(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6378879
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】即席食品のトレイを作製する方法
(51)【国際特許分類】
A23L 3/00 20060101AFI20180813BHJP
B65D 77/08 20060101ALI20180813BHJP
B65D 81/32 20060101ALI20180813BHJP
B65D 81/34 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
A23L3/00 101A
B65D77/08 E
B65D77/08 G
B65D81/32 K
B65D81/34 U
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-2055(P2014-2055)
(22)【出願日】2014年1月9日
(65)【公開番号】特開2014-158462(P2014-158462A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2016年12月19日
(31)【優先権主張番号】13425010.9
(32)【優先日】2013年1月17日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514008181
【氏名又は名称】バリッラ・ジ・エッレ・フラテッリ・ソチエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】Barilla G.eR. Fratelli S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(72)【発明者】
【氏名】アミゴニ・ミケーレ
(72)【発明者】
【氏名】テデスキ・ジャンカルロ
(72)【発明者】
【氏名】ボルディーニ・アンドレーア
(72)【発明者】
【氏名】アザリ・ピエルルイジ
【審査官】
柴原 直司
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭58−193277(JP,A)
【文献】
特開2012−062113(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0282636(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 3/00−3/3598
B65D 77/08,77/10,81/32,81/34
B65B 9/04,29/08
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
滅菌された調理加工済み食品パッケージ(1;1’)を作製する方法において、
主容器(2;2’)を供給するステップ(100)であって、前記主容器(2;2’)が、主食料製品(20)を収容することを目的とした主容積部(2a;2a’)を画成し、且つ第1の平坦な縁部(2d;2d’)によって囲まれた上側部分に第1の開口部(2b;2b’)を有する、ステップと、
少なくとも1つの副容器(3;3’)を供給するステップ(200)であって、前記少なくとも1つの副容器(3;3’)が、副容積部(3a;3a’)を画成し、且つ第2の平坦な縁部(3d;3d’)によって囲まれた上側部分に第2の開口部(3b;3b’)を有する、ステップと、
前記第1の縁部(2d;2d’)及び前記第2の縁部(3d;3d’)が面一となるように、前記副容器(3;3’)を前記主容器(2;2’)の内側に導入するステップ(300)と、
少なくとも1つの副食料製品(30;30’)を前記副容積部(3a;3a’)内に導入するステップ(400)と、
少なくとも1つの主食料製品(20;20’)を前記主容積部(2a;2a’)内に導入するステップ(500)と、
前記第1の縁部(2d;2d’)に向き合う第1のシールヘッドを用いて、前記副容器(3;3’)が前記主容器(2;2’)の内側に導入された状態で、前記第1及び第2の開口部(2b;2b’,3b;3b’)を覆うように配置されるカバーフィルム(4;4’)と前記第1の縁部(2d;2d’)との間に、周囲シールを形成するステップ(600)と、
前記第2の縁部(3d;3d’)に向き合い且つ前記第1のシールヘッドとは物理的に異なる第2のシールヘッドを用いて、前記副容器(3;3’)が前記主容器(2;2’)の内側に導入された状態で、前記第1及び第2の開口部(2b;2b’,3b;3b’)を覆うように配置された前記カバーフィルム(4;4’)と前記第2の縁部(3d;3d’)との間に内側シールを形成するステップ(700)と
を含む方法。
【請求項2】
前記周囲シールを形成するステップ(600)では、前記第1のシールヘッドが第1の圧力(P1)を前記カバーフィルム(4)の上に加え、前記内側シールを形成するステップ(700)では、前記第2のシールヘッドが第2の圧力(P2)を前記カバーフィルム(4)の上に加え、前記第1の圧力(P1)が前記第2の圧力(P2)よりも高い請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の圧力(P2)は5バール未満である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の圧力(P1)は5バール超である請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記周囲シールを形成するステップ(600)における前記第1のシールヘッドの保圧時間(T1)は、前記内側シールを形成するステップ(700)における前記第2のシールヘッドの保圧時間(T2)よりも長い請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のシールヘッドの前記保圧時間(T1)は0.8秒超であり、前記第2のシールヘッドの前記保圧時間(T2)は0.8秒未満である請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記周囲シールを形成するステップ(600)及び前記内側シールを形成するステップ(700)では、前記第1のシールヘッドの温度(θ1)及び前記第2のシールヘッドの温度(θ1)は、ヒートシールを形成するように前記カバーフィルム(4;4’)の溶融温度を上回る請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記カバーフィルム(4;4’)はプラスチック材料から作製され、前記第1のシールヘッドの前記温度(θ1)及び前記第2のシールヘッドの前記温度(θ1)は、180℃〜220℃の間に含まれる請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のシールヘッドは第1のシール輪郭(80)を画成し、前記第2のシールヘッドは第2シール輪郭(90)を画成し、前記シール輪郭(80、90)の双方は閉じた輪郭である請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のシール輪郭(80)は、前記第2の縁部(3d;3d’)に掛かることなく、前記第1の縁部(2d;2d’)にならう請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記主容器(2;2’)を供給するステップ(100)は、EVOH共押出バリアを伴ってポリプロピレンで前記主容器(2;2’)を熱成形するステップを含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の縁部(2d;2d’)は、前記調理加工済み食品パッケージ(1;1’)に対して外側に向かって突出して形成され、前記周囲シールを形成するステップ(600)は、前記第1の縁部(2d;2d’)の下に対向金型を用いることを伴う請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記周囲シールを形成するステップ(600)及び前記内側シールを形成するステップ(700)は、2つの異なる時点でされる請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記周囲シールを形成するステップ(600)及び前記内側シールを形成するステップ(700)の後に、前記調理加工済み食品パッケージ(1;1’)をオートクレーブ内で滅菌するステップも含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記周囲シールを形成するステップ及び前記内側シールを形成するステップは、1つ以上のシールステーション(960,970)を用いて実施され、前記1つ以上のシールステーション(960,970)は、前記周囲シール及び前記内側シールを形成するようにそれぞれ配置され且つ互いとは異なる少なくとも1つの第1のシールヘッド及び少なくとも1つの第2のシールヘッドを備える請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理加工済み食品パッケージを作製する方法に関する。本発明は、具体的には、電子レンジ内で加熱することができるタイプであり且つ喫食する前に混合すべき少なくとも2つの別れた滅菌食料製品を含むパッケージを作製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者の大部分は、使うことのできる時間が限られている。このことに関するニーズを満たすために、本明細書で対象とする産業分野は、大抵の場合に電子レンジ内で加熱可能である種々のタイプのすぐに喫食できる食料製品を製造及び販売している。そのような食料製品は通常、(そのような調理加工済み食品が電子レンジ内での加熱を必要とするかに応じて)「ready to heat(温めれば食べられる)」又は「ready to eat (そのまま食べられる)」と称されている。
【0003】
種々のタイプの調理加工済み食品の中で、いくつかの調理加工済み食品は、喫食する前に混合すべき2つの別れた食品構成品を含む。一般的に、そのような構成品のうちの一方は、液体の稠度又は半液体の稠度を有し、他方に対するコンディメント(condiment)としての機能を果たす。これらの2つの構成品は、例えば、パスタ及びこのパスタと混合すべきソースからなる、又はシリアル及びこのシリアル用の味付けクリームによって形成されることができる。
【0004】
場合によっては、上述のタイプの調理加工済み食品パッケージは単一のトレイを含み、このトレイは、2つの区画に分けられ、2つの別個の構成品を入れるように意図され、カバーフィルムによって覆われる。
【0005】
このタイプのパッケージは、パッケージング後に食料製品を滅菌することを可能にする。事実上、2つの構成品を物理的に分離することは、液体でない部分に向かう湿気の移動を防止し、その部分の官能的特性の低下を防ぐ。
【0006】
しかしながら、滅菌による食料製品の品質の低下を防止するには、食料製品と上側の保護フィルムとの間に存在する空いた容積部を制限すること、すなわち、いわゆる「ヘッドスペース」を最小限に抑えることが、根本的に重要である。パッケージに関するこの要求は、上述した解決策の欠点に転じる。事実上、ヘッドスペースに関するこの要件を満たすためには、トレイの2つの区画は、縁まで食料製品で満たされる。このとき、2つの構成品を混合するのに十分な空いた空間が全くない。したがって、消費者は2つの食料製品を別の皿に移すことを強いられ、それ故、そのような補足の皿を見つけること及び洗うことが必要となることによって不快感が引き起こされる。
