(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
【0015】
図1は、本発明の一形態の磁気共鳴イメージング装置の概略図である。
磁気共鳴イメージング装置(以下、「MRI装置」と呼ぶ。MRI:Magnetic Resonance Imaging)1は、マグネット2、テーブル3、受信コイル4、造影剤注入装置5などを有している。
【0016】
マグネット2は、被検体14が収容される収容空間21を有している。また、マグネット2は、超伝導コイル22と、勾配コイル23と、RFコイル24とを有している。超伝導コイル22は静磁場を印加し、勾配コイル23は勾配パルスを印加し、RFコイル24はRFパルスを印加する。尚、超伝導コイル22の代わりに、永久磁石を用いてもよい。
【0017】
テーブル3は、被検体14を搬送するためのクレードル3aを有している。クレードル3aによって、被検体14は収容空間21に搬送される。
【0018】
受信コイル4は、被検体14に取り付けられている。受信コイル4は、被検体14からの磁気共鳴信号を受信する。
造影剤注入装置5は、被検体14に造影剤を注入する。
【0019】
MRI装置1は、更に、制御部6、送信器7、勾配磁場電源8、受信器9、処理装置10、記憶部11、操作部12、および表示部13などを有している。
【0020】
制御部6は、処理装置10から、シーケンスで使用されるRFパルスおよび勾配パルスの波形情報や印加タイミングなどを含むデータを受け取る。そして、制御部6は、RFパルスのデータに基づいて送信器7を制御し、勾配パルスのデータに基づいて勾配磁場電源8を制御する。また、制御部6は、造影剤注入装置5の造影剤の注入開始のタイミングの制御や、クレードル3aの移動の制御なども行う。尚、
図1では、制御部6が、造影剤注入装置5、送信器7、勾配磁場電源8、クレードル3aなどの制御を行っているが、造影剤注入装置5、送信器7、勾配磁場電源8、クレードル3aなどの制御を複数の制御部で行ってもよい。例えば、造影剤注入装置5を制御する制御部と、送信器7および勾配磁場電源8を制御する制御部と、クレードル3aを制御する制御部とを別々に設けてもよい。
【0021】
送信器7は、制御部6から受け取ったデータに基づいて、RFコイル24に電流を供給する。
勾配磁場電源8は、制御部6から受け取ったデータに基づいて、勾配コイル23に電流を供給する。
【0022】
受信器9は、受信コイル4で受信された磁気共鳴信号に対して、検波などの処理を行い、処理装置10に出力する。尚、マグネット2、受信コイル4、制御部6、送信器7、勾配磁場電源8、受信器9を合わせたものが、スキャン手段に相当する。
【0023】
記憶部11には、処理装置10により実行されるプログラムなどが記憶されている。尚、記憶部11は、ハードディスク、CD−ROMなどの非一過性の記憶媒体であってもよい。処理装置10は、記憶部11に記憶されているプログラムを読み出し、プログラムに記述されている処理を実行するプロセッサとして動作する。処理装置10は、プログラムに記述されている処理を実行することにより、種々の手段を実現する。
図2は、処理装置10が実現する手段の説明図である。
【0024】
画像生成手段101は、被検体14の撮影部位を横切る複数のスライスの各々の画像を生成する。
【0025】
分類手段102は、画像生成手段101により得られた複数の画像の各々が撮影部位のどの部分の画像であるかに基づいて、複数の画像を複数のクラスに分類する。クラスについては後述する。
【0026】
検索領域設定手段103は、複数の画像の各々が複数のクラスのうちのどのクラスに分類されたかに基づいて、画像ごとに、血管を検索するための検索領域を設定する。
【0027】
検出手段104は、検索領域の中から大動脈の位置を検出する。
平面計算手段105は、検出手段104により検出された大動脈Aの位置PA1〜PA10(
図31参照)に基づいて、大動脈を縦断する平面を計算する。
【0028】
トラッカー領域設定手段106は、造影剤を検出するためのトラッカー領域R
t(
図33参照)を設定する。
【0029】
MRI装置1は、処理装置10を含むコンピュータを備えている。処理装置10は、記憶部11に記憶されているプログラムを読み出すことにより、画像生成手段101〜トラッカー領域設定手段106などを実現する。尚、処理装置10は、一つのプロセッサで画像生成手段101〜トラッカー領域設定手段106を実現してもよいし、2つ以上のプロセッサで、画像生成手段101〜トラッカー領域設定手段106を実現してもよい。また、処理装置10が実行するプログラムは、一つの記憶部に記憶させておいてもよいし、複数の記憶部に分けて記憶させておいてもよい。処理装置10は血管検出装置に相当する。
【0030】
図1に戻って説明を続ける。
操作部12は、オペレータにより操作され、種々の情報をコンピュータ8に入力する。表示部13は種々の情報を表示する。
MRI装置1は、上記のように構成されている。
