特許第6378612号(P6378612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6378612
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】顕微鏡装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/24 20060101AFI20180813BHJP
【FI】
   G02B21/24
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-220523(P2014-220523)
(22)【出願日】2014年10月29日
(65)【公開番号】特開2016-90609(P2016-90609A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年7月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】山崎 晃資
(72)【発明者】
【氏名】松田 雅志
(72)【発明者】
【氏名】山澤 佳嗣
【審査官】 森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−72714(JP,A)
【文献】 特開2006−325343(JP,A)
【文献】 特開2005−51875(JP,A)
【文献】 特開2010−54734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 21/00 − 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源モジュールにより電力が供給され、顕微鏡本体に支持されたステージ上の標本の像を拡大して観察する顕微鏡装置において、
顕微鏡本体はアーム部と、前記アーム部を支持するベース部とからなり、
前記ベース部の背面側であって、焦準ハンドルが設けられる位置より下部に前記電源モジュールを収納する収納部が付設され、
前記電源モジュールにより前記顕微鏡装置に電力を供給して観察する際、前記電源モジュールが前記収納部内外に出し入れ自在であり、
前記収納部の底面の開口部側に、収納された前記電源モジュールの脱落を防止する壁状の脱落防止手段が設けられていることを特徴とする顕微鏡装置。
【請求項2】
前記顕微鏡装置は、前記ベース部内に照明光学系およびLED光源が設けられた正立顕微鏡であることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
【請求項3】
前記電源モジュールは、ACアダプタであることを特徴とする請求項1または2に記載の顕微鏡装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源モジュールを収納する収納部を備える顕微鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医学や生物学等の分野では、細胞等の観察に、標本を照明して観察する顕微鏡が用いられている。また、工業分野においても、金属組織等の品質管理や、新素材の研究開発、電子デバイスや磁気ヘッドの検査等、種々の用途で顕微鏡が利用されている。一般的な顕微鏡では、照明系等に電力を供する電源ユニットを有している。顕微鏡への電力供給源の多くは家庭用電源であるため、通常は変圧器により電圧の変換、および交流から直流への変換をしたうえで、顕微鏡に電力が供給される。
【0003】
変圧器の形態としては、内部回路によって行う方式と、ACアダプタとして外付けにする方式があるが、メンテナンスが容易であり、熱、電気ノイズによる影響も低減できることから、外付け方式が多く採用されている。その一方、変圧器を外付けした場合、顕微鏡本体と別体であることから、観察の際ACアダプタが邪魔になったり、運搬性や収納性が劣るという問題を有している。
【0004】
外付けにしたACアダプタの運搬性、収納性を改善する技術として、顕微鏡本体にプラグ差込口を有するACアダプタ収納部を設け、このプラグ差し込み口にプラグ一体型のACアダプタのプラグを差し込むことにより、ACアダプタを固定可能な顕微鏡が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0021826号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、顕微鏡で観察を行う際、ACアダプタを顕微鏡本体から取り外して使用するため、顕微鏡の設置スペースにゆとりがない場合、ACアダプタが邪魔になるという問題を解決することはできない。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、顕微鏡の運搬性、収納性を向上するとともに、観察の際に省スペースを可能とする顕微鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の顕微鏡装置は、電源モジュールにより電力が供給され、顕微鏡本体に支持されたステージ上の標本の像を拡大して観察する顕微鏡装置において、顕微鏡本体はアーム部と、前記アーム部を支持するベース部とからなり、前記ベース部の背面側であって、焦準ハンドルが設けられる位置より下部に前記電源モジュールを収納する収納部が付設され、前記電源モジュールにより前記顕微鏡装置に電力を供給して観察する際、前記電源モジュールが前記収納部内外に出し入れ自在であり、前記収納部の底面の開口部側に、収納された前記電源モジュールの脱落を防止する壁状の脱落防止手段が設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の顕微鏡装置は、上記発明において、前記収納部に、収納された前記電源モジュールの脱落を防止する脱落防止手段が設けられることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の顕微鏡装置は、上記発明において、前記電源モジュールは、ACアダプタであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる顕微鏡装置は、電源モジュールにより顕微鏡装置に電源を供給する際、電源モジュールが収納部内外に出し入れ自在であるため、顕微鏡の設置スペースにゆとりがない場合であっても、電源モジュールが邪魔にならずに観察を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置の概略構成を示す側面図である。
図2図2は、図1の顕微鏡装置の背面図である。
図3図3は、本発明の実施の形態1の変形例1にかかる顕微鏡装置の収納部の断面図である。
図4図4は、本発明の実施の形態1の変形例2にかかる顕微鏡装置の収納部の断面図である。
図5図5は、本発明の実施の形態2にかかる顕微鏡装置の収納部の断面図である。
図6図6は、図5に示す収納部の背面図である。
図7図7は、本発明の実施の形態3にかかる顕微鏡装置の収納部の断面図である。
図8図8は、本発明の実施の形態4にかかる顕微鏡装置の収納部の断面図である。
図9図9は、本発明の実施の形態5にかかる顕微鏡装置の収納部の断面図である。
図10図10は、本発明の実施の形態6にかかる顕微鏡装置の収納部に設けられる脱落防止手段を説明する図である。
図11図11は、本発明の実施の形態7にかかる顕微鏡装置の収納部に設けられる脱落防止手段を説明する図である。
図12図12は、本発明の実施の形態7の脱落防止手段で使用するプレートの正面図である。
図13図13は、本発明の実施の形態8にかかる顕微鏡装置の収納部に設けられる脱落防止手段を説明する図である。
図14図14は、本発明の実施の形態9にかかる顕微鏡装置の概略構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態にかかる顕微鏡装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。さらにまた、図面は、模式的なものであり、各部材の厚みと幅との関係、各部材の比率等は、現実と異なることに留意する必要がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法や比率が異なる部分が含まれている。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置の概略構成を示す側面図である。図2は、図1の顕微鏡装置の背面図である。なお、図1において、ベース部の一部を断面として示している。実施の形態1は、ステージ下部から照明光を標本に照射し、アーム部により保持された対物レンズにより標本を透過した像を拡大観察する正立顕微鏡を例として説明する。なお、本明細書において、検鏡者が観察のために位置する側を顕微鏡装置の前面、前面と対向する側を顕微鏡装置の背面とする。
【0017】
顕微鏡装置100は、顕微鏡本体1に、ステージ2、レボルバ3および鏡筒4が設けられている。顕微鏡本体1は、顕微鏡装置100の各構成部材を支持する筐体であり、アルミ合金等や、プラスチック材料から形成されたパーツの組み合わせにより構成されている。顕微鏡本体1は、図示しない照明光学系および光源7を内設するベース部1aと、ステージ2とともに、レボルバ3および鏡筒4を保持するアーム部1bとを有する。
【0018】
鏡筒4は、アーム部1bの上面に着脱自在に取り付けられており、内部に図示しない観察光学系が内設されるとともに、接眼レンズ6が取り付けられている。顕微鏡装置100により観察を行う際、鏡筒4は接眼レンズ6が顕微鏡装置100の前面側になるよう取り付けられるが、鏡筒4は回転可能であり、接眼レンズ6が顕微鏡装置100の背面側を向くように回転させ、背面側から標本を観察したり、収納することもできる。
【0019】