【0007】
上述の問題を解決することを目的としたパッケージの代替の解決策は、複数の区画を有さず且つその中に2つの構成品が予め混合されて入っているトレイを使用することをもたらす。しかしながら、そのような場合、分けられていない食料製品に対して行われる滅菌は、食品の品質を損なう危険性がある。
【0008】
1つの代替の解決策は、2つの構成品に対して別々になったパック(packet)と、混合及び喫食のための剛性のある容器とを用いることである。しかしながら、この場合、製造コスト及びパッケージコストが大幅に上がる。
【0009】
最後のもう1つの解決策によって、内部で入れ子になる副容器を備える主容器を使用することが想定される。それ故、2つの食品構成品のうちの一方の食品構成品が副容器を満たし、他方の食品構成品が、主容器の容積部のうち副容器が占めていない空いた容積部に入れられる。パッケージは、ヘッドスペースを最小限に抑えるように完全に満たされることができ、その後、パッケージはカバーフィルムによって密封され、オートクレーブ内で滅菌される。喫食時、カバーフィルムが取り除かれて副容器が抜き取られ、主容器の内部に、2つの構成品を混合するためのさらなる容積部がもたらされる。
【0010】
この最後の解決策は、本産業分野の現在の要求されることをかなり満たすものであるが、それでもやはり、この最後の解決策は、カバーフィルムの取り付けに主に関連した依然として解決すべき欠点を有する。
【0011】
カバーフィルムの取り付けは通常、ヒートシールすることによって得られ、このヒートシールは、カバーフィルムの上面上に下げられて所与の保圧時間の間所与の圧力をかける加熱シールヘッドを通じた熱伝導によって、実施される。
【0012】
こうして実施されるシールは、当然ながら、食料製品のオートクレーブ内での滅菌及びその後の保存性のいずれをも考慮して、十分に高い強度及び気密性による特性を確実にしなければならない。しかしながら、シールの高い強度は、最終消費者によるカバーフィルムの取り外しをかなり妨げる。具体的には、副容器の上部口からカバーフィルムを分離することが極めて困難である。
【0013】
最終消費者は、カバーフィルムを取り外すために、フィルムのフラップをつかんで上方に向かって力を加えつつ、他方の手で主容器を保持する。2つの反対向きの動作を加えることができることによって、主容器に係合する周囲シールを開放するのがかなり容易になる。しかしながら、副容器は、主容器と一体化されてもなく、副容器に対して保持動作を加えたい最終消費者に容易にアクセス可能でもない。このため、そのような容器は、カバーフィルムの引き上げ中に、カバーフィルムから離れることなく又は部分的にのみ離れた状態で引っ張られる傾向がある。その結果、パッケージを完全に開けることへの面倒な妨げがあり、動作中に副容器の内容物が飛び出る危険性もある。
【0014】
オートクレーブ内での滅菌で要求されることに対して十分に耐える密封を形成するには、およそ10バールを示す比較的高いシール圧力を加える必要があることにも留意すべきである。パッケージの外周は、そのようなシール処理中に、好適な対向金型によって支持されるように、外側に突出させることができる。しかしながら、副容器における内側部分に対して、すなわちパッケージに対する周囲でない部分に対して同じことを与えるのは可能ではない。それ故、そのような部分では、シールヘッドの圧力が、下にあるプラスチック壁上へと放圧され、そのプラスチック壁に損傷を引き起こす危険性がある。
【発明の概要】
【0015】
したがって、本発明の基となる技術的な課題は、次のような滅菌された調理加工済み食品パッケージを作製する方法を提供することであり、この調理加工済み食品パッケージは、単一の保護フィルムによって上側部分でシールされた2つの食料製品を収容するように、内側で互いに入れ子になる2つの容器を備えるタイプのものである。この方法は、上述された従来技術の欠点を克服することを可能にする。
【0016】
上述の技術的な課題は、以下のステップを含む滅菌された調理加工済み食品パッケージを作製する方法によって解決される。つまり、本方法は、
主容器を供給するするステップであって、主容器が、主食料製品を収容することを目的とした主容積部を画成し、且つ第1の平坦な縁部によって囲まれた頂部に第1の開口部を有する、ステップと、
少なくとも1つの副容器を供給するステップであって、少なくとも1つの副容器が、副容積部を画成し、且つ第2の平坦な縁部によって囲まれた頂部に第2の開口部を有する、ステップと、
上記第1の縁部及び上記第2の縁部が面一となるように、上記副容器を主容器の内側に導入するステップと、
少なくとも1つの副食料製品を副容積部内に導入するステップと、
少なくとも1つの主食料製品を主容積部内に導入するステップと、
第1の縁部に向き合う第1のシールヘッドを用いて、上記第1の第2の開口部を覆うように配置されるカバーフィルムと上記第1の縁部との間に、周囲シールを形成するステップと、
第2の縁部に向き合い且つ第1のシールヘッドとは物理的に異なる第2のシールヘッドを用いて、カバーフィルムと第2の縁部との間に内側シールを形成するステップと
を含む。
【0017】
当業者は、従来は単一のシールヘッドを用いて実施されていたシール形成工程を分離することによって、周囲の外側シールの強度及び気密性による特性を個別に調整することが、如何にして有利に可能になるかを理解するだろう。
【0018】
本発明者は、外側シールに必要とされる高い強度特性が、より低い機械的応力を受ける内側シールではどのように厳密には必要ではないかということを、実際に見出した。このため、より低い耐性の内側シールを形成することが可能になり、従来技術の方法に関して上述した欠点、すなわち、カバーフィルムの取り外しの困難さ及びシールを形成する間のパッケージの構造を損傷させる危険性が解決される。
