(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6378983
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】ストレッチ運動用具
(51)【国際特許分類】
A63B 23/02 20060101AFI20180813BHJP
【FI】
A63B23/02 Z
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-182909(P2014-182909)
(22)【出願日】2014年9月9日
(65)【公開番号】特開2016-54879(P2016-54879A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年9月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】500584251
【氏名又は名称】株式会社エヌシィシィ
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(72)【発明者】
【氏名】坂 俊毅
【審査官】
古屋野 浩志
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3015234(JP,U)
【文献】
実開昭62−174551(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に前後方向に沿って山状に湾曲隆起する、仰向けの姿勢で体を載せて体を伸ばすためのストレッチ部を備え、
該ストレッチ部は、体を支持する幅方向のリブを、前後方向に複数本配設してなるものであり、
さらに、前後方向に沿って山状に湾曲隆起する台座を備え、
前記リブは、該台座の上部の幅方向中央部から左上方と右上方とに対をなすように延出する左右一対の指状弾性部によって形成されていることを特徴とするストレッチ運動用具。
【請求項2】
指状弾性部は、正面視で、先端側の傾斜が緩くなるように弓なりに湾曲していることを特徴とする請求項1に記載のストレッチ運動用具。
【請求項3】
前後方向の中央部に配設されるリブを形成する指状弾性部は、前側部及び後側部に配設されるリブを形成する指状弾性部に比べて、正面視での傾斜がきつくなるよう形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のストレッチ運動用具。
【請求項4】
前側部に配設されるリブを形成する指状弾性部は前傾しており、後側部に配設されるリブを形成する指状弾性部は後傾していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のストレッチ運動用具。
【請求項5】
前記リブの本数は5〜15本であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のストレッチ運動用具。
【請求項6】
前記リブは、正面視で、略V字状をなしていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のストレッチ運動用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、山状に湾曲隆起するストレッチ部に、首や背中、腰などを載せることにより脊椎周りの筋肉を伸長させて、姿勢矯正効果等を得るためのストレッチ運動用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のストレッチ運動用具としては、前後方向に沿って山状に湾曲隆起するストレッチ部を備え、仰向けになって、ストレッチ部の上に首や背中、腰を載せることにより、脊椎周りの筋肉を伸長させて、姿勢矯正効果等を得るものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−16396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のストレッチ運動用具は、ストレッチ部の湾曲形状に倣って首、背中、腰などを湾曲させることによって脊椎周りの筋肉を伸長させることができるが、かかるストレッチ運動用具では、ストレッチ部に載せた部位をむらなく伸長させることができない。体の硬さは不均一であるため、ストレッチ部に載せた部位を伸長させる方向に力が加わったときに、体の柔らかく伸びやすい部位が、体の硬く伸びにくい部位に優先して伸長することで、体の硬い部位を十分に伸長させることができないためである。
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、脊椎周りの筋肉をむらなく伸長させることのできるストレッチ運動用具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上部に前後方向に沿って山状に湾曲隆起する、仰向けの姿勢で体を載せて体を伸ばすためのストレッチ部を備え、該ストレッチ部は、体を支持する幅方向のリブを、前後方向に複数本配設してなるものであることを特徴とするストレッチ運動用具である。
【0007】