【0031】
図3は本形態で実行されるスキャンを示す図、
図4は撮影部位を概略的に示す図である。
本形態では、ローカライザスキャンLSと本スキャンMSなどが実行される。
ローカライザスキャンLSは、スライス位置やトラッカー領域R
t(
図33参照)を設定するときに使用される画像を取得するためのスキャンである。トラッカー領域R
tは、大動脈Aに流れる造影剤を検出するために設定される領域である。
ローカライザスキャンLSの後に本スキャンMSが実行される。
【0032】
本スキャンMSでは、被検体に造影剤が注入され、トラッカー領域R
tから造影剤を検出するためのシーケンスが繰り返し実行される。そして、トラッカー領域R
tに所定量の造影剤が注入したときに、肝臓の画像を取得するためのイメージングシーケンスが実行される。以下に、ローカライザスキャンLSおよび本スキャンMSを実行するときのフローの一例について説明する。
【0033】
図5は、ローカライザスキャンLSおよび本スキャンMSを実行するときのフローの一例を示す図である。
ステップST1では、ローカライザスキャンLS(
図2参照)を実行する。
【0034】
図6は、ローカライザスキャンLSの説明図である。
ローカライザスキャンLSは、被検体の肝臓および肝臓の周辺の臓器を含む部位の画像を取得するためのスキャンである。
図6には、ローカライザスキャンLSを実行するときのスライスが示されている。ローカライザスキャンLSでは、アキシャル、サジタル、およびコロナルの画像が取得されるが、
図6では、説明の便宜上、アキシャルの画像を取得するための複数枚のスライス(ここでは、10枚のスライスSL
1〜SL
10)が示されている。
【0035】
ローカライザスキャンLSを実行する場合、制御部6(
図1参照)は、ローカライザスキャンLSで使用されるシーケンスのRFパルスのデータを送信器7に送り、ローカライザスキャンLSで使用されるシーケンスの勾配パルスのデータを勾配磁場電源8に送る。送信器7は、制御部6から受け取ったデータに基づいてRFコイル24に電流を供給し、勾配磁場電源8は、制御部6から受け取ったデータに基づいて勾配コイル23に電流を供給する。したがって、RFコイル24はRFパルスを印加し、勾配コイル23は勾配パルスを印加する。ローカライザスキャンLSが実行されることにより、撮影部位からMR信号が発生する。MR信号は受信コイル4(
図1参照)で受信される。受信コイル4は、MR信号を受信し、MR信号の情報を含むアナログ信号を出力する。受信器9は、受信コイル4から受け取った信号に対して、検波などの信号処理を行い、信号処理により得られたデータを処理装置10に出力する。
【0036】
画像生成手段101(
図2参照)は、ローカライザスキャンLSにより収集されたデータに基づいて、スライスSL
1〜SL
10の画像D
1〜D
10を作成する(以下では、この画像を「アキシャル画像」と呼ぶ)。ここでは、アキシャル画像D
1、D
4、D
6、およびD
10が概略的に示されている。スライスSL
1〜SL
10は大動脈Aを横切っているので、アキシャル画像D
1〜D
10には、大動脈Aの断面が描出される。
【0037】
アキシャル画像には、3つの領域が含まれている。一つ目は、被検体の胴部の断面を表す領域(以下、「胴部領域」と呼ぶ)HBであり、2つ目は、被検体の左腕の断面を表す領域(以下、「左腕領域」と呼ぶ)HLであり、3つ目は、被検体の右腕の断面を表す領域(以下、「右腕領域」と呼ぶ)HRである。
アキシャル画像D
1〜D
10を作成した後、ステップST2に進む。
【0038】
ステップST2では、分類手段102(
図2参照)が、アキシャル画像D
1〜D
10を複数のクラスに分類する。以下に、アキシャル画像D
1〜D
10の分類方法について説明する。尚、以下の例では、ラプラシアン固有マップ法を用いてアキシャル画像を分類する方法について説明する。
【0039】
本形態では、アキシャル画像D
1〜D
10を、以下の4つのクラスに分類する。
クラスI:肺の断面積が大きいアキシャル画像
クラスII:肺と肝臓の境界の近傍を横切るアキシャル画像
クラスIII:肝臓の断面積が大きいアキシャル画像
クラスIV:肝臓および腎臓を横切るアキシャル画像
【0040】
本形態では、被検体を撮影する前に、アキシャル画像D
1〜D
10の各々が4つのクラスI〜IVのうちのどのクラスに属するかを分類するための分類マップを予め用意しておき、この分類マップを用いて、アキシャル画像の分類を行っている。以下に、分類マップの作成方法の一例について説明する。
【0041】
図7〜
図13は、分類マップの作成方法の説明図である。
先ず、分類マップを作成するために使用する腹部のアキシャル画像を複数枚用意する。
図7に、m人の被検体SU
1〜SU
mから、腹部の複数枚のアキシャル画像DA
1〜DA
n、DA
n+1〜DA
n+a、・・・DA
j+1〜DA
kを用意した例が示されている。各アキシャル画像には、胴部領域C1、左腕領域C2、および右腕領域C3が表示されている。本形態では、m人の被検体SU
