(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6378638
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】センサ構成
(51)【国際特許分類】
B60R 21/00 20060101AFI20180813BHJP
B60W 30/06 20060101ALI20180813BHJP
B60W 30/16 20120101ALI20180813BHJP
F16B 9/02 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
B60R21/00 991
B60W30/06
B60W30/16
F16B9/02 C
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-54111(P2015-54111)
(22)【出願日】2015年3月18日
(65)【公開番号】特開2015-186994(P2015-186994A)
(43)【公開日】2015年10月29日
【審査請求日】2015年8月4日
【審判番号】不服2017-8079(P2017-8079/J1)
【審判請求日】2017年6月6日
(31)【優先権主張番号】10 2014 205 505.9
(32)【優先日】2014年3月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500020380
【氏名又は名称】メクラ・ラング・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー
【氏名又は名称原語表記】MEKRA Lang GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルナー・ラング
(72)【発明者】
【氏名】エルマー・フィンケンベルガー
(72)【発明者】
【氏名】シモン・デフナー
(72)【発明者】
【氏名】マティーアス・ツィンク
【合議体】
【審判長】
島田 信一
【審判官】
出口 昌哉
【審判官】
中田 善邦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−327048(JP,A)
【文献】
特許第4056568(JP,B2)
【文献】
特開2009−12751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/00
B60W 30/06
B60W 30/16
F16B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の周囲を監視するために前記自動車の外側に取り付けられるセンサのためのセンサ構成であって、
センサ本体(4)およびセンサヘッド(6)を備えたセンサ(2)であって、前記センサヘッド(6)は、センサ軸(20)を備え、前記センサ軸(20)に沿って前記センサ構成が方向付けられる、センサ(2)と、
センサヘッド開口部(12)を有するセンサヘッド受け(10)を備えたセンサホルダ(8)であって、前記センサヘッド(6)は、前記センサヘッド開口部(12)内に突出し、センサ保持軸(24)が、前記センサヘッド受け(10)によって規定される、センサホルダ(8)と、
前記センサ(2)を前記センサホルダ(8)内に固定するための固定手段(13、14、18、60、94)と、
を備え、
前記センサヘッド受け(10)は、前記センサ(2)を前記センサホルダ(8)内に取り付けた状態で前記センサ保持軸(24)および前記センサ軸(20)が一直線に整列するように形成される、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサ構成であって、前記センサヘッド(6)は、前記センサヘッド開口部(12)内に固定される、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項3】
請求項2に記載のセンサ構成であって、
前記センサヘッド(6)は、前記センサ軸(20)に関して対称的に配列されると共に前記センサホルダ(8)上に載っているセンサヘッドカラー(30)を備える、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項4】
請求項1または2に記載のセンサ構成であって、
前記センサヘッド(6)は、前記センサヘッド開口部(12)を越えて突出し、
前記センサヘッド開口部(12)は、カバー開口部(28)を備えたカバー(26)によって囲まれ、
前記センサヘッド(6)は、前記カバー開口部(28)内に突出し、
所定のギャップ幅(s4)が、前記センサヘッド(6)に対して前記カバー開口部(28)によって決定される、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサヘッド(6)は、センタリング手段(30、32)を備え、前記センサヘッド受け(10)は、対応するセンタリング手段(34)を備える、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、
