(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロックリング収容体の前記移動部が有する前記ねじは、前記ロックリング収容体の前記内周のうち前記接続管通過口から見て前記テーパ面の奥かつ前記継手本体進入口の手前に配置される雌ねじであり、
前記継手本体が筒状の受口部を有しており、
前記接続管進入口が前記受口部の一端に配置され、
前記ロックリング押圧面が前記受口部のうち前記接続管進入口の周りに配置され、
前記受口部の外周に前記ロックリング収容体が有する前記雌ねじと螺合する雄ねじが配置されていることを特徴とする請求項4に記載の管継手。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された管継手には、接続管を継手本体に固定するためには締付ナットを深くねじ込まなければならないという問題点と、締付ナットの締付けトルクが高いという問題点とがある。締付ナットを深くねじ込まなければならないほど、接続管を継手本体に固定するための作業量は多くなる。締付ナットの締付けトルクが高ければ高いほど、接続管を継手本体に固定するために必要な力は大きくなる。
【0005】
本発明は、この問題点を解消するものである。その目的は、接続管を継手本体に固定するための作業量を軽減でき、かつ、接続管を継手本体に固定するために必要な力を小さくできる管継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
図面を参照し本発明の管継手を説明する。なおこの欄で図中の符号を使用したのは発明の内容の理解を助けるためである。この欄で図中の符号を使用することには発明の内容を図示した範囲に限定する意図がない。
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、管継手は、中空の継手本体10,210と、ロックリング14と、ロックリング収容体12,212とを備える。継手本体10,210は接続管進入口50を有している。接続管進入口50は接続管150の一端部の進入口である。ロックリング14は接続管150の一端部が継手本体10,210から抜けることを防止する。ロックリング収容体12,212にはロックリング14が収容される。ロックリング収容体12,212の内周には継手本体10,210のうち少なくとも接続管進入口50が設けられている部分が進入する。ロックリング収容体12,212を接続管150が貫通する。ロックリング収容体12,212は、接続管通過口90と、テーパ面72と、継手本体進入口98と、移動部96とを有している。接続管通過口90を接続管150の一端部が通過する。テーパ面72はロックリング収容体12,212の内周に配置される。テーパ面72は、接続管通過口90から離れるにつれ内径が拡がる。継手本体進入口98は継手本体10,210のうち接続管進入口50が設けられている部分の進入口である。継手本体進入口98はテーパ面72とを挟んで接続管通過口90に対向する。移動部96は継手本体10,210のうち継手本体進入口98から進入した部分を継手本体進入口98から見たテーパ面72の方向へ移動させる。ロックリング収容体12,212がロックリング嵌込溝74をさらに有している。ロックリング嵌込溝74は、ロックリング収容体12,212の内周のうちテーパ面72と継手本体進入口98との間に配置される。ロックリング14が、外周部100と、本体対向面102とを有している。外周部100はロックリング嵌込溝74に嵌まる。本体対向面102はロックリング嵌込溝74からはみ出して継手本体10,210に対向する。継手本体10,210が、接続管進入口50に加え、環状のロックリング押圧面52を有している。ロックリング押圧面52は、接続管進入口50の周りに配置される。ロックリング押圧面52は、ロックリング収容体12,212内でロックリング14の本体対向面102に対向する。ロックリング押圧面52の外径は、ロックリング14の内径よりも大きい。
【0008】
ロックリング収容体12,212の移動部96が継手本体10,210のうち継手本体進入口98から進入した部分を継手本体進入口98から見たテーパ面72の方向へ移動させると、継手本体10,210のロックリング押圧面52はロックリング収容体12,212内でロックリング14の本体対向面102に近づきこれを押す。ロックリング押圧面52に押されたロックリング14はロックリング嵌込溝74から出る。ロックリング14がロックリング嵌込溝74から出る際、ロックリング14は窄められる。ロックリング14は、接続管通過口90方向へさらに押されるにつれ、テーパ面72により窄められる。これにより、ロックリング収容体12,212がロックリング嵌込溝74を有していない場合に比べ、接続管150を継手本体10,210に固定するために必要なロックリング収容体12,212の移動量は少なくなる。その結果、接続管150を継手本体10,210に固定するための作業量を軽減できる。窄められたロックリング14は、継手本体10,210の中へ予め入っている接続管150の一端部の外周面に食い込む。この食い込みに必要な力は、継手本体10,210の内周と接続管150の外周との隙間にロックリング14を押し込んでいくためロックリング収容体12,212に与える必要のある力に比べて低い。その結果、接続管150を継手本体10,210に固定するために必要な力を小さくできる。