【0019】
周囲シールの形成では、第1のシールヘッドが第1の圧力をカバーフィルムの上に加え、内側シールの形成では、第2のシールヘッドが第2の圧力をカバーフィルムの上に加える。上記で概説した要件に従った異なる強度を備える2つのシールを形成するためには、上記第1の圧力は上記第2の圧力よりも高いことが好ましい。
【0020】
具体的には、第1の圧力は、好ましくは5バール超であり、さらにより好ましくは8バール〜10バールの間に含まれる。一方、第2の圧力は、好ましくは5バール未満であり、さらにより好ましくは2バール〜3バールの間に含まれる。
【0021】
第1の圧力は、例えば機械式アクチュエータを用いて加えられことができ、この機械式アクチュエータは、例えば、45kNの力を伴って一度に10個のパッケージをシールするように設けられる。
【0022】
第2の圧力は、例えば空気圧式アクチュエータを用いて加えられることができ、この空気圧式アクチュエータは、一度に6個のパッケージに対して作用するように設けられ、2バール〜3バールの間の範囲の圧力を加える。
【0023】
さらに、内側シールを周囲シールと異ならせるために、2つの異なるシールヘッドに対して2つの異なる保圧時間を適用することが可能である。具体的には、周囲シールの形成における第1のシールヘッドの保圧時間は、内側シールの形成における第2のシールヘッドの保圧時間よりも長いものとすることができる。
【0024】
例えば、第1のシールヘッドの保圧時間は0.8秒超(例えば1秒に等しい)とすることができ、第2のシールヘッドの保圧時間は0.8秒未満(例えば0.6秒に等しい)とすることができる。
【0025】
周囲シール及び内側シールの形成では、第1及び第2のシールヘッドの温度は、ヒートシールを形成するようにカバーフィルムの溶融温度よりも高いものとすることができる。具体的には、ヒートシールはシールヘッドの加熱を通じて形成され、これらのシールヘッドは、カバーフィルムと容器の上側縁部との間の境界面部分の加熱を促進する。
【0026】
カバーフィルムは、(容器との境界面で)プラスチック材料から少なくとも部分的に作製することができ、例えば、ポリプロピレンからなる少なくとも1つの内側層を含むことができる。第1及び第2のシールヘッドの温度は、180℃〜220℃の間に含まれることができる。周囲シールを形成する第1のシールヘッドには僅かにより高い温度を選択することができる。そのようなヘッドは、例えば200℃まで加熱されることができ、一方で第2のヘッドは195℃まで加熱される。
【0027】
第1のシールヘッドは第1のシール輪郭を画成し、一方で第2のシールヘッドは第2のシール輪郭を画成する。シール輪郭の双方は閉じた輪郭であることが好ましい。
【0028】
このような条件のおかげで、より高い耐性の周囲シールが、外部に対するパッケージの気密性を確実にし、一方で、内側シールが、2つの食品の間を分離するための内側の密封を独立して形成し、この内側の密封は、具体的には、オートクレーブ内での予定される滅菌中の湿気の移動を防ぐ。
【0029】
特に、第1のシール輪郭は、第2の縁部に掛かることなく上記第1の縁部にならうことができ、同様に、第2のシール輪郭は第2の縁部の周囲経路にならうことになる。
【0030】
主容器を供給するステップは、EVOH共押出バリアを伴ってポリプロピレンで主容器を熱成形するステップを含むことができるのが有利であり、一方、副容器を供給するステップは、ポリプロピレンで副容器を射出成形するステップを含むことができる。
【0031】
上記第1の縁部は、調理加工済み食品パッケージに対して外側に突出して形成できることが有利であり、上記周囲シールを形成するステップは、上記第1の縁部の下に対向金型を用いることを伴う。
【0032】
この最後の条件は、特に、第1のシールヘッドによって加えられる高いシール圧力を排出することを可能にする。
【0033】
上記周囲シールを形成するステップ及び上記内側シールを形成するステップは、2つの異なる時点で実施されることが好ましく、具体的には、周囲シールに対してより遅い時点で内側シールを形成することが好ましい。
【0034】
本発明による方法は、周囲シールを形成するステップ及び内側シールを形成するステップの後に、調理加工済み食品パッケージをオートクレーブ内で滅菌するステップも含むことができる。
【0035】
本発明による方法は、1つ以上シールステーションを用いて周囲シール及び内側シールを実施することができる。そのようなステーションは、具体的には、上記周囲シール及び上記内側シールを形成するようにそれぞれ配置され且つ互いとは異なる少なくとも1つの第1のシールヘッド及び少なくとも1つの第2のシールヘッドを備えることができる。
【0036】
第1のシールヘッドを装備する第1のシールステーションがあり、第2のシールヘッドを装備する第2のシールステーションがあることが好ましい。
【0037】
さらなる特徴及び利点は、例示的且つ非限定的な目的のために提供される添付の図面を参照して、本発明の好ましいが排他的ではないいくつかの実施形態における以下に概説される詳細な説明から、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明による方法を用いて作製されるパッケージの第1の形態の斜視図である。
【
図2】互いから分けられた
図1のパッケージを構成する主容器及び副容器の斜視図である。
【
図3】本発明による方法を用いて作製されるパッケージの第2の形態の斜視図である。
【
図4】内容物及びカバーフィルムを伴わない、
図3のパッケージの斜視図である。
【
図5】