前記センサ本体(4)は、本体中心軸(22)を備え、
前記固定手段(18、60)は、前記本体中心軸(24)と前記センサ軸(20)との間のずれを補償する、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサ(2)および前記センサホルダ(8)の中または上に配置された保持アーム(40)を備える、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項8】
請求項7に記載のセンサ構成であって、前記センサホルダ(8)は、前記保持アーム(40)と一体化している、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項9】
請求項7に記載のセンサ構成であって、保持アームカバー(46)が設けられており、前記センサホルダ(8)は、前記保持アームカバー(46)と一体化している、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項10】
請求項7に記載のセンサ構成であって、保持アームカバー(46)が設けられており、前記保持アームカバー(46)は、前記センサホルダ(8)と前記保持アームカバー(46)との間のかみ合い縁部の結合(50、52)によって前記センサホルダ(8)が挿入されるセンサホルダ開口部(48)を備える、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項11】
請求項10に記載のセンサ構成であって、外側から見える前記結合(50、52)の結合部ギャップ(62)は、前記センサホルダ(8)と前記保持アームカバー(46)との間に所定のギャップ幅(s5)を有する、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサ(2)、前記センサホルダ(8)、前記保持アーム(40)、および、前記保持アームカバー(46)の間の結合は、クランプ締め、接着結合、および/または、ネジ結合によってなされる、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサ(2)、前記センサホルダ(8)、前記保持アーム(40)、および/または、前記保持アームカバー(46)の間の結合は、熱伝導性である、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサ(2)は、特に前記センサヘッド(6)に配置された加熱手段(96)を備える、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサ(2)はカメラであり、前記センサヘッド(6)はカメラレンズである、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項16】
請求項15に記載のセンサ構成であって、前記カメラは熱画像カメラである、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項17】
請求項1〜14のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサ(2)は、レーダーセンサ、赤外線センサ、および/または、超音波センサを含む、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサホルダ(8)の外面は、前記センサヘッド開口部(12)の周りにつや消し部分を有するか、または、つや消し塗装(98)を施されている、ことを特徴とするセンサ構成。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、指示灯内に組み込まれている、ことを特徴とするセンサ構成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の周囲を監視するためのセンサ構成に関し、特に、請求項1の前提部によれば、車両の外側に取り付けられるセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車では、様々なセンサが、車両の周囲を監視するために絶えず利用されている。駐車支援システムのための超音波センサ、距離監視システムのためのレーダーセンサ、間接ビューイングシステムのためのカメラ、および、自動車の近くにいる人を検出するための熱画像カメラなどが利用されている。
【0003】
図12に示すように、かかるセンサ2は、センサ本体4を備えており、そこから、センサヘッド6が突き出している。センサ2は、センサキャリア8内に保持される。センサキャリア8は、センサヘッド開口部12を備えたセンサヘッド受け10と、センサヘッド開口部12の左右でセンサ本体4の方向に伸びる2つのネジ受け13および14とを備える。センサ本体4は、ネジ穴18を備えると共にセンサ本体4から左右に伸びる2つの固定クリップ15および16を備える。センサ2は、センサキャリア8に挿入され、2つの固定クリップ15および16は、2つのネジ受け13および14の上端に載る。センサ2およびセンサキャリア8は、図に示していないネジによって共にネジ止めされる。2つのネジ受け13および14の高さは、センサヘッド6がセンサキャリア8の外面と整列するように選択される。