【0009】
また、上述したロックリング嵌込溝74が、底面80と、テーパ側側面82と、継手本体進入口側側面84とを有してい
る。底面80はロックリング収容体12,212の内部空間に対向する。テーパ側側面82は底面80から見てテーパ面72側に配置される。テーパ側側面82はロックリング収容体12,212の内周との間で稜88を形成する。継手本体進入口側側面84は底面80から見て継手本体進入口98側に配置される。この場合、ロックリング14の外周部100が、テーパ側曲面110と、継手本体進入口側曲面112とを有してい
る。テーパ側曲面110はロックリング嵌込溝74の稜88に沿うように配置されている。テーパ側曲面110はロックリング14がロックリング押圧面52に押されるとロックリング嵌込溝74の稜88に接触して稜88を乗越える。テーパ側曲面110の断面のうち外周部100の長手方向に直交する断面の形状は円弧状である。継手本体進入口側曲面112は本体対向面102と一体に連続する。継手本体進入口側曲面112はロックリング嵌込溝74の継手本体進入口側側面84に沿うように配置されている。継手本体進入口側曲面112の断面のうち外周部100の長手方向に直交する断面の形状は円弧状である。
【0010】
ロックリング14のテーパ側曲面110がロックリング嵌込溝74の稜88に沿うように配置されている。ロックリング押圧面52に押されたロックリング14はその稜88に接触してこれを乗越える。その結果、ロックリング14は窄まる。稜88を乗越えて窄まるので、ロックリング収容体12,212の移動量が同じであれば、テーパ側側面82とロックリング収容体12,212の内周との間に曲面又はテーパ面が形成されている場合に比べ、ロックリング14は小さく窄まる。また、継手本体進入口側曲面112は継手本体進入口側側面84に沿うように配置されている。継手本体進入口側曲面112は本体対向面102と一体に連続する。継手本体進入口側曲面112の外周部100の長手方向に直交する断面の形状は円弧状である。これにより、ロックリング14が窄まる際、継手本体進入口側曲面112が本体対向面102と一体でない場合及びロックリング14の外周部100が継手本体進入口側曲面112に代えて平面を有している場合に比べ、ロックリング14がロックリング押圧面52上をなめらかに滑る。ロックリング14がロックリング押圧面52上をなめらかに滑ると、そうでない場合に比べ、ロックリング収容体12,212の移動中、その移動に要する力が急激に増減する可能性は低下する。さらに、テーパ側側面82がロックリング収容体12,212の内周との間で稜88を形成すると、テーパ側側面82とロックリング収容体12,212の内周との間に曲面又はテーパ面が形成されている場合に比べ、ロックリング14がテーパ面72方向へ偶然に移動する可能性が低下する。その可能性が低下すると、その可能性が低下しない場合に比べ、継手本体10,210に接続管150の一端部が差込まれる際、テーパ面72によって既に窄められていたロックリング14が接続管150の差込みを妨げる可能性は低下する。
【0011】
もしくは、上述したテーパ側側面82がロックリング収容体12,212の内周のうちテーパ面72と稜88を形成することが望ましい。
【0012】
テーパ側側面82がテーパ面72と稜88を形成すると、ロックリング嵌込溝74とテーパ面72とが稜88を挟んで隣接する。これにより、ロックリング嵌込溝74とテーパ面72とが離れている場合に比べ、接続管150を継手本体10,210に固定するために必要なロックリング収容体12,212の移動量は少なくなる。
【0013】
また、上述し
た継手本体進入口側側面84が底面80から見てテーパ側側面82より高いことが望ましい。
【0014】
ロックリング14が継手本体10,210とロックリング収容体12,212との隙間に嵌まるとロックリング14は接続管150に対する抜け止め作用を喪失する。継手本体進入口側側面84が底面80から見てテーパ側側面82より高いと、継手本体進入口側側面84が底面80から見てテーパ側側面82と同じ高さの場合、及び、継手本体進入口側側面84が底面80から見てテーパ側側面82より低い場合に比べ、ロックリング14が継手本体進入口側側面84の縁を乗越えにくくなる。ロックリング14が継手本体進入口側側面84の縁を乗越えにくいので、ロックリング14が継手本体10,210とロックリング収容体12,212との隙間に嵌まりにくくなる。その結果、ロックリング14の抜け止め作用が喪失されにくくなる。
