【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を解決する本発明の手すりユニットは、長尺な手すり構成部材に照明手段が内蔵された手すり本体と、
前記手すり本体を支え、前記照明手段に接続した導線を内部に有するブラケットとを備えたものであることを特徴とする。
【0008】
ここで、前記照明手段の光源は、発光ダイオード(以下、LEDという)であってもよいし、蛍光灯や白熱電球であってもよい。また、前記照明手段は、その光源が発光することで前記手すりユニットの存在や位置、形状等を利用者に知覚させるものであってもよいし、利用者の足元などを照らすものであってもよい。さらに、前記照明手段は、利用者が接近したことを人感センサ等が感知すると点灯するものであってもよいし、利用者が操作子を操作することで点灯するものであってもよい。
【0009】
本発明の手すりユニットによれば、前記照明手段に接続した導線を内部に有するブラケットを備えたものであるため、該導線を該ブラケットの内部から、例えば、該ブラケットが取り付けられた壁面の裏側にまわすことができ、配線の取り回しが容易になる。
【0010】
本発明の手すりユニットにおいて、前記手すり本体は、その手すり本体の端部となる開放端面から放音するスピーカを内蔵したものであってもよい。また、本発明の手すりユニットにおいて、前記ブラケットは、前記手すり本体の端部に装着され、該手すり本体から見た開放端面を形成するものであって、該開放端面から放音するスピーカを内蔵したものであってもよい。
【0011】
ここで、前記ブラケットは、前記スピーカに接続したリード線等の導線を内部に有するものであってもよい。また、前記手すり本体は、前記手すり構成部材の長手方向が水平方向に一致する姿勢で支えられたものであってもよいし、前記手すりユニットが階段の壁面などに設置される場合には、前記手すり本体は、前記手すり構成部材の長手方向が水平方向に対して傾斜した姿勢で支えられたものであってもよい。前記手すり構成部材の長手方向が水平方向に対して傾斜した姿勢で支えられた態様では、前記スピーカは、該手すり構成部材の長手方向に放音するものであってもよいし、水平方向に放音するものであってもよい。
【0012】
前記手すり本体が、前記開放端面から放音する前記スピーカを内蔵した態様、または前記ブラケットが、前記開放端面から放音する前記スピーカを内蔵した態様を採用することで、例えば、前記手すり構成部材から前記長手方向に離れた利用者に向けて放音することができる。これにより、前記スピーカから、例えば、前記手すりユニットの存在を知らせる音声等を放音することによって、前記長手方向に離れた利用者を該手すりユニットに効率的に誘導することができる。
【0013】
また、本発明の手すりユニットにおいて、前記ブラケットは、壁面または該壁面に取り付けられた補強材に固定されるものであり、
前記照明手段は、照射方向が真下よりも前記壁面側に向けられたものであることが好ましい。
【0014】
こうすることで、前記照明手段の光が利用者の目に直接入りにくくなり、該利用者が感じる眩しさを軽減することができる。
【0015】
さらに、本発明の手すりユニットにおいて、前記照明手段は、前記手すり構成部材の長手方向に配置された複数の光源を有するものであってもよい。
【0016】
ここで、前記複数の光源は、連続して発光させてもよいし、全て同時に、あるいは順番に点滅させてもよい。また、前記複数の光源は、前記手すり構成部材の長手方向における、一端側から他端側に向けて順番に発光あるいは点滅させてもよい。前記複数の光源を、前記手すり構成部材における、一端側から他端側に向けて順番に発光あるいは点滅させることで、例えば非常時に避難する方向を利用者に明確に示すことができる。さらに、前記複数の光源は、発光色や照度が異なる光源を組み合わせたものであってもよく、発光色や照度が異なる該複数の光源のうち、特定の発光色や照度の光源を選択して発光させてもよいし、発光色が異なる該複数の光源を同時に発光させてもよい。
【0017】
また、本発明の手すりユニットにおいて、前記手すり構成部材は、長手方向に延在し前記導線に接続した電力供給ラインを有するものであり、
前記照明手段は、おもて面に光源を有し、裏面に前記電力供給ラインに接触する電極部を有するものであり、
前記光源は、前記電力供給ラインから前記電極部を経由して供給された電力によって発光するものであることが好ましい。
【0018】
こうすることで、前記電極部を前記電力供給ラインに接触させるように前記照明手段を配置することによって前記光源に電力を供給することができる。
【0019】
