【実施例】
【0030】
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はなんらこれらに限定されるものではない。なお、実施例中のガスクロマトグラフィー分析条件は、以下通りである。なお、転化率および収率は、以下定義に従って計算した。
【0031】
転化率(%)=反応したビシナルジオール(1)(モル)/供給したビシナルジオール(1)(モル)×100
収率(%)=反応により生成した1−アルキルイミダゾール(4)(モル)/供給したビシナルジオール(1)(モル)×100
【0032】
ガスクロマトグラフィー分析条件
ガスクロマトグラフ:株式会社島津製作所製GC−2010
カラム:アジレント・テクノロジー株式会社製、DB−WAX(30m、内径0.32mm,膜厚0.25μm)
キャリアガス:ヘリウム、線速度:36.1cm/min
スプリット比:1:50
気化室温度:250℃
カラム温度:50℃(3min)→(15℃/min)→200℃(0min)→(20℃/min)→250℃(9.5min)、
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
検出器温度:280℃
【0033】
実施例1
1−1.触媒還元処理工程
内径19mmのパイレックス(登録商標)製の反応管に、クラリアント触媒株式会社製T−4466触媒(Cu:42重量%、Cr:31重量%)を15ml充填し、触媒の充填層の上部に22cm、下部に10cmの長さでカーボランダムを充填した。
反応管に充填したT−4466触媒を150℃に昇温後、同温度に保ち、反応管の上部から30ml/minの水素と30ml/minの窒素を供給すると、触媒が発熱し、触媒の温度が220℃まで上昇した。前記触媒の発熱がなくなるまで、水素と窒素を供給し続けた後、触媒の温度を200℃に昇温して同温度を保持した。200℃で触媒の発熱がないことを確認した後、水素の供給を止めた。
1−2.反応工程
実施例1の1−1で還元処理したT−4466触媒の温度を300℃に保ち、反応管の上部から、エチレングリコール:ホルムアルデヒド:アンモニア:メチルアミン=1:1.5:4:1.5(モル比)の混合物を、エチレングリコール基準でLHSV=0.1(g/cc−触媒・h)で30ml/minの窒素とともに供給した。反応管の下部から排出された反応ガスを100mlの水の中にバブリングさせて反応生成物を含む溶液を得た。反応開始から1.5時間経過した時点での前記反応生成物を含む溶液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、エチレングリコールの転化率は100%、1−メチルイミダゾールの収率は45%であった。
【0034】
実施例2
2−1.触媒還元処理工程
触媒を日揮触媒化成株式会社製N204触媒(Cu:29重量%、Cr:31重量%、Mn:3重量%)に代えた以外は、実施例1の1−1と同様の方法で触媒還元処理を実施した。
2−2.反応工程
反応に用いる触媒を実施例2の2−1で還元処理したN204触媒に代えた以外は、実施例1の1−2と同様の方法で反応を実施した。その結果、エチレングリコールの転化率は99%、1−メチルイミダゾールの収率は45%であった。
【0035】
実施例3
3−1.触媒調製工程
イオン交換水8.5gに硝酸銀4.56gを溶かした溶液に日揮触媒化成株式会社製N204触媒(Cu:29重量%、Cr:31重量%、Mn:3重量%)55.0gを浸して、硝酸銀水溶液をN204触媒に含浸させた。硝酸銀水溶液を含浸させたN204触媒を130℃で乾燥させた後、550℃で5時間焼成し、5重量%Ag/N204触媒を調製した。
3−2.触媒還元処理工程
触媒を実施例3の3−1で調製した5重量%Ag/N204触媒に代えた以外は、実施例1の1−1と同様の方法で触媒還元処理を実施した。
3−3.反応工程
反応に用いる触媒を実施例3の3−2で還元処理した5重量%Ag/N204触媒に代えた以外は、実施例1の1−2と同様の方法で反応を実施した。その結果、エチレングリコールの転化率は85%、1−メチルイミダゾールの収率は48%であった。
【0036】
実施例4
4−1.触媒調製工程
触媒の焼成温度を400℃とした以外は、実施例3の3−1と同様の方法で5重量%Ag/N204触媒を調製した。
4−2.触媒還元処理工程
触媒を実施例4の4−1で調製した5重量%Ag/N204触媒に代えた以外は、実施例1の1−1と同様の方法で触媒還元処理を実施した。
4−3.反応工程
反応に用いる触媒を実施例4の4−2で還元処理した5重量%Ag/N204触媒に代えた以外は、実施例1の1−2と同様の方法で反応を実施した。その結果、エチレングリコールの転化率は97%、1−メチルイミダゾールの収率は50%であった。
【0037】
実施例5
5−1.触媒調製工程
イオン交換水8.5gに硝酸銀7.02gを溶かした溶液に日揮触媒化成株式会社製N204触媒(Cu:29重量%、Cr:31重量%、Mn:3重量%)55.0gを浸して、硝酸銀水溶液をN204触媒に含浸させた。硝酸銀水溶液を含浸させたN204触媒を130℃で乾燥させた後、400℃で5時間焼成し、7.5重量%Ag/N204触媒を調製した。
5−2.触媒還元処理工程
触媒を実施例5の5−1で調製した7.5重量%Ag/N204触媒に代えた以外は、実施例1の1−1と同様の方法で触媒還元処理を実施した。
5−3.反応工程