【0015】
また、上述したロックリング収容体12,212が、筒状の内部材60と筒状の外殻62とを有していることが望ましい。内部材60の内周にはテーパ面72とロックリング嵌込溝74とが配置される。外殻62は内部材60と別体である。外殻62は内部材60を収容する。外殻62には、接続管通過口90と移動部96と継手本体進入口98とが配置される。外殻62は内部材押圧部92を有する。内部材押圧部92は接続管通過口90の周りに配置される。内部材押圧部92は内部材60の一端に対向する。移動部96がねじを有している。そのねじは、外殻62が受けたトルクを継手本体進入口98から見たテーパ面72の方向の力に変換し継手本体10,210に加える。内部材60と外殻62との間の静摩擦係数がロックリング押圧面52とロックリング14との間の静摩擦係数より小さい。
【0016】
本発明に言う別体とは、ある物体に他の物体への固定箇所がないため後者の物体上のいずれかの点から見て前者の物体が相対運動可能な状態にあることを言う。内部材60は外殻62と別体である。別体なので、内部材60は外殻62上のいずれかの点から見て相対運動可能な状態にある。ロックリング収容体12,212の外殻62がトルクを受けると、移動部96のねじはそのトルクを継手本体進入口98から見たテーパ面72の方向の力に変換し継手本体10,210に加える。移動部96のねじに力を加えられた継手本体10,210のロックリング押圧面52はロックリング収容体12,212内で接続管通過口90方向へ進む。ロックリング押圧面52はロックリング14の本体対向面102を押す。内部材押圧部92は内部材60の一端を押す。その際、内部材60と外殻62との間の静摩擦係数がロックリング押圧面52とロックリング14との間の静摩擦係数より小さいので、内部材60に外殻62への固定箇所がある場合及びロックリング収容体12,212が接続管通過口90とテーパ面72と移動部96と継手本体進入口98とを有している単一の部品からなる場合に比べ、ロックリング収容体12,212に与える必要のある力を小さくできる。
【0017】
もしくは、上述されたロックリング収容体12,212の移動部が有するねじは、ロックリング収容体12,212の内周のうち接続管通過口90から見てテーパ面72の奥かつ継手本体進入口98の手前に配置される雌ねじであることが望ましい。この場合、継手本体10,210が筒状の受口部30を有していることが望ましい。接続管進入口50が受口部30の一端に配置されることが望ましい。ロックリング押圧面52が受口部30のうち接続管進入口50の周りに配置されることが望ましい。受口部30の外周にロックリング収容体12,212が有する雌ねじと螺合する雄ねじ32が配置されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、接続管を継手本体に固定するための作業量を軽減でき、かつ、接続管を継手本体に固定するために必要な力が小さい管継手を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明のある実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0021】
[構造の説明]
図1は、本実施形態にかかる管継手の外観図である。
図1において、管継手の一部は除去されている。
図1に基づいて、本実施形態にかかる管継手の構成が説明される。本実施形態にかかる管継手は、継手本体10と、一対のロックリング収容ナット12と、一対のロックリング14と、一対の第1シール16と、一対の第2シール18とを備える。
図1において、一対のロックリング14の一方と、一対の第1シール16の一方と、一対の第2シール18の一方とは、一部が除去された状態となっている。
【0022】
継手本体10には接続管150の一端部が差込まれる。本実施形態の場合、継手本体10は筒状である。したがって、継手本体10は中空である。ロックリング収容ナット12は継手本体10に接続される。継手本体10に接続されたロックリング収容ナット12を、上述された接続管150が貫通する。ロックリング14は、ロックリング収容ナット12の内部に収容される。ロックリング14は、継手本体10に接続された接続管150の一端部が継手本体10から抜けることを防止する。第1シール16及び第2シール18は、継手本体10の内部に収容される。第1シール16は、接続管150の外周面と継手本体10の内周面との間を密封する。本実施形態の場合、第1シール16は水素化アクリロニトリルブタジエンゴム製である。第2シール18は、接続管150の外周面と継手本体10の内周面との間を密封する。本実施形態の場合、第2シール18はエチレンプロピレンゴム製である。これにより、継手本体10の中を流れる流体が低温(例えば228.15ケルビンといった第1シール16のシール機能が低下する温度)の場合にも、第2シール18は、接続管150の外周面と継手本体10の内周面との間を密封できる。