図3のパッケージを構成する主容器の上面図である。
【
図6】
図3のパッケージを構成する副容器の上面図である。
【
図7】
図3のパッケージの斜視図であり、本発明による方法に関する2つのシールの輪郭が強調されている図である。
【
図8】本発明によるパッケージを作製する方法のフローチャートを示す図である。
【
図9】本発明による作製方法を実施するためのパッケージング工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
添付の
図1〜
図6を参照すると、参照符号1及び1’は、滅菌された調理加工済み食品パッケージの第1の形態及び第2の形態をそれぞれ示し、これらの形態の双方が、本発明による方法を用いて作製されることができる。
【0040】
パッケージ1;1’は、電子レンジ内で加熱されるのを目的とするタイプであるのが、好ましい。
【0041】
パッケージ1;1’の双方は、主容積部2a;2a’を画成し且つ上側部分に第1の開口部2b;2b’を有する主容器2;2’と、上記主容積部2a;2a’の少なくとも一部内に収容される主食料製品20(第2の形態に関する図では見えない)と、副容積部3a;3a’を画成し且つ上側部分に第2の開口部3b;3b’を有する少なくとも1つの副容器3;3’と、上記副容積部3a;3a’の少なくとも一部内に収容される少なくとも1つの副食料製品30;30’と、上記第1の開口部2b;2b’及び上記第2の開口部3b;3b’を塞ぐように配置構成される取り外し可能なカバーフィルム4;4’とを備える。
【0042】
主食料製品は、例えばパスタ、ライス、又は他のシリアルからなることができ、副食料製品30;30’は、同様に例として、ソース、野菜クリーム、又は他の同様のコンディメントとすることができる。そのような副食料製品30;30’は、液体の稠度又は半液体の稠度を有することが好ましい。他方で、本発明の代替の実施形態は、固体の稠度を有する副食料製品30;30’と共に液体タイプの主食料製品を提供することもできるし、双方の食料製品を液体又は固体とすることもできる。
【0043】
主食料製品及び副食料製品は、上記で概説されたヘッドスペースを最小限に抑えることに関連した理由から、利用可能なフリーな容積部のうちの少なくとも80%を占めることが好ましい。
【0044】
本明細書において、フリーな容積部という用語は、食料製品が占めるのに使用可能な容器内部の容積部を示すのに用いられる。この容積部は、滅菌前の容器の開口部上に位置する平面によって上側部分の境界が定められる。
【0045】
副容器3;3’は、主容積部2a;2a’の一部を占めると共に主食料製品にとって利用可能なフリーな容積部を上記主容積部2a;2a’の一部にまで減らすような方式で、主容器2;2’の内側に取り外し可能なかたちで付随する。
【0046】
具体的には、副容器3;3’は、主容器2;2’の側方部分を占めることが好ましい。
【0047】
主容器2;2’は第1の底壁部2g;2g’を備え、副容器3;3’は第2の底壁部3g;3g’を備える。そのような壁部2g;2g’,3g;3g’は、2つの容器2;2’,3;3’の支持基部としての機能を果たすようなかたちで、平面的であることが好ましい。第2の底壁部3g;3g’は、第2の容器3;3’が第1の容器2;2’に付随するときに、第1の底壁部2g;2g’上に載るのが好ましい。本明細書で示される形態の双方において、第1の底壁部2g;2g’は楕円形の輪郭を有し、第2の底壁部3g;3g’は部分楕円を画成する。
【0048】
主容器2;2’は、第1の開口部2b;2b’の周囲に沿って延びる第1の縁部2d;2d’を有し、副容器3;3’は、第2の開口部3b;3b’の周囲に沿って延びる第2の縁部3d;3d’を有する。パッケージ1;1’が閉じられているとき、第1の縁部2d;2d’及び第2の縁部3d;3d’は、同一平面上にあり、且つカバーフィルム4;4’と直接接触しており、このとき、カバーフィルム4;4’は双方の縁部と一体的に結合されている。
【0049】
これ故、プラスチック材料から作製されるカバーフィルム4;4’は、パッケージ1;1’の上側部分を全体的に覆う。カバーフィルム4;4’は、第1の形態に関して図示されるように透明とすることもでき、又は、第2の形態に関して図示されるように不透明とすることもできる。この不透明なカバーフィルムの場合、副食料製品30’への視覚的なアクセスに用いる透明な窓4a’が存在することは注目に値する。
【0050】
縁部2d;2d’,3d;3d’は、それぞれの側壁部2h;2h’,3h;3h’を用いて、それぞれの底壁部2g;2g’,3g;3g’に接合されている。側壁部2h;2h’,3h;3h’は、上方に向いた凹面を有し、第2の形態のみにおいて、そのような壁部2h’,3h’はまた、楕円の頂点で実質的に平らな部分も有する。これらの実質的に平らな部分は、いかなる場合も、第1の容器2’内への第2の容器3’の挿入を容易にするために、鉛直に対して僅かな傾斜を備えている。縁部2d;2d’,3d;3d’は、これら縁部が属する容器の残りの部分に対して外方に突出して、具体的には側壁部2h;2h’,3h;3h’に対して外方に突出して延在する。
【0051】
副容器3;3’を保持している主容器2;2’に対する副容器3;3’の位置を拘束するために、そのような副容器3;3’は、主容器2;2’内で所定のゾーンに、形状が対になるかたちで収容される。
【0052】
そのために、パッケージ1;1’の主容器2;2’の第1の縁部2d;2d’には、主容器2;2’のそのような所定のゾーンに溝2c;2c’がついており、この溝2c;2c’は、副容器3;3’を収容し且つ副容器3;3’を所定の位置に維持することを目的としている。第1の縁部2d;2d’に沿って内方に延びる溝2cは、第1の縁部2d;2d’及び第2の縁部3d;3d’が上述したように同一平面上にあるようなかたちで、第2の縁部3d;3d’の少なくとも一部の外側部分を収容し且つ支持する。溝2c;2c’は、副容器3;3’が主容器2;2’の中心に向かってスライドするのを防ぐ2つの鉛直な当接面2f;2f’を有することが有利である。