反応に用いる触媒を実施例5の5−2で還元処理した7.5重量%Ag/N204触媒に代えた以外は、実施例1の1−2と同様の方法で反応を実施した。その結果、エチレングリコールの転化率は98%、1−メチルイミダゾールの収率は53%であった。
【0038】
実施例6
6−1.触媒還元処理工程
内径19mmのパイレックス(登録商標)製の反応管に、日揮触媒化成株式会社製N203触媒(Cu:36重量%、Cr:30重量%、Mn:3重量%、60MPaでプレスし、そのプレスした固形物を解砕後、10〜16メッシュに分級したもの)を15ml充填し、触媒の充填層の上部に22cm、下部に10cmの長さでカーボランダムを充填した。
反応管に充填したN203触媒を300℃に昇温し、同温度に保ち、反応管の上部から30ml/minの水素と30ml/minの窒素を供給すると、触媒が発熱し、触媒の温度が350℃まで上昇した。前記触媒の発熱がなくなるまで、水素と窒素を供給した後、触媒の発熱が確認されなくなった時点で水素の供給を止めた。
6−2.反応工程
触媒を実施例6の6−1で還元処理したN203触媒に代えた以外は、実施例1の1−2と同様の方法で反応を実施した。その結果、エチレングリコールの転化率は100%、1−メチルイミダゾールの収率は49%であった。
【0039】
実施例7
7−1.触媒調製工程
イオン交換水36.2gに硝酸銀3.27gを溶かした溶液に日揮触媒化成株式会社製N203触媒(Cu:36重量%、Cr:30重量%、Mn:3重量%)40.4gを浸して、硝酸銀水溶液をN203触媒に含浸させた。硝酸銀水溶液を含浸させたN203触媒を130℃で乾燥させた後、550℃で5時間焼成し、得られた固形物を60MPaでプレスした。プレスした固形物を解砕後、10〜16メッシュに分級して5重量%Ag/N203触媒を調製した。
7−2.触媒還元処理工程
触媒を実施例7の7−1で調製した5重量%Ag/N203触媒に代えた以外は、実施例6の6−1と同様の方法で触媒還元処理を実施した。
7−3.反応工程
触媒を実施例7の7−2で還元処理した5重量%Ag/N203触媒に代えた以外は、実施例1の1−2と同様の方法で反応を実施した。その結果、エチレングリコールの転化率は100%、1−メチルイミダゾールの収率は52%であった。
【0040】
実施例8
8−1.触媒還元処理工程
触媒をクラリアント触媒株式会社製G−99CK触媒(Cu:37重量%、Cr:31重量%、Mn:2重量%、Ba:2重量%)に代えた以外は、実施例1の1−1と同様の方法で、触媒還元処理を実施した。
8−2.反応工程
反応に用いる触媒を実施例8の8−1で還元処理したG−99CK触媒に代えた以外は、実施例1の1−2と同様の方法で反応を実施した。その結果、エチレングリコールの転化率は99%、1−メチルイミダゾールの収率は40%であった。
【0041】
実施例9
9−1.触媒還元処理工程
触媒をクラリアント触媒株式会社製G−22/2触媒(Cu:38重量%、Cr:24重量%、Ba:5重量%)に代えた以外は、実施例1の1−1と同様の方法で触媒還元処理を実施した。
9−2.反応工程
反応に用いる触媒を実施例9の9−1で還元処理したG−22/2触媒に代えた以外は、実施例1の1−2と同様の方法で反応を実施した。その結果、エチレングリコールの転化率は99%、1−メチルイミダゾールの収率は37%であった。
【0042】
実施例10
反応工程の温度を250℃にした以外は、実施例2の2−1および2−2と同様の方法で触媒還元処理および反応を実施した。その結果、エチレングリコールの転化率は74%、1−メチルイミダゾールの収率は30%であった。
【0043】
実施例11
反応工程の温度を275℃にした以外は、実施例2の2−1および2−2と同様の方法で触媒還元処理および反応を実施した。その結果、エチレングリコールの転化率は93%、1−メチルイミダゾールの収率は43%であった。
【0044】
参考例1
1−1.触媒還元処理工程
触媒を日揮触媒化成株式会社製N211触媒(Cu:39重量%、Zn:36重量%)に代えた以外は、実施例6の6−1と同様の方法で触媒還元処理を実施した。
1−2.反応工程
反応に用いる触媒を参考例1の1−1で還元処理したN211触媒に代えた以外は、実施例1の1−2と同様の方法で反応を実施した。その結果、エチレングリコールの転化率は31%、1−メチルイミダゾールの収率は1%であった。
【0045】
参考例2
2−1.触媒還元処理工程
触媒をクラリアント触媒株式会社製T−8706触媒(Cu:43重量%、Mn:7重量%、Al:6重量%)に代えた以外は、実施例1の1−1と同様の方法で触媒還元処理を実施した。
2−2.反応工程
反応に用いる触媒を参考例2の2−1で還元処理したT−8706触媒に代えた以外は、実施例1の1−2と同様の方法で反応を実施した。その結果、エチレングリコールの転化率は89%、1−メチルイミダゾールの収率は6%であった。
【0046】
参考例3
3−1.触媒還元処理工程
触媒をBASF株式会社製Cu−0865T触媒(Cu:47重量%、Ca:11重量%、Si:8重量%)に代えた以外は、実施例1の1−1と同様の方法で触媒還元処理を実施した。
3−2.反応工程
反応に用いる触媒を参考例3の3−1で還元処理したCu−0865T触媒に代えた以外は、実施例1の1−2と同様の方法で反応を実施した。その結果、エチレングリコールの転化率は72%、1−メチルイミダゾールの収率は9%であった。