【0023】
本実施形態の場合、継手本体10は金属製である。継手本体10は、一対の受口部30と、一対の雄ねじ32と、一対の第1シール溝34と、一対の第2シール溝36と、一対の端側外周突起38と、一対の中央側外周突起40と、ナット接触部42とを有する。上述されたように、本実施形態の場合、継手本体10は筒状である。本実施形態の場合、受口部30は継手本体10の両端に配置される。したがって、本実施形態の場合、受口部30も筒状である。受口部30は、接続管進入口50と環状のロックリング押圧面52と通路部54とを有している。接続管進入口50は接続管150の一端部の進入口である。本実施形態の場合、接続管進入口50は受口部30の一端に配置される。ロックリング押圧面52は接続管進入口50の周りに配置される。ロックリング押圧面52の外径は、ロックリング14の内径よりも大きい。通路部54は、受口部30の内周のうち接続管進入口50と隣り合う位置(継手本体10の外から見て接続管進入口50のすぐ奥)に配置される。接続管進入口50から進入した接続管150の一端部は通路部54を通過する。通路部54の内径は、ロックリング14の内径よりも小さい。雄ねじ32は受口部30の外周に配置される。その結果、本実施形態の場合、雄ねじ32は継手本体10の両端に配置される。本実施形態の場合、第1シール溝34は、受口部30の内周に配置される。その結果、本実施形態の場合、第1シール溝34は、継手本体10の内周の2箇所に配置される。第1シール溝34には第1シール16が嵌め込まれる。本実施形態の場合、第2シール溝36も、受口部30の内周に配置される。その結果、本実施形態の場合、第2シール溝36も、継手本体10の内周の2箇所に配置される。第2シール溝36の位置は、第1シール溝34よりも継手本体10の端に近い。第2シール溝36には第2シール18が嵌め込まれる。端側外周突起38は、継手本体10の外周に設けられる。本実施形態の場合、端側外周突起38は継手本体10の外周を取囲む。中央側外周突起40は、継手本体10の外周に配置される。中央側外周突起40の位置は、端側外周突起38よりも継手本体10の中央に近い。本実施形態の場合、中央側外周突起40も、継手本体10の外周を取囲む。ナット接触部42は、継手本体10の外周のうち、中央側外周突起40の対によって挟まれる位置に配置される。ナット接触部42の側面55は、次に述べられる要件を満たす位置に配置される。その要件とは、ロックリング収容ナット12のナット緩止突起99が中央側外周突起40を乗越えたときにわずかな隙間を空けてロックリング収容ナット12の端と対向するという要件である。
【0024】
図2は、本実施形態にかかるロックリング収容ナット12の断面図である。
図1と
図2とに基づいて、本実施形態にかかるロックリング収容ナット12の構成が説明される。ロックリング収容ナット12は、内部材60と外殻62とを有する。内部材60は円筒状である。外殻62は筒状である。外殻62は内部材60を収容する。外殻62は内部材60と別体である。本実施形態の場合、内部材60と外殻62とは金属製である。本実施形態の場合、内部材60と外殻62との間の静摩擦係数は、ロックリング押圧面52とロックリング14との間の静摩擦係数より小さい。
【0025】
内部材60は、接続管連通口70と、テーパ面72と、ロックリング嵌込溝74と、継手本体連通口76とを有する。接続管連通口70は内部材60の一端に配置される。テーパ面72は、内部材60の内周面のうち、接続管連通口70の隣に配置される。テーパ面72は、接続管連通口70から離れるにつれて、内径が拡がる。ロックリング嵌込溝74は、接続管連通口70から見てテーパ面72の奥に配置される。ロックリング嵌込溝74にロックリング14が収容される。継手本体連通口76は、内部材60の他端に配置される。ロックリング収容ナット12が継手本体10に接続されると、継手本体連通口76は継手本体10に対向する。
【0026】
ロックリング嵌込溝74は、底面80と、テーパ側側面82と、継手本体進入口側側面84とを有する。底面80は、ロックリング収容ナット12の内部空間に対向する。テーパ側側面82は底面80から見てテーパ面72側に配置される。本実施形態の場合、テーパ側側面82はテーパ面72との間で稜88を形成する。継手本体進入口側側面84は、底面80を挟んでテーパ側側面82と対向する。継手本体進入口側側面84は底面80から見て後述される継手本体進入口98側に配置される。本実施形態の場合、底面80から見て継手本体進入口側側面84はテーパ側側面82より高い。