【0053】
図3〜
図6に示される第2の形態では、パッケージはまた、さらに2つの容器2’,3’の間で独特の相互結合を画成するために、主容器2’の楕円形の底壁部2g’を囲む周囲チャネル2i’を有する。そのようなチャネルは、副容器3’の底壁部の下に突出する対応した突出部3i’を収容することを目的とする。
【0054】
代替の実施形態によって、入れ子になる2つの容器の間での相対的なスライドを防ぐための代替の解決策の提供ができる。
【0055】
第1の形態では、副容器3は、第2の開口部3aの周囲に、副食料製品30を主容器2内へ注ぐことを容易にするように適合した注ぎ口3cを有する。注ぎ口3cは、具体的には、第2の開口部3bの内側周囲輪郭の内側に向かう、凹んだ傾斜によって画成される。
【0056】
そのような特徴部は、第2の形態では再現されていない。第2の形態では、その代わりに、第2の開口部3b’の対応する内側周囲輪郭3c’は、外側に向いた凹形状を有する。そのような条件によって、カバーフィルム4’の適用の際に高いシール圧力を受ける要素の構造的な剛性をより高めることが可能になる。
【0057】
再び第2の形態を参照すると、上記内側周囲輪郭3c’の下では、副容器3’の側壁部3h’は実質的に鉛直であり、同様に鉛直である複数の補強リブ3j’を有することに留意すべきである。そのような特徴は、副容器3’の頂部に加えられるシール圧力を排出するのに寄与する。
【0058】
これらの形態の双方において、第2の縁部3d;3d’は、好ましくは内側周囲輪郭と反対側に、保持ストリップ3e;3e’を有する。保持ストリップ3e;3e’は、第2の縁部3d;3d’の隣接部分に対して突出して延在している。保持ストリップ3e;3e’は、副容器3;3’をつかむのを容易にし、具体的には、例えば直接の手による取り扱いを防止するように、副食料製品が或る温度に達するときに副食料製品から離れた保持箇所を提供する。
【0059】
特に、保持ストリップ3e;3e’は、溝2c;2c’に少なくとも部分的に収容される。
【0060】
第1の形態では、ストリップ3eにおける収容される部分は、陥凹勾配部3mをもつ周囲輪郭を有する。そのような周囲輪郭は、2つの容器が結合されたときに溝2cの側面に隣接し、この周囲輪郭は、ちょうど陥凹勾配部3mで溝2cの側面から離れている。そのような陥凹部は、周囲輪郭と溝2cの側面との間に消費者の指を差し込むことを可能にするように適合された形状及びサイズを有し、これにより、ストリップ3eが容易につかまれることを可能にする。
【0061】
第2の形態において、さらにストリップ3e’をつかむのを容易にするために、溝2c’は、ストリップ3e’の周りに且つ下に指を差し込むことを可能にする窪み部2m’を有する。ストリップ3e’は、その把持を容易にするように中央の穴を伴った矩形形状を有する。
【0062】
第1の形態において、主容器2は、長手方向の延長部を有しており、主容器2の両端にその保持を容易にするように適合する2つの成形された突出部2eを備える。副容器3の位置を規定する溝2cは、そのような成形された突出部2eのうちの一方に配置構成されることが有利であり、これ故、当接面2fが、主容器の上側部分の延出部に対して横断している。
【0063】
第2の形態において、主容器2’は、三角形状耳部2k’を除いて実質的に楕円形の輪郭を有しており、耳部2k’は、上記輪郭の2つの隣り合う頂点の間における中間点に配置される。具体的には、そのような中間点は、副容器3’を収容する主容器2’の一部分に沿って配置されている。
【0064】
三角形状耳部2k’は、パッケージ1’を開ける際のカバーフィルム4’のための把持用フラップとしての機能を果たすことが有利である。三角形状耳部2k’の位置が与えられるとき、その位置は、内側周囲輪郭3c’に対して位置が合わない開放した前部を有するように、パッケージ1’の軸に対して斜めである斜線に従ってカバーフィルム4’をはがすのを促進する。これにより、カバーフィルムをはがすのに関わる消費者に必要な労力が減る。
【0065】
さらに開放動作を促進するために、第2の形態では、第2の縁部3d’は、三角形状耳部2k’に粗面部分3l’(本ケースではディンプル加工された円盤によって画成される)を有し、粗面部分3l’は、副パッケージ3’に対するカバーフィルム4’の最初の剥離を容易にすることを目的としている。
【0066】
主容器2;2’、副容器3;3’及びカバーフィルム4;4’を作製するのに用いられる材料は全て、それらが収容する食料製品の官能的品質を低下させることなく、運転する電子レンジ内に挿入されることを特に目的とすることが好ましい。具体的には、それら材料は、電子レンジ内での使用に適したプラスチックを用いて作製されることが好ましい。
【0067】
特に、主容器2;2’は、カバーフィルム4;4’がPP/EVOH/PPのバリアフィルムであることが好ましいのと全く同じように、EVOH共押出バリアを伴って熱成形されるポリプロピレンから作製されるのが好ましい。一方、副容器3;3’は、射出成形によって、すなわち、例えば第2の形態のリブ3j’を作製するのに必要なより高い精度を可能にするプロセスによって、ポリプロピレンから作製されることが好ましい。
【0068】
最終消費者による上述のパッケージ1;1’の使用しやすさを強調するために、最終消費者が喫食時に行う動作を以下で検討する。
【0069】