1〜SU
mから、k枚のアキシャル画像DA
1〜DA
kが用意された例が示されている。
【0042】
次に、分類マップを作成するマップ作成者は、アキシャル画像DA
1〜DA
kの各々が上記のクラスI〜IVのうちのどのクラスに属するかを決める。例えば、アキシャル画像DA
1およびDA
2などはクラスIに属すると決定され、アキシャル画像DA
kなどはクラスIVに属すると決定される。
【0043】
次に、アキシャル画像DA
1〜DA
kの各々から、胴部領域C1に外接する矩形領域の画像部分を切り取る。
図8は、アキシャル画像から胴部領域C1に外接する矩形領域の画像部分を切り取ることにより得られた画像を概略的に示す図である。尚、
図8では、説明の便宜上、被検体SU
1〜SU
mのうちの被検体SU
1のみを取り上げて、アキシャル画像から切り取られた画像が示されている。
【0044】
図8では、アキシャル画像DA
1〜DA
nから切り取られた画像は、符号a
1,a
2、・・・a
nで示されている。また、切り取られた画像a
1〜a
nのサイズはvi×wi(i=1〜n)のピクセル数で示されている。矩形領域は胴部領域C1に外接しているので、左腕領域C2および右腕領域C3は、切り取られた画像a
1〜a
nに含まれないようにすることができる。
【0045】
アキシャル画像DA
1〜DA
nから胴部の画像部分を切り取った後、切り取られた画像a
1〜a
nの分解能をスケールダウンする。
図9は、分解能がスケールダウンされた後の画像を概略的に示す図である。スケールダウン後の画像は、符号a
1’,a
2’、・・・a
n’で示されている。スケールダウン後の画像a
1’〜a
n’は、同じサイズの分解能(v0×w0)にスケールダウンされている。例えば、v0=44、w0=22である。このようにスケールダウンすることにより、分解能が同じ画像a
1’〜a
n’を作成することができる。
【0046】
次に、スケールダウン後の画像a
1’〜a
n’の各々のベクトルを求める。
図10は、スケールダウン後の画像a
1’〜a
n’ごとに求められたベクトルを示す図である。
【0047】
先ず、スケールダウン後の画像a
1’〜a
n’のうちのi番目の画像a
i’のベクトルα
iについて考える。α
iは、画像a
i’の各ピクセルのピクセル値を要素として規定されるベクトルである。画像a
i’が有するピクセル数をt(=v0×w0)とすると、ベクトルαiは以下の式で表すことができる。
α
i=(α
i1,α
i2,α
i3,α
i4,α
i5,・・・,α
it)・・・(1)
α
i1,α
i2,α
i3,α
i4,α
i5,・・・,α
itは、画像a
i’の各ピクセルのピクセル値を表しており、ベクトルα
iは、t個の要素を有するベクトルで表される。
【0048】
したがって、例えば、i=1、即ち、画像a
1’のベクトルα
1は、以下の式で表すことができる。
α
1=(α
11,α
12,α
13,α
14,α
15,・・・,α
1t)・・・(2)
【0049】
図10では、代表して、i=1、2、3、6、およびnのベクトルα
1、α
2、α
3、α
6、およびα
nが示されている。
【0050】
図8〜
図10では、被検体SU
1のアキシャル画像DA
1〜DA
nのベクトルα
1〜α
nを求める例について説明したが、他の被検体SU
2〜SU
mのアキシャル画像についても、上記の方法で、ベクトルα
iが求められる。
図11に、被検体SU
1〜SU
mのアキシャル画像ごとに得られたベクトルα
iを示す。本形態では、被検体SU
1〜SU
mからk個のアキシャル画像DA
1〜DA
kが用意されているので、k個のベクトルα
1〜α
kが得られる。
【0051】
これらのベクトルα
1〜α
kを求めた後、隣接行列MAを求める。
図12に隣接行列MAを概略的に示す。隣接行列MAの各要素は、2つのベクトル間の距離d
ijを表す。
【0052】
隣接行列MAを求めた後、距離d
ijに応じてHeat Kernelで隣接行列MAに重みをつけることにより、行列Wを求める。そして、行列Wの各列の和を対角要素とする対角行列Dを求め、行列WおよびDに基づいて、ラプラシアン行列を求める。
【0053】
ラプラシアン行列を求めた後、ラプラシアン行列の固有問題を解き、k個の固有ベクトルを求める。k個の固有ベクトルを求めた後、k個の固有ベクトルの中から、固有値が最小となる固有ベクトルF1と、固有値が2番目に小さい値となる固有ベクトルF2とを特定する。したがって、2つの固有ベクトルF1およびF2を用いて被検体SU
1〜SU
mのアキシャル画像DA
1〜DA
k(
図7参照)の関係を表すマップを得ることができる。
図13に、得られたマップの一例を概略的に示す。マップCMの横軸は固有ベクトルF1の要素を表しており、縦軸は固有ベクトルF2の要素を表す。マップCMにおけるアキシャル画像DA
1〜DA
kの位置は、座標点(f1,f2)(f1:固有ベクトルF1の要素、f2:固有ベクトルF2の要素)で決定することができる。