かかる構成にあっては、ストレッチ部に体を載せたときに、複数本のリブが、前後に間隔を置いて体の背面側を押圧することとなるため、隣り合う二本のリブに押圧される部位の間を前後に伸長させるように局所的な力が加わることとなる。このため、本発明にあっては、ストレッチ部に載せられた部位を、リブとリブの間ごとに伸長させるように力が加わることとなり、これにより、体の硬い部位と柔らかい部位を別々に伸長させることが可能となる。したがって、本発明のストレッチ運動用具では、体の硬い部位を、従来構成に比べて伸長させることができ、これにより、ストレッチ部に載せた部位をむらなく伸長させることが可能となる。
【0008】
本発明にあっては、前記リブの本数は5〜15本であることが提案される。発明者の研究によれば、リブの本数が5本未満であると、リブの間隔が広くなりすぎて、伸長力を体の硬い部位に限定して加えることが困難となる。また、リブの本数が16本以上であると、体の重みが多くのリブに分散してしまうため、1本のリブが体を押圧する力が弱くなり、リブとリブの間に作用させる伸長力が不十分となる。
【0009】
また、本発明にあっては、前記リブは、正面視で、略V字状をなしていることが提案される。かかる構成にあっては、ストレッチ部の幅方向の中央部に、前後方向の溝が形成され、この溝が、脊椎の真後ろの、筋肉の付きが薄い部位と対向することとなるため、リブが脊椎の真後ろを直接刺激して体を痛めることがなくなる。また、正面視略V字状のリブは、体を上方に押圧するだけでなく、体の背面側を両側から内側上方に挟み込むように押圧するため、体の中心に位置する脊椎周りの筋肉に、前後方向の伸長力を効率良く伝えることが可能となる。
【0010】
また、本発明にあっては、前後方向に沿って山状に湾曲隆起する台座を備え、前記リブは、該台座の上部の幅方向中央部から左上方と右上方とに対をなすように延出する左右一対の指状弾性部によって形成されていることが提案される。
【0011】
かかる構成にあっては、ストレッチ部に体を載せたときに、左右一対の指状弾性部によって略V字状に形成されたリブが、体の重みで左右に広がるように撓むこととなる。このため、リブは、撓んだ指状弾性部の復元弾力によって、脊椎周りの筋肉を両側から内側に強く押圧することができ、これにより、脊椎周りの筋肉を効率よく伸長させることが可能となる。
【0012】
また、上記構成にあっては、指状弾性部は、正面視で、先端側の傾斜が緩くなるように弓なりに湾曲していることが提案される。
【0013】
かかる構成にあっては、体の重みによって略V字状のリブが左右に広がる方向に撓むほど、指状弾性部の傾斜のきつい基端側部分が体を支持することとなるため、指状弾性部の撓み量の大小に関わらず、略V字状のリブと体とを常に適正な角度で当接させて、体に前後方向の伸長力を適切に作用させることが可能となる。
【0014】
また、上記構成にあっては、前後方向の中央部に配設されるリブを形成する指状弾性部は、前側部及び後側部に配設されるリブを形成する指状弾性部に比べて、正面視での傾斜がきつくなるよう形成されていることが提案される。
【0015】
前後方向の中央部のリブは、ストレッチ部の頂部に位置するため、ストレッチ部に体を載せた時に、前側部や後側部のリブに比べて大きな荷重が加わって、左右に広がる方向に大きく撓むこととなる。このため、かかる構成のように、中央部のリブを構成する指状弾性部について、正面視における傾斜をきつくしておけば、中央部の指状弾性部が荷重で大きく撓んだ場合でも、略V字状のリブと体の当接角度を適正範囲に留めることが容易となる。
【0016】
また、上記構成にあっては、前側部に配設されるリブを形成する指状弾性部は前傾しており、後側部に配設されるリブを形成する指状弾性部は後傾していることが提案される。
【0017】
かかる構成にあっては、ストレッチ部に体を載せたときに、荷重によって、前側部の指状弾性部(リブ)がさらに前傾するように撓み、後側部の指状弾性部(リブ)がさらに後傾するように撓むことで、体を、ストレッチ部の前後方向に一層伸長させることが可能となる。
【0018】
なお、本発明のストレッチ運動用具は、首(頸椎)や背中(胸椎)、腰(腰椎)などの筋肉を伸長させるのに用いられるが、首の伸長に用いるストレッチ運動用具と、背中の伸長に用いるストレッチ運動用具と、腰の伸長に用いるストレッチ運動用具は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、ストレッチ部の大きさや形状を、対象部位(首、背中、腰)の形状に適合するように夫々形成することが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
以上に述べたように、本発明のストレッチ運動用具によれば、従来構成に比べて、脊椎周りの筋肉をむらなく伸長させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】ストレッチ運動用具1の正面側の斜視図である。
【
図6】ストレッチ運動用具1の使用状態を示す説明図である。
【
図7】ストレッチ運動用具1の作用を示す説明図である。
【
図8】ストレッチ運動用具1の作用を示す説明図である。
【