まず、最終消費者は、必要な場合、パッケージ1;1’の内容物を、好ましくは電子レンジで、加熱又は調理する処理をする。存在する食料製品のタイプに従って、最終消費者は予め、カバー手段4;4’に対して取り外す又は穴を開けることをする場合もあれば、しない場合もある。さらに、最終消費者は、主容積部2a;2a’又は副容積部3a;3a’の内部に水を加える必要がある場合がある。
【0070】
もし副容積部3a;3a’がソースのような液体の稠度を有する食料製品を収容する場合であれば、カバー手段4;4’は、蒸気がちょうど第2の開口部3b;3b’から出ていくことを可能にするように部分的にはがされるのが好ましいことになる。
【0071】
パッケージ1;1’の加熱が終わると、又は電子レンジ内に導入される前でも、最終消費者は2つの食料製品の混合を行う。この工程において、最終消費者は、陥凹勾配部3m又は窪み部2m’で指を差し込んで、保持ストリップ3e;3e’をつかみ、副容器3;3’を主容器2;2’から抜き取る。その結果、この時点で全体が利用可能になる主容積部2a;2a’全体に、主食料製品が分散する。この時点で、最終消費者は、副容器3;3’を傾けることによって、(可能なかぎり注ぎ口3cを通じて)副食料製品30;30’をそのような主容積部2a;2a’の内部に注ぐ。このとき、最終消費者は、主容積部2a;2a’の内部において、調理済み食品を容易に混合し喫食することができる。
【0072】
ここで、
図8を参照して、単に一例として前述した形態のうちの一方に従った滅菌された調理加工済み食品パッケージ1;1’を作製することを可能にする、本発明による作製方法の記述に移る。
【0073】
本方法における次々に続くステップをよりわかりやすくするために、これらのステップは、
図9に示されるタイプである一例のパッケージングライン910を参照して、以下に説明される。
【0074】
本方法は予め、主容器2;2’を作製するステップ100と、副容器3;3’を作製するステップ200とを実施する。前述したように、主容器2;2’は、EVOHバリアを伴ってポリプロピレンで熱成形することによって作製されることが好ましく、副容器3;3’も同様にポリプロピレンから射出成形によって作製されることが好ましい。
【0075】
パッケージングライン910の上流端には、主容器2;2’のための給送ステーション920があり、主容器2;2’は直線コンベヤベルト上で後続の処理ステーションに向かって方向付けられる。
【0076】
給送ステーション920の下流には、副容器3;3’の導入ステーション930があり、導入ステーション930では、コンベヤベルト上で方向付けられる主容器2;2’の内側へ副容器3;3’を導入する導入ステップ300が実施される。
【0077】
そのような導入ステップ300は、添付の
図9に示されているように専門の作業者によって手作業で実施されることができる。代わりに、主容器2;2’内への副容器3;3’の自動的な配置手段が存在することができる。
【0078】
副容器3;3’は、パッケージ1;1’に関して前述したように、主容器2;2’の内側のその正確な入れ子位置に導入される。特に、副容器3;3’は、主容積部2a;2a’の側部部分に導入され、さらには、第1の縁部2d;2d’及び第2の縁部3d;3d’は面一であることが好ましいということに留意すべきである。
【0079】
次いで、組み立てられた2つの容器2;2’,3;3’は、後続の第1の充填ステーション940にまで搬送され、充填ステーション940では、少なくとも1つの副食料製品30;30’を副容積部3a;3a’の内部に導入するステップ400が実施される。
【0080】
前述したように、副食料製品30;30’は、液体の稠度又は半液体の稠度を有するソース又は他の食品によって代表されることが好ましく、その結果、第1の充填ステーション940は、そのような食料製品を供給するための注出ノズルを備えることができるのが有利である。
【0081】
このステップでは、副食料製品30;30’は、例えば利用可能な副容積部3a;3a’のうちの少なくとも80%を占めるような量で導入される。なお、一般的には、ヘッドスペースは、後続のオートクレーブ内での滅菌を考慮して可能な限り低減されることが好ましい。
【0082】
副容器3;3’の充填が終わると、組み立て済みの容器2;2’,3;3’は、第2の充填ステーション950にまで搬送され、第2の充填ステーション950では、少なくとも1つの主食料製品を主容積部2a;2a’の内部に導入するステップ500が実施される。
【0083】
前述したように、主食料製品は、固体の稠度を有するパスタ又は他の食品によって代表されることが好ましく、その結果、第1の充填ステーション950は、そのような食料製品を供給するための重力式ディスペンサ又はロボットのヘッド(robotic head)を備えることができることが有利である。
【0084】
このステップでは、副食料製品30;30’は、例えば副容器3;3’の導入後に主容器2;2’内で利用可能である残されたフリーな容積部のうちの少なくとも80%を占めるような量で、導入される。なお、一般的には、ヘッドスペースは、後続のオートクレーブ内での滅菌を考慮して可能な限り低減されることが好ましい。
【0085】
充填が完了すると、パッケージ1;1’は、カバーフィルム4;4’をつけるための第1のシールステーション960にまで搬送される。
【0086】
第1のシールステーション960は、第1のシールヘッドを備えている。第1のシールヘッドを用いて、カバーフィルム4;4’とパッケージ1;1’の第1の縁部2d;2d’との間に周囲シールを形成するステップ600が実施される。
【0087】
周囲シールを実施するには、カバーフィルム4;4’は、上記第1の開口部2b;2b’及び上記第2の開口部3b;3b’を覆うように配置されなければならないということが留意されるべきである。そのような処理は、第1のシールヘッドの操作前に又はその操作と同時に実施されることができる。パッケージ1;1’の上側周長を上回るサイズのカバーフィルム4;4’の同じサイズへの裁断は、第1のシールヘッドを下げるのと併せて実施されることができる。