図13では、説明の便宜上、アキシャル画像DA
1〜DA
kの位置を表す点が、4つの記号(×、□、△、○)を用いて示されている。×は、クラスI(肺の断面積が大きいアキシャル画像)に属するアキシャル画像の位置を表す点を示している。□は、クラスII(肺と肝臓の境界の近傍を横切るアキシャル画像)に属するアキシャル画像の位置を表している。△は、クラスIII(肝臓の断面積が大きいアキシャル画像)に属するアキシャル画像の位置を表している。○は、クラスIV(肝臓および腎臓を横切るアキシャル画像)に属するアキシャル画像の位置を表している。
【0054】
本形態では、
図13に示すマップCMが、ローカライザスキャンLSで得られたアキシャル画像D
1〜D
10(
図6参照)を分類するための分類マップとして使用される。この分類マップCMは、記憶部11(
図1参照)に記憶されている。
【0055】
ステップST2では、分類手段102は、記憶部11に記憶された分類マップCMに基づいて、ローカライザスキャンLSで得られたアキシャル画像D
1〜D
10を複数のクラスI〜IVに分類する。以下に、分類マップCMに基づいてアキシャル画像D
1〜D
10を複数のクラスI〜IVに分類する手順について、
図14を参照しながら説明する。
【0056】
図14は、ステップST2のフローの一例を示す図である。
ステップST2は、ステップST21〜ST29を有している。以下、ステップST21〜ST29について順に説明する。
【0057】
ステップST21では、分類手段102は、スライスSL
1〜SL
10のアキシャル画像D
1〜D
10の中から、1枚のアキシャル画像を選択する。ここでは、肺を横切るスライスSL
1のアキシャル画像D
1が選択されたとする。
図15に、選択されたスライスSL
1のアキシャル画像D
1を概略的に示す。アキシャル画像D
1には、被検体の胴部領域HBだけでなく、左腕領域HLおよび右腕領域HRも描出されている。スライスSL
1のアキシャル画像D
1を選択した後、ステップST22に進む。
【0058】
ステップST22では、分類手段102が、スライスSL
1のアキシャル画像D
1を2値化する。
図16に、スライスSL
1のアキシャル画像D
1を2値化することにより得られた2値画像DB
1を概略的に示す。分類手段102は、胴部領域HB、左腕領域HL、および右腕領域HRが論理値1で表され、体外領域は論理値0で表されるように、2値化処理を実行する。したがって、体内領域が論理値1で表され、体外領域が論理値0で表された2値画像DB
1を得ることができる。2値化の方法としては、例えば、“Med Imag Tech Vol.31 No.2 March 2013”に記載されているような領域拡張法を用いることができる。2値化を行った後、ステップST23に進む。
【0059】
ステップST23では、分類手段102が、2値画像DB
1から、腕部を削除する処理を実行する。
【0060】
図17は、腕部が削除された2値画像DC
1を概略的に示す図である。
ステップST23では、2値画像DB
1から、左腕領域と右腕領域とを削除するための画像処理を実行する。これにより、腕部が削除された2値画像DC
1を得ることができる。腕部を削除する方法としては、例えば、“Med Imag Tech Vol.31 No.2 March 2013”に記載されているにように、縮小処理、領域拡張処理、および拡大処理を実行する方法を用いることができる。腕部が削除された2値画像DC
1を得た後、ステップST24に進む。
【0061】
ステップST24では、分類手段102が、ステップST23で得られた2値画像DC
1に基づいて、アキシャル画像D
1から、胴部領域HBに外接する矩形領域の画像部分を切り取る。
図18に、アキシャル画像D
1から胴部領域HBに外接する矩形領域の画像部分を切り取ることにより得られた画像を概略的に示す。2値画像DC
1は、胴部領域が論理値1であり、胴部の外側の領域は論理値0が割り当てられているので、2値画像DC
1を用いることにより、アキシャル画像D
1の中の胴部領域HBを特定することができる。したがって、アキシャル画像D
1から、胴部領域HBに外接する矩形領域を切り取ることができる。
図18では、アキシャル画像D
1から切り取られた画像は、符号D
1’で示されている。また、切り取られた画像D
1’のサイズはp1×q1のピクセル数で示されている。矩形領域は胴部領域HBに外接しているので、左腕領域HLおよび右腕領域HRは、矩形領域に含まれないようにすることができる。
アキシャル画像D
1から胴部領域の画像部分を切り取った後、ステップST25に進む。
【0062】
ステップST25では、分類手段102が、切り取られた画像D
1’の分解能をスケールダウンする。
図19は、分解能がスケールダウンされた後の画像D
1”を概略的に示す図である。スケールダウン後の画像D
1”は、分類マップCMの作成に使用された画像a
1’〜a
n’(