レボルバ3は、アーム部1bの下面に取り付けられ、倍率の異なる複数の対物レンズ5が着脱自在に取り付けられている。焦準ハンドル9の操作により、ステージ2が光軸に沿って上下動し、ステージ2上の標本と対物レンズ5との相対距離が変化し、ピント調整が行われる。
【0020】
上記のように、顕微鏡装置100は、ステージ2に載置した標本に、ベース部1a内の照明光学系および光源7により光を照射し、焦準ハンドル9を回動操作しながら、対物レンズ5、観察光学系及び接眼レンズ6により標本の拡大像を得て観察を行う。
【0021】
顕微鏡装置100には、電源モジュール10により電力が供給される。電源モジュール10は、ACアダプタ11と電源ケーブル12とからなる。ACアダプタ11は、アダプタ本体部11aと、ケーブル11bと、コネクタ11cとを備え、コネクタ11cはベース部1aに設けられた接続端子16に挿入される。電源ケーブル12は、電源プラグ12aと、ケーブル12bとを備え、電源プラグ12aがコンセントに挿入される。電源モジュール10および接続端子16により光源回路8に電力が供給されて、光源7から標本に照明が照射される。光源7は、小型化が容易であることからLED(Light Emitting Diode)照明であることが好ましい。
【0022】
実施の形態1において、ACアダプタ11と電源ケーブル12とは着脱可能である。電源プラグ12aの使用が異なる国で使用する場合、電源ケーブル12のみを取り換えて使用することができる。
【0023】
ベース部1aの背面であって、焦準ハンドル9が設けられる位置より下部に、ACアダプタ11を収納する収納部20が設けられる。収納部20は、開口部21を有する箱状の空洞部であり、開口部21には、顕微鏡装置100の運搬時に収納部20からACアダプタ11の脱落を防止する脱落防止部22が設けられる。なお、収納部20は、焦準ハンドル9が設けられる位置より下部であって、光源回路8と干渉しない位置であれば、ベース部1aの側面に設けてもよい。
【0024】
収納部20は、ACアダプタ11全体が収納できる大きさに形成される。収納部20の高さは、上面が焦準ハンドル9の下側になる高さであって、奥行は、光源回路8と干渉しない長さである。脱落防止部材22は、収納部20の底面の開口部21側に設けられた壁状の部材である。脱落防止部材22の高さは、ACアダプタ11が収納部20からの脱落防止、および開口部21からのACアダプタ11の収納のし易さを考慮して決定すればよい。脱落防止部22は、ACアダプタ11の脱落を防止できれば、収納部20の底面の一部分のみに設けられていてもよい。
【0025】
実施の形態1では、コネクタ11cを接続端子16に接続、かつ、電源ケーブル12をアダプタ本体部11aに接続した状態で、ACアダプタ11を収納部20に収納することができる。また、ACアダプタ11を収納部20に収納した状態で、電源プラグ12aをコンセントに接続することにより、顕微鏡装置100に電力を供給し観察を行うことができる。ACアダプタ11を収納部20に収納した状態で観察を行うことができるため、観察スペースが狭い場合でも、ACアダプタ11が邪魔になることがない。また、収納部20にACアダプタ11の脱落防止部22が設けられているため、運搬時にACアダプタ11の脱落の恐れを低減することができる。
【0026】
実施の形態1にかかる顕微鏡装置100は、ACアダプタ11を収納部20に収納した状態で観察を行うことができるため、顕微鏡装置100の設置スペースが狭い場合でもACアダプタ11が邪魔にならず観察できるが、設置スペースにゆとりがある場合や、設置スペースからコンセントが遠い場合は、ACアダプタ11を収納部20から取り出して使用することができる。
【0027】
実施の形態1では、ACアダプタ11を収納部20に収納しているが、収納部を大きくすることによりACアダプタ11および電源ケーブル12を収納してもよい。図3は、本発明の実施の形態1の変形例1にかかる顕微鏡装置の収納部の断面図である。図3において、ベース部の一部を断面として示している。変形例1にかかる顕微鏡装置100Aにおいて、収納部20Aは、ACアダプタ11および電源ケーブル12を収納できる大きさである。収納部20Aを大きくすることにより、ACアダプタ11および電源ケーブル12を収納部20Aに収納することができる。
【0028】
また、収納部には、バッテリを収納してもよい。図4は、本発明の実施の形態1の変形例2にかかる顕微鏡装置の収納部の断面図である。図4において、ベース部の一部を断面として示している。変形例2にかかる顕微鏡装置100Bにおいて、バッテリ13は、バッテリ本体部13aと、ケーブル13bと、コネクタ13cとを備え、コネクタ13cはベース部1aに設けられた接続端子16に挿入される。電源モジュールとしてバッテリ13を使用する場合でも、バッテリ13を収納部20に収納した状態で、顕微鏡装置100Bに電力を供給し観察を行うことができるため、観察スペースが狭い場合でも、バッテリ13が邪魔になることがない。
【0029】
(実施の形態2)
