(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6379004
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】集塵アタッチメント及び電動工具
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20180813BHJP
B25D 17/18 20060101ALI20180813BHJP
B23Q 11/00 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
B25F5/00 Z
B25D17/18
B23Q11/00 M
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-209182(P2014-209182)
(22)【出願日】2014年10月10日
(65)【公開番号】特開2016-78133(P2016-78133A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年4月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】辻 英暉
(72)【発明者】
【氏名】古澤 正規
【審査官】
上田 真誠
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−016790(JP,A)
【文献】
特開2014−138968(JP,A)
【文献】
特開2013−056385(JP,A)
【文献】
実開昭52−036702(JP,U)
【文献】
特開平01−153246(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0193759(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
B23Q 11/00
B25D 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端にビットを装着して下向きで使用される電動工具の前記ビットに貫通されて下端が開口する本体部と、前記ビットの貫通部分からの偏心位置で前記本体部に連設されるホース接続部とからなり、前記ホース接続部にホースを介して外部の集塵機を接続して前記開口を作業面に接地させることで、前記ビットの周囲から発生した粉塵を前記開口から吸引可能とした集塵アタッチメントであって、
前記本体部の下端に、吸引力を発生させた状態で前記ビットと直交する平面との間に隙間を形成可能な2つの切欠きを、前記平面と平行な一方向に対して左右両側に、それぞれ前記一方向での前後方向の中央が前後端よりも高くなるように上向きに湾曲形成したことを特徴とする集塵アタッチメント。
【請求項2】
前記切欠きは、前記一方向で前記ビットの貫通部分よりも長い寸法で湾曲形成されることを特徴とする請求項1に記載の集塵アタッチメント。
【請求項3】
前記本体部は、平面視が楕円形状であり、前記切欠きは前記一方向と平行な前記本体部の長軸方向に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の集塵アタッチメント。
【請求項4】
前記本体部における前記ホース接続部の連設側の内面に、下方へ行くに従って前記本体部内の通気面積を徐々に狭める方向へ傾斜する傾斜部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の集塵アタッチメント。
【請求項5】
下端に装着されるビットに、請求項1乃至4の何れかに記載の集塵アタッチメントを貫通させてなる電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ハンマ等の電動工具のビットに貫通させて外部の集塵機と接続することで集塵を可能とする集塵アタッチメント及び電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
電動ハンマ等の電動工具では、ビットによる破砕作業等の際に発生する粉塵を集塵するために、特許文献1に開示のような集塵アタッチメントをビットに貫通させてホースを介して外部の集塵機と接続するようにしている。この集塵アタッチメントは、下方に向けて開口するテーパ筒で、上面には筒状のホース接続部が突設されており、下端を作業面に当接させた状態で集塵機を運転することで、発生する粉塵を飛散させることなく開口から吸引しホースを介して集塵機に回収することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2474386号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の集塵アタッチメントにおいては、過剰な負圧の発生防止やビットの容易な出し入れを目的として、軸方向にスリットを設けて筒体を部分的に分断している。しかし、このスリットによって作業中に変形を起こしやすく、変形によって吸引力が低下して集塵効率の悪化に繋がるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、スリットを設けることなく過剰な負圧の発生が防止でき、好適な集塵効率を維持できる集塵アタッチメント及び電動工具を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