【0027】
外殻62は、接続管通過口90と、内部材押圧部92と、内部材収容部94と、雌ねじ96と、継手本体進入口98と、ナット緩止突起99とを有する。接続管通過口90は、外殻62の一端に配置される。接続管通過口90を接続管150の一端部が通過する。接続管通過口90は、接続管連通口70に対向する。接続管通過口90と接続管連通口70とが対向しているので、接続管通過口90を通過した接続管150の一端部は、接続管連通口70を介して内部材60の内部を通過する。内部材60の内部材押圧部92は接続管通過口90の周りに配置される。内部材押圧部92は内部材60の一端に対向する。内部材収容部94に内部材60が収容される。内部材収容部94の内周面の形状は、内部材60がすっぽりと収まる形状である。上述されたように、内部材60は円筒状である。したがって、内部材60は外殻62の中で回転できる。雌ねじ96は、ロックリング収容ナット12の内周のうち接続管通過口90から見て内部材収容部94の奥に配置される。したがって、内部材収容部94に内部材60が収容されると、接続管通過口90から見た雌ねじ96の位置は、テーパ面72の奥となる。雌ねじ96は、継手本体10の雄ねじ32と螺合する。この螺合により、雌ねじ96は、外殻62が受けたトルクを継手本体進入口98から見たテーパ面72の方向の力に変換し継手本体10に加えることができる。継手本体進入口98は、外殻62の他端に配置される。継手本体進入口98は、雌ねじ96が取囲む空間を介して内部材60の継手本体連通口76に連通する。継手本体進入口98には、継手本体10の受口部30が入る。継手本体進入口98は、雌ねじ96とテーパ面72とを挟んで接続管通過口90に対向する。ナット緩止突起99は、外殻62の内周面のうち継手本体進入口98の隣に設けられている。ナット緩止突起99は、端側外周突起38に引っ掛かる。これにより、ロックリング収容ナット12が継手本体10から脱落することが防止される。
【0028】
図3は、継手本体10の受口部30の先端部分とロックリング収容ナット12の内部材60とロックリング14との断面図である。
図3に基づいて、ロックリング14の構成が説明される。本実施形態の場合、ロックリング14は、線材を丸めて環状にしたものである。その線材の断面形状は、一部が凹んだ円形である。本実施形態の場合、ロックリング14は、つながっていない箇所を有する。したがって、本実施形態の場合、ロックリング14の形状は、C字状である。本実施形態の場合、ロックリング14は、外周部100と、本体対向面102と、内部対向部104とを有している。外周部100はロックリング嵌込溝74に嵌まる。本体対向面102はロックリング嵌込溝74からはみ出して継手本体10の受口部30に対向する。内部対向部104は、ロックリング収容ナット12の内部空間に対向する。外周部100は、テーパ側曲面110と、継手本体進入口側曲面112とを有している。テーパ側曲面110は、テーパ面72とテーパ側側面82とにより形成される稜88に沿うように配置されている。テーパ側曲面110はロックリング14がロックリング押圧面52に押されると稜88に接触して稜88を乗越える。ロックリング14の材料である線材の断面形状から明らかなように、テーパ側曲面110の断面のうち外周部100の長手方向に直交する断面(すなわち、
図3に示されたロックリング14の断面のうちテーパ側曲面110部分)の形状は円弧状である。継手本体進入口側曲面112は本体対向面102と一体に連続する。継手本体進入口側曲面112はロックリング嵌込溝74の継手本体進入口側側面84に沿うように配置されている。継手本体進入口側曲面112の断面のうち外周部100の長手方向に直交する断面(すなわち、
図3に示されたロックリング14の断面のうち継手本体進入口側曲面112部分)の形状は円弧状である。内部対向部104には、接続管抜止突起120が設けられている。この接続管抜止突起120は、ロックリング収容ナット12の内部空間に向かう方向に突出する。本実施形態の場合、ロックリング14の素材である線材のうち凹んだ部分の縁が接続管抜止突起120の一部になっている。これにより、接続管抜止突起120の先端形状はロックリング14の内周全体にわたる線状となる。本実施形態の場合、この接続管抜止突起120の先端のうち互いに対向する部分同士の間隔が通路部54の内径より大きい。
【0029】
[製造方法の説明]