実施の形態2では、開口部を縦長に形成して収納部からのACアダプタの脱落を防止する。図5は、本発明の実施の形態2にかかる顕微鏡装置の収納部の断面図である。図6は、図5に示す収納部の背面図である。なお、図5において、ベース部の一部を断面として示している。
【0030】
実施の形態2に係る顕微鏡装置100Cにおいて、開口部21Cの高さR1は、収納部20Cの高さと同じであって、アダプタ本体部11aの長辺R4より大きく、開口部21Cの幅R2は、アダプタ本体部11aの短辺R3より大きい。ACアダプタ11aは、ACアダプタ11aの長辺R4を縦方向として開口部21Cから収納部20Cに挿入し、その後長辺R4が横方向となるようACアダプタ11aを回転させて設置する。脱落防止部22Cは、開口部21Cの両側面の壁状の部材である。開口部21Cを上記の形状とすることにより、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0031】
また、脱落防止手段として、収納部に着脱可能な蓋部を設けてもよい。顕微鏡装置の運搬、収納時には、ACアダプタを収納部に蓋部を被せ、収納部からのACアダプタの脱落を防止し、観察時には、蓋部を外して開口部からケーブル11bを取り出し、コネクタ11cを接続端子16に挿入すればよい。
【0032】
(実施の形態3)
実施の形態3では、収納部の底面にテーパを形成して収納部からのACアダプタの脱落を防止する。図7は、本発明の実施の形態3にかかる顕微鏡装置の収納部の断面図である。図7において、ベース部の一部を断面として示している。
【0033】
実施の形態3にかかる顕微鏡装置100Dにおいて、収納部20Dの底面にはテーパ部22Dが形成されている。収納部20Dの開口部21側より奥側が低くなるようテーパ部22Dを形成することにより、収納部20DからACアダプタ11の脱落を防止することができる。実施の形態3において、テーパ部22Dが脱落防止手段として機能する。
【0034】
(実施の形態4)
実施の形態4では、収納部の底面に滑り止め部材が敷設される。図8は、本発明の実施の形態4にかかる顕微鏡装置の収納部の断面図である。図8において、ベース部の一部を断面として示している。
【0035】
実施の形態4にかかる顕微鏡装置100Eにおいて、収納部20Eの底面には滑り止め部材22Eが敷設されている。滑り止め部材22Eは、表面に凸凹が形成されたシートや、ゴム等により形成すればよい。運搬等により顕微鏡装置100Eが背面側に傾いた場合でも、滑り止め部材22Eにより収納部20EからのACアダプタ11の脱落を防止することができる。実施の形態4において、滑り止め部材22Eが脱落防止手段として機能する。
【0036】
また、脱落防止手段として、粘着性部材を使用することもできる。粘着性部材を使用する場合、収納部の突き当たりの壁面部に粘着性部材を配設する。ACアダプタ11を収納部に収納する際、粘着性部材を配設した壁面に押し付けることにより、ACアダプタ11が粘着性部材に保持され、脱落を防止することができる。
【0037】
(実施の形態5)
実施の形態5では、収納部の上面に押圧部材23が配設される。図9は、本発明の実施の形態5にかかる顕微鏡装置の収納部の断面図である。図9において、ベース部の一部を断面として示している。
【0038】
実施の形態5にかかる顕微鏡装置100Fにおいて、収納部20Fの上面には、ばね23aと、押え板23bとを備えた押圧部材23が配設される。収納部20FにACアダプタ11を収納されると、アダプタ本体部11aは、ばね23aの付勢力により押え板23bを介して押圧される。これにより、収納部20FからのACアダプタ11の脱落を防止することができる。実施の形態5において、押圧部材23が脱落防止手段として機能する。
【0039】
(実施の形態6)
実施の形態6では、開口部の中央に脱落防止手段が設けられている。図10は、本発明の実施の形態6にかかる顕微鏡装置の背面に設けられた収納部の脱落防止手段を説明する図である。
【0040】
実施の形態6にかかる顕微鏡装置100Gにおいて、脱落防止部24は、ストッパー24aと、ストッパー固定部24bと、当て止め部24cとを備える。ストッパー24aの一端は、ストッパー固定部24bを回転軸の中心として回転可能として、ストッパー固定部24bにより開口部21の外周近傍に接合される。ストッパー24aは、ACアダプタ11を収納部20Gに収納する際は、図10(a)に示すように位置し、ACアダプタ11の収納後、図10(b)に示すように、時計回りに回転されて当て止め部24cに当てつけられる。このようにして、ストッパー24aは開口部21を横断する位置に配設され、収納部20GからのACアダプタ11の脱落を防止することができる。
【0041】
(実施の形態7)
実施の形態7は、自動で動作する脱落防止手段を備える。図11は、本発明の実施の形態7にかかる顕顕微鏡装置の収納部に設けられる脱落防止手段を説明する図である。図12は、本発明の実施の形態7の脱落防止手段で使用するプレートの正面図である。図11において、ベース部の一部を断面として示している。
【0042】