下端にビットを装着して下向きで使用される電動工具のビットに貫通されて下端が開口する本体部と、ビットの貫通部分からの偏心位置で本体部に連設されるホース接続部とからなり、ホース接続部にホースを介して外部の集塵機を接続して開口を作業面に接地させることで、ビットの周囲から発生した粉塵を開口から吸引可能とした集塵アタッチメントであって、本体部の下端に、吸引力を発生させた状態で
ビットと直交する平面との間に隙間を形成可能な
2つの切欠きを
、当該平面と平行な一方向に対して左右両側に、それぞれ当該一方向での前後方向の中央が前後端よりも高くなるように上向きに湾曲形成したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、切欠きは、
当該一方向でビットの貫通部分よりも長い寸法で湾曲形成されることを特徴とするものである。
請求項
3に記載の発明は、請求項1
又は2の構成において、本体部は、平面視が楕円形状であり、切欠きは
当該一方向と平行な本体部の長軸方向に形成されることを特徴とするものである。
請求項
4に記載の発明は、請求項1乃至
3の何れかの構成において、本体部におけるホース接続部の連設側の内面に、下方へ行くに従って本体部内の通気面積を徐々に狭める方向へ傾斜する傾斜部を設けたことを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項
5に記載の発明は、電動工具であって、下端に装着されるビットに、請求項1乃至
4の何れかに記載の集塵アタッチメントを貫通させたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1及び
5に記載の発明によれば、切欠きを設けたことで過剰な負圧の発生が防止できるため、作業面へ吸着するおそれが低下し、好適な作業性が維持できる。また、本体部にスリットを設けないので、作業中に変形しにくくなり、好適な集塵効率も維持可能となる。
また、切欠きを
左右両側に形成したことで、左右のバランスが取れて本体部が傾きにくくなる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、切欠きが長い寸法で湾曲形成されるため、吸引時の隙間を長く確保でき、吸着のおそれがより少なくなる。
請求項
3に記載の発明によれば、請求項1
又は2の効果に加えて、本体部を楕円形状として切欠きをその長軸方向に形成しているので、作業面を広く覆うことがなく、必要な隙間も長く確保できる。
請求項
4に記載の発明によれば、請求項1乃至
3の何れかの効果に加えて、傾斜部の採用により、流速が上がって集塵効率の向上に繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】集塵アタッチメントを装着した電動ハンマの斜視図である。
【
図2】集塵アタッチメントの説明図で、(A)は中央縦断面、(B)は底面をそれぞれ示す。
【
図3】第1のホースホルダの説明図で、(A)はバンド係止部側の側面、(B)はA−A線断面、(C)はバンド接続部側の側面をそれぞれ示す。
【
図5】変更例の集塵アタッチメントの中央縦断面図である。
【
図6】変更例の第1のホースホルダの説明図で、(A)が締付状態、(B)が取付状態、(C)がラチェット爪の解除状態をそれぞれ示す。
【
図7】変更例の第1のホースホルダの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、集塵アタッチメントを装着した電動ハンマの斜視図で、まず電動ハンマ1は、モータを内蔵した上側ハウジング2の下方に、打撃機構部を内蔵した下側ハウジング3を連結し、下側ハウジング3の下端に形成した筒状のバレル部4の下端に、ビット6を下向きに着脱可能なツールホルダ5を設けてなる。7,7は、上側ハウジング3の左右に設けられ、一方にスイッチレバー8を備えたハンドル、9は電源コード、10はツールホルダ5に装着したビット6を抜け止めするツールリテーナである。
【0010】
ビット6には、集塵用のホース11が接続される集塵アタッチメント20が外装されている。この集塵アタッチメント20は、
図2にも示すように、平面視が楕円形状で下端が開口するカップ状の本体部21と、その本体部21の上面で長軸方向の一方側に連設される筒状のホース接続部22とからなるゴム製となっている。なお、
図2に示す単体の集塵アタッチメント20では左側を前方、右側を後方として説明する。本体部21は、上面を塞ぐ上板23と、上板23の周縁から下向きに形成される側板24とを有し、上板23には、ビット6の貫通孔26が形成される筒部25が下向きに連設されている。筒部25の内面には、筒部25の補強と共に挿入したビット6の外面と係合して回転方向に抵抗を生じさせる縦リブ27,27・・が形成されている。また、上板23は、ホース接続部22との連結際から前方へ行くに従って徐々に肉厚となるように形成されて、筒部25を除く上板23の下面を、前端から後方のホース接続部22へ向かって上り傾斜する傾斜面28としている。
【0011】