【0088】
周囲シールは、
図7で見ることができ且つパッケージ1;1’の第1の縁部2d;2d’にぴったりと係合する第1の閉じたシール輪郭80をならう。換言すれば、第1のシールヘッドは、周囲シールが形成されている間、副容器3;3’のいずれの部分をも押圧しない。周囲シールは、覆われるべきパッケージの外周をならい、本明細書に例示されているパッケージ1;1’の形態では、周囲シールは、具体的には実質的に楕円形である第1のシール輪郭80を有する。
【0089】
周囲シールは、第1の縁部2d;2d’のプラスチック材料と、カバーフィルム4;4の最も内側にある層を画成するプラスチック材料との間の境界面に形成されるヒートシールであり、これらのプラスチック材料は、例えばポリプロピレンから作製することができる。
【0090】
ヒートシールは、カバーフィルム4;4’の上に位置する第1のシールヘッドの加熱を通じた熱伝導によって実施される。高い付与圧力を排出するためにシール形成処理の間、第1の縁部2d;2d’の下に好適な対向金型があるように想定することができるということは、留意されるべきである。
【0091】
本方法の好ましい実施形態では、周囲シールの形成において、200℃に等しい第1の温度θ
1にまで加熱された第1のシールヘッドは、1秒に等しい保圧時間T
1の間、約45kNに等しい力を加える。詳細には、45kNの力は、機械式アクチュエータを用いて伝達され、第1のシールステーション960において同時にシールされる10個のパッケージにわたって分配される。各パッケージに約50cm
2と見積もられる第1のシール輪郭80の接触面積の場合、結果として生じる第1のシール圧力P
1は約9バールである。
【0092】
上記で示された値は、単なる例でしかないが、後続のオートクレーブ内での滅菌処理に適合する周囲シールの高い強度を確実にする。
【0093】
周囲シールが完了すると、パッケージ1;1’は、第2のシールステーション970にまで搬送される。
【0094】
第2のシールステーション970は第2のシールヘッドを備えている。第2のシールヘッドを用いて、カバーフィルム4;4’とパッケージ1;1’の第2の縁部3d;3d’との間に内側シールを形成するステップ700が実施される。
【0095】
内側シールは、
図7で見ることができ且つ副容器3;3’の第2の縁部3d;3d’にぴったりと係合する、第2の閉じたシール輪郭90をならう。内側シールは、副容器3;3’の外周にならい、本明細書に例示されているパッケージ1;1’の形態では、内側シールは、具体的には部分楕円を囲む第2のシール輪郭90を有する。第2のシール輪郭90は、副食料製品30;30’を主食料製品20に対して完全に分離するということに留意すべきである。
【0096】
周囲シールは、第2の縁部3d;3d’のプラスチック材料とカバーフィルム4;4’の内側層のプラスチック材料との間の境界面に形成されるヒートシールである。ヒートシールは、カバーフィルム4;4’の上に位置する第2のシールヘッドの加熱を通じた熱伝導によって形成される。パッケージ1’の第2の形態では、シール形成中に加えられる圧力は、補強リブ3j’上に放圧されることができるということに留意すべきである。
【0097】
本方法の好ましい実施形態では、内側シールの形成において、195℃に等しい第2の温度θ
2にまで加熱された第2のシールヘッドは、0.6秒に等しい保圧時間T
2の間、2.5バールに等しい第2の圧力P
2を加える。
【0098】
第2のシールステーション970は、詳細には、圧力制御型の空気圧式アクチュエータを備える。この空気圧式アクチュエータは、一度に6個のパッケージ上で内側シールを形成するように設けられる。
【0099】
上記で示された値は、単なる例でしかないが、後続のオートクレーブ内での滅菌処理中に内側の区画同士の間で蒸気が移動するのを回避するのに十分な内側シールの密封を確実にする。
【0100】
さらに、本方法は、パッケージングライン910から出てきた調理加工済み食品パッケージ1;1’をオートクレーブ内で滅菌するステップを含む。前述したように、滅菌は、パッケージ1;1’の作製においてヘッドスペースの低減を必須とする。
【0101】
カバーフィルム4;4’は、容器に収容される食料製品にとって利用可能なフリーな容積部全体の上限を定める。実際には、食料製品が2つの容器のフリーな容積部のうちの少なくとも80%、好ましくは90%を占めることによって、食料製品の上方高さ位置とカバーフィルム4;4’との間に構成されるヘッドスペースが、そのようなフリーな容積部のうちの僅か10%〜20%にとどまる。
【0102】
本発明の利点は、上述された方法によって実施されるパッケージの開放が非常に容易であることである。
【0103】
別の利点は、パッケージの外周に関する強度及び気密性の優れた特性から得られる。
【0104】
本発明の別の利点は、パッケージの単純さ及び低い製造コストである。
【0105】
本発明の別の利点は、本発明における電子レンジ内に導入するステップ及びパッケージが含む食料製品を混合するステップの間において、パッケージを構成する要素を簡単に手で取り扱うことができるということから得られる。
【0106】
本発明のさらなる利点は、本発明によるパッケージを構成する食料製品の官能的品質を低下させることなく、パッケージを電子レンジ内で加熱することができることに関する。
【0107】
明らかに、上述した本発明は、可能性のある要件及び特定の要件を満たすという目的で、当業者による多数の変更が加えられること及び変形されることを受けることができる。その全てが添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の保護範囲内に入る。