図10】(a)はストレッチ運動用具1の側面図であり、(b)〜(l)は、各リブ4a〜4kを縦断したときの端面図である。(クレーム3の説明)
【
図11】ストレッチ運動用具1の作用を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
【0022】
本実施例のストレッチ運動用具1は、
図1〜5に示すように、上部に前後方向に沿って山状に湾曲隆起するストレッチ部2を備えている。このストレッチ部2は、幅方向に延びる11本のリブ4a〜4kを前後方向に並設してなるものである。
【0023】
詳述すると、ストレッチ運動用具1は、床面に載置される台座3を備えており、この台座3の上に、11本のリブ4a〜4kが形成されている。台座3は、
図4に示すように、前後方向に沿って山状に湾曲隆起する板状部であり、前後両端部を床面等に当接させる接地部6,6とし、接地部6,6の間の円弧状部分を、床面等から離間する非接地部7としている。
【0024】
11本のリブ4a〜4kは、左右一対の指状弾性部5a〜5kによって夫々形成される。指状弾性部5a〜5kは、指のように、横断面略円形の細長形状をなす弾性部であり、この指状弾性部5a〜5kが、台座3の幅方向中央部から左上方と右上方に対をなすように左右対称に延出することで、正面視略V字状をなす1本のリブ4a〜4kを形成している。そして、この左右一対の指状弾性部5a〜5kが、前後方向に略一定間隔で11対並ぶことで、11本のリブ4a〜4kからなるストレッチ部2が形成される。また、正面視略V字状のリブ4a〜4kが前後に並ぶことで、ストレッチ部2の幅方向の中央部には、前後方向の逃げ溝8が形成される。
【0025】
本実施例のストレッチ運動用具1は、合成ゴムなどの弾性材からなる一体成形品であり、後述するように、ストレッチ部2に首Nを載せたときに、指状弾性部5a〜5kが荷重によって撓み得るよう構成されている。
【0026】
本実施例のストレッチ運動用具1は、
図6に示すように、床などの上に設置して、使用者が仰向けになって首Nの背面側をストレッチ部2に載せて使用する。具体的には、使用者の頭がストレッチ運動用具1の前方に、使用者の肩がストレッチ運動用具1の後方になるようにして、さらに、ストレッチ部2の逃げ溝8の真上に頸椎が位置するようにして、ストレッチ部2の前後方向に沿って首Nを載せる。そして、体の重みによって、首Nの背面側を、ストレッチ部2の湾曲形状に倣うように湾曲させる。
【0027】
ここで、本実施例では、ストレッチ部2が、幅方向のリブ4a〜4kを、前後方向に11本並設してなる構成となっている。このため、
図7に示すように、首Nをストレッチ部2に載せた時に、夫々のリブ4a〜4kが、前後に間隔をおいて首Nの背面側を押圧し、これにより、首Nの背面側には、前後に隣り合う2本のリブ4a〜4kによって押圧された部位の間に、首Nを前後に伸長させる力が局所的に加わることとなる。このように、本実施例では、ストレッチ部2に首Nを載せたときに、1本目と2本目のリブ4a,4bの間、2本目と3本目のリブ4b,4cの間、・・・9本目と10本目のリブ4i,4jの間、10本目と11本目のリブ4j,4kの間の夫々において、首Nを前後に伸長させる力が個別に作用するため、首Nの硬く伸びにくい部位と、柔らかく伸びやすい部位とを別々の力で伸長させることができる。したがって、本実施例では、首Nの硬い部位を従来構成に比べて効率的に伸長させることができ、これにより、首Nをむらなく伸長させることが可能となる。
【0028】
特に、本実施例では、リブ4a〜4kの数が10本前後(5〜15本)である。このため、ストレッチ部2に載せられる部位を前後方向に適度に細分化して、首Nの硬い部位と柔らかい部位とに、別個の伸長力を働かせることができ、また、夫々のリブ4a〜4kによって、首Nの背面側を適度に押圧して、リブ4a〜4kで押圧する部位の間に適度な伸長力を作用させることができる。
【0029】
また、本実施例では、
図1〜5に示すように、夫々のリブ4a〜4kが、正面視略V字状をなし、リブ4a〜4kの幅方向の中央部に、前後方向の逃げ溝8が形成されている。この逃げ溝8は、
図8に示すように、ストレッチ部2に首Nを載せた時に、脊椎(頸椎)Cの真後ろと対向することとなるため、脊椎Cの真後ろの、筋肉の付きが薄い部分にはリブ4a〜4kが当接せず、リブ4a〜4kの押圧によって、脊椎Cが傷みにくいという利点がある。また、略V字状のリブ4a〜4kは、
図8に示すように、首Nを上方に押圧するだけでなく、首Nの背面側を両側から内側上方に挟み込むように押圧するため、首Nの中心にある脊椎Cの周囲の筋肉に、伸長力を好適に作用させることができるという利点もある。
【0030】
特に、本実施例では、夫々のリブ4a〜4kが、可撓性を有する左右一対の指状弾性部5a〜5kによって正面視略V字状に形成されているため、
図9に示すように、首Nをストレッチ部2に載せた時に、略V字状のリブ4gが左右に広がるように撓むこととなる。このため、本実施例では、ストレッチ部2に首Nを載せた時に、指状弾性部5a〜5kの復元弾力によって、首Nの背面側を両側から内側上方に強く押圧することができ、これにより、脊椎Cの周囲の筋肉を一層効率的に伸長させることができるという利点がある。
【0031】