本実施形態にかかる管継手の製造方法は以下の通りである。まず、製造者は、継手本体10、ロックリング収容ナット12、ロックリング14、第1シール16、及び、第2シール18を製造する。これらの製造には周知の方法を採用できる。これらが製造された後、製造者は、第1シール16と第2シール18とを継手本体10の第1シール溝34と第2シール溝36とに嵌める。製造者は、ロックリング収容ナット12のロックリング嵌込溝74にロックリング14の外周部100を嵌める。製造者は、ナット緩止突起99が端側外周突起38に引っ掛かるまで、ロックリング収容ナット12を継手本体10にねじ込む。端側外周突起38がロックリング収容ナット12のナット緩止突起99と引っ掛かることにより、継手本体10からロックリング収容ナット12が抜け落ちることは防止される。その結果、継手本体10のロックリング押圧面52は、ロックリング収容ナット12内でロックリング14の本体対向面102に対向する。これにより、本実施形態にかかる管継手は完成する。
【0030】
[使用方法の説明]
図4は、本実施形態にかかる管継手内に接続管150が挿入された状況を示す断面図である。
図5は、本実施形態にかかる管継手のロックリング14が窄まり始めた時点における断面図である。
図6は、本実施形態にかかる管継手のロックリング14が接続管150に食い込んだ後における断面図である。
図4ないし
図6に基づいて、本実施形態にかかる管継手の使用方法(管継手による接続管150の接続方法)が説明される。
【0031】
まず、作業者は、接続管150の一端部を継手本体10の中に進入させる。ロックリング収容ナット12の接続管通過口90を介して、接続管150の一端部はロックリング収容ナット12を貫通する。続いて、接続管150の一端部は継手本体10の一端から継手本体10の中へ進入する。継手本体10の内部での進入に伴い、接続管150の一端部は、第2シール18と第1シール16とを順次押し広げる。
図4にはこの状況が示されている。上述されたように、本実施形態の場合、ロックリング14の接続管抜止突起120の先端のうち互いに対向する部分同士の間隔が通路部54の内径より大きい。すなわち、ロックリング14の内径は通路部54の内径よりも大きい。ロックリング14の内径が通路部54の内径よりも大きいので、接続管150の進入の際、接続管150の一端部はロックリング14と接触しない。
【0032】
接続管150の一端部が第1シール16を貫通した後、接続管150の一端部が接続管進入口50から見て第1シール溝34の奥に達すると、作業者は、手によってロックリング収容ナット12を締める。ロックリング収容ナット12が締められると、外殻62の雌ねじ96は、外殻62が受けたトルクを継手本体進入口98から見たテーパ面72の方向の力に変換し、雄ねじ32を介してその力を継手本体10に加える。これにより、ロックリング収容ナット12上のいずれかの点から見ると、継手本体10のうち継手本体進入口98から進入した部分は、継手本体進入口98から見たテーパ面72の方向へ雌ねじ96によって移動させられることとなる。これと並行して、作業者は、同様の手順で、継手本体10の他端からその中へ、他の接続管150の一端部を進入させる。すなわち、継手本体10の両端に、2本の接続管150の一端部がほぼ同時に進入する。ロックリング収容ナット12が締められる(その結果、継手本体10のうち継手本体進入口98から進入した部分が雌ねじ96によって移動させられる)ことに伴い、継手本体10のロックリング押圧面52は、ロックリング14を押す。押されたロックリング14は、ロックリング嵌込溝74から押し出される。ロックリング14のテーパ側曲面110は、稜88に接触してこれを乗越える。この際、ロックリング14の本体対向面102と継手本体進入口側曲面112とはロックリング押圧面52の表面を滑る。その結果、ロックリング14は弾性変形する。ロックリング嵌込溝74から押し出されたことに伴い、ロックリング14の内径は窄まる。
図5にはこの状況が示されている。
【0033】
ロックリング14がロックリング嵌込溝74から押し出された後も、作業者は、引き続き手によってロックリング収容ナット12を締める。これに伴い、内部材60のテーパ面72から力を受けるので、ロックリング14が窄まる。ロックリング14が窄まると、接続管抜止突起120が接続管150に食い込む。接続管抜止突起120の食込みが深くなるにつれ、ロックリング収容ナット12の締め付けトルクが大きくなる。ロックリング収容ナット12の締め付けトルクが大きくなると、作業者は、周知の工具によってロックリング収容ナット12を締める。これに伴い、内部材60のテーパ面72から力を受けるので、ロックリング14がさらに窄まる。