【0004】
センサ2は、センサ軸20を備えており、それに沿ってセンサが方向付けられる。センサ本体4は、製造公差tによりセンサ軸20からずれた本体中心軸22を備える。センサヘッド受け10およびセンサヘッド開口部12は、センサ保持軸24を有する。センサ2は、センサ本体4に関して対称的に配列された固定クリップ15および16によってセンサキャリアに取り付けられるので、センサヘッド開口部12の寸法を決める際には、センサ軸20および本体中心軸22の間の製造公差tを考慮しなければならない。したがって、センサ2およびセンサキャリア8を組み立てた状態では、s1からs2までの間の様々なギャップ幅が、センサヘッド開口部12の縁とセンサヘッド6との間に生じる。ギャップ幅のかかる変動に対して人の眼が敏感であることから、s1からs2までの間の様々なギャップ幅は、視覚的に不満足な結果につながる。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の課題は、ギャップ幅のかかる変動を避けるセンサ構成を提供することである。
【0006】
この課題の解決は、請求項1の特徴によって達成される。
【0007】
センサをセンサホルダ内に取り付けた状態でセンサ保持軸およびセンサ軸が整列するように、センサヘッド受けが設計されているので、センサヘッド開口部の縁とセンサヘッドとの間に、一定のギャップ幅を有する結合部ギャップが生じる。視覚的に不快なものとして知覚されるギャップ幅の変動がなくなるため、構成要素群の視覚的な質が向上する。一定のギャップ幅は、さらに、ウインドノイズと内部領域の汚れとを低減する。一定のギャップ幅を実現しつつも、センサホルダへのセンサの取り付けは困難にならない。センサホルダの外面は、目に見える構成要素として設計されることが好ましい。あるいは、追加の透明カバーも可能である。固定手段は、1または複数のネジ、クランプなどを含みうる。
【0008】
センサヘッドは、センサヘッド開口部内に固定されることが好ましい(請求項2)。これは、センサヘッド開口部内のセンサヘッドのクランプ座によって、または、センサホルダ上に載る、センサヘッドの周囲カラーによって達成される(請求項3)。
【0009】
有利な設計によると、センサヘッド開口部は、カバー開口部を有するカバーによって囲まれている。センサヘッドは、センサヘッド開口部を通ってカバー開口部内に突出する。結果として、外側から見える、センサヘッドとカバー開口部の縁との間のギャップ幅は、外部仕様に基づいて設定されうる(請求項4)。
【0010】
センサヘッドおよびセンサ受けにセンタリング手段を設けることにより、センサ軸およびセンサ保持軸が互いに整列することが確実に保証される(請求項5)。
【0011】
請求項6に従った有利な設計によると、本体中心軸とセンサ軸との間の製造公差は、外側から見えない方法で固定手段を適切に寸法決定することによって補償される。
【0012】
請求項7に従った本発明の有利な設計によると、センサおよびセンサホルダは、保持アームの上または中に取り付けられる。
【0013】
請求項8ないし12に従った設計の主題は、センサおよびセンサホルダを保持アームに組み込む様々な可能性に関する。
【0014】
請求項10および11に従った本発明の有利な設計によると、ギャップ幅は、外部要件に適合されうる。さらに、所定のギャップ幅を有するギャップの長さが増大され、結果として、視覚的により明白になる。
【0015】
請求項13に従った有利な設計によると、センサホルダ、保持アーム、および/または、保持アームカバーは、センサ2のための冷却体として利用できる。
【0016】
請求項14に従った有利な設計によると、外側に露出したセンサ表面の結露が防止され、それは、カメラおよびそれらのレンズにおいて特に重要である。
【0017】
請求項15に従った有利な設計は、法的に必要な視界を確保するためにミラー代わりのカメラを用いた間接ビューイングシステムを可能にする。この場合、センサ軸は、カメラレンズの光学軸である。
【0018】
請求項8に従った有利な設計によると、センサにおける望ましくない反射が防止または低減される。
【0019】
センサ構成は、車両の外側にすでに取り付けられている構成要素(指示灯、車外ミラーなど)に組み込み可能であることが好ましい(請求項18)。
【0020】
残りの従属請求項は、本発明のさらなる有利な設計に関する。
【0021】
本発明のさらなる詳細、特徴、および、利点については、以下の図面を参照した好ましい実施形態の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図12】
図1に対応する従来技術のセンサ構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
例として以下に記載する本発明の実施形態では、相互に対応する部分には同一の符号を付けている。
【0024】