さらに、本実施例では、指状弾性部5a〜5kは、
図9,10に示すように、正面視において弓なりに湾曲しており、先端側ほど傾斜が緩やかになっている。かかる形状によれば、首Nの荷重によって、略V字状のリブ4a〜4kが撓んで左右に広がるほど、指状弾性部5a〜5kの、比較的傾斜のきつい基端側部分が首Nを支持することとなる。このため、指状弾性部5a〜5kが大きく撓んだ場合でも、リブ4a〜4kが首Nの背面側と当接する角度が大きく変化せず、首Nに作用させる伸長力を安定させることができるという利点がある。
【0032】
また、
図10に示すように、本実施例では、前後方向の中央部に配設されるリブ4e〜4gを形成する指状弾性部5e〜5gは、前側部及び後側部に配設されるリブ4a〜4d,4h〜4kを形成する指状弾性部5a〜5d,5h〜5kに比べて、正面視の傾斜がきつくなるよう構成されている。前後方向の中央部に配設される指状弾性部5e〜5gは、ストレッチ部2の頂部のリブ4e〜4gを形成する部分であり、前側部や後側部の指状弾性部5a〜5d,5h〜5kに比べて大きな荷重がかかり、撓みが大きくなるが、かかる構成では、中央部の指状弾性部5e〜5gの傾斜を予めきつく形成しているため、首Nの荷重によって大きく撓んでも、中央部のリブ4e〜4gと首Nを適切な角度で当接させることができる。
【0033】
また、
図11に示すように、本実施例では、前側部に配設されるリブ4a〜4dを形成する指状弾性部5a〜5dは、5°〜15°程度前傾しており、後側部に配設されるリブ4h〜4kを形成する指状弾性部5h〜5kは、5°〜15°程度後傾している。このため、本実施例では、ストレッチ部2に首Nを載せた時に、首Nの重みで、前側部の指状弾性部5a〜5dがさらに前傾するように撓み、後側部の指状弾性部5h〜5kが後傾するように撓むこととなり、これにより、首Nを、ストレッチ部2の前後方向に一層伸長させることができるという利点がある。
【0034】
なお、本発明のストレッチ運動用具は、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
【0035】
例えば、上記実施例のストレッチ運動用具1では、台座3とリブ4a〜4k(指状弾性部5a〜5k)が一体的に設けられているが、台座3とリブ4a〜4kは別々の部材で構成することも可能である。また、上記実施例では、ストレッチ部2が、11本のリブ4a〜4kによって構成されているが、リブ4a〜4kの本数は、11本に限らず適切な範囲で増減可能である。具体的には、リブ4a〜4kの本数は5〜15本にすることが望ましい。4本以下では首Nの硬く伸びにくい部位に限定した伸長力を加えにくくなり、16本以上であると、荷重が多くのリブに分散しすぎて、1本1本のリブ4a〜4kが体を押圧する力が不足するためである。また、上記実施例では、前後に隣り合う指状弾性部5a〜5kが略完全に分離しているが、隣り合う指状弾性部5a〜5kは、完全に分離していなくてもかまわない。また、上記実施例で、
図9で図示した指状弾性部5a〜5kの撓み具合は一例であり、本発明に係る指状弾性部の撓みは、上記実施例で図示したものより小さくても大きくてもかまわない。
【0036】
また、上記実施例のストレッチ運動用具1は、首Nを載せて使用するものであるが、本発明のストレッチ運動用具1は、首に限らず、背中や腰を載せて胸椎や腰椎周りの筋肉を伸長させるストレッチ運動用具にも適用可能である。なお、背中や腰に使用するストレッチ用運動用具については、首とのサイズや形状の違いに併せて、上記実施例のストレッチ運動用具よりもサイズを大きくし、また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、背中や腰の形状に適合するように形状を変更することが望ましい。背中や腰について使用する場合も、上記実施例のストレッチ運動用具1を、首について使用する場合と同様にすればよい。具体的には、使用者の頭側がストレッチ運動用具の前方に、使用者の足側がストレッチ運動用具の後方になるようにして、さらに、逃げ溝の真上に脊椎が位置するようにして、ストレッチ部2の前後方向に沿って背中や腰を載せる。そして、体の重みによって、背中や腰の背面側を、ストレッチ部の湾曲形状に倣うように湾曲させればよい。
【0037】
また、上記実施例のストレッチ運動用具1は、床面に設置したストレッチ運動用具1に体(首N)を載せる使用方法のみを説明しているが、本発明のストレッチ運動用具は、それ以外の方法で使用することも可能である。例えば、使用者がうつぶせになった状態で、他者がストレッチ運動用具1を使用者の体の背面側に押し当てるように使用してもよい。また、使用者がストレッチ運動用具を手で持って、自分の体の背面側に押し付けて使用することもできる。さらには、ストレッチ運動用具を背もたれにセットした椅子に座って、背もたれのストレッチ運動用具に、首や、背中、腰などを凭れかけるようにして使用することも可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 ストレッチ運動用具
2 ストレッチ部
3 台座
4a〜4k リブ
5a〜5k 指状弾性部
6 接地部
7 非接地部
8 逃げ溝
C 頸椎(脊椎)
N 首