図10参照)と同じサイズの分解能(v0×w0)にスケールダウンされている。分解能をスケールダウンした後、ステップST26に進む。
【0063】
ステップST26では、分類手段102が、スケールダウン後の画像D
1”のベクトルを求める(
図20参照)。
【0064】
図20は、スケールダウン後の画像D
1”に対して求められたベクトルβ
1を示す図である。
ベクトルβ
1は、スケールダウン後の画像D
1”の各ピクセルのピクセル値を要素として規定されるベクトルである。ベクトルβ
1は、以下の式で表すことができる。
β
1=(β
11,β
12,β
13,β
14,β
15,・・・,β
1t)・・・(3)
ここで、β
11,β
12,β
13,β
14,β
15,・・・,β
1tは、スケールダウン後の画像D
1”の各ピクセルのピクセル値を表している。
ベクトルβ
1を求めた後、ステップST27に進む。
【0065】
ステップST27では、分類手段102が、分類マップCMを作成するために使用されたk個のベクトルα
1〜α
k(
図11参照)の各々と、アキシャル画像D
1のベクトルβ
1との距離を求める。そして、各距離を、距離の値に応じてHeat Kernelで重みをつけ、行列Yを求める。次に、分類マップCMの作成時に特定した2つの固有ベクトルF1およびF2を用いて行列Yを分類マップCM(
図13参照)に射影する。
図21に、分類マップCMに射影された行列Yを表す点Eを示す。
図21では、点Eは座標(f11,f21)に位置している。
このようにして、アキシャル画像D
1に対応する点Eが分類マップCMにマッピングされる。マッピングした後、ステップST28に進む。
【0066】
ステップST28では、分類手段102は、分類マップCM上に規定された複数の点の中から、アキシャル画像D
1に対応する点Eに近い順にN個の点を特定する。
【0067】
図22は、N個の点を特定する方法の説明図である。
図22では、分類マップCMにマッピングされた点Eの周辺を拡大して示してある。
【0068】
分類手段102は、分類マップCM上に規定された複数の点の各々と点Eとの距離を計算し、距離の小さい順にN個の点を特定する。したがって、点Eに近い順にN個の点を特定することができる。ここでは、N=7とする。したがって、点Eに近い順に7個の点e1、e2、e3、e4,e5,e6、およびe7が特定される。
7個の点e1〜e7を特定した後、ステップST29に進む。
【0069】
ステップST29では、分類手段102は、先ず、7個の点e1〜e7の各々が、4つのクラスI〜IVのうちのどのクラスに属しているかを特定する。ここでは、7個の点e1〜e7うち、6個の点(e1、e2、e4、e5、e6、およびe7)がクラスIに属しており、1個の点(e3)がクラスIIに属していると特定される。各点がどのクラスに属しているかを特定した後、分類手段102は、各クラスには、7個の点のうちの何個の点が属しているかを求め、属している点の個数が最大となるクラスを特定する。ここでは、7個の点e1〜e7のうち、6個の点がクラスIに属しているので、クラスIが特定される。したがって、アキシャル画像D
1は、4つのクラスI〜IVのうちのクラスIに属すると判断されるので、アキシャル画像D
1はクラスIに分類される。
【0070】
尚、上記の説明では、アキシャル画像D
1の分類について説明したが、他のアキシャル画像D
2〜D
10についても、ステップST21〜ST29のフローにより分類される。分類マップCMは、クラスI〜IVの各々の情報を反映しているので、分類マップCMを用いることにより、アキシャル画像D
1〜D
10の各々が撮影部位のどの部分の画像であるかを特定することができる。したがって、アキシャル画像D
1〜D
10を4つのクラスに分類することができる。
【0071】
図23は、アキシャル画像D
1〜D
10の各々がどのクラスに分類されたかを示す図である。
図23では、アキシャル画像D
1〜D
10のうち、代表して、4つのアキシャル画像D
1、D
4、D
6、およびD
10がどのクラスに分類されたかを示してある。アキシャル画像D
1はクラスIに分類され、アキシャル画像D
4はクラスIIに分類され、アキシャル画像D
6はクラスIIIに分類され、アキシャル画像D
10はクラスIVに分類されている。
アキシャル画像D
1〜D
10を分類した後、ステップST3に進む。
【0072】
ステップST3では、検索領域設定手段103(
図2参照)が、アキシャル画像D
1〜D
10の各々に対して、大動脈の検索領域を設定する。以下、大動脈の検索領域の設定方法について説明する。
【0073】
本形態では、記憶部11に、クラスI〜IVの各々に対して、大動脈の存在確率を表す確率分布モデルが記憶されている。
【0074】
図24は、確率分布モデルの説明図である。
記憶部11には、4つの確率分布モデルM1〜M4が記憶されている。
【0075】