図1は、本発明の第1の設計を示す分解断面図である。センサ構成は、センサ本体4からセンサヘッド6が突き出したセンサ2を備える。センサ2は、センサホルダ8内に保持される。センサホルダ8は、センサヘッド開口部12を備えたセンサヘッド受け10と、センサヘッド開口部12の左右でセンサ本体4の方向に伸びる2つのネジ受け13および14とを備える。センサ本体4は、ネジ穴18を備えると共にセンサ本体4から左右に伸びる2つの固定クリップ15および16を備える。センサ2は、センサホルダ8に挿入され、2つの固定クリップ15および16は、2つのネジ受け13および14の上端に載る。センサ2およびセンサホルダ8は、図に示していないネジによって共にネジ止めされる。2つのネジ受け13および14の高さは、センサヘッド6がセンサホルダ8の外面と整列するように選択される。
【0025】
センサ2は、センサ軸20を備えており、それに沿ってセンサが方向付けられる。センサ本体4は、本体中心軸22を備えており、本体中心軸22は、製造公差tによりセンサ軸20からずれる、または、ずれうる。センサヘッド受け10およびセンサヘッド開口部12は、センサ保持軸24を有する。
図12に示した従来技術と対照的に、センサ2の方向付けおよび取り付けは、本体中心軸22がセンサ保持軸24と整列されるのではなく、センサ軸20がセンサ保持軸24と一直線に整列されるように実行される。したがって、従来技術と比較すると、固定クリップ15および16の穴18は、製造公差t(すなわち、本体中心軸22およびセンサ軸20の間のずれ)を補うことができるように、若干大きく作られなければならない。センサヘッド開口部12の適切な寸法決定により、正確に規定されたギャップ幅s3が、センサヘッド開口部12の縁とセンサヘッド6との間に生じる。したがって、ギャップ幅s3は、所与の適用場所の要件に適合されうる。
【0026】
図面を簡略化するために、これ以降の実施形態の図では、製造公差tを示さない。
【0027】
図2は、本発明の第2の実施形態を示しており、センサヘッド6がセンサヘッド開口部12を越えて突出する点、および、センサヘッド6がプレス嵌めによってセンサヘッド開口部12に保持される点で、
図1の第1の実施形態と異なっている。センサヘッド開口部12は、カバー開口部28を備えたカバー26によって囲まれており、カバー開口部28内にセンサヘッド6が突出している。センサヘッド6の自由端は、カバー26の外面と整列する。カバー開口部28の縁からセンサヘッド6までの距離は、所望のギャップ幅s4に調節できる。
【0028】
図3は、本発明の第3の実施形態を示しており、センサヘッド6が周囲センサヘッドカラー30を備える点だけが
図2の実施形態と異なっている。周囲センサヘッドカラー30は、センサホルダ8の内面上の対応する環状溝34と係合する長方形断面の周囲環状リッジ32を有する。環状リッジ32および環状溝34は、センサ保持軸24に対するセンサ軸20の所望の配置を提供するセンタリング手段である。
【0029】
図4は、本発明の第4の実施形態を示しており、センサ2およびセンサキャリア8が保持アーム40に取り付けられている。このように、センサ2は、例えば、自動車の外側に取り付け可能である。保持アーム40は、少なくとも一部が空洞の形状に形成されており、自動車と反対側の端部42に、保持アーム40の長手方向と直交して伸びるセンサ開口部44を有する。保持アーム40は、第1の保持アームカバー46および第2の保持アームカバー47によって覆われている。第1の保持アームカバー46は、センサホルダ8が挿入されるセンサホルダ開口部48を有する。
【0030】
センサホルダ8は、第1の保持アームカバー46の対応する環状周囲ステップ52に重なり合って係合する環状周囲ステップ状カラー50を備える。ステップ状カラー50および対応するステップ52は、内面では接触し、外面では所定のギャップ幅s5だけ離間されている。ギャップ幅s5も、外部仕様に適合されうる。
【0031】
保持アーム40の空洞領域のセンサ開口部44は、平坦縁部54によって規定されている。ネジ穴18は、縁部54に設けられる。第1の保持アームカバー46の環状固定カラー56が、保持アーム40の平坦縁部54の外面に沿って伸びている。固定カラー56も、ネジ穴18を有する。環状カラー50において、左右のネジ受け13および14が、保持アーム40の方向に内向きに伸びている。2つのネジ受け13および14の間で、平坦縁部58が、センサヘッド開口部12の境界として伸びている。縁部58も、ネジ穴18を有する。左固定クリップおよび右固定クリップ15および16が、センサ本体4から側方に伸びている。固定クリップ15および16は、左右のネジ受け13および14に関連している。2つの固定クリップ15および16は、平坦縁部54の内面上に載っている。
【0032】
2つの締め付けネジ60が、最初に固定クリップ15および16のネジ穴18、次いで、保持アーム40の平坦縁部54のネジ穴18、固定カラー56のネジ穴18を通って、最終的にネジ受け13および14内に係合する。結果として、センサ2、センサホルダ8、および、第1の保持アームカバー40は、互いに対しておよび保持アーム40に対して固定される。個々の構成要素は、センサヘッド6がセンサヘッド開口部12の外面とほぼ整列するように寸法を決定される。