図6にはこの状況が示されている。ロックリング収容ナット12のナット緩止突起99が継手本体10の中央側外周突起40を乗越えた後、ロックリング収容ナット12の端が継手本体10のナット接触部42の側面55に接触すると、作業者はロックリング収容ナット12の締め付けを終了する。ロックリング収容ナット12のナット緩止突起99が継手本体10の中央側外周突起40を乗越えることにより、ロックリング収容ナット12は緩まなくなる。これにより、継手本体10から接続管150を引き抜く方向の力が接続管150にかかっても、接続管150は継手本体10から抜けなくなる。さらに、ロックリング収容ナット12が十分締め付けられるとロックリング収容ナット12の端がナット接触部42の側面55に接触するので、作業者は、ロックリング収容ナット12の端がナット接触部42の側面55に接触しているか否かに基づき、ロックリング収容ナット12が十分締め付けられているか否かを容易に判断できる。
【0034】
[本実施形態にかかる管継手の効果]
以上のようにして、本実施形態にかかる管継手では、継手本体10のロックリング押圧面52はロックリング収容ナット12内でロックリング14の本体対向面102に近づきこれを押す。ロックリング押圧面52に押されたロックリング14はロックリング嵌込溝74から出る。ロックリング14がロックリング嵌込溝74から出る際、ロックリング14は窄められる。ロックリング14は、接続管通過口90方向へさらに押されるにつれ、テーパ面72により窄められる。これにより、テーパ面72のみによりロックリング14が窄められる場合に比べ、接続管150を継手本体10に固定するために必要なロックリング収容ナット12のねじ込み量(ひいては、接続管150を継手本体10に固定するために必要なロックリング収容ナット12の移動量)は少なくなる。接続管150の一端部の外周面へのロックリング14の食い込みに必要なロックリング収容ナット12のトルクは、継手本体10の内周と接続管150の外周との隙間にロックリング14を押し込んでいくためのトルクに比べて低い。これにより、ロックリング14が接続管150の一端部の外周面に食い込むために必要な力が、継手本体10の内周と接続管150の外周との隙間にロックリング14を押し込んでいくためロックリング収容体12に与える必要のある力に比べて低くなる。その結果、接続管150を継手本体10に固定するための作業量を軽減でき、かつ、接続管150を継手本体10に固定するために必要な力を小さくできる。
【0035】
また、本実施形態にかかる管継手では、ロックリング押圧面52に押されたロックリング14は稜88に接触してこれを乗越える。その結果、ロックリング14は窄まる。稜88を乗越えて窄まるので、ロックリング収容ナット12のねじ込み量が同じであれば、テーパ側側面82とロックリング収容ナット12の内周との間に曲面又はテーパ面が形成されている場合に比べ、ロックリング14は小さく窄まる。また、本実施形態にかかる管継手では、ロックリング14が窄まる際、継手本体進入口側曲面112が本体対向面102と一体でない場合及びロックリング14の外周部100が継手本体進入口側曲面112に代えて平面を有している場合に比べ、ロックリング14がロックリング押圧面52上をなめらかに滑る。ロックリング14がロックリング押圧面52上をなめらかに滑ると、そうでない場合に比べ、ロックリング収容ナット12の締め付け中、締め付けトルクが急激に増減する可能性は低下する。その可能性が低下すると、ロックリング収容体12の移動中、その移動に要する力が急激に増減する可能性も低下する。
【0036】
また、本実施形態にかかる管継手では、ロックリング嵌込溝74とテーパ面72とが離れている場合に比べ、接続管150を継手本体10に固定するために必要なロックリング収容ナット12のねじ込み量は少ない。
【0037】
しかも、本実施形態にかかる管継手では、ロックリング14が継手本体進入口側側面84の縁を乗越えにくいので、ロックリング14が継手本体10とロックリング収容ナット12との隙間に嵌まりにくい。その結果、ロックリング14の抜け止め作用が喪失されにくい。
【0038】
また、本実施形態にかかる管継手では、内部材60と外殻62との間の静摩擦係数がロックリング押圧面52とロックリング14との間の静摩擦係数より小さい。これにより、内部材60に外殻62への固定箇所がある場合及びロックリング収容ナット12が単一の部品からなる場合に比べ、ロックリング収容ナット12の締付けトルクを低くできる。
【0039】
<変形例の説明>
今回開示された実施形態はすべての点で例示である。本発明の範囲は上述した実施形態に基づいて制限されるものではない。もちろん、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更をしてもよい。
【0040】