確率分布モデルM1は、クラスIにおける大動脈の存在確率を表している。クラスIにおける大動脈の存在確率は、分類マップCMを作成するために使用された複数のアキシャル画像DA
1〜DA
k(
図7参照)のうちの、肺の断面積が大きいアキシャル画像(例えば、アキシャル画像DA
1、DA
n+1、DA
j+1)に現れる大動脈の位置に基づいて決定することができる。確率分布モデルM1の領域RM1は、大動脈の存在確率が高い領域を表している。確率分布モデルM1のa−a断面を参照すると、領域RM1の外縁から領域RM1の内側に向かうにつれて、大動脈の存在確率が高くなることが示されている。
【0076】
確率分布モデルM2は、クラスIIにおける大動脈の存在確率を表している。クラスIIにおける大動脈の存在確率は、分類マップCMを作成するために使用された複数のアキシャル画像DA
1〜DA
k(
図7参照)のうちの、肺と肝臓の境界の近傍を横切るアキシャル画像(例えば、アキシャル画像DA
3、DA
n+3、DA
j+3)に現れる大動脈の位置に基づいて決定することができる。確率分布モデルM2の領域RM2は、大動脈の存在確率が高い領域を表している。確率分布モデルM2のa−a断面を参照すると、領域RM2の外縁から領域RM2の内側に向かうにつれて、大動脈の存在確率が高くなることが示されている。
【0077】
確率分布モデルM3は、クラスIIIにおける大動脈の存在確率を表している。クラスIIIにおける大動脈の存在確率は、分類マップCMを作成するために使用された複数のアキシャル画像DA
1〜DA
k(
図7参照)のうちの、肝臓の断面積が大きいアキシャル画像(例えば、アキシャル画像DA
6、DA
n+6、DA
j+6)に現れる大動脈の位置に基づいて決定することができる。確率分布モデルM3の領域RM3は、大動脈の存在確率が高い領域を表している。確率分布モデルM3のa−a断面を参照すると、領域RM3の外縁から領域RM3の内側に向かうにつれて、大動脈の存在確率が高くなることが示されている。
【0078】
確率分布モデルM4は、クラスIVにおける大動脈の存在確率を表している。クラスIVにおける大動脈の存在確率は、分類マップCMを作成するために使用された複数のアキシャル画像DA
1〜DA
k(
図7参照)のうちの、肝臓および腎臓を横切るアキシャル画像(例えば、アキシャル画像DA
n、DA
n+a、DA
k)に現れる大動脈の位置に基づいて決定することができる。確率分布モデルM4の領域RM4は、大動脈の存在確率が高い領域を表している。確率分布モデルM4のa−a断面を参照すると、領域RM4の外縁から領域RM4の内側に向かうにつれて、大動脈の存在確率が高くなることが示されている。
【0079】
検索領域設定手段103は、確率分布モデルM1〜M4に基づいて、アキシャル画像D
1〜D
10の大動脈を検索するための検索領域を設定する。以下に、アキシャル画像D
1〜D
10の検索領域の設定方法について説明する。尚、アキシャル画像D
1〜D
10の検索領域の設定方法は、どのアキシャル画像でも同じであるので、以下では、アキシャル画像D
1〜D
10のうち、アキシャル画像D
1を取り上げて、検索領域の設定方法を説明する。
【0080】
図25は、検索領域の設定方法の説明図である。
検索領域設定手段103は、確率分布モデルM1〜M4の中から、アキシャル画像D
1の検索領域を決定するために使用される確率分布モデルを選択する。アキシャル画像D
1はクラスIに分類されているので(
図23参照)、検索領域設定手段103は、確率分布モデルM1〜M4の中から、クラスIに対応する確率分布モデルM1を選択する。
【0081】
次に、検索領域設定手段103は、アキシャル画像D
1から得られた切り取られた画像D
1’(
図18参照)と確率分布モデルM1とを乗算し、乗算画像MD
1’を求める。
【0082】
乗算画像MD
1’を求めた後、検索領域設定手段103は、確率分布モデルM1の領域RM1の位置情報に基づいて、乗算画像MD
1’の中から、確率分布モデルM1の領域RM1に対応する領域R1を決定する。このようにして決定された領域R1が、アキシャル画像D
1における大動脈の検索領域R
1として設定される。
【0083】
尚、
図25では、アキシャル画像D
1における大動脈の検索領域R
1の設定方法について説明されているが、他のアキシャル画像D
2〜D
10についても、同様の手順で乗算画像を求めることにより、検索領域が決定される。
図26に、アキシャル画像D
1〜D
10に対して求められた乗算画像MD
1’〜 MD
10’および検索領域R
1〜R
10を概略的に示す。
図26では、アキシャル画像D
1〜D
10のうち、代表して、4つのアキシャル画像D
1、D
4、D
6、およびD
10に対して求められた乗算画像MD
1’、MD
4’、MD
6’、およびMD
10’と検索領域R
1、R
4、R
6、およびR
10とが概略的に示されている。
検索領域R
1〜R
10を決定した後、ステップST4に進む。
【0084】
ステップST4では、検出手段104(