またさらに、本発明の手すりユニットにおいて、前記手すり構成部材と前記ブラケットは、一体に成形されたものであってもよい。
【0020】
こうすることで、前記ブラケットを前記壁面等に固定すれば前記照明手段の照射方向が定まる。このため、例えば、前記照明手段の照射方向が所望の角度で前記壁面側に向くように前記手すり構成部材と前記ブラケットとを一体に成形することで、前記手すりユニットを該壁面等に取り付ける際に、該照明手段の照射方向の調整が不要になる。また、前記手すり構成部材と前記ブラケットとの間の段差をなくすことも容易になる。
【0021】
上記目的を解決する本発明の手すり設備は、長尺な手すり構成部材に照明手段が内蔵された手すり本体をそれぞれ備えた複数の手すりユニットが間隔をあけて連設された手すり設備であって、
前記手すりユニットは、
壁面または該壁面に取り付けられた補強材の表面に固定された状態で前記手すり本体を支え、前記照明手段に接続した導線を内部に有するブラケットとを備えたものであり、
隣り合う前記手すりユニットの前記導線どうしは、前記ブラケットが固定された面の裏側で接続したものであることを特徴とする。
【0022】
こうすることで、隣り合う該手すりユニット間に前記導線が接続される場合であっても配線の取り回しが容易になる。
【0023】
ここで、前記手すり設備は、前記複数の手すりユニットが、廊下に、前記手すり構成部材の長手方向に間隔をあけて連設されたものであってもよい。また、前記手すり設備は、前記複数の手すりユニットが、廊下や階段の踊り場と、階段とが接続する箇所を挟んで間隔をあけて連設されたものであってもよい。さらに、前記手すり設備は、前記複数の手すりユニットが、廊下の曲り角を挟んで間隔をあけて連設されたものであってもよい。
【0024】
上記目的を解決する本発明の手すり設備は、壁面に間隔をあけて取り付けられた、基体と蓋体を有するブラケットの間に、手すり本体が架設された手すり設備において、
前記基体は、固定部と、該固定部から、前記壁面とは反対側になる外側へ斜め上方に延設された連結部と、該連結部の上端に形成されて前記手すり本体が挿入され挿入された手すり本体を支持する支持部とが、一体的に形成されたものであり、
前記固定部が、表裏を貫通するねじ孔と、第1挿通孔とを有し、該ねじ孔にねじを通して前記壁面にねじ止めされたものであり、
前記連結部が、前記支持部の内周面に通ずる第2挿通孔を有するものであり、
前記手すり本体は、導線から電力が供給される一又は複数種類の電気部材を有するものであり、
前記第2挿通孔は、前記導線が挿通されたものであり、
前記第1挿通孔は、前記導線が挿通されたものであり、
前記蓋体は、前記導線の、前記第1挿通孔と前記第2挿通孔との間の部分と、前記ねじ孔に通されたねじの頭部とを含めて、前記連結部を外側から覆うものであることを特徴する。
【0025】
本発明の手すり設備によれば、前記導線の配線の取り回しが容易になるとともに、前記導線の、前記第1挿通孔と前記第2挿通孔との間の部分と、前記ねじ孔に通されたねじの頭部とを前記蓋体によって隠すことができる。
【0026】
本発明の手すり設備において、前記導線が、前記第1挿通孔から引き出された第1部分と、前記第2挿通孔から引き出された第2部分とを有し、前記第1部分と前記第2部分が結線されたものであってもよい。
【0027】
こうすることで、前記導線の配線の取り回しがより容易になる。
【0028】
また、本発明の手すり設備において、前記電気部材が、照明手段であってもよい。
【0029】
さらに、本発明の手すり設備において、前記手すり本体は、長手方向に延在し前記導線に接続した電力供給ラインが設けられたものであり、
前記照明手段が、おもて面に光源を有し、裏面に前記電力供給ラインに接触する電極部を有するものであり、
前記光源は、前記電力供給ラインから前記電極部を経由して供給された電力によって発光するものであることが好ましい。
【0030】
また、本発明の手すり設備において、前記電気部材が、スピーカであってもよい。
【0031】
ここで、前記電気部材は、振動を発生するバイブレータであってもよい。
【0032】
さらに、本発明の手すり設備において、前記支持部が、前記手すり本体の端部を支持するものであって、該手すり本体の端面を覆う開放端面を有するものであり、
前記スピーカが、前記手すり本体の端面と前記開放端面との間にクッション材で挟まれた状態で配置されたものであることが好ましい。
【0033】
こうすることで、前記スピーカから出力された音声等の、いわゆるビビリ等が抑えられるとともに、前記手すり本体における長手方向の寸法誤差なども吸収することができる。