そして、側板24の下端には、吸引口となる楕円形の開口29が形成されるが、この開口29は、筒部25の軸心と直交する平面上に全周が位置するように形成されておらず、側板24の左右両側において、前後方向の中央が前後端よりも高くなるように上向きに湾曲する切欠き30,30が形成されている。この切欠き30,30は、ビット6の貫通部分である筒部25を中心とした点対称位置で、前後方向で筒部25よりも長くなる寸法で形成されて、切欠き30の最上部は筒部25の下端と一致している。
【0012】
また、本体部21の後側の内面には、前方へ行くに従って下り傾斜し、下端が側板24の下端と連続状に繋がって開口29の後方内縁を形成する傾斜部としての傾斜板31が形成されている。32は傾斜板31の下面に設けられた補強リブで、この傾斜板31によって開口29の通気面積が本体部21内よりも絞られるようになっている。
一方、ホース接続部22は、筒部25の後方で上板23から斜め後方へ立ち上がり、先端側の内面には、ホース11の端部をねじ込み接続するための螺旋状の溝33が形成されている。また、ホース接続部22内の根元には、前後方向の整流板34,34が、左右に所定間隔をおいて一対設けられている。
【0013】
さらに、電動ハンマ1のバレル部4には、第1のホースホルダ40が装着され、電源コード9には、第2のホースホルダ41が装着されて、ホース接続部22に接続されるホース11は、第1のホースホルダ40と第2のホースホルダ41とにそれぞれ保持されて外部の集塵機に接続される。第1のホースホルダ40は、
図3にも示すように、ホース11を保持可能な合成樹脂製のホルダ42と、そのホルダ42に接続されるゴム製のバンド43とからなる。ホルダ42は、中央に一対の把持片44,44を外向きに備えて両把持片44,44の間にホース11を弾性保持可能で、ホルダ42の一端にはバンド接続部45が、他端にはバンド係止部46がそれぞれ設けられている。バンド接続部45は、中央にネジボス47を突設した凹部48と、その凹部48に嵌合してネジボス47にネジ49で固定されるホルダ板50とを備え、バンド43の一端にネジボス47を貫通させてホルダ板50を外側からネジ49で固定することで、バンド43は抜け止め状態で接続される。
【0014】
バンド係止部46は、バンド43が嵌合可能な間隔で立設された一対のガイド板51,51と、両ガイド板51,51の間に突設されるフック52とからなる。バンド43の他端には、フック52が係止可能な複数の係止孔53,53・・が、バンド43の長手方向へ直線状に並設されている。よって、バレル部4を巻回させたバンド43の他端をガイド板51,51の間に嵌合させて何れかの係止孔53にフック52を係止させると、当該他端がバンド係止部46に係止される。なお、バンド43の中間部には、係止孔53と同じ形状の開口でバンド43の内周側が閉塞された有底孔54,54・・が複数直線状に並設されて、バンド43の屈曲性を確保しつつ内側への粉塵の侵入を防止可能としている。
【0015】
このように第1のホースホルダ40は、ホルダ42とバンド43とが一体化されているので、バレル部4に対する着脱操作がし易くなり、取扱性に優れたものとなる。
第2のホースホルダ41は、
図4に示すように、電源コード9を弾性的に把持可能なクリップ状の小クランプ55と、ホース11を弾性的に把持可能なC字状の大クランプ56とを連設した合成樹脂製の成形品となっている。
【0016】
以上の如く構成された集塵アタッチメント20は、ツールホルダ5に装着したビット6を本体部21の筒部25の貫通孔26に上方から差し込んで筒部25を貫通させ、ホース接続部22にホース11の端部をねじ込み接続する。一方、電動ハンマ1のバレル部4に、第1のホースホルダ40のバンド43を巻き付けて第1のホースホルダ40を装着し、電源コード9に第2のホースホルダ41の小クランプ55を嵌合させた状態で、ホース接続部22に接続したホース11を上方へ引き回して第1のホースホルダ40の把持片44,44によって弾性保持させた後、さらにホース11を第2のホースホルダ41の大クランプ56に弾性保持させて外部の集塵機に接続すると、集塵システムがセット完了となる。
【0017】
よって、電動ハンマ1によってコンクリートの破砕作業等を行う際、集塵アタッチメント20の下端の開口29を作業面に接地させた状態で外部の集塵機を運転させると、破砕によってビット6の周囲から生じた粉塵は、飛散することなく開口29から本体部21内に吸引され、ホース接続部22からホース11を介して集塵機に回収される。このとき、開口29は後端の傾斜板31によって通気面積が狭まっているため、ここを通過する空気の流速が増し、傾斜板31及び上板23の傾斜面28の傾斜と相まって粉塵は効率よく吸引される。そして、本体部21の開口29は、吸引力が発生しても左右の切欠き30,30によって作業面との間に僅かな隙間が形成され、全周が作業面に接触しないので、本体部21の内部が過剰な負圧になることがない。従って、本体部21が作業面に吸着して作業に支障を来すおそれがなくなる。
【0018】
このように、上記形態の集塵アタッチメント20を用いた電動ハンマ1によれば、本体部21の下端に、吸引力を発生させた状態で作業面との間に隙間を形成可能な切欠き30を設けたことで、本体部21内での過剰な負圧の発生が防止できるため、作業面へ吸着するおそれが低下し、好適な作業性が維持できる。また、本体部21にスリットを設けないので、作業中に変形しにくくなり、好適な集塵効率も維持可能となる。