図2参照)が、検索領域R1の中から大動脈の位置を検出する。以下、大動脈の位置の検出方法を説明する。尚、アキシャル画像D
1〜D
10における大動脈の位置の検出方法は、どのアキシャル画像でも同じであるので、以下では、アキシャル画像D
1〜D
10のうち、アキシャル画像D
1を取り上げて、大動脈の位置の検出方法を説明する。
【0085】
ステップST4では、先ず、アキシャル画像D
1の乗算画像MD
1’の中から、脳脊髄液CSFを検出する。脳脊髄液CSFの検出方法は、例えば、“Med Imag Tech Vol.31 No.2 March 2013”に記載されている方法を用いることができる。
図27に、検出された脳脊髄液CSFの位置を示す。
【0086】
脳脊髄液CSFを検出した後、検出手段104は、脳脊髄液CSFに対して検索領域R1に接するラインLsおよびLeを設定する。
図28に、ラインLsおよびLeを示す。
【0087】
ラインLsおよびLeを設定した後、検出手段104は、ラインLs上に、大動脈Aを検出するときに使用するウィンドウを設定する(
図29参照)。
【0088】
図29は、設定されたウィンドウWを示す図である。
ウィンドウWのサイズは、a×bのピクセル数で示されている。検出手段104は、脳脊髄液CSFを基準にして、ラインLs上にウィンドウWを設定する。ウィンドウWを設定した後、検出手段104は、ラインLsとLeとで規定される範囲内で、脳脊髄液CSFを中心としてウィンドウWを回転させることによりウィンドウWの回転角θを変更し、更にウィンドウWのサイズ(ピクセル数a、ピクセル数b)も変更する。そして、後述する識別器C(
図30参照)を用いて、検索領域R1の中から、大動脈Aを検出する。
【0089】
図30は、識別器Cを用いて、大動脈Aを検出するときの説明図である。
検出手段104は、θをθ1〜θ2の間で変化させ、θを変化させるたびに、ウィンドウWのaおよびbの値を変更する。そして、ウィンドウWの3つのパラメータ(θ,a,b)のうちのいずれかのパラメータを変更するたびに、ウィンドウW内のピクセルデータを抽出する。識別器Cは、抽出されたデータに基づいて、アキシャル画像D
1の大動脈AがウィンドウWの先端部に内接している可能性が高いか低いかを判断するための出力値Outを出力するものであり、被検体を撮影する前に、予め作成されている。識別器Cは、例えば、大動脈の信号値の情報を含む教師データと、大動脈とは別の組織の信号値の情報を含む教師データとを学習することにより、作成することができる。本形態では、ウィンドウWの先端部に大動脈Aが内接している可能性が高いほど出力値Outが大きくなるように、識別器Cが構成されている。したがって、識別器Cの出力値Outが最大のときに、アキシャル画像D
1の大動脈AがウィンドウWの先端部に内接している可能性が最も高いと判断することができる。ここでは、回転角θ=θ
1、ピクセル数a=a
1、およびピクセル数b=b
1のときに、識別器Cの出力値Outが最大になったとする。したがって、ウィンドウWのパラメータ(θ,a,b)=(θ
1,a
1,b
1)のときに、アキシャル画像D
1の大動脈AがウィンドウWの先端部に内接していると判断されるので、検索領域R1の中から大動脈Aを検出することができる。
【0090】
上記の説明では、アキシャル画像D
1における大動脈Aを検出する方法について説明したが、他のアキシャル画像D
2〜D
10についても、識別器Cを用いて、検索領域の中から大動脈を検出する。したがって、各アキシャル画像について、大動脈の位置を求めることができる。
図31に、アキシャル画像D
1〜D
10の各々について、ステップST2により求められた大動脈の位置PA1〜PA10を概略的に示す。大動脈の位置PA1〜PA10は、大動脈の中心である必要はなく、大動脈の断面の内側にいちしているを概略的に示す。アキシャル画像D
1〜D
10のアキシャル画像D
1〜D
10の各々の大動脈の位置を求めた後、ステップST5に進む。
【0091】
ステップST5では、平面計算手段105(
図2参照)が、検出された大動脈Aの位置PA1〜PA10に基づいて、大動脈を縦断する平面を計算する。以下に、この平面の計算方法について説明する。
【0092】
先ず、平面計算手段105は、大動脈の位置PA1〜PA10に基づいて、アキシャル画像ごとに、大動脈の断面の領域を特定する。大動脈の断面の領域の特定方法としては、例えば、Level Setなどのセグメンテーション法を使用することができる。大動脈の断面の領域を特定した後、大動脈の断面の中心を求める。例えば、大動脈Aの断面の重心を大動脈Aの中心として求めることができる。尚、大動脈の断面の形状を略円形と見なして、大動脈Aの中心を求めてもよい。
【0093】
大動脈Aの中心を求めた後、平面計算手段105は、アキシャル画像D
1〜D
10の各々に対して求められた大動脈Aの中心の位置情報に基づいて、大動脈Aの走行方向と略平行になるように大動脈Aを縦断する平面FSを求める。
図32に、求められた平面FSを概略的に示す。本形態では、平面計算手段105は、アキシャル画像D