実施の形態7にかかる顕微鏡装置100Hにおいて、脱落防止手段は、プレート17と、プレート収容部18とからなる。プレート17は、図12に示すように、平板状のプレート本体部17aと、プレート本体部17aの中央部に設けられる、収納部20Hの開口部21と略同形の開口部17bと、係止部17cとを備える。プレート収容部18は、係止部17cが収容される第1の収容部18aと、プレート本体部17aが挿入される第2の収容部18bとを備える。プレート17は、プレート収容部18内で、顕微鏡装置100Hの据付面に対して上下に動作可能に取り付けられる。
【0043】
顕微鏡装置100Hが設置スペースに設置されると、図11(a)に示すように、プレート本体部17aの端部は据付面に当てつけられ、プレート17の開口部17bと収納部20Hの開口部21が重なり合うため、ACアダプタ11の収納部20Hへの出し入れが可能となる。一方、顕微鏡装置100Hが運搬される際、図11(b)に示すように、プレート17は、係止部17cが第1の収容部18aの底面で係止されるまで落下する。プレート17の落下により、プレート17の開口部17bがずれるため、ACアダプタ11の脱落を防止できる。
【0044】
(実施の形態8)
実施の形態8は、自動で動作する脱落防止手段を備える。図13は、本発明の実施の形態8にかかる顕微鏡装置の収納部に設けられる脱落防止手段を説明する図である。図13において、ベース部の一部を断面として示している。
【0045】
実施の形態8にかかる顕微鏡装置100Jにおいて、脱落防止手段19は、設置検出部19aと、平板状の台座19bと、台座19bの端部を固定する固定軸部19cと、孔部19dとを備える。設置検出部19aは、端部が孔部19dに挿入され、顕微鏡装置100Jが設置されると、図13(a)に示すように、設置検出部19aの端部は据付面に当てつけられて、固定軸部19cとともに台座19bを水平に保持する。一方、顕微鏡装置100Jが運搬される際、図13(b)に示すように、設置検出部19aは、係止部19eが収納部20Jの底面で係止されるまで落下する。設置検出部19aの落下により台座19bは固定軸部19cを回転軸の中心として反時計回りに回転する。これにより、アダプタ本体部11aは段差部19fにより係止されて脱落を防止できる。
【0046】
(実施の形態9)
実施の形態9にかかる顕微鏡装置は倒立顕微鏡であって、上記した実施の形態1〜8と同様にACアダプタの収納部を備える。図14は、本発明の実施の形態9にかかる顕微鏡装置の概略構成を示す側面図である。図14において、ベース部の一部を断面として示している。
【0047】
実施の形態9にかかる顕微鏡装置200は、アーム1bに支持された光源7から照明が出射され、コンデンサ15を介してステージ2上の標本に照明を照射し、標本を透過した光を、対物レンズ5、ベース部1aおよび鏡筒4に内設される観察光学系(図示しない)、および接眼レンズ6により標本の拡大像を得て観察を行う倒立顕微鏡である。
【0048】
ベース部1aの背面に、ACアダプタ11を収納する収納部20が設けられる。収納部20の開口部21には、顕微鏡装置200の運搬時に収納部20からACアダプタ11の脱落を防止する脱落防止部材22が設けられる。脱落防止部22は、収納部20の底面の開口部21側に設けられた壁状の部材であるが、上記の実施の形態1〜8で例示した他の脱落防止手段を使用することもできる。実施の形態9にかかる顕微鏡装置200において、上記の構造とすることにより、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0049】
顕微鏡装置200は、生細胞を扱う頻度が高いため、収納部20内、またはステージ2やベース部1aの各部に防水手段を設けることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明にかかる顕微鏡装置は、運搬可能な小型の顕微鏡装置に有用である。
【符号の説明】
【0051】
1 顕微鏡本体
1a ベース部
1b アーム部
2 ステージ
3 レボルバ
4 鏡筒
5 対物レンズ
6 接眼レンズ
7 光源
8 光源回路
9 焦準ハンドル
10 電源モジュール
11 ACアダプタ
11a アダプタ本体部
11b、12b、13b ケーブル
11c、13c コネクタ
12 電源ケーブル
12a 電源プラグ
13 バッテリ
13a バッテリ本体部
15 コンデンサ
16 接続端子
17 プレート
18 プレート収容部
20、20A、20C、20D、20E、20F、20G、20H、20J 収納部
21、21C 開口部
22、22C 脱落防止部
22D テーパ部
22E 滑り止め部材
23 押圧部材
19、24 脱落防止手段
100、100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G、100H、100J、200 顕微鏡装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14