【0033】
センサヘッド6は、センサヘッド開口部12内に配置され、その結果、センサヘッド開口部12の縁とセンサヘッド6との間にギャップ幅s3を有する周囲接合部ギャップのみが生じる。環状カラー50および相補的な環状ステップ52の間のかみ合い縁部すなわち重複結合部は、外面から見える環状の閉じたギャップ62が所定のギャップ幅s5になるように設計される。
【0034】
環状カラー50の左側は、センサヘッド6の端部を越えて突出しており、環状カラー50の右側は、センサヘッド6から若干奥まっている。この設計の結果として、視覚的に一定の印象が達成され、側方から汚れが入るリスクが低減される。
【0035】
図5は、本発明の第5の実施形態を示しており、センサ本体4が固定クリップを備えていない点で
図4の実施形態と異なる。保持アーム40のセンサ開口部44は、センサヘッド6側のセンサ本体4の下端が平坦縁部54に載るように寸法決定される。センサ本体6と反対側のセンサ本体4の端部は、左右の固定クリップ72および73が側方に伸びる上部保持キャップまたは上部保持ブラケット70によって覆われている。
【0036】
図6は、本発明の第6の実施形態を示しており、センサ本体4が固定クリップを備えていない点で
図5の実施形態と異なる。左右のネジ受け13および14は、センサヘッド6の側のセンサ本体4の下端が2つのネジ受け13および14の上端に載るように、内向きに広がった設計を有する。センサヘッド6の反対側のセンサ本体4の他端は、センサ本体4ひいてはセンサ2が保持アーム40の内面と2つのネジ受け13および14の上面との間に挟まれるように、保持アーム40の内面と接触する。締め付けネジ60は、平坦縁部54のネジ穴18、環状固定カラー56のネジ穴18を通って、ネジ受け15および16内に係合する。
【0037】
図7は、本発明の第7の実施形態を示しており、センサヘッド6の側のセンサ本体4の下端が拡大されたネジ受け15および16に支持されていない点で、
図6の実施形態と異なる。代わりに、センサヘッド6の側のセンサ本体4の下面は、下部保持キャップまたは下部保持ブラケット80によって覆われている。側方には、左右の固定クリップ82および83が、下部保持キャップ80から伸びている。センサ本体4ひいてはセンサ2は、下部保持キャップ80と保持アーム40の内面との間に挟まれ、保持アーム40に固定される。
【0038】
図8は、本発明の第8の実施形態を示しており、センサホルダ8および第1の保持アームカバー46が一体化している点で、
図4の実施形態と異なる。この設計の結果として、
図4から
図6の実施形態で設けられていた固定カラー46を省略できる。締め付けネジ60は、固定クリップ15および16のネジ穴、平坦縁部54のネジ穴18を通って、その後、2つのネジ受け13および14内に係合する。
【0039】
図9は、本発明の第9の実施形態を示しており、センサホルダ8がネジ受けを備えない点で、これまでの実施形態と異なる。外向きに伸びる円筒形取り付け部90が、保持アーム40の平坦縁部54に設けられている。同様に、円筒形取り付け部92が、センサ本体4の方向にセンサホルダ8の縁部58から伸びている。円筒形取り付け部92の外径は、円筒形取り付け部90の内径に一致する。円筒形取り付け部92の上端は、円筒形取り付け部90の下端に係合し、円筒形取り付け部92は、センサヘッド6と円筒形取り付け部90との間に挟まれる。センサヘッド6の側のセンサ本体4の下端は、
図5の実施形態と同様に、平坦縁部54の内面上に載っている。センサ本体6と反対側のセンサ本体4の表面は、
図5の実施形態と同様に、2つの固定クリップ72および73が側方に伸びる上部保持キャップ70によって覆われている。平坦縁部54のネジ穴18には、固定ネジ60が固定クリップ72および73のネジ穴18を通過して平坦縁部54のネジ穴に固定されるように、ネジ山が設けられている。
【0040】
図10は、本発明の第10の実施形態を示しており、センサ本体4ひいてはセンサ2が保持アーム40内に挟まれる点で、
図9の実施形態と異なる。このために、センサ本体4は、センサヘッド6側の下端が平坦縁部54上に載るように配置され、バネ要素94が、センサ本体4の上面すなわちセンサヘッド6の反対側のセンサ本体の表面の上に設けられる。バネ要素94は、保持アーム40の内面を押して、保持アーム40内でセンサ本体4ひいてはセンサ2を固定する。
【0041】
図11は、本発明の第11の実施形態を示しており、保持アーム40自体がセンサホルダ8として設計されている点、および、センサホルダ8が保持アーム40に一体化された構成要素である点で、これまでの実施形態と異なる。保持アーム40は、少なくともセンサ2が位置する領域に空洞の形状を有するように設計されている。保持アーム40は、センサヘッド開口部12を備える。センサヘッド6は、最小ギャップ幅s3を備えたセンサヘッド開口部12内にはめ込まれる。固定クリップ13および14は、センサ本体4から左右に伸びている。側方では、左右のネジ受け13および14が、センサヘッド開口部12から離れて内向きにセンサ本体4の方向に伸びている。締め付けネジ60は、ネジ穴18を通って2つの固定クリップ13および14に入り、2つのネジ受け13および14に係合して、センサ2を保持アーム40に固定する。