1〜D
10の各々に対して求められた大動脈Aの中心と平面との間の距離の二乗和を計算し、この二乗和が最小になるときの平面を、平面FSとして求めている。平面FSを求めた後、ステップST4に進む。
【0094】
ステップST4では、造影剤を検出するためのトラッカー領域を設定する。以下に、トラッカー領域の設定方法について説明する。
【0095】
図33は、トラッカー領域の設定方法の一例の説明図である。
オペレータは、操作部12(
図1参照)を操作し、ステップST3で求められた平面FSを表示部13に表示させるための命令を入力する。この命令が入力されると、表示部13に、ステップST3で求められた平面FSが表示される。
【0096】
平面FSが表示されたら、オペレータは、操作部12を操作し、平面FSに表示されている臓器および大動脈の位置関係を参考にして、トラッカー領域を設定するための情報を入力する。この情報が入力されると、トラッカー領域設定手段106(
図2参照)は、入力された情報に基づいてトラッカー領域を設定する。
図32では、大動脈Aの内側に位置するようにトラッカー領域R
tが設定された例が示されている。尚、トラッカー領域R
tは、大動脈Aの位置に基づいて、自動で設定してもよい。トラッカー領域R
tを設定した後、ステップST5に進む。
【0097】
ステップST5では、本スキャンMS(
図3参照)が実行される。本スキャンMSでは、被検体に造影剤が注入され、トラッカー領域R
tから造影剤を検出するためのシーケンスが繰り返し実行される。そして、トラッカー領域R
tに所定量の造影剤が注入したときに、肝臓の画像を取得するためのスキャンが実行され、フローが終了する。
【0098】
本形態では、アキシャル画像がどのクラスに属するかを求め、当該クラスに対応する確率分布モデルを用いて大動脈の検索領域を決定している。したがって、大動脈が存在する確率が高い領域に絞って大動脈の検出を行うことができるので、大動脈の検出精度を高めることができる。
【0099】
また、本形態では、アキシャル画像D
1〜D
10の各々から、胴部領域HBに外接するように画像部分を切り取り、アキシャル画像D
1〜D
10の分類を行っている。したがって、左腕領域HLおよび右腕領域HRの信号値の影響を受けずに、アキシャル画像のD
1〜D
10を分類することができるので、アキシャル画像が誤って分類される恐れを十分に低下することができる。
【0100】
本形態では、脳脊髄液CSFを基準にしてウィンドウWを設定しているが、脳脊髄液CSFとは別の部位を基準にしてウィンドウWを設定してもよい。また、本形態では大動脈Aを検出しているが、本発明は、大動脈Aとは別の血管を検出する場合にも適用することができる。
【0101】
本形態では、アキシャル画像に基づいて、大動脈を検出しているが、アキシャル面とは別の面(例えば、アキシャル面に対して斜めに交差するオブリーク面)の画像に基づいて大動脈を決定してもよい。
【0102】
本形態では、ウィンドウWは矩形状であるが、別の形状(例えば、楕円形状)であってもよい。
【0103】
尚、本形態では、分類マップCMを作成する場合、アキシャル画像の各々から、胴部領域C1に外接する矩形領域の画像部分を切り取り(
図8参照)、ベクトルα
1〜α
k(
図11参照)を求めている。しかし、胴部領域C1の中心部分を含むが体表部分は含まれないように画像部分を切り取り、ベクトルα
1〜α
kを求めてもよい。
図34は、胴部領域C1の体表部分が含まれないように画像部分を切り取り、ベクトルα
1〜α
kを求める一例を概略的に示す図である。
図34の方法では、胴部領域C1の中心部分を含むが体表部分を含まない画像部分(ハッチングで示された部分)に基づいてベクトルα
1〜α
kが求められているので、体表部分の脂肪の影響が軽減された分類マップCM’(図示せず)を作成することができる。分類マップCM(
図13参照)の代わりに、分類マップCM’が作成された場合も、ステップST2を実行することにより、アキシャル画像を分類することができる。尚、分類マップCMを用いてアキシャル画像を分類する場合は、ステップST24において、アキシャル画像D
1から、胴部領域HBに外接するように画像部分が切り取られている。しかし、分類マップCMの代わりに分類マップCM’を用いてアキシャル画像を分類する場合は、ステップST24において、アキシャル画像D
1から、胴部領域HBの体表部分が含まれないように画像部分を切り取ればよい。
【0104】
また、本形態では、左腕領域および右腕領域が含まれないように画像部分を切り取り、分類マップを作成している。しかし、アキシャル画像を正しく分類できるのであれば、左腕領域および右腕領域が含まれるように画像部分を切り取り、分類マップを作成してもよい。
【0105】
尚、本形態では、ラプラシアン固有マップ法を用いてアキシャル画像を分類する方法について説明したが、本形態における分類方法は一例であり、他の手法を用いてアキシャル画像を分類してもよい。