例えば、ロックリング収容ナット12の構造は上述したものに限定されない。例えば、ロックリング収容ナットは、内部材60と外殻62との別体から構成されていなくてもよい。ロックリング収容ナットは一体の物であってもよい。雌ねじ96は、継手本体10に設けられた雄ねじ32にかみ合うものでなくてもよい。例えば、雌ねじ96は、継手本体10に固定される物体に設けられている雄ねじにかみ合うものであってもよい。本発明にかかる管継手は、上述された2つのロックリング収容ナット12に代えて、次に述べられる一対のロックリング収容ナットを備えてもよい。その一対のロックリング収容ナットのうち一方は、雌ねじ96に代えて、他方のロックリング収容ナットの雌ねじ96にかみ合う雄ねじを有する。本発明にかかる管継手は、ロックリング収容ナット12に代えて、次に述べられるロックリング収容体を備えてもよい。そのロックリング収容体は、雌ねじ96に代えて、移動部を有する。その移動部は、継手本体10のうち継手本体進入口98から進入した部分を継手本体進入口98から見たテーパ面72の方向へ移動させる。そのたための具体的な形態は特に限定されない。
【0041】
また、ロックリング嵌込溝74の形態は上述したものに限定されない。底面80から見て継手本体進入口側側面84の高さは、テーパ側側面82と同じであってもよい。底面80から見て継手本体進入口側側面84の高さは、テーパ側側面82より高くてもよい。
【0042】
また、テーパ面72とテーパ側側面82との間に内部材60の内周面の一部となる面が形成されており、テーパ側側面82は、その面との間で稜88を形成してもよい
。
【0043】
また、ロックリング14の形態も上述したものに限定されない。
【0044】
また、本発明にかかる管継手の素材は特に限定されない。
【0045】
また、受口部30及び雄ねじ32は継手本体の一端のみに設けられていてもよい。この場合、継手本体の他端の構造は特に限定されない。この場合、ロックリング収容ナット12内にはその受口部30が進入する。ロックリング収容ナット12の雌ねじ96はその雄ねじ32と螺合する。また、継手本体の形態は上述されたものに限定されない。例えば、継手本体はL字状でもT字状でもよい。
図7は、本発明の他の実施形態にかかる管継手の外観図である。
図7において、管継手の一部は除去されている。
図7に基づいて、その管継手の構成が説明される。
【0046】
図7に示される管継手は、継手本体210と、一対のロックリング収容ナット212と、一対のロックリング14と、一対の第1シール16と、一対の第2シール18と、一対のナット止リング220とを備える。継手本体210には接続管150の一端部が差込まれる。継手本体210は筒状である。したがって、継手本体210は中空である。ロックリング収容ナット212は継手本体210に接続される。継手本体210に接続されたロックリング収容ナット212を、上述された接続管150が貫通する。ロックリング14は、ロックリング収容ナット212の内部に収容される。第1シール16及び第2シール18は、継手本体210の内部に収容される。ナット止リング220は、継手本体210の外周に嵌まっている。ロックリング収容ナット212のナット緩止突起99が継手本体210のナット止リング220を乗越えることにより、ロックリング収容ナット212は緩まなくなる。
【0047】
継手本体210は金属製である。継手本体210は、一対の受口部30と、一対の雄ねじ32と、一対の第1シール溝34と、一対の第2シール溝36と、一対の端側外周突起38と、一対の中央側外周溝240と、ナット接触部42とを有する。中央側外周溝240は、継手本体10の外周に配置される。中央側外周溝240の位置は、端側外周突起38よりも継手本体10の中央に近い。本実施形態の場合、中央側外周溝240は、継手本体10の外周を取囲む。中央側外周溝240に、ナット止リング220が嵌まる。
【0048】
ロックリング収容ナット212は、内部材60と外殻62と摺動環材264とを有する。摺動環材264は、内部材60と外殻62との隙間に配置される。ロックリング収容ナット212が摺動環材264を有することにより、ロックリング収容ナット212が摺動環材264を有していない場合に比べ、内部材60は外殻62内で滑りやすくなる。
【0049】
図7に示される管継手のうちその他の点は
図1に示された管継手と同様である。したがって、その詳細な説明は繰返されない。
【0050】
図7に示される管継手では、ロックリング収容ナット212のねじ込みを浅くでき、かつ、ロックリング収容ナット12の締付けトルクが低くなる。特に、呼び径が同じであれば、ロックリング収容ナット12の締付けトルクは、
図1に示された管継手よりも低くなる。ロックリング収容ナット212が摺動環材264を有するためである。ロックリング収容ナット212の締め付け中、締め付けトルクが急激に増減する可能性は低い。ロックリング14の抜け止め作用が喪失されにくい。