【0042】
保持アーム40の内部に位置するセンサヘッド6の部分は、加熱素子96によって環状に囲まれている。この加熱素子96は、外側に露出したセンサ2の部分における結露を防止する。この加熱素子に関する詳細は、ドイツ特許出願第DE02014202664.4号に記載されている。この点で、DE02014202664.4号の内容全体を参照する。この加熱素子96は、当然、上述の実施形態のいずれにも利用できる。
【0043】
さらに、保持アーム40の外面は、センサへの反射を防ぐために、センサホルダ8の領域につや消し部分を有するか、または、つや消し塗装98を施されている。これは、センサ2がカメラであり、センサヘッド6がカメラのレンズである場合に特に重要である。塗装98は、当然、上述の他の実施形態のいずれにも提供できる。
【0044】
上述の実施形態でネジ受けを設ける限りにおいては、常に、2つのネジ受けに言及している。もちろん、1つだけのネジ受けまたは3以上のネジ受けを設けることも可能である。
【0045】
上述の実施形態において、センサヘッド6は、センサホルダ8のセンサヘッド開口部12にぴったりと挿入される。センサヘッド6は、圧力ばめまたは圧入でセンサヘッド開口部12に挿入されてもよい。
本発明は、以下の適用例としても実現可能である。
[適用例1]
特に自動車の周囲を監視するために前記自動車の外側に取り付けられるセンサのためのセンサ構成であって、
センサ本体(4)およびセンサヘッド(6)を備えたセンサ(2)であって、前記センサヘッド(6)は、センサ軸(20)を備え、前記センサ軸(20)に沿って前記センサ構成が方向付けられる、センサ(2)と、
センサヘッド開口部(12)を有するセンサヘッド受け(10)を備えたセンサホルダ(8)であって、前記センサヘッド(6)は、前記センサヘッド開口部(12)内に突出し、センサ保持軸(24)が、前記センサヘッド受け(10)によって規定される、センサホルダ(8)と、
前記センサ(2)を前記センサキャリア(8)内に固定するための固定手段(13、14、18、60、94)と、
を備え、
前記センサヘッド受け(10)は、前記センサ(2)を前記センサホルダ(8)内に取り付けた状態で前記センサ保持軸(24)および前記センサ軸(20)が整列するように形成される、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例2]
適用例1に記載のセンサ構成であって、前記センサヘッド(6)は、前記センサヘッド開口部(12)内に固定される、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例3]
適用例2に記載のセンサ構成であって、
前記センサヘッド(6)は、前記センサ軸(20)に関して対称的に配列されると共に前記センサホルダ(8)上に載っているセンサヘッドカラー(30)を備える、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例4]
適用例1または2に記載のセンサ構成であって、
前記センサヘッド(6)は、前記センサヘッド開口部(12)を越えて突出し、
前記センサ開口部(12)は、カバー開口部(28)を備えたカバー(26)によって囲まれ、
前記センサヘッド(6)は、前記カバー開口部(28)内に突出し、
所定のギャップ幅(s4)が、前記センサヘッド(6)に対して前記カバー開口部(28)によって決定される、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例5]
適用例1〜4のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサヘッド(6)は、センタリング手段(30、32)を備え、前記センサ受け(10)は、対応するセンタリング手段(34)を備える、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例6]
適用例1〜5のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、
前記センサ本体(4)は、本体中心軸(22)を備え、
前記固定手段(18、60)は、前記本体中心軸(24)と前記センサ軸(20)との間のずれを補償する、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例7]
適用例1〜6のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサ(2)および前記センサホルダ(8)の中または上に配置された保持アーム(40)を備える、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例8]
適用例7に記載のセンサ構成であって、前記センサホルダ(8)は、前記保持アーム(40)と一体化している、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例9]
