、着せ替えした場合の外観を見て、所望の台紙付き包装容器60を選択(購入)することができる。
【0094】
また、ユーザは、台紙付き包装容器60を購入すると、台紙50を包装容器10から離脱した後に、内容物22および内容物24を包装容器10から取り出す。ただし、台紙50を離脱した包装容器10は
図9に示したとおりである。このとき、ユーザは、第1部材12の第2部材14と重なっていない部分を一方の手で摘まみ、第2部材14に設けられた摘まみ部142を他方の手で摘まみ、孔142aの三角形の頂角が示す方向に第2部材14を引くことにより、第1部材12および第2部材14を開いた状態にすることができる。つまり、第1部材12および第2部材14による包装を解く(開封する)ことができる。
【0095】
また、
図1−
図3に示したように、孔134は、フック孔134aと切り欠き孔134bとで構成され、摘まみ部142と対向する位置に、切り欠き孔134bが設けられるため、ユーザは摘まみ部142を摘まみ易い。また、摘まみ部142に設けられる孔142aの三角形の頂角によって、ユーザは摘まみ部142を引く方向を直感的に知ることができる。したがって、包装を容易に解くことができる。
【0096】
この実施例によれば、包装容器の第2部材のフック孔の周縁において、第1部材と第2部材が重ならない部分を設けるので、第1部材と第2部材をそれぞれ異なる手で摘まむことにより、包装容器を容易に開封することができる。
【0097】
また、この実施例によれば、フック孔の一部に切り欠いた切り欠き孔を設けるだけなので、つまり、フック孔の形状を変化させるだけで、第1部材と第2部材が重ならない部分を設けることができるので、構成が簡単である。
【0098】
さらに、この実施例によれば、正面視が透明な部分を有する台紙付き包装容器にゲーム装置の一部を模造した模造品を合わせることにより、当該ゲーム装置に内容物を装着した場合の外観と同様の外観を見ることができる。つまり、所望の組み合わせを容易に知ることができる。
【0099】
なお、この実施例では、ゲーム装置のような電子機器の筐体の一部を構成するカバーを包装容器に収納するようにしたが、内容物は限定される必要はなく、任意の内容物を収納することができる。
【0100】
また、この実施例では、2つの内容物を収納するようにしたが、収納物は1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0101】
さらに、この実施例では、2つの内容物は、ゲーム装置の筐体の一部を構成するカバーであり、同種の内容物を収納するようにしてあるが、異なる種類の内容物を収納するようにしてもよい。
【0102】
なお、この実施例で示した包装容器および台紙の形状等は単なる一例であり、実際の製品等に応じて適宜変更される。
【0103】
たとえば、実施例で示したゲーム装置では、縦方向に第1筐体と第2筐体を開くため、2つの内容物(カバー)を縦に並べて包装容器に収容したが、書籍を開くように、横方向に第1筐体と第2筐体を開くような装置のカバーを収納する場合には、2つの内容物は横に並べられる。