【0019】
特にここでは、切欠き30を、前後方向で筒部25よりも長い寸法で湾曲形成しているので、吸引時の隙間を長く確保でき、吸着のおそれがより少なくなる。
また、切欠き30を筒部25を中心とした点対称位置に2カ所形成したことで、左右のバランスが取れて本体部21が傾きにくくなる。
さらに、本体部21の平面視を楕円形状として切欠き30をその長軸方向に形成しているので、作業面を広く覆うことがなく、必要な隙間も長く確保できる。
そして、本体部21におけるホース接続部22側の内面に、下方へ行くに従って本体部21内の通気面積を徐々に狭める方向へ傾斜する傾斜板31を設けたことで、流速が上がって集塵効率の向上に繋がる。
【0020】
なお、切欠きは上記形態のように本体部の開口の左右に1つずつ設ける場合に限らず、例えば
図5に示すように左右に2つの切欠き30,30を設けたり、或いは3つ以上設けて波状にしたりすることもできる。このように切欠き30を複数連続して設ければ、切欠き30の間で本体部21の下端が作業面に接地でき、姿勢が安定しやすくなる。この連続形成の場合も筒部25を中心とした点対称位置に設けるのが望ましい。
また、切欠きは湾曲状に限らず、三角形状や四角形状、台形状、半円形状や半楕円形状等、吸引力を維持しつつ作業面との間に隙間を形成可能であれば適宜変更可能である。従って、このような切欠きの数を増やすことで本体部の下端を波状の他、鋸刃形状、凹凸形状とすることもできる。
さらに、本体部の形状も楕円形に限らず、平面視が長円形や円形であっても差し支えない。また、上板と側板とからなる構造以外に、全体が下方へ広がるテーパ型、半円型や釣り鐘型等のカップ状も採用できる。
その他、傾斜部は上記形態の傾斜板に限定するものではなく、本体部の内面でブロック状に形成したりしてもよいし、傾斜部を省略してもよい。
【0021】
一方、第1のホースホルダについても、ゴム製のバンドをフックに係止させる構造に限らず、例えば
図6に示すようなラチェット式や
図7に示すようなパッチン錠(スナップ)式等も採用できる。
図6の第1のホースホルダ60は、ホルダ43のバンド接続部45では、ピン61によって可撓性のバンド62の一端を結合している。バンド係止部46では、ガイド板51,51の間に、抜き方向に係止する複数の係止歯63,63・・を外面に形成したバンド62の他端を差し込むものとし、その外側に、バンド62への係止方向へ回転付勢されるラチェット爪64と、端部にギヤ部66を備えて倒伏側へ回転付勢されるレバー65とを回転可能に設けている。
【0022】
よって、
図6(A)のようにレバー65を起こす矢印方向へ回転させると、ギヤ部66が係止歯63に係止してバンド62を差し込み方向へ送り、バレル部4を締め付けることができる。締付状態でレバー65を倒すと、同図(B)のようにギヤ部66が係止歯63から離れてラチェット爪64が係止歯63に係止してバンド62を抜け止めし、取付が完了する。取り外す際は、同図(C)のようにレバー65に設けた窓67を介して露出するラチェット爪64の外端部を矢印方向から押し込んで係止歯63との係止を解除させれば、バンド62を抜き取ることができる。
この第1のホースホルダ60においても、ホルダ43にバンド62を一体に設けているので、取扱性に優れる。また、ラチェットの採用によって軽い力でも強固にバレル部4に取り付けることができる上、取り外しもワンタッチで簡単に行える。
【0023】
図7の第1のホースホルダ70は、ホルダ42のバンド接続部45では、外面に放射状の切込み72,72・・を所定間隔をおいて設けた可撓性のバンド71の一端をピン73によって結合している。一方、バンド係止部46では、外面に複数の係止凹部74,74・・を周方向へ等間隔で形成して、バンド71の他端に、平面視が円弧状のロック板75の端部をピン76で結合すると共に、ロック板75の中間部に、同じく平面視が円弧状の係止板77の一端をピン78で結合している。よって、二点鎖線で示すように、ロック板75をピン76を中心に外側へ起こし、係止板77の他端に設けた係止ピン79を何れかの係止凹部74に係止させた状態でロック板75を実線で示す倒伏位置へ押し込むことで、バンド71の他端を引き込んで固定することができる。
この第1のホースホルダ70においても、ホルダ42にバンド71を一体に設けているので、取扱性に優れる。また、スナップ構造の採用によって着脱操作も簡単に行える。
【0024】
このように、第1のホースホルダは勿論、第2のホースホルダも適宜設計変更可能であるが、これらのホースホルダは集塵システムにおいて必須ではなく、両ホースホルダの何れか一方又は両方を省略することも可能である。
【符号の説明】
【0025】
1・・電動ハンマ、2・・上側ハウジング、3・・下側ハウジング、4・・バレル部、5・・ツールホルダ、6・・ビット、9・・電源コード、11・・ホース、20・・集塵アタッチメント、21・・本体部、22・・ホース接続部、23・・上板、24・・側板、25・・筒部、29・・開口、30・・切欠き、31・・傾斜板、40,60,70・・第1のホースホルダ、41・・第2のホースホルダ、42・・ホルダ、43,62,71・・バンド、45・・バンド接続部、46・・バンド係止部。