適用例7に記載のセンサ構成であって、保持アームカバー(46)が設けられており、前記センサキャリア(8)は、前記保持アームカバー(46)と一体化している、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例10]
適用例7に記載のセンサ構成であって、保持アームカバー(46)が設けられており、前記保持アームカバー(46)は、前記センサキャリア(8)と前記保持アームカバー(46)との間のかみ合い縁部の結合(50、52)によって前記センサホルダ(8)が挿入されるセンサホルダ開口部(48)を備える、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例11]
適用例10に記載のセンサ構成であって、外側から見える前記重複結合(50、52)の結合部ギャップ(62)は、前記センサキャリア(8)と前記保持アームカバー(46)との間に所定のギャップ幅(s5)を有する、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例12]
適用例7〜11のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサ(2)、前記センサホルダ(8)、前記保持アーム(40)、および、前記保持アームカバー(46)の間の結合は、クランプ締め、接着結合、および/または、ネジ結合によってなされる、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例13]
適用例1〜12のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサ(2)、前記センサホルダ(8)、前記保持アーム(40)、および/または、前記保持アームカバー(46)の間の結合は、熱伝導性である、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例14]
適用例1〜13のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサ(2)は、特に前記センサヘッド(6)に配置された加熱手段(96)を備える、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例15]
適用例1〜14のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサ(2)はカメラであり、前記センサヘッド(6)はカメラレンズである、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例16]
適用例15に記載のセンサ構成であって、前記カメラは熱画像カメラである、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例17]
適用例1〜14のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサ(2)は、レーダーセンサ、赤外線センサ、および/または、超音波センサを含む、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例18]
適用例1〜17のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、前記センサホルダ(8)の外面は、前記センサヘッド開口部(12)の周りにつや消し部分を有するか、または、つや消し塗装(98)を施されている、ことを特徴とするセンサ構成。
[適用例19]
適用例1〜18のいずれか一項に記載のセンサ構成であって、指示灯内に組み込まれている、ことを特徴とするセンサ構成。
【符号の説明】
【0046】
s1、s2、s3、s4、s5 ギャップ幅
t 製造公差、22と20との間のずれ
2 センサ
4 センサ本体
6 センサヘッド
8 センサホルダ
10 センサヘッド受け
12 センサヘッド開口部
13 左ネジ受け
14 右ネジ受け
15 左固定クリップ
16 右固定クリップ
18 ネジ穴
20 センサ軸
22 本体中心軸
24 センサ保持軸
26 カバー
28 カバー開口部
30 センサヘッドカラー
32 環状リッジ
34 環状溝
40 保持アーム
42 車両と反対側の40の端部
44 40のセンサ開口部
46 第1の保持アームカバー
47 第2の保持アームカバー
48 46のセンサホルダ開口部
50 8の環状周囲ステップ状カラー
52 46の環状ステップ
54 44の周りの平坦縁部
56 46の環状固定カラー
58 12の周りの平坦縁部
60 締め付けネジ
62 8の周りの環状ギャップ
70 上部保持キャップまたは上部保持ブラケット
72 左固定クリップ
73 右固定クリップ
80 下部保持キャップまたは下部保持ブラケット
82 左固定クリップ
83 右固定クリップ
90 50上の円筒形取り付け部
92 58上の円筒形取り付け部
94 バネ要素
96 加熱素子
98 塗装